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はてなキーワード: しわとは

2024-10-19

どんどん奇形かいていく人の気持ちがやっと少しわかった気がする

余白がうまりやすいんだ、いろいろでかくしたほうが

特に体をでかくすれば面倒な髪や顔は小さくてもよくなるし

2024-10-18

トランス女性女性です!

そんな事いうなら、貴方トランス女性トランスクンニしてくれるんですか!?

チンカス溜まったしわまでちゃんクンニしてくれるんですか!?

してくれるんですよね!!???

恋人体調不良で笑ってしま

面白いわけではなくて、本当に心配気持ちなのに半笑いしながら大丈夫?と聞いてしま

例えば風邪で声がしわがれてる時とか、本当にお腹が痛くて寝込んでしまってる時とか…

程度に差はなくて多分本当に深刻な時も半笑いしながら大丈夫?と声をかけてしまいそうな気がする

自分でも良くないと分かってるのに無意識で笑ってしま

治し方が分からない

2024-10-15

まれてきてごめんなさい

今日の19時頃S線T駅にて帰宅ラッシュで混雑するホームで私とバッグが接触した女性の方

私に見せつけるかのようにバッグが接触したところを数回手で払い汚れを取るなど大変ご迷惑をおかけいたしました

このような事態になったのも駅のホームが混雑していたからではなく私がそこにいたのが悪いのです

私がそこにいなければあなた不快な思いをせず大切なバッグも汚れることな家路につけたでしょう

すべては私がうまれてきてしまたことに非があります

私のせいです

もうしわけございませんでした

2024-10-12

白髪てっぺんハゲデブゲーミング白衣サングラスしわがれ声陽気爺算数Vtuber

小学生に人気が出て宿題をきちんとしてくるなら安いのか?

2024-10-11

王様ランキングの作者は漫画家を目指すも何度も挫折し、40代になってから始めたweb連載でヒットして売れっ子になった

しか家族が早くに死んで天涯孤独なことやブラック企業経験、また生来のものもあるかもしれないが、非常にネガティブ愚痴が多かった

そんな彼はやがて炎上する

王様ランキング内での民族対立描写が「朝鮮人への風刺」とされたからだ


作中に登場する貧乏国は、豊かな魔法国に支援されて窮状を脱した

しかし、魔法国が神国戦争して負けると、貧乏国は神国の味方になり、「我々はずっと魔法国に搾取され虐げられていた」と言い出した

貧乏国は韓国で、魔法国は日本」そう主張する人が右にも左にも多く出た

作者は韓国叩きの格好の材料を与えてくれる存在として右翼神輿にされ、またネトウヨだと左翼から叩かれた

アニメの実況も「これ韓国じゃんwww」「かの国じゃんwww」と盛り上がっていた

作者は実在の国は関係なくフィクションだと何度も主張したが、「これ韓国www」も「作者はネトウヨ!」も止まらなかった

貧乏国の風景が昔の韓国風景と似てたり、実際に類似は多く感じたが真実わからん

作者の載せている部屋の写真が汚いことを理由精神病認定性的ニュアンスはないが子供が多く登場することで小児性愛認定もあった

病んで連載は2021年で止まり、作者はとうとう中傷者の一人である女性を訴えた


訴訟中でも他の人による中傷は止まらず、またネットに強い有名弁護士を雇ったが弁護士とも対立していくようになった

中傷書き込みをできるだけ見たくなかったのに、証拠集めや反論文書などに目を通さなければいけずますます病んでいく

一人だけが叩いているのではなく、集団悪口言って盛り上がっているので、書き込みを読みながら泣いていたという

相手女性は「いいねですら3件しかつかずRTは0なので作者の名誉は低下していない」と反論

だが、弁護士に依頼して証拠提出した段階では確かに3件だったが、開示請求して削除される寸前の時にはもっといいねが多かったしRTもあった

作者は「相手女性が嘘をついている」としていいね数の多いスクショを更に証拠として提出したがったが、

弁護士は「次回期日も迫っており、主張立証はすでにし尽くしているので更に証拠提出する必要はない」と返答

相手女性は泡沫アカウントなので、いいねRTが多少増えたところで影響がないと弁護士判断したようだが、作者は納得がいかない

メールで言い合いを続けた末に、弁護士は「信頼関係が損なわれた」として代理人から降りた

他の弁護士に変わり、出したがっていたいいねが多い証拠スクショも提出

結局最初弁護士から通算して2年かけたのに、200万円の請求に対しわずかな額の支払い命令しか出なかった

途中で相手女性は50万円での和解を求めてきたが、それで折れたほうがまだマシなぐらいに安かった

最初弁護士ダメなせいだったのではと作者は途中から女性よりも弁護士の方に怒り、

弁護士実名を挙げて「最悪の弁護士」「無能」と批判する漫画掲載

個人叩き漫画は危ういと判断され運営側に削除された

そんで今回の刑事告訴書類送検

愚痴

年上の無能の世話って本当キツい

契約書をバージョン5まで作ってて、バージョン5で甲社の承認取れたからあとは乙社に承認取るだけで何も問題なかったのに

乙社を担当してる無能営業が何を間違えたのかバージョン3を乙社に確定版として提出しやがった

よりによって乙社は人数の多い企業からこれから本社承認を取り直すにも物凄い日数かかるし

バージョン4以降の変更箇所がかなり根幹に近い変更だったから乙社の上司もそれには難色示してるし

このまま時間がかかると甲社に損害出る事になるって事で甲社との間でもトラブってる

諸々の作り直しと、このトラブルのせいでしわ寄せ食らって出来なかった他の仕事で3連休が潰れそう

無能はもう60近いから言っても治らんし、クビにもできないし詰んでる

責任を感じて病んで辞めてくれりゃいいんだが無能ゆえに当事者意識ゼロで元気に出社してくる

明日事故に遭ってくれないかなあ

anond:20241011185027

マジレスすると成長期でもないしわずかな備蓄で1年以上生き延びる自信ある

2024-10-08

飲食業待遇が悪い理由

・競合が多くてすぐつぶれる

・つぶれたら、設備をそのままにして夜逃げをするクソやろーがちらほらいる

・そのせいで家賃が高くなる(最低でも相場の倍)

