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はてなキーワード: 親友とは

2019-12-27

死にたい夜に

「一緒にいると自分のことを嫌いになる人とは一緒にいない方がいい」

こんな言葉を聞いたことがある。

でも実際にそれをできる人なんて一握りではないか

少なくとも、私はこの言葉通りにしたら一人ぼっちになってしまう。

いつも邪険にされる。

私の予定は後回し。

居てもいなくてもどっちでもいい。

私が集まろうと声をかけたのに、気づいたら私の都合の悪い日に日程が決まっていた。

悪びれる様子もない。

いつものことだ。

その程度の存在なのだ

自分存在価値の無さをつきつけられてたけど芸人マジ歌選手権見てたらどうでもよくなってきた

適当な扱われ方する人とはひとりぼっちになっても関わらないで新しい人間関係を作ればいいのか?

新しい人間関係簡単に作れるような人間だったらこんなに悩んでないよなあ

親友!とかなんでも言い合える友達とか何をどうしたらできるの?

もうアラサーなのにこんな10代みたいなことで悩んで泣いたりしてるの虚しい

肌が激弱で涙が流れると肌荒れるから

タオルでぬぐってる

そんなアラサー知識はあるのに…

自分らしく生きていたら友達が0になった

深い人間関係は最終的に破滅しかないんだと思う。

半年ほど前に毎日連絡を取り合って本音で話し合えるくらいの仲だった親友と縁を切った。マウンティング応酬になってうんざりして以降連絡は取ってない。そしてつい先日も全く同じことが起きた。

元々友人関係は狭く深くだったので友達は数えるくらいしかいない。本当に0になってしまったんだなと痛感した。

自己中心的なのかもしれないが、本音で付き合える人間関係がいいと思っていた。でも、深く付き合おうとすればするほど相手を傷付けてしまうことに気付いて、それならいっそのこと友達なんて持たないほうがいいのではないかと思うようになった。

今悲しく感じないということはそれまでの人間関係だったのか、それとも私が孤独に向いている人ということなのだろうか。

2019-12-24

anond:20191224120101

親友のじゃなければ行きたくない

少し仲のいい「友達」だったら絶対行きたくない

3万円と、結婚式の準備とか、司会やら出し物やら

何かしらあるだろうし。

家でのんびりしたいという自分本位な考えと天秤にかけたら

親友以外は行かない一択

2019-12-22

anond:20191222232606

こちらは地元の先輩女性やお友達多数で、相手はいつもぼっちオフで3,4回顔合わせした程度。)

自称増田さんと大の仲良し」と言いふらされ、私の友人にグイグイ近づいて、

顰蹙片棒を担がされるところだった「まるで親友みたいなふるまいの女性」話もあります

リア友「え?すっごいなかよしだって彼女言ってたので、増田さんの友達からと思って我慢してたのに!」

と言われて泣きそうになったことあり。怖かった。

2019-12-21

anond:20191220222318

名前の出てるピーナッツスヌーピー)、俺も小1のときから読んでたし実際お勧めしても全然いい作品だと思うが、ただ実はあれってものすごいネガティブの塊でむしろ大人お勧めなんだよね。

この先何千回もひとりぼっちで昼食をとる恐怖や、

明日が来る恐ろしさで眠れなくなる主人公しょっちゅう描かれたりと、強烈な厭世観が基本にある漫画

から大人が読んでも面白い

日本ではサンリオ的な消費のされ方をしてるけど、ピーナッツ本質的な暗さはマイメロなんかの「なんちゃって毒気」の比じゃない。

他人を妬むような悪意じゃなくて、憧れるしかない無力感というか。

チャーリー・ブラウンなんて人物紹介が「友達が一人もいなくてひとりぼっち主人公」とか書かれてるし(ライナスやシュローダー立場は!)、スヌーピーは彼の名前すら知らないし覚えようともしない。

ルーシーや妹にも舐められバカにされるし、その妹は妹で友達ができずに学校の壁と話をしてて「キ印」扱いされてる。

登場人物がやたらと非動物(木とか学校の壁とかテキサスサボテンとか)を親友扱いしてるあたりも闇の深さがうかがえると思う。

人間同士ですらうまく関係が築けてないのだから、当然人間動物の間でコミュニケーションが成立するわけがないという世界観も最高。

素晴らしい漫画です。

anond:20191221172009

まじか!!!

忘年会こいよーって言われたのすげー嬉しかった、おれ40歳にして親友ゲットしてることに感動してる!!!

何事にもかえがたいぜ!!!

2019-12-20

anond:20191219225748

>>人と深い付き合いの経験がないだけではないか

一応深い付き合いはあると思うよ。俺のこと親友だと思ってくれている人もいるし、慕ってくれる後輩や可愛がってくれる目上の方も少なから存在する。問題なのは、そんな人達との関係の中でも常に気を遣いまくって内心落着かなかったり、本心を打ち明けられなかったりしているとこなんだよな。明らかにこちら側の問題

>>誰だって浮き沈みはある。人付き合いで疲れない人はいないし、仕事嫌な人はほとんどだし、家から出たくないと思う人も一杯いるし、やりたいことある人の方が少ない。

今まで普通に行けていた仕事に行けなくなるばかりか、一定期間家からほぼ出なくなる。定期的に音信不通状態突入する。自分意思が働く働かない以前に、頭が働かなくなって体がとんでもなく重たくなって...。さすがに定期的にそういうことがあって社会生活に支障をきたす様を目の当たりにすると自分キ○ガイなんじゃねえかって疑いたくならない?

