はてなキーワード: 正当防衛とは
注:増田は政府・自民党関係者ではなく、また、海洋法については全くの素人なので、以下の解釈が政府・自民党の見解か、また、正しい法解釈か否かについて、全く自信がありません。
報道によれば、中国海警局の船が尖閣諸島への接近・上陸を試みた場合に、警察官職務執行法7条を根拠として、危害射撃が可能であるとの見解を示したとのこと。
外国軍艦・政府公船に対する武器使用が、国際海洋法条約29〜32条および95,96条に反するのでは無いか、との指摘があります。
前提として、すべての国の船舶は領海において無害通行権を有する(条約17条)、逆に言えば、外国領海における通行以外の行為および有害な通行は主権侵害となります。
すべての国の船舶は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、この条約に従うことを条件として、領海において無害通航権を有する。
(a)内水に入ることなく又は内水の外にある停泊地若しくは港湾施設に立ち寄ることなく領海を通過すること。
(b)内水に向かって若しくは内水から航行すること又は(a)の停泊地若しくは港湾施設に立ち寄ること。
2 通航は、継続的かつ迅速に行わなければならない。ただし、停船及び投びょうは、航行に通常付随するものである場合、不可抗力若しくは遭難により必要とされる場合又は危険若しくは遭難に陥った人、船舶若しくは航空機に援助を与えるために必要とされる場合に限り、通航に含まれる。
1 通航は、沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない限り、無害とされる。無害通航は、この条約及び国際法の他の規則に従って行わなければならない。
2 外国船舶の通航は、当該外国船舶が領海において次の活動のいずれかに従事する場合には、沿岸国の平和、秩序又は安全を害するものとされる。
(a)武力による威嚇又は武力の行使であって、沿岸国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対するもの又はその他の国際連合憲章に規定する国際法の諸原則に違反する方法によるもの
(c)沿岸国の防衛又は安全を害することとなるような情報の収集を目的とする行為
C 軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に適用される規則
この条約の適用上、「軍艦」とは、一の国の軍隊に属する船舶であって、当該国の国籍を有するそのような船舶であることを示す外部標識を掲げ、当該国の政府によって正式に任命されてその氏名が軍務に従事する者の適当な名簿又はこれに相当するものに記載されている士官の指揮の下にあり、かつ、正規の軍隊の規律に服する乗組員が配置されているものをいう。
軍艦が領海の通航に係る沿岸国の法令を遵守せず、かつ、その軍艦に対して行われた当該法令の遵守の要請を無視した場合には、当該沿岸国は、その軍艦に対し当該領海から直ちに退去することを要求することができる。
第三十一条 軍艦又は非商業的目的のために運航するその他の政府船舶がもたらした損害についての旗国の責任
旗国は、軍艦又は非商業的目的のために運航するその他の政府船舶が領海の通航に係る沿岸国の法令、この条約又は国際法の他の規則を遵守しなかった結果として沿岸国に与えたいかなる損失又は損害についても国際的責任を負う。
第三十二条 軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に与えられる免除
この節のA及び前二条の規定による例外を除くほか、この条約のいかなる規定も、軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に与えられる免除に影響を及ぼすものではない。
公海上の軍艦は、旗国以外のいずれの国の管轄権からも完全に免除される。
第九十六条 政府の非商業的役務にのみ使用される船舶に与えられる免除
国が所有し又は運航する船舶で政府の非商業的役務にのみ使用されるものは、公海において旗国以外のいずれの国の管轄権からも完全に免除される。
条約95、96条によって外国軍艦・公船に与えられる管轄免除はあくまで公海上についてなので、上陸を試みるがごとき領海内の行為については適用がありません。
また、19条2項によれば沿岸国は、無害でない通航を防止するため、自国の領海内において必要な措置をとることができる
(25条1項)。
というか、そもそも上陸を試みるのは通行
