はてなキーワード: 給与格差とは
こんな記事があった
声をつないで:女子の大学進学 東京と鹿児島で格差2倍超 10県は30%台どまり | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220213/k00/00m/040/124000c
これを見て他の都道府県も知りたかったので、基になっている学校基本調査という奴から表を作ってみた。ただこの統計表は4年生大学以外の短大や専門学校への進学も含まれるものだ。
No. | 都道府県等 | 全数 | 全進学者 | 全進学率 | 進学率順位 | 男子全数 | 男子進学数 | 男子進学率 | 進学率順位(男子) | 女子全数 | 女子進学数 | 女子進学率 | 進学率順位(女子) | 多いのは? |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 計 | 1037284 | 578341 | 56% | 17 | 516684 | 278842 | 54% | 17 | 503610 | 299499 | 59% | 17 | 女 |
1 | 北海道 | 39200 | 18908 | 48% | 35 | 19514 | 9635 | 49% | 30 | 19301 | 9273 | 48% | 30 | 男 |
2 | 青森県 | 10798 | 5330 | 49% | 33 | 5311 | 2586 | 49% | 31 | 5089 | 2744 | 54% | 31 | 女 |
3 | 岩手県 | 10345 | 4698 | 45% | 45 | 5237 | 2243 | 43% | 43 | 4886 | 2455 | 50% | 43 | 女 |
4 | 宮城県 | 18805 | 9744 | 52% | 29 | 9441 | 4790 | 51% | 27 | 9227 | 4954 | 54% | 27 | 女 |
5 | 秋田県 | 7392 | 3559 | 48% | 36 | 3624 | 1657 | 46% | 35 | 3516 | 1902 | 54% | 35 | 女 |
6 | 山形県 | 9381 | 4355 | 46% | 41 | 4581 | 2066 | 45% | 38 | 4517 | 2289 | 51% | 38 | 女 |
7 | 福島県 | 15802 | 7539 | 48% | 37 | 7856 | 3573 | 45% | 37 | 7681 | 3966 | 52% | 37 | 女 |
8 | 茨城県 | 24359 | 12833 | 53% | 27 | 12293 | 6451 | 52% | 20 | 11743 | 6382 | 54% | 20 | 女 |
9 | 栃木県 | 16721 | 9045 | 54% | 23 | 8531 | 4478 | 52% | 19 | 8050 | 4567 | 57% | 19 | 女 |
10 | 群馬県 | 16255 | 8798 | 54% | 22 | 8428 | 4316 | 51% | 24 | 7926 | 4482 | 57% | 24 | 女 |
11 | 埼玉県 | 55098 | 33440 | 61% | 8 | 28222 | 17287 | 61% | 7 | 26263 | 16153 | 62% | 7 | 女 |
12 | 千葉県 | 48202 | 28068 | 58% | 12 | 24043 | 14142 | 59% | 12 | 23288 | 13926 | 60% | 12 | 女 |
13 | 東京都 | 98943 | 68292 | 69% | 2 | 49310 | 32080 | 65% | 3 | 50410 | 36212 | 72% | 3 | 女 |
14 | 神奈川県 | 65293 | 41218 | 63% | 5 | 33204 | 20488 | 62% | 6 | 32331 | 20730 | 64% | 6 | 女 |
15 | 新潟県 | 17158 | 8395 | 49% | 34 | 8922 | 4209 | 47% | 33 | 8375 | 4186 | 50% | 33 | 女 |
16 | 富山県 | 8720 | 4775 | 55% | 19 | 4385 | 2244 | 51% | 25 | 4268 | 2531 | 59% | 25 | 女 |
