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はてなキーワード: ゆらゆらとは

2023-01-03

母が重い、35歳女の脱出

2023年1月1日、私は限界を迎えて、東京ホテルを予約した。元々3日から予約していたのだけれど、1日からに変更した。実家で絶え間なく続く母の愚痴に耐えられなかった。



子どもの頃のまま、中1のときに貼ったアヴリル・ラヴィーンポスターこちらを見つめる部屋で荷物をまとめていると、ドアから父がその様子を覗く。


「どこ行くの?」

今日から東京に行こうと思って」

「3日からじゃなかったっけ」

「やっぱり今日からにしようと思って。いろいろやることがあるし」

「そう」


しばらくするとまた父が来る。

「なんで行くの? お母さんが泣いてるから理由を教えて」

泣くのか……少しは想像してはいたけれど。

仕事とか渡航準備の関係があるから

「そう…」


父は去ってしばらくすると、今度は母と登場した。

ユニクロの縞模様のフリースを着た母は、部屋にはいると、ドアの前で正座をした。その後ろで、灰色のだるだるのパジャマを着た父が立っている。

私はベッドに座って、ポーチ化粧水を詰めているところだった。


「なんで?」

悔し泣きのような顔で、正座をした母が言う。


仕事とか渡航準備あるから、やっぱり早めに行こうと思って」

「なんで? 私がなにか悪いこと言った? なにがだめだったか、教えてください」

正座した上半身ゆらゆらと前に屈ませながら、母が泣いている。


「いや、別に……」

「教えてください。私があなた子供の頃からしていた所業が悪かったのはわかっています。謝ります。ごめんなさい。でも、言われないとわからないんです。私ばかなので」


正座ゆらゆらと頭を下げる母。泣いて頭を下げる親を上から眺めるなんて、最悪だ。自分が本当に人でなしのように思える。


これが嫌でこれまで距離をとってきたんだったなというのと同時に、これが予想できたとしても最悪のタイミングで拒絶をしたかったんだとも思う。


「5秒ごとにネガティブなことを言われるのに、疲れただけだよ」

ネガティブなことってなに? 教えてよ」

「どれというより、本当に息を吐くように言ってるから、一度録音してみたら…」

「そのときに言ってよ。言われないとわからないよ」


母の涙声の語気が強くなる。本当にわからないのだと思う。それは2人で暮らす両親の習慣なのだ


***


母は父の一挙手一投足に文句を言い、ときに声を荒げる。父はかなり雑で無神経なほうなので、文句を言いたくなるのもわかるときはあるけれど、母の謎のこだわりに沿っていないかったり、さっき母が自分で言ったことを忘れていたりという理由での文句も多い。

煮物を真ん中から食べたとか、思っていたのと違うお皿を使っているとか。


文句を言うとき、母は私のほうをちらりと見る。一緒に文句を言ってほしいという合図だ。祖母ご近所さん芸能人を悪く言うときも一緒だ。


子どもの頃は、これに必死賛同していた。賛同したほうが、家庭内平和だし、「やっぱり父に似て鈍臭くて雑」と言われたくなかった。私は母のなかにあるお皿のルールを覚えて、完璧対応できるのが、誇らしかった。


母の文句合理的ではないと気付いたのは、中学生になった頃だろうか。反抗期を迎えた私は、母の「ちらり」に反応しないことにした。子どもの頃の癖もあるから、反応しないのには一定のパワーがいる。


20年ほど経つのに、未だに母は私の賛同を待っている。目を逸らすと、「冷たい」「つまらない」と残念そうに言うこともある。私は私で、いまだに反応しないのには、パワーを使う。



母は自分にも、ネガティブ言葉を投げかける。料理の味付けが薄かった、もっとこうすればよかった、失敗した……。「そんなことないよ」「おいしいよ」と父はすかさず言う。「心にもないことを」と母が言う。


私も基本的には「おいしいよ」と言って、自分が実際に食べたいと思う以上に食べる。実際にそんなにまずいと思うことはない。おいしいことも多い。絶対に言えないけれど、もっとこうしたらおいしいのにな、夫だったらここはもっと丁寧につくるなと思うことはある。



母と父は2人っきりで、ずっとこの関係を続けているから、自然なのだろう。父は天然で人の話をよく聞かないタイプだし、何十年も家庭を放棄して母に苦労をかけてきた負い目もあるのだろう。なにより退職して、今かまってくれるのは、母しかいない。


そうして自然に任せると、5秒ごとに母が、父の批判か、フォロー待ちの自分批判をすることになる。


「そうだそうだ」と母に賛同しているときは、楽だった。そういうものだった思っていたから。でも、なんだかおかしいなと気づいてからは、食事3回分、24時間くらいが限界らしい。


最近は、夫や弟夫婦帰省することが多く、彼らがいたから、なんとか耐えられていた。

弟の奥さんや夫を気遣う体で、物理的に距離をとれたし、外の目がある手前、母のネガティブも多少減る。

彼らは空気を読むタイプなので、波風を立てない形で、母をなだめ、父へのフォローもできる。弟と私が、そういう伴侶を共通して選んだのは、偶然ではない気がする。



そんな夫が「あんなに失敗したって言われながら、食事を出されると反応に困るんだよなぁ」と、いつかの帰り道にぼやいた。

それで私は、やっと自分がいつも母の絶え間ない自虐に疲れていることに気づいた。


12月29日の夜に帰省した私は、24時間が過ぎた30日の夜に、電池切れしてしまった。


31日はタイミングが悪いことに母の誕生日だったけれど、その日は私はなにも話すことができなくなっていた。そうなると、私は思春期に戻ってしまう。


こうならないように、ここ何年かは、それっぽい理由をつけて一人のとき自分が耐えられる時間だけの滞在にしてきたし、長い時間ときは夫や弟夫婦と一緒に行動するようにしていたのに。

今回は急遽海外への引っ越しスケジュールがずれこんで、直前に長く実家滞在することが決まった。私以外は皆海外にいて、一人での帰省だった。


ゆっくり実家にいれるようになって、よかったね」というまわりの言葉になんとなくそうかなぁと思ったけれど、やはりどうしても私には無理だったらしい。


年末に駆け抜けた引っ越し渡航準備、仕事で、疲れきっていた。さらに悪いことに、家族緩衝材役を担ってくれていた犬が、最近病気で寝たきりだ。

私は母と話せなくなると、犬に話しかけて、場を和ませて、なんとか大人自分に戻っていた。



私は実家にいるとき、3つのモードがある。


①母の文句や笑いに喜んで賛同し、適度に甘える、7歳の無邪気な自分 ←母はこれを一番期待している。25歳くらいまでは、違和感を持ちつつも、これで仲良くやっていた。


②母に反抗して黙りながらも、我慢してその場にとどまる15歳の自分 ←母はこのモードに、世話を焼くのも嫌いではなさそうだ。私はかっこわるくて最悪な気持ちになる。


③母の愚痴ニュートラルに聞き、親切にする35歳の自分 ←母は物足りなそうだけど、自慢の娘というかんじでご機嫌。私も心が安定する。心の余裕がないと、長時間できない。


もちろん、基本的には今の自分の年齢と一致する③でいたい。①は楽で平和だけど、自分のなにかが死んでいく気がして、絶対にやりたくない(実際この形でうまくいっている母娘はけっこういる気がするけど)。


③が崩れそうなときに、①を断固拒否すると、②になり、今回は頼みの綱の夫、弟夫婦、犬の不在で、③に戻れなくて、耐えきれず、物理的な脱出をはかったわけだ。


***


修羅場に戻る。


「なんで嫌ならそのときに言ってくれないの!? 私が子どもの頃、すぐヒステリーになったから、それがトラウマで、普通言葉もすごく嫌に聞こえるんだよね? そう、私が悪いの……」


母は一人で話しつづけている。

しかに、そうなのかもしれない、と思う。


「どうせ私は虐待親ですよ。そう思ってるんでしょ。この家に足を踏み入れるのも辛いんでしょ」


こんなふうに母が言うのは、弟が4年ほど前に、そう言って母に反旗を翻したからだ。


から見て、弟は弟でわりと極端な思い込みがあるほうなで、それは言い過ぎではと思いつつも、面倒なことを伝えてくれて助かったなとも思っていた。


虐待とまでは言わないけれど、母の臆病さや不安定さに、随分振り回されたなと思う。母の年齢に近くなり、いくら大変でも、大人の私はそれはしないなぁということがいろいろある。時代も違い、私には子供がいないから、未体験領域ではあるけれど。


ただ今になって本人を責めたいとも思わないし、お金と労力をかけてもらったぶんそれなりに自分人生を生きらている自覚はあるので、のらりくらりと、どちらの側にもつかずに距離をとっていた。


その間に結婚して、夫という防波堤ができて、このまま平穏にほどほどの距離感でやっていけそうだったのに。ここにきて、こんなことになるとは……。


「ずっと嫌だったんでしょ。無理してこの家に来てるんでしょ」

「まぁ、それはそう」


弟ほど実家に寄りつきたくないわけでもないけれど、母の雰囲気におされて肯定してしまった。実際、いればいるほどエネルギーが吸い取られるかんじがするし。


「嫌なら、なにが嫌かはっきり言ってくれたらいいのに。なんで教えてくれないの?」

「こういうふうになるってわかってるからおかしいなと思っても指摘できないよ。子どもの頃から、言えないように、あなたがしてきたんだよ!」


一度肯定すると、私も感情的になって、涙がでてしまう。


「指摘できないなんて、思わないけどなぁ」

父がとぼけて言う。

だって家にいなかったから、知らないじゃん」


ついでにした父への批判は、なんとなく母が言ってほしい言葉を言ってしまった気がする。


だって、いなかったし、そのうえ、気に入らなかったら、怒鳴ったり暴力振るったじゃん。アル中DVだったときのこと、忘れたの?

と本当の私は言いたかった。


宙吊りにされてテーブルの角に頭を打った母が頭から血を流したことも、ベランダガラスを蹴って割ってくるのを、弟と部屋のなかで怯えて見たことを、私は忘れられない。

部活から帰ってきて眠っていたソファから、突然投げ落とされたことも。

日曜の昼、ウィスキーを飲み始めたら、今日は怒鳴りだす合図だったことも。


でも、それはこの家ではなかったことにされているタブーだ。母の思う「うちは、幸せな家庭でよかったね」の規範から、明らかに外れているからかもしらない。


今の父は穏やかで、母を落ち着かせる役割を担っているし、あの頃のことを申し訳なさそうにする素振りをしているので、私も言わないことにしている。


ある一定の期間だけだった気がするので、仕事ストレスもあったのだろう。その仕事で、大学まで行かせてもらったわけだし。だからって、許されることとも思わないけれど。


そんなことを考えて黙っている間も、母は話し続ける。


「私はひどい親かもしれないけど、あなたのことが大好きだから、楽しみにしてたくさん準備して」


楽しみにしていた誕生日とお正月に、大好きな娘にこんなことをされるなんて、母はとても可哀想で、そんなことをする私はなんてひどい娘なんだろう。

母の憐れさに飲み込まれていく。罪悪感で、頭がぼんやりする。


あなたがしていることは、はっきり言って暴力だよ。無視されることって辛いんだよ。お父さんと同じことを、あなたはする。なんで?」


母は悔しそうに泣く。父にされたことも、思い出しているのかもしれない。


しかに、15歳のモード言葉を話せなくなってしまった自分は、不甲斐ないし、申し訳ない。もう35歳なのに、なにが嫌か言葉でなかなか説明できないなんて。それでも。


「そんなふうに被害者っぽくされるのに、もう疲れたので…」

被害者面なんてしないよ! 絶対しない。でも、被害者って言うなら、言わせてもらうけど」


被害者」というキーワードが、なにかの引き金になったらしい。母がここぞとばかりにまくし立てる。子どもの頃、どれだけ私や弟に尽くして節約し、我慢し、プリントを整理し、時間をさいてきたか自分がこんなふうに拒絶されるのが、どれだけ辛いか


