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はてなキーワード: コンメンタールとは

2024-08-13

おかげさまでノンビリお盆をすごさせてもらっています

せっかくなので普段手が回らないようなことを考えたりしたりしたいのですが

それにあたって皆様にひとつお知恵を借りたいことがあります

私は法曹で、世間の人が想像するほど多くはないかもしれませんが、やはりそれなりに条文を確認する機会はあるわけです

自宅や職場なら、模範六法なりコンメンタールなりいくらでも条文を参照する方法はあるのですが、問題は出先です

ポケット六法だとかデイリー六法だとか、小型と言われる六法はありますが、どれもその名にふさわしいとは言いがたい重量感

かつてあったセレクト六法はイイ線いっていましたが、あれも無くなって久しく……

e-Gov法令検索で調べる方法もありますが、やはり少々手間です

そこで、いっそ自分用の六法をつくってしまうのはどうかと思っています

本当に必要最低限の法律だけを収録した、とにかく軽い六法

漠然とA5くらいのサイズがいいかなと考えているのですが

いかんせん私には製本経験がないので、そのようなものをつくるにあたって、どこに頼むのがいいか、どのようなことに気をつければいいのか、といったことがまるで分からないのです

現状私が知りたいのは、「少部数の製本安価で引き受けてくれるところがあるのか(あるとすれば何というところでどの程度の費用か)」、「どのような紙を用いるのがよいか」、「綴じ方はどうするべきか」といったあたりですが、他にも幅広くアドバイスをいただけると幸いです

詳しくて親切な方、教えてください

2024-02-09

著作者人格権の不行使契約について「条解 著作権法」は何と言ってい

なんかネットでは信用のならない議論が繰り広げられているが、こういう時は信頼できるテキストに当たらないとダメだ。(ネット民のご意見なんか糞食らえなのはもとより、学術論文も、多くは新しい説を主張するために書かれていたりして、そのエビデンスレベルを読み誤るリスクが高い。)

信頼できるテキストといえば、信頼できる出版社から出ているコンメンタールである。ちょうど昨年6月に弘文堂の「条解」シリーズから著作権法が出たところだ。

「条解 著作権法」(弘文堂,2023)616頁

(2)不行使契約

 以上のように、著作者人格権譲渡放棄が困難と解されていることから、実務上は、著作者人格権の不行使契約が広く用いられている。

(…)

 従来の議論においては、著作者人格権の不行使契約特に包括的な不行使契約)については、その有効性を否定する見解が少なくない。

 これに対して、著作者人格権の不行使契約有効性を明示的に肯定する見解もある(田村411頁、内藤167頁以下、高瀬亜富「著作者人格権行使特約の有効性−一実務家の視点から」コピ662号(2016)48頁等参照)。また、起草者も、実演家人格権についてではあるが、「本条〔90条の3〕の「同一性保持権」と前条〔90条の2〕の「氏名表示権」はいずれも「人格権」ですが、権利者と利用者とでこの「人格権」の不行使特約(権利行使しないという契約)を結ぶことも当然ながら可能でございます。なぜなら、著作権は「私権」であり、権利者はこれを行使するかしないか契約によって自由に決めることができるからでありますと述べている(加戸639頁)。

(…)

 以上のことから著作者人格権に関する契約有効性については、著作者人格権それぞれの性質を踏まえつつ、意思の明確性と具体性を考慮して判断すべきであるように思われる。また、同一性保持権については、20条2項4号が「著作物性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」を許容しており、そこでは諸事情考慮されることから包括的な不行使契約が締結されていたという事情もその一要素として考慮すべきものと考えられる(以上について、上野・前掲52頁以下、上野達弘「著作物の改変と著作者人格権をめぐる一考察ドイツ著作権法における「利益衡量」から示唆(2・完)」民商120巻6号(1999)959頁以下参照)。