自分情緒とか気分の浮き沈みにブンブン振り回されまくってもう疲れたよ...。

2019-12-19

原作夫婦恋人関係キャラが好きな奴が文句言うのはわかるが

それ以外のBLGLもか)好きな奴がいわゆる顔カプに文句付けてんの意味分からん

どう考えても同じ穴の狢だろ

親友関係ライバル敵同士の関係勝手に誤解釈して同性引っ付けてる行為もお前らの嫌いな顔カプとそうかわんねーし不快だよ

2019-12-18

これはやりがい搾取なのか

愚痴らせて欲しい。

私はオタクだ。

日々推しCP小説を細々と書き、時折イベントに出て細々と本を頒布しているどこにでもいるオタクだ。

文字書きということでお察しの通り、オフ本の表紙やお品書きやポスターは全てPhotoshop自分デザインして作っている。単純に素材をあれやこれやと配置して、写真を加工したりフリーフォントを使ったり、これまたどこにでもいるオフ本の作品だ。

私には、リアルでAちゃんという友達がいる。

彼女オタクとは全く無関係世界にいて、なんならここ数年ハンドメイドアクセサリーを作ってminneやメルカリ販売したり、フリーマーケット?的な、なんたらマルシェなどのイベントに出て販売している。同じようなことをしているが、私とは天と地、陰と陽の趣味だ。

Aちゃんは私がオタクということは知っていても、まさか現実存在しない二次元少年たちの妄想号泣しながら小説を書き、それを本にして東京で売っていることなど知る由もない。それでも私たちは仲が良い。親友だ。

ある時、Aちゃん地元ハンドメイドマルシェなるもの主催することになった。彼女学生の頃からそういった企画が大得意だった。張り切ってAちゃんは準備をしていて、そして気付いた。

フライヤーがクソダサかった。

びっくりした。

インスタのストーリーズで見たアクセサリー写真ゴシック体を重ねた読みにくいものまさか配るために作られたものとは思わなかった。しかもAちゃんはそれを印刷所に入稿すると言っていた。え、待ってAちゃん、それ何枚刷るの?え、それインスタのストーリーズで作ったんだよね?そのまま入稿するの?解像度は?Aちゃん

私はそのまま、自分が作ると言ってしまった。

このマルシェは、Aちゃんの夢の始まりだった。

彼女は将来、雑貨屋を開くことを夢見ている。地元におしゃれなハンドメイド雑貨店を作り、沢山マルシェを開いて辺鄙田舎におしゃれなママさんを増やすことが夢だった。

そんな夢の始まりフライヤーゴシック体で描かれていい筈が無い。

私に出来ることと言っても手持ちの素材集から切り貼りして少し文章を整える程度だが、それでもある程度はマシなものが出来た。私が何故そんなスキルがあるのかとAちゃんは聞いてきたが、こういう仕事に興味があって、とだけ伝えた。

そして出来たものは、マルシェ会場になる施設写真(使用許可済)(ド曇りの天気を晴天に変えて緑色を明るくしてピクニック感を出した)に、マルシェ名のロゴを入れたシンプルものだった。

裏面には出店者情報も載せて、いざ入稿……と思ったが。

入稿すると言っていた日の夕方、Aちゃんから急に連絡がきた。

『出店者さんの一人が、内容修正して欲しいって連絡が来た』

私は入稿日の三日前にはデータを渡していた。その時点で一度確認して貰った筈なのに、何故入稿日に言うのか。

だが、修正くらいなら秒で出来るのでとりあえずすぐに直して再データを送った。入稿締め切りは23時だと言っていたが、その時点で18時。余裕だと思った。

しかし、待てど暮らせど入稿したという連絡が来ない。

Aちゃんにどうなったのか確認すると

『返事がない』

この時点で22時前だった。

小さいお子さんがいる人だから寝てしまたかも。

でもAちゃん、私がデータ送ったの18時じゃなかった?

最悪明日入稿でも良いし。

Aちゃん、私はね、締め切りを守るために予定をキャンセルした日があったよ。

予定では一ヶ月後だったのに、君が突然週明けには入稿したいって言い出したから、慌てて作ったよ。

それから二日後に、入稿したという連絡が来た。

Aちゃんからはお礼に、ハンドメイドアクセサリーを一つ貰った。

そして、そのイベント大成功したAちゃんはまた私にフライヤーを作って欲しいとお願いしてきた。

前回のフライヤーが大好評だったから是非またお願いと言われた。前回は初めてということもあり、私もなぁなぁにしていた部分があったから締め切りのことはかなりしっかり決めた。

今度のイベントクリスマスの夜をテーマにしたいけど、同じ施設でやるから同じようなデザインでやって欲しいと言われた。

前回は秋のピクニックイメージしたので、ならば今回は青っぽい色味でロゴも少し変えようと思って、簡単に作ったデータを送った。

返ってきたのは、前回と同じようにしてという言葉だった。

写真は同じものを使った。色味を変えてクリスマスの夜っぽくしたがダメなのか。

前回のフライヤーが好きだから前回のやつが良い。

でも前回のは明るすぎてクリスマスの夜感は0だよ。

それでも前回のやつが可愛かったからそっちが良

い。

そうだ、この子センスが無いんだった。

とりあえず、他の人に聞いてみてと返事をした翌日に、やっぱり青い方でお願いと返ってきた。そりゃそうだ。

私はこの辺りから少しAちゃんフライヤーを作ることに嫌気が差していた。

この後も三回ほど作ったが、ネットで見た『デザイナーあるある』が本当にあるあるだったと頷いてしまうようなことが山ほど起こってちょっと笑った。

はいよいよ決心してLINEを送った。

仕事が忙しくなるから、次のフライヤー最後にしたい』

これがついこの間のことだ。

私がAちゃんフライヤーを作って一年、作ったデザインは五つ。その全てが打ち合わせ通りに進んだことは無かった(割愛します)

次のフライヤーは、最初マルシェをした施設とまた同じものだ。だが、今回は別のイベントも同時開催でもっと大きなものになるというのは前から聞いていた。

そして一昨日、連絡が来た。

縁のある方にDMを送るから、今週末までにデータが欲しい。

まだ一度も打ち合わせをしていない。

イベント3月で、成人式あたりにフライヤーを配布したいという話だったからだ。

そして今日、また連絡がきた。

私が作ったフライヤーが、新聞の折り込み広告になる。

入れて欲しい文章が増えた。

サイズも変えて欲しい。

何もかも変わっても、締め切りは変わらない。

誤解なきように言うと、私はAちゃんのことは今でも大好きで親友だと思っている。今回の件で距離を置こうなどとは微塵も思っていない。

これが、一般人の認識なんだと勉強になった。

今の時代スマホがあればフライヤーデザインを作ることなんて簡単だ。スマホ写真を撮って、アプリ切り貼りして文字を入れれば完成する。

誰にでも出来るそれを、自らやりたいと申し出た私はきっと『それをやることが好きな人なんだ』。

見易さやターゲット層の視点なんて関係ない、パパパッと作れるものだ。

だって自分からやりたいと言ったのだから

最初に言った通り、私はオタクだ。

アンソロジー個人主催プチオンリーに参加した経験がある。

オタク殆どは、書き手に対して物凄い敬意を示す。それは自分もまた同じように苦戦した戦士からだ。絵描きが字書きを、字書きがグッズサークルを、グッズサークルデザイナー否定するなんてことは、私がいるジャンルではあり得ない。