プリントの整理、私嫌いじゃなかったし、別にしてもらわなくてもよかったんだけどなぁと思う。


節約して5歳から18歳まで行かされていた塾も、今思えば先生子供たちに人格攻撃をするやばいやつだったので、あの先生のために節約しなくてよかったのにねとも、思う。

どんどん人が辞めていくなかで、私は一番長くその塾に通った。今思えば、あそこにいた子どもたちは、みんな無表情でか細い声をしていた。


母にも辛くあたった塾の先生祖母を黙らせた私の全国模試順位に、母が満足気にしていたのも思い出す。私に勉強の機会を与えたのは、私のためだったのだろうか。


母がヒートアップするほど、だんだんと冷静になってくる。


母は絶対否定しない父を後ろに据えて跪き、私が絶対罪悪感を抱く言葉を泣きながら放つ。

この人は、本当に自分可哀想で仕方ないんだなと、思う。


過去やってきたことを否定したいわけじゃないよ。ただ今、愚痴を聞き続けるのが疲れたっていうだけだから

「本当に行くのね?」

「うん」


これまでの私だったら、ここで東京に行くのをやめていたかもしれない。そもそも行事を大切にする母の手前、大晦日とお正月実家家族から離れる選択肢なんて、一昨年夫がコロナの濃厚接触者になった一度以外、なかった。


海外駐在中も両親が自宅まで来たし、濃厚接触者になった翌年の新婚ニ年目も年末がちょうど誕生日から義実家より私の実家を優先した。「失敗したかもしれない」と呟く母のおせちづくりを毎年手伝い(「おいしいよ」とフォローしながら)、きれいにできた重箱やお正月風景を撮ってアルバムにして、プレゼントした。


今年は弟夫婦も夫も海外で、犬は寝たきり。それでも母は、親子水入らずでのお正月を楽しみにしていたのだと思う。急遽伸びた海外行きと、それに伴う実家滞在の長期化を、母はもちろん喜んだ。


私は夫と会うのがお預けになってがっかりしたし、なにより自分実家滞在に耐えられる自信がなくてとにかく不安だったけれど、そんなこと、まったく思いもしなかっただろう。



「私はお正月家族で過ごすものだと思ってるから。こんな仕打ちってないよ。〇〇ちゃんの家は母娘でおせちをつくって、●●さんの家ではもっと……」


母が地元に娘が残って、べったり子育てサポートしている家族を羨ましく思ってるいるのは、わかっている。


それが嫌だから上京してよかったと何度思ったか。一方でその願望に多少は答えなくてはと思って、お正月誕生日と、GWお盆帰省した。旅行もした。

でも、今回は無理だった。弟夫婦や夫がいてくれる年を過ごしたら、もう1人では耐えられなくなっていた。



「もう何十年も、十分やってきたでしょ」


そう言うと、母は静かになって、去っていった。


私が喜んでやってきたと思っていたことを義務のように言われて、母は心底悲しくなったのかもしれない。私だって、いつも100%嫌々やっていたわけではない。ある程度、楽しんでいた。


母は本気で自分を直そうとして、泣いて質問しているのもわかる。


それでも、「まだほしい、まだほしい」と千と千尋カオナシのように、やればやるほど依存されて欲しがられるかんじに、耐えられなかった。

母が変わるのを根気強くサポートする気力が、私には残っていない。



母が羨ましがる〇〇ちゃんや●●さんの家だって、娘が気を遣っているところはあるのだろうと、私は思う。彼女たちが一時精神を病んでいた原因に、母との関係がなかったと言えるだろうか。


娘同士で話すと、娘側が母にリップサービスをしたり、話を合わせたり、距離をとったりしていることは多い。

10代の頃は本当に仲の良かった「友達母娘」でも、いつまでもそのままでいられると思っているのは、たいてい母のほうだけだ。それでも、娘は母をがっかりさせないように、大人の振る舞いで和やかに過ごす。


だって、本当はスマートに、本人には気づかず幸せでいてもらったままで、ほどほどの距離感で過ごしたかった。


誕生日やお正月を楽しみに、食材を考えていた母を思うと、胸が痛む。とても。涙がでるほど。

こんな最悪のタイミングで反抗しなくたってとも、思う。しかも、こんな年齢で。


それでも、今、私は自分のために、自分をどうしても逃がしてあげたかった。

脱出した私は、その夜、東京銭湯に行って、ホテルのベッドでぐっすり眠った。

2023年、はじめの自分へのプレゼントだった。


——-


けんか(?)を片方の立場から書くのって、フェアじゃないよなぁと思いつつ。

まずは自分のなかの混乱を整理するために書きました。だからか、うまく削れず、とても長いです。


迷いつつも、シェアするのも悪くないかなと思ったのは、信田さよ子さんの本や記事にでてくる人たちの具体的なエピソードに、私自身が背中を押されたからです。

https://www.amazon.co.jp/dp/4393366255

https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0022/topic025.html


もうおばさんという年齢なのに、いつまで私は子どものようにじたばたするんだろうと思うけれど、自分選択して、書いて、振り返って、前へ進めば、大人としてドライなほどほどの関係を築けると信じて…。

自分ブログ用に書いたけど、さすがになぁという内容なので、ここに載せます

2022-11-15

anond:20221115120605

部活中に校舎がゆらゆら揺れて、 揺れでかくて大きいから遠くで地震あったんやなとかみんなで話して家帰ったら東北やばい地震があったって聞いて大阪まで揺れるのやばすぎんか…?と思った記憶しかない あとぽぽぽぽーん

数年経ってからyoutube津波映像見たなあ

2022-10-18

紅茶をお湯400MLに一パックで抽出してたから濃い目に出すべきだと思ってた

だいたい10分ぐらいつけて、ひどいときはコップ二つに200ずつ入れて、一杯飲み終わる30分ぐらい茶葉をつけてからもう片方を飲んでた

でもそうすると渋みが出るから程よいとこで切り上げろ!薄いほうがいいみたいなのを見て半信半疑で400のコップに2分放置の3回ゆらゆらに変えたら普通にうまくて草

俺が今まで飲んでたのは渋いカフェイン水だったらしい

2022-10-04

anond:20221004201322

ゆらゆら揺れてるだけじゃ飢えて死ぬ

お前のような人間は花や草だ

いか、今度から「こんな思いをするのなら花や草に生まれたかった」という定型句をいつでも放てるようにしておけ

2022-08-28

ハンモックを買って一年(超)が経った

結論:ハンモック、ええぞ!!買え!!!

 

なぜハンモックを買うに至ったか

日本の夏はくそ暑い

暑いとき背中にかなり寝汗をかいていることに気がついた

(・暑いときというか、暑くなくても布団を被るとそうなりがち)

背中の熱を逃すために頻繁に寝返りを打っていることが、寝心地の悪さに繋がっているな、と思った

ハンモックって背中から熱逃げそうじゃね?よくね?

・つうか、ハンモックってテンションあがらね?

・俺んち無駄に2部屋あるし、でけえハンモックあってもいけるくね?

・買うぞ!!!

どんなハンモックを買ったか

ネットで調べたらいちばん上くらいに出てきた、vivereっつうブランドのやつが結局いちばん無難そうだったので、それにした

見た目はレインボーカラーではないけど、ざっくりそんな感じの、カラフルなやつ

どこのメーカーのもそんな感じなので、デザイン的な流行りなのかスタンダードなのかわかんないけど、とにかくそんな感じなのだろう

サイズデカければデカいほどよさそうな印象だったので、一人で寝るけどダブルサイズにしてみた

が、楽天市場かなんかで適当に買ったせいか、実際に届いたものシングルサイズだった説がある それかセミダブル…?でもそんなサイズなさそうだし……

箱をみてもイマイチサイズが書いてなくて、結局いま使っているハンモックシングルなのかダブルなのかは謎

1人で寝る分には、手狭さを感じることはない!

ハンモックのよさ

・なんといっても涼しい

エアコン、29度設定でOK(これはエアコンイカれてる説もあるんだよな)

・なんならエアコンなしでもある程度戦える、寝られる!ってくらいに涼しいし、設定温度を低めにすると背中から寒さがくるレベルですらある

・ヘタな布団より寝心地がいい

ペラペラマットレスを床に敷いて寝るよりはあきらかに寝心地がいいし、カビの心配がいらないので精神衛生上もいい

万年床でOK

カラフルでカッチョいい オシャレ感あり

・気が向いたらゆらゆら揺れて遊べる、これがまた結構気持ちいい

・横に座ると椅子がわりにもなる しかもけっこういい椅子(メシを食うのには向かない)

ハンモックの悪いところ

・冬、寒い!!!

晩秋くらいに「これは…無理だな」となる瞬間があって、去年の冬は結局布団スタイルに戻って暮らし

・でも3月くらいに毛布を2枚買ったら冬でもイケる感が出て、そこから今までハンモックできている

・今年は貫けるか…?俺のハンモックスタイル……

・妙に地面が恋しくなる

・寝心地は悪くないどころかかなり良いと思っているんだけど、なぜかときどき地面に寝たくなる 実際に床に転がって寝ることがある

・たまに落ちそうになる

・俺は落ちたことないが、泊まりに来た彼女は2回くらい落ちていてアワレだった

運動神経的には彼女のほうが上なので、なんか謎の適性みたいなものがあるっぽい 俺は持っている側だった

・重心的にマズイところに乗るとひっくり返りそうになる 

 ・けっこう怖いが、普通に使ってる分には大丈夫そう

・突然ネジが取れて落ちたらどうしよう、という恐怖が拭えない

・一回もそうなったことはないが、そうなったら痛そうなので……

総論

ハンモック、なかばお遊び感覚で買ったんだけど、結果としてはこの1年間のメイン寝具となった

値段的にも2万くらいで、寝心地はわりとホテルのベッドなんかとも競えてんじゃねえか?と思うので、良い買い物だったと思う

腰が痛くなったりはまったくしていない むしろ身体は楽になったような気さえする

ときどきオシャレな店でハンモックを見た時、うらやましい!と思わなくなったというのは、地味にデカい変化だと思う

おっ、ハンモックやんけ!ワイもバリバリ使ってるで!!と、謎の親近感さえ覚える

でもハンギングチェアは羨ましい感じがしますね……

でもアレに7万とか出すのはさすがに博打すぎる

やっぱ、ハンモックに2万くらいかスタートするのがいいですよ、マジで

1日の3分の1を過ごす……というか、俺の場合休日の9/10くらいを過ごす場所なので、お得感がある

オススメですマジで

でも今買ってもまだ夏は残ってるぞ

夏の夜に完全に勝った気になれるのですごいよ

背中の排熱って大事ですよ、ホントに!

ガソリンスタンドガソリンに水混入の説明をする

ガソリンスタンドタンクに水が混入して給油した車が故障、っていうニュース世間を騒がせているが、自分が働いていたスタンドでも同じ事故が発生して騒ぎになった事があるので説明するよ。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.asahi.com/articles/ASQ8W6QFCQ8WULFA00P.html

 

なんでガソリンタンクに水が入っちゃうの?

