はてなキーワード: 大統領選挙とは
石破 茂 です。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
昨日、一都三県を対象とした緊急事態が再宣言され、昨日発表された東京の感染者も過去最多の2447人となりました。
感染者の増加は確かに重大事ではありますが、冬になって空気中の水分が減って飛沫が遠くまで飛びやすくなるのは当然のことですし、寒冷地では換気の機会も減少することも考えられます。PCR検査数の増加によって陽性者が増えるのもまた当然のことです。
かくなる上は、感染者数ばかりに注目することなく、限界ある国家資源や医療資源を、重症者と死亡者を減少させることに重点化して配分すべきなのではないでしょうか。
「どうすれば重症化・重篤化しないか、どうすれば死に至らないかが重要であり、対策も情報発信も、このことを重視すべき」と昨年の感染初期よりテレビなどでも何度か申し上げてきたのですが、なかなかそうはなりません。
医療関係者の献身的な努力によって、アビガン、レムデシベル、ヘパリン、デキサメトゾンなどの薬、人工呼吸器類(ネーザルハイフローやECMOなど)、普及率世界一のCTなど(この多くを今回初めて知りました)を用いた治療法も随分と進歩し、救命率もかなり上がっているはずなのですが、そのような報道もあまり聞くことがありません。漠然とした感染者数よりも、基礎疾患を持つ方や70代、80代、90代の高齢の方の罹患率、感染者数と死亡者数の正確な分析などの方が知りたいと思うのは私だけでしょうか。
日本人が欧米に比べて人口当たりの感染者数や死亡者数が極めて低いのも、同じ都道府県内でも市区町村によって状況が全く異なることにも必ず理由があるはずで、その科学的な分析が進められれば、もっと精緻な政策が打てるのではないでしょうか。
生活習慣の相違、国民皆保険制度の存在、極端な格差社会ではなく分厚い中間層が存在していることは決定的に重要な要素であり、この持続可能性を維持できるかが最大の課題です。
諸外国、特にスウェーデンの対応についても様々な論評がありますし、同政府のコメントも承知していますが、この国において「『寝たきり老人』(とても嫌いな語感です)が居ない」ということとも関連性がある宗教観や死生観の問題が、改めて問われているように思われてなりません。
日本特有の同調圧力とゼロリスク志向の強さも改めて感じています。「自粛警察」などという不可思議至極な活動は、今のところなりを潜めているようですが、戦争中の「パーマネントはやめませう」「ぜいたくは敵だ」「欲しがりません勝つまでは」などという「愛国的な」活動が想起されて、とても嫌な思いが致しました。ヘルスリテラシーの低さについても、自らを省みて、これもまた然りと思います。
日本においては大勢の世論(「空気」)に抗って異論を差し挟むことは忌み嫌われますが、政治は世論に迎合しすぎてポピュリズムに堕してはいけない、よく自重自戒せねばならないと思っております。
失業率が1%上がると自殺者が1,000人から2,000人増えると言われていますが、ここ数か月の自殺者の増加、特に女性の割合の増加はとても気がかりです。また、病院にあまり行きたくない、ということで、がんの定期健診の受診数も大幅に下がっています。
風邪やインフルエンザが「根絶」されることがないように、新型コロナウイルスも「根絶」される、ということはないでしょう。ただし治療法が広く共有され、重篤化を防ぐことができ、ワクチンが広く行きわたり、感染拡大が収束した時に、自殺者が激増し、がんによる死亡者が大幅に増えてしまったとすれば、それは「人類がコロナに打ち勝った」証とは言えないのだと思います。
政権は厳しい状況の中であらゆる方面からの批判に晒されながらも可能な限りの対応をしているのであり、我々は少しでも国民の支持と理解が得られるように努めなくてはなりません。
昨日のアメリカ議会へのトランプ支持者の乱入と死傷者発生の事態について、トランプ大統領に責任がないとはとても言えない状況でした。選挙結果について異議を唱えるだけならともかくも、支持者に対して議会への乱入を扇動するようなスピーチなどは、民主主義の実力行使による否定と紙一重であり、見たくもない光景でした。