だが、一般人の認識はそうではない。

自分は作れない。でも、あの人は作れる。じゃあお願いしよう。きっと作ることが上手なんだから、パパッと簡単にやってくれるわと、その程度だ。

今回、はてなダイアリーに書こうと思ったのは、職場でこの話をしたところ『でも貴方は好きでやったんでしょう?』と全会一致の意見を貰ったからだ。なんなら、これだけ愚痴って『ウチの年賀状もお願い(笑)』と言われて、この世界ダメだと絶望した。Twitter日常愚痴はあまり言いたくないため、ここに吐き出させてもらった。

もしもいつか、貴方仕事ではないプライベートの場面で似たような経験をすることになった場合、その時は辞めた方が良い。

私は『これ以上続けたらAちゃんとの友情ダメになる』と思ったから自ら辞めると言った。

やりたい、という気持ちを踏みにじられてしまう前に。

2019-12-17

クソみたいな妄想

誰に言うことでもないし、誰にも言わないほうがいいことだとわかってるから匿名で私のことを知らないここで言わせてくれ

あの人とあの子が付き合ったらいいのに

ネットストーカーして、基本人とわいわいはしないあの人はネットですごく仲良くしている子がいる

アイコンでは男か女か判別できなかったし、口調もどちらとも取れる口調だ。基本言い切り口調で男っぽいが節々に女っぽさがあると思い、過去ログをあさってしまった。ら、女の子だった。かれしほしい。と言っていた。まさか男だったら多分言わないだろう

なるほど、女の子女の子でその子の家にあの人が来るほど仲いいのかー、そして開発気質なところはとっても二人似ている

とてもお似合いだと思ったから付き合えばいいのに、と思った

あの人だって彼女ほしいって言ってたし

ていうか、見る限り、あの人は決定的な行動ができないだけなんだと思う。どこか行動をするきっかけがからないというか。めっちゃ仲いい親友なんだろうなと思った

すごく自然だなあと思った。仲良くなってから男女関係になるというのは。

対して中身も知らずすぐ好きになって意識してしまわたしとは大違い

とても憧れた。でもわたしはそんな性格ではない。開発気質でもない、プライベートは寝てるし遊びにいく。

なんで、あの人と合わないってのは重々わかっているのになぜ憧れてしまうのか

もし頑張ってどうにかなったとして自然幸せ?になる想像はできない。

じゃあなんなのか。追っていたいだけか。

一旦は忘れたと思っていたのに、しはらく見ていなかったSNSをチェックしただけでこれかよ、アホらしい。一体なにがしたいんだろう。しにたい。

解脱なのか

だいたい人を嫌いになったり悪口いったりすることは「悪」とされていて、だから自分理由もなしにそういう感情を持ってるというのがあまり気分よくないんだよね。だから「嫌い!」って公然と言える理由を探すんだよな。要は「あの人は〇〇だから嫌い。〇〇であれば嫌うのもしょうがない」って思いたいわけ。

悪口陰口も「あの人に腹が立つのは私だけじゃないよな?私は悪いやつじゃないよな?」というのを確かめたいゆえ起こるというのも大きそう。というか、自分を顧みるとそういうところがあると思った。

とはいえ「でも〇〇な人なんてさすがに嫌じゃない?9割は嫌われる行為じゃない?これで嫌いっていったらだめなんてつらい」というのも物凄くわかる。

  • 〇 → 〇〇な人を嫌いと思うこと
  • △ → 〇〇な人を嫌いだということを共通の知人と話すことで発散する
  • × → 〇〇な人は嫌いだからハブにしよう、いじめよう、などという行為

でも、△の時点で×はほとんど成立してるに等しい…というか△の規模が大きくなるとほぼ×なんだよな。

かといって△な行為したことがない人はいるのだろうか。〇でとどめるのは、正直常人にはなかなか難しい。少なくとも家族親友恋人なんかには小さな△をやっちゃうことがあると思う。

まあつまり、〇でとどめようという気持ちを持つことが大切なのかな。出来れば〇な気持を消し去るのが解脱なのか。

2019-12-14

青のフラッグ7巻

‪青のフラッグさ、読んでるとすごーく苦しくて、いろんな感情が爆発しちゃうわけでさ。

はてなとかTwitterジェンダーについて過激的に書く人いるけど、結局隣の畑の人たちからの話なわけで。

自分勝手なことほんと言うよねってわけで。

僕が苦しんでた10代が言語化されて、よけいにフラッシュバックちゃうわけで。

親友と呼べる人たちにこの感情を話したいなって思うけど、その親友たちは震災津波で死んじゃったりさ、自殺しちゃったりさ、いろんなのが押し寄せてくるんだよね。

親友たち生きてたら、この話できたなぁとか。

もうすぐ9年か〜実感ないなぁ。‬

こんなのTwitterにも書けないし、はてながあってほんとによかったなぁ。ありがとう

anond:20191210171417

たださみしいだけでは。親友を作るとか

そんなことだろうと思った

うまくいかなかったり、失敗した話すると「そんなことだろうと思った」って言う友人にめっちゃ腹たってしま

失敗したエピソード話す俺も悪いんやけど

でも、新しいこと始めた、みたいな前向きな話しても、「おまえの事やし、どうせ続かんやろ」みたいなこと言ってきて腹立つ

毎回、おれが上手く行かん事を期待しているように見えて、俺は話す度に腹立つ

後、自分のうまく言った話する時、「〇〇(俺の名前)が傷つかんように今まで黙ってた」みたいな前置きされるのも腹立つ

なんで嫉妬深い奴みたいな扱いなってんの?

