はてなキーワード: カンとは
ニートの弟が家にいるから大丈夫だろうと思って荷物の受け取りの時間を指定しなかったが、弟がめでたく家を出ることになり、日中家に誰もいない状態になってしまった
この土日あたりに商品が届くことになったのだが、一泊二日の旅行が重なり、親も外出することになったので土曜日に荷物が届いたが誰も受け取れなかった
土曜の夜になって帰宅した親が、別に頼んでいなかったのだが気を利かせて再配達の自動手続きをした
日曜日は自分も親もおそらく帰宅が夜になることが予想され、月曜の日中は仕事なので、月曜日の夜に時間指定をしたそうだ
しかし、台風の影響で旅行先で予定していたイベントが中止になり、今日の午前に帰ることになった
明日は台風がもっと強くなるので、明日持ってきてもらうより今日にした方がよいのではないだろうかと思い、佐川の担当者に直接電話をかけて時間を変更してもらおうと思った
増「あの……自動受付で明日にしてたんですけど、今日に変更できますか?」
佐「あ~、今日の分の荷物に入ってないので、今日は持ち出せないんでぇ、【当日】にしてもらえますかぁ?」
増「(自動受付で明日にしちゃったから、明日の分の荷物ってことになってるんだな。明日の荷物コーナーみたいなのがあって、当日分とは置き場所を分けているんだろう。自動受付で「これは今日持って行く荷物」、って登録しないと、コンピューターのシステム上とかの関係で場所を動かせないシステムになっているんだろうな、たぶん。自動受付の電話にかけて、明日持って行くっていうデータに上書きすればいいんだな)わかりました!」
~しばらくして~
佐「増田さぁんwすいませんw荷物を持ち出せないので12時から14時は駄目なんですよwなのでと・う・じ・つ、に、してほしいってことを言ったんですけどwもう一回 当 日 を選んでくださいw」
増「え、え(当日?ってことは、今日持ってきてもらえるんだよな?でも12時から14時は駄目って?早すぎるってことか?でもそんなの一言も聞いてないよな?日付指定はいいけど時間指定しちゃ駄目だったって意味?自動受付で時間指定スルーして日付設定だけすることってできたっけ?でもこの言い方だと時間指定しないのを選べるってことか?もう一回自動受付にかければいいのか?)わ、わかりました……すみません…………」
佐「はいw」
自動受付『ジカンヲ シテイ シテクダサイ。 (無視) ジドウ ウケツケニ シッパイ シマシタ』
増「スルーできない!!やっぱり時間指定しないといけないんじゃないか!なんだあいつ!!もういやだあいつと話したくない!!営業所にかける!!」
増「あの(´;ω;`)すみません(´;ω;`)再配達のことで相談が(´;ω;`)かくかくしかじか」
営「あ~……、となると今日はドライバーが帰ってからになりますので、今日の15時以降になりますので……」
まじなんなんだあいつ。結局「今はトラックで移動中でトラック内にお前の荷物入ってない、配達終わったあとお前の荷物受け取りに帰ったら15時以降になるから時間指定は15時以降にしてくれ」ってことだったのか?それならそうって言えよ。なんだよ当日当日って。何時でも当日は当日だろ。自動受付する時に時間指定を無視できないっていうのを知らなかったんだろうか
あ~~~~どっちにしろ今日あいつと顔合わせるんだな。荷物にキャラアニって書いてあるからアニヲタなのモロバレだし頭の弱いアニヲタきっもwアスペ乙wって感じの声だったからめちゃくちゃ嫌だ
「ちょっと遅くないか? 早く来てくれないとこっちも困るんだが」
「まあ、いつもの寄り道だろうね」
「寄り道?」
それを知らない兄貴が尋ねてくる。
「ほら、あそこだよ。いわゆる“貧困街”」
最近のタオナケは、通学中に寄り道をすることがマイトレンドだった。
俺たちはそのエリアのことを、『貧困街』って勝手に呼んでいる。
