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はてなキーワード: スローモーションとは

2015-07-18

「死」の認識が、自分友達でズレがあった。

死ぬならさ~、どう死にたい?」

「いや、別に死にたくないが。現在進行形ですごく生きたいが」

「仮に、だよ。僕はやっぱり誰にも悟られず、消息不明みたいな扱いで。でも友達とかには『あいつきっと死んでるんだろうなあ』みたいに漠然と思われるように死にたい

「ああ、そういう感じか。じゃあ、俺はやっぱりヒーロー決闘のすえ敗れ、高いところから『うわああああん』って叫びながら落ちていくのがいいかな」

「……う~ん」

「あ、違う違う。ゴジラだ。ゴジラに踏み潰されたい。熱線?のほうも考えたけれど、踏み潰されたほうが無常感があっていい」

「それは……無理だと思う」

「となると爆発か。マイケル・ベイあたりに頼めばやってくれそう」

「いや~」

「じゃあ、『もう安心だ』みたいな雰囲気からの、後ろから敵にブッ刺されるやつ。で、仲間が『Nooooo!』っていうの」

日本じゃないの」

「崩れ落ちながら死ぬなら、最低限スローモーションにはなってて欲しいかな」

物理的に?」

「じゃあ、海に恋人と行ってサメの餌食に」

「それ、恋人も死んでない?」

「ああ、他人迷惑はかけたくないよな。でも、『この戦いが終わったら一緒に海老の店開こうぜ』とかあからさまな死亡フラグとか、最初イヤミな態度だけど後半にいい人になって死ぬみたいなのは趣味じゃないんだよなあ」

「僕のいっているの、そういうことじゃない」

「じゃあ、瓦礫に押しつぶされるパターン。で、終盤で崩れた瓦礫から手がボコッと出てきて『To be con」

「死んでないじゃん!」

「死んで欲しいのかよ」

もう少しリアリティのある話を期待したのだが、とりあえず僕も友達もまだ死ぬ気配はなさそうだ。

2015-06-25

邦画カメラワークがチープな感じなのはメタから目線から

結構前に話題になってた奴。

これ、日本ビデオゲームアニメもか?)の特徴でもあるんだけど、カメラ=観客 を神様の立ち居地に置いてるからだと思う。

メタから目線・観客席から目線・神から目線お茶の間から目線……要するに、安全なところからすべての情報完璧に見ることが出来る視線

ものすごく客観的目線のみで捕らえ、主観的目線を排する。

まず「カメラ主観的視線概念を極力排除」している。

注視するものって動かずに見え、背景こそが動いて見えるのが、目の機能としては自然なんだけど、日本演出注視すべきものほどよく動き、逆に背景は動きが抑えられている。

これによって、観客は「何に対しても注視していない感」が与えられる。

ビデオゲームは動かず注視される対象主人公なんで、そこはちゃんとしているんだけど、逆に敵に焦点が当たってないわけで、主人公に対して没入せず、他人目線を維持する。FPSを避けてTPSに走る。

また全体的に被写界深度も深く、これまた「注視してる感」を避けてる。

あと同系統の話しになるんだけど、「カメラに入るものは、全てが神のごとくよく見える」

手前に邪魔ものが入ったり、重要な部分が見切れたり、陰影でつぶれて、見るべき対象物がよく見えない、という状況をかなり避けている。

被写界深度もそうなんだけど、カメラに入るすべてのものが、きっかりはっきり情報を与えている。

注視対象は全て見えるようになっていて、緊張感があるシーンでは、真正から見据えてますます情報を隠させない。

あとそもそもとして「対象記号的に捉える」っていうのもある。

意味が一意に取れるシンボルとして描かれる。ある種のミニマリズム

UI理想形みたいな繋ぎ方をする。

要するに「観客にとって不安定で、意味を確定できない情報」がとことん排される。

超どアップが多用されるのも「見るべきものけがこの世界存在しているもの」だから

これらの禁則を破る場合インパクトを出すため。

ドッキリシーンとして一瞬だけ行われ、その状態を維持して不安にさせるような使い方はさせない。

で、視線主観性を排して、どこでメリハリをつけるかというと、時間軸に主観性を持たせて、そこでメリハリつけるのが日本物の基本。

特にこの辺にコストがかからないアニメなら、スローモーションバレットタイム、絵の一時ストップ、見得を切る瞬間、などなど。この辺はハリウッドに輸出された。

ただ、これもある種の神様視点特権かもしれない。

神はあらゆるものを精査に見渡せるのだから、見るべきシーンがスローでじっくり見られるのは当然という。

2015-01-31

寄生獣ちょっと今回はもったいなかったな。

三木との戦いはもっとスローモーションでなんとかミギーなしで防御してるのを表現してほしかったし折りたたみナイフも分かりにくかった。

それに省略された父親との細かいやりとりとか是非やってもらいたかったのに。

 

あとトラックに乗るとこの「でもちょっと気落ち良かった」とか。

2014-07-20

定期通過駅で降りて次の駅までうろうろ歩く趣味の2人、ふたたび

http://anond.hatelabo.jp/20140718131158

つづきです。さらに長文になりました。すいません。

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「へえ、それは渋い趣味だね、じゃあ特に目的なくゆるゆる次の駅まで行くんだ」

