はてなキーワード: ドライバーとは
3月で東北大学を卒業して、4月から某企業の社畜となる22歳です。
文系の学部出身なので、ITやらプログラミングの知識は完全に独学です。
特にITに興味を持ってはいなかったのですが、就活が終わったあたりに
映画のソーシャルネットワークとかを観たりしてプログラミング勉強しようと思い立ちました。
そんで実際に勉強し始めるとなかなか興味が持てる分野だったので、去年の秋の試験で基本情報技術者を取ったりもしてました。
でもここまでひと通り勉強し終えた時点で、このあとどうしよう?ってなったんですね。
HTMLやらPHPの本を写経して、『やったー、Hello,World!を100回分表示させたぞ!』なんてやっぱりすぐ飽きるわけですよ。
プログラマって毎日こんなことしてんの?と思ってネットを漁ってみると、色々と面白い情報をはっけん!
http://anond.hatelabo.jp/20101203150748
やっぱ何かを創ってなんぼだよね!
ということで人生最後の冬休みから構想を練り始め、今年に入ってから本格的にwebサービスの作成に取り掛かりました。
ちなみに本記事タイトルは『京大で画像処理を学んだ僕が本気でエロWEBサービス作ったった』をリスペクトさせて頂きました。
この人はIT関連が専門みたいで、創ったものもレベルが違うんですけどね。まぁキャッチーなタイトルにしたかっただけです。
やはり社会人になるとなにかと時間が限られてしまうと思うので、
多少未完成でもまずは公開してみて少しづつ付け足していこうと。
結果として、この記事を書いている時点でお問い合わせフォームとかを実装してませんし、
他にもいろいろとやりたい機能をとりあえず諦めざるを得ませんでした。
今後頑張ります。
今年の1月時点での自分の知識を大まかに説明すると、
HTML → 基本は分かる。でもdivとかをうまいこと調整するのは苦手
CSS → ぶっちゃけあんま理解してない。今回の創作物もtwitterbootstrapに頼っちゃった
PHP → 基本は分かる。forとかforeachとかwhileあたりが使えるくらいだけど、実際それで何とかなったしこれからもっと勉強するし
javascript → たしか一番初めに勉強したけど、もう忘れた。今回のサービスにも使ってない。
まぁこんなもんです。
『未痴との遭遇』
やっぱりエロいのだとモチベーションも続くし、やっててたのしいかなぁと思いまして。
1.全体像の把握
基本情報技術者を取得したんですが、サーバーとかFTPとかの単語をあまり理解してなかったんですよね。
具体的にどうすればホームページやwebサービスを公開できるのかを理解するようにしました。
上に書いたようないわゆる『つくってみた』系の記事も沢山読みました。
ふむ、手っ取り早く作るにはフレームワークとやらがいいらしい。
具体的には公式サイトのブログチュートリアルから入って、『CakePHP 入門』とかで検索して出てきたサイトをいろいろとまわりました。
覚えることは多いですが、確かに便利なので頑張って修得することをおすすめします。
とりあえずサイトの作り方はわかったので先に進む。
APIを利用したサービスがたくさんあったので僕のサイトでも使ってみようと思いました。
勉強ってほどのものではないですが、DMMAPIのコードを公開しているサイトを参考にしました。
僕の創ったサイトに必要なデータがAPIでは効率よく取得できないことがわかったので、
DMMのサイトをスクレイピングして必要なデータを集めることにしました。
Simple HTML DOM Parser ってやつを利用。
5.メイン機能搭載
まずはAPIとスクレイピングを利用してデータベースに必要なデータを集めました。
スクレイピングがうまいこといかなかったり、なぜかデータが重複しまくったりといろいろ苦労はしましたがデータベースはなんとか完成。
その後、メインページを作成して、ランダム表示ができるようなスクリプトを書く。これは簡単。
6.他のページの作成
メイン以外のページを作成。
twitterbootstrapもここで導入。
でも間に合わなそうだったので、目標達成のためにとりあえず飛ばすことに。
特に希望のものはなかったのですが、まぁそれっぽいものを購入。
問題はサーバーですよ。
初めはGMOクラウドのVPSで無料お試しをしたのですが、これがまた難しい。
ネットでいろんな情報を探して、試して、動かなくなって、OS再インストールって流れを5回ほど繰り返して断念。
結局FUTOKAのレンタルサーバーと契約しました。こちらは非常に扱いやすくて、らくちんです。
8.公開
こんなしょぼいサイトでも公開できただけでうれしいものですね。
約3ヶ月の苦労は無駄ではなかった。これで僕もクリエイターの仲間入りだ。
文系の僕でも3ヶ月でひとりでwebサービスの公開まで漕ぎ着けることができました。
この期間が長いと思うか短いと思うかは人それぞれでしょうが、自分のアイデアを現実化させることは想像以上に楽しいことですよ。
壁にぶつかることはたくさんありましたが、不思議と辛くはありませんでした。だって楽しいから。
用事がある日にも、早起きして作業することが苦になりませんでした。だって楽しいから。
変に敷居の高さを感じている人がこの記事を見て、『俺もやってみよう』と感じてくれると嬉しいです。
http://www.tiobe.comで、プログラミング言語の人気ランキングを、どっかで見かけるたびに
俺は、C言語をお遊びではなく仕事として使ってきたわと静かに震えるのがほぼ反射神経になっている。
「C言語一筋で、オブジェクト指向の知識はあるけどCPPもJavaも知りません、あ、C#とVBAは自作ツールを作成する過程で勉強しました。」
業務経歴書を片手に面談で話したときの、微妙な空気を知ってからだ。
C言語は、この業界にいる誰もが一度は耳にしていて、しかし業務として使った経験がある人はあまりいないであろう、不思議な言語だと思う。
組み込み屋のSEとして入社して、教育期間が終わってすぐに回されたのがAndroidのLinuxカーネルのドライバー周りのお仕事だった。