その荒廃した様相がタオナケの美的感覚に触れたようで、彼女は暇さえあればそこを通ることが多かった。
俺たちにとってはいつものことだったのだが、兄貴はそれに怪訝な表情をした。
「そこ大丈夫か? 治安が悪いってよく聞くし、この団体の管轄外だぞ」
それを聞いて俺たちは途端に不安に駆られる。
「まあ、今まで大丈夫だったんだから、今回も大丈夫だって可能性も高い。治安が悪いって言ったって、早々事件に巻き込まれるってわけでもないし、ましてやタオナケには超能力があるだろ……」
兄貴はその雰囲気から面倒事を感じ取り、慌ててフォローし始める。
だが、もはや俺たちの結論は決まっていた。
「他にもっと頼りになるのがいると思うんだがなあ」
「少なくとも今すぐ付いてきてくれて、その上で頼りに出来るのは兄貴だけだよ」
「……割に合わないボランティアだ」
ここは貧困街 俺たちはそう呼ぶ
貧しくて困ってる エリアなのさ
具体的に何で 貧しいのか
具体的に何で 困ってるのか
知りもしないし 知る必要もない
ここは貧困街 俺たちはそう呼ぶ
廃墟がところせましと並ぶ街
見分けがつかないし つかなくてもいい
貧困街のエリアにたどり着くと、意外にもタオナケはすぐに見つかった。
騒ぎを辿っていくと、そこにいたのだ。
どうやら自治体の抗争に巻き込まれて脱出し損ねたらしく、その中心でオロオロしていた。
「ほら、やっぱり俺たちが来たのも、兄貴を連れてきたのも正解だったでしょ」
「ああ、そうだな……言っておくが、俺の気が沈んでいるのは予想が外れたからじゃなく、今からタオナケを助けるためにあそこに突っ込まないといけないからだ」
「じゃあ、シロクロ。マスダの兄ちゃんを手伝ってあげて」
「アイアイ! どけいっ、みんな、どけい!」
ミミセンの指示で、シロクロは全速力で抗争の渦中に突っ込んでいくと、そのままどこかに行ってしまった。
だが、そのおかげで獣道ができて、兄貴はそれを更に広げるようにしながら進んでいく。
そうしてタオナケのもとへたどり着くと、有無を言わさず抱きかかえて、そそくさとその場を後にした。
「よし、俺たちも逃げよう」
バリバリ働く編集ウーマンがメイン主人公で、それを取り巻いたり取り巻かなかったりするいろんな働く人を描いたオムニバス形式の漫画
面白かった
監督不行届で安野モヨコっておもしれえなって思って、はじめて本来の作品を読んでみたって感じ
なんかあれだな、東京トイボックスシリーズ読んだときの感覚と似てる
うずうずしてくるっていうかもやもやしてくるっていうか、自分にゆさぶりをかけてくる本
1巻あたりの濃さもすごい
たった4巻なのにアニメ、ドラマとかいろいろ展開した理由もわかるわ
面白いもん
惜しむらくは続きがでなさそうってことか・・・
でもオムニバス形式だし一応4巻ですっきりしてはいるからここで完結でも違和感ない感じではある
あっちは具体的な仕事について掘り下げてて特殊な世界の話って感じがして作中と自分との間に壁があったけど、こっちは働き方ってのをテーマに据えてるから、
学生時代、女友達に抱きつかれたり、冗談で胸を揉まれたりスカートをめくられたりしたことのある女性も多いことだろう。学校で友達同士のこういう光景は珍しくないし、アニメや漫画でもこういったシーンは平和で微笑ましいものとして描写され、特に男性向けの美少女アニメにはほぼ100%登場する。
しかし私はそんな女性からの過剰なスキンシップがどうも苦手だ。
もちろん他人が友達同士でやっている分には一向に構わないし、アニメや漫画に文句をつける気も更々ない。
ただ、自分がされるのはあまり良い気持ちはしないし、自分は友達にそういったことは出来ないしやりたくもない。
私がこの「女→女セクハラ問題」について考えるきっかけとなった人物がいる。大学のとある女性先輩である。