趣味合致におどろきつつも、あんまりそのまま「おれもおれも」と迎合するのは気が引けました。

しわざとらしく、厭らしいと思われるんじゃないかな、と考えていたのかもしれません。

はい、まあダイエットも兼ねてるんで歩くことが目的ですかね」

「でもちょっと食べ過ぎだよね。相殺されちゃうよね…」

あはは…」

美味しそうにプリンを食べながら笑う女の子は、まあいってしまえばぽっちゃり気味だったし

美人というよりはかわいい寄りで、それに大抵の人たちはそのかわいさすら横において「愛嬌あるよね」で終わってしまいそうな女の子でした。

タイプかと言われれば、そうでもないが、遠すぎもしない。いやしかし。

ひとしきりランチを終えて、ガサガサとゴミを片付けると、女の子は「それじゃあ、おじゃましました、いきますね」と軽い足取りで立ち上がり、

にっこり笑って、小さく手を振って「今度はおじゃましないようにしますねー」と去って行きました。

名前も、連絡先も、たずねることも、たずねられることもなくほんの数十分の邂逅は終わりました。

ただ、友人の言っていた「自分の好きなことを好きな人は必ずいる」という言葉は間違いではないという確信を得ることはできました。

これだけでも充分な収穫です。たかだか2ヶ月でこの成果であれば、きっと…

そこからさらに2ヶ月の月日が流れました。

引き続き、休日仕事帰りも趣味に浸りつつ過ごしていましたが、その間にあった出会いといえば

酔っぱらい7人、客引き5人、掃除のおばちゃん3人、犬猫多数、ニワトリ、亀、職務質問2回。

そもそも女の子との出会いは皆無でした。

ここいらへんで当初の目的を思い出してみます

彼女が欲しいから結婚したいから

そう、ちょっと忘れかけていたのです。趣味に没頭しすぎました。

何を格好つけていたのか、あの時の女の子こそが運命出会いだったのではなかったか? 後の祭りです。

偶然も三度続けば奇跡かもしれませんが、自分奇跡が起こったとしても現実的にそこから新たな未来を切り開く冒険者ではありませんでした。

いまさらあの時連絡先聞いておけばよかったと思ったところでどうにもなりませんでした。

女の子にたどり着くすべなど、もうありませんでした。

それにたどり着いたとして、どうやってもう一度声をかければいいのでしょうか。


もう一度、奇跡が起こるしかない。そして、三度あることは、四度もあったのです。


遅刻は確定でした。

目が覚めたのが普段なら既に職場近くの駅に到着する時間

いくらがんばったところでどうにもならない。迷惑だけはかけたくないので上司関係各所に謝罪連絡をいれました。

上司はもう仕方ないし、のんびり来なよ、慌てて事故ったりしてら余計面倒だしねと言ってくれたので、1時間遅れで自宅を出発しました。

始業の早いうちの職場のおかげで、普段は通勤ラッシュに巻き込まれずにすみます

いつもより遅い通勤電車は。まさしく通勤ラッシュにぶち当たっていて、

ぎゅうぎゅう詰めの電車はガタゴト息苦しく走っています

とある駅に到着しました。ドアが開き、沢山の人が降りて、また沢山の人が乗り込んできます

一人の女性が持っていたカバンの角が、ドムッと鈍い音をたててみぞおちに食い込みます

「あっ、ごめんなさ…あれ?」

「えっ」

あの女の子でした。

あの、女の子、でした。

ドラマならスローモーションになるところでしょうか。あるいはその瞬間「つづく」って出るところでしょうか。

いや、あまりにもベタな展開すぎて脚本段階でダメ出しがかかるところです。

あの時と違う、落ち着いたジャケットスカート姿。メガネは黒縁になっていましたが、確かにあのときの、あの女の子でした。

女の子女の子で、こちらに気づいたようで「あ、もしかして神社…きゃっ」

言いかけたところで、3列待機していたサラリーマン集団突入してきて、通路の真ん中にいた2人は押し流されて、

ドア側の隅っこで背中合わせになってしまいました。身動きがとれません。

夢にまで見たあの女の子がすぐ後ろにいる、という事実と、振り返ろうにも動けないこの状態。

そもそも振り返ってなんて話せばいいのか、女の子は気づいてくれているようだが…

自分の降りるべき駅まであと20分くらい。途中駅で降りる人は少ないから、むしろ混雑は悪化するはず…どうする?

唐突降臨した四度目の奇跡と、下手に与えられたこの考える時間のせいで、ぐるぐるぐるぐるしていました。冷や汗すらかくほどに。

その時でした。不意にトントンと肩をたたかれ、にゅっと頬の横に手が伸びてきました。

握られた携帯電話の画面に文字がありました。

『でんわばごうおしえて』

即座に意味理解出来ました。こちらも液晶画面に電話番号を表示させて、後ろ手に捻るようにして女の子のほうに向けます

ポチポチ携帯操作する音が聞こえたかと思うと、SMS着信音が小さく鳴った。

ここはしずかちゃんのパパの名言をそのまま借りたい。

さなさなしかデフォルトのままのピヨンというこの音が、

天使のラッパの音みたいにきこえた。 あんなに楽しい音は聴いたことがなかった。

『また、おじゃましちゃいましたね。びっくりしました』

http://anond.hatelabo.jp/20140723132031

2014-05-11

http://anond.hatelabo.jp/20140511162351

40のおっさんだが、うんうんって感じで読んでしまったw

私の場合は、同じことを繰り返すのがとにかく好きな気がしてる。

その結果として、めんどくさいことはほとんどやりたがらない癖に、

やりたいことは何度も執拗に繰り返しちゃうから、その分野は得意になる。

コミュニケーションは、、

確かにプレゼンをするのは得意だけど、雑談全然出来ないわ。

論理的な応答能力は高いのに、感情をともなう話が出来ない。

運動は、、私もダメ

ちょっとしたコツを掴むのにものすごい時間が掛かる気がする。

普通の人のレベルの練習では、練習内容が高度過ぎてついて行けない。

たぶん、3倍ぐらい遅い速さのスローモーションで練習できれば、

学生時代球技とか楽しめたのかなぁと思ってる。

友達は…

休みの日に遊ぶ友達は居ないっすね。

今となっては、何をどうすれば遊んだことになるのかよくわからないよ。

みんなに合わせて遊んだふりをしたことは何度かあるけど、

結局疎遠になっちゃった

2014-01-08

2013年、誰かと観た映画ベスト

大学卒業したあたりから、自由にできる金が増え、反面人間関係希薄になったことで、人を誘う手間を惜しんでひとりで映画をみることが多くなっていたのですが、この2年ぐらいは劇場映画を観るときには人を誘うように心がけています。何もかも嫌になった日、授業や仕事をさぼってひとりで観にいき心を奪われた映画もとても大切だけれど、誰かと観る映画にも、昔の友人に電話をしてみるぐらいの手間をかけるだけの価値はあると思うのです。中学高校の頃、休みのたびに少ない小遣いを握りしめて映画館に向かったのは、鑑賞後に喫茶店マクドナルドで、映画の話や映画とは全然関係ない話をするのが楽しかたから。両親に連れていってもらった『ジュラシックパーク』も細かい内容はほとんど覚えてないけれど、普段態度は大きいが実は気が小さい父が真っ暗な劇場でひときわ大きな声をあげて驚いたことは鮮明に覚えている。