ちなみに文化庁著作権契約書作成支援システムでは、そのマニュアル8頁において

なお、利用者自由に使わせる必要がある場合などは、著作者人格権行使しない旨を規定する例も見受けられます。この場合著作者としては、依頼者が著作物を改変、修正した場合著作者の氏名を表示しなかった場合でも異議を述べることができないといった不利益が生じるため注意が必要です。

と注意を促した上で、同システムが出力する契約書では、たとえ改変を許諾する場合であっても

規定例(一定範囲での変更を認め、かつ、氏名表示を要しない場合

第○条(著作者人格権

1 甲は、乙が本著作物を利用するにあたり、その利用態様に応じて本著作物を変更したり、一部を切除したりすることを予め承諾する。ただし、乙は、これらの改変であっても本著作物本質的部分を損なうことが明らかな改変をすることはできない。

2 乙は、前項以外の改変を行う場合は、事前に甲の承諾を得なければならない。

といった条文を出力するようにしている。

 

なお、議論きっかけになった事件では、原作者著作者人格権に基づき介入を行い実際に意向に反する映像化を防止できているから、著作者人格権の不行使契約は締結していないと思われる。

2023-12-22

「これは憲法違反!これは〇〇法〇条違反!」

違います

マジで法律の条文を軽々しく口にする前にちょっとは調べようぜ。

六法の条文だけ見て「これは〇〇に違反してる!」じゃねえんだよバカ

世の中にある色んな事例をいくら但し書きやら項が沢山あると言っても、あんなに短くて曖昧な条文だけではっきり定義できるわけないだろ。

政策法案が公に打ち出される前には必ず官僚法制局のチェックが入ってるんだから、お前らごときの「これは〇〇違反!」が当てはまるわけない。

まず条文を見るのは間違っていない。

しかし叫ぶ前にコンメンタール最高裁高裁判例大審院判例最高裁判事や最高裁調査官の補足や解説を読んで、気になる事例や法案政策とチェックしてみろ。

例外条例

地方自治体条例事件になった際に「立法技術稚拙さに由来していることは間違いない」と判決や決定で怒られることはよくある。

まあ、馬鹿ばかりだから斜陽だなんだって言われても俺みたいな底辺法律家が食っていけるんだけどな。

2023-09-27

anond:20230927001611

はい潮見民法プラクティスコンメンタールを読み、ゼミ資料を読み、実務本を何冊か読み、いくつかのサブスクを購読していますが、まだまだだと考えております

2023-09-23

無断引用重言だ」とかいデマについて

引用」という言葉には、たとえこれを著作権法32条意味に限ったとしても、「著作権者に無断で」という意味内包しない。

無断引用という言葉おかしい」というデマは、もともとは(無断リンク禁止の如く)適法無断引用に対して「無断引用だ!」と言いがかりをつけてくる輩に対する「引用は無断でやっても良い」という反論が、「引用は無断で行うものから無断引用という言葉おかしい」に転化したのではなかろうか。

 

職場に行かないとちゃんとしたコンメがないので、さしあたり手元のおぐおぐコンメから引用するけれども、

1.3.1 引用定義

引用定義規定は、現著作権法には置かれていない。

引用」をあえて定義するならば,自己著作活動への利用目的引用目的)で,自己著作物の中に,他人著作物を複製または無形に再生して,利用または自己著作物等を創作,または自己著作物等の中に複製以外の方法で利用する行為である

小倉金井著作権法コンメンタール[改訂版]Ⅱ」94頁)

とあるとおり、そこに「許諾が無いこと」は要件とされていない。許諾がある場合引用ではなくなるということもない。

 

そもそも著作権法32条ベルヌ条約10条の引き写しだ。ベルヌ条約に加盟するためにそのようにしている(条約国内法化)。

Article 10

(1) It shall be permissible to make quotations from a work which has already been lawfully made available to the public, provided that their making is compatible with fair practice, and their extent does not exceed that justified by the purpose, including quotations from newspaper articles and periodicals in the form of press summaries.