トランプ大統領が就任した時、「言を左右して相手を困惑させ、自分にとって最も有利な取引を仕掛ける『サスペンスとディールの大統領』となるのではないか」と申し上げたと記憶していますが、まさにその通りの4年間であったと思います。大統領当選時の勢いをもって議会選挙を経た結果、共和党も明らかに変質を遂げました。昨年の大統領選挙でトランプ氏に投票した米国有権者は7380万人、この人々が更に先鋭化するのかも全く見通しは立ちません。
自由を建国の精神とするイデオロギー国家、国民の8割が神の存在を信じ、4割が毎週日曜に教会に通う宗教国家、アメリカ国民という意味での民族国家、こういったアメリカの本質はバイデン政権になっても変わることはありません。そうであれば、それぞれの自画像、理想像、基本的な価値観が対立する米中の軋轢は今後一層激しくなり、日本はより一層厳しい選択を迫られることになります。安全保障についての法体系も、装備も、運用も、アメリカ依存から脱却し根本から見直すべきだと思いますし、今までのような問題先送りでは国益を損じると考えます。
それでもなお、同盟国である米国が新政権によってその美点である復元力を発揮し、アメリカ民主主義の理想に立ち戻ることを心より期待しています。
年末年始、生来の怠惰さに加え、雑事に追われて勉強らしい勉強も出来なかったのですが、中川恵一准教授(東大附属病院)の「コロナとがん」(海竜社)、小林よしのり氏の「コロナ論」(扶桑社)、橋爪大三郎氏の「中国VSアメリカ」、同氏の大澤真幸氏との対談「アメリカ」(共に河出新書)、加藤陽子氏の「それでも日本人は『戦争』を選んだ」(新潮文庫)、は極めて示唆に富む大変に興味深いものでした。
合間に久々に再読した、没後50年となる三島由紀夫の短編・中編(新潮文庫)の文章の独特の華麗さにも魅了されたことでした。
週末の日本列島はまた寒波の襲来に見舞われそうです。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。
「今年の人」はバイデン氏とハリス氏 タイム誌「分断より共感」
https://www.nippon.com/ja/news/fnn20201212118768/
次期大統領と副大統領が、そろって「今年(ことし)の人」に選ばれた。
アメリカの雑誌「タイム」は10日、毎年恒例の「今年の人」に、バイデン次期大統領とハリス次期副大統領を選んだと発表した。
選考理由として、「分断の怒りよりも共感の力の方が強いことを示し、悲嘆に暮れる世界で、癒やしの理想像を共有した」としている。
二人は大統領・副大統領としての職務を開始する前から、共感力の強さの示現、癒やしの理想像の共有という稀有な功績をあげてきた。
もうあと一歩早ければ今年のノーベル平和賞にも選ばれておかしくなかったが、それも時間の問題である。
来年の今頃にはかつての上司にあたるオバマ氏や、同じく分断の怒りを共感力で包み込んだミャンマーのスーチー氏、エチオピアのアビー氏らに連なる平和賞受賞者となっていることだろう。
以下の記事のごときものは、自分の管理するブログを持っているから、そこで書いて発表すれば良いのだろう。だが、私のブログは人の訪れるものでない。そこでよりは人の目に触れて、多くの人に読んでもらえもするかと想像して、ここに投稿する。
大統領選の投票日以降、いわゆる確実な証拠を挙げよとの要請を口にして、あちこちから報告される選挙での不正に関心を向けることを否定し、さらに不正に目を向けながら、大統領選の帰趨について論評することを控えるべきであるとする人たちがいる。
この眼差しの持ち方と態度を守る人たちの中で、次のような人たちのことは、私は特に気にしない。例えば、バイデン民主党候補を応援している者、トランプ大統領の退場を望んでいる者。これらの者たちがそうあるのは当然のことであろうから。
私が気になるのは、トランプを応援しているし、トランプ大統領の2期目に期待していると口にして、しかし不正への関心を抑制し、それから視線を外して、どちらの候補が大統領になるか、もはや自分たちの論評すべきものでない、と口にする者たちである。
代表として上念司、奥山真司の二人の名前を挙げておこう。とは言え、この二人に限るわけではない。彼らは、他の者たちよりは多少は筋道立てて、先の眼差しと態度をとる理由を説明しているから、私には扱いやすいのである。
ところでお気づきの人もあろう、私は Youtube の虎ノ門ニュース、アメ通 Live をこの一年、大変勉強になると感じて視聴してきた。加えて、上念司チャンネル、文化人放送局、DHC テレビのニュース女子なども、興味深いと視聴を続けてきている。ついでに加えれば、SakuraSoTV とか、古是三春・篠原常一郎チャンネル、さらにはラジオの文化放送局、おはよう寺ちゃんなども、同じ関心に叶うところから視聴している。つまり私は、これらが人々に伝えて、解説する時局、情勢の認識や批評が、現状の政治や社会を、他のところでのものよりよく捉えていると評価しているし、自分の理解を形作る参考にしているのである。
さてそれで、先の二人が自らの態度について言うところは、いくつかの論点から成り立っている。ここで彼らの議論の論点全てを取り上げはしないし、そのまま辿ることもしない。同意できるところをあらかじめ挙げておけば、未確定情報に振り回されないようにすべき、選挙不正の論評にいたずらに促されて米国への評価自体を損なってはならない、などの主張を、私もしかるべきものとひとまずは同意しよう。
だが、総評的にか、つけたりなのか、まるで根本的な姿勢の取り方の如きに、私たちは米国大統領の選挙権があるわけではない、他国の指導者の選択であって自分たちの指導者を選ぶわけではない、かように申し立てるところは、さしあたって尤もなことと感じながらも、何かうまくいなされた気分を覚えてしまう。
さらにまた、不正については、裁判で決することができるのだから、その判断を待つべきである、不正は訴えることができるのである、裁判を起こす権利が彼らにはあるのである、三権分立が云々と教え諭されるところになると、いやどうも不正に目眩して冷静さを見失っていましたと反省させられる。
がしかし、先のいなされた気分の中で、この反省を自らに強いてみると、何かおかしなもの、しかもどこか剣呑さを持ったものが潜んでいる不安に、私は囚われるのである。
それが何かと自らに問うてみるに、例えばこんな風に先の主張を言い直してみよう、すなわち、他国の重要な政治的選択は、他国民の決めることであって、こちらが論うことではない、他国の政治不正については、他国の政治制度か、なんらかの強固な社会的規範が解決するのを、こちらはただその行く末を見ているべきである、まずはこのように言い換えてみよう。
そして、他所の国や社会に存在していると知らされたり、生じつつあると報じられたり、行われる可能性があると訴えられる不正について、私たちは須く他国の政治の解決に待つべきなのである、他国の政治か社会の能力に期待すべきなのである、このように答えて恬然自若としているべきなのであろうか、このように問うてみよう。
この記事の主題であり、私が気にかかるところの、大統領選挙での不正に対する眼差しと態度に沿うならば、この問いに対しては、然りそうあるべきである、と肯定的に答えることになろう。
ここに私の不安は、むくむくと大きな黒い影となって、私の胸を塞いでくる。
なんとなれば、それならば中国でのウイグル人の例の話題や、香港のことも、同じような態度をとって、それらは中国の政治的選択と政治的能力の処置すべきことであって、不正だの不正義だのと感情を昂らせるようなことではない、中国の政治的解決に期待して、その帰趨を見ているべきなのである、このような主張も肯定してしまうことになるからである。
中国は共産党独裁で、人権もないが、アメリカは民主主義国で、権利と法とがあり爾斯く斯くと言っても、なんの反論にもならない。何故なら、不正からは目を逸らして、ことの成り行きを待とうと説く者たちは、その態度から当然引出される主張として、バイデン大統領が就任することになったならば、そうなった米国を見据えて、どう米国と接していくか、どんな外交技術でもって日本の国益を実現させていくか、このことに注視せばならないとも力説しているのである。
ここで再び指摘しよう、それならば中国の例の件についてもまた、中国でどんな推移を経ていくのか、それを見定めて、その上で、どう中国と接するか、どんな外交でもって日本の国益を実現させていくか、その工夫に腐心すれば良い、かように唱えるのが主張するところに忠実な態度であると言わねばならないからである。
我々は米国民ではない、だから米国大統領選について、なんら口を開くことはできない、物を言ったとしても、なんの意味もない、かように言うならば、これと同じくまた、我々は中国人民ではない、中国人民の状況について、なんらの口を開くべきでもなく、他所の国の我々が何かを指摘したとしても、なんの意味もない、このように言うべきことになるからである。
名前を挙げた二人についてみれば、上念司は不正に対する感情を、自らにおいても他者においても、抑制せねばならないと留意するところから、先の態度を唱えているように見受けられる。その抑制の理由も、私かに慮れば、納得できないものでもなく思える。しかしながら、政治への冷静さを得るための距離を取らんとして、政治的無関心・アパシーへと導く主張に近づいているように、私は思うのである。そして私がこれについて恐れるのは、政治的不正への無関心を理屈だてる主張の、その一歩先に、人々の無関心によって批判されることなく、剥き出しの欲望が自由になっている、そんな地平が広がっていると考えているからである。
他方奥山真司については、私の貧しい知識ながら理解する地政学よりして、選挙での不正といったものも、人権侵害といったものも、そうした政治的価値に反することや、あるいは何かしらの理念に悖ることなどは、さしあたって考察の中になく、いやおそらく関心を向けるところですらなく、そんなことはどうであっても、つまり習近平の中国が共産党独裁国家らしいあり方をし続けていくのに対して、またバイデンの米国が民主党主導で営まれていくのに対して、日本国が自ら所持し、かつ国際的に構築できる政治的な力・リアルなパワーを行使して、日本の国益を実現していく道筋を見つけることが、彼の主たる関心であり、もしかしたらそれが全てではないかと思える。
いつ頃までのことであったろうか、昔は、ジャーナリズムというものが言われていて、それを実践するに努めたテレビや新聞の報道では、何かしら政治的不正が行われている国が、ことの重要性に応じて、熱心に取材され、分析され、そして批評されて、テレビ番組や新聞記事となっていたものである。
一つの話題が集中的に報じられるときには、国際世論の喚起という風に目的づけか性格づけがなされたもので、問題ある国に対して、国際社会には厳しい批判や非難が湧き起こっているぞと感じさせて牽制を与えることで、その国の不正が深刻なものとならないように働きかけるのだ、そんな意義づけもなされていたと覚えている。
今から思えば、そうした国際報道も国際規模でメディアを利用しての政治工作、そんなものと感じないでもないが、たとえそうであれ、米国の今回の大統領選挙では、こんな不正、こんな暴力、こんな悪事が行われているのだと、盛んに話題にするならば、外国でそんな風に言われてしまっていることが、よしやごくわずかなものとしても、それなりの牽制になるだろうと、やはり私は思うのである。
きのうから少し話題になっている大統領選挙にからむ不自然なスター工作について自分なりに少し調べてみた。
https://anond.hatelabo.jp/20201108202432
上記エントリで挙げられている9ユーザにひとつ加えた10ユーザ(後述)を仮に「チーム1108」と呼ぶことにしよう(いずれも初ブクマが11月8日の新規アカウント)。
チーム1108のメンバーによって書かれたブコメに対して、同じくチーム1108のメンバーによってつけられたスターを自演スターとみなし、その比率を調べた。
メンバー個別に集計しても無意味だと途中で悟ったのでチーム1108全体をまとめた集計である。結果は、
(1) チーム1108メンバーによって書かれたブコメ 116件
(2) (1)が獲得した総スター数 2169件
─────────────────
(3) / (2) 自演率 約95.3%
以上9名だが、
というユーザは311個(チーム内貢献度3位)の自演スターをつけて回っていたのでお仲間とみなした。
残りの約4.7%はというと、おそらくチーム1108の自演劇にうっかり共鳴してしまったチームとは無関係の人たちだろう。要するにおっちょこちょいである。
30人ほどいてほとんどが1スターをつけているのみだが、複数のスターをつけている人もちらほら(9名)おり、中でも j********r 氏(一部伏せ字失礼)はチームの仕事に計42スターを献上していてなかなかのシンクロ率を見せている。
ただしj氏は2年前からはてブに参加しており、ブックマークの内容もきわめて一般的なものばかりなので、くれぐれも、「彼がチーム1108の本体では?」といった邪推はしないでおいていただきたい。
■文が鮮明に統一されているバイデン氏とその息子誹謗中傷ブコメ
https://anond.hatelabo.jp/20201108181656
https://anond.hatelabo.jp/20201108181945
4年はない
バイデンがしくっても副大統領か民主党から大統領が選出されるから
アメリカの大統領選挙は大統領を選出する「党」を選んでるんだよ
党を選ぶってのはそういうことだ
いよいよトランプが負けると言うことで注目を集めている大統領選挙
自分も連日のニュースは見ているが、投票システムがよく理解できないので、トランプが負けてるのか勝ってるのかがよくわからない。大体画面下のバーではバイデンが勝ってるようだが、これがそのまんまの意味なら、ここからトランプが勝つ事はありえないはず。なのに勝利宣言をしている。こんなバカなことがあるだろうか?
テレビで流れている各州の地図と票を見た感じでは以下のようなプロセスで進んでいるのではと思った
理解できたのはここまでだった。
が、NHKの解説やトランプ発言では「選挙人が大統領を選ぶ」という文が登場する。
その選挙人ってどこに居るの?
もう選ばれてるの?
そもそも、各州に選挙人が居るならなんで州内で候補者投票なんてやってるんだ?
州内の人々が投票したところで選挙人がその意向に従うとは限らないのでは?
もしかして、選挙人というのは、投票した人物の中からランダムに選ばれて居るのではないかと思ったが、これはないか。
というか、選挙人ってどういう身分なんだ?市民から選ばれるのか?
それとも州知事が選ぶのか?
分断させないと言っても無理だろ。バイデンの真の勝利条件は郵便なしでも勝利だったのよ。
んで、SNSで火消ししても、過去に事例はあるし、プラットフォーム自身がバイデンに肩入れしているように見えるから火消しすればするほど説得力がなくなる地獄。
コロナも二次パンデミック確定でコロナに関する全てをトランプのせいに出来なくなった。
しかも今度はトランプのせいに出来ないから都合の悪い事は隠してもっと悲惨になると。
これどうすんの?
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00057/110500058/
投票日直前から現在までの部分に限っても、相当な間違いが書かれています。
そもそも、選挙前日の11月2日、トランプ大統領が選挙当日中に勝利演説をするとの噂が流れていたが、これは大統領候補であれば準備する普通のことなので、不可思議な「フェイクニュース」だった。
勝てるだけの代議員数の州の結果が揃う前、特に郵便投票の票が数えられる前にトランプの票数が先行している間に勝利宣言するかも、というニュースが事前に流れたのです。これは異常なことで、しかも実際かなりそれに近い発言を行っています。フェイクニュースではなかったのです。
11月4日未明、バイデン候補は「我々は勝利の軌道にいるので結果を急がず待とう」という趣旨の発言をした。開票状況で劣勢にある候補の発する言葉ではない。さすがに筆者もすべてを調べたわけではないものの、このような発言は米国の大統領選挙史上初めてのことだと思う。それほど状況と内容が不一致であった。
コロナ下で郵便投票を行う人は民主党支持者が多いことは事前に予測されていました。民主党支持者の方がコロナの危険性に敏感な割合が高い一方、トランプが郵便投票は信用できないから直接投票しろという呼びかけをしており共和党支持者の方がそれに従う可能性が高かったからです。そして、民主党支持者が郵便投票を行うと、当日に投票する人はその分共和党支持者に偏ります。郵便投票の開票が通常投票の後という州は多いので、開票結果の初期はトランプに偏るというのは事前に予測されていました。
実際、いったんトランプが票数で先行した後、郵便投票の開封が進むことで、特に中西部でバイデン票が盛り返しています。今は劣勢に見えても「我々は勝利の軌道にいるので結果を急がず待とう」というのは希望込みの発言ではあっても、方向性としておかしな発言ではなかったのです。
その後、トランプ大統領が発言したのだが、これは47年の政治家としての経歴を持ち、経歴詐称までしてきたバイデン候補とは異なり、単純な勝利宣言といういかにも「素人」の発言だった。
トランプには相談できる選挙アドバイザーにスピーチライター、そして政府高官がいくらでもいるのですから、「素人」というのは言い訳になりません。
そもそもどんな素人であっても(といっても、トランプは大統領の予備選挙と本選挙、そして就任後に中間選挙を戦っていますが)、代議員数270人を獲得しなければ勝利できないことは知っていますので、270人分の当確が出る前に勝利宣言をするのは異常です。
ちなみにここで何の説明もなくバイデンが「経歴詐称した」と出てくるのですが、一体何のことなんでしょうか? 英語圏でもそういう主張は見てませんし、少なくとも説明なしに書けるような常識ではないはずです。
中西部、特にペンシルバニアの開票に時間がかかることは選挙前から分かっていました。バイデンの発言は関係ありません。
トランプ大統領は、これまで触れてきたような開票状況は不自然だとして、最高裁に4日午前4時で集計をやめ、選挙結果を出すよう求めた。午前4時と言えば、まだ大統領が十分優勢な段階である。
大統領に最高裁に直接何かを求めるような権限はないですし、トランプが最高裁にそんなことを求めたというニュースも見ていませんので、おそらく筆者の思い込みでしょう。
ペンシルバニアでの投票日までに投票されたが、投票日後に到着した郵便投票の取扱について既に最高裁に継続している裁判には参加するようですが、これは、「午前4時で集計を止めろ」といった内容ではありません。
そもそも、「優勢なうちに開票を止めよう」、つまり「バイデン票が開票されるのを妨害しよう」という考え方は民主主義の国の政治家として異常なので、筆者がなぜこれを肯定的に書いているのか、理解に苦しみます。
午前4時までの集計を使うように求めたトランプ大統領が、その後にバイデン候補勝利を発表したウィスコンシン州にリカウントを求め、ミシガン州を訴える考えを明らかにしたのは、恐らく最高裁では争う目的があいまいになる(つまり午前10時になって午前4時の集計結果を明確に出すことはできない)と言われたからだろう。
最初は下級審で訴えないと最高裁には行けないのだから、当然でしょう。「と言われたから」というのは一体誰が誰に言ったと想定しているのでしょうか。
どっちが勝つかわからないけど、とりあえず次の大統領はこんな感じ。
これまでの「史上最高齢で就任した大統領」はロナルド・レーガン(2期目の就任時に73歳)で、「史上最高齢で1期目を開始した大統領」はドナルド・トランプ(70歳)だけど、バイデンもトランプも2期目のレーガンより年上なので、「アメリカ史上最高齢で就任した大統領」が誕生する。
開票結果を見ていると、一般投票でバイデンが勝ちそうなのはほぼ確定。この結果を選挙人投票でひっくり返したら、トランプは「史上初めて一般投票で勝たずに2期を務めた大統領」になる。
過去、一般投票で勝たずに選挙人投票で逆転して大統領に就任した者は5人いる。1825年に就任したジョン・クインシー・アダムズ、1877年に就任したラザフォード・ヘイズ、1889年に就任したベンジャミン・ハリソン、2001年に就任したジョージ・W・ブッシュ、そして2017年のトランプである。このうち、アダムズとハリソンは次の選挙で落選し、ヘイズは次の選挙に出馬せず、ブッシュは次の選挙で一般投票で勝利した。したがって、「2回とも一般投票で勝たずに選挙人投票で勝って2期務めた大統領」は歴史上存在しない。
また、大統領の急死や辞任によって昇格した大統領は、皆、次の選挙で落選するか一般投票で勝利して再選されるかのどちらかであり、「副大統領から昇格して、次の選挙で一般投票で負けたけど選挙人投票で勝って2期努めた大統領」はいない。
したがって、仮にトランプが再選された場合、かなり高い確率で「アメリカ史上初の一般投票で勝たずに2期務めた大統領」が誕生することになる。
レーガンは77歳で退任したけど、バイデンは就任式当日には78歳になっているので、「アメリカ史上最高齢で退任した大統領」になることが確定する(トランプの場合、任期途中で辞めたりすると史上最高齢にはならない)。
アメリカでカトリックの信徒が大統領になるのはジョン・F・ケネディ以来2人目。
1993年にビル・クリントン(1946年生まれ)が就任して以降、ジョージ・W・ブッシュ(1946年生まれ)、バラク・オバマ(1961年生まれ)、トランプ(1946年生まれ)とここ30年ほどは戦後生まれの大統領が続いている。もしバイデン(1942年生まれ)が勝利すれば、ジョージ・H・W・ブッシュ(1924年生まれ)以来28年ぶりに戦前第二次世界大戦終結前生まれの大統領が就任する。
ブコメで指摘されて気付いたけど、1939年にナチスがポーランドに侵攻してから1945年に日本が降伏するまでの間に生まれた大統領はこれまでにいないから、アメリカ史上初(そしておそらく唯一)の「第二次世界大戦中に生まれた大統領」になるのか……
前任の大統領よりも年上の者が新しい大統領になったことは何度もあるが(前回の大統領選は、クリントンが勝ってもトランプが勝ってもオバマより年上の大統領だった)、それが2回続けて起きるのは、セオドア・ルーズベルト(1858年生まれ)より年上のウィリアム・タフト(1857年生まれ)より年上のウッドロウ・ウィルソン(1856年生まれ)が大統領に就任した1913年以来のことである。
これまで2人続けて苗字の文字数が同じ大統領が就任したことは6回ある(Van Buren→Harrison、Lincoln→Johnson、Grant→Hayes、Kennedy→Johnson、Carter→Reagan、Obama→Trump)。だが3人連続したことはない。もしバイデン(Biden)が当選したら史上初の例となる(Obama→Trump→Biden)。
そういえば、オバマ&バイデン、トランプ&ペンス(Pence)と、2代連続で正副大統領の苗字の文字数が一致しているのはレアケースかもしれない。大統領選挙で二大政党の候補者の苗字の文字数が一致する(Trump vs. Biden)のは、2000年のブッシュ対ゴア(Bush vs. Gore)以来20年ぶり。
第二次世界大戦後のアメリカでは、民主党が1期でホワイトハウスを明け渡したことはあるが(ジミー・カーター政権)、共和党が1期でホワイトハウスから追い出されたことはない。再選に失敗したジェラルド・フォードもジョージ・H・W・ブッシュも、前任者(リチャード・ニクソンとロナルド・レーガン)が共和党員なので共和党のホワイトハウス支配は2期以上続いている。もしトランプが1期で追い出されバイデン政権が誕生したら、戦後初めて共和党が1期でホワイトハウスを明け渡すことになる。
カマラ・ハリスは、女性としても黒人としても、そしてもちろん黒人女性としても初めての副大統領になる。
メディアだと「黒人女性としては初の副大統領」って言われるけど、女性としても黒人としても初なので表現が難しい。「初の黒人女性」だと、白人女性や黒人男性がそれ以前にいたかのように聞こえる(「黒人女性初の国務長官」だったコンドリーザ・ライスがそうで、「女性初の国務長官」はマデリン・オルブライト、「黒人初の国務長官」はコリン・パウエル)。
