2011-03-25

原子力賛成派の原子力廃止論

日本原子力廃止することが可能である検討

可能であると結論しました

原子力利用には賛成

・CO2地球温暖化には懐疑的

・私は新エネルギーについても懐疑的

と言う立場ですので割り引いて読んでください

なお私は機械エンジニアでありますエネルギー問題そのものについては素人です。一緒に考えていただければと思います。

資源エネルギー庁(白書2010)」

http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2010energyhtml/index.html

を見てみましょう。

2008年データによると

発電電力量は9915億kWhでそのうちの2581億kWhが原子力です

原子力設備容量は4279億kWhですので60%の原子炉が稼働していることになります

これは特に2008年は稼働していない原子炉が多かったからで、2009年は65%が稼働しています。

よって良く引き合いに出される電力の30%は原子力という数字あんがい流動的なことがわかります

この30%を化石燃料に置き換えるには化石燃料が現状より40%多く必要になります

これをもって原子力廃止することはあまり現実的では無いとされてきました

ところで、電気以外のエネルギー消費にも目を向けてみますと、車のガソリンを始め非常に多くのエネルギーを消費していることがわかり、そのほとんどは化石燃料です

エネルギー全体でみると

化石燃料83.4%

原子力10.4%

となります

となると原子力10.4%を火力10.4%に置き換えるには化石燃料が現状より12%多く必要になります

もしくはたんに10%消費エネルギーを削減、するだけでも十分です

これはさほど無理な数字はないと考えられます

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

石油と国際動向

石油依存は、リスクであるとよく言われます

日本世界最高峰省エネ技術を持っているので、原油の枯渇はむしろ日本に有利に働くのでは無いのでしょうか。

自力で石油生産できる米露はともかく、中印は石油資源を有しておらず。エネルギー効率の悪い彼らと競争関係にある日本にとっては原油が高くなれば高くなるほど有利です

また、新しい油田がどんどん開発され石油無機成因説が徐々に信憑性を持ち始めているので、本当に油田が枯渇することは向こう100年では無さそうな見込みであります。CO2による地球温暖化も当初言われていたよりははるかに影響が少ないことが多数説になりつつありますので、こちらも実のところあまり気にしなくて良さそうです

ただ、石油確保に関してはアラ石の権限を失ったり、イランとのパイプを切られたりと日本失策続きで悲観的です。ここは軍事力の拡大を含めて国際的な存在感を増す必要があると思います。とは言え、国際覇権ネタ脱線しますのでこの程度にしておきます

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エネルギーについて

白書によると新エネルギーの発電設備は53万kWで全体の0.2%です

そのうちの多くは太陽光発電であるかと思います。ここでJPEA(http://www.jpea.gr.jp/04doc01.html)の資料を見ると太陽光発電パネル国内出荷は2009年単年で62万kWとあり白書と矛盾します。ベストエフォートと推定実効値の差であると推察されます

太陽光発電は夏の電力需要のピークに最大出力を出すのは大きな利点です課題価格設備投資に安くても50万円/kWh(新築時に導入)もします。

実用レベルの22円/kWhはどうにかぎりぎり達成していますが、これは色々な付随するコストの無視や20年という非現実的な償却期間を元にしていますので実体としての数字は未知数です。また価格もこの5年間は下げ止まっている(http://www.solar.nef.or.jp/josei/kakakusuii.htm 及び現在の平均価格60万円/kWhより)ので、むこう10年で日本電気需要の5%以上を占めるには何らかの価格破壊が必要です

なお、太陽光の利用は太陽光給湯がエネルギー変換効率約60%と太陽光発電20%と3倍であり、こちらは積極的に進めるべきであると考えられます

個人的にはいわゆる藻油などの水生系バイオマスセルロースバイオマス(藁など)に大いに期待しています。これを石炭火力発電に利用するのは比較現実的だと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

