はてなキーワード: テンピュールとは
2017年2月下旬、父に認知症疑惑が浮上。父を始め我が家は色々と問題がある家族で、疑惑が出るまでも紆余曲折あったがそのことは今は書かない。
私の父への感情は愛憎入り混じるというのがぴったりで、ここ何年も疎遠だった。最初の検査には私が連れて行った。でもその後は姉に丸投げした。
私の中で最強で最恐な存在。自分勝手でわがままで子どもっぽい父。まだ若いのにアルツハイマーになってかわいそう、どころか、勝手に忘れていくなんてずるい、勝手にしろと思った。
今思うと私は完全に現実逃避していたし、同じく愛する気持ちと恨む気持ちが共存していただろう姉には悪いことをした。
2018年9月までは一人暮らしをしていたらしい。その後病状が思わしくないとのことで、入院や施設への短期入居をするがやはり自分勝手でわがままな性格が災いして施設を追い出されたりしていた。何回か会いに行こうと思ったが、姉からたまに報告を受けるだけだった。
2019年6月。デート中に突然姉から電話。駅の喧騒で細かいところは聞こえなかったが、病状の悪化ひどく本人の原型がわずかかもしれない、このままだとあんたは忘れられてしまうかもしれない、会ったほうがいいと言われる。
2019年6月29日 わざわざ恋人にレンタカーで施設へ連れて行ってもらう。交通の便が悪く私は運転できないから、というのは言い訳で、単に1人では心細かったしまたドタキャンしてしまうかもと思った。
施設に着くと、父はおやつを食べていた。私を見つけるやいなや、「ヒロ〜遅いぞ〜待ちくたびれたぞ〜」と文句を言うが、顔は嬉しそうにニヤついている。
3人で一緒にイオンに行ってコーヒーを飲み、ギターの弦が欲しいというので買ってあげる。たぶん1人ではかえられないけど。
車の降り方、割り箸の割り方などを忘れている。人格は機嫌の良い時の以前の父で、よくしゃべっていた。遠足の子どもかってくらいはしゃいでいた。恋人の運転する車の中で歌い出す始末だ。
今度はカラオケに連れてってやろうか、なんて言って別れる。
姉から聞いていたより元気そうだったので、そんなにショックは受けなかった。こんなに喜んでくれるなら、また来てやってもいいかなと思った。
2019年9月23日 2回目の訪問。父の部屋に行くと爆音でテレビを見ていた。わたしに気付いてもテレビを消さないので、テレビを消してと頼んだ。父は、「ヒロが来るとはな」と笑った。
他の家族から聞いていたように、やはりギターの音がおかしいという話になる。デジタルチューナーの調子がおかしいと。デジタルチューナーの電池を買って一緒にチューニングしてあげる。でもうまくコードが弾けていない。たぶんそもそも押さえの指がおかしいのだと思う。Cが何かはもう忘れているのだろう。お腹減った、食事が足りないというのでコンビニで甘いパンを買ってやった、貪るように食べていた。
またそんな日を空けずに来てやろう、少しギターを練習して次はコードを弾いて見せてやろう、と思った。
その後繁忙期に入り、まぁいっか、そのうち行ってやるか、と思っていた。
ところでの、コロナ。
しばらく面会は禁止と聞いて、少しホッとした自分がいた。会いに行かなくてもそれは私のせいじゃない、と。
でもコロナ騒動がなかなか収まらず、春が終わったあたりでだんだんと不安になった。いま父はどんな状態なのだろう、私のことは覚えているのだろうか。
10月末、調べてみると16日から厚労省が面会を段階的に解禁するよう通達を出していた。数日後、電話をして予約をとる。外出禁止、飲食物の差し入れ禁止、20分のみ、だそうだ。
そして今日2020年11月22日。仕事前に片道1時間かけて向かう。
施設に着くと玄関前で待っていた。帽子をかぶってリュックを背負い腕時計を身につけ、ぼーっと立っていた。とにかく萎んだ、という印象だ。散歩などできやしないのに出かける気満々な出立に、滑稽さと悲しさが同時にこみ上げる。
私に気づき、でも一瞬私が誰かを認識するのに時間がかかったようだった。私が持っていた大荷物を指差して「こ、これは?」と聞いてきた。自分への差し入れだと思ったのだろう。「ごめん、お父さんのじゃなくて仕事道具。」