ある日私が大学内を一人でブラブラと歩いていると、突然背後から誰かにガッと胸を掴まれた。私がびっくりして振り返ると「おっ、E(カップ)くらい?」とにこやかな表情で笑いかける部活の女性先輩(以下M先輩とする)。突然の出来事に多少戸惑いつつも「凄~い!よく分かりますね~!」などと適当な返しをする私。
自分で書いていて思うが、わざわざ事細かに描写するのも馬鹿馬鹿しい、実に「よくある」光景である。
この出来事において私がまず引っ掛かったのは「M先輩と私は大して仲良くもない」ということである。このとき私とM先輩とは知り合ってから日も浅く、当たり障りのない会話くらいしかしたこともなかった。その程度の仲でこういった行為ができることにまず驚いたのだ。
M先輩は私と仲が良いつもりだった、あるいは仲良くなりたかったのかもしれないし、いずれにせよ彼女なりのスキンシップだったのだろう。
だが、仲良くなるためのスキンシップ、あるいは仲良し同士のスキンシップとしてもこれは少々危険ではなかろうか。
この一件でM先輩がまず私にしてきたことは「後ろから胸を掴む」である。
まず 後ろから、つまり誰か認識できない状態で突然こんなことをされたら相手が誰であれ怖い。正直「チカン!」と悲鳴を上げられ突き飛ばされても文句は言えない。実際ひどいビビりの私は心臓が止まるかと思った。
また身体的特徴は本人にとってコンプレックスである可能性だって高い。胸なんて最も分かりやすい例で、小さくて悩んでいる人もいれば 反対に大きくて変に目立つ・太って見えると悩んでいる人もいる。幸い私は胸に関してのみ言えば 自分のものに特に不満はない。M先輩は、私にはコンプレックスがないと思ってやったのかもしれないし、実際ないのは確かだが、そんなことは結果論にすぎない。しかし恐らくはそんなことまるで何も考えずにやったのだろう。そもそもコンプレックスがあろうとなかろうと、いきなり触られてサイズを外で言われれば愉快ではない。
ここでM先輩の人物像について言及したい。彼女は簡単に言うと「体育会系」の人間で、上下関係にうるさく、男勝りで、かなりハッキリと感情表現をする人だった。
またM先輩は女性にしてはかなりの長身かつショートカットでボーイッシュな雰囲気も相まって、特に部内の女性陣から「イケメン」扱い、例えるなら宝塚の男役スターのような扱いをされていた。
M先輩自身もその扱いに満更でもなかったからなのか、「可愛い女の子が好き」などとよく言っており、私を含む女性陣にハグをする・頬にキスをするなどといったボディタッチをしていた。一応補足しておくが、M先輩には彼氏がおり、同性愛者というわけではない。
そんな彼女からのスキンシップは、少なくとも女性陣の間では「王子様からのサービス♥️嬉しい♥️」という空気があった。
私はM先輩からこのスキンシップを受けるたび「も~やめてくださいよ~(笑)」というような態度を取るしかなく、結局最後までこういった行為は止まらなかった。
客観的に見れば「嫌ならはっきり本人にそう言えばいいじゃん」と思うだろう。しかし実際この立場に立ってみると、それがなかなか難しい。
私はスキンシップが苦手なだけであってM先輩のこと自体は別に嫌いなわけではなかった。M先輩も私のことを恐らく後輩として気に入って、そういう風に接していたのだろう。
そんな彼女に「実はあのスキンシップ嫌なんですよね」と言うのは結構勇気がいる。M先輩は話せば分かってくれたかもしれないが、彼女を傷付けてしまうかもしれないし、以前のような接し方をお互いにできなくなってしまう不安があった。
また、私以外の人が彼女のスキンシップをどう思っていたのかは分からない。
しかし私が感じた限りでは、当時の部内では、M先輩からのスキンシップは喜ぶべきで、下手に「やめてください」などと言えば、こっちが「好意的なノリを拒否してM先輩を傷つけた」悪者になりかねない雰囲気だった。
