はてなキーワード: 日本国語大辞典とは
答 「檄」は自分の信念などを書き記して,広く人々に知らせる文書のこと。「檄を飛ばす」は「自分の主張や考えを広く人々に知らせて,同意を求める。」という意味の言葉です。
げき【檄】 [1]古代中国で,召集または説諭のための文書。木札を用いたという。めしぶみ。さとしぶみ。[2]相手の悪い点をあばき,自分のすぐれている点を述べて,世人に同意を求める文書。現代では特に,一般大衆に自分の主張や考えを強く訴える文章。檄文。ふれぶみ。
げき【檄】 自分の主張を述べて同意を求め,行動への決起を促す文書。檄文。
元々「檄」は木札などに書かれた「文書」でした。自分の主張や考え方を述べて,広く同意を求める文書という意味も持っています。この意味を踏まえた上で,「檄を飛ばす」という成句の意味を確認しましょう。
・「日本国語大辞典」
げきを飛ばす 人々を急いで呼び集める。また,自分の主張や考えを,広く人々に知らせて同意を求める。飛檄。また,誤って,がんばるよう激励するように用いられることもある。
・「大辞林」
檄を飛ば・す 檄を方々に急いで出し,決起を促す。〔現代では「激を飛ばす」などと書き,激励したり発奮させたりする意に用いられるが,本来は誤り〕
https://www.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2011_09/series_08/series_08.html
社会的身分の高い人にへつらい,その人たちの真似をしたり,交際を求めたりするくせに,下のものには威張りちらす人物。身分的な壁の厚かった近世・近代の英国において多く見られたところを,19世紀中葉,小説家サッカレーが軽蔑して用いた言葉が定着し,〈俗物根性の持ち主〉の意味で使われるようになった。
→関連項目ビクトリア時代
〘名〙 (形動) (snob) 上品ぶったり、趣味を誇ったりして教養人を気どること。また、そのさまや、そのような態度をとる人。えせ紳士。〔新しき用語の泉(1921)〕
スノッブ【snob】
〈自分より社会的,経済的に上の階層の人にあこがれ,そのまねをしたり,仲間入りをしたがる人〉を意味する英語。しばしば〈俗物〉とか〈紳士気取り〉と訳されているが,必ずしも正確とはいえない。このような態度や根性を〈スノバリーsnobbery〉という。〈スノビズムsnobbism〉という語もあるが,あまり用いられない。
しかし「図に乗る」を「読経の転調に由来する」と説明したのは金田一春彦からで、どうもそれ以前には遡らないみたいなんだよなあ。
金田一春彦に権威があったから広まってるだけで、説明自体にはそれほど信頼性が無さそうなんだけど。
「図に当たる」はどこでも「図=狙い・計画」の意味で説明しているのに、
「図に乗る」のほうだけぜんぜん別の由来だということがあるかな?
わざわざ迂遠な説明をしなくても「物事が計画どおりに進んで調子に乗る」というのが素直な解釈じゃないか?
https://ja.wiktionary.org/wiki/%E5%9B%B3%E3%81%AB%E4%B9%97%E3%82%8B
一般に若年者など関係が下位にある者が、自分の企図していたとおりに事が運ぶのに気をよくして、分を超えた言動をすること。
表記のゆれ:「図」に替えて「頭」を用いることがあるが、「図」はもともと「企図すること」の意なので適当な用字とはいえない。
https://kotobank.jp/word/%E5%9B%B3%E3%81%AB%E4%B9%97%E3%82%8B-539406
精選版 日本国語大辞典
自分の思うように事がはこぶ。
https://kotobank.jp/word/%E5%9B%B3%E3%81%AB%E4%B9%97%E3%82%8B-539406
とっさの日本語便利帳
「性的」は辞書の定義としては”性または性欲に関するさま”らしい(コトバンクで調べた『精選版 日本国語大辞典』)。文脈考えず定義の話だけするなら、性的という言葉の定義には特にポルノや18禁を除くというものはないので、性的であるという言葉の対象にポルノが含まれていても定義としてはおかしくないと思ったけど。
宇崎ちゃんみたいな議論で対象になっていた範囲が「いわゆるポルノや18禁ではない表現だが過度にセクシーな印象を受ける問題のある表現」だったから、必然的にそこで出て来る”性的”という言葉が指す範囲も文脈としてポルノのような直接的な、”性または性欲に関するさま”のど真ん中を行くようなものでなく、性的なものと性的でないものの境目の表現が対象になっていたんじゃないかと。