17 | 石川県 | 9872 | 5711 | 58% | 13 | 5215 | 2770 | 53% | 18 | 4905 | 2941 | 60% | 18 | 女 |
18 | 福井県 | 7089 | 4220 | 60% | 10 | 3412 | 2108 | 62% | 5 | 3400 | 2112 | 62% | 5 | 女 |
19 | 山梨県 | 7727 | 4536 | 59% | 11 | 4098 | 2460 | 60% | 9 | 3521 | 2076 | 59% | 9 | 男 |
20 | 長野県 | 17985 | 9132 | 51% | 31 | 8952 | 4266 | 48% | 32 | 8649 | 4866 | 56% | 32 | 女 |
21 | 岐阜県 | 17565 | 10065 | 57% | 15 | 8695 | 4882 | 56% | 14 | 8457 | 5183 | 61% | 14 | 女 |
22 | 静岡県 | 31272 | 16854 | 54% | 25 | 15667 | 8790 | 56% | 15 | 14869 | 8064 | 54% | 15 | 男 |
23 | 愛知県 | 62134 | 37186 | 60% | 9 | 30660 | 18362 | 60% | 10 | 30993 | 18824 | 61% | 10 | 女 |
24 | 三重県 | 15116 | 7949 | 53% | 28 | 7461 | 3853 | 52% | 23 | 7338 | 4096 | 56% | 23 | 女 |
25 | 滋賀県 | 12524 | 7190 | 57% | 14 | 6344 | 3620 | 57% | 13 | 5902 | 3570 | 60% | 13 | 女 |
26 | 京都府 | 22049 | 15399 | 70% | 1 | 10822 | 7443 | 69% | 1 | 10946 | 7956 | 73% | 1 | 女 |
27 | 大阪府 | 70339 | 45229 | 64% | 4 | 34094 | 22424 | 66% | 2 | 34547 | 22805 | 66% | 2 | 女 |
28 | 兵庫県 | 43957 | 28285 | 64% | 3 | 21292 | 13638 | 64% | 4 | 21609 | 14647 | 68% | 4 | 女 |
29 | 奈良県 | 11180 | 6909 | 62% | 7 | 5745 | 3450 | 60% | 8 | 5308 | 3459 | 65% | 8 | 女 |
30 | 和歌山県 | 7968 | 4305 | 54% | 24 | 4001 | 2095 | 52% | 21 | 3903 | 2210 | 57% | 21 | 女 |
31 | 鳥取県 | 4718 | 2185 | 46% | 42 | 2381 | 947 | 40% | 45 | 2308 | 1238 | 54% | 45 | 女 |
32 | 島根県 | 5837 | 2765 | 47% | 39 | 2957 | 1364 | 46% | 34 | 2681 | 1401 | 52% | 34 | 女 |
33 | 岡山県 | 16792 | 9103 | 54% | 21 | 8438 | 4296 | 51% | 26 | 7990 | 4807 | 60% | 26 | 女 |
34 | 広島県 | 22463 | 13887 | 62% | 6 | 11290 | 6732 | 60% | 11 | 11257 | 7155 | 64% | 11 | 女 |
35 | 山口県 | 10503 | 4643 | 44% | 47 | 5231 | 2028 | 39% | 47 | 5086 | 2615 | 51% | 47 | 女 |
36 | 徳島県 | 5886 | 3328 | 57% | 16 | 2919 | 1512 | 52% | 22 | 2874 | 1816 | 63% | 22 | 女 |
37 | 香川県 | 8437 | 4658 | 55% | 18 | 4105 | 2234 | 54% | 16 | 4028 | 2424 | 60% | 16 | 女 |
