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はてなキーワード: メガンテとは

2024-02-10

anond:20240210072041

この線だとX氏が1月に突然エージェント会社を辞めた理由釈然としないのですっきりしないな

Xが飲み会示談交渉形式的もの)、弁護士誘致まで含めて全て仕掛けていて、それが1月伊東エージェント会社にバレてクビになり、メガンテとして文春、新潮にタレこみ、文春は回避したが新潮採用してしまったという線が各自の言い分や行動を組み合わせると一番矛盾がない。

弁護士が2人交替した」こともこれで説明つくし(Xが連れてきた弁護士とX本人(弁護士資格あり)が「交替した」2人に該当)、そのXと過去に別の裁判敵対した加藤弁護士が出てきて「伊東側の言い分が変わった」のも説明がつく。加藤弁護士はXの息がかかっていないと証明出来る人であるし、彼が出てくるまではX氏主導で伊東本人の意に沿わない交渉が行われていたのも容易に想像できる。

2023-12-21

裏金問題ってリークしたのはやっぱり壺関係なのかな

メガンテっぽくて良い

2023-11-09

anond:20231109143721

メガ」は『自身犠牲にする』という意味メガンテ・メガザル等)


メガンテ→クソデカ爆発

メガザル→クソデカ蘇生

という意味だったらどうする?

ドラクエ世界において「メガ」は『自身犠牲にする』という意味メガンテ・メガザル等)なのに

現実世界におけるメガ(巨大)を使ってメガモンスターなんて一貫性のないクソセンス名前を付けるのにはIPの終わりを感じる

2023-09-06

童貞で30歳を越えると使える魔法一覧

マホカンタ自分に向けられた「キモイ」等の罵声をそのまま相手に返す

○凍てつく波動 : つまらギャグ飛ばして周辺を凍らせる

○コンフュ: 意味不明発言で周囲を混乱させる

メガンテ自虐ネタで周りを巻き込みます

○サイレス空気を読めないとんちんかん発言で周囲を絶句させる

臭い息: 周囲の人間をことごとく不愉快な気分にさせる

マヌーサ自分自身に幻影を見せ、現実に対する命中率を下げる

グラビデ: 重苦しい雰囲気や嫌われオーラで周囲の人間を疲れさせ、体力を削り取る

○ラスピル: 周囲の人間精神的に疲れさせ、精神力を削り取る

バイキルト: 周囲の人間不快感を与える力が倍増する

トラマナクリスマス等にカップルだらけの街を一人で歩いてもダメージを受けない

トヘロス自分の周囲に人が近寄ってこなくなる

アストロン自分の殻に閉じこもる

○テレポ: 飲み会などの喪男が苦手な場から脱出する

スカラ: 周囲の「キモイ」等の罵声嫌がらせに対する忍耐力アップ

フバーハ世間恋愛至上主義の風から身を守ります

メテオ高層ビルから飛び降り

ザラキ: 周囲の人間練炭自殺に巻き込む

○死のルーレット練炭自殺する仲間を周囲の人間の中から無作為に選ぶ

○死の宣告: 練炭自殺する仲間として指名する

レムオル: 周りから注目されません。空気のようにいないと認識されます

ルーラ仕事が嫌になるとバックレ、自宅にひきこもる  唯一の安息の地である家にまっすぐ帰る

ラリホー: 昼間なのに自分を眠らせる

ラナルータ自分だけ昼と夜を逆転させる

メガザル合コンに行くことで周りの男の評価相対的に上げます

バシルーラバイト先などで人がどんどんやめていきます。もしくは、自分を転勤で地方飛ばします

ドラゴラムネット上では竜のようになります

エナジーレイン貯金が減っていき、生活レベルが下がる。

○リレイズ: 高額生命保険

2023-08-17

anond:20230817105044

特攻隊の話で反省するべきは「特攻隊員に犠牲を強いてしまった事実」であって

特攻隊自身は貶められるべきではないし、その行動を尊く思うことと「犠牲を強いてしまった反省」は矛盾しない。

なのでメガンテを使ったアバン自身は貶められるべきではないし、

それを見たダイが嘆き悲しんで二度とそんなことさせないと思っていればそれでいいと思うよ。

俺たちだって自分の子供が危機さらされたら命をかけて守ろうとするだろうさ。

特攻隊ジャンプ漫画

終戦記念の番組とかで、特攻隊の話が「あん狂気の沙汰は二度と繰り返してはいけません」的に出ているのを見てふと思ったんだけど、

昔読んだ漫画(とかゲームとか)だと、特攻隊的な話って、わりと美談として描かれることが多かった気がするんだよね。

チャオズ自爆天津飯気功砲亀仙人魔封波アバンやポップのメガンテとか。そもそもドラクエメガンテ呪文が「尊い自己犠牲呪文」的に紹介されてた気がするし。)

後者の話を肯定的に読んでいたら、(条件が揃えば)前者を肯定するまであっという間だと思うんだけど、どうでしょう

そもそも最近漫画(読んでないが)は、あんまりそういうシーンはないのかな?

2023-06-04

anond:20230604171733

闇に消えていこうとする

二人の姿に向かって

必死に叫ぶ

サマルトリア組の王子




もう少しで覚えるから!!














あの呪文を!!