大してうらやましくないし、普通に言えや、ってなる

ただ向こうは親友ヅラしてるから、なんだか複雑な気持ち

2019-12-13

anond:20191213150937

ただの女の子より、中身男の女の子と仲良くしたいんだぞ

もっと言うなら安いファミレスでだらだらバカ話して家でゲームして騒いで気を使わなくていいあけすけな友達

そんな最高の親友かわいい女の子セックスまで出来たら究極じゃない? って話だよ

https://tonarinoyj.jp/episode/13932016480029095215

2019-12-12

出会い系アプリ友達を失った話

私の高校時代から友達に、とても美人女の子がいた。

華奢で、シンプルニットタイトスカート高校のうちから着こなして、大学では大学院まで行って英語を学んで海外仕事をしたいと語る、耳で綺麗に揃えられたショートヘアの彼女は、私の自慢の友人だった。

高校卒業して大学に入っても、彼女とは頻繁に連絡を取り合っていたし、お酒を飲めるようになってから月に一度は私たちには少し敷居の高いお洒落なお店で近況報告をした。ふたりで丸一日ディズニーランドで過ごすことなんて何度もあったし、初めての海外旅行は彼女とだった。つまり、かなり仲が良い女友達だったのだ。

彼女はあまり男運が良くなかった。

本気で好きになった人に秒でやり捨てされた大学1年の夏、男がダメなら女と付き合うことにしたと言っていた(私はその日初めて彼女バイだったことを知った)翌月、親のために結婚をしたいと言われ振られたと泣いていた2年の春。

もはや自暴自棄になった彼女が手を出したのは出会い系アプリだった。

そこで出会った10個上の男性は、彼女曰く「完璧な人」だったらしく、彼女はわかりやすくそ男性にのめり込んでいったし、あっという間に付き合うことになった。

それはおめでたい飲み会を取り付け、肉を焼きながら話を聞くのだが何かがおかしい。

「彼は社長らしくて、忙しいから月に一回会えるかどうか」

「家が2つあるらしくて、ひとつの家にはお邪魔させてもらったけどもう一つの家には社員さんとルームシェアしてるから行けない」

「付き合って3ヶ月経つけど、未だにおうちデート以外したことがないし、写真も撮らないでねって言われてる。そういえば苗字も知らない」

「あと、完璧主義で私にもそれを要求してくるんだけど、それは全部私のためになることなだって。」

………いやいやいや。いやいやいやいやいや。

どう考えてもおかしい。麻雀のことはよくわからないけど、「役満」ってたぶんこういうことだろう。ダメ役満。どう考えても奥さんか、それか本命の女と一緒に住んでるオチだろうし、完全に遊び相手にされてるだろ。喉まででかかった言葉を飲み込んで、

ちょっとモラハラ気味じゃない?大丈夫かなあ」

と一番突っ込みやすそうな部分を笑い混じりで指摘してみたところ、彼女の顔色が変わった。

「でもね、彼と私は、今のままの私じゃ釣り合わないんだって。だから彼は強く言ってくれるし、私が気づかないような部分まで指摘してくれるの。伝えてくれたところを頑張って直すと、自分がとてもいい女になった気がするの」

「それよりね、こないだ彼と〜」

あれ、彼女、こんな子だったっけ?

最初に抱いた違和感はそこだった。一瞬言葉に詰まったのを覚えている。

無我夢中で彼の「いいところ」を並べ立てる彼女は、可愛らしいというより少し不気味だった。

そんな別人のような友達と喋ることが辛くなり、その日は早めにお開きにした。

それからは恋は盲目、あばたもえくぼ、そんな自分に気づかない彼女は周りを蹴散らしてどんどん彼に猪突猛進。そんな状態が続いた。

「ベッドに長い髪の毛が落ちていた。でも大丈夫。私は彼を信じているから。」

「彼の通知画面に出会い系アプリの通知があった。でも大丈夫。私は最後には幸せになるから。」

「彼には何年も付き合っている彼女がいて、その人と同棲していた。でも大丈夫。私が一番愛されているから」

私はそのたび彼の矛盾している部分を何度も何度も指摘したが、私の言葉彼女には何も届いていないようだった。

友達出会い系アプリで彼と出会ってから、もう一年半が経とうとしていた。

私は就活をしながら、めっきり会う頻度が減った彼女の裏アカウントツイートを眺めていた。いつのまにかラインもしなくなった私たちが、お互いの近況を知るためのツールツイッターインスタグラムだけだった。

基本的には、彼のどんなところが好きだとか、自分には何が足りないのかとか、そんなことを綴っていた裏アカウントに、衝撃の言葉が綴られていた。

「彼の会社就職することにした♡面白そうだし、楽しみだなあ。」

頭がくらくらした。たしか、彼の会社ベンチャー企業で少なくとも海外で働けるような環境ではない。

いやお前、、、あのさあ、、、

海外で働く夢は?進学予定だった大学院は?その夢を応援してくれていたご両親は、、??

もう、私が知っている彼女はどこにもいないのだとその時痛いほど突きつけられた。私が大好きだった彼女は、出会い系出会った32歳の男性によって全て塗り替えられて、まったくの別人になってしまったのだ。

大体、出会い系20歳女の子を引っ掛けて会社にまで入れちゃう30代社長って何?最初から最後まで地雷物件じゃねえか。

まあ、幸せならそれでいいのかな。話のネタにもなるし。

そんな気持ちで裏アカウントフォローも外さず、監視を続けていくと、彼女の様子はどんどんおかしくなっていった。

仕事が辛い。けど、頑張らなきゃ。」「大学辞めたい。仕事に集中したい。」「仕事に集中したいのにゼミの人たちが邪魔をしてくる。」

「闘っていかなきゃ。仕事を楽しまなきゃ。」

「こんなの、やりたい仕事じゃない。」

このままだと、大学中退就活経験フリータープライドけが高いバケモノが出来上がってしまうのかな。でもまあしょうがいか。もはやエンターテインメントひとつとしてしか彼女を見ていなかったが、それも長くは続かなかった。

彼女が裏アカウントを消してしまったのだ。理由は確か、仕事愚痴をここに吐いてしまって甘えてしまうとかだった気がする。

これで完全に彼女との深い友人としてのつながりは切れてしまったと思った。あとはうわべだけのインスタグラムしか残っていない。インスタグラムストーリーで、彼がついに本命女と別れて、彼女ちゃんとした同棲を始めたことを知った。(ふつうにすごい。健気さと執念と若さ勝利だと思った。)(本命女は30前半だったらしい。)

ただ、すでに私の中で、心からおめでとうと言える段階ではなかった。

私は大好きだった友人が変わっていくのが悲しかったのかもしれない。私の話も聞かずに彼のことばかりを上の空で話し続ける彼女から目を逸らしたくて、連絡する頻度も少なくなっていったのかもしれない。ただ、今となってはそんなことはどうでも良くて、彼女は私にとって「どこからどうみても地雷の男に溺れて忠告も聞かず自分との友情を切った女」でしかなかった。そんな女を今でも大好きな親友♡と思えるほど、私はお人好しではない。