日本語訳

第十条 〔引用

(1) 既に適法公衆提供された著作から引用新聞雑誌の要約の形で行う新聞紙及び定期刊行物記事から引用を含む。)は、その引用が公正な慣行合致し、かつ、その目的上正当な範囲内で行われることを条件として、適法とされる。

著作権法

引用

第三十二条 ① 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行合致するものであり、かつ、報道批評研究その他の引用目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

したがって著作権法の条文における「引用」はベルヌ条約における「make quotations」という程度の意味しかない。

そしてベルヌ条約は、make quotations が(許諾なしに)適法化される条件を示しているに過ぎず、この条件を満たさなmake quotationsが許諾によって適法化されることを排除していない。

世界中多くの著作権者が、copyrightのあるworksをquoteするためのpermissionのガイドラインを示しているのはそのためだ。

 

「許諾があるならそれは引用ではなく複製だ」みたいな意味不明な主張も見られた。

上記おぐおぐコンメの引用部分にもあるとおり、「引用」には「複製以外の方法」も含まれている。裁判例上も、たとえば複製ではない要約引用も認められている(「血液型性格事件など)。

 

ついでに、法律家が「引用」といった場合、もしかすると原著作物を書き写さな用法のほうが多いかもしれない。「本件控訴の趣意は,弁護人**作成控訴趣意書記載のとおりであるから,これを引用する。」とか「**は、次のとおり付加・訂正するほか、原判決の**の「**」に摘示のとおりであるから,これを引用する。原判決の*頁*行目の*を*に改める…」といったアレだ。

民訴規則刑訴規則には、下の例を含めさまざまな書面の「引用」が認められているが、いずれも「他の文書に書き写さなくても、同じ内容が書いてあることにするよ」という意味だ。

刑事訴訟規則

判決書への引用

218条 地方裁判所又は簡易裁判所においては、判決書には、起訴状記載された公訴事実又は訴因若しくは罰条を追加若しくは変更する書面に記載された事実引用することができる。

民事訴訟規則

第一審の判決書等の引用

第184条 控訴審の判決書又は判決書に代わる調書における事実及び理由記載は、第一審の判決書又は判決書に代わる調書を引用してすることができる。

2023-08-26

中古注釈民法を約五千円で入手した

昭和四十から五十年代書籍とはいえ、定価なら10万円はするこの巨大なコンメンタールヤフオクで五千円でゲットした。

値段もさることながら、大学図書館しかない書籍を我が手に収めることの万能感は予想以上だ。

2023-07-06

anond:20230706133853

ワイは入れられる説を推す。

残置物以前に賃貸借契約を終了させなきゃいけないんだけど、借地借家法賃借人を強く保護しているから、死亡による契約終了みたいなことができるのか考える必要がある。

この場合契約終了は事前の合意に基づいている。合意解約自体有効。ただ、その解約が条件や不確定期限にかかっている場合は、「賃借人に不利なもの」(借地借家法30条)として特約が無効とされる可能性がある。

ものの本に紹介されている無効な特約の例を挙げると…

などがあり、曰く、

これらは、いずれも、賃貸借終了の時期が不明確であり、一時使用のための賃貸借とも認められず、条件の成就・期限の到来が専ら賃貸人事情依存する不確定期限ないし条件付賃貸借であって、借家人に不利な特約であるからである

とのこと(別冊法セno.257新基本法コンメンタール借地借家法【第2版】190頁)。

このあたりの議論をもとに、「死亡解約特約は不確定期限だから無効」という説明をするネット記事散見される。

ただ、不確定期限なら必ず無効かというとそんなことはなくて、条文が明記しているとおり、無効になるのはあくまでも「賃借人に不利」な特約に限られる。上に引用したコンメンタールでも、

上記とは反対に、賃貸借終了の条件を借家人の意思のみにかからせるような約定場合(…)有効である

説明されている。

それでは「賃借人の死亡」という期限は賃借人に不利といえるか。

賃借権相続可能権利であるし、特に相続人たる同居親族がいる場合契約者死亡で即・出ていかなければならないとすると、いつ生活基盤が脅かされるとも分からないので賃借人に不利とも言いうる。なにせ借地借家法相続人ではない同居人すら保護している(36条。ただし強行規定ではない(37条参照))。