衝撃が走る。

凍り付いたように立ち止まる

ローレシア組の鉄砲玉と

ムーンブルク組の一人娘。

「お前……まさか……」

愕然として振り返る

ローレシア組の鉄砲玉と

ムーンブルク組の一人娘。

「知って……」

洞窟入り口

取り残された

サマルトリア組の鉄砲玉の

目に

ふいに

涙が溢れた。

言葉を失う

ローレシア組の鉄砲玉と

ムーンブルク組の一人娘。


僕、

今、

レベル26だから

きじゃくりながら

大声で告げる

サマルトリア組の鉄砲玉。


王女

ザオリク覚えたし



病気になって

寝ていた間に

なんだか知らないけれど

世界樹の葉

十一枚もあるし


それを聞いた

ムーンブルク組の一人娘の手が

震えた。

あなた……」

手で口元を抑える

ムーンブルク組の一人娘。

僕もう

いつでも死ねから

「くっ……」

歯を噛んで目を閉じる

ローレシア組の鉄砲玉。

その耳に響く

サマルトリア組の鉄砲玉の

痛切な声。




あと

二つか三つ

レベル上がれば

覚えるから


メガンテ

覚えるから







から置いていかないで

サマルトリア組の王子が叫んだ。

きじゃくるように叫んだ。

自分のうかつさ

間抜けさを

呪うローレシア組の鉄砲玉が

再び開いた目に

両手に掲げた

キメラの翼を引き裂く

サマルトリア組の鉄砲玉の

姿が鮮烈に映った。

キメラの翼が

呆気なく千切れとんだ。

まるで悲鳴だった。

事実

それが

サマルトリア組の鉄砲玉の

心の叫びだった。

もう

帰るところなど

無いのだ。

もうすぐだから

もうすぐ覚えるから

ひたすら

その言葉

繰り返す

サマルトリア組の鉄砲玉。

ムーンブルク組の一人娘の目に

もう二度と流れないと

思っていた涙が溢れた。

ローレシア組の鉄砲玉が

歯を噛みしめながら

どうして気づいて

やれなかったのだと

無念の涙を流していた。

から

から

置いて行かないでよう

泣きながら

洞窟に入ってくる

サマルトリア組の鉄砲玉。

ああ

こいつは

知っているのだ

ローレシア組の鉄砲玉が

泣いた。

自分

鉄砲であることも

自爆要員であることも

スーファミでは

はかぶさの剣」は

出来ないことも

メガンテザオリク

連発になることも

メガンテを使えば

経験値

入って来ないことも

あまつさえ

メガンテ

ラスボスには

効かないことさえも

知っているのだ

知っていてこいつは

城の親分王様)の言う通り

城のみんなの願い通り

メガンテ

唱えるのだ




そう






まさしく















鉄砲玉として







置いていかないで……

サマルトリア組の鉄砲玉の泣き顔が

ローレシア組の鉄砲玉の

すぐ目の前にあった。

「行こう」

ローレシア組の鉄砲玉が言った。

「一緒に行こう」

サマルトリア組の鉄砲玉が

また

大きな声で泣いた。

ムーンブルク組の一人娘が

そっと二人から

目をそらし

入り口に打ち捨てられた

キメラの翼を見やった。

世界

滅びはしないだろう。

引き裂かれた翼を

目にしながら

そう思った。

あの洞窟の外の

日だまりに生きる

人々は

これからもずっと

あそこで

生きていくのだ。

ここから

洞窟の暗闇へと

向かうのに

それ以上の

理由があるだろうか。

「行くぞ」

ローレシア組の鉄砲玉が言った。

うん

と嬉しそうに

サマルトリア組の鉄砲玉が返す。

ムーンブルク組の一人娘も

小さくうなずき、

そして、

日だまりに捨てられた

キメラの翼から

そっと

目を離した。






















ドラゴンクエスト

任侠鉄砲伝説
















剣が峰日記

2001/0721土 

ドラゴンクエストⅡ 任侠鉄砲伝説

ドラゴンクエストⅡ 任侠鉄砲伝説」写し

2001/0721土

先日

柳川氏が

ドラクエⅡを

プレーしていると書いたが

今日

「ほのおの祠」の在処が分から

悪戦苦闘しているようである

本当に器用だなと思うのが、

ちょっとドラクエをやったかと思うと

テレビもつけっぱなしで

すぐに

作曲部屋に戻って

ゴリゴリ作り

しばらくするとまたテレビに向かって

「ほのおの祠~」

叫び

かと思うと

また作曲をしに行ってしまう。

だいたい計ったように

三十分くらいずつ

あっちをやり

こっちをやり

と大変忙しい。

どっちかをまず

片づければ良いのに、

と思うのだが、

ご本人にとっては

それがいたく快適らしい。

とはいえ、僕も、

柳川氏が

ドラクエに戻るたびに

ぼーっと手を止めて

見ているのだから

人のことは言えないのですが。

と言っているうちに

柳川氏、

とうとう諦めて

「ほのおの祠」の在処を