の定義(18条)に当てはまらず、もともと無害通行権の適用外のように見えます。
そうすると、尖閣諸島周辺の領海への侵入・上陸は、軍艦・公船といえども国際海洋法条約で保護されている場面では無いので、これに対して主権を行使することは、国際海洋法条約に抵触しないと言えるように思います。
第七条 警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条(正当防衛)若しくは同法第三十七条(緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
一 死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁こにあたる兇悪な罪を現に犯し、若しくは既に犯したと疑うに足りる充分な理由のある者がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。
二 逮捕状により逮捕する際又は勾引状若しくは勾留状を執行する際その本人がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。
警察官職務執行法7条は海上保安庁法20条1項で準用されているため、海上保安官及び海上保安官補も警職法7条に従って武器使用が可能です。
第二十条① 海上保安官及び海上保安官補の武器の使用については、警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)第七条の規定を準用する。
② 前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により武器を使用する場合のほか、第十七条第一項の規定に基づき船舶の進行の停止を繰り返し命じても乗組員等がこれに応ぜずなお海上保安官又は海上保安官補の職務の執行に対して抵抗し、又は逃亡しようとする場合において、海上保安庁長官が当該船舶の外観、航海の態様、乗組員等の異常な挙動その他周囲の事情及びこれらに関連する情報から合理的に判断して次の各号のすべてに該当する事態であると認めたときは、海上保安官又は海上保安官補は、当該船舶の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のあるときには、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。
一 当該船舶が、外国船舶(軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であつて非商業的目的のみに使用されるものを除く。)と思料される船舶であつて、かつ、海洋法に関する国際連合条約第十九条に定めるところによる無害通航でない航行を我が国の内水又は領海において現に行つていると認められること(当該航行に正当な理由がある場合を除く。)。
海上保安官が武器を使用する場合、通常は、個別法である海上保安庁法20条2項を使ってるのではないかと思います。
海上保安庁法20条2項は括弧書きで軍艦および政府公船を適用対象外としているので、同項では、(たとえ無害通行では無い場合であっても)外国の軍艦および政府公船に対して武器を使用することはできません。
もっとも、海上保安庁法20条2項はあくまで前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により武器を使用する場合のほか
について定めるものなので、同項があるからといって警職法7条による武器使用は制限されないといえます。
警職法7条によっても、危害射撃が可能となるのは、法定刑が長期3年以上の自由刑以上にあたる兇悪な罪
の現行犯等か、または身体拘束令状の執行に関するときだけです。法定刑長期3年以上の単なる「犯罪」ではなく兇悪な
と付いており、警察官等けん銃使用取扱規範では次のように例示されています。
警察官等けん銃使用及び取扱い規範(昭和三十七年国家公安委員会規則第七号)
第二条
2 警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号。以下「法」という。)第七条ただし書第一号に規定する「死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁こ、にあたる兇悪な罪」に当たる罪を例示すると、次のとおりである。
