はてなキーワード: ストイックとは
初めてだからってなるべく良いやつ買おうと思っていろいろ調べた結果、irohaに決めた
なんかシリコンとか良さそうだし最初なら有名なブランドにしようと思って
で、普段外派だから中も使えるやつがいいなと思ってirohaFITのみなもづきに決めた
みかづきっていう波打ってないやつもあるんだけど、レビューとか見てたら外に当ててもいいって書いてあったからみなもづきにした
それで、初めて使ったんだけどもう革命が起きた
今まで外派・頑固一徹指のみのストイックスタイルで開始〜終了までに30分ぐらいかかってたのが5分ぐらいで終了した
手も指もまったく疲れないし、所要時間が1/6になったし、ここ最近片手で外を、もう片手で中を、と両方からやっていて、中の方に注力していた手が角度的にめちゃくちゃきつかったのだがそんなものは不要
irohaFITだけでいい 最高
今までにない感覚がブワッときて、なんだこれ!って思ってたらもう完了していた
で、今までここで完了して疲れて寝ていたのだが、所要時間が激減した結果、外が完了したあと、中の方に着手する余裕ができた
昨日は初回だったのでうわ〜って夢中になってやってたら普段の時間の1.5倍ぐらい経ってたんだけど充足感がすごい
普段前半しか手をつけられていなかったところ、後半まで進められた感じがある
新しい一歩を踏み出せた感じ
まだ一回しか使ってないんだけどQOLめっちゃ上がりそうな予感がしていて、生活における期待感や楽しみが増えた
irohaFIT、1万円ぐらいするけどこれだけ快適になるし外も中も使えてめっちゃコスパいい
今までバイブとか買うのどうなんだろう、とか、恥ずかしいとか思ってたけど本当に買ってよかった
次はウーマナイザー?とかの吸引するやつ買おうかなって調べ始めてる 楽しみ
少女漫画に限らず女性作品は、なんであんなに人間関係のことや人間の心の繊細なヒダを丁寧になぞるような話をやりたがるんだろうね。
って、まさにぴったりくる表現だわ。
人と人の心の繋がりみたいなものに、そんなに興味あるかね。
それよりも、俺とアイツでどっちが強いか、アイツに勝つにはどういう策を練ればいいかを気にするわって感じ。
心理を気にするにしたって、たとえばギャンブル漫画の心理戦で相手をコントロールするのとか、デスノートで月がミサミサの恋愛感情を利用して敵に勝つ策を練るようなシーンは面白いけど、女性向けの心理描写はそういう権謀術数戦闘道具としての心理じゃなく、仲良しのための心理だから別物である。
「典型的な男」にとって「典型的な少女漫画」はつまらないってのは、人間関係に興味が薄い読者にとって少女漫画は人間関係描写のウェイトがデカすぎ、ということなわけ。
バトルを通じた強い弱いも広義の人間関係だとツッコミがくるかもしれんが、今はそういうゴチャマゼな話をしてるんじゃないからな。なんでもボーダーレスにすればいいってもんじゃないのよね、少女漫画専門ファンが格闘バトル漫画を読んだって、「強い弱いやその悔しさが人間関係のうまみになるのは分かるけど、日常生活でそういう屈託をやってほしいわぁ。この作品は楽しんだけどメイン趣味は少女漫画だわ」ってなるだろ。
これはインターネット学級会が疲れるみたいな話や、女オタクにとって同人活動は社交の場という面がデカいからオシャレさんも多いけど関係トラブルも多いみたいな話にも繋がってくんだけどさあ、ずっと人間関係やってく気かよ~?