「今年誰と観た映画が一番記憶に残っているか、またそれがどんなシチュエーションなのか」で順位付けしました。

第5位 劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語

第4位 地獄でなぜ悪い

第3位 ゼログラビティ

第2位 パシフィックリム

第1位 キャビン

2013年の鑑賞本数は約80本(劇場20本、レンタル60本 含旧作)内、人と観た映画は1/3程度。

単純に面白かった映画の年間ベストとは別モノとお考えください。

第5位 劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語

友人A(男)と一緒に鑑賞。2日目初回。Aは既に初日初回に観ており、この日が2回目。

会場前の行列に並んでいる間、ほむらちゃん派のおれに対し「えらいことになるから覚悟ときな」と言いながら遠い目をしていた。鑑賞後、劇場が明るくなり茫然としているおれにAは「・・・な?」とドヤ顔劇場を後にする人の目がことごとく死んだ魚のように濁っていたのが印象的。

第4位 地獄でなぜ悪い

友人B(女)と一緒に鑑賞。

映画の冒頭「全力歯ぎしりレッツゴー♪」と少女が唄うCMが流れるところで「あんた、こういうの好きやろ」と喋りかけてきた。どうやら既に映画が始まっているとは思っていなかった様子。確かに好きです。鑑賞後は「劇場にあんたによく似た男がいっぱい居たな」と言われる。確かにいました。映画自体にはそこそこ満足した様子。

第3位 ゼログラビティ

奥さんと一緒に鑑賞。初日初回。

最近は「ラブコメ以外は観たくない」と言いながら韓流ドラマばかり観るマシーンと化してしまった奥さんを無理やり連れ出して鑑賞。「超おもしろかった」とのこと。久しぶりに、映画を観たあと興奮していた。「主人公の生い立ちや過去を振り返るようなシーンが挿入されないのが潔くていい」と、普段楽しそうにみているソープオペラ全否定するような発言を繰り返す姿をみて「もしかしたら今後は、付き合いはじめた頃みたいにサスペンスホラーも一緒に観にいってくれるかも?」と淡い希望を抱き、後日ためしに白石晃士『カルト』を自宅で一緒に観たが、こちらはお気に召さなかった。

第2位 パシフィックリム

ひとりで鑑賞。しかし、自分の中では「みんなで観た」

お祭り映画劇場で観てよかった。

第1位 キャビン

同級生(女)と鑑賞。学生時代はいつもツンと澄ました表情を崩さず、どこか近寄りがたい雰囲気だった同級生(当時クラス委員長)(美人)(三つ編み)と、同窓会で再会 → ホラー映画話で盛り上がる → 一緒に観に行く? という夢のようなシチュエーション

映画の終盤の大虐殺シーンで横顔をのぞき見ると、向こうも気がつき、目が合って、満面の笑顔スクリーンの光が当たり、長いまつ毛がキラキラと輝き、その瞬間全ての景色スローモーション、おれは高校生のころ夢中になって読んだ『グミチョコレートパイン』のことを思い出しながら「あ、これ走馬灯でみるな」と思いました。鑑賞後は「●●●●は出演する映画を選ぶべきではないのか」という話等で盛り上がる。真面目に生きていればいいことがある。

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今年は、誰と映画を観に行こう??