・なのに値段を上げることができない

人件費しわ寄せがいく

から飲食業では働かないほうがいい

2024-10-07

anond:20241007153638

カード専門店じゃない中古ショップでたまにすっげえボロボロトレカみかける

端が欠けてるとかじゃなくて全部しわくちゃ折れ目だらけとか

いじめにでもあったのかと思っちゃう

2024-10-05

米やっぱたかかったすまんw

https://anond.hatelabo.jp/20240930181747

オラふるさとのうぜい増田。毎年ふるさと納税枠使い切ってるだ。

今年の5月無洗米10キロが6ヶ月届くやつ頼んだんだ。

チチ、これで12月までは米に困らないさ。んだべ?

からみすたーサタンたつが騒いでる米騒動は見てねえんだが、

今次のやつ頼んだらどんくらいすっか履歴見てたんだ。

一件目 2024/5 ねえな……消えちまった!

二件目 あるじゃねえか……ってリンク先踏んだら2023/3の倍額になっちまってるだ!!!

農水省……てめえフカシこいただな!

 

こっただ新米が楽しみな年はねえな…… 

なんだベジータ、「カリフォルニアではもう米が取れてる」だと?

よぉしわかったおらがひとっとびでとってきてやるだ!

植物検疫)

股間に血が集まってしわしわ亀頭がテカテカになるメカニズムがよーわからん

人間身体ってすごいなとは感じる

どういう仕組みなんだろ?なんで血が集まったらテカテカになるんだ?

だれかおしえてエロい

2024-10-04

anond:20241004224117

明らかに論理的しわざとやってるように見えるから

わざと非論理的なこと言って「フェミキチガイ」と印象操作してる奴がいる

2024-10-03

イライラした時の行動

しわかったこ

イライラすると我慢ができなくなる

たとえばおにぎりパンのどっちかを買いたいと思った時に両方買ってしま

興味深いのはどっちも買わないとはならないことだ

欲望に対して抵抗ができなくなる感じ

 

厳密にはイライラではない

圧倒的な疲れだ、摩耗でもいい

この状況では瞬時にイライラする

とにかく抑制が効かず幼児退行する

 

キレる年寄りというのは多くがこれだと思う

抵抗力の問題なんだ

本人だって困ってる

個人的に、精神的疲れでも肉体的疲れでも起きる

バイタリティがないとも言える

最低賃金上げることに意味がある?