まあ、人間関係をやってきたい人がやっていくのは個人の自由ではあるけどさ。
こう考えてくと、女にも少数いるだろう「典型的男」な感性で人間関係に興味が薄い奴は、クッソ生き辛そうだよな。この文章も分かりやすさ重視で「典型的男」という言葉を使っちゃうくらいだから、人間関係に興味が薄い女は自分を簡単に説明する言葉を準備するのすら苦労してそう。
最近は男オタクも、泣きゲーや君と僕のセカイ系など人間関係作品を経て、関係性が尊いわ~~とか言って女オタクっぽい感性に接近してる層も目立つって? それは部分的に頷こう。
だが少なくとも、少女漫画はあんま読んでないがぱっと見面白くなさそうだぜ少年漫画とかバトル漫画ギャンブル勝負漫画が好きだぜってタイプは、人間関係に興味が薄い「典型的男」だ。
そして、人間関係に興味がある人間の方が絶対的に上等ってことはないだろ。
にもかかわらず世の中には、強い弱いのバトルをやりたがる男は幼稚でダメね~みたいな風潮がある。
被害者アピールはあんましたくねえけど、少年漫画好きがときおり少女漫画に噛みつくのは、世の中に少年漫画sageと「典型的男」sageの雰囲気があるから、普段は『男らしく』黙って我慢してるけどたまにはバトル始めてみっかてことだと思うわ。売上(戦闘力)みたいな数字を出しがちなのもいかにもバトル漫画好きからのアプローチっぽくていい。そのバトルに付き合うか否かは勝手だけど、トラバ先の増田氏に対して「日本語読めてなさそう」みたいな反応する奴はバトルする気マンマンだよな。
それにしても、「日本語読めてないだけじゃん。これじゃ少年漫画も読めてないだろ」とか言ってるブコメなんかは本当に人を馬鹿にしてるわ。
俺はこの増田の実際のところはしらんけど、それこそデスノ、カイジやアカギ、ハンターハンターみたいな、戦いのための策略を延々文章でやってるのは楽しく読めてそうな雰囲気は端々から出てる。それも読み取れず「日本語読めてない」とはホント馬鹿にしてる。
ま、とりあえず、「人間関係や人間心理に頓着したがらない典型的男性(身体男性とは限らない)」に、読まず嫌いなだけで少女漫画は面白いんだよってすすめたい時は、人間関係をあまりやってない少女漫画を選ばないと響かねーよ。
二次元キャラの人間関係が趣味なのも、芸能人の人間関係が趣味なのも、ご近所さんの人間関係が趣味なのも、人間関係フェチって意味じゃみんな一緒。
キャラの人間関係やクソデカ感情に興味深々なのは、ワイドショーの芸能人交際報道やご近所の噂話でキャッキャするのとおんなじ人間関係フェチ。
強さフェチと人間関係フェチ、どっちが人として上等かは自明ではない。
精神医療的に適切な発言じゃないが、「典型的男」はうっすら自閉スペクトラム症の要素がある強さフェチで、「典型的女」はうっすら境界性パーソナリティー障害の要素がある人間関係フェチみたいな感じ。
優しさや気遣いはくだらないとみなし、目的のためにストイックで自分も他人も傷つけても構わないマシーンみたいな姿を格好良いとするのが典型的男向け物語だもの。(ってのは言いすぎか)
エロ漫画ですら、メスガキに負けてザーコザーコ💕って言われるか大人ちんちんで上下関係をわからせるか、間男にNTRれて負けるのかNTって勝のか、勝ちヒロイン負けヒロインは誰かみたいに強さ弱さ概念が自然に出てくるし、そこにおいて愛だの恋だのは添え物なのだ。SEXはメイクラブじゃねえ、デュエルスタートだ!
【はじめに】
俺は高卒(偏差値30)で頭が悪いので物覚えも悪いし忍耐力もない。顔もブサイクだし身長も160しかないし、人が言ってることも理解しづらいし、人に言いたいことも上手くまとめられない。たぶん弱者男性の中でも最底辺にいる。再来月で30歳になる。
今はデータ入力の派遣社員をしていて、このプロジェクトが終わったら無職になる。生きることが地獄のように辛くて人生が詰んでいる俺だが、他人を恨まずインセルにも傾倒せずにここまで来れたのは、自分が感じる幸福のハードルを最低限おろすことができたことに由来すると考える。三十路になる前に幸福のハードルを最低限に下ろす秘訣を棚卸ししておく。