男性に同じことをされたら、(少なくとも大学内では)どんなイケメンの人気者だろうと躊躇なくやめろと言えるし、周りもこちらの味方になってくれるだろうに、相手が女だからということでそれが難しくなる。
結局この一件以降も私はM先輩と特別仲良くなることはなく、彼女が卒業し私も部活を辞めた今、私と彼女の接点はほぼないのだが、未だに部内では「イケメン王子様のM先輩」という風潮が残っており、私はこのことを愚痴ることもできず モヤモヤしたものを感じている。
精神と時の部屋やカンヅメカンみたいな効果を持った不思議な機械の力で私の精神とゲーム機だけを加速させて5時間の間に50時間分のゲーム体験をしたい。
今だとたとえばDQ11とかP4とか一度やってみたいんだけど、そのために50時間も使う気はないんだ。
とはいえやりたい気持ちは確かに存在するのでこの方法によって解決したい。
『三日間有給を使って徹夜でやりこめばいい』と思う人もいるだろうけどそうじゃないんだ。
1万円するステーキが食いたいんだけど千円しか金は出したくないってのと何も変わらないもんな。
ああそうですよ私が間違ってる。
なんだろうなあ。
かっこいいオッサンや可愛い女の子と一緒に冒険したり、こつこつLV upを繰り返したい気持ちはあるのさ。
どこかで見たような話を稚拙なテキストでなぞるだけのシナリオなのに、BGMや演出による効果と自分がコントローラーを握り続けた事による感情移入のせいで大げさに感動しちまいたさ。
溜め込んだ回復アイテムをふんだんに使ってラスボスをボコボコにしたいさ。
でもそれに時間を使うのは勿体無いぞともう一人の自分が叫び続けてるんだ。
そんななかでダラダラゲームなんてやっても、時間の価値を知らなかった中学生の頃みたいには楽しめない。
ああそうだ。
結局はあの頃みたいに、人生をジャブジャブ使っている事に無関心なままで呑気に涎垂らしてコントローラーポチポチ押してたいのさ。
今はもう駄目だ。
たとえばゲームオーバーになった時の感覚が昔と今じゃぜんぜん違うんだ。
子供の頃はゲームオーバーになると、画面の中で自分が敗北したことにショックを受けていたもんさ。
でも今は違う。
ゲームオーバーになって最初に感じるのは、あちゃあクリアにかかる時間が増えちまったぞ、さ。
過程を楽しむ余裕が無くなってる。
テキストは最高速にしてスキップスレスレのスピードで読み進めてる。
WIKIを見てないときでも、ロールプレイガン無視の最強装備の事しか考えない。
ルート分岐の気配を感じたら一周目からWIKIをなぞるだけの作業の始まりさ。
ネタバレを見ることよりも、分岐失敗で周回回数が余計に増えることの方が怖いんだ。
なんだこれ。
もうゲームなんてやめちまえ。
年に数本遊ぶかどうか。
でもまた味わいたいんだ。
あの頃のゲームへの没入感を。
「おーし、今週も始まったぜ」
俺はこのアニメには大して関心がないが、15歳以上の人が同伴しないと観てはいけないことになっている。
そんなことを律儀に守ろうとしているのは子供も大人も一握りだと思うのだが、いかんせん身内がこのアニメのスタッフなので体裁を保たなくてはいけない。
弟はテレビのこの文言が聞き飽きたらしく、茶化し気味にセリフを真似て遊ぶ。
形骸化した注意事項は、子供たちにとって朝礼での校長みたいなものだ。
『あと……』
「あれ?」
だが今回はいつも違っていて、その後に更にセリフが続いていた。
『この作品に登場するキャラは武器を使って戦っているけど危ないので、良い子も悪い子もその両方を持ち合わせている子も真似しちゃ駄目です』
それを観た弟は、真顔でしばらく固まっていた。
俺もどう反応するべきか戸惑っていた。
CMに入ると、弟はやっと我に返った。
そんなこと、俺に聞かれたって困る。
「まあ、要はアレだ、アレ……ゾーニングだ」
実はよく分かってない。
「だが、いずれにしろ語るべき点は変わらないだろ? セーフかアウトかだ」