けれども、賃借人は単に居住権を有するだけではなく、その対価として賃料債務を負うのだから無用になった賃貸借契約が速やかに終了することは賃借人利益にもなる。

したがって、少なくとも独居の賃借人については、死亡によって解約になる特約は「賃借人に不利なもの」ではなく、合意有効と考えるべきだと思う(私見)。

 

賃貸借契約終了後の残置物もこの応用問題と考えて良いと思う。

そもそも契約終了後の残置物処理は法3章1節の対象外なので法30条による強行法規性も無さそうだけど、その点はいったん置いといて。)

賃貸人に残置物の収去・処分権限を与えるのは、賃借人に不利とも思えるけれども、これを認めないといつまでも賃料相当の損害賠償債務が発生し続けるので、かかる損害を抑止できるという意味では賃借人にもメリットがある。

なので、賃借人の損害を適切に減少させられるような条項にしておけば、残置物撤去についての特約も有効になると思う(私見)。

2023-06-06

裁判官マニュアルの「民事訴訟法コンメンタール」って裁判規則理由説明とか何も書いてない

ああしろこうしろと書いてあるだけ

災害時は自衛隊のほうが余程良い仕事をするだろう

裁判裁判官によっては大災害

憲法はどうして裁判官地位を守るのだろうなあ

2023-03-16

フェミニストってなんで馬鹿なんだろう

https://twitter.com/chosakukenho/status/1635779685593546752

小倉秀夫

@chosakukenho

家事育児負担女性に偏っているという内容に対し、家計を維持するための労働男性に偏っているという批判を認めない場合家計を維持するための労働男性に偏ったまま家事育児負担を男女均等にすることとなり、男性過労死することになります

引用ツイート

津野 香奈美 | Kanami Tsuno, PhD, MPH

@KanamiTsuno

3月15日

Whataboutism: 自分問題点を指摘されたと感じた時に「あなたはどうなの?」と相手欠点を指摘することで本来自分問題点に関する議論を避け、相手攻撃すること。

例)家事育児負担女性に偏ってるという内容に対し、家事育児していない男性が「女は力仕事できないじゃないか!」と言う

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午前8:07 · 2023年3月15日

全く浅薄です。

フェミニスト有識者どころか思考能力がない。だから失敗するのです。

だがまだもっとすごい。

正論を見たら脅迫して潰す。

ジグザグ

@dennokoziguzagu

返信先:

@chosakukenho

さん

有馬とかもそうなのだが、「著作権法コンメンタール執筆者」、「ペギっ子」とかの身内で論争して完全「論破」してからネットに這い出てきてくれないかなあって。

午前8:31 · 2023年3月15日

ジグザグ

@dennokoziguzagu

·

3月15日

返信先:

@chosakukenho

さん

他の「著作権法コンメンタール執筆者」や「ペギっ子」は見て見ぬ振りだろうから、「オグリン」の方からしつこく絡んで「討論」を仕掛けないと乗ってくれないからじゃね?ハーバードでは学生教授陣が率先してラムザヤーボコるが、早稲田では望むべくもないか有馬から突撃せんかいという理屈

小倉秀夫

@chosakukenho

·

3月15日

返信先:

@dennokoziguzagu

さん

著作権法コンメンタールと全く別の話題表現する際に、著作権法コンメンタール執筆者と前もって討論する必然性が全くみえてこないのですが。あなた自分が属する集団と前もって議論した上でその投稿をしているんですか?