省エネについて、

製造業

再び白書を見ます製造業エネルギー消費は1973年以降むしろ減っていることがわかります製造業はすでに相当に効率化されているのでさらなるエネルギーの削減は簡単では無さそうですが、単に工場国外移転で今後もじわじわ減っていくものと思われます

・運輸

運輸部門の消費は2002年をピークに減少をしています。不況ハイブリッド車の普及、ダウンサイジングによるものと思われます。このトレンドはしばらく続くでしょう。

詳しく見ますと貨物部門が1996年をピークを迎えたのに対して、旅客部門は2001年がピークです。なお、国内国内自動車販売数は1990年がピークですが保有台数はその後も上がり続け2004年にようやく以降横ばいになります。車は2004年に必要な国民に行き渡りそれ以降は買い換えの需要しか無いとも考えられます

技術的に燃費ロープレッシャーターボアイドリングストップの前者への導入などまだまだ改善の余地が有り、さらにはダウンサイジングで大きく燃費は削減できるので一回の買い換えサイクルの7年程度でさらに10%削減は大いに可能でしょう。

なお電気自動車(によるCO2削減)は原子力による無尽蔵のエネルギー供給を前提にしていますので諦めることになるでしょう。

・民生

民生部門の消費は2005年をピークに減少傾向にありますが、家庭業務の双方を含み判断が難しいです。近年では電力消費はOA機器エアコンが大きなウェイトを占めていると白書は分析されています。

ただ数字を見ると家庭業務の双方で冷房は2.1%,12%と非常に小さい数字であることがわかる一方で暖房給湯が半分を占めています。また特に業務部門ではOAの消費電力が大きく、PCサーバの消費電力がバカにならないことがわかります。つまりウォームビズで大きく消費エネルギーは削減できます。ただしこの数字は試算であるので正確性に欠けるおそれが大きいです。

IT業界2008年(ATOMの発売)頃からパフォーマンス競争は一段落し、iPad以降は特に小型低消費電力の流れが強くなっているので今後も電力消費は減る方向に向かうものと思われます

なおITについてはサーバ海外に置くことによって実質的に電力の輸入が行えると附しておきます

冷房について補足

冷房の消費エネルギーはせいぜい国内エネルギー消費の3%ではあるのだが、よく取りざたされるのは夏場の昼にのみ発生するからです

これにより、7月ピークは11月の1.5倍電力を消費するなどと言われています。

「1年間の電気の使われ方の推移」

http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/sw_index_06/index.html

「最大電力発生日における1日の電気の使われ方の推移」

http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/sw_index_05/index.html

しかし、色々調べてみましたクールビズが定着した2005年以降の資料が見つかりませんでした。また夏場のピーク時にも電力を大きく消費するオール電化住宅2008年以降急速に普及している事実があります

これから推察される事実は夏場の電力不足は(今年はともかく)既に解決しているのでは無いのかということです

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オチ

人口推移

どちらにしろ、日本人口は減少トレンドに入りましたので、これ以降はなにもしなくても必要なエネルギーは減る一方です

↓によると日本人口20年後には1割減ることになっていますのでその頃には無理なく原子力とおさらばできるでしょう。

「総人口の推移」

http://www.stat.go.jp/data/nihon/g0302.htm

つまりどんなに省エネが下手でも20年後には原子力日本には不要になっています。

  • 20年後なんて、日本ほぼ終わってて維持するの大変だろうしね。 発ガン率を心配してる場合じゃないくらいヤバいのに。 原発推進派も、反対派もどちらも他に労力使った方がいい。

  • 火力発電OK、CO2排出もやむなしなら天然ガス発電じゃね? 発電コストは原発と同等。 CO2は石油火力と同じ位だすらしいけど。 http://anond.hatelabo.jp/20110323062046 たしかにCO2排出が地球温暖化...

  • 油田が見つかっているのは 海底油田とか北極圏でしょ。 それらは掘るには、掘るために石油が必要で 沢山のコストがかかる。掘りやすい場所から 石油は全然見つかってないっしょ? ...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん