2020-11-05

日経ビジネストランプ擁護記事がひどい

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00057/110500058/

投票日直前から現在までの部分に限っても、相当な間違いが書かれています

そもそも選挙前日の11月2日トランプ大統領選挙日中勝利演説をするとの噂が流れていたが、これは大統領候補であれば準備する普通ことなので、不可思議な「フェイクニュース」だった。

勝てるだけの代議員数の州の結果が揃う前、特に郵便投票の票が数えられる前にトランプの票数が先行している間に勝利宣言するかも、というニュースが事前に流れたのです。これは異常なことで、しかも実際かなりそれに近い発言を行っていますフェイクニュースではなかったのです。

11月4日未明バイデン候補は「我々は勝利軌道にいるので結果を急がず待とう」という趣旨発言をした。開票状況で劣勢にある候補の発する言葉ではない。さすがに筆者もすべてを調べたわけではないものの、このような発言米国大統領選挙史上初めてのことだと思う。それほど状況と内容が不一致であった。

コロナ下で郵便投票を行う人は民主党支持者が多いことは事前に予測されていました。民主党支持者の方がコロナ危険性に敏感な割合が高い一方、トランプ郵便投票は信用できないから直接投票しろという呼びかけをしており共和党支持者の方がそれに従う可能性が高かったからです。そして、民主党支持者が郵便投票を行うと、当日に投票する人はその分共和党支持者に偏ります郵便投票開票が通常投票の後という州は多いので、開票結果の初期はトランプに偏るというのは事前に予測されていました。

実際、いったんトランプが票数で先行した後、郵便投票開封が進むことで、特に中西部バイデン票が盛り返しています。今は劣勢に見えても「我々は勝利軌道にいるので結果を急がず待とう」というのは希望込みの発言ではあっても、方向性としておかし発言ではなかったのです。

その後、トランプ大統領発言したのだが、これは47年の政治家としての経歴を持ち、経歴詐称までしてきたバイデン候補とは異なり、単純な勝利宣言といういかにも「素人」の発言だった。

トランプには相談できる選挙アドバイザースピーチライター、そして政府高官いくらでもいるのですから、「素人」というのは言い訳になりません。

そもそもどんな素人であっても(といっても、トランプ大統領予備選挙と本選挙、そして就任後に中間選挙を戦っていますが)、代議員数270人を獲得しなければ勝利できないことは知っていますので、270人分の当確が出る前に勝利宣言をするのは異常です。

ちなみにここで何の説明もなくバイデンが「経歴詐称した」と出てくるのですが、一体何のことなんでしょうか? 英語圏でもそういう主張は見てませんし、少なくとも説明なしに書けるような常識ではないはずです。

犬笛の効果は大きく、ペンシルベニア州あいまいながら開票時間が延びることを発表。

中西部特にペンシルバニア開票時間がかかることは選挙から分かっていました。バイデン発言関係ありません。

トランプ大統領は、これまで触れてきたような開票状況は不自然だとして、最高裁に4日午前4時で集計をやめ、選挙結果を出すよう求めた。午前4時と言えば、まだ大統領が十分優勢な段階である

大統領最高裁に直接何かを求めるような権限はないですし、トランプ最高裁にそんなことを求めたというニュースも見ていませんので、おそらく筆者の思い込みでしょう。

ペンシルバニアでの投票日までに投票されたが、投票日後に到着した郵便投票の取扱について既に最高裁継続している裁判には参加するようですが、これは、「午前4時で集計を止めろ」といった内容ではありません。

そもそも、「優勢なうちに開票を止めよう」、つまりバイデン票が開票されるのを妨害しよう」という考え方は民主主義の国の政治家として異常なので、筆者がなぜこれを肯定的に書いているのか、理解に苦しみます

午前4時までの集計を使うように求めたトランプ大統領が、その後にバイデン候補勝利を発表したウィスコンシン州リカウントを求め、ミシガン州を訴える考えを明らかにしたのは、恐らく最高裁では争う目的あいまいになる(つまり午前10時になって午前4時の集計結果を明確に出すことはできない)と言われたからだろう。

最初下級審で訴えないと最高裁には行けないのだから、当然でしょう。「と言われたから」というのは一体誰が誰に言ったと想定しているのでしょうか。

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