文明の利器の力で

割り出すことに決めたらしい。

そう。

インターネット検索である



ドラクエⅡ 攻略



これだけのキーワード

どかっとヒットしたらしい。

その内の一つに

明確な攻略が書かれてあったらしく










「ビバ、インターネットゥ」







雄叫びを上げて

「ほのおの祠」に

到達する柳川氏。

なんだこりゃ

松明が燃えてるだけで

別に溶岩燃え盛ってるとか

そういうわけじゃ

ねえじゃねえかと

テレビに向かって

文句を垂れる柳川氏。

そのうち

気が抜けたのか、

タバコに火をつけ、

「それにしてもさぁ」

と半ば

コントローラーを投げ出して

こちらに声をかける

柳川氏。


子供心にも思ったことなんだけれど」





はあ、

ぼんやり返す僕。







世界の命運を賭けて

旅立つ一国の王子が」













「身支度するものと言えば」














「ドス(銅の剣)一本と

五十ゴールドだけ

ってのは」












「どうなのよ」











どうなのよと

言われたところで

そういうゲームなんだから

しょうがないだろうと思い、















鉄砲玉だから

じゃないですか」











適当

答えたところ

ふいに

沈黙する

柳川氏。











「そ……」










「そうかぁ」








感慨深く

うなずく柳川氏。









「そうだったんだぁ」















「この王子たち、

鉄砲玉だったんだぁ」
















なんだか

しきりと納得する柳川氏。

そりゃねえ

そう考えるしか

ないでしょう、

調子に乗って合わせる僕。



道理でさぁ」



柳川氏が

感得したように言う。




ローレシアの城を出るとき

みんながみんな

王子ハーゴンを倒すよう

祈ってくれるんだけど」









「無事に帰って来いとは

言ってくれないんだよ」









「きっともう

城の後継者

決まってるんだよ」








王様の隣にいる

大臣

かに






「なんてこった…」



一種呆然として

煙草を吸う柳川氏。








ローレシア王子

敵を間違えてるよ」






そうかぁ、

なるほどぉ、

なとどしきりに

呟くうちに、

ふと、





「そうか」





と、

膝を叩く柳川氏。

どーしたんですか

と訊く僕。







「国として考えるから

不条理なんだ」

はぁ。


ローレシアとかサマルトリアとか、

これらは全部組なんだ」

組?






ローレシア組の鉄砲玉なんだよ」








「一番稼いでいた

ムーンブルク組が

ハーゴン組に出入り(喧嘩)を

食らったために

財政難に陥った

ローレシア組と

サマルトリア組とが

互いに鉄砲玉を出し合ったんだ」














ハーゴン

命(タマ)とってこいや



って。



なるほど。

それで

ドス(銅の剣)一本なわけか。

わず納得する僕。

その途端、

可愛らしいドット絵

彼らが背負った

耐えがたい悲哀が切々と伝わり

つーんと熱いものが鼻をさす。



ローレシア組の鉄砲玉は

腕っ節と人望を買われ、

ムーンブルク組の一人娘は

おとっつぁんの仇を討つため

サマルトリア組の鉄砲玉は……




ちょっと待て。









なんでのんき者の王子

鉄砲玉なんですか。







切ない任侠道

サマルトリア組の王子

のんきさで早くも崩壊

かと思いきや






「うまく言いくるめられたに

決まってるじゃないか













親分王様)にしてやるとか

なんとか言われて」






ははぁ。

すぐにまた

納得する僕。

そりゃあ、さぞ、

ローレシア組の鉄砲玉は

憂鬱であろう。

なにせ

ドス(銅の剣)一本で

帰れぬ旅路に出た

かと思いきや、

どう見ても現実

知らされていない

脳天気な男が

相棒になるわけである

悲壮覚悟

旅を続ける横で






えへへ僕、お城に帰ったら

親分王様)になれるんだ

良いでしょ~







白昼夢のごとき切ない言葉

繰り返すサマルトリア組の

鉄砲玉。




そりゃ

会心の一撃だって

出るわなぁ。














しか

なぜかくも緊急な時に

そんなのんき者を

鉄砲玉にするのか。

考えれば考えるほど

ツジツマが合わないではないか

そう

柳川氏に訊くと



「何を言ってるんだ

決まってるだろう」

と言われた。









???

僕が要領を得ない

顔をしていると、




「みんな知ってるんだよ」





と言う。







なにを?

