「仮に、だよ。僕はやっぱり誰にも悟られず、消息不明みたいな扱いで。でも友達とかには『あいつきっと死んでるんだろうなあ』みたいに漠然と思われるように死にたい」
「ああ、そういう感じか。じゃあ、俺はやっぱりヒーローと決闘のすえ敗れ、高いところから『うわああああん』って叫びながら落ちていくのがいいかな」
「……う~ん」
「あ、違う違う。ゴジラだ。ゴジラに踏み潰されたい。熱線?のほうも考えたけれど、踏み潰されたほうが無常感があっていい」
「それは……無理だと思う」
「となると爆発か。マイケル・ベイあたりに頼めばやってくれそう」
「いや~」
「じゃあ、『もう安心だ』みたいな雰囲気からの、後ろから敵にブッ刺されるやつ。で、仲間が『Nooooo!』っていうの」
「日本じゃないの」
「崩れ落ちながら死ぬなら、最低限スローモーションにはなってて欲しいかな」
「物理的に?」
「それ、恋人も死んでない?」
「ああ、他人に迷惑はかけたくないよな。でも、『この戦いが終わったら一緒に海老の店開こうぜ』とかあからさまな死亡フラグとか、最初はイヤミな態度だけど後半にいい人になって死ぬみたいなのは趣味じゃないんだよなあ」
「僕のいっているの、そういうことじゃない」
「じゃあ、瓦礫に押しつぶされるパターン。で、終盤で崩れた瓦礫から手がボコッと出てきて『To be con」
「死んでないじゃん!」
「死んで欲しいのかよ」