はてなキーワード: 辛口とは
コーヒーが飲めない。
美味しいと思えない。苦いよね。
でも大人ってコーヒー飲める人が多い気もするし、なんやかんや差し入れとかで貰うのも缶コーヒーだったりする。
これ言うとコーヒー好きに「それはコーヒーじゃないww」って言われるけど、あんだけ甘くないと飲めないんだよ、ってだけ。
差し入れでコーヒーを貰うと誰かに飲んで貰ってるし、喫茶店とかは抹茶系か紅茶類。
コーヒーが飲めたらもっと色々飲めるし、フードメニューが気になっててもコーヒーが売りだからって行けないままのカフェにも気兼ねなく入れるんだろうなぁ、と思う。
もうじき30になるけど、今後「コーヒー美味しいな」って思う年齢が来るんだろうか。
それともやっぱりずっと飲めないままなんだろうか。
美味しいと言われるコーヒーを飲んだら変わるんだろうか。
それともどれを飲んでも苦手な物は苦手なままなんだろうか。
飲めなくたって支障はない。
でも飲めたら良いな、と思う。
追記。
夜食を食べに行って満腹で寝て起きたら反応来ててビックリした。
しかも辛口かなって覚悟して読んだら甘口ばっかで更にビックリした。ありがとう。
ちょうど旅行先だったからホテルのラウンジでコーヒーもらって飲んでみた。
やっぱ苦いや。でも成人前とか、母から一口もらって飲んだ時に比べたら苦くない気もした。豆の種類もあるのかな?
職場でこういうこと聞くと「わざわざ飲めるようにならんでも良いじゃん」って笑われて終わることが多いから、コンビニとかでコーヒー買って色々試してみようと思う。
甘いお菓子と、ってコメあったからココナッツサブレでも食べながら飲むよ。
飲めなくたって支障はないよね。
でもなんだろう、母がコーヒー派で、私はお茶派で、家で何か飲む時はあれもこれも1人分を作るのが面倒だからって私に合わせて紅茶やら緑茶を飲んでたらしい。
嫌いなわけじゃないしね、って言ってたけど、私が家を出てからはコーヒー生活を満喫してる、って聞いて、じゃあ次は私が母と一緒にコーヒーを飲んで美味しいね、って言うのも親孝行になるかな、って思ったのもある。
そう言えば、コメ見て気付いたけどルイボスティー飲んだことないや。ハーブティーが苦手だからルイボスティーは飲まず嫌いしてたな。結構周りで飲んでる人多いし美味しいのかな?
今期も時間の制約を考えて、新作16枠、旧作・再放送12枠の28枠視聴です。これ以上視聴時間を取ると日常生活で支障が出るし。
なお、1枠は30分と換算してます。続き物で見ていないものは視聴しないので、SAOとかサイコパスとかの大作の続編はほぼ枠から外れます。ちはやふる3は見たかったけど関西で放送しないからね。ネット配信では見ない奴。
分割2クールの後半戦。前半とノリが同じで安心出来るね。今期も不人気なりずっちを推したい。
これ、ゾンビランドサガのニオイがしない?「ゾンビ×佐賀×アイドル」という、何でそれかけ合わせるの?っつー構成が、「プロレス×異世界転移×ケモみみ」のこの作品にも似てるかなって。面白くなるのかは別問題として、こういう「混ぜるな危険」系統は話が読めないから好き。今のところ押し切られ感すごいけど、前期のダンベルみたくうまくやっていけば面白くなると思うの。ケモみみ大好きなので期待大。しぐれ、いいよね。花子さんも気が強そうなのでいい感じかな。
アニメオリジナルはなるべく見るようにしている。この作品もそう。1話の脚本の出来が非常によくて、各キャラクターの癖であったり小物の扱いが細かなところまで描写されている。シナリオ・演出・監督の息が合わないとここまで難しいんじゃないかな?アニメ脚本じゃなくて、元々ドラマや映画向けのシナリオだったんじゃ?と思いたくなる。それほどの出来。2クールなんで最初はつらいかもしれないけど、後半じわじわ面白くなってくると思うよ。どこまでの変態で攻めてくるのか、そのあたりに注目したい。
刑事物に当たり外れなし。まずは無難なスタート。刑事物の強みは対立構図が分かっているから見やすいしね。ナインって何?ってところから展開するので王道のストーリーならそこそこ面白くなるんじゃないかな? ただこの作品タイトル長過ぎ。警視庁~が正式名称でトクナナがサブタイっぽい。こういうのやめて欲しいんだけど……
異世界転生系は多いので厳選して見ているのだけれど、今期これを視聴リストに入れたのは大正解だったかも。かなりメタネタを入れてくるのは自重してもらいたい。楽しいんだけど多いとウザくなる。きらら代替作品と言われてるけど、これはどう考えてもえんどろ~!だよね。