例のVtuberが性的であるとして非難されるような表現だったかという問題とは別問題のこととして、「性的であることに何の問題があるのか?」という言葉・命題に対して、じゃあ「昼間にテレビでAVを流しても問題ない」のか?(いや、問題はあるだろう→性的なものはいつどんな場所に存在しても問題ない、訳ではないんだという公共における表現の問題提起)みたいな話は意見の内容は是非があるとしても、論理的におかしいとか言葉の定義における違和感を自分は抱かなかった。
https://www.youtube.com/watch?v=N-GLUFIyGmM
http://kakugeblog.blog.jp/archives/75074494.html
梅原:
話をまとめると、eスポーツって結局ゲームなんだけど、「eスポーツ」って言うと、世間からよく見られるから、eスポーツって呼ぶってことですよね。
ふ〜ど:
楽しみを求めたり、勝敗を競ったりする目的で行われる身体運動の総称。
精選版 日本国語大辞典
広義の運動競技のこと。もともとは気晴らしにする遊戯をさしたが、時代の変遷とともに競争的要素の強い、技術的にも高度な運動競技をさすようになった。
一般的な認識としてスポーツの定義に運動であることが含まれる以上は「スポーツ」という言葉に対する世間的なイメージにフリーライドしていると思われるのは当然だし
本来の定義であれば「気晴らしにする遊戯」全般をスポーツと呼ぶべきだから↓の増田はどちらにしても的外れにも程があるやね
だからスポーツという言葉の定義を根拠にeスポーツという表現を正当化したいなら
FPSも格ゲーも放置ゲーもリングフィットアドベンチャーもどうぶつの森も全部スポーツなんだ!
と言いましょう(笑)
この「ご面倒様」という言葉、少々古風な感じがあって丁寧で好きなんだけど、馴染みのない人には「誤った日本語」として認識されることがあるらしいと知った。
「「御面倒様で御座いますが」……この敬語絶対間違ってるだろ……」
「御面倒様、御迷惑様、山梨に限らずありますね。正しい用法とは思えませんが」
「面倒って人じゃないし。せいぜいご面倒ではございますが、でいいんじゃないかと。用法としておかしくないかね?」
日本国語大辞典では初出として1838年の人情本から「ハイこれは御面倒さまで」という例が挙げられている。既に現代と近い使い方である。
同じく日国の例で、幸田露伴が「御面倒様と悪慇懃の挨拶する」と書いている。
少なくとも最近出来たような言葉じゃないし、これを誤りと決めつけることには極めて抵抗がある。
人以外に様をつけるから変というなら、「ご苦労様」や「お世話様」もいかんということになる(そんなことはあるまいよ)。
日本人は日本語を知らないという教授の弁を、大学の講義で聞いた覚えがある。
日本語に対する無知に無自覚な人間が「間違った日本語」を排斥していけば、日本語語彙の歴史的重層性や多様性が損なわれていく。
母語話者だからと驕るなかれ、未知の語に出会ったら正誤を判断する前に、せめて日国を引くくらいの手間はかけてほしい。まあこれはただの愚痴ですが。
ところで「ご面倒様」は専ら電車やバスなど運輸業従事者によって使われている印象がある。今では一種の位相語として生き残っているんかな。
自分は間違っているという前提に立って生きることは卑屈と言われるような誤った生き方なのだろうか。そんなことに最近悩んでいる。
私は自分の考えや行動には間違いがあると思っている。間違っているかもしれない、ではない。必ず間違いを含んでいると確信している。例えるなら、人が真円を描くことは不可能であり、近似した図形しか描けないのと同じだ。だから私は、自分の考えが正しいという前提のもとで行動しないように心がけている。
ただし、それを正しい方向に修正していくことは可能だと信じている。行動であればトライアンドエラー、考えであれば異なる人との対話を通じてその修正は可能だ。正しい考えや行動を実践できない私にとって、耐えず誤りを認識し、修正していくことは唯一のよい生き方の方針だと考えている。
だから、普段から私は何事においても自分の考えを人に伝える時、自分の考えを正しいと主張することはできるだけしない。相手の考えを聞きながら、できうる限り相手の考えと一致をみるように修正していこうと質問をしたり、双方の一致点を提示してみようと努力する。相手に誤りを指摘されれば、その可能性があることは十分あると認めて、本当に誤りであるかを検討する。ただし、だからといって相手の考えが正しいとすぐに考えることもしない。そうやって相手の言葉にすぐ飛びつくことも、誤った態度だと思うからだ。なので、相手の考えが本当に正しいのか、自分の納得のいくように質問をすることが多い。