2013-11-26

ピストンだけ生で

彼氏がいきなり

「俺一個だけ夢があるんだよね」

と言い出した。

「何?」

と聞くと、

「生でしたみたい」

という。

「駄目、駄目だよ。できちゃったらヤバイじゃん。」

「俺、遅漏だろ、大丈夫だよ。」

「そうやって大丈夫って言ってほとんどの人ができちゃうんだよ。」

彼氏は不満そうで、「じゃあ・・・

と、さらに続けた。

「3ピストンだけ。あとはゴムするから。2時間こすって出ない人が3ピストンで出るわけ無いだろ。」

あなたは遅漏だけど、私はキツマンよ。生で3回耐えられる?」

あたりめーだ 3回で出るなんてまんがだろ。」

2020年東京オリンピック採用された超スーパースローモーション彼氏ピストンが始まった。

「3ピストン一瞬で終わったらもったいないからゆっくりやるわ。」

「いーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーち」

「にーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい」

「さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」

遅「あ、、、、」

キ「あ、、、、?あってなに?」

彼氏は、私の生キツマンを最大限マンキツしたようだった。

あれから2ヶ月、生理がない。

自分のキツマンをこれほどまでに恨んだことはない。

2013-11-03

http://anond.hatelabo.jp/20131102214655

アニメEDで、笑顔で走ってるシーン。

あれは、キャラスローモーションで走ってもらってるんだぞ。

現実と虚構を取り違えたらアカン。

2013-07-18

初心者向け西部劇映画10

一時期西部劇ばっか観てたんだけどまとめてくり~とかよく言われてたんでまぁ雑に挙げてみるかって感じで10分ほどで書いた。

西部劇西部劇マニアがうるせぇ分野だから文句はあるだろうけど,ロクに観てない人はこれを上から順番に追っていけばそれなりに文脈は追えるんじゃねーかなと思う。

駅馬車

古きよきハリウッド西部劇古典といえばまずこれ。

クライマックスにおける馬上の闘いが(当時の技術水準としては)大迫力。

赤い河

ハワード・ホークス監督による傑作。ジョン・ウェインの本格的な出世作でもあり,彼の役者としての方向性を決定づけた。

簡単に言えば牛追いの話なのだが,「カウ・ボーイ」がそもそもどういうものなのかよく分かると思う。

ちなみに都内のレンタルだと渋谷TSUTAYAくらいにしか置いてない気がする。廉価版は500円しないのでどうしても観たい人は買おう。

捜索者

ジョン・フォード×ジョン・ウェインの代表作としてよく挙げられるものひとつ

当時のアメリカ人視点における先住民への意識も読み取ってほしい。

遠景の撮り方などは『アラビアのローレンス』のデヴィッド・リーンスピルバーグも参考にしたとされる。

シェーン

まぁベタな名作。これを原型とした作品も多いのでとりあえず観ておけ的なもの

荒野の用心棒

セルジオレオーネによるマカロニウェスタン嚆矢黒澤明用心棒』の盗作として話題にもなった。

チープなセットに単純なストーリーハリウッドのヘイズ・コード下では不可能な暴力表現などが特色。

主演クリント・イーストウッドは以降西部劇における大スターとなり,本家ハリウッド西部劇にも影響を与えた。

続・荒野の用心棒

セルジオ・コルブッチ監督マカロニウェスタンの代表作としても名高い。

ちなみに『荒野の用心棒』とはストーリーキャストスタッフどれもまったく関係がない。

レオーネ以上に徹底的な娯楽志向で,歴史考証など本当に適当,とりあえず決闘がカッコよければよいという感じ。

この前タランティーノジャンゴを作ったが,それの元ネタがこれである

ウエスタン

レオーネ後期の代表作。

他の監督なら20秒で済ませるようなカット無駄に5分以上使ったりと,現代人にはちょっとしんどいくらいの長回しが大きな特徴。

配給もハリウッドであり,大予算がかかっているため「マカロニ」の趣は既になくなりつつある。

ワイルドバンチ

サム・ペキンパー監督

スローモーションと巧みなカット割が最大の特色。香港映画ジョン・ウーにめちゃくちゃ影響を与えた。ということは『マトリックス』とかもこれの系譜ってことになる。

アメリカ映画レーティング制になったため,暴力表現が解禁され血みどろの演出がなされるようになった。

ラストの破滅感は「アメリカン・ニューシネマ」というムーブメントにおける文脈からもよく語られる。

ソルジャー・ブルー

駅馬車』,『捜索者』などで見られるインディアンへの扱いを再考させられる作品。

ベトナム反戦運動とかそういう文脈でアメリカ人自分らのアイデンティティを見つめ直していたってことも念頭に置いて観るとよい。

ちなみに『明日に向って撃て!』や『やつらを高く吊るせ!』でもそうだけどこの頃から徐々に黒人兵も作品に出演するようになる。

許されざる者

イーストウッド監督・主演による「最後西部劇」。

古きよきハリウッド西部劇マカロニ,ニューシネマなどといった一連の西部劇史を包括する超名作である

ちょうどここらへんから彼も文芸性の高い監督と見られるようになってきた感もある。

早撃ちに対する保安官の話とか,イーストウッド自身が演じてきたマカロニへの挑戦でもあるよね。

本数の制約で挙げられなかったけどこれより前に作られた『ペイル・ライダー』も地味にとてもよくできています

2013-07-14

猿小芝居クソアマのケツのデキモ

口のなか開けて ねばねばの液体が噴出する

くさい奴め 蓋をしろ 蓋をしろ 蓋をしろ 蓋

蛙が跳ねる瞬間 スローモーションで撃たれる死刑囚

おちょくってたら殺された 可哀想な金属バット 板金工場

醜い顔面で走る ねばねばする 不快の及第点

三四郎 はようせえ 瓶詰めにして 小指マニアの爺

2012-07-03

アニメ神作画を「ぬるぬる動く」と評する事について

ネット上で―特に最近になって―アニメにおける「神作画」と呼ばれる類のシーンに対して。

好意的な意味合いを込めて「ぬるぬる動いている」という感想をよく聞くようになりましたが、正直言って違和感があります

何故ならアニメーターにとって、この「ぬるぬる動く」という言い回しは『貶し言葉』に他ならないからです。


まずはこの2種類のGIFアニメを見てください。


A http://dl6.getuploader.com/g/kusosure/204/ball-A.gif

B http://dl6.getuploader.com/g/kusosure/205/ball-B.gif


この両方の「球体が弾む」様を表したアニメ、AとBどちらの方に説得力生理的快感(見ていて気持ちいい動き)を受け取る事が出来たでしょうか?

概ね、Aの方ではないでしょうか?