2クール目。前半には辛口コメントでイマイチ盛り上がらない感があったけど、今回からは対立構図がはっきりと固まったので話しについて来られるかもしれない。と思うようにしたい。この作品は構図が複雑すぎて、しかも登場人物も多いのでとっつきにくさがあったもんね。
個人的な意見として、また京都か……って感じ。最初いきなり鴨川デルタが出てきた時はこれで何作目?四畳半/たまこ/有頂天……今思いつくだけでこんなにも……。まあいいけど。湘南に比べたら全然少ないか。もうひとつ、出てくる京都ことばが古くさい。関西在住民にとって方言は鬼門。これだけで見る気を無くす。ライデンは京都にスタジオ持ってるんだからそこら辺しっかりやれよと思ったら、京都のスタッフがロケハンしたってマジかよって思った。監督とか主要スタッフは手間でも現地に行ってほしいし、ユーフォが京都ことば使わなかったのは本当に大正解だと改めて思ったよ。アニメの方は時間の流れがゆったりとしていて癒し枠。ボードゲーム見て何が楽しいという意見はわかるものの、見せ方で変わるので今後に期待です。
NHKでやれ、名作劇場枠だろという意見は確かにその通りだと思う。脚本からも演出からも、原作をどうアレンジしようか迷っている感がありありと見てとれる。正直なところ中盤まで見ないことには面白いかどうか評価出来かねる。いまのところは名作劇場みたいな感じで見るのが無難かな。
ちょっと毛色が違うラブコメというのはよくわかる。いきなりの修羅場展開は原作どおりなんだろう。久々に原作を読みたくなるアニメに出会えた感じ。今後の展開次第かな。
最初はクソアニメだと思ってて、どこで切ろうかと迷っていたら2クールってわかったので我慢して見てました。1クール目中盤からそこそこ面白くなったのでこのまま続けてくれればいいんじゃなかろーか。やはり対立構図と科学を使ってのものづくりさえやっていればそこそこ面白いね。
ブヒアニメ。AT-Xで見ているのでおっぱいもばっちり。シリーズ構成雑破業さんなんで安心して見られる。サープリのように謎競技で感情移入できなくて置いてけぼりも多分なさそう。わかりやすさは正義。ゲームも売れるといいね。
間違いなくこれがきらら救済枠でしょ。よくもビームライフルっつーマイナー競技を見つけてきましたね。こちらは女子高生がきゃっきゃうふふしていれば問題ないと思う。しっかし展開が早いよね。
原作知らないんで今のところ面白さがわかんない。どういう感じで見ればいいのか……
ストーリーに悲しいところがあってきついんだよな。しょうがない。最後まで見ると思うけど、展開次第では切っちゃうかも。
もう惰性で見ているアニメ。野球マンガなんで面白いっちゃあ面白いんだけれど、どこがって聞かれると最初から追っかけてるアニメだからって感想しかない。マンネリ化しているカップル状態。録画失敗したらはいそれまでよって感じ。
NHKの夕方アニメとしてはこんな感じか。異世界転移系でチートすぎて、正直お腹いっぱいなのです。
再放送にあまりいいものがなかったので、枠を新作に振り替えて見ているやつ。しかし、笑いのツボがわからん。何が悪いのか…… とりあえず原作をニコニコ静画で無料の部分だけ見たんだけど、ここでも笑いのツボがわからん。というわけで、私に合わないアニメだった。3話見てから切る予定。
今期の貴重なショート枠。だけど、ショートは判断するの難しいよね。
私はしがない白菊ほたるPです。本日、デレステにて白菊ほたるちゃんのお願い!シンデレラを初めて聴きました。
正直言って白菊ほたるちゃんのことを大好きな私でさえ、聴ける状態のものでは無いな…と思いました。
ですが、ほたるちゃんのおねシンは私は好きです。これが、大前提。
上手くはないけれど、白菊ほたるが実際に自分の声で歌っているというだけで担当Pとしては嬉しいかったですし、白菊ほたるらしさは十二分に出ていたとは思います。
ほたるちゃんはバックストーリーで自身の不幸体質によって事務所を転々としてきたことが公式により発表されています。しかし、その不幸体質に負けずにアイドルをひたすらに夢見て努力してきた…というのが彼女の魅力の1つです。
だからこそ、私は白菊ほたるちゃんがある程度の歌唱力(=ほたるP、他のアイドルPの両方が聴けるもの)が欲しかったです。
ひたすらに努力して、アイドルを目指してきたからこそ、おお!!っとなるものではなくても最低限聴けるものが欲しかったです。
ですが、正直そのレベルには達していないと思いました。
辛口にはなりますが、これじゃあ事務所が潰れなくてもアイドルとしてはシンデレラになることは難しいのではないか、とまで思いました。
なぜそう思ったのかというと上記は言い換えると【ほたるちゃん自身の実力、努力が足りなくて大成できないのを不幸体質に押し付けているのでは無いか】ともすることが出来てしまうからです。