そんな態度をしていると、次第に多くの人はイライラしたり、呆れたような表情や声や言葉になっていく。そうして、最後には「そんなに卑屈にならなくてもいいじゃないか」と言われるようになる。
卑屈とは、日本国語大辞典によれば「自分を卑しめて、相手に屈伏したり、妥協したり、へつらったりすること。また、そのさま。」を指す言葉だ。私としては、自分を卑しめているつもりはなく、むしろ自らの間違いをはっきりと自覚することこそ、尊厳の一つとして考えて上に書いたような行動をとっているので、心外だった。だが、そう思う自分の気持ちも、なにか誤りがあるのかもしれない。複数の人がそう言うのだから、それなりの理由があるのだろう。
そこで、タイトルにあるような悩みを抱いている。果たして、私がこれまで生きる上での方針としてきた「自分は間違っている」という信念は、それ自体が歪んだ発想なのだろうか。
女と子供。とるにたりない意や、足手まといになる意で引き合いに出されることが多い。「女子供にもできることだ」
① 女と子供。しばしばとるにたりない、足手まといになるという意を含めて用いられた。
女ってだけで馬鹿にされる。
耐えられない。
無理、ほんと無理。
なんでこんな言葉が生まれて今まで問題視されずに使われてきたの日本。
ほんとこの国どうかしてる。
キモチワルイ。
そして極めつけはこういう主張をすると大げさだの考えすぎだの極一部の男にとって都合のいい反論持ってきて有耶無耶にされること。
もう死にたい。嫌だよ。
なんで女ってだけで馬鹿にされなきゃいけないの。
「しゃもじ」とか「ひもじい」とかの「もじ」って普通に「文字」らしい。もともとこれらは女房言葉・女房詞といって、室町時代初期頃から宮中や院に仕える女房が使い始めた隠語だそうだ。「お」をつけて丁寧にする言い方や、いろんな婉曲用法があるのだけれど、語の最後に「もじ」を付けて婉曲的に表現するのを文字詞(もじことば)と呼ぶらしい。
じゃあ、「〇文字」という言い方に五十音全部あるだろうか。調べてみた。
け、つ、や、はブックマークより。出典は「日本国語大辞典」とのこと。多謝。
あ文字 | 姉 |
---|---|
い文字 | イカ、石 |
う文字 | 妻、宇治茶 |
え文字 | エビ、エソ |
お文字 | 帯、恐れ |
か文字 | 髪、母、餅、かたじけない |
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き文字 | 気分、貴~、キツネ |
く文字 | 漬物、還御(尊い人が帰る)、酒 |
け文字 | 健康な |
こ文字 | 鯉、(女房詞ではないが)小麦 |
さ文字 | 魚、サバ、寂しい、ささやかetc. |
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し文字 | ? |
す文字 | すし、推量 |
せ文字 | 世話 |
そ文字 | そなた |
た文字 | タコ、煙草 |
---|---|
ち文字 | ? |
つ文字 | ツグミ |
て文字 | ? |
と文字 | 取る、取られる、父 |
な文字 | ? |
---|---|
に文字 | ニンニク |
ぬ文字 | 盗人 |
ね文字 | 練貫(絹織物の一種)、練り絹、ネギ |
の文字 | 海苔 |
は文字 | 恥ずかしい、お歯黒 |
---|---|
ひ文字 | 空腹である、「ひだるい」の「ひ」 |
ふ文字 | フナ、文、母 |
へ文字 | ? |
ほ文字 | 干し飯 |
ま文字 | ? |
---|---|
み文字 | 味噌 |
む文字 | 麦 |
め文字 | お目にかかる |
も文字 | ? |
や文字 | やりくり、遣り手 |
---|---|
ゆ文字 | 腰巻、入浴時の単衣 |
よ文字 | ? |
ら文字 | ? |
---|---|
り文字 | ? |
る文字 | ? |
れ文字 | ? |
ろ文字 | ?※ |
※呂の字ならある。キスのこと。「口」の字がつながっていることから。だが女房詞ではない。
わ文字 | わずらい、若者、我 |
---|---|
ゐ文字 | ? |
ゑ文字 | ? |
を文字 | ? |
ん文字 | ? |
---|
ご文字 | 御寮人(女性への敬称) |
---|
きゃ文字 | 華奢な |
---|---|
しゃ文字 | 杓子 |
オバケの「お」の字も出ない、という表現、「オバケ」や「お」を別のにしたのを見かけるけど、どれが一番最初なんだろ。辞書を引くときはどうやって調べればいいのか。「文字」の項目?