最低賃金以上に物価が上がるだけじゃないか

しわ寄せは老人や社会的弱者に行くだけ。

かになるには産業を育てるしかない。

安い原料に価値をつけて高額で売るから価値が残る。

若い人がいっぱいいるインドパキスタン製造業がないから思うように経済が伸びない。

飲食サービス業利益が薄い。

介護や老人医療予算を割くと価値は上がらず税金が高くなる。

原油が湧いてこない国は外国に物を売るしかかになれない。

最低賃金上げろって言ってるやつはスーパーの物の値段は変わらないと思ってる気がする

anond:20241003092648

増田の皆さんご覧ください

こちらが50代のおじさんのししわ脳みそです

2024-10-02

ずっと心に残ってる配信者の行動

いい話のタイトルっぽいですが、悪口です

名前を見るたびに思い出すので厄落としのために書き捨て返信はしない

その配信者はとあるニコニコ配信者(以下A)のリア友(?)(以下B)としてデビューしました

デビュー当時は「私のともだちのBくんです。今日は一緒にマインクラフトをやっていきたいと思います」と紹介され

それからレギュラーのようになりライブ放送でも「きょうはBさんはいないの?」みたいなコメントがつくようになりコンビのようになりました

Bも知名度が上がり個人チャンネルを持ち配信し始めました。

私は嫌ってはいないもののどちらかといえばAのほうが好きだったのでB単体の放送を見に行くことはなく、コラボ配信を見ているくらいでした

Bは所謂おバカキャラ」で配信しており、なにかミスしても「僕わからいから~」「そんなの覚えてない~」

といってトラブルを起こしAがそれを怒ったりして笑いを誘う、というのがテンプレでした

とある日、BはAの配信者仲間と宇宙人狼の放送しました

宇宙人狼はどこの配信でもそうなように各視点配信をAもBももっていました

わたしはAの配信だけ見ていたのですが、その放送面白く盛り上がったので他の人の視点もみたいな~と

Aの配信を見てからBの配信を見てみることにしました

Aの配信内でBはクルーとして生きている間はいものおバカキャラで敵も味方も翻弄していました

中でも他のメンバーをおどろかせたのは、会議中に誰かがBの声がもそもそしてるなというとBは

「ごめんwwwwwwパン食ってたwwwww」

宇宙人狼をしらない方のために言うと会議普通人狼と同じく人狼あぶり出すために大事な話し合いの時間

クルー出会ったなら邪魔をするようなら黒認定されてもおかしくない時間

配信メンバーはBのおバカキャラを知っていたので「何してんねんお前!」と突っ込みがありお笑いになってその場は終わりました

会議時間が終わりAの配信ではBの会話はそこまでなのですが

キルされて他の配信者と会話ができない時間、Bは会議が終わったあともパンを食べ続けクチャクチャ咀嚼音が乗っていました。

個人としてBのことをそこまで嫌いではなかったのですが、人の咀嚼音がそこまで平気ではなく(アーカイブだったので)そこだけ飛ばそうとしました

そこで放送枠のコメントで「咀嚼音はちょっと」とコメントがあったらしく

以降配信者と話していない時間はずっとそのコメント主とのバトルでした

「なんで放送パンためちゃだめなんですかぁ~?」「おまえがそんなこといううな」「俺の放送だぞ」

結構強めの口調でずっとコメント口論していて……

正直聞いててしんどかった……他のコメント悪ノリしたりこんな世紀末みたいな配信者とコメント放送が令和の時代にあるんだ……

それからBの配信が全部気持ち悪くなった。放送最初に「〇〇(女優名前)好きなんだよな~」といってたのも全部気持ち悪い

人前ではヘラヘラ道化みたいにしてるのに裏では暴言はいチンピラみたいになってるの

おバカキャラとして愛されていたのに裏だと人を馬鹿にして…

しかもそれをまた軽く謝れば済まされると思ってるところ

とにかくこの場を流せば終わると思ってるところ

あくまで「おバカキャラ」だと思ってたのが本当に「思考中学生で止まってるだけのおバカ」だとわかって幻滅?失望応援してたわけじゃないけどがっかり

しかも表では笑ってるのに裏だと暴言だらけなのも…

そこまで言うなら見なきゃいい・いわなきゃいい・どの配信だって裏ではそんなもん

と言うのはわかるしわたしもそれからBの配信は見てないし配信外でやらかした他の配信者も知ってるんですが…

表と裏が違いすぎるのを見てウワァとなったのが今でも思い出されます

とくにBはいまでもAtoいろんな配信に出て名前が出るのでその度その配信を思い出す

2024-10-01

与次郎用事というのはこうである。――今夜の会自分たちの科の不振の事をしきりに慨嘆するから三四郎もいっしょに慨嘆しなくってはいけないんだそうだ。不振事実であるからほかの者も慨嘆するにきまっている。それから、おおぜいいっしょに挽回策を講ずることとなる。なにしろ適当日本人を一人大学に入れるのが急務だと言い出す。みんなが賛成する。当然だから賛成するのはむろんだ。次にだれがよかろうという相談に移る。その時広田先生の名を持ち出す。その時三四郎与次郎に口を添えて極力先生賞賛しろという話である。そうしないと、与次郎広田食客だということを知っている者が疑いを起こさないともかぎらない。自分は現に食客なんだから、どう思われてもかまわないが、万一煩い広田先生に及ぶようではすまんことになる。もっともほかに同志が三、四人はいから大丈夫だが、一人でも味方は多いほうが便利だから三四郎もなるべくしゃべるにしくはないとの意見である。さていよいよ衆議一決の暁は、総代を選んで学長の所へ行く、また総長の所へ行く。もっとも今夜中にそこまでは運ばないかもしれない。また運ぶ必要もない。そのへんは臨機応変である。……  与次郎はすこぶる能弁である。惜しいことにその能弁がつるつるしているので重みがない。あるところへゆくと冗談をまじめに講義しているかと疑われる。けれども本来性質のいい運動から三四郎もだいたいのうえにおいて賛成の意を表した。ただその方法が少しく細工に落ちておもしろくないと言った。その時与次郎は往来のまん中へ立ち留まった。二人はちょうど森川町神社鳥居の前にいる。 「細工に落ちるというが、ぼくのやる事は自然の手順が狂わないようにあらかじめ人力で装置するだけだ。自然にそむいた没分暁の事を企てるのとは質が違う。細工だってかまわん。細工が悪いのではない。悪い細工が悪いのだ」  三四郎はぐうの音も出なかった。なんだか文句があるようだけれども、口へ出てこない。与次郎の言いぐさのうちで、自分がまだ考えていなかった部分だけがはっきり頭へ映っている。三四郎はむしろそのほうに感服した。 「それもそうだ」とすこぶる曖昧な返事をして、また肩を並べて歩きだした。正門をはいると、急に目の前が広くなる。