「セーフかアウトかの具体的な基準なんて知らねえぞ。どこまでがセーフで、どこまでがアウトなんだよ」
知らねえよ。
俺もこんなことをして意味があるのか疑問は湧いてくる。
俺は弟をなだめて場を凌ぐために、どこかから借りてきた言葉を織り交ぜて説くしかなかった。
「えー……ともかく、子供が真似したら危ないってことで、その注意喚起なんだよ。万物は大なり小なり影響力があるから、配慮をしなくちゃ」
「そんなの、わざわざ言われるまでもないことだろ」
「自分中心で物事を語るもんじゃあない。お前はそうじゃなくても、この世のどこかにいるんだよ」
「言われても言われなくても、やる奴は結局やる。そして、それはそいつがバカなだけだ!」
「弟よ。お前が思っているより、子供ってのは未熟なんだ。お前の言うとおり子供がバカなせいだったとして、その責任を当人は取りたくても取れない」
当然、ここでいう“大人”ってのはアニメを作る側と、そのアニメに対してクレームを言う側両方だ。
だが、弟にそこまで説明すると話がこじれそうなので省略した。
「そんなもん保護者が躾れば済む話だろ! なんなら他人でもいい」
弟の疑問は俺には荷が重過ぎる。
子供は黙ってアニメを観ているか、黙ってアニメを観ないかのどちらかなので、俺の立場から言えることは少ない。
仕方がないので適当にそう答えた。
「なんだそりゃ、アニメを親だと錯覚しているとでも? まるで野生児だな」
俺の中では一応の筋は通っていたつもりだったが、予想外に弟のカンにさわったらしい。
俺は慌てて訂正しようとする。
「おい、悪意のある拡大解釈はやめろ。俺の友達には、親の顔よりスマホを見ている奴が数人いるが、スマホに育てられたと思っている奴は一人としていないぞ」
「そうなんだ、どうして?」
アニメキャラを模したグッズに対して似たようことをしている友達もいるんだが、話がややこしくなるので省略した。
あと、会話の内容が本題から逸れていっているような気もするが、弟が何も言ってこないのでそのまま話を進めた。
そうして何とか凌いでいた時に、CM明けという助け舟がやってきた。
「ほら、もうすぐ始まるぞ」
助かった。
やれやれ。
出来ればアニメを観ている間に、俺の言ったことも含めてすっぱり忘れててほしい。
俺たちがこんなところで口論をしても大して意味はないんだから。
季節の変わり目だか何だか知らないが、会社や学校の朝礼なんかで、「体調に気を付けましょう」「体調管理をしっかりと」って言うよね。
まあ「熱とか出して休むんじゃねーぞ」って意味なんだろうけど。
でもさ、本気で人間に体調をコントロールできると思っているんだろうか?
小学生の時、運動会の直前とかに、手洗いやうがいをやめたり、水風呂に入ったりして体調管理を行ったけど功を奏したことなど一度もなかったぞ。
この経験から、人には体調をコントロールすることなどできないのだ、と悟った。
この時期ほんとに体調を崩す人多発なら、連絡やバックアップの体制を構築するとか、発熱には早期治療とフィードバック制御を試みた方が有意義だと思うんだよ。
手の平を表に見せて こんな感じで
空を仰ぎ見たり たまに手拍手
明るくいきましょ 盆踊り
弟たちの踊りは洗練されたものではなかった。
曲調もアレンジされているものの、要は盆踊りで流れているタイプのそれだ。
振り付けも目新しい要素はない。
だが弟たちのひたむきな感情を読み取るにはむしろ丁度良いものであった。
弟たちは笑顔を終始たやさず、有り体に言えば“楽しそう”だったのだ。
そして“楽しそう”は伝染しやすい。
観衆は弟たちの踊りを真似て、次々に踊りだしたのだ。
そのとき漂っていた独特な雰囲気は凄まじく、俺までつられそうになるほどだった。
何より弟たちは最後の組。
余韻が残ったまま結果発表となるわけだ。
俺とカン先輩のダンスが記憶に未だ残っている人は少なく、弟たちの優勝は日を見るより明らかであった。
夏祭りもいよいよ大詰め。