一 不特定若しくは多数の人の生命若しくは身体を害し、又は重要な施設若しくは設備を破壊するおそれがあり、社会に不安又は恐怖を生じさせる罪として次に掲げるもの
イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第七十七条(内乱)、第八十一条(外患誘致)、…(略)…の罪
チ イからトまでに掲げる罪のほか、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪で、不特定若しくは多数の人の生命若しくは身体を害し、又は重要な施設若しくは設備を破壊するおそれがあり、社会に不安又は恐怖を生じさせるもの
ロ イに掲げる罪のほか、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪で、人の生命又は身体に危害を与えるもの
三 前二号に掲げる罪のほか、人の生命又は身体に対して危害を及ぼすおそれがあり、かつ、凶器を携帯するなど著しく人を畏怖させるような方法によつて行われる罪として次に掲げるもの
ト イからヘまでに掲げる罪のほか、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪で、人の生命又は身体に対して危害を及ぼすおそれがあり、かつ、凶器を携帯するなど著しく人を畏怖させるような方法によつて行われるもの
さて、上記の例時列挙を前提とした場合、尖閣諸島に対する侵略行為は、どのような兇悪な罪
に該当することになるでしょうか。
外国からの侵略ということで真っ先に連想されるのは外患誘致罪です。
(外患誘致)
第81条 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。
(外患援助)
第82条 日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。
軍艦で上陸した時点で武力を行使
にあたると考えれば、その軍務に服し
ている者には外患援助罪(刑法82条)が成立するかもしれません。
ただし、外患援助罪は、警察官等けん銃使用取扱規範における兇悪な罪
の明示的な列挙からは除外されています。
とはいえ、同規範はあくまで例示列挙であり、同項3号トに人の生命又は身体に対して危害を及ぼすおそれがあり、かつ、凶器を携帯するなど著しく人を畏怖させるような方法によつて行われるもの
という一般規定があります。領域の侵略に際しては武器を携帯しているでしょうから、同号の要件は充足する場合が多いかと思います。
なお、出入国管理法による不法入国の罪の法定刑も長期3年以上なので、外患援助罪ではなくこちらを使う余地もあるかもしれません。ただし、不法入国の罪は一般論としては兇悪な罪
と言いにくい面があるので、外患援助罪の方が適切でないかと思います。
出入国管理及び難民認定法
第3条 ① 次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に入つてはならない。
一 有効な旅券を所持しない者(有効な乗員手帳を所持する乗員を除く。)
二 入国審査官から上陸許可の証印若しくは第九条第四項の規定による記録又は上陸の許可(以下「上陸の許可等」という。)を受けないで本邦に上陸する目的を有する者(前号に掲げる者を除く。)
第70条 ① 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
わーお
癒やしのプリキュア
優しい心
地球をお手当
いろんな言葉を使ったが最後は結局生存競争の元に相手を殺して終わりか
生きるためなら殺すっていうのはまさに、『カルネアデスの舟板』だよ。
どちらか片方しか生き残れないから仕方なかったという大義名分の元に相手を確実に殺す。
それを見事に肯定してみせたわけだ。
こりゃあ凄いぞ完全な戦争賛美だよ
毒親に殺されそうとかイジメっ子に殺されそうとかそう言った子どもたちは相手を殺していい
そうその通りだ
正当防衛だよ
殺されそうなら殺していいんだよってちゃんと教えるのは大切なことだ
子供に見せて良かったよ
そう言われて口にしたのが「生き残りたいから戦うんだ」ってのは大正解だ
そうだ人類はずっとそうしてきた
それが人類史だ
人類史を紐解けば紛れもなくそういった生存のための殺戮の時代が最も長い
ナチスに人類が滅ぼされてないのはその前にナチスを殺しきったからだ
皆で一緒に生き残るために殺しに手を貸す最終決戦は最高だったよ
誰も安全圏にいない
『生き残りたいからプリキュアにビョーゲンズを殺してもらおう』の一致団結はまさに一億火の玉
