はてなキーワード: 失踪宣告とは
知っての通り、日本民法は重婚や一定限度の近親婚を禁止している。
通常は婚姻届が窓口でハネられるが、何らかの事情で重婚や近親婚が生じることがある。戸籍担当公務員のミスの他、たとえば重婚であれば失踪宣告の後に再婚したが前配偶者の生存が判明した場合や、近親婚であれば認知していない非嫡出子と婚姻したが実の父娘であることが判明した場合などが考えられる。
この場合、重婚や近親婚は、婚姻の取消事由となる。当然無効ではなく家庭裁判所で取消審判が下るまでは有効ではあるが(重婚について大判昭17.7.21新聞4787-15)、重婚は犯罪であるし(刑法184条)、取消権者は当事者に限られず公益的見地から親族や検察官にも取消申立権を与えているので、有効とは言っても法が許容しているという意味では無いとみるべきだろう(その意味では、行訴法学にいう公定力の議論に似ている。)。
第七百三十二条 配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。
第七百三十四条 ① 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
2 第八百十七条の九の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。
第七百四十四条 ① 第七百三十一条から第七百三十六条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
2 第七百三十二条又は第七百三十三条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消しを請求することができる。
重婚禁止の趣旨については、たとえば『新注釈民法(17)』(有斐閣,2017)で732条について解説する110頁はこのようにいう。
「定めるものである」という書き方は一夫一婦制が憲法上の要請ではなく民法の選択であることを示しているかもしれない。民法改正によって一夫一婦制を改めることができるかどうかは、憲法24条2項の解釈問題であろうか。
なお「重婚的内縁」というトピックがあるが、法律上の配偶者と別居して他の者と内縁関係を構築した事案の裁判例を中心に議論が発展したためか、一夫多妻または多夫一妻(さらには多夫多妻)的な重婚的内縁関係の議論はあまり活発ではなさそうだ。
近親婚の禁止については、同書で734条について解説する118頁はこのようにいう(太字引用者)。
民法は,近親者間(本条),直系姻族間(735条),養親子等の間(736条)の婚姻禁止を定めている。一定の近親者間の婚姻を禁じる規範は,古くから,多くの国に見られるものである。その範囲や形態は各国の文化や伝統により異なり,多様性に富んでいる。現代のわが国における近親婚禁止の趣旨は,優生学的な配慮と倫理観念に基づくものであると解されているが,家族形態の変化により,一方では禁止の範囲が広すぎ,他方では狭すぎるといわれるようになってきている(新版注民(21)214頁)。
また、同書120頁ではヨーロッパでは,禁止を兄弟姉妹間に留める国も見られる(ドイツ,スイス,オーストリア,オランダ,スウェーデン等)
とも紹介している。
また、別冊法セno.261『新基本法コンメンタール【親族】[第2版]』(日本評論社、2019)32頁は、近親婚禁止規定の問題についてもう少し詳しい。
近親婚の禁止は、現代では、婚姻自由・配偶者選択自由の要請と相反する。それゆえ、近親婚に関する規定を解釈する際には、近親婚禁止の優生学的配慮や社会倫理的観点と、婚姻自由・配偶者選択自由の要請のいずれをより優先すべきかが問われる。近親婚禁止の範囲自体を、社会の変遷に応じて見直すことも必要であろう。
なお、準婚理論との関係では、おじと姪の内縁関係について遺族厚生年金の支給を受けうる配偶者に当たるとされた例がある(最判H19.3.8民集61-2-518)。おじ・姪婚を認める地域慣習等が考慮されている。
大まかにいうと、重婚についてはあまり議論は活発でなく、近親婚についてはなるべく認める方向で議論が進んでいる印象である。
なお、民法では条文の立場が明確でありこれと異なる立場は条文の違憲無効を前提とするから、民法学よりもむしろ憲法学の領域かもしれない。増田は憲法学説の議論には疎いので(憲法論が関わる書面は数年に1度書くかどうかというレベル)、重婚禁止や近親婚禁止について憲法学説がどう言っているかは知らない。
北海道で観覧船が沈んだ件で、遺体が見つからんかったら7年間は保険が下りなかったりするのかな?