とやはり当を得ず、

更に訊く僕










「この王子鉄砲玉)が

レベルアップをすることで

何を覚えるか」











途端に

思い当たる僕。











メガンテ












そりゃ

鉄砲玉としては

申し分ないな






というか

もはや

鉄砲玉以外の

何者でもないな









全てを知りながらも

あえて何も口に出さぬ

尚武の男

ローレシア組の鉄砲玉。

一方で

何も知らされず

へらへらと白昼夢を見ながら

将来への一片の疑いも抱かぬ

サマルトリア組の鉄砲玉。

また、

一家を皆殺しにされ

犬畜生の苦界に身を落としていたところを

ラーの鏡で身請けされた

ムーンブルク組の一人娘。

この娘が一番

何も失うものとてない

捨て身の人生

生きてるのであろう。

自暴自棄になる

ムーンブルク組の一人娘を

気がつかぬところで

そっと支える二人の鉄砲玉たち。

いつしか

人間らしさを取り戻す

ムーンブルク組の一人娘。

しかしその頃には

冒険は佳境に差し迫り、

ついにロンダルキアまで

足を踏み入れたのだった。

着実にレベルアップし、

無自覚のうちに

同じくらい着実に

鉄砲人生

完結させようとする

サマルトリア組の鉄砲玉。

その軽口が

哀れさ以上に、

時として冒険

苦しさを和らげて

くれていたことに

ふと気づく

ローレシア組の鉄砲玉。

「ようやくここまで来たね~♪

まぁ君達二人も頑張ったけど

僕なんか頑張りすぎだよね~♪」

相も変わらず

底抜けに明るい声で

ダンジョンに入ろうとする

サマルトリア鉄砲玉。

ふいに

くるり

こちらを向く

ローレシア組の鉄砲玉。


「お前はここで帰れ」

ただでさえ

しかめっつらしい顔立ちを

いっそう厳しく引き締めて告げる

ローレシア組の鉄砲玉。

これまでの冒険

深い皺さえ見えるかのような顔で

しり一言

「あとは俺たちでやる」

突然そんなことを

言われて

目を丸くする

サマルトリア鉄砲玉。

「またそんなこと言ってぇ~♪」

とおどける

サマルトリア鉄砲玉。

「僕が親分王様)になっても

仲良くしてあげるから

心配しないでよ~♪」

この切迫した状況下で

なお、かんに障る明るさを

まき散らす

サマルトリア組の鉄砲玉に、

しか

ローレシア組の鉄砲玉は

頑としてこれ以上の

彼の参加を否定する。





「初めてお前に会ったとき


ローレシア組の鉄砲玉が

ぼそっと

押し殺した声音で言う。






一刀両断にしてやりたかった」







わず

力の盾で身を守る

サマルトリア組の鉄砲玉。





「城を出たかと思えば

祠に行く。

祠に行ったかと思えば

ローレシア組の城に行く。

さんざん探し回った挙げ句

『お兄ちゃんのんき者だから

一言

全て済ませられ、

しまいには

ローレシア組の城にも居ない。

かと思えば

宿屋

ゴロゴロしているお前を

いっそ叩き切ってやろうかと

何度思ったことか」

冷たい目の

ムーンブルク組の一人娘を背後に

いやぁと

照れるサマルトリア組の鉄砲玉。

「だいたい」


とこれまでの

憤懣をぶちまける

ローレシア組の鉄砲玉。




「明らかに

残りHPが少なくて

あとは複数攻撃

呪文で片づけようと

思うモンスターほど

お前が勝手に倒すし」




中途半端

すばやさがあるくせに

すぐマヌーサにかかるから

ターンがずれて

微妙回復が遅れるし。











「どうして

じっとしてないんだお前は」






いやぁ、えへへ

と笑ってごまかす

サマルトリア組の鉄砲玉。

ちらりと

目で助けを求めるが

他人を助ける心の余裕など

犬として暮らす日々のどこかに

置き忘れてきてしまった

氷のような態度の

ムーンブルク組の一人娘。

「そういうわけだ」

ローレシア組の

鉄砲玉の口調は

もはや断定である





「お前はここで帰れ」





戦力として

一切みとめぬかのような

いであるが、

しかし実際、

サマルトリア組の鉄砲玉が

パーティの一員として

無能かといえば

決してそんなことはない。

なにせ呪文を一切

使えぬ身の

ローレシア組の鉄砲玉にとって

しろ攻守ともに

なくてはならない

存在と言ってよかった。

それゆえにこそ

武に生きるローレシア組の

鉄砲玉にとって

サマルトリア組の鉄砲玉は

つの間にか

傍らにいて当然の存在

なっていたのだ。

兄弟分として

これほど頼もしく

また心和む相手

かつていなかった。

もっと言えば、

可愛くて仕方がないのである

この無邪気で

脳天気マイペースだが

決して挫けず

辛い冒険にも懸命になって

ついてくるこの鉄砲玉が。

無骨

ローレシア組の鉄砲玉にとって

そんなサマルトリア組の鉄砲玉が

じきに

自分が実は捨て石であることを

悟るところなど

見たくないのである

これまで彼が抱いていた

淡い夢が粉々に消し去り

自分が実は遠い以前から

からも見捨てられていた

などという

そんな衝撃に、

この可愛い兄弟分の心が

耐えられるとは、

どうしても思えないのである

ローレシア組の鉄砲玉にとって

そんな風に思う自分

意外でもあった。

そしてそれ以上に

この兄弟分が

不憫でもあった。

痛切な真実を知らされる

ことはまだ良い。

しかしそれを抱えて

死にに行くことが

哀れだった。

そうした思いを

仏頂面に堅く秘めながらも

かすかにその眼差しに込めて

ムーンブルク組の一人娘を見やる

ローレシア組の鉄砲玉。

え~、そんなぁ~

などと

いじけるサマルトリア組の鉄砲玉の背後で

かすかにうなずく

ムーンブルク組の一人娘。

実際、

この娘にとっても、

サマルトリア組の鉄砲玉のことが、

ローレシア組の鉄砲玉と同じように

可愛いのだ。

家族を皆殺しにされ、

一人の女としての誇りも

何もかもを失い、

もはやハーゴン

刺し違えることだけが

生きる目的と化した

ムーンブルク組の一人娘にとって、

サマルトリア組の鉄砲玉こそ、

生きるということを、

明日を夢見るということを、

かにかに思い出させてくれたのだ。

この冒険に加わったとき

ムーンブルク組の一人娘にとって、

この世が滅びることなど、

知ったことではなかった。

それをいうなら、

自分が生きていた世界は、

とうの昔に、