そのあとロビーで話す。よく見ると、萎んだというのはただの印象ではなく事実かなり痩せた感じがした。手の甲が皺々でカサカサだ。表情も暗く乏しい感じだ。うまく言葉が出てこないようで、あれこれはマジでやばい?と焦ったが、少しずつ普通っぽい感じで話し出す。
コロナだから外に出れないこと、20分しか面会ができないことを伝えると、子どものように唇を突き出した。「早くどうにかなってくれなきゃな」とコロナのことはわかっているようだった。
20分しかないし父の存在が曖昧というような様子に話すことに悩み、とりあえず何か困っていることはないかと聞くと、相変わらずギターのチューナーの話をする。
「部屋にも行けないので見てあげられないよ、そのうちね。」
ふと、「今何歳?だっけ?」と聞いてみる。どのくらい忘れたのか確かめたい。
「えー?50くらいじゃね?」まさかの大幅なサバ読み!思わず「いや64歳くらいじゃない?」と突っ込んでしまう。
なんだかショックを受けたみたいだった。忘れたことに気づくの嫌だったんだな、ごめん。
チューナー以外に困ったことがないか聞くと、「特にない。でも肩が痛い」と言う。
揉んであげようかと一瞬思ったけど、父の体に触れるのが急に怖くなってやめた。子どもの頃はよく揉んであげていた。父が揉んでくれることもあった。父の体の感触を私は覚えている。でも手の甲のカサカサを見ていると、あの時とどう変わっているのか実感するのが怖くて、揉んであげるよと言い出せなかった。
とにかく肩がここから上がらないんだよ、としきりに肩を上げ下げする父に、揉んであげるよの代わりに「枕が合わないのかね?」と言うと「そうか、枕か」と妙に納得したように呟く。
「今はどんなの使っているの?」
「どんなのって…枕だよ」
「綿?」そう聞くと、まるで私が外国語を言ったような空気になった。
「あんなやつだよ」と、ロビーの角にまるまった白いシーツを指さした。「シーツの枕」と、父は言った。
そうか、父にとってはもう枕はシーツの塊なのだ。中に何が入っているのかはわからない。いや、それ以前に枕とは中に何かが入ってるものだ、ということ自体を忘れたような感じだった。
元気な頃は、やれ冬は羽毛だ夏は蕎麦がらだ、パイプは安っぽくて嫌だとかうるさく、一時期はテンピュールにハマって家族全員で使っていた。そんな調子であらゆる点でこだわりがありめんどくさい男だったのだ、父というのは。
試しに、テンピュール って知ってる?と聞いてみる。「知らないなぁ」「そうなんだ、宇宙飛行士のために開発された素材でね、体の重さと温度で使う人の首にあった形になるんだよ。冬になると固くて石みたいだけどね!」と言うと笑った。かなり興味を持ったようだ。やはりこういうの、好きなんだね。同じ人だ。
「でも肩凝りにはいいよ」と言うと、明後日の方を向いて「誰か買ってくれないかなぁ」などと言う。直接は頼まないのがプライドの高い父らしい。
その後何度かチューナーのくだりを繰り返し、あっという間に20分すぎた。「そろそろ時間だ」と言うと「もういいよ」と父は言った。その反応になんだか寂しくなる。もういいんかい。まぁ、少し疲れたのかもしれない。またね、と言って別れる。
私は本業の仕事が長期休暇のときはテンピュールのお店で短期バイトしている。父の影響で私もテンピュール好きだから説明に熱がこもるのか、よく売れる。次にバイトした時、社割してもらって買ってあげようか。でもそのことは父には言わなかった。
最後まで父は私の名前を呼ばなかった。施設を出てから、なぜだかとにかく胸がつまり涙が出た。
あれだけ憎たらしかった父だが、なぜだか最近は良いことばかり思い出す。
次は名前を呼んでもらおって、あとは肩を揉んでやろうと思う。
最近ベンチャー企業に転職したら、ものすごい美人の先輩がいて一目惚れして、口説いたけどあまり芳しくない結果に終わっている
その人はものすごく頭が良く、色々と面白い話を聞かせてもらった。僕は先ほど電話で説教されて
「あなた仕事が丁寧って言われているけど、結局は仕事が遅いってことでしょう。
◯◯は嫌われているけど、評価されているよ。あなたは本質的な仕事に手がかかれていないから、評価されないんでしょ。
あなた人に舐められてるよ。人に気を使いすぎて、それが一体何のお金を生むの?費用対効果は?