彼女同棲を始めて少し経った時くらいだろうか、彼女から急にインスタグラムDMが来た。(驚きすぎて、その日の夜は彼女と彼と私の3人で遊ぶ夢を見た。悪夢だった。)

2日間ほどぽつぽつとやりとりをしていると、送られてきたのは「彼が浮気していて辛い。自分の思い描いてた幸せはこんなものじゃなかったのかもしれない」というメッセージだった。

「今更気づいたのか」以外の感情が沸かなかった。ていうか彼との関係不安定になってきたから私に擦り寄っているようにしか見えないんですけど…。

私たちってまだ友達なのかな。私がもっと優しい人だったら、今でもあなたの悩みに寄り添えるのかなあ。そう思いながら、興味本位で話を聞き続けた。彼女はいつのまにかポエマー気質になっていて、文章はとても読みづらかった。(彼も清水翔太の書く歌詞のようなLINEをすると話していたことを思い出した。)

ついきのう、彼にもう無理かと思ってると言われた、辛いけど離れようと思うと彼女から連絡が来た。これを伝えるためにライン1スクロール分くらい使って送ってきた。

ねえ、もう大学四年生の冬になるよ。失ったのは、たぶん彼に費やした時間だけじゃないんじゃないかな。学校での信頼とか、ご両親の信頼とか、私との友情とか。あなたはこれから、どうやって過ごしていくの?

あ、お願いだから、私にだけは頼ってこないでね。

そんなふうに思いながら自分の心の整理のためにメモ帳アプリに書き起こしてみたら、想像以上に大長編になってしまった。とりあえず残しておこうと思う。

後日談

結局彼女はのこのこ彼と復縁をして、また頑張ってみると抜かしやがった。2時間電話して別れたのは正解だったよとテープレコーダーのように繰り返し声をかけ続けた私の虚しさを返してほしい。

怒り半分、悲しさ半分。気付いたら「なんでもいいけど彼の言うことしか聞けないならもう私に連絡してこないでね」とラインしていた。完全に友達を失ってしまった瞬間だった。

こんな私が友達で本当にごめんね、彼とお幸せに。

親友一人称が「僕」なのが凄くたまに気になる

お互い既婚のアラサー女なんだけれど

親友一人称が「僕」なのだ

私の一人称は、「私」だ。

普段一人称をいう事はない。

時々、急に「僕」といわれると

何故か過剰反応してしまう。

「僕ってw」とか言ったりするわけでもなく、彼女自身に合っている一人称だと思うし

自分名前呼びしている訳では無いし良いと思うんだけれど

何故か、ピクッと反応してしまう。違和感があるというか何と言えばいいのだろうか。

自分の中で一人称が「私」だと決まっているからだろうか。

「僕」だろうと「俺」だろうと「わい」だろうと「増田」だろうと

他人自分自身をどう表そうがどうでも良いはずなのだ

ネット上だと全く気にならないのに、何故リアルだと気になるんだろう。

なんで引っかかるんだろう。

自分の声で再生される」のは許せて

他人の声で再生される」のが許せないんだろうか。うーん、わからない。

https://anond.hatelabo.jp/20191210171417

(こういう意見ももう出てるかもだけど…

まずは異性の友だちを作るようにしてほしい。

女性セックスできる相手」としてしか見てない…のかなと思えた?

親友はいるんだし、人とコミュニケーションできる人なのかなとは思うので。

「友人の状態」をすっ飛ばして「彼女」をつくろうとしないでください。

(友人付き合いすっ飛ばして、いきなり親友を求めるのは難しいのはわかるよね。)

まだまだ23歳だし、いろいろな人と付き合って(恋愛ではなく対人という意味で)いったら、きっと気が合う女性が出てくると思います応援してます

2019-12-11

anond:20191210171417

彼女がいても、セックスをしても、家族や友人、親友がいても、人間孤独であることには変わりがないけどね。

anond:20191210171417

彼女がいても、セックスをしても、家族や友人、親友がいても、人間孤独であることには変わりがないけどね。

お空の上から選びました・前(短編小説)

「またやっちゃった…」

ヒロコは苛立ちと罪悪感でいっぱいになった胸を抑えて深く溜め息を付いた。

間も無く3歳になる娘のユウが赤くなったあどけない頬をめいっぱい歪ませて泣きじゃくっている。

嫌な周波数の泣き声がヒロコの脳に刺さり容赦なくさぶる。

片付けても片付けてもおもちゃを散らかし、いたずらばかりするユウをきつく叱りつけたのだ。

手をあげる必要などなかったことはわかっている。

同じことを何度繰り返せばいいのか、また抑えきれない怒りを発してしまった。

掌がヒリヒリと痺れている。

我に返った時には遅く、ユウは火が付いたように泣き出した。

それでもヒロコはすぐには動けなかった。

その様子を他人事のように見詰め、抱き寄せる事も出来ず、これを宥めるのも自分仕事かとうんざりし、またそう考えてしま自分が嫌だった。

夫の帰りは今日も遅いのだろう。

激務の為、終電になることがほとんどだ。最後に娘が起きている時間に帰ってきたのはいつの事だったろうか。

日が傾き始めた窓の外に目をやり、逃れられない娘の泣き声と孤独感にヒロコはまた溜め息をついた。

──

「こんなはずじゃなかったのに」

ヒロコはサキの家のリビングクッキーを齧りながら言った。

「イヤイヤ期は大変よね」

サキは応じる。

ヒロコの学生時代の友人だ。

サキの子供はユウの2つ上の男の子で、サキ企業勤めのいわゆるワーママである

ヒロコにとっては気の置けない親友であり、育児の先輩だ。

最近は忙しくて会う機会も減っていたがサキが2人目の出産を間近にして産休に入った為、久しぶりにお茶でもどうかと招待を受けたのだ。

「可愛くない訳じゃないんだけどね、時々イライラが止まらないの。本当にひどいんだよ。なんで何回言ってもわからないんだろう」

自分の家にはない、物珍しいおもちゃの数々に目を輝かせているユウを横目に、ヒロコはまた溜め息をつく。

「片付けは出来ないし、気付いたらすぐ散らかすし、昨日もリビングに水をぶちまけるし、トイレットペーパーは全部出しちゃうし…。毎日毎日片付けに追われてる…!すぐにビービー泣いてうるさくて頭おかしくなりそう。この子、私のこと嫌いなのかなって本気で思う事がある」