滅んでしまっているのだから

これ以上

誰が不幸になろうが

知ったことではなかった。

しろ

幸せな街や村を見るたびに

なぜ自分けが

胸が苦しかった。

いっそのこと

城が墜ちたあの日

怪物たちの手で、

同時に

この世の全てを

滅ぼしてくれれば

良かったのに

とさえ思う。

そんな

ムーンブルク組の一人娘にとって、

サマルトリア組の鉄砲玉が

ひけらかす明るさは、

無性に苛立たしかった一方で、

自分がまだ本当には

絶望しきっていないことを

思い知らせるものだった。

いっそ全てが

滅んでいれば良かったのに。

そういう思いに押し潰されそうになる

心の奥底で

まだ微かな温もりが

生きているのだ。

その温もりが

人間であることの

最後証明だと

言ってよかった。

それがいつしか

冒険を経るうちに

ムーンブルク組に一人娘にとっての

最後の願いとなった。

自分

人間として戦って死にたいのだ。

そう思えるようになった

だけで十分だった。

瞬きの間に

互いの万感を

込めてうなずき合う

ローレシア組の鉄砲玉と

ムーンブルク組に一人娘。

「いのりの指輪を渡しなさい」

サマルトリア組の鉄砲玉の

腕を叩く

ムーンブルク組の一人娘。

え……

呆然とする

サマルトリア組の鉄砲玉の

手をとり、

指輪を抜き取る

ムーンブルク組の一人娘。

サマルトリア組の鉄砲玉の

手をとりつつ

自分の手に

祈り指輪をはめ、

「代わりにこれを渡すわ」

いまや何も付けぬ

サマルトリア組の鉄砲玉の手に

キメラの翼を

押し込む

ムーンブルク組の一人娘。

あなたの妹さん、

あなたそっくり

なんですってね」

ふいに

微かな笑みを込めて言う

ムーンブルク組の一人娘。

え……、そうかな

言葉意図が分から

ローレシア組の鉄砲玉を

見やる

サマルトリア組の鉄砲玉。

のんきなところが

そっくりだった」

ローレシア組の鉄砲玉も

合わせて無骨な顔に

笑みを浮かべる。

「お会いしてみたかったわ」

そんなの、

僕が王様になったら

いつでも……

明るく返そうとするが

ムーンブルク組の一人娘の

手がかすかな

力を込めて

自分の手を握るのに、

ふと言葉を失う

サマルトリア組の鉄砲玉。

「帰りなさい」

ムーンブルク組の一人娘の

手が離れ、

その手に残された

キメラの翼を見つめる

サマルトリア組の鉄砲玉。

でも、そんな、

僕……

慌てて目を上げたときには

ローレシア組の鉄砲玉も

ムーンブルク組の一人娘も

半ば背を向けている。

待って、

もう少しなんだ。

叫ぶサマルトリア組の鉄砲玉。

心配するな」

ローレシア組の鉄砲玉が言う。

「お前が無事に戻れば

誰もお前が親分王様)になることに

反対出来ないさ」

「良い王様になりなさい」

ムーンブルク組の一人娘が言う。

ハーゴンの命は私達が……」

もはや振り返る素振りもみせず

背を向け歩み行く

二人。

その背後で

キメラの翼を握り、

うつむく

サマルトリア組の鉄砲玉。

ふいに

きっと

そのおもてを上げ、

もう少しなんだ!

サマルトリア組の鉄砲玉が叫ぶ。




もう少しだから

2023-04-19

俺も裏口入学を手伝っていたことがある。

https://anond.hatelabo.jp/20230418143528

奇遇だな。俺も裏口の担当をしていたことがある。

と言っても、そう悪い事はしていない。単に寄付金を沢山くれるご家庭のお子さんの成績に、下駄を履かせてあげる程度のことである商売なもんでね。

まあ、それで落ちた子供たちもいるだろうが、別に志望校に落ちた程度で人生終わりなら、所詮その程度ってことじゃないかなあ。

そんでそういう身からすると、元増田の話、若干嘘くさいなあと思わんでもない。

この文章で一番言いたいことなんだけど、裏口のお子さんたちは、割といい子が多い。

悪の性質根本からであるということを望むかもしれんけど、そんなことないよね。不正で入って来る金持ちの子は、いい子だらけだ。

元増田の話が嘘じゃなければ、単に経験不足だと思う。もっと10人、20人と裏口の子を入れていけば、段々とその性質に気づいていくはずである

俺は元社会人から教職に就いたタイプなので、まあコネ入社組のことも知っているが、彼らも別に悪いやつらではなかった。

後ろ暗い所があるから辞めないんだよね。いくらでも法律違反仕事をさせられるし、雑務いくら被せても問題ない、本当にいいやつらだった。

まあそれと同じというかなんというか。

後ろ暗い所がある人間は、子供大人関係なく、コントロールやすいんだ。

教職をやってれば『いい子』=『コントロールやすい子』であることはわざわざ言わなくてもいいよな?

別に成績が良いとか、スポーツが出来るとか、他人イジメないとか、そういう下らないことはどうでもいい。

大人コントロールできるのであればそれが、良い生徒だ。何年か前から文科省も言ってるだろ?『新しい能力を開発しよう』って。

新しい能力ってのはコミュニティで上手くやっていく力、コミュ力だ。つまり俺達教師に如何に都合に都合のいい存在でいてくれるか、という力のことだ。

社会に出たら、コミュティの長が気持ちよくコントロールできる人間が尊ばれるのは自明の理からな。学校でそういうことを学べるように俺達も努力してるわけじゃん。

「新しい能力は、国語力や数学力なんかよりはるか重要だ」と文科省のお役人方が言っておられるのだから、俺達はそれに従うべきだしな。

その能力検査という意味でも、最早五教科だの、スポーツだの音楽だの、そういうものの配点はどんどん低くなっている。

これから時代コミュ力、家庭環境経験の方が点数なんかよりはるか重要だ。

そういう意味だと、現状裏口入学って言われてる血統書だとかコネ力みたいなもの証明の方が、個人学力なんてものより重視されていくってのも、また自明の理だよね。

から元増田も気にすることはないよ。むしろ、今後役に立つスキルを磨かせてもらえているという意味だと、大分いいポジションにいると思う。

あとは普通にいざとなったら校長とか脅迫できるネタになるから、その辺ちゃん日記とか取っておこうな。

俺も社会人辞める時はメガンテかまして労基噛ませて100万くらい退職金に上乗せしてもらった。馬鹿だよなあ。ダーティ仕事やらせる時はまずそいつの弱み握らないといけないのにな。

学校ってのは、学力だけじゃなくてそういう実社会で役に立つことを教えていく場でもあるんだ。これからも頑張っていこうぜ!