くっだらない。しゃべらないなら切るよ、じゃぁね」
とぶちっと切られた。
彼女は学生時代、後に某白猫スマホゲー作っている会社社長から「あいつは天才」と言われていたというのが自慢らしい。
人と関わりたくないから、ゴロゴロ家でマンガを読んだり、映画を見たりクラシックを聴くこと、そして安心が大好きである。
充実した生活空間にするために、貯金してテンピュールのマットレスを買い、安心出来る老後の為に月6万円を保険に費やしている。
僕は30目前にしていまだにこれが幸せ、というのが決まらない。
結婚して子供を生む。かっこいいクルマを買う。豪華な家に住む。仕事に打ち込める環境がある。精神的な落ち着きを得る。
色々と考えたり試したりしたが、これだと思ったものがない。
服を無性に買っていた時期や、新幹線で毎週福岡に行ったりすることもあった。
貯金もほとんどない。服を買ったり新幹線で行き来するだけじゃ減らないぐらいの給料があったはずだ。
何に使っていたのか、覚えていない。
普段、マイペースに生きている風に見えるけど、僕にとって何が幸せか分からない今の現実は、とても辛くて苦しい。
みんなは何が幸せかわかるの?
Amazonに100万費やしてきた僕が「買ってよかったもの」をまとめて紹介する(おすすめ家電から雑貨まで) - Literally
http://tsukuruiroiro.hatenablog.com/entry/goodbuy
これを受けての物。
はてブでは100万という点に突っ込みが多いけど、どうも良いものが紹介されてるようには思えないので
www.amazon.co.jp/dp/B0001FTVE0
無難オブ無難。後継モデルはHD598(www.amazon.co.jp/dp/B0042A8CW2)。ほとんど変わらないらしい。
ボーカル向けとか言われてるけど、正直なんでも割と良い音すると思う。
www.amazon.co.jp/dp/B00J865EYY
寝室天井投影って単語にピンと来たら。解像度はWXGAなので注意。
FHD欲しいなら、最低限まともなものでこの1.5倍~する。
元記事の製品の自称"解像度1080×1920"は入力解像度であって、パネルの方は800*480。ほぼSD。
www.amazon.co.jp/dp/B00NYWALOQ
この辺の効果って実際には砂漠で砂粒洗うようなもんで、消臭効果は全て副作用で生成されるオゾンによるもの。
でも自分はオゾン生成器を生活空間で常時稼働する気にはなれないし、オゾン欲しけりゃ専用の生成器買うよね。
ということでシンプルな空気清浄器。部屋1つに1台で必要十分な感じ。
フル稼働するとうるさい。
www.amazon.co.jp/dp/B00238PCQY
睡眠の質は枕が決める。
あと、あのサイズのハンモック常用すると最終的に腰痛めるような。
ハンモックなら、大サイズのものに横向きに寝るならいいと思うけど、6畳間で対角の壁に張るくらいの大きさはいると思う。
www.amazon.co.jp/dp/B00LM3N5E2
国外製造輸入時代より味が落ちたという話もあるけど、干し肉自体がうまい。
ナッツ食いすぎると石できるよ。とてもいたい。
www.amazon.co.jp/dp/B005FM01HU
専門職用ウエスではキムワイプが定番だけど、日常における万能性はこっちのが上。
なんでも拭ける。
滅菌済みじゃないので、本職用途にはそのままじゃ使えない。
速乾とかマイクロファイバー布って肌触りが好きになれない。
www.amazon.co.jp/dp/4872574230
大抵のものはネットでデジタルで見られるようになったこの時代、本でしか得られない中の1冊。
www.amazon.co.jp/dp/B00FOHQZPI
普通安くならないこの手のものだけど、Amazonではたまにセールする。
この間は50%になって、これは通信教育+アカデミックのコンボとほぼ同額。
「あんた持ち物は可愛いのにね」
よくそう言われる。
ロディスポットやレストローズのお洋服で武装して、本気の装備をするときはバーバリーのコートも身につける。カバンは全部サマンサタバサ、靴は丸井今井で買ったリーガル。化粧品はジルスチュアート、ハンドクリームもボディクリームはロクシタンかジル。ボディスクラブとハンドスクラブはSABON。ヘアケアはロレアルプロフェッショナル。手鏡はマジョマジョの限定品、髪留めだってルミネで買ったリボンバレッタやリボンのバナナクリップ。手帳もレストローズ。アロマランプをつけ、部屋に青山フラワーマーケットで買った花を置いている。寝る時はジェラートピケのもこもこ可愛い部屋着に包まれて、テンピュールの枕とピンクのいい香りの布団で寝る。