C言語というかLinuxカーネルのAPIばかり覚えさせられて、初めて触った構成管理ツールがgitで、管理任されたビルドサーバーはFedoraで、開発はTeraTerm上でemacsを使ってた。
思えば、すごく先進的な開発現場だったのだ。なんでC言語?と言語のロートルな側面ばかり見ていたが、
毎週のようにリリースされるカーネルパッチには、急速な変化に対応した野心的な取り組みが山のように入っていた。
世の中にはレガシーJava(1.4)で、構成管理ツールがSVNで、開発はEclipseのGalileo、Ganymedeかsakuraエディタという
時代に取り残された場所があるなんて想像だにしていないかったのだ。
最も当時はコミットされたバッチのコメントを追うだけで精一杯で、どうして議論になっているのか分かりもしないLKMLを読んで知ったかぶっていた
だけで、raspberry piを手慰みに遊ぶまでは実を結んでいた自覚なんてなかったのだけど。
思われてる。社会情勢が教えてくれる。いや、そんなことない、それは妄想だ。様々なところで使われているじゃないか。
でも、そこで食える飯はもうほとんどなくなっている。
カーネルのメンテナーにパッチを送ったことすらない、中途半端な技術力しかない俺の市場価値は、今限りなく低い。
だから、いつまでもC言語がプログラミングの人気ランキングにいつまでもいることを苦々しく思う。
C言語を使って、可能な限り先進的なことをやって。それは、C言語という埃をかぶったようなイメージとはかけ離れていたはずなのに。
実際は井の中の蛙で、外から見たらひとくくりに時代遅れとされたのが許せなく、そしてやるせなかった。
自分は今、実際、先にいったような環境ですら、状況の対応に四苦八苦する有様だから。
C言語なんて大嫌いだ。
まさか、続編であんな風になるとは……
つかむしろ、2から入った僕は「マッドマックス」をポカンとして見ていた。
・
そんなことはどうでもよくて、マッドマックスを思い出す時、最初に浮かぶシーンがある。
具体的に言えば冒頭部だ。
画面が切り替わり、暴走車が突っ走って来る。
ドライバーはナイトライダーと自称する小汚い男で、助手席に乗せた姉ちゃんと共に喚きながら暴走を続ける。ラリっているのだろう。
・
そんな感じだったと思う。映画見たのはずっと昔なので細部は違うかも知らんけど。
そこまで行くと、ああ、子供がはねられるんだ……と予想してしまう。
ところがそうは行かない。
え、と思った。
・
ちなみに、ラストの手錠と鋸わたして大爆発も、格好良かったとは思っていたが、アレはロールシャッハオマージュだった事を知ったのはずっと後になってからだった。
スマホの利用増加によってわき見が増えたからな気もするし(ガラケーみたいに5のポッチを中心に文字を打つってのができないのも関係あるか)
運転中でもテレビやDVDが見れるようにしてある人がいるからって気もするし、
自動車メーカーが、事故を起こし難くする車を開発すればするほど、車の運転苦手層が運転して事故してる気もするし。
どうでもいいけど夜中に事故起こして修理工場に積載車で引き揚げ依頼する人はもっと修理工場に対して感謝してもいいと思うよ。
ディーラーは営業時間終わって開いていないから、基本夜は個人経営の修理工場の社長とか身内が引き揚げに行くんだけど、
事故の多い季節は正直いつ電話が来るかわからなくて酒飲みに行くのも考えてしまう。
もちろん事故があって仕事が成り立つから、事故を起こした人には申し訳ないけど有難い話ではあるんだけどね。
だって、その2つしかまともな物無いじゃん。市場がつまらないというより、開発能力がメーカーにない。
アプリの開発で、横並びにいろんな端末を持っていた時期があるけど、
某社のドライバーはクソ酷いとか
こんな品質で製品を出したら ブランドに傷がつく ということをわからずに出した 某メーカーと 某メーカーが悪い。
自社ブランドに傷をつけたのは そのメーカー自身。 自業自得というより・・・なんだろう。
嘘をついたら、失望させたら、ブランドにキズが付く。 なんて だれにでもわかることがわからなかった人を責任者にした責任は重いと思う。
自分の経験からすると、田舎で車が必要な理由は、もちろん便利という理由も大きいが、徒歩や自転車の移動が車と比べて半端なく危険だから、だと思う。
道路に人が歩いていること自体が稀であるため(特に夕方以降)、ドライバーは基本的に道路に人がいないと思い込んで周囲をよく確認せずに運転する。
しかも、歩道が狭いので車が近づくと怖い(そもそも歩道がない場合が多い)。
電灯がないので暗くなると前後左右の感覚がなくなるほど完全に何も見えない(満月の日は結構見えるので、月の満ち欠けを意識して生活するようになる)。
数年前の話。
運転中、前方の車両が交差点に進入しかけ、黄色信号に変わりかけのタイミングだった為か一時停止して、そしてまた前進して、また停止した。
車列は十分以上に渡りおよそ平均時速60km位の速さで流れていて、真後ろの車両を運転していた自分は疲れもあり、とっさの対応が遅れた。
追突を避ける為に無人の歩道に突っ込もうとしたものの間に合わず、結局は前方車両の左後方に追突。
その時はただ、相手ドライバーにも駆けつけてきた警察にもただ平謝りするばかりで、状況のおかしさにも気付かなかったのだが。
相手も無傷で、示談で済んだことにも安堵するばかりだったが。
事故後しばらくして改めて当時を振り返り、その異常性に気付いた。
警察の到着が異常に早かった事。
ドライバーの若い女性と警察官二人、両者に共通する、何かを飲み込んでいるかのような態度。
警察の不自然な、“事実よりも20メートル後方よりブレーキを踏んだ事にさせよう”推し。
まあ要するに、
前方車両が止まったり進んだり止まったりと変な挙動を繰り返していたのは、自分から見て死角にあたる左斜め前方に“アレ”がいたかららしい。
“アレの存在を感知した事が前方車両の妙な挙動を引き起こした”と理解していたから、警察も被害者もそのどちらも、事故ったことに対して納得気味だった…という事らしい。
自分ひとりがアレの存在に気付いていなかったわけだ。で、これ幸いと何も説明もせずに事故処理を進めたのだろう。
ブレーキを早めに踏んだ事にさせたのも、アレを事故原因と関連付けられる線を断ち切っておきたかったから、なのだろうか?