戦前警察アメリカ分署です。1942年はすでに米もWW2に突入しており、バイデンが戦前生まれは明らかに誤りです。戦中か戦勝前としてください
カトリックの少なさに驚く。ググると2014年時点で37%がプロテスタント、23%がカトリックらしい。それでも凄まじい偏りだが、どんな背景があるんだろう
このうち後者について、ケネディは1960年の選挙演説で次のように言っている。
わたしは、公的にはカトリックでも、プロテスタントでも、ユダヤ教でもないアメリカを信じます。そこでは、公共の政策に関して、公僕が、ローマ教皇やキリスト教会全国協議会やその他の宗教組織に指示を求めたり、そのような組織から指示を受けることがありません。
つまり、20世紀後半になっても「教皇の言うことを聞くやつが大統領でいいのか」という不安があったという話。
ちなみに、バイデンはアメリカ史上初の「カトリック信徒の副大統領」でもある。「二大政党から大統領候補に指名されたカトリック信徒」としては4人目(アル・スミス、JFK、ジョン・ケリー、バイデン。全員20世紀以降に民主党が擁立)。
なお、これまで日本の首相になったカトリック信徒は3人いる模様(原敬、吉田茂、麻生太郎)。プロテスタントも何人かいるし、首脳の信じている宗教という一点に限ってはアメリカなんかより日本の方が遥かに多様という。
仮にバイデンが任期途中でリタイヤしてハリスが昇格し、2024年の大統領選挙でハリスが女性候補に敗北すると、「初めての女性大統領」と「初めて選挙で選ばれた女性大統領」が別人になるので、トリビア好きにはたまらない展開になる。ニッキー・ヘイリーには頑張ってほしい。
(現状、「最年少大統領」がこの状態で、「最年少の大統領」はセオドア・ルーズベルトだけど、彼は前任のウィリアム・マッキンリー大統領の暗殺に伴って昇格したので、「選挙で選ばれた最年少の大統領」はジョン・F・ケネディ。仮に今回の選挙でピート・ブーティジェジが勝っていたら限定なしで「史上最年少の大統領」になっていた)
一番のリスクが大統領就任式という説も。就任式は1月に屋内で行われるけど、高齢のバイデンには風邪を引くリスクがある。実際、1841年に、68歳だったウィリアム・ハリソン大統領がめっちゃ寒い日に就任式で長々と演説して3週間後に風邪を引き、そこから肺炎になってアメリカ史上最も在任期間の短い大統領になってしまった(在任31日間)という故事があるので……
(ちなみに、日本の内閣総理大臣で最も在任期間が短かったのが東久邇宮稔彦王の54日なので、日本の首相よりアメリカ大統領の最短在任記録の方が短い。ハリソンの在任期間はあの宇野宗佑の半分以下)
今回の大統領選挙の話なんだ。
向こうの世論も全てトランプ大統領の勝利はありえないといった感じだった
これ前回も思ったけど新聞やテレビの報道を信じている人思いの外多いんだな
今日会いに行った会長さん(と取り巻き)の人がトランプが押している州がおおいことを以外そうに思っていたので
データ集計のサンプリング(大学で若者のサンプルとると概ね民主党が勝つ)とか隠れトランプ支持者とかで
前評判は当てにならないといったら取り巻きの人がでも「でもテレビでは・・・」と言っていた。
1820年にマサチューセッツ州から分離独立した後、1828年の選挙まで、メイン州は分割選挙人投票制を採用していた。その後、他のほとんどの州が採用し始めたように、同州は勝者総取り制に移行した。
しかし1972年、1968年の大統領選挙では、共和党のリチャード・ニクソン氏、民主党のヒューバート・ハンフリー氏、無所属候補のジョージ・ウォレス氏の3者による3者択一のレースが行われたため、州は伝統から脱却した。このレースでは、州の有権者の半数以下に支持されている候補者に選挙権が渡ることを懸念する声が上がったため、メイン州では選挙人投票の分割が実施されました。
ネブラスカ州も20年後にこれに倣い、地方議員が大統領候補者の注目を集めようとした。共和党の議員たちは、分割選挙人投票制度の廃止を何度も試みたが、失敗に終わった。