ここまで書いておいて分かったのは、持ち物に人間が圧倒的に負けていることだった。
いい記事があったからぶら下げとくわ。
ひとり暮らし用「高いけどこれ買っとけ」リストがあまりにもあれな件
http://anond.hatelabo.jp/20140707131839
http://uxlayman.hatenablog.com/entry/2014/07/06/205350
言っておくが、金持ちではないよ。
安物買いの銭失いはしたくない、っていうだけの話だ。
1)家具:ひとつのモデルがものすごく長く作られているものが良い。結婚したとき買い足せるから。
もともと20万ぐらいのタンスを2竿もっていて、7年後に結婚したときに2つ買い足した。現在3つは妻に専有されている。(泣)
自分はインテリアデザイナー達がよく使うメーカーのもの買ったんだけど、リーマンショックでタンスから撤退していてショック。
2)洗濯機
ドラム式はそんなにおすすめじゃない。引っ越すと右開き左開きが変わる場合もあるからだ。
それに自分の場合、ヒートポンプが引っ越しの時に壊れた。それに重すぎるから引っ越しがしにくい。
日立 9.0kg ドラム式洗濯乾燥機 【左開き】ピュアホワイトHITACHI ビッグドラム BD-V1500L-W
ところで「洗濯中」などとMieleのドラム式をFacebookに晒すのが主婦の間では流行らしいよ。
某私立大学卒業生の投稿なんか見ていると、まるで海外商品カタログだ。笑える。
これはマキタ一択に同意するわ。俺は紙パックはなし派。そしてバッテリーが他の工具と共通、っていうシリーズがあるわけ。これが超便利でおすすめ。
http://www.makita.co.jp/product/li_ion/index.html
某私立大学卒業生だとダイソンになるわけだが。重い、うるさい、でかい、弱い。何が良いんだか。
ただ、Roombaは結婚後も使えるんだわ。しかも壊れても修理がしやすいしね。(修理のしやすさが神)
いちばん安いのでオッケー。並行輸入品だろうがなんだろうが、部品も並行輸入してがんがん直せるから全然関係ないね。
あと、SECOM入ってるとRoombaは留守中使えないか、あるいはペットがいます設定(部屋の下のほうはスキャンしないようにする)にしてやる必要がある。
4)ゴミ箱
ゴミ箱にも名品ってものはある。子供の頃から見慣れているものを買っておけば良いんじゃねーの?
二重窓だったらブラインドでも構わない。(掃除めんどう)部屋が広くなるのが吉
カーテンって自分で作らない?簡単じゃん。楽しいし。女の子にももてるし。
6)フライパン類・鍋類
消耗品としてのT-FALなどと、ずっと使えるFisslerなどがある。
結婚してもずっと使ってるのはシャトルシェフ。これはむしろ買い足した。
7)食器・キッチン用品
食器に関しては何十年も変わらないモデルがいくらでも存在する。買い足せるものをおすすめ。
そうじゃなければ一点ものを。
食器洗浄機使うでしょ。だから割れるのは覚悟の上で。ジノリが最近復活したので助かってる。
ボウルなどなど、合羽橋に見に行くと良いよ。自分は柳さんのは使いにくくてだめ。オールステンレスの包丁は勧められた。
http://www.furaipan.com/shouhin/23houchou/guroobaru/kakudai02.shtml
うちは近所に趣味人のやってるお店があるので、インテリア、食器、包丁類、その他の買い物は、そして結婚式の引出物もそこで済ませてしまった。
引き出物も、あとで好きだったら買い足せるものをセレクトしておいた。
8)エレクタ
意外と家のあちこちで生き残ってる。家具の一部になっていたり。
でも捨てるときはすぱっと割り切る気持ちが必要。(また使えるんじゃないか、とつい思ってしまうが)
9)テンピュール
これも結婚しても生き残ったな。意外と長持ちするのね。今は子供が使っている。(新生児にはだめだよ、沈むからあぶない)
木で出来たおもちゃとか集めるのが趣味だったんだけど、一瞬だけ子供たちに遊ばせて、またコレクションにもどってる。
http://www.naefspiele.ch/index.php?id=1&L=1
孫に遊ばせよう。自分の趣味のものは存分に買っておくと良いよ。それが嫌だとかいうパートナーは選ばないほうが良いと思う。
11)ソファ
これは引っ越したり、子供が増えるとだめみたい。高いの使ってたんだけど、捨てざるを得なかった。
(たぶん誰かがリサイクルして使ってくれている)
大企業を蹴って、ベンチャーに就職 するって?