Aの動きも大概ウソっぽい所あるのですが、少なくともBの方に生理的快感を得る事はないと思います


どちらも枚数・秒数・描画の出来など同一条件下で作成しましたが、それでもタイミングだけでここまでの違いが生じます

そしてこの2つで「ぬるぬる動いて」いるのは、Bの方を指して言われるものです。少なくともアニメーターにとってはそうです。

タイミングに対して無頓着もの整合性もなければ閃きも無いもの、そういったアニメーションに対して侮蔑意味を込めて「ぬるぬる動いている」と言います


「完成度の高いアニメーション」を目指す場合、ぬるぬるした動きなど作ってはいけないのです。


ただ演出的な要求で、例えば超スローモーションだとか、巨大質量の物体が迫ってくる様などを表したい時は、Bのタイミングを優先させる"場合"もあります

そういうのでは無い限り、アニメーターは常にAのタイミングを求めていくべきなのです。

実写かと錯覚するようなリアルな動きでも、現実にはありえない大迫力のアクションシーンでも、

生理的快感、見ている人を興奮させるようなエネルギーを持ったアニメーションはAのタイミングによって作られているのです。

これは動画枚数の多い少ないの問題ではありません。

カットに何百枚費やしても駄目なものはありますし、ほんの数枚で多大な説得力快感内包したアニメーションもまた多く存在します。


偉大なるアニメーターの一人、グリム・ナトウィックは「アニメーションのすべてはタイミングスペーシング(間隔)だ」と言ったそうですが

アニメーターという職業すべからく、この「タイミングスペーシング」に命をかけていると言っても過言ではありません。

少しでも素晴らしいアニメーションシーンを作るために、カメラ等を使って実写映像を参考にしたり、過去の素晴らしいカットを参考にしたり、

意地でも自分の実力内(あるいは超えるべく)でどうにかしようとしたり、インチキな手段で手軽にらしく済ませようとしたりする場合でも

タイミングスペーシング」に最大の神経を使えるようでなくては、アニメーターとしては失格なのです。

Illusion of Life生命を吹き込む魔法)は、死んだようなタイミングスペーシングでは宿らないのです。


そこに来て、アニメーター仕事ぶりを称える言葉として「ぬるぬる動く」などと言うのは

いささか無神経が過ぎるとおもいます

なってない駄目なアニメーションに対して「ぬるぬる動いてる」と貶すつもりで使ってるのならまだ分かります

「ぬるぬる動いてて何か変、気持ち悪い」という酷評意味なら、我々は甘んじて受け入れます

「ぬるぬる動いていて凄い!」というホメ言葉として使われているのには、アニメーターの身としてはどうしても理解に苦しみます


ただなんとなく凄い!と思ったアニメーションに対して、まだ他に言いようはあると思います

カッコイイ、迫力がある、イカしてる、超リアル、綺麗、センスがある、ハッとする、興奮する、味がある

語彙が乏しくとも色々あるんじゃないかと思います

何でよりによって「ぬるぬるしてて凄い!」なのでしょうか・・・・・。


こんな観る側に関係ないだろうアニメーターの苦労を知った上で気を使って言葉を選べ、等と言うつもりは(少ししか)ありませんが

ちょっとだけでもアニメーションの作画に、何かしら心が付き動かされたのなら、「ぬるぬる」で片付けるのは出来れば止してほしいと、そう思うのです。


本当は「神作画」という言い回しも好きでは無いのですが、ちょっと煽りも込めてこういう題名にしました。悪しからず。

2012-06-11

思春期ハロプロに費やした自分がハマッたのは、AKBじゃなくてさくら学院だった

女の子達の閉じられた、完成された幸福世界

小さい子達の全力の歌と踊りとプロ根性

美しすぎて泣けてくる

大人の手で引っ掻き回されてる女の子じゃなくて

幸福を信じてるイノセント女の子が見たかったんだ

このまま握手会水着も過度のメディア露出もやらなくていい

売れなくても良いから大切に育ててほしい

欲目もあるけどアイドル戦国時代で唯一無二の存在だと思う

この良いとこのお嬢さん達のキラキラ感を維持しててー

高1組の三人がまだいたら…とも思うけどそこはまぁ

スパガ楽曲とかAKBドラマ性とかハロの安定感も好きなんだけど

さ学の少女性が一番ぐっとくる

ピーコート姿の皆が草原で駆け回る姿がスローモーションになる場面とか鳥肌モノ

ロリコン向けグループだと思われがちだけど

本当に真っ向から直球勝負やってるよ

世界観ちゃんと作って、本隊ではがっつり正統派、

分隊では個性的ものを少しの照れもなく演じ切る

アミューズさんの底力半端ないっす

あるブログ萩尾望都世界のようだって例えられていたのが

すごくすごくよくわかる

少女だけの透き通った何か、大人になる中で必ず失ってく何かを、

彼女達は持っているんだ

2012-01-04

綾瀬はるかの『ICHI』がクソすぎ

ソ映画だとわかってて見たのにそれでも見てられないぐらいの凄さだった。

一応全部見なきゃいけないと思い録画して早送りしながらなんとか最後まで見た。

メモする価値あるぐらいのクソ加減だったので以下備忘。


綾瀬はるかが全く演技をしない

他の映画での綾瀬の演技を見た事がないので断定できないが

おそらくはそもそも度を越えた大根なのだろう。

が、『ICHI』では演技が下手っていうレベルを超えているのでまるで演技する気がないように見える。

一瞬何か意図的な演出なのかと思ってしまうほど演技をしない。


だいたい綾瀬演じる市は

極度に感情も表情も乏しく能動性の無い女、というつまんない人格に設定されていて

ほとんどのシーンでただ周囲の人の話を無表情無反応に聞いてるだけということになる。

こんな役を大根にやらせるので、本当に「ただ立ってるだけ」「座ってるだけ」をしていて、演技する気がさらさら無い。

(このただ座ってるだけの女にオッケーをだす監督も凄い。

 そんなのモブでもあっちゃいけない筈だが綾瀬は主役だ。)


アイドル映画ならもっと必死に頑張るような役をあてるべきで、

そういう役ならちょっと大根でも客もわかってるので楽しめる。

静かな役なんかだけはやらすなと言いたい。


まりの異様さに「こいつなんなの……!?」と違和感を覚えるのも最初だけで、

視聴者はすぐに市がどうでも良くなる。

他の登場人物も全くキャラが立ってないにもかかわらず。

まり映画全体がどうでも良くなってくる。

眠くなるのとも違う新感覚


お話幼児向け以下

悪役は中村獅童演じる「万鬼」という剣客が頭目の不良グループだが、

この万鬼は顔の火傷で仕官出来ないのを悩んでるだけのしょっぱい奴で

万鬼党は狂気破壊衝動で暴れるだけの、バカが好んで描くタイプの悪役。

経済観念すら乏しくわざわざ住み心地悪そうな岩場に男だけで住んでおり

唯一の寄生である宿場無意味殺戮を始めるようなアッパッパーから

話の溜めもクソも何も無い。


悪い親分のところに市が上がりこんで行って

下手に出たりとぼけたり脅したりするような駆け引きも全く無い。

ほとんどショッカーレベルの悪役なので中学生以上だとシラフで見ていられない。

日曜朝の30分戦隊物でも『ICHI』よりはマシな脚本を書いている。マジで


(一方、善良な民衆側の宿場の顔役は復帰直後の窪塚洋介がいつものあの抑揚で演じているが

 全てが意味不明な『ICHIワールドの中では大変好感の持てる常識的なアンちゃんに仕上がっている。

 この映画を見た人間はみんなちょっと窪塚洋介を好きになれる。)