知らなかったで生存競争の責任を押し付けるものが誰もいない正しい戦後だ
いやコイツは実際凄いよ
誰もが「私達みんながビョーゲンズを殺しました」と自覚してるきれいな世界だ。
実際の戦後はどうだい?
政府が前線が国民が世論が勝手にやった勝手にやらせたと騒いで自分の手についた血を他人になすりつける卑怯者だらけだ。
ヒープリを見て育った子はその点頼もしいよ
祈りを捧げて力を貸すことは殺しの手伝いをしたことに他ならないって子供の頃にちゃんと教わってるんだ
生き残るなら殺すしかないって事もだ
いやいや昭和の頃の私達は被害者なんです次に起きたら無抵抗に捕虜になります連呼の教育は本当にひどかたっねえ
でも安心したよ
ちゃーんと生存競争の厳しさを知ってるし手を汚したことから逃げられないことも知ってる
立派な世代だ
いいアニメだったなあヒープリは
どの社会でも強盗はいるし、それを舐めてかかってたからヘンゼルとグレーテルの魔女は食い物にされた訳で
ヘンゼルとグレーテルの事を出してるのにそれを逆に長男と次男の方の視点に変えられなかったのは増田が英雄譚に憧れるだけで足元が見えてない哀れな餌でしかないことの証拠よね。
勿論ヘンゼルとグレーテルは一回で終われたから良かったけど、三匹の子豚の狼は二回も成功したのに更に欲を掻いて堅固なレンガの家を襲うことにしてしまった。更には一度入ったら抜け出ることが困難で最悪、死が伴う煙突からの侵入を試みてしまった。
三男は更に上手で料理を作るフリをしながら狼を茹でて殺し、更にはその狼入りの料理を食ってしまった。
書けば書くほど三男の冷徹さがわかる話。
増田は馬鹿だから財宝が金銀しかないと思ってるんだろうけど、財宝ってのは間違いなく命を持って生きてることだ。
長男と次男はオオカミのエサにされてしまったけど、それが社会なんだよ。
今回はたまたま三男だっただけ。
現実に役立つのか?ってそれは現実を知らなさすぎるとしか言えない
不審な人にはすぐに応対しない
多少時間がかかってもしっかりと作ったものの方が役に立つし長持ちする
増田の言うヘンゼルとグレーテルもぶっ殺されても文句言えなかったっていう話だよ
伊東園ホテルズのマスク未着用宿泊拒否をめぐる案件について : マスク未着用途中降機乗客の記録
まあ、マスク付着用は宿泊拒否の理由にはならないはずだ、との主張そのものは法的に正しく、正当だ。
しかし、そのように主張する行為は、感染症対策として行政が人々にお願いしていることに反しており、不当だ。
マスク着用がコロナ予防に資するのはもはや全世界の共通認識だ。
現在の政策は「人々の合理的な自助努力をお願いする」ものであり、その期待に反するという意味で不当だ。
不当だけど、お願いでしかないので野放しにせざるを得ない。伊東園ホテルは法的には強引でかなり微妙なことをしたと思うが、
政府のいうことにおとなしく従う日本人の国民性への期待だけで、
自粛だの要請だので、感染症対策っぽいことをやってきたかもしれないが
本来、こういう面倒な輩を法的なルールでコントロールしてこそ感染症対策だ。
めんどくさがらずに、とっとと旅館業法を改正して、感染症予防措置の項目を設けるべきだ。
もちろん合理的な対策を講じれば、開催によるコロナリスクはかなり最小化できるだろう。
なぜならば、この一年、日本でやってきた対策というのは、合理性のひとかけらもないものだった。
ただひたすら恐怖に訴えて活動の自粛をうながすやり方だったからだ。
人々にコロナの恐怖を植え付けて、マスコミを通じて、おびえさせ
燃え盛るような夜の真っ赤な都庁を映し出し、いずれはニューヨークやイタリアと同じ地獄に向かうと国民を煽った。
それによって、何ら法的な強制力ももたない政府が国民に自粛を呼びかけるだけで、
人出を減らすことに成功した。
人々の視点からみれば怯えて自粛することが成功体験ともなった。一方で、飲食業界を奈落の底に突き落とした。
恐怖をあおる戦術はいまも継続中で、医療崩壊の現場と人々への影響がセンセーショナルに報道されている。
コロナに怯える人は、ソーシャルな場に拒否反応を示し、リスクを過大に見積もる一方、
怖がったところで仕事柄、人と接触を回避できず生活が成り立たない人々もいる。
そうすると認知的不協和を引き起こし、受忍せざるを得ないリスクについて過小評価するようになる人が当然現れる。
そこで、怖がる人と怖がらない人にふるい分けられ、必要以上に自粛するグループと、ソーシャルディスタンスを軽視するグループに二極化していったともいえるかもしれない。
後者のタイプは、恐怖に耐性ができたこともあり、恐怖作戦は絶対に効かない。行動を変えようがない。