幼い頃、母が「あっちゃん、あんころもち、あにぶた、あんこ。あってもあっても、ありきれない」という歌を教えてくれた。この「あ」を、該当する人の名に買えて遊ぶのだが、ネットでは見つからなかった。ローカルネタ?
「とぼとぼ」は江戸時代初期から使われはじめた近世語のようだ。
https://www.komazawa-u.ac.jp/~hagi/ko_tame114.html
とぼ‐とぼ〔副〕老人などの、よろぼひ歩む状、又、歩みのはかどらぬ状に云ふ語。よぼよぼ。よろよろ。よぢよぢ。よたよた。
※博多小女郎波枕(享保・近松作)中「姥が出れば惣左衛門、こりゃ姥、何をとぼとぼする、今の銀(かね)は隣の道具賣ッた銀(かね)」〔三-576-2〕
https://kotobank.jp/word/%E3%81%A8%E3%81%BC%E3%81%A8%E3%81%BC-584747
精選版 日本国語大辞典
[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① ぼんやりしているさま、元気なく、疲れたさまなどを表わす語。しょぼしょぼ。〔続無名抄(1680)〕
※浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)下「ろくに寝ぬ夜の目もとぼとぼとほこりまぶれの髪かたち」
② (「とぽとぽ」とも) 力なく緩慢に行なう動作、特に歩くさまを表わす語。
※たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉一一「少しうつむいて居るらしくとぼとぼと歩む信如の後かげ」
[2] 〘名〙 (形動) ぼんやり、うす暗くおぼつかないこと。また、そのさま。
ちなみに「よぼよぼ」も近世語で、1628年の「醒睡笑」に出ているらしい。
その元になったのが「よろばう」で、これは「あちらに寄ったりこちらに寄ったりする」=「よろよろする」という古語。
https://kobun.weblio.jp/content/%E3%82%88%E3%82%8D%E3%81%BC%E3%81%B5
「しょぼしょぼ」は15世紀には見られた言葉で、その語源は古語の「そぼつ」らしい。
https://kobun.weblio.jp/content/%E3%81%9D%E3%81%BC%E3%81%A4
「そぼつ」は「濡れる」という意味で、今だと「濡れそぼつ」とか「雨がそぼ降る」とかに残っている。
「大雨でずぶ濡れ」というよりは「小雨がずっと降り続く」ようなイメージで、そこから「雨がそぼそぼと降る」→「しょぼしょぼ」になっていったわけだ。
「とぼとぼ」は単純に「よぼよぼ」や「しょぼしょぼ」からの転訛という可能性もあるけど。
この二つには「よぼける」「よぼくれる」「しょぼつく」「しょぼくれる」みたいな動詞形があるので
そうすると「とぼとぼ」も「とぼける」「とぼつく」「とぼくれる」などと結びつけたくなるよな。
日本国語大辞典の「ぼんやりしている」という説明からすると「惚(とぼ)ける」と関係なくもないのかな。
ところで「とぼける」は「惚(ぼ)ける」に語調を整える「と」がついた形らしいけど(遠惚る・言惚るなどの異説あり)この変化が起きたのはいつなんだろう。
「そらとぼける」の用例が1420年にあったなら大丈夫か、というかもしかして「とぼける」より「そらとぼける」のほうが古いのか。
「数(すう)」もしくは「数回(すうかい)」で調べてみた。
少ない回数を漠然という
二,三回から五,六回程度の回数。
三〜四回、五〜六回ぐらいの回数をばくぜんという語。
「三、四から五、六の」「わずかの」などの意を表す。「数人」「数回」
三、四から五、六ほどのかずを表す。「─日・─万人・一〇─か所」
三、四の。五、六の。〔文脈により、多い意にもわずかの意にもなる〕
概ね3~4もしくは5~6ぐらいが適用の目安と言えそうなので、元増田には「使うべきではない」というのが回答になる。
とはいえ、大辞林では2も適用内とされているので、相手が大辞林ユーザか確認して2の適用を考えるのがベター。
逆に大辞林ユーザと話をする時は少なく見積もられる傾向があるので気をつけよう。