多分時代劇も全く知らない

・八州周りが宿場にやってくると街道民衆が総出で土下座大名か。

・八州様を宿場の顔役達が供応してるところに脈絡も無く万鬼党襲来。

 よりにもよって八州様の目の前で住民の殺戮を始める。

時代劇ではヤクザと結託するワル八州が珍しくないので、

「やや展開が無茶だけど万鬼党に抱きこまれてる八州だったかー」と思って見ていたら

 血刀下げた万鬼党は震える八州の胸倉を掴み「見なかったことにしろよな!」恐喝


無頼の主人公が八州周りを殺しちゃうトンパチ展開も時代劇では稀にあるが、

田舎ヤクザが八州周りを単純に脅しつけて帰す展開は何気に史上初なんじゃないだろうか。

カツアゲ現場を目撃した下級生ぐらいのノリで扱われる八州様。

脚本書いてる奴〇ね。


そもそも市は盲人なのか?

綾瀬演じる市はただ杖持って伏し目がちにしてるだけ。

盲人の剣客、という役作りが物凄く大雑把に、

1「ちゃんと盲人の挙動研究し真似する」

2「その上で自分なりの市の癖を作る」

だとして、

1すらやる気が全く無い。


歩き方も話掛けられたときの反応も何もかもが健常者。

一応目をはっきり相手に向けないことだけはしているが

内向的な市の性格なので多分目が見えても同じような動作になる。

平時でも修羅場でも、耳や全身で周りを窺う演技がまったく無い。

製作陣にも綾瀬にも多分その発想すらない。

市の挙動は常に、ただ物事への反応が鈍い重度の鬱病さんかなんかにしか見えない。


というか、これさあ、製作陣は盲人を描く気なんか無かったんじゃないか

なんか意図があっての事か、単にめんどくさかったのか、なんだかわからないが。

(少なくとも市の盲目設定を取り除いても『ICHI』には全く支障が起きない。

 ただの性格暗いいじめられっこ女剣客、で成立する。)



また、斬り合いだったら斬り合いで、

どんな大根でも大根なりにやるような、

息を詰めたり飲みこんだりするような演技も綾瀬は全くやらない。実力伯仲の命懸けの斬り合いでも。

クールビューティとかそういう問題ではなく、もはや製作陣は脳や神経に障害がある。

こいつらが持ってる感情演出手法は目の端からポロリと流れるふざけた一粒涙だけ。

映画の山場に凄くいい加減なラッシュで明かされる市の過去

 ダイジェストレイプされる市の目の端から同じ涙がポロリと流れるのはもう完全にギャグ


殺陣シーンが無茶苦茶

酷すぎる。

下手とかじゃなくてもはや意味不明

監督剣劇なんてもんに全く興味が無い上に勉強する気すら無いのが雄弁に伝わってくる。

ピンポン』の卓球シーンでもスローモーションの絵さえあれば

動きの流れにケレンミ・リアリティどっちも求めない凄い奴なのはわかっていたが

ICHI』ではそういう酷さが悪化している。


例によって綾瀬はるか大根を越えた大根であるうえに

その綾瀬の棒みたいな動きばっかりクローズアップする撮り方するので

もうどういう攻防なのか誰にもわからない動きをする。

手傷を負うシーンは必ず腕や腿がアップになって服が破れるカットで説明し

どういう流れでそこを斬られたかは多分考えるつもりすらない。


時代劇を見てれば殺陣の下手糞な役者なんかはいくらでも出てくるし

アクション映画見てれば動きの悪い役者もいくらでも目にするが

ICHI』はそういうのとは次元の違うことが起きている。


スローモーションでバチャバチャと血を出すのだけはお気に入りみたいで、

 市も蹴られて盛大に血を吹くがあれはどう見ても内臓破れてるレベルの量。

 何も考えて無いからどうでもいいんだろうが。)


主役は大沢たかお

市が能動性皆無なので

実質的な主人公は大沢たかお演じる浪人

稽古中の事故母親に怪我させてから真剣が抜けなくなった」という

万鬼の顔面コンプレックス匹敵するぐらいしょーもないトラウマでグジグジ悩む男で

万鬼党との戦いに加勢しては刀と鞘を持って「抜けないいいい」とパントマイムをするのが持ち芸。


毎度渾身の力で刀を抜こうとするが

鞘が磁石でくっついているかのように1ミリも抜けない。

いや、真剣が抜けない」ってそういうことじゃないだろ。

この演技指導した奴も素直に従う大沢たかおも、脳腐ってんのか。



一応筋を最後まで書くと

この浪人は市に「心を閉ざすな!」とか説教をして

それを綾瀬はるかはお得意の何も演技をしてない「本当の無表情」で聞き流し、

でもなんか心が動いて戻ってきて

大沢と相討ちになった万鬼にごっつぁんトドメを刺します。

宿場は救われた!終わり。


だんだん浪人に惹かれていった(ような描写は乏しいので鑑賞者が補わないといけないけど)市の脳裏一杯に

フラッシュバック的に大沢たかお笑顔が映し出されるとこが感動シーンの最高潮ですが

盲人の市がどうして浪人の顔を知ってんでしょうね。

そこは聞き覚えた声とかかつて握った手とかで演出しろよと感じます

前述の通り市の盲人性を真面目に扱わない製作陣にはどうでもいいことだった。


やっぱり市の性格おかし

根本的な間違いとして、

盲人という重要感覚器が一個閉じてる主人公に、

更に自閉的な性格をあててしまったらどうにも話が成り立たない。


もともとの勝新太郎座頭市

なんだかんだ言いつつ相当な世話焼きで、

腰は低いけど欲も意地もあるし優しいしよく怒る。

性根の悪いヤクザからかったり脅したりもする。

これぐらい濃い人格が噴出してくるから目の見えない体と釣り合いが取れる。

北野武座頭市だって勝版とは相当に色々違うが、

 主役の人格はやはりアクの濃い悪い奴になっている。)