大きな建物が所々に黒く立っている。その屋根がはっきり尽きる所から明らかな空になる。星がおびただしく多い。 「美しい空だ」と三四郎が言った。与次郎も空を見ながら、一間ばかり歩いた。突然、 「おい、君」と三四郎を呼んだ。三四郎はまたさっきの話の続きかと思って「なんだ」と答えた。 「君、こういう空を見てどんな感じを起こす」  与次郎に似合わぬことを言った。無限とか永久かいう持ち合わせの答はいくらでもあるが、そんなことを言うと与次郎に笑われると思って三四郎は黙っていた。 「つまらんなあ我々は。あしたから、こんな運動をするのはもうやめにしようかしら。偉大なる暗闇を書いてもなんの役にも立ちそうにもない」 「なぜ急にそんな事を言いだしたのか」 「この空を見ると、そういう考えになる。――君、女にほれたことがあるか」  三四郎は即答ができなかった。 「女は恐ろしいものだよ」と与次郎が言った。 「恐ろしいものだ、ぼくも知っている」と三四郎も言った。すると与次郎が大きな声で笑いだした。静かな夜の中でたいへん高く聞こえる。 「知りもしないくせに。知りもしないくせに」  三四郎憮然としていた。 「あすもよい天気だ。運動会はしあわせだ。きれいな女がたくさん来る。ぜひ見にくるがいい」  暗い中を二人は学生集会所の前まで来た。中には電燈が輝いている。  木造廊下を回って、部屋へはいると、そうそう来た者は、もうかたまっている。そのかたまりが大きいのと小さいのと合わせて三つほどある。なかには無言で備え付けの雑誌新聞を見ながら、わざと列を離れているのもある。話は方々に聞こえる。話の数はかたまりの数より多いように思われる。しかしわあいにおちついて静かである煙草の煙のほうが猛烈に立ち上る。  そのうちだんだん寄って来る。黒い影が闇の中から吹きさらしの廊下の上へ、ぽつりと現われると、それが一人一人に明るくなって、部屋の中へはいって来る。時には五、六人続けて、明るくなることもある。が、やがて人数はほぼそろった。  与次郎は、さっきから煙草の煙の中を、しきりにあちこちと往来していた。行く所で何か小声に話している。三四郎は、そろそろ運動を始めたなと思ってながめていた。  しばらくすると幹事が大きな声で、みんなに席へ着けと言う。食卓はむろん前から用意ができていた。みんな、ごたごたに席へ着いた。順序もなにもない。食事は始まった。  三四郎熊本赤酒ばかり飲んでいた。赤酒というのは、所でできる下等な酒である熊本学生はみんな赤酒を飲む。それが当然と心得ている。たまたま飲食店へ上がれば牛肉である。その牛肉屋の牛が馬肉かもしれないという嫌疑がある。学生は皿に盛った肉を手づかみにして、座敷の壁へたたきつける。落ちれば牛肉で、ひっつけば馬肉だという。まるで呪みたような事をしていた。その三四郎にとって、こういう紳士的な学生親睦会は珍しい。喜んでナイフフォークを動かしていた。そのあいだにはビールをさかんに飲んだ。 「学生集会所の料理はまずいですね」と三四郎に隣にすわった男が話しかけた。この男は頭を坊主に刈って、金縁の眼鏡をかけたおとなしい学生であった。 「そうですな」と三四郎は生返事をした。相手与次郎なら、ぼくのようないなか者には非常にうまいと正直なところをいうはずであったが、その正直がかえって皮肉に聞こえると悪いと思ってやめにした。するとその男が、 「君はどこの高等学校ですか」と聞きだした。 「熊本です」 「熊本ですか。熊本にはぼくの従弟もいたが、ずいぶんひどい所だそうですね」 「野蛮な所です」  二人が話していると、向こうの方で、急に高い声がしだした。見ると与次郎が隣席の二、三人を相手に、しきりに何か弁じている。時々ダーターファブラと言う。なんの事だかわからない。しか与次郎相手は、この言葉を聞くたびに笑いだす。与次郎ますます得意になって、ダーターファブラ我々新時代青年は……とやっている。三四郎の筋向こうにすわっていた色の白い品のいい学生が、しばらくナイフの手を休めて、与次郎の連中をながめていたが、やがて笑いながら Il a le diable au corps(悪魔が乗り移っている)と冗談半分にフランス語を使った。向こうの連中にはまったく聞こえなかったとみえて、この時ビールのコップが四つばかり一度に高く上がった。得意そうに祝盃をあげている。 「あの人はたいへんにぎやかな人ですね」と三四郎の隣の金縁眼鏡をかけた学生が言った。 「ええ。よくしゃべります」 「ぼくはいつか、あの人に淀見軒でライスカレーをごちそうになった。まるで知らないのに、突然来て、君淀見軒へ行こうって、とうとう引っ張っていって……」  学生ハハハと笑った。三四郎は、淀見軒で与次郎からライスカレーをごちそうになったもの自分ばかりではないんだなと悟った。  やがてコーヒーが出る。一人が椅子を離れて立った。与次郎が激しく手をたたくと、ほかの者もたちまち調子を合わせた。  立った者は、新しい黒の制服を着て、鼻の下にもう髭をはやしている。背がすこぶる高い。立つには恰好のよい男である演説いたことを始めた。  我々が今夜ここへ寄って、懇親のために、一夕の歓をつくすのは、それ自身において愉快な事であるが、この懇親が単に社交上の意味ばかりでなく、それ以外に一種重要な影響を生じうると偶然ながら気がついたら自分は立ちたくなった。この会合ビールに始まってコーヒーに終っている。まったく普通会合であるしかしこのビールを飲んでコーヒーを飲んだ四十人近くの人間普通人間ではない。しかもそのビールを飲み始めてからコーヒーを飲み終るまでのあいだに、すでに自己運命の膨脹を自覚しえた。  政治自由を説いたのは昔の事である言論の自由を説いたのも過去の事である自由とは単にこれらの表面にあらわれやす事実のために専有されべき言葉ではない。我ら新時代青年は偉大なる心の自由を説かねばならぬ時運に際会したと信ずる。  我々は古き日本の圧迫に堪ええぬ青年である。同時に新しき西洋の圧迫にも堪ええぬ青年であるということを、世間に発表せねばいられぬ状況のもとに生きている。新しき西洋の圧迫は社会の上においても文芸の上においても、我ら新時代青年にとっては古き日本の圧迫と同じく、苦痛である。  我々は西洋文芸研究する者であるしか研究はどこまでも研究である。その文芸のもとに屈従するのとは根本的に相違がある。我々は西洋文芸にとらわれんがために、これを研究するのではない。とらわれたる心を解脱せしめんがために、これを研究しているのである。この方便に合せざる文芸はいかなる威圧のもとにしいらるるとも学ぶ事をあえてせざるの自信と決心とを有している。  我々はこの自信と決心とを有するの点において普通人間とは異なっている。文芸技術でもない、事務でもない。より多く人生根本義に触れた社会原動力である。我々はこの意味において文芸研究し、この意味において如上の自信と決心とを有し、この意味において今夕の会合一般以上の重大なる影響を想見するのである。  