【食事は一日一食にする】
朝と昼は食事を取らず水だけで過ごしている。空腹は意外と慣れるもので、会食恐怖を患い始めた高校時代から今に至るまで晩飯一食の生活を送ってきたので、かれこれ15年近く経った。その間体を壊したことはない。同世代の連中が腹が出てくる中、健康診断の数値も良好だ。BMIも18を前後している。空腹は最高の調味料と言うが、俺は夜に白米を口にするだけで多幸感に襲われる。脳から高揚感と幸福物質が分泌されてるのがわかる。毎日3食流し込むのはただの餌だが、1食に絞ることで体が震えるほどの上手さの食事を毎日味わえるのだ。俺たちのような弱者男性は自分の世界の中で自己完結した幸福を見出さなければならない。何故なら他者との交わりは惨めな気持ちになることが経験上あまりにも多すぎたからだ。野菜は一晩で350gとること。
【運動をする】
体を動かしていないと、人間は気持ちが塞ぎこむし意欲も低下してくる。気分が塞ぎこむと、ただでさえ低い一日の行動リソースが縮小し、さらに気分が塞ぎ込むという負のループに陥る。有酸素運動をするの脳細胞のシナプスの結びつきを強めるBDNFが分泌されるので、体動かすにしても何からやればいいのかわからない人はジョギングがおすすめ。俺は運動音痴で階段登るだけで息切れする雑魚だったが30分以内に5KM走りきれるようになった。運動習慣がなかった頃に比べて陰鬱とした気分になることが明らかに減ったので今も続いている。
まず最初に、俺はオナ禁を3年続けた経験があるが、イケメンになったりモテるようにかる巷のオナ禁効果はあれは嘘だ。俺が生き証人だ。そして種の保存として性欲があるのは仕方がない。自分の性欲は素直に受け入れるべきだ。その上でオナ禁とエロ禁をする。理由は何個かあって、オナニーをすると意欲がひどく低下する。朝抜いたらその日は何もしたくなくなる事が多かったので、オナ禁してから一日の行動可能ターン数が増えるようになった。あとはエロ禁することによって、オナ禁の成功率と条件反射で女性の服の上から膨らむ胸の膨らみに視線がいかなくなった。長期オナ禁をすると性欲が減退してくるので、リアル女性を視姦しなくなったのはどれの効果なのかはハッキリとはしていない。胸を見る視線というのは女性は比較的敏感だそうなので、波風建てずに生きたい弱者男性の必須スキルである。
オナ禁には生殖能力が衰えるデメリットがあるが、弱者男性に限って言えばはそもそも自然淘汰されるべき遺伝子なので、デメリットにはならない。予定調和なのだ。
ムラムラとしたらその性エネルギーを運動にぶつけるといい。ナポレオンヒルが提唱している性欲昇華法という昔からある手法だ。
俺たちに必要なのは画面の向こうの手に届かない女の裸体ではなく、手の届く範囲の小さな幸せなのだ。
甘いものは好きか?俺は好きだ。コーヒーも好きだ。しかし、一人で甘いものをバクバク食べれる環境は幸せすぎて、一人の世界で満足してしまう。すると、他人との関わりが辛い俺たちは、一人の世界に充足していると、もっともっと他人との折り合いがつかなくなってくる。そこで、誰かと一緒に飲み食いするときだけ、甘いものとカフェインは取ろう。そうすると、他人といる時に幸せを感じることが出来る脳の回路が形成される上に、他人と関われるきっかけになる。職場の人と自分のためにお菓子を用意して配って他愛もない話をしながら食べよう。その時だけコーヒーを飲んでもいい。俺はこうやって他人と静かに無理なく関わる方法を模索していった。それでも一人でいることが一番の安らぎなのはかわらないが、仕事でやらかした時に笑って許してもらえることが多くなった。そしてカフェインに頼らないで済む体質になると頭痛頻度が少なくなったので、頭痛持ちは一考の価値あり。
【何も欲さず周りの人を許容し感謝しながら生きる】
人に与えない者はいずれ人から何も貰えなくなる。 欲しがるばかりの奴は結局何も持ってないのと同じ。 自分では何も生み出せないから。 独りで死ぬのは惨めだな。
俺たちは一人で死ぬことになる。しかし、死ぬなら欲しがる生き方をして惨めに死ぬより、生み出せる生き方をしながら静かに死のう。