愚痴は次から次と溢れ出す。

サキは時折自身体験を交えながらヒロコの言葉にうんうんと耳を傾ける。

ヒロコがアドバイスなどを求めていないことはよくわかっている。

ただただ言葉を吐き出したいだけなのだ

まだ意思の疎通もままならない子供と一日過ごしているだけでどれだけ気力と体力が削られるかサキもよく覚えている。

久しぶりに人と話をしている高揚感と充実感に夢中になるヒロコの気持ちはよくわかった。

「…そろそろ保育園のお迎えに行かないと」

サキカップを置いた。

時間が過ぎるのはあっという間だ。

長居してごめんね」

ヒロコも席を立ち、ユウの散らかしたおもちゃを片付ける。

「帰るよ」

その一言でユウの顔がぷうと膨れた。

「やだ」

ヒロコの目が吊り上がった。

「また始まった…!ワガママ言わないで!!」

「やあぁー!あそぶ!あそぶの!!」

ユウはおもちゃギュッと握りいやいやと首を振る。

「もう時間なの!これ以上いたら迷惑でしょ!」

さなから乱暴おもちゃを取り上げると、ユウはわぁっと泣き声を上げた。

「はぁ…。もううるさい!泣かないでよ!行くよ!」

ヒロコはユウを抱き上げようとしたが、ユウは泣いて暴れ、その手から逃がれようとする。

カァッと目の前が赤くなるような感覚に襲われ、反射的にヒロコの右手にグッと力が入ったが視界にサキの姿が入り、ヒロコは震わせた拳を抑えた。

その分声はヒートアップする。

「泣いたって時間から仕方ないの!暴れないで!」

強引にユウを引き寄せ、そのまま引きずるようにして玄関へ向かう。

「みっともない所見せてごめんね。いつもこんなで…ホントごめん」

辛そうに頭を下げるヒロコにサキは困ったような笑顔を返すと、本棚から一冊の本を取り出してヒロコに渡した。

「ね、良かったらこれ、読んでみて」

──

ヒロコは疲れていた。

「こんなはずじゃなかったのに」

もっと育児って楽しいものだと思ってたのに。

お母さんだからメイクもお洒落ちゃんと出来なくて、髪を振り乱して鬼の形相で子供に怒鳴り、お母さんだから子供の為に我慢ばかりで辛い事ばかり。

ユウの寝顔を見て愛しいと思っても、朝になればまたあの1日が始まると思うと恐怖すら感じた。

の子を産んでいなければ…考えても仕方のないifが頭の中を駆け巡る。

夫は今夜も終電での帰宅になると連絡があった。

めしい。子供の事など考えず、仕事だけしていればいい夫が恨めしかった。

独りの時間はとても長く、虚無で満たされていた。

ふとヒロコはサキに渡された絵本の事を思い出す。

(絵本か…)

本屋へは何度か行ったが子供に何を選べばいいのかわからず、無難そうな物を数冊買ったきりだ。

読み聞かせをしてもユウはすぐに飽きてしま最後まで読み切れた事もなく、読んでいる最中絵本を破かれて怒って以来、開くのをやめた。

サキは何故、絵本なんかを渡して来たのだろう。

から取り出し、表紙を撫ぜた。

『この子は、ママをおこらせるためにいきています

絵本はそんな一文から始まった。

「えぇ…どういうこと?」

口の端に自然と笑みが浮かんだ。

静かなリビングにページをめくる乾いた音が響く。

いたずらで母親を困らせる可愛くない子供が、デフォルメされた絵柄で描かれていた。

(そう、毎日こうよ。嫌になる。この子ユウみたい)

嫌な感情が胸を巡る。

気分が悪くなり、一度は絵本を閉じようかと思った。

しかし、めくるごとにヒロコの手が震えだした。

(あ、このママ…)

絵本の中の母親自分が重なっていく。

(私だ…私がいる…)

『はっきり言って、おこらないママなんかダメだと思う!

あたしがあんたをうんだんだもん!

大好きすぎるからおこるのよ!あんたにはママよりしあわせになってほしいの!!

それがおこるってことなのよ!』

絵本の中のママは涙と鼻水で顔を汚しなから子供に叫んでいた。

ヒロコの目から知らずに涙がこぼれた。

(うん、私、怒りたいんじゃない。ユウが大好き。大好きだから怒ってしまうんだ…!私、間違ってなかったんだ…!)