社会は激しく動きつつある。社会産物たる文芸もまた動きつつある。動く勢いに乗じて、我々の理想どおりに文芸を導くためには、零細なる個人を団結して、自己運命を充実し発展し膨脹しなくてはならぬ。今夕のビールコーヒーは、かかる隠れたる目的を、一歩前に進めた点において、普通ビールコーヒーよりも百倍以上の価ある尊きビールコーヒーである。  演説意味ざっとこんなものである演説が済んだ時、席にあった学生はことごとく喝采した。三四郎もっとも熱心なる喝采者の一人であった。すると与次郎が突然立った。 「ダーターファブラ、シェクスピヤの使った字数が何万字だの、イブセンの白髪の数が何千本だのと言ってたってしかたがない。もっともそんなばかげた講義を聞いたってとらわれる気づかいはないか大丈夫だが、大学に気の毒でいけない。どうしても新時代青年を満足させるような人間を引っ張って来なくっちゃ。西洋人じゃだめだ。第一幅がきかない。……」  満堂はまたことごとく喝采した。そうしてことごとく笑った。与次郎の隣にいた者が、 「ダーターファブラのために祝盃をあげよう」と言いだした。さっき演説をした学生がすぐに賛成した。あいにくビールがみな空である。よろしいと言って与次郎はすぐ台所の方へかけて行った。給仕が酒を持って出る。祝盃をあげるやいなや、 「もう一つ。今度は偉大なる暗闇のために」と言った者がある。与次郎の周囲にいた者は声を合して、アハハと笑った。与次郎は頭をかいている。  散会の時刻が来て、若い男がみな暗い夜の中に散った時に、三四郎与次郎に聞いた。 「ダーターファブラとはなんの事だ」 「ギリシア語だ」  与次郎はそれよりほかに答えなかった。三四郎もそれよりほかに聞かなかった。二人は美しい空をいただいて家に帰った。  あくる日は予想のごとく好天気である。今年は例年より気候がずっとゆるんでいる。ことさらきょうは暖かい三四郎は朝のうち湯に行った。閑人の少ない世の中だから、午前はすこぶるすいている。三四郎は板の間にかけてある三越呉服店看板を見た。きれいな女がかいてある。その女の顔がどこか美禰子に似ている。よく見ると目つきが違っている。歯並がわからない。美禰子の顔でもっと三四郎を驚かしたものは目つきと歯並である与次郎の説によると、あの女は反っ歯の気味だから、ああしじゅう歯が出るんだそうだが、三四郎にはけっしてそうは思えない。……  三四郎は湯につかってこんな事を考えていたので、からだのほうはあまりわずに出た。ゆうべから急に新時代青年という自覚が強くなったけれども、強いのは自覚だけで、からだのほうはもとのままである休みになるとほかの者よりずっと楽にしている。きょうは昼から大学陸上運動会を見に行く気である。  三四郎は元来あまり運動好きではない。国にいるとき兎狩りを二、三度したことがある。それから高等学校の端艇競漕の時に旗振りの役を勤めたことがある。その時青と赤と間違えて振ってたいへん苦情が出た。もっとも決勝の鉄砲を打つ係りの教授鉄砲を打ちそくなった。打つには打ったが音がしなかった。これが三四郎のあわてた原因である。それより以来三四郎運動会へ近づかなかった。しかしきょうは上京以来はじめての競技会だから、ぜひ行ってみるつもりである与次郎もぜひ行ってみろと勧めた。与次郎の言うところによると競技より女のほうが見にゆ価値があるのだそうだ。女のうちには野々宮さんの妹がいるだろう。野々宮さんの妹といっしょに美禰子もいるだろう。そこへ行って、こんちわとかなんとか挨拶をしてみたい。  昼過ぎになったから出かけた。会場の入口運動場の南のすみにある。大きな日の丸イギリス国旗が交差してある。日の丸は合点がいくが、イギリス国旗はなんのためだかからない。三四郎日英同盟のせいかとも考えた。けれども日英同盟大学陸上運動会とは、どういう関係があるか、とんと見当がつかなかった。  運動場は長方形の芝生である。秋が深いので芝の色がだいぶさめている。競技を見る所は西側にある。後に大きな築山をいっぱいに控えて、前は運動場の柵で仕切られた中へ、みんなを追い込むしかけになっている。狭いわりに見物人が多いのではなはだ窮屈である。さいわい日和がよいので寒くはない。しか外套を着ている者がだいぶある。その代り傘をさして来た女もある。  三四郎失望したのは婦人席が別になっていて、普通人間には近寄れないことであった。それからフロックコートや何か着た偉そうな男がたくさん集って、自分が存外幅のきかないようにみえたことであった。新時代青年をもってみずからおる三四郎は少し小さくなっていた。それでも人と人との間から婦人席の方を見渡すことは忘れなかった。横からからよく見えないが、ここはさすがにきれいである。ことごとく着飾っている。そのうえ遠距離から顔がみんな美しい。その代りだれが目立って美しいということもない。ただ総体総体として美しい。女が男を征服する色である。甲の女が乙の女に打ち勝つ色ではなかった。そこで三四郎はまた失望した。しかし注意したら、どこかにいるだろうと思って、よく見渡すと、はたして前列のいちばん柵に近い所に二人並んでいた。  三四郎は目のつけ所がようやくわかったので、まず一段落告げたような気で、安心していると、たちまち五、六人の男が目の前に飛んで出た。二百メートルの競走が済んだのである決勝点は美禰子とよし子がすわっている真正面で、しかも鼻の先だから、二人を見つめていた三四郎視線のうちにはぜひともこれらの壮漢がはいってくる。五、六人はやがて一二、三人にふえた。みんな呼吸をはずませているようにみえる。三四郎はこれらの学生の態度と自分の態度とを比べてみて、その相違に驚いた。どうして、ああ無分別にかける気になれたものだろうと思った。しか婦人連はことごとく熱心に見ている。そのうちでも美禰子とよし子はもっとも熱心らしい。三四郎自分無分別にかけてみたくなった。一番に到着した者が、紫の猿股をはい婦人席の方を向いて立っている。よく見ると昨夜の親睦会で演説をした学生に似ている。ああ背が高くては一番になるはずである。計測係りが黒板に二十五秒七四と書いた。書き終って、余りの白墨を向こうへなげて、こっちを向いたところを見ると野々宮さんであった。野々宮さんはいつになくまっ黒なフロックを着て、胸に係り員の徽章をつけて、だいぶ人品がいい。ハンケチを出して、洋服の袖を二、三度はたいたが、やがて黒板を離れて、芝生の上を横切って来た。ちょうど美禰子とよし子のすわっているまん前の所へ出た。低い柵の向こう側から首を婦人席の中へ延ばして、何か言っている。美禰子は立った。野々宮さんの所まで歩いてゆく。柵の向こうとこちらで話を始めたように見える。美禰子は急に振り返った。うれしそうな笑いにみちた顔である三四郎は遠くから一生懸命に二人を見守っていた。すると、よし子が立った。また柵のそばへ寄って行く。二人が三人になった。芝生の中では砲丸投げが始まった。