にもかかわらず、政府と報道機関はさらに恐怖をあおることでなんとか変心させようとしているようだ。
その煽りの余波は、むしろ自粛を続ける人たちをさらに刺激し、ビビらせる一方で、
疲れて認知的不協和に耐えきれなくなった人から次々とリスクを過小評価するようになり、ますます恐怖作戦が効きにくくなる悪循環に陥っている。
他方、運よく自粛環境に恵まれた人は、報道がますます怖いことを言ってくるようになってきたという印象でしかない。
この一年ですっかりコロナ恐怖に煽られた俺からみれば、バッハ会長は鬼である。
「バッハよ、お前の目には、自宅療養を強いられた末、突然亡くなった家族の姿が目に浮かばんのか!」みたいに
なにもかもが論理的なつながりがなくても、恐ろしいものを煽るものとして合成されてしまう。
いまさら合理的な対策などを説得されても、恐怖から自粛した体験しか持たない俺にとっては、
何を聞かされても鬼でしかないのだ。
感染症を科学的に理解し、リスク回避を合理的に考える絶好のチャンスだったのに、
それができなかった。
この一年、十分に科学的素養を蓄え、啓もうされていれば、オリンピックに対するここまでの拒絶意識は生まれなかったような気がする。
オリンピックを開催することがもはや止められないのであれば、
できうる対策をとったうえで開催した場合、どのような結果になるかについて
結果を予測する、というのは、あらゆるリスク管理の最初の第一歩のはずだけど、
緊急事態宣言の延長の可能性を記者から問われ、「仮定の話には答えられない」と答えた首相の発言はそれを象徴している。
何か対策を行うにあたっては、見込まれたリスクをある程度は受容せざるを得ないことは間違いないはずだ。
そういう発想だからTERFにもなるんだろうな……といろいろ納得してしまった。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/1625581
差別反対を主張していた人がこんなにもあっさり差別的発想に転んじゃうのって、やっぱり本質的に「差別のない社会」がどういうことか理解できてなかったんじゃないかな。
差別というのは、「○○人の血は汚れている」のような根も葉もない生理的嫌悪感に基づくものから、「○○人の犯罪発生率は高い」という統計的事実に基づくものまで色々ある。
アメリカでは黒人の犯罪率は他の人種と比べて高い。だから、もしも「社会の多数派にとっての安全」を「差別の解消」よりも上位に置くのなら、黒人ばかりを狙って職質をかけたりするのは合理的な行動ということになる。それによって黒人の手になる犯罪が未然に防がれるのなら、社会はきっとより安全になるだろう。
別の例を挙げてみると、キャリアの途中で退職したり長期間の休暇を取ることの多い人びとを職場から排除すれば、組織の効率性は上がるだろう。原理主義者によるテロが頻繁に起きている宗教の信者の入国を拒否したり、彼らを集中的にスクリーニングすれば、多くの人がテロから救われるだろう。そして性犯罪の加害者になることの多い人びとを子どもと関わる職業から排除すれば、子どもの性被害の数は大幅に減るだろう。
問題は、それは差別だということだ。そのような対応は差別的であるため、批判され、場合によっては法規制もされる。差別は自由で民主的な社会にふさわしくないものであり、この社会からなくしていくべきである。
逆に言えば、差別のない社会とは、一定の被害を甘受せねばならない社会だということでもある。
事前に黒人の犯罪者や退職者の多い属性やテロリストの多い宗教の信者を排除することは差別である。それを突き詰めた結果として、黒人の犯罪者によって金銭を奪われたり、会社の業績や病院の労働環境が悪化したり、狂信的なテロリストの仕掛けた爆弾で死傷したり、子どもが学校で性的虐待を受けるかもしれない。
もちろん犯罪者は裁かれるべきであり、彼らを無罪放免にしろと言うつもりはない。だが、一定数このような被害や効率性の低下が出ること自体は、差別のない社会が甘受すべきコストということになるだろう。属性に基づく事前の排除やスクリーニングを拒否するというのはそういうことなのだから。
私は差別に反対するので、それによって自分が旅行中に強盗に遭おうがアメリカの警察が黒人を狙い撃ちにするのは間違っているし、仮に自分の業務に支障が出ようが特定の属性の人びとに対する就職差別は許されるべきではないし、もしもテロによって家族を失ったとしても特定の宗教の信者だけをスクリーニングするのは道義的に正当化できないし、たとえ自分の娘が学校のトイレに連れ込まれて乱暴されたとしても、教員やその志望者が能力ではなくジェンダーやセクシュアリティによって選別されるようなことはあってはならないと考える。