38 | 愛媛県 | 10570 | 5696 | 54% | 26 | 5552 | 2787 | 50% | 29 | 5107 | 2909 | 57% | 29 | 女 |
39 | 高知県 | 5755 | 2948 | 51% | 30 | 2878 | 1315 | 46% | 36 | 2774 | 1633 | 59% | 36 | 女 |
40 | 福岡県 | 40648 | 22173 | 55% | 20 | 20173 | 10230 | 51% | 28 | 20054 | 11943 | 60% | 28 | 女 |
41 | 佐賀県 | 7550 | 3453 | 46% | 44 | 3918 | 1680 | 43% | 42 | 3575 | 1773 | 50% | 42 | 女 |
42 | 長崎県 | 11590 | 5519 | 48% | 38 | 5761 | 2574 | 45% | 40 | 5611 | 2945 | 52% | 40 | 女 |
43 | 熊本県 | 14750 | 6964 | 47% | 40 | 7467 | 3220 | 43% | 41 | 7065 | 3744 | 53% | 41 | 女 |
44 | 大分県 | 9557 | 4754 | 50% | 32 | 4884 | 2191 | 45% | 39 | 4628 | 2563 | 55% | 39 | 女 |
45 | 宮崎県 | 9653 | 4460 | 46% | 43 | 4831 | 2027 | 42% | 44 | 4611 | 2433 | 53% | 44 | 女 |
46 | 鹿児島県 | 13956 | 6298 | 45% | 46 | 7080 | 2753 | 39% | 46 | 6797 | 3545 | 52% | 46 | 女 |
47 | 沖縄県 | 14093 | 5749 | 41% | 48 | 7105 | 2690 | 38% | 48 | 7101 | 3059 | 43% | 48 | 女 |
いろいろ突っ込みどころが多いので一応突っ込んでおく
まずNTTの事業会社に所属していたらそのグループの大きさがよく分かっているはずだと思う。
NTT東西、ドコモ、データ、コムとか書くと「まぁ5社ぐらいか」みたいに就活を始めた学生あたりは思うんだろうけれど
その5社の下には山のように子会社があるし、この5社以外の関連会社もある。
こんだけたくさんの会社と社員がいるのでいろんな社員がいるし、いろんな上司がいるし、いろんな部署がある。
農業やってる会社もあればBLコンテンツ作ってる会社まで何でも揃ってる。
それを知った上で
とか
「NTTは〇〇だ」
とか、ちょっと主語が大きすぎて何のことなのかさっぱり分からない
も主語がでかすぎるし、まぁそういう頭の持ち主なんだろうと思う
以下の指摘もあくまで自分が見てきた範囲内での指摘なので、NTT全体がこうだという気は全く無いし、元記事のような部署があっても全くの不思議ではない
ただ、管理職に関する指揮系統はある程度統一されているのでそれほど違わないだろう、とは思う
なぜかパワハラ関係には異様に厳しいので管理職はみんなビクビクしている
社員は投書が可能で、それは例えどれほど上役の人であっても情報共有されずに調査が始まる
周囲の社員の聴取や事実関係を徹底的に調べて非があれば一発アウト
まぁクビにはならないのだが出世レースからは退場となり閑職に就くことになる
本当にパワハラ合っているなら投書すれば良い
そんな上司はすぐに飛ばせる
そもそも転職するのに必要なのは能力ではないのだが、それは置いておいて
転職しない無能な社員が多く見えるのは、市場価値より多めの給与・待遇を得ているからに他ならない
どんなに無能でも給与が今の給与が安くて他の会社の方が給与が高ければ一定数は転職する
NTTはこの給与格差が非常に小さく、たとえノーベル賞級の発見をしたとしても給与やボーナスはさほど変わらない
高評価が連続で付くことも稀であるのと同様に低評価が連続で付くこともそうそう無い(若手の間はそもそも高評価が付かないクソシステムではある)
この格差の小ささから優秀な人は抜け、そうでない人は残るということが起きているにすぎない
部下が辞めようが問題を起こそうが上司が咎められることはまったく無い