ジグザグ

@dennokoziguzagu

·

3月15日

返信先:

@chosakukenho

さん

おや、プロフで「著作権法コンメンタール」の看板掲げながらまったく別の「政治活動」に熱心な「オグリン」さんじゃないですかあ。

小倉秀夫

@chosakukenho

·

3月15日

返信先:

@dennokoziguzagu

さん

別に何の問題もないですよね。

ジグザグ

@dennokoziguzagu

·

3月15日

返信先:

@chosakukenho

さん

ならこっちの提案も「別に何の問題もないですよね。」ということですね。

小倉秀夫

@chosakukenho

·

3月15日

返信先:

@dennokoziguzagu

さん

何で?他人表現機会を勝手制限しようという提案なのに?

ジグザグ

@dennokoziguzagu

·

3月15日

返信先:

@chosakukenho

さん

うそう、そういう感じでリアル法曹関係突撃してて欲しい。看板で掲げてるくせに「著作権法コンメンタール執筆者」に限定されたくないというなら裁量を認めるのは吝かではないので

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フェミニスト思想活動家は全員クズです。

2023-02-03

近親婚や重婚に対する民法学説の立場

知っての通り、日本民法重婚一定限度の近親婚を禁止している。

通常は婚姻届が窓口でハネられるが、何らかの事情重婚や近親婚が生じることがある。戸籍担当公務員ミスの他、たとえば重婚であれば失踪宣告の後に再婚したが前配偶者生存が判明した場合や、近親婚であれば認知していない非嫡出子婚姻したが実の父娘であることが判明した場合などが考えられる。

この場合重婚や近親婚は、婚姻の取消事由となる。当然無効ではなく家庭裁判所で取消審判が下るまでは有効ではあるが(重婚について大判17.7.21新聞4787-15)、重婚犯罪であるし(刑法184条)、取消権者は当事者に限られず公益見地から親族検察官にも取消申立権を与えているので、有効とは言っても法が許容しているという意味では無いとみるべきだろう(その意味では、行訴法学にいう公定力の議論に似ている。)。

民法

重婚禁止

七百三十二条配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。

(近親者間の婚姻禁止

七百十四条 ① 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。

2 第八百十七条の九の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。

不適法婚姻の取消し)

七百十四条 ① 第七百三十一条から七百三十六条までの規定違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。

2 第七百三十二条又は第七百三十三条の規定違反した婚姻については、当事者配偶者又は前配偶者も、その取消しを請求することができる。

重婚禁止趣旨については、たとえば『新注釈民法(17)』(有斐閣,2017)で732条について解説する110頁はこのようにいう。

本条は,婚姻が一夫一婦の結合をその本質とすることを定めるものである

「定めるものである」という書き方は一夫一婦制憲法上の要請ではなく民法選択であることを示しているかもしれない。民法改正によって一夫一婦制を改めることができるかどうかは、憲法24条2項の解釈問題であろうか。

なお「重婚内縁」というトピックがあるが、法律上配偶者と別居して他の者と内縁関係を構築した事案の裁判例を中心に議論が発展したためか、一夫多妻または多夫一妻(さらには多夫多妻)的な重婚内縁関係議論はあまり活発ではなさそうだ。

 

近親婚の禁止については、同書で734条について解説する118頁はこのようにいう(太字引用者)。

民法は,近親者間(本条),直系姻族間(735条),養親子等の間(736条)の婚姻禁止を定めている。一定の近親者間の婚姻を禁じる規範は,古くから,多くの国に見られるものである。その範囲形態は各国の文化伝統により異なり,多様性に富んでいる。現代のわが国における近親婚禁止趣旨は,優生学的な配慮倫理観念に基づくものであると解されているが,家族形態の変化により,一方では禁止範囲が広すぎ,他方では狭すぎるといわれるようになってきている(新版注民(21)214頁)。

また、同書120頁ではヨーロッパでは,禁止兄弟姉妹間に留める国も見られる(ドイツスイスオーストリアオランダスウェーデン等)とも紹介している。

また、別冊法セno.261『新基本法コンメンタール親族】[第2版]』(日本評論社、2019)32頁は、近親婚禁止規定問題についてもう少し詳しい。

近親婚の禁止は、現代では、婚姻自由配偶者選択自由要請と相反する。それゆえ、近親婚に関する規定解釈する際には、近親婚禁止優生学配慮社会倫理的観点と、婚姻自由配偶者選択自由要請のいずれをより優先すべきかが問われる。近親婚禁止範囲自体を、社会の変遷に応じて見直すことも必要であろう。