広辞苑は何かを語っているようで何も語っていない。じゃ、少ないっていくつやねん。
高知県立大学の蔵書の整理の件、ブコメでいろいろ意見出ているが思うところを述べる。
ブックマークコメントの粗さがしをしたいわけじゃないので、論点となりそうなところを適当に項目立てて書いていきます。
そんなことはない。図書は刊行物なんだからどこからでも手に入る。
裏返しで、どこにもない一点モノの本や史料を捨てたらそりゃ問題だ。
刊行物の場合、一ヶ所の施設が捨てたとしても代替措置がいくらでもある。
記事には古そう、かつ郷土に関係する、かついかめしいタイトルがならんでいるが、これに騙されてはいけない。
刊行物か一点モノか。ここで判断すればいい(もちろん「○○氏文庫」とかを崩すのは問題があるけれども)。
むろんその境界はあいまいで、限定された刊行物なんてのもあるんだが。
これも一点モノor刊行物の機軸で考えてみよう。
他所にもある刊行物をあえて電子化する意義はどこまであるだろうか。
当然、コストの問題がある。膨大な資料をスキャンする。そしてそれを常に使えるようシステム保守していかなくてはならない。
記事には『国史大辞典』『日本国語大辞典』が燃やされたとある。
いやあ国史も日国も重要な辞書ですよ。でも、それ使ったことある人どれだけいますか? 手に取ったことある人どれだけいますか?
私は日本史学専攻だったのでアホほど使ったけれど、世の中のみんながこれを使っていたとは思えない。むしろみんな使ってたらすごい社会だと思うが。
他の本もそうだと思う。私は記事で上がっている書籍について、恥ずかしながら国史と日国以外、ほとんど手に取った事有りません。
本が一冊一冊貴重なのは重々みんな承知している。だけど、それをどの程度で使ったり読んだりしているのか。
そんな中で廃棄の判断がなされた。国史も日国も重複してるんだし、今は電子化の絡みで言えばジャパンナレッジあるし。
その通りで、未来に向けて予算が限られるなか建物を建て替え、未来に向けて増え続ける蔵書を合理的に整理していかなくてはならない。
一見すると蔵書の焼却は知の後退のようにみえるけれど、実際、今後数十年数百年存続していくための知的なチャレンジであるように思う。
高知県立大学の今回の措置で責められるべきは、焼却の前に頒布の機会を持つべきだったということ。
新聞記事にもあるが、大学図書館の蔵書を処分する際にはいくつか頒布の方法がある。
私の大学では、書庫の大改修の際に本が放出された。エクセルの表になっていて、希望者は随時図書館を訪れ、本を受取る。
また、しれっと近くの古くからある古書店に図書館のラベルが付いた本が並ぶことがあった。
事務処理的には、入札して適正に古書店に販売したのだろうと思う。
表を作ったりなんなりと事務作業量は増えるけれども、このあたりは本の処分の前に出来ることだったのではないかと思う。というかほかの大学ではやっている。
ただし、これはこれで問題になることがある。どうしても、一点モノに近い貴重書が混ざるのだ。
先輩から聞くところには、農学部が放出した書籍の中に著名な植物学者の記名のある本が含まれていたことがあると言う。
そういう「瑕疵」みたいなのを露見しないためには燃やしちゃえ! となるのかもしれない。いずれにせよダメだが。
高知新聞の書き方は、いらずらに問題を騒ぎ立て過ぎな印象を受ける。
貴重な書籍が失われた、というところに力点がありすぎる。述べてきたとおり、刊行物は貴重かというとそうでもない。失われた、といっても代替物はいくらでもある。
頒布の機会もなく燃やしたこと、図書館の蔵書管理、キャパシティに関する話題と絡めて語るのであったならばどれだけ良かったか。
本が燃やされた! 残念! という感情に訴えるところに力点があり、この辺りに記者の見識・力量の限界が見える。
刊行物はそれほど貴重ではないよ
使用頻度を考えた方がいいよ
<背景>
広辞苑、台湾を「台湾省」 20年前から記載 「日本の代表的な辞典としては瑕疵と言わざるを得ない」(1月26日)
http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260004-n1.html