まあどちらにしても警察はアレについて説明する義務もないし、仮に説明されたところでこちらの過失割合が変わるわけでもない。
――と、こういう書き方をするといかにも事故原因が心霊現象か何かに思えるだろうが全然そんな事はなくて、
数ヵ月後、また同じ場所で同じアレをしていたためにようやく気付く事ができた。
その場所ではじめておきた事故なら、まあドライバーが悪かったのかもしれない。だけど同じ場所で何回も事故起きるんだよ。同じ場所で何回も事故が起きてるなら、その場所に原因があるのが明らかだろうが。
本人の不注意が原因とかいったって、不注意を誘発するような道路になっているから事故が起きる。それをわかってて放置していたら殺人だろうが。
今だと、同じ場所で死亡事故が起きても、その道路の担当職員は「あ~、またあそこで事故か~、あそこ事故多いんだよな~」程度の心境だろ。実際は、道路に危険な殺人落とし穴があることを知っておきながら、なおかつその穴をふさぐ立場なのに、なにもしないのと同じ。だから殺人罪と同じ。
担当者が「あの道は危険すぎる、2度も同じ場所で人が死んでいる、通行止めにしましょう」って上司に言えば、責任は上司に移る。上司は通行止めにするなり、標識を立てるなどして対策を実施する。それでも事故が起きたらまた新しい対策を立てて実施する(「この先事故多発!」の看板だけで対策終わりとかはありえない、看板立てたにもかかわらず事故多発してるならもっと対策しろ)。PDCAやればいい。
でも担当や上司が面倒臭がって、あとまわしにしている間に事故が起きたらかんぜんにその彼の責任。彼は殺人犯。
まあ上司とはいえ、自分の手に負えない場合もあるかもしれない。その場合はさらに上に報告するだけ。最後は市長や国土交通省のトップまで行くのかもしれない。
タクシードライバーについてのツイートが話題になっていたので、思い出した話を書く。
タクシードライバーには役得みたいな例がある。
「女性を深夜に自宅まで送ったあとで、女性が金を払いたくないと言って、体で払いたがる」
たとえば繁華街の酔っ払ったホステスさんなんかを自宅まで送ると、そういうことがある。「1万円払いたくないから、私の体で済ませて」というわけ。それを断るドライバーもいるが、たいていは(料金しだいで)OKしちゃうらしい。2万円以上という長距離だと、引き受けないらしいが。もっとも、相手の美貌しだいかな。おばさんだったら、最初からお断り。
※参考指標
カテゴリ別 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 | 2users | 70users | 176users | 289users | 224users | 199users | 140users | 594users |
暮らし | 1 | 33 | 68 | 147 | 133 | 83 | 34 | 317 |
テクノロジー | 1 | 15 | 38 | 47 | 26 | 49 | 39 | 92 |
世の中 | 0 | 11 | 21 | 31 | 22 | 27 | 21 | 64 |
エンタメ | 0 | 2 | 6 | 9 | 6 | 3 | 34 | 31 |
アニメとゲーム | 0 | 3 | 11 | 12 | 7 | 15 | 17 | 26 |
おもしろ | 0 | 3 | 25 | 10 | 9 | 6 | 6 | 25 |
学び | 0 | 1 | 6 | 17 | 11 | 11 | 4 | 25 |
政治と経済 | 0 | 2 | 1 | 16 | 10 | 5 | 16 | 14 |
なぜ、女性ドライバーと高齢ドライバーによる事故が『「昼間」に「交差点」で「直進(等速)」「右折」時に「信号無視」「一時不停止」等を犯し「自動車」に「出合頭」ぶつかる』という傾向1)があるのか、とても興味深い。
すなわち、女性ドライバーの「運転中に行こうか行くまいか迷うことや、運転中になんとなく不安になってブレーキを踏むことが男性よりも多い」2) などのような精神に起因する性質と、高齢ドライバーの加齢にともなう性質が、同じ傾向の事故を起させているのかもしれない。
これらを詳しく調べることは、人間がなぜ事故を起すのかを解明する大きな手掛かりであり、人の命を救うための重要な研究であろう。
停止線でしっかりと一時停止しないドライバー。
How old are you and what's your oldest code online?
https://news.ycombinator.com/item?id=6750812&utm_medium=referral&utm_source=pulsenews
私は25で、アンドロイド携帯のLinuxカーネル(の、とあるドライバーの、さらに一部)が
最も古いソースコードっぽい?
http://www.nec-casio-mobile.co.jp/gpl/n/
いつまで公開してるかなんてもう分からないけど、
こういうのでよくわからんのだが、結局歩行者優先だろうが何だろうが怪我した時点であんたの負けじゃないの?
怪我したら、
・保険のこと
・裁判もあるかも
・治療費とかどーなんの?請求めんどくせ
・もし大怪我して入院なんかになったら?
・最悪死んじゃうかも
・家族がいたらそれはどーすんの?
etc...