なお、準婚理論との関係では、おじと姪の内縁関係について遺族厚生年金支給を受けうる配偶者に当たるとされた例がある(最判H19.3.8民集61-2-518)。おじ・姪婚を認める地域慣習等が考慮されている。

 

大まかにいうと、重婚についてはあまり議論は活発でなく、近親婚についてはなるべく認める方向で議論が進んでいる印象である

なお、民法では条文の立場が明確でありこれと異なる立場は条文の違憲無効を前提とするから民法学よりもむしろ憲法学の領域かもしれない。増田憲法学説の議論には疎いので(憲法論が関わる書面は数年に1度書くかどうかというレベル)、重婚禁止や近親婚禁止について憲法学説がどう言っているかは知らない。

2022-02-12

anond:20220208233934

グーグルスカラーという科学論検索サービスがあってそこにはサボテンの中でもウチワサボテンだけとかいろんな論文がみられるのだが

そういう短い論文をまとめた専門書籍も一応掲載されてることがあるやで

 

あと毎年4月にいろんな大学の履修要綱に教科書リストが出る、それもそこそこ専門向けやで

同じような専門書にみえても最新版やないと定説が覆されたあとから古い定説=嘘が平気でかいてあるから気を付けてな

ファンタジー辞典とか科学ユーチューバーの本(とされてる漫画)とかも嘘や大げさがおおいぞ

科学法学日進月歩からコンメンタールとか最新のを買えよ

まあ大学やろな…

私立文系大学だとなんか古臭い初級者向けでとまってるせんせいおるけど…(十年間ずっと同じ英国古典児童文学だけで授業持てたりする)

一般的現代文化でいうと

アジアの酒を飲みまくった日本女性の本」と

アフリカアフリカファッションをきまくって自分写真集出版した日本女性の本」はおもしろそうだった

さがしてもこれしかでてこなかった

https://www.amazon.co.jp/dp/4594064361

https://www.amazon.co.jp/B004L9NV1G/

どっちも違うやつだからあとは増田にまかせた

おっと後者はこれだ

https://www.amazon.co.jp/dp/4594074847

https://www.amazon.co.jp/dp/4866070056

前者もみつけた

https://www.amazon.co.jp/dp/4822247031

2021-12-03

敵のコンメンタールを奪い取り破壊してしまえば

困窮者が増えて自民党に喜ばれるだろうね

2021-01-17

anond:20210117030836

東大法学部って自称するからどんなものかと思ったけどその程度のレベルなんだね

基本書を読まないで分からないだのどうの言っていいのは学部までだよ

強行規定だの任意規定だの言う前に大学1年生が勉強に使う基本書読んだ方がいいよ

コンメンタールでも読めば貴方の知りたいことは書いてあるはず

まぁそんな学生事務員でも出来るような事をしないからこんなことになってるんだろうけどさ

2019-04-06

図書館文化資本が無い件について

先週、コインハイブ事件無罪判決が出た。

コインハイブは少なくとも法律上ウイルスには該当しないそうだ。

法律上」と言うのなら実際どう書かれてあるんだろうと調べていたら

どうやらその解説は『大コンメンタール刑法』に書いてあるらしい。

なんだその魔道書みたいな名前

amazonで調べてみたら1冊1万円する本の13冊セットだった。高い。

とても個人で買えるようなものではないので図書館コピーを取ることにした。

地元(人口15万人の市)の図書館検索する。無い。コンメンタールと名の付くものは全くない。

相談窓口で「刑法解説書ありますか?」と訊いたら『刑法判例百選』と言う本を勧められた。

出版1997年。当時ウイルス頒布罪なんてねぇよ。

(最新版2014年に出ているそうだがそんなもの地元図書館には無い)