「大企業だと先が見えてて自由がなくて面白くない、でも、ベンチャーだと会社と共に成長していけるから楽しそう」お前はそんなふうに思っているんだろう。
若者よ。気持ちはわかるぞ。そしてそれは全く正しい。
10年付き合った彼女が、おまえのとろうとしているキャリアパスをたどった。
一方、俺は逆のキャリアパスをたどることになったんだ。大卒で(名前がNから始まる)とある大手企業に入社し、数年後、仲間と共に小さな会社を興した。
新卒でいきなりベンチャーに入っちゃう若者は、残念なことに、結構いるらしい。
ベンチャー専門の就職説明会というのがある。ベンチャーに入りたい新卒を集めて、まだ名前が広まっていないベンチャー企業が集まって、彼らに自社を紹介する、そんな合同説明会だ。
説明会はビュッフェスタイルの豪華な食事とともに、ホテルのラウンジで盛大に執り行われる。参加する学生も熱意に満ち溢れている。一般的な説明会に参加する新卒とは、目つきのギラつきが違うらしい。企業の説明のために社長本人が繰り出してくることも多い。
企業の説明がひと通り終わって、担当者がフリーになると、学生は我先にと質問に押しかける。そして名刺を押し付けるんだ(学生が自分で名刺作ってるんだぜw びっくりだろ?)。
モチロン、名前を売るためだ。個人的に仲良くなって、入社の時にライバルに差を付けようとするのが、彼らの狙いなんだ。
「…へええ、実に、おめでたいねえ。俺が学生の時なんて、てめえの研究に夢中で、就職活動なんてろくすっぽやらなかったけどな。決められたレールで、用意されたステージでゲームすればいいやあ。俺ダメ人間だなーw って思ってたけどw」
「いや、違う。これは『バイオハザード』なんだよ」
つまり、『ゾンビ』は狩る気まんまんつもりで人間に群がるが、実は、狩られているのは『ゾンビ』の方なのさ。
学生側は自分で色々工夫して、積極的に就職活動しているつもりなんだけど、彼らの中にはモチロン東大京大早慶はいない。
そういう頭のいい連中は、まっさきに大手企業に内定決めちまってて、余った時間で、旅行先で女とパコパコしてるってワケ。
残ったボンクラ学生が、俺らを頼る。俺らは彼らに就職先を紹介してやる。『ベンチャー』の響きがいいから、彼らは、「あれ? 実は、俺らって勝ち組なんじゃね」とか「受け身で生きてる奴らに差をつける」とか考えちゃうけど、
そういうポジティブシンキングって、ただ単に、自分を騙してるだけなんだよね。選択肢がないって現実から目を逸らしてるだけさ。
まあそういう学生は実際に働く段になって、いろいろな不都合に目を瞑って頑張ってくれるから、企業側としてもありがたいんだろうけどね。
そういうのもある意味才能だよ。『セルフ・ブラックアウト』って俺は呼んでるw
それに加えて、目が眩むってのもあるだろうな。きらびやかな場所でパーティする機会なんて、今どきの学生はめったにしたことないだろうからさ。
でも実際は、『ホテルのラウンジ』は、『ハローワーク』なんだよ。
「まー結局は、いつの時代も、お金持ってる方とか、学歴持ってる方とか、もてるものが勝つんだよなーw そしてダメ人間は負ける」と軽口でシメようとした俺を横目に、友人は笑う。
「いや、中小企業も楽じゃないんだぜ。お前はわかってるだろう? 連中も東大京大とは言わずとも、早慶マーチあたりを取りたい。でも無理さ」
「カネがないからねえ」
「そう。でも大企業は金持ってるから、派手に募集をかけられるってわけ。リクルーTとかをつかってな。でも、そんな余裕のない企業様方もいっぱいいる。困ったなあ困ったなあ、でも学生ほしいよお。さあどうしよう?」
「そこにお前が現れるんだな」
友人はニヤリと笑って言う。
「その通り。俺らが中小企業たちに、『ベンチャー』ってラベルを付けて、魅力的に見せて、学生に紹介してやる。就職先が無くて意欲を失ってた学生も大喜び。Win-Winの関係。そういうマッチング商売なのさ。実にウマイw」