犯罪を起こしても関与していなければ何も影響しない
ところが3年もすればその上司も部署異動になるのでせいぜい2年ほど耐えれば人が少ない状況から抜け出すことができるし
だいたい5年に一度は組織再編するのでどうにか問題は解消される
ちなみに本当に忙しい部署の場合は人事に泣き付くとどうにかしてくれる
ここが一番嘘くさい
百歩譲って人事部が情報収集することはあるのかもしれないが、人事関係を見ていない上司がそんなことしても意味が無い
ただこれもその上司の人間性によってはやる奴がいるかもしれない
なぜか退職してからも数年にわたって「NTTはこうだった」「NTTはここがダメだ」とかをネットで発信し続けるストーカーみたいな元社員がたまにいる
(はてブでもたまに話題になる心がぶっとい人も数年に渡って文句を言い続けている)
普通に考えたら退職した会社のことなんてどうでもいいと思うんだが何か逆鱗に触れるのか思い出したかのように文句を言い続ける人がいる
多分この人も心の病か何かでいろいろと上手く行って無かったんだろう
それを上司が気にしたりしたことがパワハラに捉えられているとか
飲み会の席で「そういやあいつって何してるの?大丈夫かな?」とかを同僚に聞いたのを「探っている!」とかに勘違いしてるんじゃなかろうか
女子選手の給料が安いのは差別ではないか? というのは割と定期的に話題になる。
これには構造的な問題があり、多くの競技で男子の競技人口より女子の競技人口の方が少ない場合が多い。
競技人口が少ないので助成金などの割当が少なくなりがちで、競争による競技レベルの向上が起こりにくくスポンサーも付きにくくなる。
この競技人口が少ない事への原因に女性差別的な要素があるのではないか? という指摘が昔からある。
「女の子はスポーツなんてしなくていい」「ああいう野蛮な競技を女性がやるべきではない」といった家族や社会の圧力がそうさせているのではないか? という指摘だ。
元々女性とスポーツという命題は女性の職業選択と合わせて、女性解放運動の根幹を担ってきたものでもある。
「女性は保護されるべきだ」という考え方が「だから女性は仕事やスポーツなどすべきではない」と変化し、女性の行動の自由が著しく制限されてきた歴史がある。
そういった行動の制約からの開放こそが女性解放運動の本質であり、女子スポーツ選手の給与問題もその文脈の延長線上にあるものだという事は理解しておかねばならない。
無論、単純に女子スポーツの人気が無く収益性が低いという面はある。
しかしその原因に女性差別的な要素が含まれている以上、そこは是正する必要がある。
また性差を抜きにしてもスポーツ選手の給与格差は問題を孕んでいて、引退後のセカンドキャリアなども含めて幅広い議論を進める必要もあると思う。
1) 元々出世意欲が低く打診しても断られる
まるで“山口先生が知らない問題”であるかのような口ぶりだが、2)と3)は山口先生の解析で男女の賃金格差の主因足りえないことが示されている(個別でも組み合わせても)。山口先生が研究で(たぶん)扱っていない1)についても要因の一つたり得るがエビデンスは少ない。
1) → 出世意欲の男女差では賃金/管理職割合格差を説明しきれない(調査も少ない)。
2) → 勤続年数が同じ(寿退社しない)でも格差は残る。また夫選びは勤続年数に影響を与えるファクターたり得るが、勤続年数そのものは格差の主因ではないことは今言った通り(※7)。
3) → 学歴で補正しても格差は残る。また大学での専攻の男女差でも格差を説明しきれない。
※7:ダグラス=有沢の法則というものが知られており、これは夫婦間の給与格差が大きいほど妻の就業(継続)確率が下がるというもの。日本ではちらほらとエビデンスがあり、勤続年数を媒介として男女の給与格差に影響を与え得る要素の一つ。
最後にもう一度確認です。私と山口先生は結果としてのファクトの認識は共有しています。そこに異存はありません。
twitter.com/SeanKy_/status…
問題は解釈のほうです。確かに前世紀なら男女雇用機会均等法などを必要としていたこともあり、男女差別があったと言っていいでしょう。
しかし、2020年女性管理職30%の目標に起業が本気で取り組み、男性の育休を強制的に取らせる施策が広がるこの時代に、女性に昇進を打診しても断ってしまう問題や、自分より所得の高い夫を選び寿退社してしまう問題、進学段階で工学系に進まない問題に取り組む必要が出ているのです。