と思って調べてみたんだけど、これって2パターンあるっぽいんよね。
2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。
船舶が沈んだ時に船内にいた人間の生死がわからない場合は1年で死亡扱いになる。
ちなみに『前項』っていうのは生死不明の人間は7年で死亡扱いにできるという項。
水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
戸籍法第89条に基づいて自然災害で生死が不明(だけどほぼ死亡が確実な場合)各官庁は該当者の死亡を認定することができる。各官庁が探索をおおよそ終えて、見つからなかったけどこれで打ち切りですとした時点で認定される。
遅くてもだいたい3か月くらいで認定されるっぽい。
大震災なんかの場合はこっちで死亡認定されることが多いらしい。
東日本大震災のときはもっと簡易な超法規的措置がとられたとのこと。
色々見てみるとどちらが採用されるかは「どれくらい死亡が確定的か」で変わるらしい。
多分今回の場合は、発見された人がほぼ全員死んでいるので見つかってない場合も認定死亡が採用される。
後者の認定死亡の場合は「生存が証明された」時点で死亡認定を取り消すことができるが、
前者の失踪宣告の場合は「生存が証明された」としても裁判所で「失踪宣告の取消し」を行って
ちなみに、死亡が取り消された場合、死亡したことによる相続や離婚は取り消される。
失踪宣告は、利害関係人からの請求が必要だし、7年間生死不明になるということは、住民票はじめとして行政的なサービスも受けられなくなる。
就職その他も難しくなるだろうし、見つかれば取り消される。いいことは何もないと思うし、よほど世捨て人みたいにならないと不可能かと思う。
増田が成人しているのであれば、単純に連絡を絶てばいいだけではないかな。
自分の子どもだろうと、成人を強制的に連れ戻したりする方法はないわけだし。
万が一未成年なら学校とか信頼できる大人を何とか探して相談してみるべき。
子どもシェルターとか、児童福祉司とかもあり得る。肩書ない変な人は頼らないことだけ気を付けて。
こういうご時世なので、孤立してしまわないかが心配だが、家に残るのも逃げ場がなくダメージが積み重なりそうなので、うまく離れられる手段が見つかることを祈っている。
失踪宣告を成立させるのに警察の協力がいるのはわかるのですが、
成立した後も捜査もしくは監視は続けられるのか?が疑問なわけです
ここで回答が得られると思ってるわけではないですが
あれ、警察が動いている前提なのですね
失踪宣告届はどうにかして受理されて、無事に戸籍が抹消された前提で考えてました
失踪した人間の口座を警察が監視してるもんなんでしょうか?警察が暇ならたまにチェックするのかも知れませんが…
死亡した人名義の口座を遺族がそのまま使用しているケースも考えられるため(口座名義人の死亡を銀行に届け出なかったとしても罰則はないようです)、即犯罪とは結びつかないのではないでしょうか?
確定申告スレで戸籍上死んだことにしとけば税金払わなくてもバレなくなる?って話が出て考えてみた。
死亡診断書の偽造は難しそうなので行方不明ということにして失踪宣告届ならワンチャンありか?誰か身内に出してもらうか、他人に金払って出してもらうか。
死んだことになると住民票等が必要な手続はできなくなるが、それで困る事って何だ?ここ数年必要になった記憶がない。
借金や賃貸は新たにできないだろうが既に借りてる家や電気の契約はどうなるんだ?黙って払ってれば怪しまれることはなさそう。住む所は最悪理解者(共犯者)がいれば居候で何とかなるだろう。
社会保険に紐付くようなまともな企業とか商店で働くことはできないだろうが、転売屋とかフリーランスの技術者とかの野良の仕事をして、生活費がなんとかなれば生きてはいけるんではないか。
免許も有効期限までは使えるのかな。更新はできないだろうけど似ている人がしれっと更新に行ったらどうなるんだろうか。我が国の公的システムのお粗末さを考えるとチェックがザルでできてしまう可能性もある。
医療を受けたい場合は、事情をでっち上げて全額自己負担すれば診てくれる病院はあるだろう。同じ所に通い続けると嘘ばれそうだから、毎回変える必要はあるだろうが。
とにかく公的サービスを一切受けずに、誰かに匿われてひっそり暮らすことは可能そうな気がするのだが、所詮素人の想像なので見落としてる点があれば教えて欲しい。
精神的に安定してる人と結婚したつもりで、後から「その人はまだ人生で不安定になる辛いことがなかっただけ」とわかり、人生初の苦境で発狂する相手を前に途方に暮れる結末はよくあります。— トイアンナ (@10anj10) June 15, 2020
トイアンナ氏のこの発言を読んで、癌で死んだ母のことを思い出した。
母はめちゃくちゃ精神が安定していた。どんなことがあっても落ち着きはらっていた。
死に至る病を宣告された日の日記は、「わたしはがんだそうだ。いやだなあ」この一言で終わり。
中卒で本といえば料理と裁縫くらいしか読まない母の語彙力では書き表せない思いもあったのだろうが、
しかし私の記憶の中にある母は笑顔でいるかそうでなければ私を叱っていて、
彼女の死ぬ直前の時期の記憶もあるのだが、まったく普段通りだった。