一番大きいのはパッキンの劣化豪雨だよ。

ガソリンスタンドの貯蔵タンクは地下に置く事が義務付けられている。近所が火事になってもどうやっても引火しないようにする為だ。

でも地下って事は豪雨付近冠水したり洪水になったりすると水が入ってしま可能性がある訳だ。

地下タンクには

1.荷卸し用(勿論燃料油)のハイプ

2.エア抜き

3.給油機に繋がる吸い上げ管

が繋がっているが更に

a.残量センサコード取り付け部

b.直付け残量計

が付いている。b.直付け残量計はタンク直上にあって古い石油ストーブの燃料計みたいに針がゆらゆらして値を示すやつね。中にフロートが浮いててそのフロートアームの反対側が指針になってる簡単な造りだ。で、この直付け残量計の上にはマンホールがあって、水が入らないようにパッキンがはまっている

増田の働いてたスタンドは、古くてマンホール面の地面が不等沈下して歪みが出ていた上にパッキンが劣化していた。

更に残量計のケースに使われているパッキンも痛んでいた。因みにここはガソリン蒸気などに晒されるのでゴムが痛みやすい。大体のスタンドはそのままになっていると思われる(フッ素ゴムシリコンゴムなどを使うと痛まないがそれらの材質が一般化したのは20年くらい前の事だ)。

そこに大雨が降って冠水し水が入ってしまったのだな。

更に悪いことに、そのタンク増設した小さいタンクで、普段は管路を締めきって使ってなかった。だから何度もの大雨で水が溜まって行ってしまったのだ。

そしてそのスタンド夜勤危険物保安監督者は増田だけで、管路の切り替えも増田しか出来なかった。

って事で自動的増田がお客さんの車故障させた犯人なのだ

ただこの件では増田に落ち度が無かったので会社から叱られたりもしなかったが。

 

タンクローリーから荷卸しする注油口にもパッキンがあって、これが痛んでいてここから水が入るってケースもある、というかこっちの方が多い。

この場合は口が大きいので大事故に繋がる事がある。

例えば、付近冠水して注油口から水がドバーッと入ってしまったとする。すると水は重いので地下タンク内のガソリンを押し上げてしまう。それがエア抜きからバーっと吹き出ししまう。これは水面に乗って広がってしまうので火が付いて付近火の海になる可能性があるのだ。洪水のせいで大火災危険が生じるのだ。

 

水が入っても判らないものなのか?

判るよ。毎日計量してるから

スタンドには3つのメーターがある。

1.地下タンク残量計。タンクの実残量を示す。

2.計量器(スタンドの目に見えるところにあってガソリンを出すあれ)

3.給油ポンプアナログカウンター

スタンド店員毎日地下タンク残量を計量して記録する義務がある。

POSシステムは各タンクから出して販売した数量を記録していて、残量の推定値を表示する。

ローリー荷卸しがあったらそれも打ち込むので地下タンク残量とPOSの値は正確に一致するはずである

…が、一致しないとなったらなにか原因があるって事だ。増えてる場合は水の混入である

 

一般的にこれをやる意味は寧ろ「数字が足りない」場合に備えてだ。数字が足りない=配管かタンクどっかから漏洩で土中にしみ込んでしまっているという事で、非常に重篤状態である

勿論環境汚染でもあるのだが、土中にしみ込んだガソリン地下水に混じって暗渠(地下化された川)や下水道に流れ込むと、そこで蒸気が溜まって爆発事故になる。台湾高雄の大爆発事故は、パイプラインから漏洩した燃料がこうやって暗渠に流れて起きたものだ。

閉店間際のスタンド店員マンホール覗いてメモしてるのはこういう理由があるのである

 

水は入ったらすぐに車は壊れるの?

壊れないよ。だって燃料油には水が少量混じっている事が多いから。

 

スタンドの方ではパッキン類がちゃんとしてても地下タンクに水は入ってしまう。

ガソリンを売るとタンクの液面が下がる。すると負圧になってしまうので、エア抜き管が設置してある。スタンドローリーが来てる時に頭が痛くなったりきつい臭いがするのは卸したガソリンタンク内の蒸気混じりの空気エア抜き管に押し出している為だ。

ガソリンが減って液面が下がると逆に空気を吸い込む。夏であれば高温多湿の空気涼しい地下、しかガソリン気化熱で更に温度が下がったタンクに入るとどうなる?

そう、結露です。結露してそれはガソリンの下の方に溜まるのだ。そしてローリーの荷卸しがあった時には攪拌されてオイルタイプドレッシングみたいな混じり方をする。

その間に給油に来たお客の車に給油されるからモーマンタイである

 

なにそれひどい

でも車のタンクの方でも結露は起こっているよ。ガソリン使えば空気は吸い込むし、ブレーキガソリンが揺すられると気化が激しくなって気化熱温度が下がる。そしたら結露するのは当然で、給油する前に何度も何度も結露し、その水はガソリンの下に溜まる。それは車の揺れで燃料ポンプ吸い込み口に吸い込まれエンジンで燃焼されてしまう。

軽油場合は水との親和性が高いので下に溜まらずに「水っぽい軽油」になってこれもエンジンで燃焼されてしまう。

から相当量の水の混入じゃないと車の不調にはならないのだな。

 

水抜き剤が全てを解決するがスタンドじゃ買わない方が利口

水抜き剤はこういう理由必要とされるケミカルなのだ。どうしても水はタンクに溜まるから。一番の問題エンジンじゃなくて、燃料ポンプが錆びちゃう事なんよね。ある日急にエンストしてエンジンが掛からない、高速や山道を全開で走ってたらエンストとか。タンクが錆びてその錆で燃ポンが壊れるって事もある。

水抜き剤の仕組みは単純で、アルコールだ。アルコールは親油性親水性両方があるから水をアルコールに溶かしてエンジンで燃やしちゃえっていうケミカルだ。

からイソプロピルアルコールでも代用できる。酒用アルコールはだめだぞ糖分入ってるから

こんな単純ケミカルなのでホムセンでは100円くらいで売っているので、それを入れよう。ぼったくり価格スタンドのは原価40円くらいで同じ代物であるし、違いが出せようはずもない。

 

ウオーターハンマーとの混同に注意

元ブでもエンジン故障冠水走行でのウオーターハンマー混同してる人がいるが、それは空気を吸う所から水を吸い込んだ場合で、空気圧縮できるが水は圧縮できないのでエンジン物理的に破壊されてしまうってもの

燃料路からの混入では燃料:空気比率12:1程度になる上に気化した水は圧縮出来、すぐに排気されるので物理破損されない。

因みにハイオク車にレギュラー入れると調子が悪くなるのは、ノッキングが発生するから

今の乗用車ノッキングを感知すると点火時期を遅らせるので、ピストンが下降工程にある時に燃焼が起きて馬力に変換されないし熱効率も悪くなり燃費悪化する。ノックセンサーがない古い車ではエンジンがぐちゃぐちゃに壊れる原因であった。(経験あり)

 

水混入による修理と言っても燃料を入れ換えてリターンパイプを外してエンジンを空回しするだけのはず。

インジェクション方式では一定した燃料の圧力必要なので、エンジン側に調圧バルブがありそこで余分な燃料をリターンパイプ経由でタンクに戻している。

からタンク側のリターンパイプを外してエンジン回せば管路の燃料も全て抜けてしまう。キャブレター式ではキャブの分解が必要だが、インジェクション車は燃圧が高いので力で押しきりがしやすいのだ。

 

それからもし自分がこういうトラブルにあったとしてもスタンド会社がレッカー代から休業補償も払ってくれるから大丈夫だ。

その為の保険に入っているし、個人経営でも共済で弁済可能

その為に領収書は捨てずにとっておいた方が良い。

因みにタンクへの雨水混入も消防法抵触事件なので、タンクへの混入を認めなくても監督官庁である消防署巻き込むとスタンドは認めざるを得ない。書類や実際の燃料油の採取やパッキン状況等を有無を言わせず調べられるので。

2022-04-21

キウイ着ぐるみかぶって荒城の月に合わせてゆらゆらしてるだけの仕事したい

2022-02-02

anond:20220202120358

足が地面についてないわけじゃなくて膝をなんかこうゆらゆらさせちゃう

貧乏ゆすりとかじゃなくなんの気なしに足をゆらゆらさせちゃうんだけどこれ多動なのかしら

2022-01-27

ノロノロ」と「のろい

言葉誕生はどっちが先なん?

「のろま」は?

コロコロ」と「転がる」「転ぶ」は?

イライラ」と「苛つく」は?

「ねばねば」は「粘る」が先な気がする。

「ボロい」は「ボロボロ」が先な気がする。

「ピカピカ」は「光る」から派生だと思うがなんで「ピ」になったのか。

「ビカビカ」だと「ピカピカ」より下品で眩し過ぎる光り方のニュアンスになる感じがする。

「ブルブル」は「震える」の派生だな。

「プルプル」もあるな。「プルプル」だとゼリーが揺れる感じになる。これ「プリン」の影響ない?

「喉がイガイガする」のは「イガ栗」イメージから来てるよな?

「目がうるうる」は「潤い」からだな。

ハタハタと揺れる」は「はためく」「旗」からだな。

「そよそよ」と「そよ風」はどっちが先なん?

ゆらゆら」は「揺れる」の派生だろう。

2021-12-10

俺は『水と油でかける橋』が嫌いだ。

水と油でかける橋 - 赤穂ゆうき | 少年ジャンプ+

さっき読んだ直後は、単なるジャンプラの読み切りなんだから軽く流そうと思った。

でも10分ぐらいしたらやっぱり口にしないと気持ちが収まらなくなった。

100字では、140字でも書ききれない。

言いたいことが多すぎる。

どこから書けばいいのか。

もういっそ全ページレビューぐらいの気持ち最初から書こう。

扉絵

ああ、もう嫌いだ。

『写実の世界から抽象画世界へ』というメッセージは一発で伝わった。

でも絵が気に食わない。

繊細な写実というには右の絵は稚拙で、意図的子供らしさと作中で語られるにしてももちょっとなんとかなるだろうと思ってしまう。

ゾッとさせるような写実が持つ、バランス感覚に対する驚嘆と、生まれつきの能力絶対にかなわないと感じさせる認識解像度が……。

抽象テーマにしている左は、モヤモヤっとしたものをたくさん並べて配置しましたよとただそれだけで……抽象とは近視が眼鏡を外してクシャクシャのフィルム越しに遠くを見た景色ことなどでは……

つうか、この橋……モネ!雑!つうかそれなら左側にあるべきはこんなモヤモヤじゃなくて!

ああもう嫌!!!キレそう!睡蓮の橋だって分かったことで「なるほどね、分かってるじゃん」じゃなくて「分かってね~~~~」が出ることにキレそう!!

もう無理これ以上書きたくない!

既にもう無理!!!

1P

ねーなにこれ ←それな なにこれ

で?

結局なんなのこれ?

またどっかのパクリ

で?

もう考えたくないから次

2P

客の方を向いてアニメ絵を描いて喜ばせた人間馬鹿にされて、シコシコ自分趣味押し付けた奴らが文句を垂れる。

勝手だよね。

こういう姿勢駄目だよね!

って漫画になると思ってました。

でも違いましたね!

俺のオナニーの方がお前らの需要より偉いんだよ!

コーラじゃなくて俺のホットミルクの方が美味いと言え!

でしたねこ漫画は終始

3P

ゴマでこのシーンを印象づけるのと、場面の情報量を絞ることで次のページからの場面切り替えをやりやすくしたのはいいね

4P

は?

芸術家って感じでゾクっと?

俺は泣いてるヒス女としか思わなかったけど。

つーか抽象画モネってキャラクター名は雑いが雑いよね。

分かりやすいからいいと思うけど。

池田屋って店名の直後に名字出して、服もわかりやすくすることで今なにしてるか分かりやすいのはいいと思うね。

キャラクターの状況説明無駄セリフ使わない工夫をしようと思えば出来るくせになー。

5P

大きい画廊に絵を出せる人から評価されてるなんてモネさんすごいな~~憧れちゃうな~~~。

はぁ……それは作中の絵で、見せてほしかった感がありますね。

6P

中間コマセリフ右から左にグイグイ読まつつコマを埋めることで圧迫感出すの上手いな。

技術的には漫画ちゃんと描けるのに話がほんとな、まあ作画だけやってろというには画力がまだまだなー。

ネームだけって感じか?

7P

美術先生あんまりいい思い出ないなあ」

じゃあ私はい先生になろうって主人公は思ったのでしょうか?

どうなんでしょうか?