しょうがないので他の図書館でその「大コンメンタール」を探してみたが隣街(人口35万人)の図書館

あったのは1990年出版のものだった。world wide webすら存在しない時代じゃねぇか。

東京都に入って清瀬市で探しても無い。23区に入って練馬区にも無い。豊島区にも無い。

そこで気付く。法律書なら法学部のある大学に置いてあるんじゃないか?調べる。

立教大学学習院大学にあった。だがどちらも私立大なので一般人は閲覧すらできない。ふざけんな。

国立大で探すと家から一番近い所蔵館は東京大学だった。

と言う訳で本一冊を見るために埼玉の端からはるばる東大まで行かなければならないようだ。

なぁ。公立図書館って国民知る権利のためにあるんじゃなかったのか。

それで何で法律一つ満足に調べられないんだ。

2018-11-08

「なぜ子どもが性を売ってはいけないのか」問題

元増田は、そもそも、何歳の子もの、どのような行為対象としているか、がはっきりしていない(いなかった)(注1)。

元増田は、法令根拠問題としているが、「子どもが性を売る行為」といっても、子どもの年齢や行為の内容によって、違法になるかどうかは変わってくる。

そこで、具体的にどのような行為違法とされているのか、また、違法とされる趣旨目的は何か整理したいと思う。

違法性の有無だけをまとめると以下の通りである

売買春は、売春側が成人であっても売春防止法で違法

②18歳未満の者に対する買春は、児ポ法違法

③18歳未満の者に対する「淫行」等は、各都道府県条例違法

④18歳未満の者に「淫行させる行為」は児童福祉法違法

⑤13歳未満の者との「性交等」及び「わいせつ行為」は刑法違法

以下、詳述する。

売買春は、売春側が成人であっても売春防止法で違法

売春防止法3条。

ここでいう「売春」は、対償を受け、又は受ける約束で、不特定多数相手方性交すること(売春防止法2条)。

その定義により、特定の男女間の性交は、たとえ対償を目的としても「売春」ではない(注解特別刑法 第7巻p19)。

売買春違法とされる実質的根拠は、売春が、人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであるためである売春防止法1条)。

②18歳未満の者に対する買春は、児ポ法違法

児ポ法(注2)4条。

児童買春」とは、児童等に対し、対償を供与し、又はその供与約束をして、当該児童に対し、 性交等(注3)をすること。

規制趣旨は、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童権利を著しく侵害すること等(児ポ法1条)。

③18歳未満の者に対する「淫行」等は、各都道府県条例違法

規定ぶりは、都道府県による。

福岡県条例の「淫行」につき、青少年の心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいう、とされた(最判昭和60.10.23刑集39.6.413)。

その目的は、一般青少年が、その心身の未成熟や発育程度の不均衡から精神的に未だ十分に安定していないため、性行為等によって精神的な痛手を受け易く、また、その痛手から回復が困難となりがちである等の事情にかんがみ、青少年健全な育成を図るため(上記最判)。

④18歳未満の者に「淫行させる行為」は児童福祉法違法

児童福祉法34条1項6号。

淫行」とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為(最決H28.6.21刑集70.5.369)。

淫行を「させる行為」とは、直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童淫行なすことを助長し、促進する行為

淫行をさせる者が淫行相手方になる場合も含む(最判H10.11.2刑集52.8.505参照)(注4)。

規制趣旨は、児童精神的にも肉体的にも性的に未熟であるため、そのような児童淫行をさせる行為児童の心身に与える有害性が特に大きいことから東京高判H8.10.30判タ940.275)。

⑤13歳未満の者との「性交等」及び「わいせつ行為」は刑法違法

刑法177条後段(強制性交等罪)、176条後段(強制わいせつ罪)。

性交等」は、性交肛門性交、口腔性交

強制性交等罪、強制わいせつ一般の保法益は、個人性的自由、各条後段の罪は、これに加えて、年少者の性的情操の保護を通して青少年健全育成を図るもの(大コンメンタール刑法3巻 p65)。