俺たちは低い能力や不遇な容姿により、さんざん嫌な思いをしてきた。これから先も嫌な思いをすることがたくさんある。しかしその中でも、俺達のことを人として別け隔てなく扱ってくれる人がいる。老若男女問わず多からず居るそういう人たちに、心の底から感謝し、一人の人間として敬おう。感謝の心は忘れないようにしよう。そういう感謝や敬いの心が欠けた場合、距離感がバグりつきまといやストーカー化する困ったちゃんに変貌する弱者男性が観測される。俺たちはそうならず、一人で生きる覚悟を決めよう。それが俺たちにとっての最善の道だ。自分に対して良くしてくれる女性がいても、女性の好意に対してのみ感謝するべきで、間違っても女性に対して淡い期待は辞めよう。そういったストイックさが信用に繋がることがあり、社会生活が少しだけ楽になったりする。
【おわりに】
生きてても良い事が全くなかったので、俺はこうやって自分が幸せに感じる方法を生み出していった。お互い辛いことばかりかもしれないけど、誰かに傷つけられてもせめて自分だけは他人を傷つけないようにお互い生きていきましょう。
今朝、推しカプの夢を見た。
普段なら自分のツイッターで呟く内容だが、今回はちょっと自分でも憚られるものがある内容だったのでここに書く。
まず夢の中で私は推しカプの受けだった。肉体が受けで精神が私ということだ。
場面は原作にあったワンシーンで、仲間と話し合いをしている最中だった。受けは床に三角座りをして、仲間の話に耳を傾けている。
その場面には攻めもいるのだが、なぜか攻めは受け(つまり私)を両脚の間に置き、バックハグでがっしり抱きしめているのだ。もちろん原作にそんな描写は無い。そして仲間のキャラクターがツッコミを入れることもなく話し合いが続く。
自分の場合、夢の中で視覚と聴覚以外の五感を感じることが無いのだが、今回は珍しく触覚を感じることの出来る夢だった。攻めの体温と体重と触感が、背中と前に回された両腕からビンビンに伝わってくるのだ。夢の中の攻めはあったかくてズッシリしていた。攻めは公式で体脂肪率一桁だと公表されているのだが、それをリアルに感じられる質感だった。
自分が受けである自覚のあった私は(え、何この状況?推しカプ!?推しカプなの!?)とひたすらドキドキしていた。
やがて話し合いが終わり、解散となったのでその場から立ち上がると、何と攻めがバックハグした腕を解かないまま一緒に立ち上がった。受けが歩き出すとそのまま体を受けにくっつけたまま歩き始める。どこのバカップルだ。
原作ではこの話し合いの後、攻めと受けは別行動を取ることになる。となると、この攻めの行動は受けと離れたくない意思の表れであるとしか私には思えなかった。
(なぜ離さない!?)(やはりこの攻め、推しカプの攻めか!?)(おいおいこの攻め、受けのこと好きすぎだろ!)
常にクールな受けの顔面を崩すことなく心の中で嬉しい悲鳴をあげていると、急に場面が切り替わった。そこは旅館の一室のようで、布団が二組並んで敷かれている。原作にこんなシーンは無い。
ここで攻めの体が受けから離れたので、私は驚愕した。どうやら攻めは隣の布団で寝るらしい。あれだけ離れたくないと行動で示していた攻めが、なぜ個室に二人きりという状況で律儀にも独り寝を選ぶのか理解できなかった。
どうにか流れを戻せないだろうか。そう強く願うと、受けの体が動いた。受けの精神は私であるが、私がこう動こうと考えたわけではなく勝手に体が動いたのだ。
受けは攻めに見せつけるように、ゆっくりと体をうつ伏せに布団へ横たわらせた。その時わざと服の裾が捲れ上がるように体を捻ったのだ。そして上半身を起こし、無言でじっと攻めの目を見つめる。
私はこの行動に衝撃を受けた。受けはストイックで流され受けタイプのキャラなのだ。それが自ら攻めを誘う動きをしたのだ。しかもその誘い方が解釈一致の百点満点なのだから最高としか言いようがない。
受けの視界を通して服の裾から覗いた白い肌が見える。薄く筋肉の乗った、だが少年らしさも感じられる細い腰。これ二次創作でめちゃくちゃ見た受けの体じゃん!!!再現度すげえな私の夢!!!