http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260003-n1.html
今回の広辞苑第七版ではLGBTやしまなみ海道の記述の誤りが指摘されている。しかし、台湾については触れているメディアをほとんど見かけていない。
私はまだ広辞苑第七版を見ていないが、広辞苑第六版その他の辞書の記述について気づいた点を記す。
<私の結論>
1)広辞苑第六版の「中華人民共和国」にある〔中華人民共和国行政区分〕は日本で刊行する辞書としての中立性に欠ける。
2)広辞苑以外も日本の国語辞典は総じて現在の中華民国に冷たい。現在の中華民国は「名称」であり、台北は首都ではなく主要都市なのだ。
<画像>
1 産経新聞より
http://www.sankei.com/smp/life/photos/180126/lif1801260003-p1.html
2 広辞苑第六版より
https://pbs.twimg.com/media/DTTEa_YVwAAJM6J.jpg
<本文(長い)>
きっかけは昨年秋、広辞苑新版がニュースになりはじめたころの、1つの記事だった。
http://www.mag2.com/p/news/333476
ただし、この記事は有料メルマガの抜粋であるため、詳細を確認することができなかった。
そこで、近くの図書館に行き、台湾関連の記述を確認することにした。
まずは「台湾」を引いてみた。
たいわん【台湾】(Taiwan)中国福建省と台湾海峡をへだてて東方二〇〇㌖にある島。台湾本島・澎湖諸島および他の付属島から成る。総面積三万六〇〇〇平方㌖。明末・清初、鄭成功がオランダ植民者を追い出して中国領となったが、日清戦争の結果一八九五年日本の植民地となり、一九四五年日本の敗戦によって中国に復帰し、四九年国民党政権がここに移った。六〇年代以降、経済発展が著しい。人口二二八八万(二〇〇六)。フォルモサ。→中華民国。➖・あひる【台湾鶩】(以下略)
まぁ、こんなもんかな、と思った。
他の辞書も見てみることにした。
【2】「大言海」新訂版第四刷(昭和五十七年十二月一日)故大槻文彦、大槻清彦
たいわん・ぼうず(タイワン・バウズ)(名)臺灣坊主〔明治二十七八年戦役ノ際、臺灣に出征セシ兵士ノ、此病ニ罹リ、つるつる坊主ニナリテ歸國セシ故ニ云フト〕(以下略)
「台湾」自体は見出し語になく「台湾坊主」という禿頭病の説明だけだった。
【3】「角川国語大辞典」初版(昭和五十七年十二月二十日)時枝誠記、吉田精一
たいわん【台湾】中国福建省の東方にある島。面積三万五六〇〇平方㌖。明(みん)末、清(しん)初のころから中国人が多数移住して中国領であったが、日清(にっしん)戦争後、日本領。第二次世界大戦後、中華民国に返還され、一九四九年以降は蔣介石の国民政府がこの地によっている。中華人民共和国は台湾省という。
続いて【台湾海峡】【台湾総督府】【台湾泥鰌(どじょう)】【台湾パナマ】【台湾坊主】と続いた。
【4】「広辞林」第六版第一刷(一九八四年三月一〇日)三省堂編修所
これだけの辞書もあった。続いて【台湾征討】【台湾総督】と続く。
【5】「岩波国語辞典」第7版新版第1刷(2011年11月18日)西尾実、岩淵悦太郎、水谷静夫
「台湾」はなく、【台湾坊主】のみ。禿頭病のほか、低気圧の意味も載っていた。
【6】「旺文社国語辞典」第十一版(2013年10月13日)山口明穂、和田利政、池田和臣
たいわん〔台湾〕沖縄諸島の南西方、中国大陸の福建省の東方に位置する島。中心都市は台北タイペイ。➖ぼうず【ー坊主】(以下略)
【7】「国語大辞典 言泉」第一版第一刷(昭和六十一年十二月二十日)尚学図書
たいわん【台湾】日本列島の西南方にある紡錘形の島。島のやや東寄りに高峻な台湾山脈が南北に縦走し、西側に平野がひらける。気候は亜熱帯モンスーン気候。原住民はインドネシア系とされる高山族であるが、人口の大部分は華南省から移住した漢民族が占める。明末・清初から中国領。日清戦争後日本領。一九四五年中国に返還され、四九年中国国民党政府がここに移った。略称は台タイ。タイワン。
高山族が出てきた。
【8】「新明解国語辞典」第六版第一刷(二〇〇五年二月一〇日)山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄
【9】「大辞林」第三版第一刷(二〇〇六年一〇月二七日)松村明、三省堂編修所
たいわん【台湾】中国、福建省の東方に位置する大島。台湾本島とその属島からなる。米・サトウキビ・茶・バナナなどを産する。製糖・製紙・機械・セメント・造船などの工業が発達。先住民は高山族であるが、住民の大部分は漢民族。一六八三年から中国領土。日清戦争後日本の植民地になり、一九四五年中国に返還されたが、四九年国共内戦に敗れた中国国民党がここに移った。主要都市、台北。面積三万六千平方㌖。人口二二七五万(二〇〇五)。
かなり詳しいが「中華民国」とは書かない。以下【台湾海峡】【台湾兜虫】【台湾銀行】と続く。
【10】「日本国語大辞典」第二版第八巻第一刷(二〇〇一年八月二〇日)日本国語大辞典 第二版 編集委員会、小学館国語辞典編集部
たいわん【台湾】中国の南東方にある紡錘形の島。本島のほかに澎湖島などの付属島を含み、台湾海峡を隔てて中国の福建省・広東省に対する。島のやや東寄りに高峻な台湾海峡が南北に縦走し、西側に平野がひらける。ほぼ中央を北回帰線が通り、亜熱帯モンスーン気候を示す。先住民はマライ・インドネシア系とされる高山族であるが、人口の大部分は華南から移住した漢民族が占める。明末・清初から中国領。日清戦争後の一八九五年から日本領。一九四五年中国に返還され、省制がしかれたが、四九年中国国民党政府がここに移った。面積三万五九八一平方キロ㍍
台湾については大体こんな感じだったが、「中華人民共和国」と「中華民国」も引いてみることにした。
➖・じんみんきょうわこく【中華人民共和国】中華民国国民党政権を革命によって倒し、一九四九年一〇月一日、中国に成立した共和国。中国共産党の指導のもとに、全国人民代表大会を国家権力の最高機関とする。社会主義体制を標榜しつつ、七〇年代末から経済改革・対外開放を推進、近年発展著しい。面積約九六〇万平方㌖。人口一二億九六〇〇万(二〇〇四)。首都北京。
本文にさして問題は感じないが、問題は〔中華人民共和国行政区分〕なる地図である。
(1)北京市に始まり(34)マカオ特別行政区まで掲載されている中に、しれっと(26)台湾省が何の説明もなしに入っているのは、非常に違和感を覚える。
➖・みんこく【中華民国】辛亥革命の結果清朝が倒れた後、一九一二年中国最初の共和制政体として成立した国。初代大統領袁世凱(えんせいがい)。二八年中国国民党が国民政府を樹立、全国を統一したが、第二次大戦後共産党との内戦に敗れ、四九年本土を離れて台湾に移った。
【3】「角川国語大辞典」初版(昭和五十七年十二月二十日)時枝誠記、吉田精一
➖・じんみんきょうわこく【ー人民共和国】
➖・みんこく【ー民国】
中国大陸の南東海上、台湾島を中心とする共和国。辛亥(しんがい)革命により一九一二年中国大陸に成立。のち、蔣介石の率いる国民党によって統一されたが、第二次世界大戦後、国民党は共産党に敗れ、一九四九年台湾に移った。首都台北タイペイ。面積三万五九六一平方㌖。
【6】「旺文社国語辞典」第十一版(2013年10月13日)山口明穂、和田利政、池田和臣
中華人民共和国のみ見出し語にあり。中華民国や台湾については特筆すべき点なし。
【7】「国語大辞典 言泉」第一版第一刷(昭和六十一年十二月二十日)尚学図書
➖・みんこく【中華民国】(一)辛亥革命後の一九一二年から中華人民共和国が成立した四九年まで、中国を代表する政府が採用した国名。(二)一九四九年、中国共産党との内戦に敗れ、台湾に逃れた国民党政府が使用している名称。
最も正確な気がした。
【9】「大辞林」第三版第一刷(二〇〇六年一〇月二七日)松村明、三省堂編修所
➖じんみんきょうわこく【中華人民共和国】アジア大陸の東部を占める国。中国革命の成功により一九四九年一〇月一日、毛沢東を主席として成立。中国共産党の指導の下で、土地改革、農業の集団化、数次の五か年計画などを遂行し、文化大革命による混乱を克服して「四つの現代化」を掲げ、社会主義国家建設を目指している。国家の最高機関は全国人民代表大会。首都、北京。面積九五九万七千平方㌖。人口一三億一五八〇万(二〇〇五)。