差別は、場合によっては問題解決のための手っ取り早い手段になり得る。だから差別の解消を主張するというのは、実はとても覚悟のいることなのだ。
その覚悟を持っていなかった人たちが、時と場合が変わるとあっさり差別主義者に変貌してしまうのは驚くべきことではない。女性差別とさんざん戦ってきたのに、今「安全」を掲げてトランスジェンダーを排除しようとしている人たちがその典型だろう。
私たちは、差別に反対する覚悟を決めるべきだ。たとえそれによって不利益や被害が生まれても、それでも差別を許してはならないと言うべきなのだ。そのような覚悟のない反差別は、いずれあっさりと差別主義に転ぶ可能性を秘めているのだから。
理論的には完全な監視社会、例えば全員の脳内にチップが埋め込まれてて犯罪行為を始めると即電撃で無力化する社会では差別もないし被害も甘受しなくていいし法的自由も保証されるのではないか
マジレスすると完全に外形的な条件から「何が犯罪で、何がそうでないか」を決めるのは理論的に無理。なぜなら、理論的には、ある行為が犯罪かそうでないかは事後的にしか評価され得ないので。
意識のない他人の服を無理やり脱がせて体を触る行為は準強制わいせつかもしれないし救命措置かもしれない。他人の腕にナイフを刺すのは通り魔かもしれないし壊死性の毒があるクモに噛まれたので毒を除去しようとしているのかもしれない。子供を連れて遊園地に行くのは子守かもしれないし誘拐かもしれない。大量の宅配ピザを注文するのはパーティーの準備かもしれないし業務妨害かもしれない。カレーを食べるのは食事かもしれないし相手を油断させて毒入りカレーを食わせる計画の一環かもしれない。ファイティングポーズを取った男に蹴りを食らわせるのは正当防衛かもしれないし誤想過剰防衛かもしれない。これらの行為が行われた瞬間にチップで犯罪かどうか判定するのは不可能。
っていうか、他人から受け取ったキャッシュカードでカネを引き出しただけで刑務所に入ってる人は何人もいるわけで……
仮に外形的な基準じゃなくて「今自分は犯罪を犯そうとしている」という意思を基準にするとした場合、「嫌だとか何とか言ってるけど部屋までついてきたってことはセックスする意思はあったんだろ、嫌よ嫌よも好きのうちって言うしな、グヘグヘ」みたいな発想の人がいたらどうなるのか、ということになるので、チップを利用した犯罪抑制はどちらにせよ無理。何が犯罪で何がそうでないかは、ある行為が行われてから人の手によって評価され、判断されなければ理論的には決まらない。
ブコメ”加害者個人を排除する場合、最初の一回の被害は防げない”。その理論でいくと、差別される人種なり宗教は1回以上の被害が起こったので差別され始めたのでは?つまりどちらも根本解決にならないと思う。
根本的にわかってなさすぎて頭が痛い。人種集団や宗教の信徒は「個人」じゃないだろう、という話なんだけど。
今、目の前に一人の黒人がいるとする。名前を仮にボブとしよう。黒人が他の人種集団に比べて犯罪率が高いという統計的事実はある。だがボブが犯罪者かどうかはわからない。ボブがもし犯罪を犯したのなら刑に服すべきである。だがボブが犯罪を犯すまでは彼は無辜の市民なのであり、黒人だからという理由でボブだけ集中的にスクリーニングされたり職質されまくったりするのは不当な差別である。ボブが強盗なり殺人なりの犯罪に手を染めてはじめて彼を犯罪者として扱うことが許容される。
逆に言えば、我々は、ボブを事前にスクリーニングして強盗や殺人の被害者をなくすことよりも、たとえ強盗や殺人の被害者が出たとしても、ボブを人種に基づいてスクリーニングしないことを選ぶべきなのだ。
女性は早期退職する確率が高いが、ではどうせ無駄になるのだからと目の前の花子にろくにキャリアも積ませなかったり昇進させなかったりするのは正当か。宗教的テロを起こすイスラム教徒が大勢いるとして、では目の前のアブドゥルにだけ警察の尾行がついたり空港で差別的な扱いを受けるのは正しいか。性犯罪者の多くは男性だが、では資格も能力もあるのに目の前の太郎を保育園に採用しないのは許されるのか。
「私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である」とかつてキング牧師は語った。私はその理想を信じている。そのために生じるであろう被害よりも、なおその理想は重いのだと信じる。それが差別に反対するということだろう。