砲丸投げほど力のいるものはなかろう。力のいるわりにこれほどおもしろくないものもたんとない。ただ文字どおり砲丸を投げるのである。芸でもなんでもない。野々宮さんは柵の所で、ちょっとこの様子を見て笑っていた。けれども見物のじゃまになると悪いと思ったのであろう。柵を離れて芝生の中へ引き取った。二人の女も、もとの席へ復した。砲丸は時々投げられている。第一どのくらい遠くまでゆくんだか、ほとんど三四郎にはわからない。三四郎はばかばかしくなった。それでも我慢して立っていた。ようやくのことで片がついたとみえて、野々宮さんはまた黒板へ十一メートル三八と書いた。

 それからまた競走があって、長飛びがあって、その次には槌投げが始まった。三四郎はこの槌投げにいたって、とうとう辛抱がしきれなくなった。運動会めいめいかってに開くべきものである。人に見せべきものではない。あんものを熱心に見物する女はことごとく間違っているとまで思い込んで、会場を抜け出して、裏の築山の所まで来た。幕が張ってあって通れない。引き返して砂利の敷いてある所を少し来ると、会場から逃げた人がちらほら歩いている。盛装した婦人も見える。三四郎はまた右へ折れて、爪先上りを丘のてっぺんまで来た。道はてっぺんで尽きている。大きな石がある。三四郎はその上へ腰をかけて、高い崖の下にある池をながめた。下の運動会場でわあというおおぜいの声がする。

 三四郎はおよそ五分ばかり石へ腰をかけたままぼんやりしていた。やがてまた動く気になったので腰を上げて、立ちながら靴の踵を向け直すと、丘の上りぎわの、薄く色づいた紅葉の間に、さっきの女の影が見えた。並んで丘の裾を通る。

 三四郎は上から、二人を見おろしていた。二人は枝の隙から明らかな日向へ出て来た。黙っていると、前を通り抜けてしまう。三四郎は声をかけようかと考えた。距離があまり遠すぎる。急いで二、三歩芝の上を裾の方へ降りた。降り出すといいぐあいに女の一人がこっちを向いてくれた。三四郎はそれでとまった。じつはこちからまりごきげんをとりたくない。運動会が少し癪にさわっている。

あんな所に……」とよし子が言いだした。驚いて笑っている。この女はどんな陳腐ものを見ても珍しそうな目つきをするように思われる。その代り、いかな珍しいもの出会っても、やはり待ち受けていたような目つきで迎えるかと想像される。だからこの女に会うと重苦しいところが少しもなくって、しかもおちついた感じが起こる。三四郎は立ったまま、これはまったく、この大きな、常にぬれている、黒い眸のおかげだと考えた。

 美禰子も留まった。三四郎を見た。しかしその目はこの時にかぎって何物をも訴えていなかった。まるで高い木をながめるような目であった。三四郎は心のうちで、火の消えたランプを見る心持ちがした。もとの所に立ちすくんでいる。美禰子も動かない。

「なぜ競技を御覧にならないの」とよし子が下から聞いた。

「今まで見ていたんですが、つまらいからやめて来たのです」

 よし子は美禰子を顧みた。美禰子はやはり顔色を動かさない。三四郎は、

「それより、あなたたこそなぜ出て来たんです。たいへん熱心に見ていたじゃありませんか」と当てたような当てないようなことを大きな声で言った。美禰子はこの時はじめて、少し笑った。三四郎にはその笑いの意味がよくわからない。二歩ばかり女の方に近づいた。

「もう宅へ帰るんですか」

 女は二人とも答えなかった。三四郎はまた二歩ばかり女の方へ近づいた。

「どこかへ行くんですか」

「ええ、ちょっと」と美禰子が小さな声で言う。よく聞こえない。三四郎はとうとう女の前まで降りて来た。しかしどこへ行くとも追窮もしないで立っている。会場の方で喝采の声が聞こえる。

高飛びよ」とよし子が言う。「今度は何メートルになったでしょう」

 美禰子は軽く笑ったばかりである三四郎も黙っている。三四郎高飛びに口を出すのをいさぎよしとしないつもりである。すると美禰子が聞いた。

「この上には何かおもしろものがあって?」

 この上には石があって、崖があるばかりであるおもしろものがありようはずがない。

「なんにもないです」

「そう」と疑いを残したように言った。

「ちょいと上がってみましょうか」よし子が、快く言う。

あなた、まだここを御存じないの」と相手の女はおちついて出た。

「いいからいらっしゃいよ」

 よし子は先へ上る。二人はまたついて行った。よし子は足を芝生のはしまで出して、振り向きながら、

「絶壁ね」と大げさな言葉を使った。「サッフォーでも飛び込みそうな所じゃありませんか」

 美禰子と三四郎は声を出して笑った。そのくせ三四郎はサッフォーがどんな所から飛び込んだかよくわからなかった。

あなたも飛び込んでごらんなさい」と美禰子が言う。

「私? 飛び込みましょうか。でもあんまり水がきたないわね」と言いながら、こっちへ帰って来た。

 やがて女二人のあいだに用談が始まった。

あなた、いらしって」と美禰子が言う。

「ええ。あなたは」とよし子が言う。

「どうしましょう」

「どうでも。なんならわたしちょっと行ってくるから、ここに待っていらっしゃい」

「そうね」

 なかなか片づかない。三四郎が聞いてみると、よし子が病院看護婦のところへ、ついでだからちょっと礼に行ってくるんだと言う。美禰子はこの夏自分の親戚が入院していた時近づきになった看護婦を尋ねれば尋ねるのだが、これは必要でもなんでもないのだそうだ。