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4863493762/
に掲載されている作品「神籠りの夜に」の後日談SSを書いた。
実は、SSって苦手で全然書けなかったのだけど、作品の衝撃でどうしても書かざるをえなくなった。どうしても、この作品の続きの復讐劇が無ければ、正義がそこで達成できなければ、私はとうてい精神の均衡を保てなくなってしまった。読み切りのエロマンガでこんな気持ちになったのははじめてで、この作品の胸糞の悪さ(これが卓抜していて、きわめて高い評価ができる)。たった数時間で書いたものだけど、とりあえず。置いておく。
--
警衛勤務はかったるい。これが弾薬庫となってはなおさらだ。時刻は0220。つまり、午前2時20分。俺はライナーをかぶり直しながらドライバーの田中3曹に送りを頼むと、警衛司令に向かって敬礼した。
「弾薬庫、上番します」
警衛司令は川崎曹長。来年で定年だ。俺は、これから、退職金に触るような大迷惑をかけることに軽く憂鬱さを覚えた。
「おう、ヒロトか。今日は蒸し暑いからな、気を付けて行って来い」
軽く挨拶されると、俺は田中3曹とともにジープに乗り込んだ。実のところ、こいつはパジェロだがジープとみんな呼んでいる。
「本当に今日は蒸し暑いな」
「そうですね」
同意の返事だけすると、沈黙があたりを包む。深夜の空に響くディーゼルエンジンと路面をひっかくタイヤの音だけが響く。4年前の夏も、蒸し暑かったことを俺は思い出した。
折からの蒸し暑さは、この湿地を埋め立てて造ったという駐屯地に深い霧を立ち込めさせていた。ジープのヘッドライトはその霧を切り裂きながら進んでいく。
ほどなく、弾薬庫につく。同じ駐屯地の中だ、5分もかからない。中の哨所から人が出てきて、金網で出来た門を開ける。俺は、田中3曹に礼を言ってからジープから降りた。
迎えに出てきた下番者は同期だ。一緒に哨所に入って申し送りを受ける。
「申し送り物品、弾薬5発、双眼鏡。申し送り事項ナシ」
「申し受け物品、弾薬5発、双眼鏡。申し送り事項ナシ」
弾薬は無くなったら大変なことになる物品だ。しっかりと復唱をして申し受ける。
「それじゃあ、あとはよろしく」
同期が言うのに「了解」とだけ返事をすると、弾薬庫の門まで見送って鍵をかけた。俺は同期とあまり仲が良くない。仲が良くない、というと語弊があるが、要するに俺は付き合いの悪いやつだった。これには理由がいくつかあるが、俺には金も時間も惜しかった。そんな俺に警衛司令として上番している川崎曹長は何かと目をかけてくれていた。そんな恩人に迷惑をかけるのは忍びないが、俺にはそうするしかなかった。
「あれから、4年か…」
ひとりごちる。弾薬庫に人は来ない、交代が来るまで孤独な戦いだ。「まだまだと、自分を責める、弾薬庫」そんな落書きが哨所には書かれている。
うずらが居なくなって4年。また、祭りが来る。
俺は、これから大それたことをする。それこそ、大それたことだ。弾薬庫には、小銃弾がある。一人じゃとても撃ちきれないほどだ。これを持って、俺は今日、ここを出る。なぜそれをしなければならないか。それは4年前のことにケリをつけるためだ。
ただ、これには、いくつか問題がある。まず、弾薬庫の周りには赤外線がめぐらされている。交代時はあらかじめ分かっているから警報を無視するが、そうでないときに警報が反応すればすぐに警衛所から人がすっ飛んでくる。ただ、今日は霧だ。霧が深いと赤外線センサーは誤作動を起こす。霧が出始めた0時頃には警報のスイッチを切っている。
次に門だ。出入り口の門は深夜は閉鎖している。出入りはできるが、人に会わないと出られない。当然、同じ中隊である今日の警衛隊にはすぐに分かるし、外出証も持っていない。ただ、自動車で外柵を破壊して突っ切れば、確実にバレるが、銃と弾薬とともに外に出られる。
霧は今日しか出ていない。警衛勤務に上番するのは月に数回。それも必ず弾薬庫につくわけではない。そして、また来週になれば次の犠牲者が――4年前と同様に――出る。
俺は意を決して、弾薬庫の鍵を開いた。
弾薬庫はがらんとした埃っぽい空間だった。俺は手近な7.62mm小銃弾の箱に手を伸ばす。重いが、これを門の近くまで持っていく。夏の雑草は茂るのが速い。弾薬箱はうまく隠れた。俺は腕時計を見る、0250。見回りの動哨は通過しているはずだ。俺は、そのまま門を開けて外に出ると、自分の車に一目散に走った。
駐車場は弾薬庫にほどちかい。息を整えながら自動車に乗り込むとエンジンをかける。ライナーを脱ぎ捨てながら助手席に置いたブルゾンを上から着込む。カンガルーバンパー付きのハイラックスだ。中古車だが、そんなに悪くない。ライトを付けずに車を出すと、弾薬庫にまっすぐ向かう。動哨の経路にもなっていないから見つかることはない。演習場で灯火管制下での車両行進を行った経験が役に立った。
弾薬庫の前に車を置くと俺は、弾薬箱を車に積んだ。俺は、この駐屯地を、出る。
ビィィイイイイイイイイイイイイイイ
けたたましい警報音が警衛所に鳴り響いた。警衛司令である川崎曹長はそれに驚きながらも警報盤を見る。
「おい、何かあったみたいだぞ? 外の車でも突っ込んだか?」
そこは、時折外からの車が突っ込む場所であった。特にこんな霧の深い夜は飛ばしている車が突っ込んでくることがある。彼の判断は半分当たっていたが半分不正解だった。車が突っ込んだのは事実だが、それは「外の車」ではなかった。
無口な田中3曹は「了解」とだけ言うとジープに向かっていった。彼らは5分後、とんでもないものを目にすることになる。そして、さらに5分後、弾薬庫から隊員が弾薬と銃を持って居なくなっているという大変な事実を認識するに至る。
俺は外柵を破った。俺が銃と弾薬を持って居なくなったことを彼らは間もなく知ることになるだろう。そうなれば非常線が張られる。俺は、駐屯地を出た直後に近くの駐車場まで飛ばした。深夜3時だ。車はほとんど通っていない。そこには、カバーのかけられた白いステップワゴンが停められていた。