この段階だとまだ流されているだけなんで結論は出ないねー。

8P

「売れるか」を「」書きしてるのは、あとあと引用するときのため読者に印象づけたいってのもあるけど、言い方がわざとらしいってのも含まれとるんやろうねえ。

と、ここでは評価できるのだが、それがあとあとね。

9P

最初吹き出しが後頭部から発射されていることで、そっぽを向いて話していることが分かる。

その次にイーゼルセリフかぶってることで、意識はそっちにあることが分かる。

若干吹き出しが下がっているのは視線誘導による宵宮さもだけど、発した側の意識比重が周囲の会話から絵の方に戻ったことも分かりやすくなってていいと思う。

クソが、褒めたくねーんだよ本当はこんな漫画、でも誠実に向き合った上で批判してる感出したいからな。

10P

「発想も描き方も自由でのびのび」

はい嘘ー。

せんせー、物語の都合のために嘘を演じさせられる子供たちが可愛そうだと思いまーす。

11P

絵を目と心で見るんじゃないんだよな……。

目と心で見たものを絵にしてるんだから

それって作中で自分でも言ってるんだけど、こういうセリフ統一感持たせてほしいな。

咄嗟に言った感じを出すたびにブレを出すにしても、それならそういう作劇意図が分かるようにして欲しいんだよね。

そのあとの「こどもなら尚更」はモネくそみてーなエゴダダ漏れでいいと思うね。

12P

ここでね、読者が「ヤベ、100点じゃん」ってならないと負けなんすよ。

作者の意図的に「子供が書く絵としては凄いけど……」を思わせたかったのかもだけど、そうだとしてもここは思いっきり嘘を振り切っておいた方が作品がビっと引き立つと思う。

作者の画力限界で無理?

いやー読者的にはそーゆーの関係ねーんで。

うーんここでカラーを使うって手もあるんだよなー。

あの絵だけカラーにしたら引き立つのかなー。

とにかくここでのパワーの弱さが読者側に「おい、俺の作品に歩み寄れよ」って命令されてるような感じにさせるんだよね。

好意的にそれを受け入れてくれるやさし~~い読者じゃなくてごめんねー。

13P

そもそも点数って付ける必要ある?

子供向けの絵画教室ってこういうことやってるんだ。

点数って概念デジタル抽象的過ぎるから、金払って評価貰う側としてはどうしたらよくなるのかを具体的に書いて欲しいって感じそうだけどな。

やすまんね。

僕の勝手イメージ押し付けただけかも。

でもな~~んか、そもそも論として悪手にみえるんだよなあ点数をつけること自体がさ。

まりリアリティ問題なんですよね。

だってアトリエオヤジ、やり手オーラ出してるキャラなんだからそういうことするかなって。

学校美術でいい点取りたい子が集まってる教室って感じもせんしなあ……。

ああごめん、俺が勝手に「作者の人形劇っぽさを感じる小道具が出てきちゃったな」ってケチつけてるだけだから

リアリティ 23点 ってか~^~^

14P

あなるほどね。

あくまで頼まれたとおり採点しただけと。

いや、でもそれにしちゃ用紙がしっかりしてんだよな。

やっぱ日常的に点数つけてるわコレ。

の子のために特別に用意してんのかな。

それなら店長からなにか注意とかありそうだけどそういう描写がない……。

まあそれより気になるのはさ、モネの「はいはい…で何がご不満なの…?」なんだよね。

お前よー「美術先生あんまりいい思い出ないなあ」と言った口でコレかー。

まあ初日っぽいし勘弁してやっか今回は。

15P

ページの左下でコマぶち抜いてることの演出意図いまいち分からん

違和感でまっさきに目が言っちゃうけど、まず上から見てもらった方がいいページに見える。

100点じゃないんですか……?の寂しい背中重要なページでしょこれ。

そこだけが目立つように絞ったほうがいいかなーって。

16P

・ ・ ・

みんな って言い方にさ、「大衆無知蒙昧なクズであり、芸術を介さぬ下等種族である」と言わんばかりなものを感じるんだよね。

それが演出意図として分かっていて、読者はモネのこういった発言イラッとするのがこの漫画誘導として正しいのかが引っかかる。

というか俺は終始そこが引っかかる。

モネをどう見てほしいのか。

そしてこの物語をどう感じ取ってほしいのか。

背骨とも言えるその部分にどこかゆらゆらとハッキリしない感じがある。

そうしたゆらぎの最中に、蛇行運転酔っ払いが次々と不特定多数タックルかまして帰っていくような不躾さを覚える。

俺はそこが本当に嫌いなんだ。

それを分かっていてやっているのか分からないことが。

17P

「心で見たら なにも見えなかった」

は?

計算して書かれた上手な子供の絵を描こうとする子供の姿を、心で確かに見ておきながら、自分が気に食わないからとなかったことにしたのはお前だろうがモネよ。

お前な、相手の嫌なところが作品から見えたらそれは何も見なかったことにするのが絵画鑑賞だと思っとんのか?

悪意を感じ取らせることがコンセプトの作品もあるし、空虚さがコンセプトの作品だってあるだろう。

見えないのは、お前の心が、お前の見たいものしか、見てないからだ。

そういうところが嫌いなんだよなモネ

そして、それを意図してやっているのかが曖昧なこの作品がな!

18P

予防線 雑に貼るなよ 冷めるから

19P

抽象画について語るのはほんま難しい。

俺は火傷したくないか自分から語りたくねーので「ブルーピリオドかに描いてあった気がするぜ?」とでも言って誤魔化すけど、この作品は火中の栗を拾いに行くんだから勇気があるなあ。

俺の目には生兵法で丸焦げにしか見えねーけどな。

まあ~~~言ってるのは小学生と~~画家ですらないモネせんせ~~ですから~~~作者の意見じゃないし~~~いいんじゃないっすか~~??

でも冷めちゃうんだよね。

あんまテキトーやられっと。

没入度 10点 ってか~~~^^

20P

モネさんにじゅうはっ さい

絵画歴15年

コイツ書き出したの中学生からから

いやまあこんな所噛み付いて「じゃあ小学生で絵が売れてるやつの何が分かるんだろうな」なんて言いませんよ?

雑に揚げ足取りたいってほどじゃないんで。

真っ向からぶった切ってる感出したいからここは、刃を縛ってフェアを演出ですよ。

21P

抽象画ってグルグル以外になんか無いんですか?

あっいや違うよね。

無知蒙昧なクソ雑魚読者に対して抽象画について1から説明しても仕方がないか抽象化≒グルグルってこの作品では仮に定義してるんですよね。

いやー幼稚園児でも安心して読めそうないい漫画だなー。

あれ、なんで俺今一瞬アオスジピキってなったんだ。

無意識化で何かを抑えた音がしたわ。

22P

絵を描く楽しみを、人からチヤホヤされることに求めちゃ駄目なんですかね?

ゴメン僕ホントこういうのわかんないんだよね

やっべフライングした

23P

風が吹いている絵を見て、そういった概念描写しようとしたこと理解するのと、実際に風が吹いている用に感じるのは別っすね。

膨大な価値がつく理由は様々で、投機目的だってあるからなんとも言えないっすね。

あえてズラして頑張ってる感の演出っすね。

歪みを入れてるのもわざとでしょ?

はい 23点

24P

カメラレンズを通した正確な風景を写している。

これはだいぶ浅い見方なんですよ。

そもそも論として、レンズを通った時点でそれはもう正確な風景とは言えない気さえします。

そもそも正確な風景と呼べるようなものなどあるのだろうか。

そういった疑問を人の心に浮かび上がらせてくれるのがカメラの魅力だと私は思います

魚眼レンズ文字通り、魚の眼に映る世界なわけですが、もし人間の目が魚眼レンズだったら、正確な風景と呼ばれる写真魚眼レンズ写真になったのでしょうね。

ではその世界において私達が見るような比較フラット景色はどう扱われるのでしょうか?

望遠レンズで撮ったときの遠近感を人は嘘と感じますし、広角レンズにしてもそうなのですが、それらは単に私達の視覚とは違う道具を……

駄目だ語るのめっちゃ楽しくて脱線しすぎた次のページ行くぞ。

25P

あくまで絵は評価じゃないと思っているから」

オナニーから

人に見せて再生数を稼げるかじゃなくて、自分気持ちよくなれるかだから

それを、人に押し付けるなよ。

股間の筆を、SEXに使うか、オナニーに使うか、それを決めるのは本人の自由でいいじゃん。

押し付けるのが、お前の考えるいい先生なのか?

お前のオナニー気にくわないよ、お前がSEXだと言い張っても筆を使うならオナニーだって俺は思ってるから、お前がSEXと言い張ろうとオナニーとして評価するから

それがお前の考えるいい先生なのかよ!

26P

大人に「わたし」とルビを振るな。

そういう所だぞ。

27P

突然人の髪触る奴……こわっ……

でもあれだな。

「教えたいことがある」のセリフに被せられるとエゴイストっぷりが引き立つからいいシーンだな。

作者がそういう演出意図になってしまうことを理解して(略

28P

表情ってね、自分じゃ案外わからないんですよ。

自分の顔を鏡で見た時は鏡に写したキメ顔だけってのは、人間人生が持つ欠陥の一つです。

そこが味わい深……あー駄目だまた話が長くなりそやめやめ

じゃあどう表現したら良かったんでしょうか?

難しいね!頑張って!

29P

ここの背中から表情の違いを上手く出せると良かったんだろうな。

多分、それだけでもだいぶ変わる。

30P

自分の知ってる悲しみを、他の人には味合わせないようにと考えられる人が、優しい人だと僕は思います

私はそれを乗り越えたから、それについてはもうどうでもいいよと言いながら、他の人が同じように悲しんでも、自分と同じように乗り越えろは、優しさとしては3流、いや、そもそも優しさじゃなくて自己満足エゴだよそれは!

31P

今、愚痴を吐くためにあえて1ページずつ見てるんだよね。

見開き毎だと話の粒度が荒くなりそうだから

それでさ、このページを1ページだけ見たんだよ。

そしたらさ、頑張って描いた絵の上に「お前の絵は心に正直に描いてないよ」ってセリフが被ってたんだ。

お前の絵は無価値だよ。

本当は0点だ。

そう言わんばかりだった。

悲しみが、胸に押し寄せてきて泣きそうだった。

32P

芸術は爆発だからな。

ひまわりだって爆発するさ。

ゴッッホーンってな。

はぁ……31Pの悲しみのせいで内容がうまく頭に入らねえ。

33P

うわああああああ急に白黒に戻るなああああああああああ

ぶっちゃけ見開き2ページぶち抜きでこの振り向きで良かったと思います

34P

そもそもの話なんだけどさ、描いてる最中にチラっと横見てなんとなく何描いてるか途中で分かったりしない?

完成まで間に衝立でもあったのかな?

わりい。

俺2周目だから超冷静なんだわ。

こまけーなわりい。

35P

場面が転換してるけど台詞が直前の事象を引きずりすぎてるので「え?なんか急に生徒生えてきてない?」ってなるんだよなー。

レオの席が空席なのを先に見せてワンテンポ落として、それから教室全体とかにするといいのかなーって。

36P

気に入っているから居残るってのはどうなんだろう。

俺は今、大嫌いな漫画のためにこんな夜中までひたすら居残りしてるんだけど?

はい反論完了

37P

すごいお家……以外の情報はないなこのページは。

38P

俺もちょっと他人に無関心な所あるけど、最悪の出会いをして今夜ふかししてこんなの書いてるよ。

39P

この辺、状況説明みたいのばっかで文句をつけようにもそもそも何もないって感じだ。

しかしあれだな「気に障るようなこと」と口にしては具体的にそれがどうなのかは考えないんだよなモネって。

40P

休憩していいぞ。

待ってるやつがいるぞ。

どっちだよ。

41P

「」の中身がなげーよ。

どんな時でも描きたい気持ちに素直になれるかで定義するのもなんかモヤモヤするしな。

前半部分いらなくね?

いるか

自称画家じゃないのモネが半分だけ定義を満たしているのってキャラ的に正解なのか?

看板を背負う勇気さえできりゃ俺こそが画家なんだよ!ってキャラだったのか?

そのへん混乱するぜ。

42P

上半分は回想ページだから雑な絵柄じゃん?