あとその裏口入学で入れた子と保護者、お前のコマとして結構使えると思うから仲良くしとけよ!

2022-10-16

ばくだん岩と同居して20年が経つ

ばくだんいわと同居して20年経つけど、ずっと「ようすをみている」状態で、なかなか爆発しない。

もしかしてこいつ、スマイルロックなのかな。

もしそうなら、20年間ビビって暮らして損したな。

なんか腹立ってきた、一発殴ってやる。

ボコッ」

ばくだんいわは メガンテを となえた!」

「えっ」

2022-10-15

他人の粗を叩く奴も大抵トンデモから

メガンテのみ許可して対消滅を促進したら平和webが帰ってこないかなと思う

2022-06-27

anond:20220627000321

男だけど同感

罠であろうとも中絶というメガンテを唱えるくらい損失を女も背負うというのなら

その意気や良しだよ

2022-05-22

【アプール



DQ5リメイク版)

仲間になった【エビアップル】。

SFC版では仲間にならず、リメイクにあたり新たに追加された仲間モンスターの1種。

英語版での名はAdamsであり、一般苗字のように見えるが、恐らく「アダムリンゴ(=禁断の果実)」が元ネタだと思われる。

ドラゴンボール】でもフリーザの部下に同名のキャラクター存在し、そちらも名前の由来はリンゴ意味するアップルからとられている。

おばけきのこ】、【ばくだんベビー】と並び【序盤3強】と呼ばれる実力者。

仲間になる確率

1匹目 2匹目 3匹目

1/2 1/64

仲間になったとき名前

1匹目 2匹目 3匹目 4匹目

PS2版 アプール エビアン アッポーマモー

DS

1匹目・3匹目は言わずもがなリンゴ意味する「Appleから

2匹目の「エビアン」は「エビアップルから取っているのは明白だが、ミネラルウォーター商品名として有名なため、そちらを連想する人も多いだろう。ちなみにその商品名の由来はその水の産地であるフランス都市である

覚える呪文・特技

習得Lv 呪文・特技

習得済み 【ぶきみなひかり

【たいあたり】

3 【ルカニ

5 【バギ

10 【まひこうげき

15 【バギマ】

ステータス

Lv 力 素早さ 身の守り 賢さ 運のよさ 最大HP 最大MP 経験値

初期 1 40 40 30 2 15 90 15 0

最大 20 100 110 95 40 50 168 85 51819

耐性

強度 属性

無効 (なし)

強耐性 (なし)

弱耐性 イオ、ザキ・麻痺ラリホーメダパニマヌーサマホトーンマホトラ

無耐性 メラ、ギラ・炎、ヒャド吹雪バギデインルカニメガンテ体当たり、毒、休み

解説

主に【レヌール城】や【神の塔】の周辺で仲間にすることができる。

敵のとき特に印象にも残らない平凡な雑魚だが、仲間になるととてつもなく覚醒する。

 

最高Lv20と低いが、各能力値の初期値が敵のときよりも断然高い。

実はスライムナイトLv20までの成長テーブルを流用しているのだが、なぜか全体的にかなり上方修正されている。

その成長速度は凄まじく、力・素早さはスライムナイトの1.3~1.5倍、MPと身の守りは約2倍の速度で伸びていく。

もはや設定ミスじゃないかと思うほど段違いのパラメータとなる。

またHPの初期値が異様に高く、敵のときの約3倍である90を誇る。これはSFC版のときに序盤モンスターの中で断トツの高さを誇った【くさったしたい】と同値である

伸び率がさほどでもないので、中盤にはスライムナイトと同程度に落ち着くが、それでも十分な高さと言えるだろう。

しかも、敵のときに使う気配もなかった体当たりと不気味な光を覚えているなど謎が多い。

【装備グループ】は最も貧弱なタイプIなのだが、序盤に限れば盾以外はそれなりのものが装備できるためほぼ問題がない。

 

上述の通り【序盤3強】と称される実力者だが、何より嬉しいのは、1/2と言う圧倒的な仲間率の高さ。

青年時代前期開始直後でレヌール城や神の塔に出向くのは多少面倒だが、おばけきのこやばくだんベビーを仲間にできない場合は面倒がらずに出向いて仲間にしておきたいところ。

 

その反面賢さは最初の時点では2しかなく、言うことを聞いてくれない。

これは序盤の仲間モンスター共通する話でコイツに限ったことではないが、他と違ってなまじパラメータの初期値が非常に高く、パーティメンバー次第では即戦力としてスタメンに投入したくなるところなので目立つ。

そして最初から特技を覚えているため、賢さが低いうちは真面目に攻撃しないことが多い。(さすがに体当たりをぶっぱなしたりはしないのが救い)

ビアンカリボン】も装備できないため、大人しく賢さが20を超えるまでレベルを上げよう。

同じ装備グループの【おどるほうせき】みたいに賢さが上がらないなんてことはないので安心していい。

かしこさが20に達しさえすれば、高い能力に加えた【マヒ攻撃】で、【サラボナ】辺りまでは敵なしの強さ。

バギ呪文も、【複数攻撃武器】を1つも装備できない彼にとっては貴重な範囲攻撃手段になる。

特にようがんげんじん戦では主人公と共にバギマをぶっぱなせば相当な火力を出せる。恐らく彼が最も輝くときだろう。ぜひともその快感を味わってほしい。

ただし、PS2版はそもそもAIバカなので、賢さが20を越えてもAI に任せていると特に必要のない場面でルカニを唱えまくる点には注意。

 