胸が、身体中がカァッと熱くなった。

堰を切ったようにとめどなく涙が溢れてくる。

ヒロコは絵本を抱き締めて嗚咽を上げた。

ヒロコは昨夜泣き腫らしてむくんだ瞼をこすりながらも、穏やかな気持ちでいた。

今朝も早くからユウは冷蔵庫野菜室に積み木を放り込むいたずらをしていた。

いつものように怒鳴り付けたヒロコだったが、泣いているユウを自然に抱き締める事が出来た。

「あのね、ママはユウが好きだから怒ったんだよ。わかる?ユウの事がどうでもよかったら、怒ったりもしないの。だからユウが悪い事をしたら怒るのよ」

そう。こうやって子供に素直な気持ちを伝えれば良かったのだ。

今はまだ全ては伝わらないかも知れない、けれどきっとわかってくれるはず。

心持ちが違うだけでこんなにも余裕を持っていられるなんて。ヒロコは晴れやかさすら感じていた。

──

もしもしサキ?昨日はありがとう絵本、読んだよ」

追い詰められていた自分気持ち理解し、黙って絵本を渡してくれたサキ感謝を伝えようとヒロコは電話を掛けた。

「何て言うか、助けられた気持ち。私、いっぱいいっぱいだったんだと思う…」

「私もそうだよ」

サキの声は安堵したような響きがあった。

「いい絵本だったでしょう?私も辛いときに読んでるんだ。怒るのは悪いことじゃない、子供の為だって思えると気が楽になるよね」

「うん。ユウにちゃんと向き合えた気がする」

しばらく話を続けたあと、あぁそうだとサキは言った。

「あの絵本を書いた作家さんの講演会が再来週あるんだけど行ってみない?」

講演会?」

そんな堅苦しいのはちょっと…とヒロコは尻込みした。

「ユウも騒ぐしそんな所に連れていけない…」

大丈夫子供連れでも安心して行ける講演会なの。作家さんが子供と遊んでくれたり、絵本読み聞かせをしてくれたりするんだ。親も子供も楽しめていい息抜きになるよ」

本を一冊読んだだけ、どんな人かもわからない絵本作家講演会に3000円も出すのは専業主婦のヒロコにとっては少し高いなと思う金額だった。

だが、子供も沢山来ると言う話だし、ユウにもいい刺激になるかも知れない。

熱心に勧めてくれるサキに押され、せっかくだからと参加を決めた。

講演会と聞いて構えていたが、会場に入って拍子抜けした。

椅子も置かれていないホールブルーシートが敷かれているだけ。

子供大人もその上で体育座りをして待っている。

「なんなの、これ?」

わず口をついて出た言葉サキが拾った。

「知らないとちょっと驚くよね。まぁ座って座って」

サキに促されるまま、ブルーシートの端にそっと腰を降ろした。

キョトキョトと辺りを見回しているユウにサキが声を掛ける。

「ユウちゃん、これから楽しいお兄さんが来て遊んでくれるよ。ご本も読んで貰おうね」

サキの息子ケンタは場馴れしているのか、サキに寄り掛かるようにして静かに座っていた。

ケンタくん、お利口さんだね。ユウとは大違い」

「そんなことないよ。全っ然ダメな子なんだから今日はユウちゃんいるから良い子のフリしてるだけ。もうすぐ赤ちゃんも産まれるんだからもっとお兄ちゃんらしくして貰わないと困っちゃう。ね?ケンタ?…あ、ほら始まるよ!」

それはヒロコが想像していた作家講演会とは全くかけ離れたものだった。

絵本作家と聞いてかなり年配なのだろうと勝手に思っていたヒロコは、40半ばに見える気取らない格好をしたこ男性絵本作家その人であることも驚いた。

作家本人が壇上を降りて子供と触れ合い、子供達が楽しめるように趣向を凝らした様々な遊びが繰り広げられた。

時には大人も一緒に歓声をあげるような賑やかなもので、気付けばユウもキャッキャと声を上げて遊びの輪の中で満面の笑みを浮かべていた。

(凄い…)

今まで自分が知らなかった世界が広がっている。

絵本作家って本当に子供好きなんだね」

そっと囁くとサキ悪戯っぽく笑う。

「この人は特別だよ。こんなに子供の為に自分からやってくれる作家さんなんて聞いたことないもの。生の意見を聞きたいって日本中回って年に何本も講演会開くんだよ。絵本も発売前に講演会読み聞かせして、感想を聞いて手直しするの。凄いでしょ?」

サキ、詳しいね

「前にね、仕事でこの人のイベントに関わった事があって。妥協しないでこだわりを貫く姿勢とか、誰に対してもフランクで、作家なのに偉ぶらない所とか、凄く温かみがあって純粋な人だからファンなっちゃったんだ。しかも、ちょっとかっこいいじゃない?」

作家の事を語るサキの瞳はキラキラと輝いていた。

絵本読み聞かせもなんて上手なんだろう、とヒロコは思った。

子供達は食い入るように作家の手元を見詰め、声を上げて笑っている。

(これがプロ読み聞かせ…!ユウなんて私が読んでも最後まで聞かないのに、こんなに子供の心を掴むなんて。やっぱりプロは違うのね。私もあんな風に感情を込めて読んでみたらいいのかな)

作家は、二冊の本を読み終わり、次が最後読み聞かせだと告げた。

講演会も佳境である

もう終わってしまうのか…と残念な気持ちになるヒロコは気付かないうちにもうこの作家ファンになっているのだ。

新作だと言うそ黄色い表紙の絵本は、作家が渾身の思いを注いで全国のママ達の為に描き上げたのだそうだ。

この明るくて楽しい、優しさに溢れた人が私達ママの為に描いてくれた絵本とは一体どんなものなのだろう。

ヒロコの胸は期待に掻き立てられた。

世界中でママにしたい人はたったひとりでした』

読み上げられた一文にヒロコは頭を殴られたような気がした。

何故子供を産んでしまったのかと後悔が過る事もあった。

周りを見れば大人しい子供もいるのに何故ユウのようないたずらばかりする子だったのかと妬ましい気持ちになることもあった。

子供が親を選んで産まれてきただなんて考えたこともなかったのだ。

作家感情を溢れさせた独特の声音絵本を読み進め、ページを捲っていく。

空の上から下界を覗き、ママになる人を探す沢山の赤ちゃん達。

ひとりぼっちで寂しそうなママを喜ばせたいんだと飛び込んでいく魂。

ヒロコの心は激しく揺さぶられた。

気付けば茫沱たる涙が頬を濡らしていく。

子供は空の上で己の人生を決めてから母の胎内に降りてくる。

母に喜びを与える為に産まれるのだ。

ヒロコは肩を震わせしゃくり上げて泣いた。

その背中を優しくさするサキの頬にも涙が伝う。

そこかしこから鼻をすする音が聞こえる。

作家の声もいつの間にか涙声に変わっていた。

作家を中心に会場の空気が一つになったような感覚をヒロコとサキは味わった。

同じように感じる来場者は他にもいたのではないだろうか。

(自分絵本を読みながら泣くなんて、とても繊細な人なんだ…)