でも下半分だと偉い人から「本当にいい絵だと思っている」ってオーラを出すために書き込まれてるじゃん。

んでこれってレオの回想だからレオ思い込み光景なんだよな?

いやそこが分からん

実際にあった光景に対してレオの印象だけが吹き出しで追加されているのか、絵も含めて全部レオ妄想なのかが分からないんだよ……。

多分だけど、上半分のオヤジ画家もっと丁寧に書いて、吹き出し思い込みで、映像事実のものですってした方が漫画的にいいのかな。

タッチがばらけてんのよマジで

そして、それがこのページを読みにくくしてる。

43P

やっぱ父さんの顔のタッチ、さっきのページの上だけおかしいんだよな……。

44P

どうあってもレオの絵はレオの絵であって、そこに世界はやはりあるんだろうな……って演出でいいんだよなコレ?

この辺のわかりづらさ本当なんとかしてくれよ。

そこ大事からさ。

45P

光ってるのはお前だぞ派

輝ける可能性の光が見えないメクラは漫画を読むな派

光るって台詞が出たから雑に光らせたぞ派

久しぶりに絵を評価されたモネの嬉しい気持ちだぞ派

それが読者に分かるのがいい漫画なんだぞ派

君はどれ?

46P

「大したやつだ」

「やはり天才か」

47P

天才画家嫉妬されちゃうモネさんマジかっけー尊敬してます

48P

上から目線で語ってんじゃねーよババァ俺より稼いでねーくせにと言ってえーんやぞレオくん。

俺は許すよ。

49P

『「世界」が描きたい』って話さっきまでしてたのに「描きたいものが分からない」って話にいつの間にかなってる!?

作者は自分漫画ちゃんと読んで!

編集も読んであげて!

50P

かに絵を見せる意味、それは自分を認められたいから!

うーん。

ビジネスマン漁師アメリカンジョークみたいになってきたな。

あの稼ぎまくって最後のんびり釣りをするんだぜって既にのんびり釣りをしてる人に説法を始めるやつね。

俺あれ好き。

この漫画嫌い。

51P

髪止めゴムの柄さあ、割と一瞬だから分かりにくいんだよね。

最初に髪の毛触ったコマでもうちょっと分かりやすくしたほうがいいよ。

この石何?ってなる読者いると思うからね。

それか完全にゴム紐にしちゃったほうが逆に分かるかなー。

52P

目線の高さを合わせて喋ってる感出してるはずのシーンで高さがあってないの苛つく人ー ノ

いやお前ゴム紐に向けて喋ってるわけじゃないだろ?

53P

睡蓮!!!

扉絵のクソ雑い睡蓮の橋を思い出して思い出しギレしそう!!!!!!!!!!!!

54P

なにいきなりフェラ顔してんの?

ここ1Pずつ読むとそんな違和感ないけど見開きだとなんかバランス悪いんだよね。

どっちで読ませたいのこの漫画結局?

縦読みだと多分この構図でいいんだろうけどー。

55P

友人再登場してるけどコイツのこと読者だいたい忘れてると思う。

会話させるために引っ張ってきたんだろうけど……。

ぶっちゃけここ全部オッサン台詞で良かったんじゃない?

モネに話しかけてるけど全部無視してるみたいな感じで。

ノイズになってるよこのおばちゃん

56P

あの絵がそもそもイマイチ好きになれないんだよね。

つうかなんであれモノクロだったの?

あれこそカラーでやるべきじゃん。

モノクロ世界に色がついた感とか出るよ?

なんで?

白黒にしたの?

なんで?

演出意図を教えてー

57P

扉絵伏線回収でキレイに締め!って作者は思ってそう。

でもさあ、あのサイズ(3mぐらい?)で描かれてる設定ならなおさらもっと精緻タッチでよかったんじゃないの?

小学校の頃の僕はこれぐらいの画力でしたとかだとそれこそ「世界」がないよね。

バリバリ写真みたいな「世界」の中にいた僕を先生が引っ張り出してくれたんですにするのが、あの絵でやるべき「世界」だろぉ?

58P

まりさ、扉絵の段階でこの漫画はクソだって見抜けなかった俺の負けってこと。

2021-12-06

anond:20211206152137

昔、どこかの漫画

回想シーン」って書いてあって

その横に昆布みたいなの描いてて。

一時回想シーンと言えばこんぶや若芽ゆらゆら描いてたことがあります

こうして改めて文字に起こすと、しょうもないわね💦知らんけど。

海藻絵文字欲しいなぁ。

2021-11-09

ぽんぽこぽん

ぽんぽんぽんぽん

部屋の中でリズミカルな音が響いたのもだから

私は音の発生源を探して見回してみるけど

ぽんぽこと鳴りそうなものはなさそうだ

ぽんぽこではなくぽんぽんだ

頭の中で再現する音を訂正してみると

ぽんぽんよりもぽんぽこの方がいい気がしてくる

ぽんぽこぽんぽこ

ほらこっちの方がいい

今の音はどこで鳴ったのだろう

本棚の方から聞こえた気がする

愉快な本と堅苦しい本の間に無限の隙間がある

永遠にまらない隙間だけども

無限に本を入れることは叶わない

不思議な隙間

そこには得体の知れない楽団がいるのかも知れない

ぽんぽんぽんぽん

ぽんぽこぽんぽこ

私は愉快な本を抜き取って読み始める

とっても愉快な本だ

本と本の隙間はなくなって無限ゆらゆらと消え去った

ぽんもぽこもなくなった

愉快だな

2021-10-27

anond:20211027124020

同業者もっと稼ごうと思えば稼げるのになぜやらないんですかとかちょっと手伝うからもっと上目指していきましょうってよく言われる

気持ちは分かるけど月30万手取りが上がったとしても家のハンモックゆらゆらしながら漫画読む時間の方が大切

ってやんわり言うんだけどなんでですか??って言われる

まあ意識高い系が多い業界ではあるから

2021-10-22

心と体がぶっ壊れた話

 十月の執務室は寒い老朽化した庁舎は、あちらこちらで感染者が出た為トイレが封鎖され使用不可能になっていた。事件現場のごとく黄色テープが貼られ、仕方なく別の建物まで足を運び用を足す。そこには、かつて共に働いた正規職員がいる。電話番号を交換した間柄の相手は二三度こちらを確認したが、顔を見合わせただけで同僚との会話に戻った。自席へと戻ると職員市民が唸りながら攻防を続けている。ゆらゆらと垂れ下がるビニールシート。課名を掲げたプレートがだらしなくさがっている。

 時折、倉庫整理を指示された。お偉方が使う立派な椅子昇降機で運搬するのだ。真っ暗な倉庫雨漏り書類が濡れないようビニールに覆われていた。換気扇はある物の全体的に黴臭く湿気で蒸れる。鍵を取りに行くと一人でそこで作業する事になった。

 私はピラミッド型の階層構造の最底辺で働いていた。空調は全く意味を成さず、仕方なく自宅から持ち込んだストールは偉い人に揶揄された。冬場、コートを脱がずにいたらホッカイロを手渡された事もある。ヒートテックダサいセーター。周囲は見栄を張ってミニスカートで出勤していた。電気ポットはあるが、熱湯を使うにはパワハラ上司の前を通る必要があった。電子レンジは当然ない、誰も彼もマイボトルを持参する事を推奨され、私は毎朝6時半に起床し紅茶を作ることを習慣にしていた。それだけやっても、夕方には体が氷のように冷たくなる。

 Excelや専用ソフトを用いた書類作成それから電話応対が主な仕事であり、封筒発注雑務も行う、私はただの「派遣事務女性」だ。コロナ禍にも関わらずパーティションボロボロで頼りなかった。そのパーティションから顔を突き出すようにして同僚たちはお喋りに励む。

 そこに常駐しているのは私一人も同然だった。時たま爆破予告があった際も、同じ島の職員は打ち合わせと称して別棟に趣き、私を残して仕事をしていた。

 スマートフォンは常に手元に置いていた。心細さも多分にあったが、新卒入社した会社の同期が励ますようなメッセージを送ってくれていた。立場が違う私の連絡先を今の職場で知る人は少ない。メールでやり取りがしたいです、と言ったところすげなく断られた。しか職員同士ではメッセージメールの交換、業後の飲み会などで頻繁にやり取りは続いていた。

 そんな環境半月ほど働いた。たったの半月。その半月で、私の心は駄目になった。

 目は覚めているのに体が動かない。スマートフォンの目覚ましアラームが鳴っている、うるさい、止めなければ。頭では分かっているのに、全身が鉛のように重く、手を伸ばすのも一苦労だった。起き上がることはもちろん出来なかった。

 毛布にくるまったまま、体調が悪いので休みます、と電話を入れた。受話器の向こうの職員は「予約番号は?」と頓珍漢な受け答えをした。そのまましばらくぼんやりしていた。その姿勢のまま、壁を見つめて泣いた。

 休むつもりなどなかった。通常非正規立場では任されないというバッチ効率化の為に作成しどんな環境でも瞬時に業務が終わるよう調整を繰り返した。

明日もここで仕事をするのだと信じて疑わなかった。

 最後の一藁が積まれたのは、おそらく昼休憩中。私は近場のショッピングセンターストレスチェックを受けた。結果は散々で疲労度が群を抜いていた。

 そんな折、結婚して職を辞した友人が気になりメールをする事にした。ワクチンは打ったのか?と確認すると無職である自分にはまだ早いと言われた。同時期、コロナ煽りを受けて業績が悪化退職した友人が旅行中の写真を送付してきた。

 彼らのほとんどは、きっと悪いことをしたわけではないのだろう。それなりに一生懸命やってきたつもりだった。そうして勝ち取ったものが、この人間関係と、冷え切った体だった。

 全ては心の背骨が、音を立てて折れる前の話だ。

 体調を崩し病院に行くと、腰痛症と診断された。姿勢が悪いと医師に言われ、接種が義務だと伝えると絶句された。

 それでも働き続けたのは、皆頑張っていたからだ。トラブルでチームの一員が異動されて少人数で回すしかなくなった。感謝言葉は誰の口からも聞かれず、ふとした瞬間、市民からの怒号が飛び交う。その中で私はピエロになろうとした。そして、雨が連日降り続け気温は低下の一途を辿った。遂に防寒着ヒートテック武装するしかない冬が来た。

2021-10-17

ペペロンチーノ思考過程

前回は塩を多く入れ過ぎて塩辛くなり過ぎたから気をつけないといけない。

古くくたびれた30年モノのステンレス製取っ手付き鍋に水を入れる。

パスタを茹でるための鍋としてはかなり小さいながらも買い替えるには少々勿体無い。

底にある模様は汚れだろうか、いや違うな、経年による変色だ。その証拠スプーンの先で擦ってもちっとも手応えがない。

ペペロンチーノの塩加減は水に対して塩1.5%が目安らしい。

まり水1リットルなら小さじ3杯の塩でいいわけだ。

今日も塩を少し入れ過ぎたか…。

でも、名前だけは聞いたことがある何だか有名っぽいシェフが「パスタの茹で汁は味噌汁より濃い目で丁度いいんですよ」なんてドヤ顔で言ってたのを思い出して毎度安心する。

自分は今腹が減ってる。さっさと鍋を火にかけて早く食べたい。

そう思いながらガスコンロを点火して強火にする。

いつか火災が起こるリスク潜在的に感じられる程度には古いガスコンロ

うちのガスコンロの強火と他所ガスコンロの強火は同程度なんだろうか、そういう規格として統一されているんだろうか、もし違ってうちの強火が他所の中火程度とかならうちだけ湯が沸騰するまで時間がかかってることになるけどそれは嫌だな。

などと余計な事を考えつつも、時間がない。

さっさとニンニクを刻まなければならない。

のんびりし過ぎてパスタを茹で過ぎた結果全く歯応えのないペペロンチーノが出来上がるのだけは避けたいからな。

古びたプラスチックまな板の上に房から雑に千切ったニンニクを2片置く。

切れ味が悪くなったか申し訳程度に研いだ包丁ニンニクの付け根をカットしつつ皮を剥く。

薄皮が少し付いてるけど水洗いしようかな、でもあとで油ハネすると嫌だから洗ったあとはしっかり水切りをしないとな…。

いつもニンニクの1片は潰してもう1片は刻むことにしている。

そういえばニンニクは傷つければ傷つけるほど強い味になるらしい。一体どこの誰が実験した結果なのか知らないけど、何だか死に際から生還すればするほど強くなるサイヤ人っぽいな。