また、耐性もイオ系に弱耐性がある程度で、補助耐性は総じて低い。

上述の通り装備が貧弱な上に早々に成長限界を迎えるので活躍できるのは中盤まで。

そのレベル不相応な圧倒的なパラメータを持ってしても、せいぜい【エルヘブン】辺りが限界だろう。

これまでの活躍感謝して、素直に引退させると良い。

そこより後ろに引っ張ると、さすがに【こごえるふぶき】などで冷凍リンゴにされたり、【はげしいほのお】で焼きリンゴにされたりしてしまう。

なお、低レベルプレイをする場合には、他の仲間のレベルをあまり上げられない関係上、低レベルでもステータスの高い彼らは、最後まで主力として活躍する。

 

会話コマンドでの台詞はというと、かしこさの初期値が2しかないくせして普通に人語を喋る。

しかしその内容は、悪そうな外見とは真逆の「ボクは食べられないよ。」「おいしく食べないでね。」

意外とかわいい

まあ、言われなくてもあんなおっかない顔がついてるリンゴを食べようという気にはとてもならないが…

 

余談だが、DQ5では数少ないルカニの使い手でもある。

このルカニもなかなか凶悪で、特に青年時代前半の終盤において【カンダタからジャミ】(バリア消去後)までのボスはいずれもルカニがよく通る。さらにアプール自身攻撃力も高いので、大ダメージを与えて早期決着を図る上で非常に頼もしい。

 

通常プレイでも十分活躍するが、高い加入率、早熟ステ、そしてルカニにより、RTAではピエールと並んで常連中の常連

青りんごエスターク撃破RTA常連なのでこの世界りんごRTAに縁があるようだ。https://wikiwiki.jp/dqdic3rd/%E3%80%90%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%91#ob73fe26

2022-02-24

anond:20220224140749

ルナフレア戦死も泣けたんだけど、タルキン老師メガンテのほうがより泣けた。

ポロンが賢王として覚醒するところも相乗効果ある。

メガンテ威力

ダイ大でアバン先生やポップがメガンテするシーンはもちろん泣けるんだけど、ロト紋でタルキン老師が(獣王グノンに)メガンテするシーンが一番泣ける。

アバン先生やポップと違って復活しないからかな。

フィクションだとわかっていても泣ける。

ドラクエすげぇ、メガンテすげぇ。

ゲーム本編じゃ使ったことないけど。

2022-02-20

自分仕事ができないことを認識したら全てが上手くいった

仕事ができないと言われたくなかった。

「俺、コミュ障だし」「俺、アスペだし」とは笑って言えるのに、「俺、仕事できないし」とは言えなかったのである

現代社会においてコミュ障であることは、仕事ができないことに等しいのは明白なのにだ。

俺はコミュ障だが勉強だけはそこそこ出来た文系という、最も潰しの効かないタイプゴミである

ということで、仕事は勿論うまくいかなかった。

まず俺は締め切りが億劫で守れない。

それに叱られるのが怖くて問題先延ばしにする上、報連相不能典型的な使えない新人だった。

取引相手につい嘘をついてしまい、会社にあらぬ損失を与えたことも何度もある。

こういう時、職場はこいつは排除しよう、という正当な動作をする。ということで俺は孤立した。

さっさと辞めちまえ、という周囲の心の声が聞こえてくるようだった。「仕事ができない」ことを認めたくない俺のプライドはズタズタである

病院ググるのが面倒なので病院はいかなかったが、当時は掃除洗濯風呂に入るという行為が1週間に一度くらいしかできなかったので、多分適応障害かプチ鬱病だったのだと思う。飯も録に食えなかった。