死ぬ前日も三食母の手料理を食べて、翌朝は母が医者に行くということで父方の祖母に預けられ、その日の夜に母は亡くなった。
死ぬ前に父に家事を仕込み、緊急時の私の預け先を決め、その後の生活のめどを立てて私の小学校の転入手続きまでして、立つ鳥跡をきれいに掃除していった母だった。まじスゴ過ぎ。
父と結婚して専業主婦におさまるまでの母はたいへんな人生を歩んでいた。
ギャンブラーだった祖父は母が小学生のころに死んだ。田舎の地主の娘である祖母はなんと戦前にピアノを習っていたというお嬢様(これはめちゃめちゃスゴいことらしい。父方の祖母が「ピアノを習っていたほどのお嬢様なのに苦労して……」とよく言っていた)で、お嬢様が男っぷりのいいろくでなしに騙されて結婚しちゃうというまあありがちな展開で祖父と結婚し、赤貧を洗いまくっていた。
生活力のないお嬢様の祖母は夫を亡くしてもちろん実家に泣きついたのだが、親類は祖母を見捨てた。民生(地元の高齢者はなぜか生活保護のことをこう呼ぶ。)を受けたりしながら、子どもを連れて他人の家に下宿して(当時は珍しくなかったようだ)祖母は働き、のちには家も手に入れた。
そんな生活の中、母は弟の面倒を見ながら成長し、高校進学をあきらめてデパートに就職。二人の稼ぎで弟は高校も出たのだが学業は伸びず就職もうまくいかなかったようで、土方の仕事をしているときに早く結婚。その奥さんがよろしくなく、母と祖母が暮らす家に転がり込んできて暴力によってその家を奪ってしまって母たちは再びの根無し草に。手塩にかけて育てた弟は奥さんの横暴についていけず失踪してしまったので、祖母と母の家は奥さんと子どもと奥さんの彼氏が住んでいるという謎の状況に。(ちなみにこの辺の後処理は後に私と私の父でやった。大変でした。なお叔父は見つかっておりません。失踪宣告出すと取り下げられるので生きてるのだけはわかっている。)しかも借金も背負わされたそうだ。
再びアパートを借りるなどして暮らしていたところで父と結婚し、借金を父が返し、専業主婦におさまった。父も高卒で決して高給取りではなかったが、節約家の働き者だし子供(私だ)も生まれてなかなか幸せな時間だったのではないだろうか。
しかしそれも数年で死の宣告を受けることになる。つらっ。
母なし子とはいえ何不自由なく育った健康優良児の私には大変な人生に思えるのだが、戦後の時代にはそこまで珍しいレベルの苦労でもなかったのだろう。この辺の苦労を母から聞いたことは一切ないし、父も祖母もたいして話さない。雑談の折節に断片的に出てくるエピソードをつなげたのが上記の話だ。さらっと書けばこんな風にまとまってしまうが、想像を絶する暴力と非論理の世界。
母の不在をふたりの祖母が埋めてくれた私は、昔から老人会に入り浸っていて高齢者の話を聞くのが好きなのだが、昔の世界ってものすごく非論理的だったんだなと思う。財産を奪われる、暴力を振るわれる、異性に騙される、病気は治らない、宗教に騙される、親類に奴隷扱いされる……「え、なんでそんな矛盾した行動が許されるの?」よりも、「なんでそんな矛盾した行動を受け入れてしまったの?」という疑問が湧いてくることが多い。警察に行かないの?弁護士を立てないの?それってただのレイプだよ?それってただの詐欺だよ?そんな出来事が、「あんなこともあったわね~」「若かったんだな~」で済まされる。
自分の境遇に逆らわずに受け入れるこうした態度も、トイアンナ氏が冒頭のツイートのフォローとしていう「自分の機嫌の取り方を自分で知っている人」の強烈な一形態だと思う。
不遇と戦うことよりも、受け入れることのほうが心は波立たない。詐欺を訴えることよりも、被害を受け入れて、こつこつ働いてもう一度お金を貯めるほうがわかりやすくて楽だ。
母が落ち着き払っていられたのは、お年寄りたちが落ち着き払っていられるのは、苦境を経験して、人生に期待していないからなのだと思う。失ってもなんとも思わない。最初からないのだから。
母が死んだとき、父は火葬される母を待つときに少しだけ泣いて、後は何も言わなかった。
今になってときどき、母の思い出をぽつぽつ話したりする。
思ったことを書いただけなので、何がいいとか悪いとかの意見は特にないのですが、
ただ、花柄のデザインの古びた母の日記と、母の丸っこい字で漢字の少ない文章を思い出して、
生きるって大変で正解がないなあ~~~。と思った。という、日記です。
うちのパッパが樹海のもくずとなってから(※見つかってない)、晴れて(?)7年たったから失踪宣告受けとこうかなって思ったんだけど
必要書類を改めて確認したら戸籍謄本とか附票とか必要って書いてあるやんけー
おいおい、パッパの本籍地とかもうわかんないんですけど?
借金の心配あるから相続放棄しときたかったんだけど、この7年その関係の音沙汰はなかった。
パッパには悪いけど戸籍上は存在し続ける状態で放置してもいいかな?
正直行政書士さんとかに頼んでまで手続きする気はないんじゃー!
きっと同様の理由で放置され、戸籍上は存在してる人って結構いるんじゃないかな!?
だって役所の人に聞いても、本籍地があらかじめ分からない人については確かめようがないって言ってたもん!
一瞬そんなわけあるか!?って思ったんだけど、本職の人が言ってたからね!
7年7年と思って指折り数えてきたわけだけど、
パッパはオレの中ではもう死んでるから、それでいいよな!
bye-bye、パッパ!!