無論、ニンニクの芽は取り除かないといけない。後で焦げて苦くなるから気を付けないと…。

***

湯が沸騰する。

1人前は100gだなんて聞くからおおよその自分感覚で100gのパスタを手に取り全体を捻るようにして鍋に入れる。

上手くいく時はパスタが放射状に綺麗に広がるけど失敗すると上手く広がらない。

世界中を探したらこれを使ったパスタ占いなるインチキ占い師が一人は居るんじゃないかな。いや居ないか

この時に火を弱火にしないと鍋の縁に当たったパスタが白く焦げるんだった。以前に焦がした時は少しその部分が硬くなってたな。でも食べてて気になるほどでは無い。別にかに食べさせるわけでもないけど変に完璧主義なのかな。焦げないように弱火にしてさっさと鍋の底にパスタを沈める。

***

潰しておいたニンニクは大きくて火が通るまで時間がかかるから先に熱する。

潰したニンニクがシュワシュワしてきたタイミングで残りの刻みニンニク唐辛子を投入して待つ。

これは「ニンニクを揚げる」ための時間じゃないんだ、あくまで「オリーブオイルニンニクの良い香りを移す」ための時間なんだ。

そう自分に言い聞かせながら待つ。

ここで絶対に焦がしてはならないんだよ。焦がしたニンニク香りが付いたオリーブオイルなんて自己嫌悪に陥るほど苦くて不味いからな…。

ニンニク香り嗅覚を通して食欲を刺激してきたらフライパンの火を止める。このくらいが苦くなるか否かを分けるデッドラインだろう。

もっとも、ここですぐに茹で汁を加えるような愚行に走ってはならない。高温で熱した直後の油に茹で汁を入れれば水蒸気爆発の様な現象が起こり細かい油が辺りに飛び散る。

油が飛び散っただけならまだいい。

フライパンの火を止め忘れた時など最悪だ。

その飛び散った微細な油がコンロの火に引火してフライパンに火柱が立ちキッチン天井が焼け焦げそうになる。

もうあんな怖い思いは二度としたくない。

それに「ペペロンチーノを作ってて火事になりました」なんて恥ずかしくて口が裂けても周りに言いたくないからな。

過去フライパンに火柱が立った記憶フラッシュバックと、もし火事を起こしてしまった場合未来世界線イメージがことのほか自分を注意深くさせ戒める。

そうだ、ニンニクがシュワシュワしてるうちはまだダメだ。シュワシュワが十分に収まってきたらでいいんだよ…。

***

スプーンで茹で汁を掬ってオリーブオイルに加える。

一気にオリーブオイルの量と同程度の茹で汁を加えるよりも少しずつ加えながら混ぜた方が乳化が上手くいくというのが経験則だ。

どうやらこの混ぜる作業機械でやる人もいるらしいな。

機械と手作業で味に違いなど出るのだろうか。

いや、出るだろうな。

でもその機械をわざわざ買いたくなるほど料理に熱心ではないんだよな。

でも機械派には味で負けたくないし。

そんな思いが必然的に混ぜる手に力を入れさせる。

理想としてはジャムの瓶みたいなのに入れてシェイクしたくらいには混ぜたいかな。

黄色い液体と透明の液体が混ざり合っていくうちに段々とその境界線がぼやけてくる。

不思議と白っぽく濁ったような色が出てくる。

黄色+透明=黄色なはずなのに黄色+透明=白濁した黄色になるから不思議だって思ったんだよ。

その不思議の解明はどこかの暇な科学者だか研究者かに任せて一旦棚上げするとしてさ。

黄色い白濁したとろみのあるスープ何だかキラキラしてて黄金スープに見えるな。

もしかしてこれが「黄金比率」ってヤツなのかな。

どこかのラーメン屋だかの宣伝文句で見ただけの陳腐ワードが頭に浮かぶ

ゆらゆら揺れる金色の波が眼前に広がると共にその波に浮かぶニンニクの刺激的な香りでひとり悦に入る

***

パスタを茹で汁から揚げないと。

火の通りすぎた柔らかすぎるパスタ何だかチープな感じがして好きじゃない。

小学校給食で食べたソフト麺を食べてるような感覚

別にソフト麺が悪いわけじゃないけどもう少し大人びた料理にしたいからさ。

これから麺上げしてスープに絡めて皿に盛り付けるまでの過程を逆算して丁度良いと思われるパスタの歯応えを確認してから茹で汁を切る。

取っ手付きのザルにパスタを入れて4~5回ほどサッサッと。

そういや以前友人と行った有名ラーメン店湯切りの動きに合わせて「シュッ!シュッ!」とか声を出してたな。あの声出しは麺の湯切り作業において全く意味を為さないよね。ただのパフォーマンスだよね。いや、やってる本人もわかってると思うんだよ。でも店のプロデュース演出の一環でさ、上から言われてて無理矢理やらされてるんだろうね、きっと。などと想像を膨らませながら友人と会話をしたのを思い出す。

スープパスタを全て入れたらフライパンを揺らしたり煽ったりしながら最後の乳化作業を進める。

別にフライパンを振れない人は箸でかき混ぜたっていいんですよ?」とか動画アドバイスしていたどこかの料理人に反駁するかの如く念入りにフライパンを振る。

自分素人かもしれないけどドが付くまでの素人ではないんだみたいな変なプライドなのかな。

フライパンの中にいい感じに収まったパスタとそれに絡みつくニンニク唐辛子を見ると漸く安堵の域に達する。

今日も無事に辿り着けた…。

***

皿に移そうか、いや、どうせ自分独りで食べるんだ、スキレット的な感覚フライパンに乗せたままそのまま食べよう。その方が冷めなくて良いし。

面倒くさがる自分にそうやって言い訳してるんだか本当にそう思ってるんだか分からないような気持ちパスタに箸を通す。

かにコンビニなんかに売っているペペロンチーノとは見た目が全然違う。

でもシンプルで見栄えがしないながらもきっとイタリア人家庭料理としてのイタリア本格パスタはこんな質素な感じなんだろうな、とか、

よく日本人家庭料理は頑張り過ぎだって外国の人は言ってるのを聞くし、とか、

行ったこともない異国の地について自分勝手に作り上げたイメージに思いを馳せて、自分を無理矢理に納得させながらパスタを啜る。

でも。

やっぱり少ししょっぱいかもな…。

2021-09-29

anond:20210929095904

自分創作物で行っている表現他者人格アイデンティティとなるものを傷つけていないか?と確認しながら創作するのはプロなら当然なんだけどな。

絵ではないけど仕事でそういうのあるからすごく気にする。この表現をここでする必要性はあるか?って。その点ゆるきゃんのは伝えたいメッセージに沿ってイラスト描かれててよかったじゃん。ああいう風にしてこうよって思うよ。企業とか官公庁に出すようなものは伝えたいメッセージがあるわけだしとくに気を配って当然なのにな。

ここで身体的特徴を誇張して表現をする必要があるのか?って考えるよね広告とか。

脈絡なくおっぱいドッカーンゆさゆさって、おっぱい性的消費すること目的にしなきゃわざわざやらないし脈絡なくニガーとかホモレズなんかの蔑称作品内で使ってるのと大差ないくら分別のない行為だと思うので広告とか注意喚起みたいな伝えたい内容があるときは伝えたい内容に合ってるかってすっごい考える。


おっぱいゆさゆさしてなんぼだ!って時にゆさゆさささせたりバインバインさせたりちんちんゆらゆらさせたらええじゃないの〜

2021-09-23

anond:20210922164617

ちんこは下向いてゆらゆら揺れてるより屹立した状態で体の動きに合わせてビンビンと揺れて欲しい。

2021-09-04

ingっていうイスあったじゃん?