作家自分に寄り添ってくれるような気持ちになり、ヒロコはその涙が温かく感じた。

ママ…?」

ヒロコが泣いている事に気付いたユウが、どうしたの?と母の頬に手を伸ばす。

ヒロコは反射的にその小さな体をギュウと抱き締めた。

「ユウ、ありがとう

何故かはわからない。無性にそう言いたくなった。

「私の為に産まれてきてくれたんだね。ありがとう

講演後に開かれた即売会でヒロコは迷わず黄色い表紙の絵本を買った。

そのまま作家サインが貰えると言う。

感動と感謝を伝えているとまた涙が溢れてきた。

作家はにこにこしながら『ユウひめ、ヒロコひめへ』と言う宛名の下に2人の似顔絵を描いて手渡してくれた。

──

翌日からヒロコはユウに、そのサインの入った絵本積極的読み聞かせた。

講演会で見た絵本作家の姿を脳裏に思い浮かべ、それと同じように読み聞かせをしたのだ。

冗談を言うシーンでユウは笑う。

もう一度ここを読んでとヒロコにせがむ。

こんなこと今まで一度だってなかったのに。

この絵本はまるで魔法のようだと思った。

「ユウもこんな風にお空の上からママを選んだんだって。覚えてる?」

「うん。おじいちゃん

ユウは絵本の中の神様を指差す。

「このおじいちゃんにユウも会ったの?」

「うん」

幾人もの子供たちから聞いた話を元に絵本を描いたとあの作家は言っていた。

本当だ、ユウも産まれる前の記憶を持っているんだ、とヒロコは確信した。

「どこが良くてママを選んだの?」

「うーん…ママかわいい

照れたように小首を傾げながら舌足らずに答えるユウをヒロコはきゅっと抱き締める。

ママ嬉しい~!ユウも可愛いよ!可愛いママを選んだんだからユウが可愛いのも当たり前だよね~!」

ヒロコは幸せ気持ちで満たされていた。

子供からこんなにも愛を貰えると気付かせてくれたこ絵本は、ヒロコにとって正にバイブルとなったのだ。

後半はこちら↓

https://anond.hatelabo.jp/20191211112403

anond:20191211025427

いや、②のって矮小プライド風俗行きたくないって言ってるだけでしょ。AVでシコるのは良いくせに

尊敬できる両親、親友居るくせに他者との裸の抱擁を妄想するって、実際には両親や親友増田側の一方通行なんじゃね?本当ならここまで満たされないはない

外見や内面に似合わないプライドのせいで彼女が出来ないならプライドを捨てるしか無い

2019-12-10

anond:20191210171417

俺には尊敬できる両親がいて、少ないが友人がいて、高校時代から続いている親友と呼べるような人もいる

今日も男は親思い

anond:20191210171417

はい28歳だが、26歳くらいまであなたの書いてるようなことを自分も考えていた。

懐かしい思いや共感からちょっとばかりアドバイスを書くことを許してほしい。

ただこのアドバイス彼女を作るためのものではない。苦しみから解放されるアドバイスだ。

自分場合はそのような苦しみから解放されてから親しい関係の異性ができた。まずは彼女を作ることではなく苦しみから解放されることを目指してはどうだろう。

ちなみに自分ソープに行っても苦しさは何も変わらなかった。だけど性欲と愛情は別物だということに気づいた。

人に触れたいとかセックスしたいというのは性欲。人に幸せになってほしいだとか幸せにしてあげたいというのは愛情。これに気づいたのは大きな一歩だったのだろう。

セックスがしたいのにできない苦しみ

しかし「いつか来る希望」だったセックスは今や「見果てぬ夢」になってしまった。自分がどれだけセックスを望んでも、それが叶うことはない。

本当にそうなのだろうか?怪我などでセックスができなくなってしまったのだろうか?そういうわけじゃないならこの先チャンスが全くないとは言い切れないんじゃないか

自分もそのように考えていたけど、結局それは自分を追い詰めていじめているだけだということに気づいてやめた。

なぜなら、自分自分幸せにできないのに他人幸せにすることは難しいだろうと思ったのだ。だからまず自分一人にできる範囲自分幸せにしてみようと思ったのだ。

早起きできた自分をほめたり、ご褒美に甘いものでも買ったりでもいい。そういうささやかなところから自分自分幸せにしていった。最初の頃は落ち込んで自分を責めてしまうこともあったけどそれも少しづつ減っていった。

他者と深いつながりを作りたいのに作れない苦しみ

これは人によって度合いは違ったり自覚してない人もいるけど、人間本質的孤独な生き物だからだと思っている。

しろ孤独を感じるからこそ人は人と繋がりを感じたくなるんだと思うと少し楽にならないかな。

この孤独を歪んだ形で解消しようとすることの典型好きな人に意地悪したりする心理が一番わかりやすいかな。エスカレートすると暴力だったりになるんだと思う。

いい形でこの孤独を解消しようとする人たちは言葉や態度を尽くして他人と分かり合おうとしている。

人間孤独を解消したいのに他人の考えや感じていることが何もしないとわからいから、言葉や態度やスキンシップで分かり合おうとするんだろうね。(そのような相手がいても分かり合えていないと感じる人もいる。)

そして、男も女もそれを解消したいと思っている人は老若男女問わず多い。自覚はしていないかもしれないけど。

友人や親友がいても孤独を感じる場合、もしかしたらあなたも友人もお互いに相手を大切にしてない可能性がある。

おすすめなのはそれとは別の新しい人間関係を作ってみること。性別年齢がバラバラな人が集まるところでいろんな人の話をきいてみることかな。

最初のうちは話しかけはすれど、相手へのインタビューや話し相手に徹して自分の話をするときは振られてからという方法はすごく使える。

全く知らない人と話すときには最終的に話し相手が何が好きで何を大切にしているかという価値観理解して肯定するととてもうまくいくし、無条件で他人肯定すると孤独は感じなくなっていく。

さらに知らない人と話せた自分偉いと褒めることができるし一石二鳥

自分場合お酒が飲めたから近所の焼き鳥屋に通って客や店主店員と話をしたことが一番ためになったと思っている。趣味等の強みを活かしてそのような場に行ってみてはどうだろうか?

恋人がいる人間に対する嫉妬の苦しみ

これも本当に辛い。こいつマジで性格悪いなって思ってる奴に彼女がいたりすると、なんでこんな奴にと発狂ものだった。

でも、公正世界仮説っていうのを知ってから頑張れば救われるとあまり思わないようになったし、世の中ことは大体運だよなでいろいろ片付けることが出来るようになった。

しろ世の中自分の思い通りにできる事の方が少ない。生まれ時代地域、両親、才能、近所の人、学校クラスメイト先生、世の中の出来事出会いや別れ・・・

世の中には大して頑張らずに彼女ができてとっかえひっかえするやつもいるし、めっちゃ頑張って作るやつもいる、作れない人もいる。そういう人たちも実際に幸せかどうかというとまた別の問題だし、世の中そんなものだと考えると理不尽理不尽だとあまり思わないようになった。

嫉妬感情を燃やすより自分自分を責めないようにして幸せにしていく行動をとったほうがいいことづくめだと思うようになった。

④これから彼女ができる見込みがないように思える苦しみ

自分もそう思ってたけど結局①と同じ。自分を追い詰めていじめているだけだということ。

明日死ぬかもしれないし100歳まで生きるかもしれない。もしかしたら来年の今頃は幸せかもしれない。だけど再来年は振られて泣いてるかもしれない。けど5年後は・・・

未来絶望するより、今日幸せに生きる。他人と比べるより、過去自分より進歩した自分を比べよう。

自分幸せにしないと他人幸せにするのは難しい。まずは自分幸せにしよう。

最後になるけど自分水島広子という医師の本がすごくためになった。よかったら読んでみてほしい。

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