 よし子は、すなおに気の軽い女だからしまいに、すぐ帰って来ますと言い捨てて、早足に一人丘を降りて行った。止めるほどの必要もなし、いっしょに行くほどの事件でもないので、二人はしぜん後にのこるわけになった。二人の消極な態度からいえば、のこるというより、のこされたかたちにもなる。

 三四郎はまた石に腰をかけた。女は立っている。秋の日は鏡のように濁った池の上に落ちた。中に小さな島がある。島にはただ二本の木がはえている。青い松と薄い紅葉がぐあいよく枝をかわし合って、箱庭の趣がある。島を越して向こう側の突き当りがこんもりとどす黒く光っている。女は丘の上からその暗い木陰を指さした。

「あの木を知っていらしって」と言う。

「あれは椎」

 女は笑い出した。

「よく覚えていらっしゃること」

「あの時の看護婦ですか、あなたが今尋ねようと言ったのは」

「ええ」

「よし子さんの看護婦とは違うんですか」

「違います。これは椎――といった看護婦です」

 今度は三四郎が笑い出した。

「あすこですね。あなたがあの看護婦といっしょに団扇を持って立っていたのは」

 二人のいる所は高く池の中に突き出している。この丘とはまるで縁のない小山が一段低く、右側を走っている。大きな松と御殿一角と、運動会の幕の一部と、なだらかな芝生が見える。

「熱い日でしたね。病院あんまり暑いものから、とうとうこらえきれないで出てきたの。――あなたはまたなんであんな所にしゃがんでいらしったんです」

「熱いからです。あの日ははじめて野々宮さんに会って、それから、あすこへ来てぼんやりしていたのです。なんだか心細くなって」

「野々宮さんにお会いになってから、心細くおなりになったの」

「いいえ、そういうわけじゃない」と言いかけて、美禰子の顔を見たが、急に話頭を転じた。

「野々宮さんといえば、きょうはたいへん働いていますね」

「ええ、珍しくフロックコートをお着になって――ずいぶん御迷惑でしょう。朝から晩までですから

だってだいぶ得意のようじゃありませんか」

「だれが、野々宮さんが。――あなたもずいぶんね」

「なぜですか」

だってまさか運動会の計測係りになって得意になるようなかたでもないでしょう」

 三四郎はまた話頭を転じた。

「さっきあなたの所へ来て何か話していましたね」

「会場で?」

「ええ、運動会の柵の所で」と言ったが、三四郎はこの問を急に撤回したくなった。女は「ええ」と言ったまま男の顔をじっと見ている。少し下唇をそらして笑いかけている。三四郎はたまらなくなった。何か言ってまぎらそうとした時に、女は口を開いた。

あなたはまだこのあいだの絵はがきの返事をくださらないのね」

 三四郎はまごつきながら「あげます」と答えた。女はくれともなんとも言わない。

あなた原口さんという画工を御存じ?」と聞き直した。

「知りません」

「そう」

「どうかしましたか

「なに、その原口さんが、きょう見に来ていらしってね、みんなを写生しているから、私たちも用心しないと、ポンチにかかれるからって、野々宮さんがわざわざ注意してくだすったんです」

 美禰子はそばへ来て腰をかけた。三四郎自分いかにも愚物のような気がした。

「よし子さんはにいさんといっしょに帰らないんですか」

「いっしょに帰ろうったって帰れないわ。よし子さんは、きのうから私の家にいるんですもの

 三四郎はその時はじめて美禰子から野々宮のおっかさんが国へ帰ったということを聞いた。おっかさんが帰ると同時に、大久保を引き払って、野々宮さんは下宿をする、よし子は当分美禰子の家から学校へ通うことに、相談がきまったんだそうである

 三四郎はむしろ野々宮さんの気楽なのに驚いた。そうたやす下宿生活にもどるくらいなら、はじめから家を持たないほうがよかろう。第一鍋、釜、手桶などという世帯道具の始末はどうつけたろうと、よけいなことまで考えたが、口に出して言うほどのことでもないから、べつだんの批評は加えなかった。そのうえ、野々宮さんが一家の主人から、あともどりをして、ふたたび純書生と同様な生活状態に復するのは、とりもなおさず家族制から一歩遠のいたと同じことで、自分にとっては、目前の迷惑を少し長距離へ引き移したような好都合にもなる。その代りよし子が美禰子の家へ同居してしまった。この兄妹は絶えず往来していないと治まらないようにできあがっている。絶えず往来しているうちには野々宮さんと美禰子との関係も次第次第に移ってくる。すると野々宮さんがまたいつなんどき下宿生活永久にやめる時機がこないともかぎらない。

 三四郎は頭のなかに、こういう疑いある未来を、描きながら、美禰子と応対をしている。いっこうに気が乗らない。それを外部の態度だけでも普通のごとくつくろおうとすると苦痛になってくる。そこへうまいあいによし子が帰ってきてくれた。女同志のあいだには、もう一ぺん競技を見に行こうかという相談があったが、短くなりかけた秋の日がだいぶ回ったのと、回るにつれて、広い戸外の肌寒がようやく増してくるので、帰ることに話がきまる。

 三四郎も女連に別れて下宿へもどろうと思ったが、三人が話しながら、ずるずるべったりに歩き出したものから、きわだった挨拶をする機会がない。二人は自分を引っ張ってゆくようにみえる。自分もまた引っ張られてゆきたいような気がする。それで二人にくっついて池の端を図書館の横から、方角違いの赤門の方へ向いてきた。そのとき三四郎は、よし子に向かって、