このステップワゴンは放置されていた車だ。市役所の連中が黄色い紙を貼って撤去すると警告していたものだ。ナンバーは無かったが、これは別の車のものを盗んでナンバーを変える偽造した。当然に実在する白いステップワゴンのナンバーだ。そして、俺がこれから行く場所の地名のナンバーだ。車は程度が良く、イモビをカットすればそのまま動いたが、念のために自分で整備を行った。そりゃあ、金もなくなるし付き合いも悪くなる。でも、このステップワゴンが俺を逃がしてくれるはずだ。俺は、半長靴と迷彩服を脱ぎ捨てると白いステップワゴンの中にある服に着替えた。
俺は白いステップワゴンに弾薬と銃を積み替えると、すぐさま出発した。検問はすぐに始まる。後部座席を改造して銃と弾薬は隠せるようにしたし偽造免許証も作ったが、検問は避けたい。人着は警察に連絡されているし、免許証はICチップまでは偽造できない。
俺は目的地に向かって走り出した。
高速を走る。俺は四年前のことを思い出していた。
俺の住んでいたところは、山間の村だ。特にこれといった産業の無い、土地の痩せた、ぱっとしない村だ。俺はその村の出身ではないが、余所者として住んでいた。その村には言い伝えがある。オハシラ様という土着の神が村の貧しい男と結ばれてから村は豊かになったというものだ。実際に、ぱっとしない村だったが、それなりに豊かではあった。そして、そのオハシラ様を祀る祭りが4年に1回行われている。
ただ、パッとしない村が単に伝説で豊かになるはずがない。この祭りには裏があった。街に住む金持ちの支援者が気に入った村娘を、祭りの主役であるオハシラ様として祀り上げ、自らの性奴隷として嫁がせるというものだ。さらに、村の有力者が祭りにかこつけてオハシラ様となった村娘を集団で凌辱する。考えるだけでもおぞましい制度だ。
俺は、それに実の姉と、好きだった娘――うずらを奪われた。彼女も俺を好いていた。だが、実家の生活と村のために犠牲になった。その後、オハシラ様を娶った男、柱の男とよばれるやつから、寂しいだろうと凌辱されるうずらのDVDが定期的に届いた。俺は悔しかった。悔しかったが力が無かった。だから俺は高校を卒業するとすぐに自衛隊に入った。そして、チャンスが巡ってきた。
明け方、街のインターチェンジに近づいた。時間はない。警察がそのうち俺を捕まえに来るだろう。街に降りると、あの忌々しい村へと車を進めていった。俺が縁やゆかりのある土地に向かうであろうことは、当然に警察や自衛隊も予想しているだろう、なるべく早くことを済ませなければならない。俺はステップワゴンを村の手前にある山への道へ入れると少し奥まったところに止めた。後部座席から銃、弾薬、バックパックを取り出した。バックパックには一人用の天幕、携帯糧食等が入っている。ステップワゴンにはカバーをかけた。俺は一人山に入っていた。
あの忌々しい儀式の舞台になるのは村の神社だ。神社は山を後ろに控えていて、禁足地だとしていて人は基本的に入ってこない。あんな忌々しい儀式をやっているのに「禁足地」とはお笑い草だが隠れるにはうってつけの場所だ。
俺は身を隠しながら、神社の裏手まで上がった。双眼鏡とガンマイクをポケットから出す。今年も祭りが行われるなら、朝のうちにオハシラ様がみそぎを行っているはずだ。
案の定、みそぎは行われていた。年のころは18ぐらい。きれいな娘だった。あの忌々しい神主も居た。俺は祭りまで監視を続ける。
その日の晩、俺はラジオを聴いていた。俺のことはニュースになっていた。連中も知ることになるだろう。これで祭りが中止になるかもしれないが、連中は俺のことなんてとうに忘れているのかもしれない。あるいは、思い出しても、まさか自分たちに復讐に来ているとは思わないのかもしれない。俺はラジオを消すと眠りについた。
一週間たった。祭りの日だ。神社を見下ろすと準備にあわただしい様子が見て取れる。祭りのクライマックスはレースだ。丸太をかかえて神社の階段を駆け上がり、境内にある台に丸太を置いた者が柱の男となるという、シンプルなものだ。ただ、これが出来レースで村の支援者が絶対に勝利するということを除けば、だが。
一週間の間の監視でいろいろなことが分かった。今回のオハシラ様も村に住む俺と同じような余所者が好意を持っているということ。オハシラ様もまんざらではないが、儀式のために身を費やす覚悟であるということ。また、その余所者はこの儀式の真実を知らない様子なこと。そして、今回の柱の男は、姉とうずらを娶った連中の親族で、どうしようもないクソ野郎であること。
祭りの準備は着々と進む。街の土地持ちどもが寄り集まっているところにガンマイクを向ける。
「…で、今年のオハシラ様はどうかね?」
「いや、美人で犯しがいがありますね。あの顔が苦痛でゆがむことを考えるだけで、勃ってしまいますよ」
「4年前の娘もよかったがね。ただ、なんせ妊娠しないのがつまらない」
「ああ、あいつのところに嫁にいったやつですか。あんな貧相なののどこがいいんでしょうね?」
「あいつはロリコンなんだろう。まぁ、いい。人の趣味はそれぞれだ」
「では、8年前の娘はどうですか?」
「ああ、うちのやつか。ちょっととうが立ってきたが、悪くない。ただ、これからは肉便器から家政婦だな…」
連中の口をつくおぞましい言葉に俺は、涙を流していた。噛んだ唇からは血が出ていた。
夜になった。無事にレースは終わった。決まった通りに決まったやつが勝利した。間もなく、真の忌々しい儀式が始まる。ぞろぞろと男どもがお社に集まってくる。俺は胸の鼓動と鈍い頭の痛さが抑えられない。俺は、山をゆっくりと下りた。ゼロ点規正は祭りでうるさいうちに済ませた。
暗い境内で、黒い戦闘服は目立たない。これが演習場ならバディがいるところだが、今は俺一人だ。全周の警戒は怠らない。片目にFLIR、銃には照準の邪魔にならない場所に暗視装置をマウントしてある。