攻めは明らかにこの受けに見惚れていた。これまた二次創作でめちゃくちゃ見た欲情顔をしていた。かわいい。
超スーパーレアな誘い受けする受けをスルーするはずもなく、攻めはこちらの布団へとその身を横たわらせた──ところで目が覚めた。
この時間になってもしっかり覚えてるくらいリアルで濃い夢だった。
二次元キャラがなかなか夢に出てこないタイプなので、とにかく嬉しくてどこかに記録しておきたかったし、誰かに聞いて欲しかった。
大きな出版社の編集者から、声がかかって、紙の雑誌で連載して、単行本を出版されるのがステータスだと思っていた。
割とストイックに頑張った。
画力が上がって、ついに、連載が決まった。
しかし、私が漫画家を目指し始めたころから、時代は、状況は少し変わっていた。
誰でも個人で電子書籍を売れる。電子書籍が売れると出版社から「これ単行本にしませんか?」と声がかかる。
雑誌は…いまだにステータスではあるものの、その制作過程では編集者がものすごいパワーをもつ。
どのタイミングでも、容赦ない指摘、ボツが起きる。しかし途中で降りれば報酬は無しだ。
編集のさじ加減一つで、作業量は大きく変化するし、内容も大きく変化する。
私にとっては、先ほど説明したネット漫画の状況変化も相まって、やりとりを続けるのがしんどくなってしまった。
「なんでバズらせたこともない人の指示を受けてるんだろう」
「この人は何の実績があるんだろうか」
そんなことが重なり、
数年単位で憧れていたのに、近づいてよく見てみたら「あれ?そんなに良い物ではないかも」と気づいてしまった。
そんなに輝かしくない、どころか少しくすんでいることに気付いてしまった。
半年ぐらい「だとしても…憧れてた初心を忘れるな!」と自分を励ましてきたけど、今日、急に糸が切れた。…というか悟った。
服屋で、遠目から見て「この服いいじゃん!」と思って近づいたら、ほつれがあるし、カビもある。…値段も高くね?
そんな状況なのかもしれない。
これが年単位だから気持ちを切り替えるのにかなり苦労していたけど「これなら要らないか」と次の良さそうなものを探す方がいいのだ、たぶん。
それが今日の朝9時のはなし。その感動の勢いに任せてキーボード叩いてる。
優勝した人の名前は高橋優太さんといい、大会の正式名称は世界選手権という。
この大会は現時点での世界最高峰プレイヤーを16人だけ選抜して競う、競技マジックの頂点。
いわゆる「MTG地球代表」を決めるトーナメントと考えてもよい。
高橋氏はそこで開幕3連敗して、あと1敗でもしたらその場でトーナメント敗退が決まる崖っぷちにいきなり追い込まれる。
そんな土俵際に片足ついた状態から、なんと以降負けなしの11連勝でまさかの逆転優勝。
こんな大記録、27年続く世界大会の歴史の中で一度もない。ほんとにすごいことなんよ。
マジック興味ない人には長文であーだこーだ伝えるよりも実際の動画を見てもらったほうがいいよな。
https://youtu.be/NWd2FgWGHrw?t=22353
優勝の瞬間
https://youtu.be/3Ve9Hk3k5X8?t=28417
いい年したおっさんが画面の前でひとり声を抑えることも忘れて泣いている。
それぐらいすごい偉業だったんだよ。世界一のタイトルは彼にとって悲願だったしね。
その姿みていい年こいたおっさんの俺もすこし泣いちゃったわ。
コロナの影響で去年の世界選手権は開催中止、そして今年は初のオンライン開催。
また2019年から公式の運営下で始動したプロリーグ(麻雀でいうMリーグみたいなの)が来年には廃止されることが通告済み。
MTGに生涯を捧げてきたプロプレイヤーたちにとって2021年はまさに激動と困惑の年だった。
日本人による世界一のタイトル獲得は2012年以来じつに9年ぶり。
そもそもこの大会、アジア人には時差のハンデがめちゃくちゃあった。
現地アメリカの時刻に合わせてるから日本だと深夜24時からスタートして朝9時に終わる超過酷なスケジュール。それをぶっとおしで三日間。
例年のオフライン開催だと数日前から現地に飛んで(開催地はパリとか千葉とかラスベガスとか毎年ちがう)時差順応するわけだけど、オンラインではそうはいかない。
カードゲームはマインドスポーツとよばれたりするけど、今回アジア人プレイヤーにとってはそもそも身体的にハードなトーナメントだったことをまず伝えておきたい。
はてな民はネットコミュニティのなかでもマジック履修率が謎に高いイメージ(偏見)があるが、
それでも昨今のマジックの競技シーンについて熱心に追いかけてる人はすくないだろう。