シワひとつ無いシャツの袖に、派手なカフスボタンをちらつかせて、ニヤニヤ笑う友人。
なるほど。ラウンジの貸し切り料金と豪華な食事代は、全部中小企業持ちか。それでもリクルーTの利用料金よりは安くつくってことか。なんだかなあ。
呆れた俺は、店の飲み代を彼のオゴリということにして、その場を後にしたんだ。
彼女はいきなりベンチャーに就職したが、俺はまず、(名前がNで終わる)大企業に就職することにした。
ことにしたって書いたけど、ちゃんと考えたわけではない。前述のとおり適当なノリで就職した。のんびりやってければいいと思っていたんだ。
けれども、周りを見ると優秀な連中ばかりで、そう甘くはいかなかった。
周りに流されやすいタイプだった俺は、せめて浮くまいとして、必死に仕事した。
いつしか気づくとデスクは光学関係の専門書で埋まっていた、仕事にかじりついて傷んだ腰を痛みを和らげるために、テンピュールのランバーサポートを買った。
社員は多いのに仕事は尽きること無く次々とやってきて、難しい問題に直面する度に、チームメンバーとの議論が白熱した。
少し暗いが音は優しい仲間たち。くせのある連中で、諍いを起こす度に俺は彼女に愚痴っていたが、振り返ってみると悪くない時間を過ごせたと思うんだ。
社食の味が薄味だったのが気にいらなかったけどね。
そうして、俺は経験をためていった。
村上春樹は自著で、”真の芸術が生み出されるためには、奴隷制度が必要不可欠”と述べているんだが、その理由は、奴隷が畑を耕したり、食事を作ったり、インフラ的なことをやってくれるからだ。その上で芸術家は好き勝手にやりたいことをやれる。研究開発でも同じだ。
安定した環境が確保されて初めて、知識や技術を会得できる。明日のおまんまを心配すること無く、目の前の仕事に集中できること。それが重要だ。
今、思いついたが、ベンチャーに就職した彼女がやつれていったのは、まともにメシを食っていなかったというのもあるかも知れないな。三食カロリーメイトとかザラ、等と言っていたので心配したこともあったんだった。
薄味の社食は物足りないかもしれないが、A定食→B定食→C定食→D定食→A定食... と繰り返していけば、飽きること無いし、栄養もつくし。
安定と関連するが、大企業は定時に帰れるってのも結構大事なんだ。
若いころこそ、”遊ぶ”イコール人生の無駄、的に考えていたが、今から振り返ってみると、本当によく遊べた奴が、得てして成功している。その傾向にあると思う。
俺の個人的な経験を拡大して一般化するのは無理があるかも知れないけどね。
”遊ぶ”ことは思考のかたよりを解消する効果がある。
とあるインドのジュニアスクールの休み時間は、授業一時間に対して、たっぷり30分取られる、という話を聞いたことがある(※ただし、その時間で自習している奴もいると思うけどね)。
俺も大企業時代で一番はかどってた時には、定時帰りで遊びまくっていたし。
每日のように街のダーツバーに行って、オネーチャン引っ掛けてよろしくやっていたんだ。
つまり俺が言いたいのは、”若くて技術がないうちは特に、大企業で力を蓄えるべし”ってこと。
そして、5年経ったら、独立する。
社会人のみんなはわかってると思うけど、どんな職場でも、5年も働くと飽きてくるんだ。
『飽き』っていうのは、仕事のパフォーマンスに絶大な影響を及ぼす。
「我々の先祖はジャングルに住んでいた。ジャングルでは意味のないものに注意を向ける人間はいなくなる宿命にある。
遠く流れる雲を数えたり、カブトムシを集めたり。のんびりと下らないことをしている人間は、背後から近づいてくる毒蛇や、ジャガーに、気づかない」
そうした性質が我々に遺伝した。すなわち、生き残るために、下らないことに注意を向けようとすると、やる気が無くなるようになっている、と。
そして、新卒の坊やが言うように、そうなったとき、好きに仕事を変えられる自由は、大企業では得難い。特に技術屋はそうだ。
時が来たのだ。技術は蓄えた。今こそ、真の自由に突入するタイミング!!