這いつくばりながら、お社に向かっていく。中からは神主の声が聞こえる。
お社の窓から今日の柱の男が見えた。双眼鏡のレーザー距離計で測った距離は200m。中は少し明かりがついていて、夜目になれていれば十分に判別がつく。お社の中の配置は頭に入っている。そっと、薬室に弾薬を送り込む。這いつくばりながら、銃を構える。床尾板の冷たい感触が肩に伝わる。柱の男がお神酒にくちを付ける。俺は息を吐いて止め照準をつける。照星がゆらゆらと男の顔の中に揺れる。俺は引き金を霜が降りるようにじわじわと絞った。
ドーン…
静かな深夜の村に7.62mmの太い音が響いた。薬きょうが吐き出され次弾が送り込まれる。男が赤いものと白いものをまき散らしながら崩れていく。ほんの数秒のはずだが、永遠に思えるほどの長い時間だった。俺は人殺しになった。
一気にお社が騒がしくなる。人に来てほしくない。いくらここが村から外れているとはいえ連絡されては計画がぶち壊しになる。俺は走ってお社に向かった。
俺は、扉をけ破って銃を構えながら言った。
「静かにしろ…」
俺は顔を黒くドーランで塗っていたが、神主は俺を見ると。俺が何者か分かったようだ。
「お、お前は… こんなことをしてどうなるか…」
俺はもう一度言った
「静かにしろ」
神主以外のやつらは放心状態だった。いくら銃を持っているとは言え多勢に無勢だ、いまのうちに拘束をしなければならない。俺は銃をかまえたままウェストバッグから手錠を出して投げた。
「お互いの両手足につけろ、死にたくないなら」
放心したまま連中は動かない。
「た、助けてくれるんだろうな?」
一人の男が口を開く。村で唯一の商店の店主。4年前にうずらを犯していた奴の一人だ。
「静かにしろと言ったはずだ…」
俺はそういうと、その男に銃を向け引き金を引いた。銃声が響く。
胸に銃弾を受けて男は倒れた。
「早くしろ、こうなりたくなければ」
そう、言うが早いか連中はお互いに手錠をつけはじめた。ほどなくして、オハシラ様も含めて全員が手錠をつけた。
「よし、いいだろう。見せてみろ」
俺は手足が抜けないようになっているか一人づつフラッシュライトで照らして確認した。
「全員、壁の方向を向け。」
連中は黙ったまま壁の方向を向いた。俺は銃から手を離し一人づつさるぐつわをかけていった。ただ一人、神主を除いて。
「よし、それじゃあ、神主、こいつらに俺のことを説明してやれ」
「わ、わかりました… この方は、8年前のオハシラ様の弟で4年前のオハシラ様を好いていた者です…」
「と、いうわけだ、俺がなんで戻ってきたかわかるな? ニュースで俺のことを放送していたのは気づかなかったか?」
「気づきました。ただ、戻ってくるとは思いませんでした…」
「あれだけのことをしておいて復讐を考えないとは、頭おかしいな、お前らは。まぁいい、警備を強化しようにも、こんな儀式だ、口外は出来ない。警察にも言えない。駐在は数年ごとに異動する余所者だから抱き込めない。だから、見なかったことにした。そんなもんだろう。腐りきっているだけでなく無能な連中だよ、お前らは」
神主は黙った。
「さて、じゃぁ、神主さんよ、今までのオハシラ様の嫁ぎ先を教えてくれ」
「そ、それは… わかりました、隣の部屋に資料があります」
「じゃぁ、立って取りに行け、行けるだろう?」
神主は手足に手錠をつけたまま、ひょこひょこ移動して取りに行く。
「変な気を起こすなよ、死にたくないなら」
間もなくすると神主は一冊のノートを取ってきた。俺はそれを受け取るとパラパラと見る。リストには祭りの年、名前、生年月日、住所、電話番号が記載されていた。リストの最初の方から最近まではほとんど線が引かれて消されている。
「この線は何だ?」
「それは…、亡くなった者です…」
生きていれば40代、50代の者までほとんど亡くなっていた。俺はめまいがした。
「本当に、お前らはクソだな… まぁ、ご苦労、それじゃあ…」
俺は腰のケースからフォールディングナイフを取り出すと、神主の胸に突き立てた。
「がはっ… なんで…」
「当たり前だろう、俺は復讐に来たんだ」
さるぐつわをつけた連中が騒がしくなった。殺されることが分かれば逃げるだろう。
「今までやってきたことを地獄で後悔しろよ。ま、俺も後で行くがな」
俺は、そういうと逃げようと這う連中を一人づつ刺していった。最後に、オハシラ様が残った。目を閉じて涙を流していた。
「いろいろ大変だったな。お前は自由になれる。」
そういうと、俺はウェストバッグから1㎝の札束を出すと胸元にねじ込んだ。びくっとオハシラ様が動いた。
「この金は、犯罪で得た金じゃない。お前の好きな男とどこかで暮らすために使え。俺は全員を殺す、だからこの村の資金源は無くなる。家族の豊かな暮らしは無くなるが、働いて仕送りでもしてやれ」
俺はそういうと、お社を後にした。リストを胸に突っ込み、銃を片手に、走って停めておいたステップワゴンまで行く。幸いにもステップワゴンは見つからずにそのままだった。街へ降りていく。街までは30分。夜明けになり村が異常に気付くまでは、あと5時間といったところだろう。
俺は一人づつ訪ねて行った。ドライバーで掃き出し窓のガラスを割って侵入し目的を遂げる。コツさえつかめば音はほとんどしない。幸いなことに機械警備は無かった。機械警備があると時間の余裕がなくなる。早ければ10分ぐらいで警備が来るから家が広いと失敗するリスクが上がる。
女は6人しか生き残っていなかった。うち二人は、姉とうずらだ。4件はすでに襲撃した。女には会っていない。全員を助けることは、俺にはできない。
俺は姉が嫁いでった家に向かうと身震いした。だが、確実に仕事はしなければならない。掃き出し窓に取り付くとサッシにマイナスドライバーをねじ込みヒビを2か所入れる。ガラスが割れると手を突っ込んでクレセント錠を外す。サッシをスライドさせるとゆっくり動いた。補助錠は無い。