いっぽう綾瀬はるか座頭市

中学生が初めて書いた小説の主人公みたいにおもしろみのなーい傷心由来の内向的性格

こんなもんを目の見えない体に入れたらそりゃ話が動かずつまらん事になるのは当たり前。

監督脚本は何考えてたんだろう一体。

おわり。

2011-11-28

おかし

最近安定剤をあまり飲んでいない。睡眠導入剤のみ。だから調子がいいのか悪いのか分からない。

ただ時間の流れがスローモーションのように感じられるときがある。錯覚なのか、それとも年齢的にそういう時期なのか?

正常なのか、異常なのか分からない。

2011-04-03

脱法ハーブドラッグ)で家族を失いかけた

脱法ハーブというものに手を出してしまった。

後悔にまみれたその記憶自分の手で書き表すことで、私は二度とこうしたものに手を出さないことを自分自身で確認しようと思う。

独身の頃からそういうものに興味はあり、海外日本では禁じられている薬物に手を出したこともあった。

ただ、同行者はそれを吸ってとても楽しそうにしていたが、私には一向に効き目がなく、その体験はただ、

私に「あちらの世界」への憧れをかきたてるだけのものだった。

それには依存性はほとんどなく、何年もの間、それを欲しいと思ったこともなかったし、

一生必要ないと思っていた。ただ、「あちらの世界」への好奇心だけは私の心に根深く残ったままだった。

7年後。現在。2年ほど前に結婚して1歳の子どもがいる。

私はたまたま合法ハーブという語をインターネットで見つけ、好奇心からそれを調べた。

現在日本では禁じられていない成分のみを用い、幻覚作用覚醒作用をもたらすものということだった。

建前としてはお香としての使用を前提にしており、その煙を吸引することは推奨していない。

もちろん、それはただの建前であり、それらのサイトや関連Wikiにはその吸引体験が

多く綴られていた。

私は甘く見ていたのだ。

過去にそれに類するものを服用してまったく効果があらわれなかったこと。

1時間ほどで効果のピークを終えるという情報

そして、アルコール程度の影響で終わるのではという根拠のない自信。

夜22時30分。私は近くの街にあるその店の門を開いた。

暗い照明。ガラスケースに収まり怪しい光をはなつ「合法ドラッグ」のパッケージ

パイプやボング、紙巻き器などの喫煙具。

「なんにしますか」カウンターの奥にいたのは、Tシャツキャップをかぶった

小太りの男だった。小悪いB系といったいでたちだった。

私は「あまり強くないものを」と頼み、Wikiである程度名前が知られていて評判のよいもの

選び、それを買った。喫煙具と合わせて5700円。高いけれど、もちろん無理な価格ではない。

店の奥にはソファとテーブルがあり、その場で吸えるようにもなっている。

どうしてその場で吸おうと思ったかは分からない。家よりも安全だと思ったのだろう。

大きな間違いだった。

慣れない手つきで買ったばかりのふわふわした葉(かすみ草の花のようなものもふくまれていた)を

紙に巻き、火をつけた。要領は海外でやったときに知っていた。深く煙を吸い込み、

30秒ほど息を止めてゆっくりと吐き出す。

普通だ。まったく普通だ。味も悪くない。

もう一度同じように吸った。何度も、何度も。ジョイント一本分、草が燃え尽きるまで全て吸った。

好奇心がわき、それからの身体的な変化を記録しようと思い、iPhoneを取り出した。

文字をフリックで打つが、まず指にしびれを感じだし、すぐに視覚おかしくなってきた。

指を動かすが、目に映る像がワンテンポ遅れている。徐々に体中にジーンという

しびれが広がり、耳に聞こえる音が暴力的なまでに大きくなってきた。

Evernoteにその記録が残っている。

10:35

電気がくるかんじ。

パルスが短くなっていく。

rgb

ビーン

という音

電気風呂みたいになってきた

目がよわくなっていく。

スローモーション世界


電気のビーンという音が

してると思ったら。

ここの照明の響く音でした。

耳が良くなるって本当だったんだね。

音がすごい立体感を帯びてきた。

時計を見ると22時45分くらいだったか

家には24時に帰ると約束している。

十分すぎる時間はあったが、私は怖くなった。

このままでは帰れなくなるほどに、自分の状態は

悪くなるのではないだろうか。

後悔。後悔。

私は光のあふれかえる街に飛び出した。

うそこは別世界のようで、なにもかもが

うるさい音を発しながら私の横を通り過ぎていく。

見知った道はまるで違う道のようで、私は駅に行くために

交差点にたちどまり、何度も風景を確認しながら

駅へと急いだ。

足が思うように動かず、気づくと外界からシャットアウトされるほどの

思考の大波が私を襲う。今ものをなくしても分からないぞ、やばいな、と

私は頭の片隅で思った。

ごまかせるかな、ごまかせないだろうな。

今の私を外から見ると、とてもまともには見えないだろう。

妻にだってわかるに違いない。

電車に乗った。

電車の中は混んでいて、においがとてもひどかった。

ドアの脇に立っていたが、どうにも足がふらついてカクカクする。

そして、すぐに思考の大波。

最寄りの駅はすぐそこだ。しかし降りられないのではないか

乗り過ごしたら万が一にも帰ることはできないだろう。

わたしはまたiPhoneを取り出して記録を始めた。

自分の体が電気の粒に分解されて、寄りかかっている壁に吸い込まれるような感覚

心細い、あまりにも心細い。何も支えるものがない。

もう涙があふれ出そうだった。

なんてことをしたんだろう。愚かだ。あまりにも愚かだ。

警察保護されるようなことになったら妻はなんて顔をするだろう。

ずっとずっと妻のことだけを考え、かろうじて残った正常な感覚