「お兄いさんは下宿なすったそうですね」と聞いたら、よし子は、すぐ、

「ええ。とうとう。ひとを美禰子さんの所へ押しつけておいて。ひどいでしょう」と同意を求めるように言った。三四郎は何か返事をしようとした。そのまえに美禰子が口を開いた。

「宗八さんのようなかたは、我々の考えじゃわかりませんよ。ずっと高い所にいて、大きな事を考えていらっしゃるんだから」と大いに野々宮さんをほめだした。よし子は黙って聞いている。

 学問をする人がうるさい俗用を避けて、なるべく単純な生活にがまんするのは、みんな研究のためやむをえないんだからしかたがない。野々宮のような外国にまで聞こえるほどの仕事をする人が、普通学生同様な下宿はいっているのも必竟野々宮が偉いからのことで、下宿がきたなければきたないほど尊敬しなくってはならない。――美禰子の野々宮に対する賛辞のつづきは、ざっとこうである

 三四郎赤門の所で二人に別れた。追分の方へ足を向けながら考えだした。――なるほど美禰子の言ったとおりである自分と野々宮を比較してみるとだいぶ段が違う。自分田舎から出て大学はいったばかりである学問という学問もなければ、見識という見識もない。自分が、野々宮に対するほどな尊敬を美禰子から受けえないのは当然である。そういえばなんだか、あの女からかにされているようでもある。さっき、運動会はつまらいから、ここにいると、丘の上で答えた時に、美禰子はまじめな顔をして、この上には何かおもしろものがありますかと聞いた。あの時は気がつかなかったが、いま解釈してみると、故意自分を愚弄した言葉かもしれない。――三四郎は気がついて、きょうまで美禰子の自分に対する態度や言語を一々繰り返してみると、どれもこれもみんな悪い意味がつけられる。三四郎は往来のまん中でまっ赤になってうつむいた。ふと、顔を上げると向こうから与次郎とゆうべの会で演説をした学生が並んで来た。与次郎は首を縦に振ったぎり黙っている。学生帽子をとって礼をしながら、

「昨夜は。どうですか。とらわれちゃいけませんよ」と笑って行き過ぎた。

anond:20241001201601

2024-09-30

anond:20240930223140

から

しかしわいは明らかに下がりすぎて割安な状態だったと思うで

なぜおじさんだけが臭いのか。

質的にはおばさんのほうが臭いがきついらしい。

でも臭いのはおじさん。あ、でもおじいちゃんも臭かったりする。

 

自分ももう35歳で臭いが気になる年だ。

口臭体臭も気をつけているつもりだけど、一人暮らししわからない。

いまのとこ職場アプリで合った若い子に臭いのことを言われたことはないが、今どきは思っても黙ってそうな気がする。

 

まじで自分大丈夫か知りたい。

普通に聞いて大丈夫と言われてもあまり信用ならん。

そして臭いおじたちは自分ダメだと知ってくれ。

2024-09-28

韓国ディープフェイポルノを完全禁止

韓国ってポルノ関連にめちゃくちゃ厳しいけど、その割に性犯罪が少ないわけじゃないんだよな

聞いただけでゲロ吐きそうになるようなポルノ犯罪も起きてるしさ

なんか厳しい規制から生み出されるしわ寄せみたいなものが、起きてるんじゃないかって気がするのワイだけ?

禁止して上手く行くならいいんだけど、感情的な納得感を優先して規制を厳しくしても、別の形で被害が生まれるような構造的な問題が起きてたら意味ないんよな

anond:20240928004236

さっき見た日記の話だと仮定する

あれはかなり酷い格好に対しての愚痴に見えたが

若い頃ならまだしも、オッサンにもなってしまむらの厨二Tシャツ着てたらいい歳して恥ずかしくないのかよ、って思うのと一緒

あとは結婚式とか大切な会でしわくちゃのシャツ着てたらクリーニングくらい出せよ!って思う感情と似てるかな?わからんけども

ついでに元日記の「アクシーズ」を検索してみたがこれは…

2024-09-27

石破って「いしわ」でも「いしは」でもなく「いしば」だったんだ

これ知らないやつの方が多いよな?

2024-09-26

anond:20240925053922

これ結構がんばってもろもろ読んだ(というが「大転生時代」読んでないので問題外だけど)けど、どこらへんで「白人酋長」ってキーワードでてるんだっけ。

たぶん「なろう系は白人酋長ものの一類型だ」みたいにいってるのがあるとおもうんだけど、ちょっと今回の関連でジャストのものを見つけることは出来なかった。目の前の箱もつかいきらんアホでもうしわけないが、可能なら例示してほしい。

で、なんだけど、白人酋長ものって結構揶揄されること多いけど、別に廃れた古いジャンルってわけじゃなくて世界的に定着した物語の一類型なわけじゃん。おっさんから新しいのもってこれないけど、モロそのものであるラストサムライ」とかもそうだし、「アバター」とかなんで宇宙の果てでスペースインディアン宇宙海兵隊がどうこうとかさ。日本でも転スラなんかよりよっぽど前に幕末タイムスリップして無双するJIN-仁-なんてのがヒットしてたわけだし、市川沙央も島田雅彦もしらんわけないよな。

つうかそもそもここで言われてる転生ものって「ぼくの地球を守って」とかのオカルトブームリバイバルじゃねえの?いまのキッズたちよりお前の父ちゃんちゃんのほうがよっぽどガチ熱狂してたよ!ギブミーチョコレートとか持ち出す前に戦士症候群とか段階を踏めよ!つかまあ、市川沙央氏はある意味純文学業界に過剰適応しちゃってるひとなのかもな。しんどいはなしではある。

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