➖みんこく【中華民国】辛亥革命の結果、中国に誕生した共和制の国。一九一二年孫文を臨時大総統として南京(ナンキン)に政府が樹立されたが、袁世凱が政権を奪って政府を北京に移した。のち、中国国民党は国民政府を樹立し、北伐をおこない全国を統一したが、日中戦争・内戦を経て、四九年中国共産党の中華人民共和国が成立。台湾に移った国民党政府は、中華民国の国号を使用。
【10】「日本国語大辞典」第二版第八巻第一刷(二〇〇一年八月二〇日)日本国語大辞典 第二版 編集委員会、小学館国語辞典編集部
ちゅうか-じんみんきょうわこく【中華人民共和国】ユーラシア大陸の東部にある人民共和国。東部はやや湿潤な平野からなり、内陸部は乾燥気候で、山地・高原・盆地が多い。大多数を占める漢民族のほか、チワン族・蒙古族・ウイグル族・チベット族など五五の少数民族からなる多民族国家。北京・上海・天津の三直轄市と、二二省、五自治区、ニ特別行政区(香港・マカオ)に分かれる。中国国民党との内戦に勝利を得た中国共産党の全国統一により一九四九年一〇月、毛沢東を主席として成立。中国。
広辞苑第六版の地図と比較すると、この時点では重慶は直轄市ではなかったようだ。そして台湾省は「二二省」には含まれていないと思われる(広辞苑の「省」は23ある)。
ちゅうか-みんこく【中華民国】(一)辛亥革命後の一九一二年から中華人民共和国が成立した一九四九年まで、中国を代表する政府が採用した国名。一九二七年を境として、前半の軍閥組織を背景とした北京政府と、後半の中国国民党による国民政府時代とに分けられる。首都は前半は北京、後半は南京。(ニ)一九四九年、中国共産党との内戦に敗れ、台湾に逃れた国民党政府が使用している名称。
【11】「国語大辞典」第一版第七刷(昭和五十七年二月十二日)尚学図書
➖・じんみんきょうわこく【中華人民共和国】
http://anond.hatelabo.jp/20130925185607
辞書を見ると「噴飯」は、ふき出して笑うことと説明されている。
(辞書からの引用は項目全体の引用ではなく省略したり一部表記を変えたりしています。以下も同様)
しかし例えば次のでは、「噴飯物」を使った用例に対し「ばからしい」という追加の説明がされている。
「噴飯物」を見出しにあげて説明をつけている場合でも、どちらかといえば否定的な意味合いで説明されている。
【噴飯物】人に笑われるような物事。こっけいなこと。
「そんなことをするなんて―だぞ」
「そのおこないはまったくの―だ」
【噴飯】まったく~ものである be quite absurd [ridiculous, preposterous]
(研究社 新和英大辞典 第5版)
【噴飯】噴飯の至り It is laughable - ridiculous - ludicrous
※「laughable」も噴飯に似て「馬鹿げた」と「面白い」の両方の意味がある。
laughable (1)ばかげた(ridiculous)、軽蔑に値する a ~ act 愚行. (2)(まれ)笑いを引き起こす、おかしい≪◆あざけりを呼ぶような面白さをいう≫.
また日本語大シソーラスでは、「噴飯物」を含んでいる項目は次のようになっている。
馬鹿らしい 馬鹿臭い 馬鹿馬鹿しい 馬鹿なことを 馬鹿げる 馬鹿げた ; 痴れ痴れし 痴れ痴れ 痴れがまし 痴(おこ)がましい 烏滸がましい ; 阿呆臭い 阿房臭い 阿房らしい 阿呆らしい ; 愚にも付かぬ ; 笑止 笑止千万 笑止がる 笑止顔 片腹痛い 傍ら痛い ; 噴飯 噴飯物 ちゃんちゃらおかしい お笑い草 お笑種 笑わせる; 臍で茶を沸かす 臍が茶を沸かす 臍茶 臍が笑う ; 仕様もない 仕様(しょ)むない ; 箸にも棒にもかからない 箸にも掛からぬ; 話にならず
軽蔑 ; 反対 ; 切り捨てる ; 跳ね除ける ; 笑止 笑止千万 笑わせる ちゃんちゃらおかしい 噴飯物 お笑い草 お笑い種 片腹痛い ; 聞いて呆れる 開いた口が塞がらぬ 二の句がつげぬ 呆れてものが言えない
こんな感じで「噴飯物」は、「笑えること」「面白いこと」というよりも「笑われるようなこと」「笑うべきもの」「笑われるべきもの」みたいな意味合いが強くて、そうなると文脈や話者によって、あきれ、あざけり、いきどおり、怒りのようなニュアンスも付加される。
なので