入った部屋はリビングだった。豪華だが、趣味が悪い部屋だった。動物の毛皮の敷物、ごちゃごちゃとした飾り棚にならぶ、一つ一つは高級そうだが雑然と並んだ外国製の食器。俺の姉を奪った柱の男が脂ぎった顔でゴルフクラブを振るう写真。どれも趣味が悪かった。
俺はさっそく廊下に出て、一部屋ずつそっと確認をしていった。一階はクリア。足音をたてないように上がっていく。二階のドアもひとつづつ確認していく。一番手前… 姉が居た。ベッドに眠っている。おなかは大きく、妊娠しているのだろう。奴を殺すまで起こすことはできない。次の部屋、物置になっている… 一番奥… 居た。
俺はそっと近づくと、口に手を当てると同時に、胸にナイフを突き立てた。男は目を見開き暴れようとしたが、すぐに絶命した。
そのまま、姉の部屋に取って返す、口に手を当てて起こす。姉は襲われるとでも思ったのだろう、暴れだした。
「俺だよ、ヒロトだよ」
姉は驚きの表情になって暴れるのをやめた。
「静かにしてもらえるかな?」
姉がうなづいたのを確認すると、手をはなした。
「ヒロト!! どうしたの!!」
小声ではあるが、驚きの言葉を言う。
「復讐に来たんだ。姉ちゃんと、うずらを奪い、辱めたあいつらに。あいつは、さっき殺したよ。神主も、村の有力者どもも…」
姉は絶句した。弟から人殺しの告白を受ければ誰だってそうなるだろう。
「とにかく、今は時間が無い。一緒に来てくれ」
「わ、わかったわ…」
幸いなことに姉はくるっていなかった。あれだけ凌辱されてもなお、気丈に精神を保ち続けてきた。俺は姉を連れて車に乗り込んだ。
「これからどうするの…?」
「うずらを助ける」
「そんなことをしたら、うずらちゃんの家はどうなるの?」
「どうなるもこうなるも!! 娘を売って手に入れた幸せにどれだけの価値があるんだ!! 村から出て働いて暮らせば豊かではないにせよ生きていけるだろう。俺だって村を出て自衛隊に入って生きてきたんだ」
「ニュースでやっているよ、銃と弾薬を持ったまま脱走した自衛官って」
「お姉ちゃん、テレビ見てないの… 毎日、やることがあるからね…」
ああ、嫌なことを思い出させたと、少し俺は後悔した。
「でも、オハシラ様がいなくなったら、あの村は、村に住む人はどうするの…」
「今更、どうにもならないよ。神主も商店のオヤジも、議員も、郵便局長も、地主のオヤジも、みんな俺が殺したからね。支援者の家も殺した。あんな村は滅びなきゃならない。誰かが滅ぼさなきゃならなかったんだ」
姉の顔が曇る。
「…ヒロトはどうするの…」
俺は車で前を見据えながら、目を細めて言った。
「殺した人数が人数だからね。事情はあるにせよ捕まれば死刑は免れないよ… その前にケリはつけようと思っているけど。で、姉ちゃん。一つ頼みがある」
「…何?」
俺はさらに目を細めた。
「…うずらを助けたら、うずらのことは頼む」
「…」
姉は涙を浮かべていた。
ほどなくして、うずらがいる家に近づいてきた。遠くから見ると、こんな時間なのに明かりがついていた。まずい。車を離れた場所に止める。
「姉ちゃん、ここで待っててくれ」
俺は銃を持つと車を後にした。
家に近づいて、双眼鏡で確認をする。カーテンが引かれた窓には何も映っていない。
地主の家らしく、広い。庭も明るくなっている。裏側からアプローチすることを決めた。家の裏側に身をかがめながら走っていく。高く張り巡らされた塀の上には有刺鉄線が張られている。有刺鉄線を一瞥する。金属の支えに取り付けられて、うなり音はしない。電流は流れていない。弾帯からレザーマンを取り出すと切断をした。懸垂して塀によじ登り、速やかに降りる。着地時に少し音がした。ただ、気づかれた様子はない。裏口に近づく。鍵は閉まっている。紙おむつから取り出したポリマーと、シリンジに入れた王水をウェストバッグから出す。ポリマーを鍵穴に詰め込むと王水を注ぎ込んだ。鍵を溶かして破壊する方法で、溶解破錠という方法だ。しばらく待つ。俺にはこの時間が無限にも思えた。
十分に溶けたところで、鍵穴にマイナスドライバーを突っ込んで回す。さしたる抵抗なく回った。銃をかまえながらドアを静かに、しかし素早く開ける。クリア、だれもいない。明かりはついているが。きれいにかたついたキッチンだった。正面にドアが二つ、右と左にある。
家の外観を思い出しながら、右側がリビングの可能性が高いと思い右側を銃を構えながら素早く開ける。照明がなく暗い。ただ、人の気配が無い。FLIRを左目に落とす。人は明らかに居ない。キッチンに戻るともう一つの左側のドアにアプローチする。廊下だった。やはり誰もいない。一階のドアをひとつづつアプローチしクリアする。誰もいない。
廊下に階段がある。上階の廊下は明かりがついている。音をたてないように素早く階段を上る。廊下に沿って、ひとつづつ部屋をクリアしていく。書斎、物置、客間… 突き当りの部屋まで来た。
聞き耳を立てる。音はしない。同じ要領で銃を構えながら素早くドアを開ける。そいつは、そこに居た。うずらと一緒に。
「おっと、動くなよ」
奴はうずらを脇に抱いて拳銃、おそらく38splのリボルバーを突きつけながら言った。
「お前が銃を持って脱走したってニュースは見たよ。で、復讐に来るというのも予想していた。神主のジジィには俺も言ったんだけどな、聞きゃしなかった。もう、殺ったのか?」
「ああ、殺したよ」
俺は銃をつきつけながら、答えた。うずらは一言も言わず、震えていた。
「うずらもかわいそうだよなぁ… せっかく、俺に嫁いで家族を食わせられるっていうのに、このバカに何もかも無茶苦茶にされてなぁ…」
うずらがぎゅっと目をつぶった。
「まぁ、いい。俺も死にたくないからな。この女はくれてやるから、とっとと出てけ」
「それで済むとでも?」
「済ませてもらわなきゃ困る。お前さんのせいで儀式も村も、俺ら一族も破滅だ。ただ、俺は資産をうっぱらえばあとは遊んで暮らせるぐらいの金にはなる。面倒な親族はお前が皆殺しにしてくれたから、相続もあるしな」