⑥その他

保護者の承諾なく、18歳未満の者を深夜に連れ出したり、18歳未満の者から使用済み下着を購入したりすると、各都道府県条例違反になり得る。

対価を払って、食事をするだけなら、違法ではない。

ブコメ言及されている内容について

責任能力は、この話とは直接関係がないうように思われるし、責任能力の有無と自己決定権の有無も連動しない。

なお、元増田法律の背景・目的問題としていたので、そこから離れた倫理的な話などは、記載対象にしていない。

また、片手間に調べた内容なので、必ずしも正確ではない可能性がある。

注1

タイトルは、「子供が性を売」る行為について。

リンク先の記事ママ活は、「2時間カフェまったり会うので7000円」であり、性的行為があるかは不明会員限定部分に何か書いてあるのかもしれないが。)。

本文に書いてあるのは売買春の話だ。

年齢も当初ははっきりしていなかったが、高校生を想定していると追記された。

注2

児童買春児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童保護等に関する法律

注3

性交もしくは性交類似行為をし、又は、自己性的好奇心「満たす目的で、児童性器等(性器肛門又は乳首)を触り、若しくは児童自己性器「触らせること。

注4

淫行条例との違いは、淫行条例では、自身では何の働きかけもせずに、18歳未満の者の積極的な働きかけに応じるの行為処罰されるのに対し、児童福祉法では処罰されないところ。

anond:20181106132747

2014-10-10

http://anond.hatelabo.jp/20141010092803

俺が公共の福祉による人権制限フリーハンドに近い形で容認してると理解したのだとすれば、残念すぎる読解力だな、ということをまず言っておく。

ところで、俺は司法試験合格してる。

実務系の大半の人間憲法理解なんてたかが知れてて、俺自身もその例にもれない。

から俺もそれほどでかいツラできるわけじゃないのは確かだ。

それでも、留保もつけずに「人権」を十把一絡げにして、これに対する「公共の福祉による制限は極めて厳格でなければならない」などという各権利性質をおよそ無視したような主張をするお前よりははるかに「人権」についての理解は深いと思うぞ。

これまで勉強してきた内容として、ぱっと思いつくのは以下のようなものだ。

まず当然条文。一言一句とは言えないが、○○条と言われて内容が出る程度には覚えた。今となっては統治のあたりが少し怪しいが……。

基本書として、芦部憲法といわゆる4人組。前者は3周くらい。後者通読はしてない。前者を補完する感じでつかった。

百選掲載判例約200+相当数の判例理解。事案の概要と判旨の重要部分程度しか押さえてないのもあるが、重要判例についてはきちんと判例の射程なんかについても検討してる。

ケースブックとして、名前は忘れたがあずき色のでかいやつ。たしか3冊だったか。人にやったので今は手元にない。

講義等たぶん6単位分くらい。

受験対策として、論証の暗記、答練過去問演習等。こういうのを「勉強してきた内容」として挙げるのはどうかという気もするが、暗記や演習等を通じて基礎的な知識の定着や論理筋道理解が深まるという側面も確かにあるし、実際問題こうした受験対策に半分くらいの時間を費やしている以上無視するわけにもいくまい。

その他、適宜コンメンタールや関連書籍も参照してるはずだが、いちいちタイトルは覚えてないし煩瑣になるので省略する。あ、唯一タイトル覚えてるのが憲法上の権利作法。あれはなかなか参考になった。

で、俺に対して皮肉らしき的外れトラバをつけたお前は今までにいったいどれだけの勉強をしてきたんだ?

読んだ本の量や費やした時間学問理解に直結するなどと言うつもりはないが、間違いなく一つの指標にはなるだろうから、ぜひ教えてくれよ、なあおい

2013-05-01

http://anond.hatelabo.jp/20130501231829

民法772条問題については「男女関係の問題」と言う要素は全く無い

ええと。だから、その根拠は?

内田コンメンタール見たけど、同条の立法趣旨は「父性の安定」だから、まさに男女関係じゃないの?

 
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