あの、ぱっと見オフィスチェアだけど360度ゆらゆら揺れる椅子

あれってどうなのかなぁ。

検索してみても提灯記事っぽいのしか出てこないんだよね。

高い金出していい椅子買いたいんだけど、なんかちょっとおもちゃっぽい空気あるので迷う。

あれよりアーロンチェアコンテッサの方がいいよね~

2021-08-18

女性の方が男性より育児に向いている」への反響の中から面白いと思った意見抜粋

anond:20210816210852

mochinki スーパーの買い物袋と子どもベビーカーを全部抱えても平気な筋力とリーチの長さは、育児にとても役立つよ。
kijtra 向いてるかどうかで判断ちゃうと、女性より育児に向いてる男性もいるだろうから平行線だよ。
hiroshe 前提がステレオタイプ過ぎ。全然当てはまらないケースも今はたくさんあるで。
strbrsh うちは多分父母ともに子供と過ごす時間は半々くらいで持ってると思うんだけど、最近はお父さん好き!みたいな感じで、好意比重は行ったり来たりしてる。妻も俺も得意不得意あるので、補い合えてるんじゃないかと。
catbears そうかも知れないし生物的に実際そうであっても、それを超えて機能するために社会があるわけで苦手な側は克服する手段必要でそれを選べる豊かさと機能はあるはず。
konayama 出産直後で満身創痍母親より体力のある父親の方が長時間抱っこや夜泣き対応できるし育児に向いているのでは?
napsucks 新生児期は睡眠時間ズラして夫が夜中に哺乳瓶でミルクをあげると妻は6時間眠れるのでメンタル破損防止になる。空腹で泣く前に哺乳瓶を突っ込むドリームフィードをすればほぼ手間もない。手抜きしてラクラク育児
vkara そんなことはない。世の会社社畜欲しさに母親押し付け社会を作っただけ。妊娠出産で苦しまなくても、養子とかで血のつながりはなくてもちゃんと愛して育てられる。
c87 頑張って抱っこしてた夫によくなついますけどね
yoru_zi 「自分以上の命であるように、我が子を慈しみ大切に育てる」妊娠中、鬱すぎてそんなこと微塵も考えられなかったよ。全ての女性がそんな感性持ってるわけじゃない。男性の方が慈しんでるパターンもあるよ。
adhd1978bba えー。10ヶ月大変に自分呪い、子を呪い、産むしかなくて産んだ人を知ってる。慈しみってなんやねん。「手術無しでおろせないか」みたいな日々の人もいるよ。男性保育士で有能な人いっぱいみたよ???
nami-hey75 粉ミルクなどない時代には太古の昔から母親が乳を与えなければ死んでいただろうけど、現代ではどちらが乳を与えようと栄養さえ摂取出来れば赤子は死なない。よって性別関係ない。
vndn 筋力があった方がいいだろうから、傾向で言ったら男性の方が適性が高いのではないかと思う。
yako_baum 育児は向き不向き関係なく子がいたらしなきゃいけないものから、問いにならない。私だって向いてないなぁと思いながら10年以上子育てしてる(なぜ3人産んだ)(本文読んでない)
liif 10ヶ月お腹にいたから男女差あるって乱暴すぎな理論な気が。やむなき事情選択母乳あげない母親もいるし。向いてるかどうかは個人差の方が男女差より大きい気がする。
alt-native 性別関係なく 少なくとも自分は向いてないと思っている。
matchy2 仮に女性のほうが育児にむいているとして、必ずしもむいているひとだけに押し付けられるものではないと思うのだけれど
villoxu “男性筋肉質で堅い腕より女性の柔らかみのある腕に抱かれる事を好む。"については幻想な気がするし、筋肉質なほうが抱くのに向いてそう。
damehobbyanimelike-913 なるほど抱っこ紐やベビーカー代用品ですね。カンガルーにでも子育てをさせるのがよいかと……科学の力ナメんな
issai1010 うちは母乳以外は全部夫がやるくらいの気持ちで(とはいっても実際は6割くらい)やったけど、寝るときはパパにくっつくし外ではパパと手をつなぐし転んだ時の第一声は「パパ~泣」だよ。嘘だと思うならやってみ?
akashi735 あなた感想ですよね。ウソつくのやめてもらっていいですか?ってやつ。うちの息子は0歳から今までずっとパパっこ。
Phenomenon がっつり育休取ったけど「おっぱい出ない」以外では同意できないな。出産で体力落ちてる女性より男性のほうが体力的に向いている気さえするよ。
hope_ring 母親育児放棄気味で父親が引き取った例を知っている。性差による傾向はあるかもしれないが個人差っぽい
mkotatsu もし男が育児するのが当たり前の社会だったら「男の方が育児にむいてるよね。力持ちだし、感情的子供の情操教育にぴったり」て言われてると思うわ。人類のこの周りに合わせた雑さが地球覇権取った秘訣だと思う
monacal 母乳以外は父親でも何とかなる、と男性による育児漫画でよくみる。育児は体力勝負なところもあるし2人がかりでできるならそれに越したことはない。何より出産直後の母親は全治1ヶ月の重症みたいな状態だし。
wildhog 子供荷物ベビーカー抱えて階段登ったりするのは男の方が得意かも
wdnsdy 個人的には、父親の方ががっちりしてて安定感があって高さもあったから、父親に抱き上げてもらう方が好きだったが…父親の方が25センチも高いか普通に眺めが良かったし。子供は柔らかい方が好きってどこ情報だよ?
ayumun 父子家庭全否定だな。粉ミルクが無い時代山羊の乳とか米の研ぎ汁を飲ませてたので、増田理論だと人類男性よりも山羊や米の方が育児に向いている事になるな。
Domino-R 生物学的な比較なら、家事育児は結局は体力仕事なので男の方が向いてる。経験的には抱っこは嫁よりオレの方が上手かったぞ。ただ問題は誰がやるかより、どれだけ(周囲が)サポートできるかだがな。
Nigitama 0~4歳くらいまでは腕力必要なので、平均を取るなら男性のが向いているのでは?
chikayours 産後体力のない母性よりは力仕事可能な点においては男性のが育児に向いてるのでは。他人生命を維持するために要するタスクを覚えて実行することにおいては障害がない限り男女を問わないと思うよ。
kagecage ここのブコメを見ると「男性育児において不利というわけではない」ということがよくわかっていいな。/夫の方が繊細な気配りができるので育児向いてるだろうなーとは思っている。
masanoT 身体的なところもあるかもしれんけど、それ以上に自分育児することを前向きにとらえているかの方が大きいよ。自分に向いてないって思ってる人は単純にめんどくってやりたくないんだよ。
chi-Haya 最初は誰でもいいけど少ししたら長くいる人のことが好きになるという話がある。母が一緒のことが多いから、母が有利?になりやすいだけ。母乳じゃないとダメなら母乳飲めない子は死ぬと言う生物学的選択があるはず。
hedgehogx アジアでは男性育児する風習結構あるので1度行ってみるといい。
exaray 「違いがあるかどうか」と「役割分担を完全に区別せねばならないほどの有意な違いがあるかどうか」は全然別の話ですよ。「違いの有無」ばかり見て、「違いの程度の問題」を無視してはいけません。
L3msh0 まだこんなこと本気で思ってる人がいるんだという驚きがある。
studymonster 性差が大きな意味を持つ分野もあるけど、育児に関して言えば個人差と経験が大きいと思う。子煩悩の夫の育児スキルは私より高い。お腹の子を慈しむのも夫の方が上で、妊娠中の私のガサツな行動はよく叱られていた。
wakuwakuojisan 向き不向きは個人差でしかなく性別差ではないと思う。というか仮にそうでなかったとしても政治的正しさとしてはそういうことにしておかないと「男の方が仕事に向いているから」って理由賃金格差正当化されちゃう
misomico 多くの点で、性差個人差を超えない
moandsa 傾向はあるかもしれないが個体差もっと大きい。だいたい慈しんでとかそんなロンマンチックなもんない。切られた傷と寝不足乳首痛いだけ。体力ある人が適任。
differential 私の母は子供育児も嫌いで我が子だから仕方なく育てたと言ってたよ笑。孫にも興味なかった。性別より個体差の方が大きんじゃないかなぁ。子を虐待する女も掃いて捨てるほどいるでしょう?
shields-pikes お前は日本会議かなんかの父権主義カルト信者か。/乳児は完全ミルクでも立派に育つ。男性にできない育児家事なんて存在しない。懐くかどうかなんて、接触時間の長さ次第だよ。育児に本気で時間を割いてないだけ。
noki_e 事実ではないですね。有害な言説なので二度と言わないでほしい。我が家では幼児危険予測安全確保やら遊び相手駄々を宥めるのも寝かしつけのゆらゆらも夫のが全然上手いよ馬鹿にすんじゃねえよ
Fuggi 否。むしろ女性一般情動共感力が強すぎて新生児育児に向いてない。赤ん坊が大泣きしてるのは不満があるからだが、母親を責めてるわけじゃない。感情を切って必要なことだけする男性の方が向いてる。
amematarou 女性が向いてるんじゃなくて、女性ホルモンメンタル作用子育てに命がけで取り組むが、男性は一歩引いて見ている。結果、女性がやりたいだけやるので女ばっかりになる。別に向いてるんじゃない。
sin20xx "自分以上の命であるように、我が子を慈しみ大切に育てる"は所謂呪い言葉な。男性でも女性でも一定割合子供無償の愛を注げるのと同じで男性同様に女性にも我が子ですら愛情が湧かない人もいる。それが現実
greenbuddha138 性差より個人差の方が大きいことは知っておくべき
kaishaku01 女で母性本能ゼロなので、こういう意見を見るたびに自分ろくでなしに思えてつらい。子供一生懸命育てているしかわいいが、確実に向いていないと痛感する。
ginga0118 母親お腹の中にいる頃から繋がっていたのでよく赤ちゃんの鳴き声でなにを欲してるか分かると言うが、あれは嘘だ。単なる経験による気配りによるもの。嫁より俺の方が子供の言いたいことは分かっている。
quick_past ぜんぜん違う。男性男性世界を守るために女性をなんとしても家に閉じ込めたい。そういう偏見を補強するための詭弁だよ。本人が望んでもやらせない上に、ちやほやされなくなるぞと脅す。それが君等だ。
esbee 増田、ワイ育休取得したけど、別に変わらないよ。ほっといたら死ぬんだからやれる人がやるしかないんだよ。それが女性であるべきというのは原始時代の発想で、文明社会である自覚があるんなら否定せなあかん
ameshonyan そうかね?うちの娘はマッチョなパパに高い高いしてもらったり体使った遊びしてもらうときが一番ご機嫌だよ。それぞれが得意なことを分担するのがいいんじゃないの。
kerokimu 子供が懐くのは単に世話して愛情を与えてくれる人だからな気がするが
camaci_mv おれ育休とって母親が働いてるあいガッツリ育児したけど、2歳になる息子氏はかなりパパっ子ですよ。「父親に育てられた子は不幸」という萩生発言は根にもってる(唐突政権批判
yomichi47 初乳後はミルク大丈夫実践済。妻は子の泣き声の意味理解出来ず、自分が全対応したので子供達は私の抱っこじゃないと寝なくなったし、私宛にしか泣かなくなった。結論、赤子の要望対応できる方が向いている
pptppc2 未来人です。「アンドロイドに育てられた子供は人肌の暖かさを知らないから冷たい人間に育つ」などという差別未来でも後を絶ちません。このような考え方はこの増田のような人間が発端であると考えています
atahara 筋肉のある男性の方が子供を長時間抱っこ出来るし、元気な子供に付き合って遊ぶのも体力のある男性の方が向いてるとも言える。この辺は個人差の方が大きいよ。
el-condor 「事実」と言うに足るだけのデータを持っているなら学問価値が高そうなので公開宜しく/ヒトの本能支配の弱さを考えると、個人差の方が余程大きそう。
vanillayeti あのね、女だって産んだ瞬間から母性本能ダダ漏れになるわけじゃないんだよ。女だって最初出産子育てはわからないことだらけだけどやるしかいからやってるだけ。女もあなたと全く同じ人間なんだよ
abinosuke 「授乳しながら寝落ちすると子供を死なせてしまリスクがあるから身体授乳器官を備えた女性育児に向かない」なんて事だって言えるよ。育児環境はそれぞれ違うから向く向かないなんて発想は無意味だと思う
nowa_s 子育てしたことないけど、もしすることになったら、行動にムラがあってガサツでうっかり屋で人の気持ちが分からない自分(女)より、何かと行き届いててマメ几帳面で人をよく見てる夫の方が向いてそうだとは常々思う
grdgs んなこたあない。この増田は女を家庭に押し込め、男が社会強者位置を譲りたくないという意図があるようにしか見えないね
tvxqqqq 下方婚して夫にガッツリ育休とってもらって自分仕事復帰したけど、うちの家庭だと乳以外の面では「長い時間一緒にいた人間を好む」が答えだったよ。夫の育休期間は夫がいないと泣いてた。
mayumayu_nimolove 男女で分ける考え方が良くないんだよ。男でも保育士かいるだろ。性別関係ない。で、何でこの考え方がいけないかって言うと、女なんだから、男なんだからって性別押し付けられちゃう社会。わかる?
Yutorigen 身体的特徴の差と見せかけつつ殆ど精神論じゃねーか。男性マウントを取りたいのか女性育児押し付けたいのかは知らんが黙っとけ。
t-tanaka 「向いている側だけがやる」という考えが根本的に間違っている。子供は必ず複数大人で育てなければならない。向き不向きば関係なく,育児は全員でやるんだよ。

そうですかね?「男性育児能力女性に劣る」とは考えにくいです

仮に女性育児能力が高かったとして

1.範囲限定的

2.能力的に多少

可能性が高いと思います

まず、「女性10か月以上」からの件はただの精神論客観性に乏しいです。

また母乳を高評価するのは良いんだけど、それは乳児期の授乳という年代的にも分野的にも限られたものとなります

子ども柔らかい肌を好むから女性の方が育児能力が高いは出典不明です。仮にこれが大きな差であったとしても0歳1歳程度にしか関係がないのではありませんか。

逆に言って女性の優位性と言うのがこの程度しか出てこないならば女性育児に向いているというのは買い被りである可能性が高いように思います

ステレオタイプでしょう。

男性でも育児に向いてる人もいるし女性でも育児に向いてない人もいる。

嫁が正社員で稼いでくるから旦那退職して育児してる感じの家庭を知ってるけど幸せそうだし。

女性の方がとか男性の方がとか言うてるうちはあきまへんなあ。

ここまで見た傾向として

男性女性性差による育児能力の違いは殆ど無い。強いて言うなら体力と筋力がある分男性の方が育児に向いているとさえ言える。
女性育児が得意という考え方は典型的ステレオタイプであり事実に反している。