日本はもともと競技マジック強豪国で、市場規模も本国アメリカに次いで二番手の大きさ(たしか)。
前述のプロリーグにも、2020年度の上位リーグ全24名のうち日本人は3名参加しているし、
2005-2006年および2011-2012年には日本人が世界選手権のタイトルを連年で獲得している。
過去にいちどだけ開催されたチームシリーズも、優勝したのは日本人率いるチーム「武蔵」だった。
競技プレイヤーの平均値が高い=プレイヤーコミュニティ一つ一つの練度が高く、チームプレイが得意。
また0から1を生む発明家より70点のアイディアを洗練させて100点にするような職人的なプレイヤーが多いのが日本の特徴といえる。
だけど日本勢はいつも勝者のスポットライトのあたる位置にいたわけじゃなく、
30年近いMTGの競技シーンの中で、日本勢だけがまったく勝てなくなってしまった暗黒期があった。
「日本勢は上位にいて当たりまえ」なんて過去の栄光を知っている者たちからすれば、
そのときの日本の一人負けっぷりは衝撃的で、公式からこんな考察記事を書かれるほどだった。
日本勢は、なぜ勝てなかったのか。 (Internet Archive)
https://web.archive.org/web/20121107070840/http://archive.mtg-jp.com/eventc/ptams10/article/008381/
いくつか抽出するならそれはリーダーや発明家の不在だったり、語学のハンディキャップによる情報戦の遅れだったり、コミュニティの高齢化や硬直化だったり……
日本社会全体の問題として挙げられるような要因が、実はカードゲームの勝敗の世界にもそのまま通じる課題だったりする。
それから10年の月日が流れ、日本のマジック競技シーンがどうなったかといえば……
高橋氏の優勝からわかるように、いまふたたび最盛の季節を迎えている。
実は全世界で16人しか加わることのできない世界選手権の参加枠に、今年はなんと日本勢が5名も入っていたんだよ。
ちなみに2018年の日本人参加者は1人、2019年にいたっては0人。
すごくないかこれ。
日本勢はもう終わった、なんて言われてた時代を通ってきた人間からすれば、今ほんとうにちょっとした奇跡を目にしてる気分なんだよ。
先述の日本コミュニティの問題をどのようにして解決していったかはわからない。
危機感を原動力に率先して改善していった部分もあるだろうし、技術やインターネットインフラの発展によって自然と乗り越えられていった障壁もあるだろう。
今や日本勢が世界に一歩先んじた発明家的なアイディアを生みだすことも珍しくなくなった(ホロウワンや原根グルール、ジェスカイ変容)。
ひょっとしたら発明家が乏しいとされた日本人は環境の激変期には出遅れるものの、
けっきょく最終的にはその職人肌によって最適解へとみずからを研磨して適合させていくのかもしれない。
彼は競技マジックにコミットして20年近いストイックな古豪プレイヤーで、
国内外で実力は認められていたものの、肩書になるようなタイトルだけは手に入らないような状態がずっとつづいていた。
彼はまさにひとつの道を究める職人タイプで、今回使っていたデッキも最先端から半歩引いたようなイゼット・ドラゴンだ。
このデッキを使っていたのは16人の参加者の中でただひとり彼だけ。
海外勢が持ち込んだ最先端のデッキ(リーア入りのグリクシス天啓)が発明家による最先端の発想だとすると、イゼット・ドラゴンはむしろその対極。
一世代前から職人たちの手によって100点に磨き上げられた、既知のアイディアの結晶のようなデッキだった。
対戦相手とテクニカルで繊細な応酬を好む高橋氏らしい選択だと思ったけれど、正直言って下馬評ではほとんど話題にあがることのないようなデッキだったと思う。
それがまさか構築ラウンド無敗での優勝。
職人型の日本人プレイヤーが、既知の技術の到達点で、20年かけて、世界の頂点を獲った。
プロシーンに終止符が打たれた最後の年に、崖っぷちの3連敗から歴史に名を残す11連勝で。
こんなんさ……もうさ……ドラマやん!
そして悲願だった世界一の称号を手に入れて、次の目標はありますか、と優勝者インタビューで訊かれたときの
彼の回答もまたすごく印象に残ってる。
世界一のタイトル獲った直後なのに、ほんとうに穏やかな口調でこう言ったのよ。
前に増田で見かけたLoR大会の解説記事(https://anond.hatelabo.jp/20210919095507)がすげー面白かったから自分も書いてみた。