そんな俺の転機は、同じ社の、俺の尊敬する穀潰しの先輩にアドバイスをもらった時に訪れた。

彼は始末書レコード記録と横領じみた行為の数々による犯罪者スレスレの経歴を持ち、

議事録を社内サーバーに上げておく」というだけの仕事を振られていた伝説カス社員だった。

しかもその仕事すらサボり散歩コーヒーブレイクだけをしに会社に来ていたという偉人である

だが、そんな先輩の栄光の日々も、ついに終わる時は来たのだ。社が新たなビル移転する際に、更なる完全窓際部署へと追いやられることになっていた。

使えない新人として名を馳せていた俺は、その人の溜め込んだタコ焼き器だとか、やたら派手な扇風機だとか、そういうガラクタを含めた机回りの移動という雑用を振られた。

あらかた俺に荷物を運ばせた先輩は、俺の買ったコーヒーを飲みながら言ってくれたのだ。

「君なら、僕みたいになれる」、と。

その時、俺は目が覚めた。

「そうか、自分は、仕事ができないサイドの人間だったんだ!」と、ストンと胸になにかが落ちた。

それから、俺は使えないサイドの人間として、積極的会社を使い潰してやろうという意識が生まれた。

その時、ようやくわかったのだと思う。俺は、他人というものが、集団というものが、ルールというものが、嫌いだったのだ。

なぜ生まれた時から法律なんてもの強制されるのかわからず、法律科に行った時の、初心を思い出したような気分だった。

俺は社会人であり、社会恩恵を受けながら、社会というものが嫌いでたまらなかったのだ。

楽しそうな人間は楽しそうだから嫌いだし、つまらなそうな人間はつまらなそうだから嫌いだった。

この世の、ありとあらゆるコミュニケーションが嫌いだった。好きになる理由がなかった。

おそらく、先輩は俺にそういうことを伝えたかったのでは全くないと思うが、彼の言葉が俺の頭の中のスイッチを押して、回路が上手く繋がったのである

社会が嫌いなのに、社会に報いようだとか、社会ルールを守ろうだとか考えていた方がおかしかったのだ。

ということで、「仕事ができない男ですが?」という、ある種の開き直りをした俺の快進撃が始まった。

まず、俺は意図的に締め切りを守らないことにした。

あと、挨拶はしない、電話は取らない、メールは気分が乗った時だけ返す、といった自分ルールを設けるようにした。

さらに、積極的会社になるべく損失を与えるギリギリラインをつく仕事をするよう心がけた。

するとどうだろうか。

仕事が、上手く回りだしたのである

そもそも、俺はルールが嫌いで、ルールを守れない。その病気を上手く利用した形になる。

意図的に締め切りを守らない」という自分ルールが守れず、そこそこ締め切りを守るようになったのだ。

さらに、締め切りを守らないぞ!という意思は逆に締め切りを意識させることに繋がった。締め切りを完全に忘却していなければ、締め切りを破ってもどうとでもなった。

さらに、会社になるべくダメージを加えようという姿勢は、逆に業務を知ることに繋がったのだ。

例えば、うちの会社マニュアルPDF化すらしてなかったので、そのマニュアル悪戯勝手改竄する計画なんかを練ったわけだが、

どこを改竄すれば訴えられず、かつそこそこのダメージを社に与えられるか、というような遊びをしているうちに俺はすっかりマニュアルを暗記していた。

情報に捕まらないように、IT知識自分会社セキュリティ脆弱性に滅茶苦茶に詳しくなった。

勿論俺はそもそも仕事が出来なかったので、ミスは起きたし、会社に損害も与えた。

始末書顛末書も幾度も書いた。だが、左遷されるようなことはなかったし、懲戒減給もなかった。上手く綱を渡れたのだ。

そして、何度もやらかしているうちに周囲の評価も変わった。

「どれだけ叱られても会社に残る根性のあるやつ」という評価になったのである大丈夫かよこの会社、と思ったがとりあえず人間関係もまともになった。

仲良くなると、個人情報結構教えてもらえるようになったので、それも利用できるようになってまさにギブ&ギブの素晴らしい関係だったと言えるだろう。

人間は1人で生きるのではない。俺ような人間ミスカバーしてくれるアホ共がいるから世の中は回るんだな、と心が温かくなったのを覚えている。

あと、ニュース報道される、不正を行った人達も優しい目で見られるようになった。人は罪を許し、助け合うことが大事なのだ

しかし、いよいよ俺の薄汚いリーマン生命でもって罪を償わなければならない時がきてしまった。

まあ無能からいつか来る話ではあったが。

うっかり、社に億に近い額の損失を与え、しかも太い取引先を激怒させてしまったのだ。

今回ばかりはヤバい、という空気をヒシヒシと感じた俺は、世話になった会社に報いるべく、何とか多くの人間を巻き込んでメガンテを撃てないか考えた。

だが、告発書をしたためたり、転職サイトに悪評を流そうとか、上司名刺コピーを色街にバラ撒こうとか考えていた折、

なんと俺を救ってくれる人間が現れたのである。それは、例の左遷されたはずの、穀潰しの先輩だったのだ。

彼は役員になっていた。

俺はビビった。この会社大丈夫かと思ったが、カラクリ簡単な話で、その先輩は創業者から直接の血が流れる男だったのだ。

仕事なんてしてなくても、していても関係なくいつか役員になる、そういう運命の元に生まれていた人だった。だからこそ大出を振ってサボれていたというわけだ。

とにかく、彼のおかげで俺はクビにはならずに済んだ。

それどころか、俺は業務改善や社内法規を決める部署に転属になったのだ。会社的には出世である

顔に小じわの増えた、クズの先輩はこう語った。

法律ってのは犯罪者が作らないとダメなんだ」と。

ルールを破らない人間が作るルールほど穴だらけになるものはない、と。なるほど、と思うと同時に、その時、俺は先輩の隠れたメッセージを受け取ったのだ。

「俺達のような人間出世させる、こんな会社復讐してやれ」と。

俺は密命を果たすべく努力しまくった。明文化されていないが仕事を円滑にするためにあえて定まっていないルールというもの会社には多い。

からこそ法や業務効率の名の元に、仕事ものすごくやりにくくなるやろうなあ、という社内ルールを通すべく俺はあらゆる手を使った。

会社がどんどんギスギスしていく姿に、きっと役員の先輩も喜んでいてくれているに違いなかった。

そういう日々が続くうちに、俺にもいつの間にか妻と子供が出来た。(こればかりは本当に相性のいい人とたまたま出会った)。

基本的残業は一切しないので、子供の世話もしているが、仕事と違って楽しいものだ。手当も出て給料も上がり、順風満帆人生を送っている。

何故幸せになれたのかというと、やはり「仕事ができない人間である」というのを認められたからだと思う。

自分が正しい人間だとか、優れた人間だとか、そういうところから脱却するのが肝要だ。

そもそも大した世の中ではないのだから、世の中に報いようなんて考えなくていいのだ。

俺は仕事ができない。だが、それでも幸せに生きて良い。そう思うのが何より大事な事だ。

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