さっきまで踊っていたのに、よくあんな体力が残っているもんだ。
『積極的に騙されることで人は楽しもうとする』と。
そして“楽しんだもん勝ち”だと。
元から気乗りのしなかった俺が勝てないのは道理ってことなのかもしれない。
それにしても、ダンス大会で勝って上機嫌かと思いきや、どうも弟の太鼓が荒々しい気がする。
やはりダンスの疲れが残っているのだろうか。
「あの子、賞金をくじびきに全部つかっちゃったの」
紙袋の中身は見えないが……恐らく弟のハズレ景品ばかりが入っているのだろう。
「はあ~ん、くじびきの方が儲かりそうやな。次回はそれにしよ」
カン先輩から言わせれば、弟のあれも“楽しんだもん勝ち”ってことなのだろうな。
ただ、そのような“勝ち”で何かを得られる人間は、同じくらい何かを失いやすい性分なのかもしれない。
俺はそんな“楽しんだもん勝ち”から搾……勝てる人間になりたいと思うのであった。
俺たちはダンス会場に赴いた。
盆踊りではなくダンスなのは、「時代錯誤だ」という一部の若者の意見を主催者がバカ正直に受け取ったかららしい。
そんな調子で突発的に作られたイベントなものだから、ルールが所々ユルい。
優勝を決めるらしいが、評価基準が「一番盛り上がった」でとにかく曖昧。
「一番盛り上がったのが優勝って、その場のノリで決まっちゃうじゃないですか」
賞金は魅力的だが、勝算のないものに時間を割いてもただの徒労だ。
「逆に考えるんや。だからこそ、ワイらみたいな一般ピーポーにも付け入るスキがある」
だが、どうやらカン先輩には秘策があるようだった。
様々な参加者が思い思いのダンスをするが、お世辞にもレベルは高いとはいえない。
老獪なダンス。
流行の曲と振り付けによる既視感バリバリなのにクオリティは劣るダンス。
夫婦でタンゴという、踊っている当人以外誰も得しない、企画の趣旨を全く理解していないダンス。
……ていうか、俺の両親じゃないか。
勘弁してくれ。
「それでは次の参加者。カンさんと、マスダさん。先輩後輩による、アニメーションダンスです。それでは、どうぞ」
テクノポップな曲が流れると、その音に合わせてスローモーションな動きをしたり、体の部位をそれぞれバラバラに動かしたりと奇妙な動きをして見せる。
今までと毛色の違うダンスに、観客も目が釘付けになっている。
じゃあなぜ踊れるかというと、実は俺たちが学校行事で披露した演目の使い回しなのだ。
まだ体が覚えているので振り付けはバッチリだし、ほとんどの観客にとっては新鮮にうつる、というわけ。
周りが大した練習もせず何となく参加している中、入念に作られたプログラムで踊るのだ。
勝負は目に見えていた。
……酷い茶番だ。
俺はこんなところでいったい何をやっているのだろう。
……ふと、そんな思いがよぎって、集中力が削がれたのがマズかった。
「おい、マスダ、寄りすぎや!」
とっさに身をよじって何とか避けるも、そのせいでバランスを崩して俺は盛大に転倒してしまった。
慌ててアドリブで誤魔化すが、曲から外れた動きであることは明らかであり、失敗を取り返せるものではない。
観客の反応はそれでもよかったが、やや尻すぼみな結果であることは否めなかった。
「すいません」
「まあ、ぶっつけ本番やったし。しゃーない。それに、この参加者たちのレベルからして、多少の失敗を加味してもウチらの優勝が濃厚や」
気を使ってそう言ってくれているのもあると思うが、実際優勝できる可能性はそれでも高いのは確かだ。
だが俺たちが優勝だと確信するための、決定的な“何か”が足りないという違和感もあった。
ところ変わって弟のほうは、祭囃子に備えて英気を養っていた。
その過程で、自警団キャンプにて母に小遣いをせびっていたのだ。
「母さん、お金ちょうだい」
「小遣いはお父さんから貰ったでしょ」
「出店で全部使っちゃったんだよ!」
「5000円も!? いくら出店の品物が割高だからって、さすがにそれがなくなるなんて……」