本気で取り組んですごーい。2020年までに女性管理職30%の目標が出たのは2003年で、女性躍進法が2016年、そして今年やっぱ無理だから2030年までに延長。本気の努力凄いなあ。男も強制されると育休をとるなんてスゴイね!ほんとに凄い時代だよ取得率8%だけど。
なおショーン君の挙げたいずれもが男女の給与格差の主因ではないことは既に示した通り。解析結果を“ファクト”と呼ぶなら、君が挙げた3つは解釈どころではなく“ファクト”に反する主張だよ(※8)。
そして実はさりげないすり替えがある。「自分より所得の高い夫を選び寿退社してしまう問題」?先のツイートでも「2) 夫選びの指向で寿退社が多くなる」と言ったね。
思い出してほしいが、夫選び云々でショーン君が言ってたのは「女が転勤についてこない夫を選ぶ問題」だ。
これが寿退社(結婚を機とした離職)とどう関係するんだ?結婚したら即座に転勤を命じられる慣習でもあるのか日本には。寿退社するなら転勤は関係ないし、転勤時の夫婦の不一致で辞めるならそれは寿退社じゃない。
いやまあ『「妻の出世を邪魔する夫」を選ぶ妻』より、「金持ち男と結婚して退社する女」をディスる方が楽とは思うがね。
※8:繰り返すが、それらは当然ファクターの一つたり得る。もっと言えば説明力があんまり高くないファクターでもある。そしてそれだけでは説明できない男女格差が存在するのが“ファクト”である。
nikkei.com/article/DGXLAS…
2019年の男の育休取得率8%弱なんだけど。みずほは2015年で1.5%、2021年現在未達成(恐らく)。宣言するだけで「頑張ってる!」って……
まあ男にも男の事情があるのさ。男が育休取れない(“取らない”とは言うまい)のは女の育児家事のハイウェイトと鏡うつしだ。根性論でどっちが悪いというもんでもない。
大企業/大きな事業所では私の論が成り立つが、小さな事業所では成り立たないのはnoteでも書いた通りです。
ただし、両者は表裏一体で、大企業では休職・退職に対する労働力の調整を転勤の強制によって行えるのに対して小さな事業所ではそれが出来ないわけですが、
中小企業は配置転換や転勤させるにもその補充元がいないので、最初から問題を回避するために退職や休職をしなそうなメンバーを選んでいるというセレクションバイアスが差別の原因であり、解消するには「転勤を受け入れる従業員のいる大きな事業所にしろ」という話になってしまうと。
間接差別と統計的差別を直球でぶち上げてくるなんて、ショーン君は凄いなあ。
第7条 事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であって労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。
簡単な要約は
間接差別とは、
① 労働者の募集又は採用に当たって、労働者の身長、体重又は体力を要件とするもの
② コース別雇用管理における総合職の労働者の募集又は採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること
「ある企業が一定の嗜好をもって被雇用者を選別する場合(白人がいいとか男がいいとか)、実際のパフォーマンスで白人/黒人、男性/女性で差がなくとも格差が生じる。ただし、それは経済的に不合理であり(より優秀な黒人や白人を逃がす)、合理的に被雇用者を選ぶ別の企業との競争で不利になるため、差別的な企業は市場から淘汰されていく」という理論。
統計的差別論にはいくつかのタイプがあるがここではPhelpsのものを紹介する。
「“雇用者側が評価する資質について、志願者/被雇用者には個人差がある”かつ“雇用者側が評価する資質について、志願者/被雇用者の属するグループ間に統計的な差が存在する”ことが前提。そのうえで、志願者/被雇用者の個人の資質を見極めるより、グループ間の統計的な差を知る/調べる方がコストが低く済む場合、個人ではなくその属するグループに基づいて扱い(雇用の可否、賃金や昇進、教育投資等)を決定する方が(経済的に)合理的である。その結果、統計的差別は淘汰されずに市場に残り続ける。」
例を挙げるなら、ある女性社員個人が早期に離職するか分からない場合、女性全体の統計的データをもとに長時間労働せず早期離職するものと判断してOJT等の投資を控える。
3人に2人の女性が早期離職する場合、大きなコストをかけて誰が辞めるか誰がそうでないかを見極めるより、全員に投資しない選択をした方が安く済む。