という傾向が分かった。ブックマーカー意見統合すれば「育児の上手い下手に性別関係ないが、体力と筋力の方で男性の方が有利」という事になった。

これから男性育児担当女性が外に出て働くケースも増えるんだろうな、と思った。

2021-07-12

メロス激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此このシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿はなむことして迎える事になっていた。結婚式も間近かなのであるメロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにメロスは、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈はずだが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺ろうやに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。「王様は、人を殺します。」「なぜ殺すのだ。」「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」「たくさんの人を殺したのか。」「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣よつぎを。それから、妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから皇后さまを。それから、賢臣のアレキス様を。」「おどろいた。国王は乱心か。」「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」 聞いて、メロス激怒した。「呆あきれた王だ。生かして置けぬ。」 メロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城はいって行った。たちまち彼は、巡邏じゅんらの警吏捕縛された。調べられて、メロスの懐中から短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。メロスは、王の前に引き出された。「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君ディオニスは静かに、けれども威厳を以もって問いつめた。その王の顔は蒼白そうはくで、眉間みけんの皺しわは、刻み込まれたように深かった。「市を暴君の手から救うのだ。」とメロスは悪びれずに答えた。「おまえがか?」王は、憫笑びんしょうした。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁はんばくした。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて呟つぶやき、ほっと溜息ためいきをついた。「わしだって平和を望んでいるのだが。」「なんの為の平和だ。自分地位を守る為か。」こんどはメロス嘲笑した。「罪の無い人を殺して、何が平和だ。」「だまれ、下賤げせんの者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、磔はりつけになってから、泣いて詫わびたって聞かぬぞ。」「ああ、王は悧巧りこうだ。自惚うぬぼれているがよい。私は、ちゃん死ぬ覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、メロスは足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」「ばかな。」と暴君は、嗄しわがれた声で低く笑った。「とんでもない嘘うそを言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」「そうです。帰って来るのです。」メロス必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」 それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑ほくそえんだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙だまされた振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に殺してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に処してやるのだ。世の中の、正直者とかい奴輩やつばらにうんと見せつけてやりたいものさ。「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」「なに、何をおっしゃる。」「はは。いのち大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」 メロスは口惜しく、地団駄じだんだ踏んだ。ものも言いたくなくなった。 竹馬の友セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニス面前で、佳よき友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯うなずき、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。 メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌あくる日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊こんぱいの姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」 妹は頬をあからめた。「うれしいか。綺麗きれいな衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」 メロスは、また、よろよろと歩き出し、家へ帰って神々の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。 眼が覚めたのは夜だった。メロスは起きてすぐ、花婿の家を訪れた。そうして、少し事情があるから結婚式明日にしてくれ、と頼んだ。婿の牧人は驚き、それはいけない、こちらには未だ何の仕度も出来ていない、葡萄ぶどうの季節まで待ってくれ、と答えた。メロスは、待つことは出来ぬ、どうか明日にしてくれ給え、と更に押してたのんだ。婿の牧人も頑強であった。なかなか承諾してくれない。夜明けまで議論をつづけて、やっと、どうにか婿をなだめ、すかして、説き伏せた。結婚式は、真昼に行われた。新郎新婦の、神々への宣誓が済んだころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。祝宴に列席していた村人たちは、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、狭い家の中で、むんむん蒸し暑いのも怺こらえ、陽気に歌をうたい、手を拍うった。メロスも、満面に喜色を湛たたえ、しばらくは、王とのあの約束をさえ忘れていた。祝宴は、夜に入っていよいよ乱れ華やかになり、人々は、外の豪雨を全く気にしなくなった。メロスは、一生このままここにいたい、と思った。この佳い人たちと生涯暮して行きたいと願ったが、いまは、自分からだで、自分のものでは無い。ままならぬ事であるメロスは、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。あすの日没までには、まだ十分の時が在る。ちょっと一眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。その頃には、雨も小降りになっていよう。少しでも永くこの家に愚図愚図とどまっていたかった。メロスほどの男にも、やはり未練の情というものは在る。今宵呆然歓喜に酔っているらしい花嫁に近寄り、「おめでとう。私は疲れてしまたから、ちょっとご免こうむって眠りたい。眼が覚めたら、すぐに市に出かける。大切な用事があるのだ。私がいなくても、もうおまえには優しい亭主があるのだから、決して寂しい事は無い。おまえの兄の、一ばんきらいなものは、人を疑う事と、それから、嘘をつく事だ。おまえも、それは、知っているね。亭主との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ。おまえの兄は、たぶん偉い男なのだから、おまえもその誇りを持っていろ。」 花嫁は、夢見心地で首肯うなずいた。メロスは、それから花婿の肩をたたいて、「仕度の無いのはお互さまさ。私の家にも、宝といっては、妹と羊だけだ。他には、何も無い。全部あげよう。もう一つ、メロスの弟になったことを誇ってくれ。」 花婿は揉もみ手して、てれていた。メロスは笑って村人たちにも会釈えしゃくして、宴席から立ち去り、羊小屋にもぐり込んで、死んだように深く眠った。 眼が覚めたのは翌る日の薄明の頃であるメロスは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。きょうは是非とも、あの王に、人の信実の存するところを見せてやろう。そうして笑って磔の台に上ってやる。メロスは、悠々と身仕度をはじめた。雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。さて、メロスは、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。 私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ。身代りの友を救う為に走るのだ。王の奸佞かんねい邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は殺される。若いから名誉を守れ。さらば、ふるさと若いメロスは、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣村に着いた頃には、雨も止やみ、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。メロスは額ひたいの汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。妹たちは、きっと佳い夫婦になるだろう。私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気のんきさを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに到達した頃、降って湧わいた災難、メロスの足は、はたと、とまった。見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は氾濫はんらんし、濁流滔々とうとうと下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、木葉微塵こっぱみじんに橋桁はしげたを跳ね飛ばしていた。彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、繋舟けいしゅうは残らず浪に浚さらわれて影なく、渡守りの姿も見えない。流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。メロス川岸うずくまり、男泣きに泣きながらゼウスに手を挙げて哀願した。「ああ、鎮しずめたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あの佳い友達が、私のために死ぬのです。」 濁流は、メロス叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。浪は浪を呑み、捲き、煽あおり立て、そうして時は、刻一刻と消えて行く。今はメロス覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覧あれ! 濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死闘争を開始した。満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと掻かきわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに憐愍れんびんを垂れてくれた。押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。ありがたい。メロスは馬のように大きな胴震いを一つして、すぐにまた先きを急いだ。一刻といえども、むだには出来ない。陽は既に西に傾きかけている。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼりのぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊山賊が躍り出た。「待て。」「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」「その、いのちが欲しいのだ。」「さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」 山賊たちは、ものも言わず一斉に棍棒こんぼうを振り挙げた。メロスはひょいと、からだを折り曲げ、飛鳥の如く身近かの一人に襲いかかり、その棍棒を奪い取って、「気の毒だが正義のためだ!」と猛然一撃、たちまち、三人を殴り倒し、残る者のひるむ隙すきに、さっさと走って峠を下った。一気に峠を駈け降りたが、流石さすがに疲労し、折から午後の灼熱しゃくねつの太陽がまともに、かっと照って来て、メロスは幾度となく眩暈めまいを感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ二、三歩あるいて、ついに、がくりと膝を折った。立ち上る事が出来ぬのだ。天を仰いで、くやし泣きに泣き出した。ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も撃ち倒し韋駄天いだてん、ここまで突破して来たメロスよ。真の勇者メロスよ。今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情無い。愛する友は、おまえを信じたばかりに、やがて殺されなければならぬ。おまえは、稀代きたいの不信の人間、まさしく王の思う壺つぼだぞ、と自分を叱ってみるのだが、全身萎なえて、もはや芋虫いもむしほどにも前進かなわぬ。路傍の草原にごろりと寝ころがった。身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いな不貞腐ふてくされた根性が、心の隅に巣喰った。私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんも無かった。神も照覧、私は精一ぱいに努めて来たのだ。動けなくなるまで走って来たのだ。私は不信の徒では無い。ああ、できる事なら私の胸を截たち割って、真紅心臓をお目に掛けたい。愛と信実の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。けれども私は、この大事な時に、精も根も尽きたのだ。私は、よくよく不幸な男だ。私は、きっと笑われる。私の一家も笑われる。私は友を欺あざむいた。中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じ事だ。ああ、もう、どうでもいい。これが、私の定った運命なのかも知れない。セリヌンティウスよ、ゆるしてくれ。君は、いつでも私を信じた。私も君を、欺かなかった。私たちは、本当に佳い友と友であったのだ。いちどだって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことは無かった。いまだって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。ありがとうセリヌンティウス。よくも私を信じてくれた。それを思えば、たまらない。友と友の間の信実は、この世で一ばん誇るべき宝なのだからな。セリヌンティウス、私は走ったのだ。君を欺くつもりは、みじんも無かった。信じてくれ! 私は急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。山賊の囲みからも、するりと抜けて一気に峠を駈け降りて来たのだ。私だから、出来たのだよ。ああ、この上、私に望み給うな。放って置いてくれ。どうでも、いいのだ。私は負けたのだ。だらしが無い。笑ってくれ。王は私に、ちょっとおくれて来い、と耳打ちした。おくれたら、身代りを殺して、私を助けてくれると約束した。私は王の卑劣を憎んだ。けれども、今になってみると、私は王の言うままになっている。私は、おくれて行くだろう。王は、ひとり合点して私を笑い、そうして事も無く私を放免するだろう。そうなったら、私は、死ぬよりつらい。私は、永遠に裏切者だ。地上で最も、不名誉人種だ。セリヌンティウスよ、私も死ぬぞ。君と一緒に死なせてくれ。君だけは私を信じてくれるにちがい無い。いや、それも私の、ひとりよがりか? ああ、もういっそ、悪徳者として生き伸びてやろうか。村には私の家が在る。羊も居る。妹夫婦は、まさか私を村から追い出すような事はしないだろう。正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか。ああ、何もかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい。やんぬる哉かな。――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。 ふと耳に、潺々せんせん、水の流れる音が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。すぐ足もとで、水が流れているらしい。よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々こんこんと、何か小さく囁ささやきながら清水が湧き出ているのである。その泉に吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。水を両手で掬すくって、一くち飲んだ。ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。肉体の疲労恢復かいふくと共に、わずかながら希望が生れた。義務遂行希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。私は、信じられている。私の命なぞは、問題ではない。死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ! メロス。 私は信頼されている。私は信頼されている。先刻の、あの悪魔の囁きは、あれは夢だ。悪い夢だ。忘れてしまえ。五臓が疲れているときは、ふいとあんな悪い夢を見るものだ。メロス、おまえの恥ではない。やはり、おまえは真の勇者だ。再び立って走れるようになったではないか。ありがたい! 私は、正義の士として死ぬ事が出来るぞ。ああ、陽が沈む。ずんずん沈む。待ってくれ、ゼウスよ。私は生れた時から正直な男であった。正直な男のままにして死なせて下さい。 路行く人を押しのけ、跳はねとばし、メロスは黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴けとばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。一団の旅人と颯さっとすれちがった瞬間、不吉な会話を小耳にはさんだ。「いまごろは、あの男も、磔にかかっているよ。」ああ、その男その男のために私は、いまこんなに走っているのだ。その男を死なせてはならない。急げ、メロス。おくれてはならぬ。愛と誠の力を、いまこそ知らせてやるがよい。風態なんかは、どうでもいい。メロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。見える。はるか向うに小さく、シラクスの市の塔楼が見える。塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。「ああ、メロス様。」うめくような声が、風と共に聞えた。「誰だ。」メロスは走りながら尋ねた。「フィロストラトスでございます貴方のお友達セリヌンティウス様の弟子でございます。」その若い石工も、メロスの後について走りながら叫んだ。「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの方かたをお助けになることは出来ません。」「いや、まだ陽は沈まぬ。」「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」「いや、まだ陽は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。刑場に引き出されても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! フィロストラトス。」「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」 言うにや及ぶ。まだ陽は沈まぬ。最後の死力を尽して、メロスは走った。メロスの頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、メロス疾風の如く刑場に突入した。間に合った。「待て。その人を殺してはならぬ。メロスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉のどがつぶれて嗄しわがれた声が幽かすかに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリヌンティウスは、徐々に釣り上げられてゆく。メロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、「私だ、刑吏! 殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、齧かじりついた。群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。セリヌンティウスの縄は、ほどかれたのである。「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若もし私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」 セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯うなずき、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑ほほえみ、「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」 メロスは腕に唸うなりをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。「ありがとう友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。 群衆の中からも、歔欷きょきの声が聞えた。暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。「おまえらの望みは叶かなったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」 どっと群衆の間に、歓声が起った。「

anond:20210712125327

2021-07-04

川上からそうめんが(①)と流れて来ました

①に入る言葉

ア、どんぶらこどんぶらこ

イ、さらさら

ウ、ゆらゆら

エ、その他の語

オ、ア~エはいずれも不適

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