そう思って会社を興した俺。紆余曲折を得て、なんとかベンチャーを続けられてる。
ところで、入社したはじめはわからなかったが、エリートとその他大勢を見分けるのには、実はちょっとしたコツが有るんだ。
それは机をよく見る事だ。
いや、机のきれいな奴がエリートってわけじゃない。机の汚い奴にも仕事のできるやつはいる。というか多い。
営業とか、人材マネジメント関係の人は割と皆知っていると思うが、「机の片付け方に、そいつなりの秩序がある奴は、たいてい仕事できる」。
たくさん仕事している奴は、資料をちょっと振り返るのに、ガサゴソ書類の山を漁ってさがしたりしない。ちょっと考えればわかると思うけど、そういう作業には1分とか2分とか、細かく時間が掛かるし、脳内コンテキストをスイッチしなくてはならなくなる。
つまり、それまでの深い思考を一時的に、脳内のメモリからハードディスクに書き移して、退避させなきゃならないんだ。
脳みそのハードディスクは書き込みは速いが、読み込みは遅い。目的の書類を発見した後に、再び深い思考状態に戻るのは、かなり時間がかかる。そしてそういう行ったり来たりを繰り返していくうちに消耗して、いつしか深く考えるのをやめてしまう。
だから、デキるやつは、書類を探すのに時間を掛けない。たとえ机の上に山ができていても、目的の書類を即座に(1秒以内に、迷うこと無く)見つけてくることができる。
彼のシステムを発見するスキル。意識していると、いつの間にか身につく。
社内のいろんな部署にちょっと顔を出して、そういう机をしている奴を探して、声をかけるんだ。
で、連絡を取り合って、一緒にバーに行ったりするんだ(そしてオネーチャンたちに”自慢の友人”として紹介する)。
そうして仲良くなった数人を引き抜いて、自分で会社を起てるんだ。
おおまかに言うと、俺が会社を起てる際にやったことは、そういうことだ。
Yコンビネータっていう外国のベンチャーキャピタルの、ポール・グラハムっていう人がこんなかんじのことを言っていた。
ベンチャーが成功するかどうかを決めるのは、彼らのアイデアがどれだけすごいかは関係無く、ベンチャーを構成するメンバーの『人間』で決まる。
初期メンバーは今はいない人も多いが、会社を軌道に乗せるのにみんな役立ってくれた。
それ以後にも結構人を雇ったが、使えない奴はとことん使えない。単に役に立たないということじゃなく、仕事の邪魔になるんだ。かと言ってすぐに抜けてもらう訳にはいかないし。
のべ数時間程度の面接や試験だけで、そういった『人間の本質』を見分けるのは土台、不可能に決まっている。
前述の就職支援の友人も、同じようなことを言っていた。(働いた後に机を見ればわかるんだが。)
人を雇うのにはコストがかかるし、振り回されると更にコストがかかる。
だからこれが、ベンチャーを起業して上手くやるための、”唯一まともな”最短パス、なんだ。
え? まともじゃなくてもいいから、真の最短パスを教えて下さい??
一方で高校時代に付き合い始めた俺の彼女は、小説家になるのが夢で、文系の国立大学に通っていたんだが、結局プロにはならず、普通に就職することにした。
学外に知り合いの多いやつだった。
知人の紹介でとあるベンチャーにツバをつけていた一方で、大手の広告関連企業の就職試験も突破していた。
まだ就職が決まっていなくて多少不安だった俺は、安定した企業の方がいいんじゃないか、空いてる時間でおまえの好きな小説が書けるかも、とアドバイスしたが、
ベンチャーで一旗揚げて、いつかキミを養ってあげるのもいいじゃんw 等と言っていた。いや、別にいいよ。とスルーしたと思う。
ほどなくして、連絡があった。彼女はベンチャーの方にかじを切ることを決めた。
当時の俺は納得できなかったが、決断を否定することだけはしたくなかったので、それ以上何も言わなかった。
社会人になって、電話で度々、「忙しくて小説書けねぇw」と愚痴ってきたので、その度なだめていた俺だったんだが、
学生時代はデートのために休みになる度に電車に揺られていた。社会人になってからは真夜中に突然訪ねてくるようになった。
でも、ある雨の夜にドアベルに気づいた俺がいつものようにドアを開けると、泣いている彼女が立っていた。びっくりする俺。彼女のブラウスの上のボタンが外れていた。
社長と揉めたらしい。
「無理矢理犯されそうになった」彼女はそう言った。
社長と二人で会社に残っていると、おつかれさま、少し休んだほうがいい、と言って社長が背後に立つ。振り返ると、どうも様子がおかしい。怖くなった彼女は逃げようとした。
それで、なりふり構わず逃げてきたという。
そういうことはよくあるのか、と問いただすと、「いつもはおしりを触ってくる程度」と、まるで自分が悪いかのように、申し訳無さそうに言った。