3人に1人の女性社員が長時間労働を厭わず定年までバリバリ働く場合でも関係ない。合理性の前の致し方ない犠牲というやつである。
別の例なら男性保育士。男性は女性より圧倒的に性犯罪を犯しやすいという統計的データにもとづき、男性保育士の性犯罪リスクを厭って採用を見送るあるいは女性保育士より低く評価するなど。
山口先生は長年この統計的差別を批判している。「差別はいけない」というだけでなく、「本当に合理的かそれ?」という批判である。
詳しくは山口(2008,2010)でも読んでくれもう疲れた。
いやあ疲れました。ここまで書いてもうギブアップ。まだ件のtogetterまとめは続くけど、これ以上はキツい。精神的にも実作業的にも。
山口先生も災難だったろう。自分の名前出して間違ったこと言ってる人がいるから訂正したら、論点でジャグリングしながら錐揉み回転で突っ込んでくるんだもん。そら逃げるわ。
この増田書くのに結構時間かけて文献読んで論理チェックしてと、得るものは無し。絶対コラムとか講演のために時間使った方がいいわ。不毛。
そもそもネットバトル自体、ツイッター歴1年と3カ月、総ツイート500ちょいのライトユーザーたる山口先生には厳しかろう。
もっとネットバトルに慣れてる、そうだなNATROM先生あたりならきっと最初に「まず“時短や離職で賃金格差が生じた”というのは撤回するということでよろしいですか?」とか詰めるだろう。
とまれ、ここまで書いた分だけでも賢明な諸君はいろいろ察してくれるだろう。僕ぁもう疲れたよ。
念のために言っておくが、山口先生や他の研究者が挙げている男女賃金格差の要素は、それぞれ解決すべき問題の一つである。正体不明のファクターなんて対処しようがないからね。
しかしその解決は社会的な要因あるいはシステムへの介入(企業の自助努力だけでなく国からの援助も含む)によるものであり、個々人の意識や行動にそれを求める精神論はお呼びではない。
最後に一言で件のtogetterまとめの流れを言えば、“起結転転転転転転転”。ではさようなら。
山口一男 (2008) 男女の賃金格差解消への道筋―統計的差別の経済的不合理の理論的・実証的根拠.日本労働研究雑誌 50(5), 40-68.
山口一男 (2010) 常勤者の過剰就業とワーク・ファミリー。コンフリクト.RIETI-DP 10-J-008
山口一男 (2014a) ホワイトカラー正社員の管理職割合の男女格差の決定要因.日本労働研究雑誌 56(7), 17-32.
山口一男 (2014b) ホワイトカラー正社員の男女の所得格差―格差を生む約 80%のメ
山口一男 (2016) 男女の職業分離の要因と結果―女性活躍推進の今一つの大きな障害について. RIETI-DP 16-J-001.
馬欣欣,乾友彦 (2016) 正規社員が管理職になる決定要因およびその男女間の格差―従業員と企業のマッチングデータに基づく実証分析―.RIETI-DP 16-J-015.
馬欣欣,乾友彦,児玉直美 (2017) 管理職における男女間格差 : 日本の従業員と企業のマッチングデータに基づく実証分析 (小特集 日本の格差問題).経済研究 68(2), 114-131.
Gijsbert Stoet, David C. Geary (2018) The Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education. Psychological Science 29(4), 581-593.
Gijsbert Stoet, David C. Geary (2020) Corrigendum: The Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education. Psychological Science 31(1), 110-111.
Sarah S. Richardson, Meredith W. Reiches, Joe Bruch, Marion Boulicault, Nicole E. Noll, Heather Shattuck-Heidorn (2020) Is There a Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Math (STEM)? Commentary on the Study by Stoet and Geary (2018). Psychological Science 31(3), 338-341.