「嫌だと言ったら?」
「オハシラ様を殺す」
奴の目は真剣だった。どうしようもないクソ野郎ではあるが、嗅覚の鋭い顔だった。
「わかった。要求を呑む。どうしたらいい?」
「銃を置いてこちらに蹴るんだ」
「先にうずらだ」
「分かった、うずらが半分まで行ったらやれ。やらなきゃ打ち殺すからな」
奴はうずらを離すと、顎でしゃくって俺の方に行くよう促した。うずらが歩いて来るのを確認しながら銃を床に置き、蹴り飛ばす。が、64は重くちょうど奴と俺の中間あたりに止まった。奴は床からこちらに目を向けると言った。
「よし、じゃぁ、死ね」
俺は、走り出していた。奴が床から目を上げる瞬間にはもう、動き出していた。うずらを撥ね飛ばす。奴が発砲する。俺に向かって弾が飛んでくる。俺は体を捻じ曲げる。左の二の腕に弾がめり込む感触がする。熱い。焼けるように熱い。そのまま、奴にタックルする。
「ぐあっ」
ベルトからナイフを取り出す。サムスタッドに親指をかけて開く。奴の首にねじりこむ。左腕は熱い。奴は目をこれでもかと開き、口をパクパクさせている。首から血が噴出する。奴の右手の拳銃を胴体で抑え込む。
「これが4年間の成果だ。うずらを、姉ちゃんを護れなかった俺じゃない」
奴はそのまま絶命した。
俺はうずらを右腕に抱きながら、車へと戻った。うずらは途中何も言わなかった。
「お姉さん…」
「…うずらちゃん…ヒロト… よかった、無事で…」
うずらは目に涙を貯めていた。
「うずら、悪かったな。迎えに来るのが遅くなって」
「ううん、そんなことない。生きてヒロトに会えてよかった。ずっと、私待ってた。諦めてたけど、諦めきれなかった。でも、家のことや村のことを考えて諦めようとしていた」
「もう、村も儀式もすべて無くなるよ」
俺は満足していた。忌々しい村も、忌々しい儀式も、忌々しい連中も、すべて居なくなった。あとは、俺がすべてにケリをつけるだけだ。
俺は自分の腕に止血処置をすると、後ろのバッグを漁った。分厚い封筒が出てきた。
「じゃぁ、姉ちゃん。さっきのお願いの件だけど、大丈夫かな?」
姉に封筒を渡す。
「500万入ってる。4年間じゃこれだけしか貯められなかったよ。少ないけど、これを当座の生活資金にしてくれ」
「…ヒロトはどうするの…」
「さっき言ったとおり。ケリをつけてくる」
うずらが割って入ってきた。
「ケリをつけるって何!! ヒロト!!」
いちばん似通ってるのでも、この組ぐらいかなぁ。
この架空の人物は、xkcd: Exploits of a Momのtitleテキストとの関連が強く示唆される。本編のtitleテキストに書かれているように、エレイネは、実際にはミドルネームである。また、327のtitleテキストを考慮すれば、本名は、ヘルプ!アイムトラップドインアドライバーズライセンスファクトリー・エレイネ・ロバーツ(Help! I'm trapped in a driver's license factory Elaine Roberts)であろう。
From the evidence that Mrs. Roberts has two children, a daughter named Elaine, and a younger son named Bobby, we can assume that she is the same mother from 327: Exploits of a Mom. Of course, the title text here explains that Elaine is only her middle name. In 327 we learned her first name is "Help I'm trapped in a driver's license factory". Mrs. Roberts appears to have had fun naming her children.
追記:このブログでは引用するときは必ず出典を明記している。著作権上、どこまでが「引用」にあたるのかは、個別の判断になるのでわからない。この記事を書いた時、explain xkcdは確かに参考にしたが、そこから訳したわけではない。それをパクリというと、この記事はむしろ、Wikipediaのパクリである。なぜならば、人物説明はほとんどWikipediaを読んでまとめたからだ。explain xkcdの人物説明も、ことによるとWikipediaを参考に書かれているのかもしれない。
だそーですが、explain xkcdへのリンクぐらいは入れておくべきだよね。
アラスカの国際空港で、アップルの地図アプリに従った運転者が滑走路に進入するという事件が連続して発生した。
「iOS 6」の地図アプリが、英国のロンドンでなく、カナダのオンタリオ州にあるロンドンに人々を誘導して不興を買ったことを覚えているだろうか。
アラスカの国際空港では、もっと大変なことが起きた。アップルの地図アプリに従ったドライバーが滑走路に進入するという事件が、連続して発生したのだ。
『Alaska Dispatch』紙が9月24日付けで掲載した記事によると、アップルの地図アプリは、東ランプ経由で誘導路B(BravoのB)に入るよう指示したという。これはパイロットが滑走路にアクセスするところだ。そこからだと、ターミナルは滑走路のすぐ向こう側に見えるので、ドライバーは、(通過したすべての道路標識を無視して)目に見える手がかりに従い、真っ直ぐターミナルに向かったという。
この出来事はまず9月6日に起こり、9月20日にもう一度発生した。Alaska Dispatch紙によると、最初の事件の後、アップルはこの問題に対処すると述べたという。しかしその後も、ハイヤーの運転手が、空港警備と警察によって包囲されて腰を抜かすという事件が発生した。現在は、問題が解決されるまで、一時的にバリケードが設置されているという。