「えーと……金魚すくい、スーパーボールすくい、亀すくい、ウナギすくい、ドジョウすくい……」
見え透いた嘘である。
弟の後ろにくっついている仲間たちを見てみると、大量のよく分からない玩具っぽいものを抱えている。
「呆れた。くじびきに使ったの?」
「欲しいものがあったんだよ……」
「よりによってそんなもので散財するなんて……アレは当たるかどうか分からないのに」
「くじびきってそういうものだろ? 分かってるよ」
分かっていない。
母が言っている『当たるかどうか分からない』は、弟が思っているような意味ではない。
だが、それを弟に説明したところで理解できないと思ったので、母は説明を省いた。
仮に理解できたとしても、弟の性格なら面倒くさい事態になることは容易に推測できたからだ。
「ははっ、マスダさんとこの次男は祭りの楽しみ方をよく知っている」
いつもなら悪態の一つはつくタケモトさんも、今日は上機嫌に絡んでくる。
「タケモトさん、よしてください。息子は単にカモにされているだけです」
「なー、頼むよ。最新ゲーム機が当たれば、元がとれるんだ」
母は恥ずかしくて子の顔をまともに直視できなかった。
「……ダメ」
「ケチ!」
「守銭奴!」
「金の亡者!」
「パープリン!」
母は自分の聴覚にフィルターをかけて聞こえないようにしていたのだ。
「まーまー、親の言うことは素直に聞いとけ。ゲーム機なんて買えばいいんだ」
「でも5000円が……」
「店側の立場になってよく考えてみろ。ちょっとそっとのことで高額商品が当たったら、商売あがったりだろ。あーいうのは当たらないように出来てるんだよ。引き際が肝心なんだ。今回は勉強料ってことで割り切っとけ」
そして便利な言葉ってのは、こういう意固地な人間を黙らせるために使われる。
「もーいいよ! 自分で何とかする」
弟はそう啖呵を切ってキャンプ場を後にした。
俺はというと綿菓子作りにも完全に慣れ、カン先輩との雑談のほうにリソースを割いていると言ってもいいほどだ。
「俺としては一向に構わないことなのですが。俺をバイトに誘ってよかったんですか?」
この仕事内容ならカン先輩一人でもこなせただろうし、わざわざ俺を呼んだのが疑問だった。
「仕事ってのは楽できるよう運用することも大事なんやで……というのも理由としてある」
「その他の理由は?」
「夏祭りのイベントは出店だけじゃないってことや。それに参加するにはペアじゃないとあかん」
カン先輩の魂胆が見えてきた。
「優勝したら賞金が出る、とか?」
「察しが良くて助かる。どうせ金稼ぐんやったら、貪欲にいかんと」
「で、イベントの内容は?」
「ダンスや」
なんだか嫌な予感がしてきた。
某人気異世界ラノベの最新巻を読んでて、ふと、面白いんだけど何かカンに触るな・・・と思って作中人物の行動について考察してみると
・最終的には貴族になる
・現代人の知識を持っているくせに国政に影響を及ぼすようになっても家族の利益優先
というところがどうも引っかかっているポイントのようだと分かった。
あらためて見まわしてみると、どうも界隈全体が復古主義的だったりミリオタ的だったり優生思想があったり、アレな感じがする。
もちろん現実世界で上記のようなものに大多数の人が現在進行形で悩まされている以上、
作品世界中でもそういうものが描かれている方が入り込みやすいし、また自身の処世術について考えさせられる機会が得られるという意味で有益なのだが、
現実の世界で起きている類似の状況が異常だという意識を薄れさせるという点では、これはきわめて危険な図書だと言わざるをえない。
だいたい日本の良くない点は突き詰めればこれらに端を発している(というか明治政府下の日本が武家社会の名残で近代国家として微妙だったのを平成になった今でも引きずってしまっている)
ことを鑑みれば、
俺はカン先輩に頼まれて、夏祭りの会場で綿菓子売りの手伝いをしていた。