かきあつめるようにして、私は電車に揺られていた。

時間感覚が遅い。ずっとずっと考え事をしていたように思ったが、

駅にはなかなかつかない。時間が5倍伸びているようだ。

着かない。着かない。私は焦った。

電車が減速する。私は急に堪え難い嘔吐感に襲われ、

鞄の中に吐いた。周囲の目が突き刺さるのを感じたが、

その時扉が開き、私は転げるように電車を出た。

帰らなければ。妻と子どものいる家に帰らなくては。

あと10分、私の足よ動いてくれ。私の脳よ導いてくれ。

わたしはドラッグ喫煙具を鞄の底からやっとの思いで

引き出し、ゴミ箱に捨てた。こんなもの、二度とやるものか。

一歩、一歩、改札を出るのもやっとこさ、私は家への道を

ふらふらしながら歩いた。

家の手前でまた嘔吐感に襲われ、また吐いた。

そして。

妻は私を出迎えてくれた。ほっとした顔を覚えている。

私は謝った。

「ごめんなさい。ごめんなさい」

妻の顔が凍りついた。

それから、私は何時間も家のトイレに張り付き、

空っぽになった胃を上下させながら、

妻に事情を少しずつ説明した。

妻は驚き、悲しみ、倒れている僕の横でワンワン泣いた。

「そんなに私と別れたかったのか」そういって泣いた。

なにも妻は悪くなかった。日常に不満もなかった。

ただ、好奇心だけでわたしはしてはいけないことをしてしまったのだ。

私は自分ゴキブリ以下の生物に成り下がったのを

感じた。涙が出た。止まらなかった。

吐き気はなんとかおさまり、私はソファに横になった。

そのまま気を失うように眠った。

翌朝、私の思考は元に戻っていた。

少し頭が重いが、普通の状態だ。

寝室では妻と子どもが眠っていた。

私はこっそりと二人の横に身を横たえ、もう一度眠った。

それから、妻は長らく口をきかず、私はただただ、謝りつづけた。

ずっと妻といたいこと、子どもをともに育てたいこと、

もう二度とこのような愚かなことをしないこと、何度も何度も謝った。

夜明けても、自分はみじめなゴキブリであった。

「もう一度やったら、離婚します」

妻は言った。「しかしこのことを許したわけではありません。絶対に許しません」

妻はつづけた。

違法か、合法か、そんなことは関係ないの。こういうものは、あなたの何もかも、今まで積みあげてきたいろんなことを、

あなたが善良な人であったことさえも、一度に奪ってしまうかもしれないの。」

子どもが起き、私たちは三人で外に出た。

子どもがその日、はじめて私のことを「パパ」と口に出して呼んでくれた。

また涙が出そうになった。

その日。子どもが寝た夜。私はまた妻に謝った。

妻はずっと泣きつづけ、泣きつづけて、

その間私は彼女がしなければと言っていた

家事をやった。戻ってきた私に妻はひとこと

「ありがとう」と言った。

「こちらこそ、ありがとう。ごめんなさい」私は返した。

私たちは寝息を立てている息子の横に、

いつもしているように枕を並べて寝そべった。

妻に許可を取り、そっと体を抱き寄せて眠った。

幸福だった。これがなによりの幸福なのだ

薬物が体を駆け巡り、蝕みだしてからずっと、私は自分が手にした幸せを全て手放してしまうことを恐れた。

そして事実、それは極めてリアリティのある話になってしまった。

あの薬を口に含んだそのときからだ。

身体的な依存は極めて少ないとのことであるが、

実際のところは分からない。しかし私は絶対にもう手を出さない。

妻と子どもと暮らすこと。今の仕事。そして数十年後の、妻とのささやかな夢が、

何よりも大切なのだ。それが、一瞬にして水泡に帰す。そんなものには

二度と手を出さない。私は強く心に決めた。

これまでよりも、よい夫で、よい父でありたい。

家族生活を何よりも何よりも、大切にしたい。

混濁した意識の中で、ただただ妻子の顔だけを思いながら

家に帰れた。その記憶けが、あの数時間の中でただひとつ

私の誇れることだった。

戒めのために、わたしはこの記録を残す。

電車の中で吐き気と、思考の洪水に飲まれながら私が打ったEvernoteへの記録を結びに。

だ。これは

毒だ。

捨てる。

捨てる。駅についたら。



追記(4/4に少々改変)

私は合法ハーブをやっている人たちを否定しません。

現在の法に照らし合わせて問題はないはずだし、自分が快適に生きられる範囲でやればいいと思います

私が不慣れで、しかもこういうことをやるのに適した環境にない、それだけのことです。

いくつかご意見をいただきました。セッティング環境を作れてないのがよろしくない、と。

家では数時間自分一人の時間をつくることなどできません。

思えばそうした状況から一時的に逃避したかったのかもしれません。

から外にしました。もちろん、それがド素人の甘い選択であったことはいうまでもありません。

トんでいる状態で徒歩計20分、電車に乗って10分という帰宅への道のりを辿らなければならない、

その焦り、帰れないのでは・ばれるのでは・様子がおかしくなって警察を呼ばれるのでは、という

ネガティブな思考が悪い方向に私をもっていたことは十分にありえることです。

そもそもバッドトリップだったのかもわかりません。ただ、私は自分の身体の変化がおそろしくなった。

やってくるものに抗い、平静を保とうとした。それが嘔吐感をもたらしたのかもしれません。

それに身を任せていたら楽しかったのかもしれませんね。

要するに、私はやってはいけない立場人間だったのです。

妻がそういう考えで、その妻を大切にしたい私にはできないものなのだ

そういう気持ちでいます

なお、私が使用したのは「ジプシー」。ジョイントで1本まるまる吸いました。

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