気づかなくてごめん、と俺は謝った。それしかできなかった。
後でわかったことだが、その日社長は二徹していた。
社長からの謝罪があって、彼女は再び会社に通えるようになったが、心配した俺は、そういうことが次にあったら、まず俺に言うんだよ、と注意した。
だがその後、職場環境は悪化するばかりだった。仕事は積み重なり、彼女も部屋に帰れない日が多くなった。心配した俺は度々電話をかけたが、通じないことが多かった。
言うまでもなく、ベンチャーは仕事が多い。そして人間追い詰められると、判断がおかしくなることがある。
その社長はいくらなんでもクソだと思うだろうが、彼女の方にも問題がある。
働いて、職場の人達と話して、しばらくすると口座に自動的にお金が入ってくる。
そんな中で、例えば、おしりを触ってくることに関して社長に楯突くことが、どういう影響をおよぼすのかわからないのだ。
ちゃんと聞いてくれるのか、疲れた社長をノイローゼに陥らせて会社の機能を停止してしまうんじゃないか、そうすると仲間に迷惑をかけるんじゃないか、あるいは権力で押し切られて逆に会社でハブられることになるんじゃないか。もしかしたら辞めさせられてしまうんじゃないか。万が一辞めざるを得なくなったら、自分はどうやって生きていけばいいのか。キャリアもない、スキルもないのに、再就職先があるのか。路頭に迷うんじゃないのか。セクハラされたせいでやめたと、正直に再就職先に言っていいのか、再就職した先でその話が伝わっていじめられたりはしないか。
若者は、何も知らない。
まして、必要な激務で疲れている。そんな中でちゃんと判断を下すことが出来るはずもない。
セクハラの例は極端かも知れないが、あらゆる局面でそのような判断力の弱さは出てしまう。
どれだけ自分は働けるのか・働くべきなのか、業務で必要な知識を養うにはどうすればいいか、などなど。
大企業に就職した人は、そういった常識は、周りの人間のアドバイスを受けたり、会社が提供する教育を受けたり、社内の規律を学んだり、顧客の企業や、子会社との交流したり、そうして徐々に身につけていく。
知っていなければ。選択肢がなければ、選択できない。当たり前だ。
選択肢が無い。そして増えない。
若者よ、君たちは鳥だ。
社会に出て数年は確かに辛いかもしれない。でも巣の中で母鳥がくれる餌を兄弟と取り合うんだ。英気を養え。そのエネルギーはやがて力になる。すべては、巣を離れて大空を羽ばたく、その日のために。
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ところで彼女のことだが、事件があった日からしばらく働いていたんだが、やがて体調を崩し、ベンチャーを辞めてしまって実家に引っ込んだ(そうして、ようやく好きだった小説が書けるようになった)。
それでも何年かは交流は続いていたんだけど、ある日、些細なことで喧嘩して、それっきりになってしまった(確か彼女がネコを飼いたくってたまんない!ってしつこく訴えてきて、好きにすれば、って言ったらそっぽ向かれてしまった。それで俺も冷めたんだ)。
今は音信不通なんだが、風のうわさによると、最近結婚したらしい。どうやら幸せにやっているみたいだ。
相手の勤めている企業の名前こそ知らなかったが、良く日に焼けた、笑顔の似合う好青年だ。
元気な男の赤ちゃんの写真も見かけた。俺はタイミング的にデキ婚なんじゃね?等と下衆の勘ぐりをしてしまったけど(ひょっとすると俺の中にも未練が残っているのかもしれない)。元気でいてほしいと思う。
追記) げっ元増田の記事、よく読んだら、判断を下すのは今日中、ってことか?? さっさと投稿すべきだった… もう俺には、元増田がこのトラバに気づいてくれるように祈ることしかできない…
なお、ここまで読んでくれた読者で、全然参考にならなかった方、ゴメンナサイ。ダラダラと長くて、あなたの時間を奪ってしまって済みませんでした_ _。
寝ることが趣味なんて、趣味とは言えないって今まで思ってたけど、寝ることについていろいろ考えてたら楽しくなってきた。
例えばベットはどこのメーカーのものが一番寝心地がいいのか、シモンズか?フランスベットか?はたまた東京ベットか?
いや、もしかしたらベットじゃなくて布団がいいかもしれない。最高級の布団てどんなんだろう?羽毛100%ってどんな感じ?
サイズもいろいろあるな。俺、独りだからシングルで十分か?いや、いちいち寝返りをうたなくていいように幅広のキングサイズがいいかな?
あっ、枕はどうしよう。やっぱテンピュールかなぁ。いや、蕎麦の実がはいったら昔ながらの枕が実は一番好きなんだなぁ。
うーん。いろいろ考えてたら眠れなくなってきた。