カン先輩は人格者とは言えないが、俺に労働のイロハを教えてくれた人だ。
多少の恩義は感じているので断れない。
何より、そんな先輩から「ウマい話がある」と言われれば尚更だ。
「マスダよー、つまらん粗探しやめろや。本場でコテコテな喋りするのは少数なんやから」
カン先輩は持ち前の愛嬌で売り子として働き、俺はというと綿菓子を作ることに専念していた。
綿が出始たら、濡らした割りばしをタライの中でクルクルと一定のリズムで回して絡ませる。
ある程度の大きさになったら、ソレを袋に突っ込む。
せいぜい気をつけるべきことは、ほんのりと漂う甘ったるい匂いに頭をやられないようにする位である。
俺はそれを埋めるように、カン先輩に疑問を投げかけた。
「カン先輩、なんで綿菓子がこんなに高いんですか。これ材料は砂糖だけでしょ」
それに出来たての方が美味いのに、わざわざ袋に入れて時間のおいたものを提供するってのも奇妙な話だ。
そんなものに高い金を出して買う奴らがいるのも理解に苦しむが。
「チッチッチ、甘いなマスダ。綿菓子より甘い。お前そーいうとこやぞ、ホンマ」
「どういうことです?」
「物事は、必ずしも本質ばかりに目を向けていて解決できるものじゃないんや」
カン先輩お得意のやり口だ。
自信満々に袋を差し出されて、俺はとりあえず念入りに触ってみる。
「目ン玉ついとんのか。この絵や」
俺の薄い反応にカン先輩は苛立ち、袋に描かれた絵を指差す。
アニメのキャラクターがプリントされており、確か『ヴァリアブルオリジナル』の登場人物だと思う。
「つまり、この袋が高いってことや」
たぶん、それを踏まえてなお割高だと思うのだが、俺はひとまず納得して見せた。
「なるほど。プリントの特注、そしてキャラの使用料というわけですね」
「そ、そうやな。後は綿菓子機のレンタル代とか、ショバ代とか……」
カン先輩の目が泳ぐ。
どうやら、どこかの過程でチョロまかしているらしい。
これは深く切り込んだら面倒くさい案件だな。
周りの出店を眺めてみる。
子供の頃は気づかなかったのか、それともここ数年で様変わりしたのか、阿漕な商売ばかりが目につく。
「何だかすごくグレーなことをやっているような印象が」
俺にとっては至極真っ当な疑問だったが、カン先輩にとっては愚問であった。
やれやれと、溜め息を大げさ気味に吐いてみせた。
「マスダ。こういう所で楽しんでいる客はな、“積極的に騙されている”んや」
「積極的に騙されている?」
「そうそう。夢と希望の国みたいなもんや。愛くるしいキャラたちは実際には着ぐるみで、その中では愛くるしくない人間が汗水たらしとんねん」
「そうや。タネが分かってても楽しめるってことが言いたいねん」
「分かっとるやないけ。つまりはそういうことや。夢と希望なんてもんはな、見たい人間が見れるようにできとんねん」
先輩の言う「積極的に騙されている」っていうのはそういう理屈らしい。
なんだかもっともらしいことを言っているようにも聞こえるが、俺たちがその実やっていることは割高な綿菓子を売っているだけだ。
仮に先輩の言う通りだとしても、人を騙して楽しませる代物としては些かお粗末に思えて仕方なかった。
「この綿菓子袋に、騙されても良かったと思えるほどの夢や希望が詰まっていると? 傍から見ればバカみたいに見えるんですが」
「傍から見てアホだと思われるくらいの方が、楽しんでるって感じせえへん? なんにでも言えることや。ゲームでめっちゃ課金しまくるヤカラおるやろ。ああいうのも積極的に騙されに行ってるから楽しめるんやで」
「楽しもうとする気概が大切、ということですか?」
「そうそう、要は“楽しんだもん勝ち”ってことや」
そもそも勝ち負けで語ることなのか、仮に語るならば明らかに負けていると思うのだが、それ以上は何も言わなかった。
俺たちはそんな人間から利益を得ているので、案外悪い気はしなかったからだ。