真面目な努力家、だったのが怠惰を運のせいにしてる…と取られかねない訳ですから。
「お願い!シンデレラ」という楽曲はとても難しい曲です。カラオケで実際に歌ってみるとテンポが早く、音の高低差もあります。
白菊ほたるちゃんの声を演じつつ、これを歌うのは演者の方も難しいと思います。それは想像がつきます。
ソロ曲として頂いたようなテンポが早くない曲ならきっと上手く歌えるのだろうなぁ、とも思います。
しかし、シンデレラガールズにおいて「お願い!シンデレラ」という曲は要の曲、一番大切な曲と言っても過言ではありません。
だから、もう少し何とかならなかったのか…と思えてなりません。
ソロ曲が決して下手ではなかったから、この曲での下手具合が際立ってしまっているのは実際あるとは思いますが…。
また、収録の際なにか出来なかったのかなぁと思います。
SNS等で「素人の子どもが親に隠れてこそこそ歌ってるような感じ」というようなメッセージやコメントがありました。
的確で、悔しいですが否定できません。曲から声が浮いてしまっていますし、何より声が小さすぎる…。
今年は今までの10ヶ月で新しいSSR、持ち歌、先日のイベ…。白菊ほたるちゃんにとっては間違いなく追い風が吹いていたと思っています。
シンデレラガールズにはアイドルに声がついていないばかりかSSRがないアイドルも存在します。
そのアイドルたちを推しているPさんに、申し訳ないと思いませんか?
せっかくのお膳立てをたくさんのアイドルの中から選んでしてもらった、言い換えると贔屓してもらった白菊ほたるちゃんを推しているPとしてとても悲しく思いました。あまりにあまりな出来で…。
これからも推しますし、白菊ほたるちゃんのお願い!シンデレラは私は決して嫌いではありません。大好きです。
だからこそ、これからもアイドル1人1人が担当Pだけではなく他のPからも認められずともアリだな…と思わせられるような歌、衣装デザイン、声の選別を運営さんにして頂きたいと強く願ってやみません。
お見合い話が書かれているのかと思いきや、なかった…。
PR作成の段階でよくこんなに書いたなぁ。増田の鑑だよ増田は。
まぁ身長とか学歴でフィルタしてないし、相手はあっさり見つかるかもな。希望年収も控えめだし。
男を立ててほしいとかっていう願望は35才世代であればあんまりないと思うんだけど、+10とかになるとどうなんだろな。
そこだけちょっと気になったが、まぁあとは縁だな。
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否定的なこと書いている人いるけど、あんまり気にする必要ないぞ。俺はそんな風には感じなかった。
どちらかと言うと、これから婚活を始めていくワクワク感とか意気込みが伝わってきて、かわいらしく感じたぞ。
増田作家として、男性目線、女性目線で書いてると反応の違いは顕著にある。
男性目線で書いたときの反応は良いも悪いも理性的。当然賛同だけじゃなくて辛口の批判もあるけど、一応読めば理解できないものではない。
理屈なしに突然寄り添うような言葉が投げかけられたり、男性目線ではなかなかかかれないような見下したような言葉がつく。
ついでに外国人目線で書いても女性目線と同様の反応が見られる。
要するに書いてある内容よりも書いてある人に対して反応しようとするからそうなるのだと思う。
男性に対しては書いてある内容、女性や外国人に対しては書いた人を見ようとするということ。つまり、内容よりも書いている人の人格や背景に何か言ってやろうという感じ。
その結果、寄り添おうとしているのか排他的になっているのかの違い。
これはさ、男性意外は大変だなって思うよ。
嘘だと思うなら一度書いてみなよ。驚くほど反応がないから。ブクマなんてめったにつかないから。クソザコナメクジってついただけで本当に嬉しくなるから。
最近 健康に気を使うようになり、最低でも週1回、できれば3回は魚を食べるようにしている。
だいたいは大ぶり3切れのチリ産サーモン550円を買ってすぐ冷凍し、週の間に焼いて食ったり、刺身用のアジを買ってなめろうにしたりする位なのだが。
それらを買う魚屋で、今週は鱧が入っていた。
鱧。
京都の料亭などで供されることで有名だが、関東では空想上の存在とされる霊魚(ウソ)。
身に小骨が多いので、食べるには細かい包丁をミリ単位で入れる「骨切り」という工程を入れねばならず、その事で更にハードルが高くなるのだが、その鱧はしっかり骨切りもされている。
もちろん食べたことはないんで興味はそそられるが、1尾1300円という破格なお値段。
「いやさすがに・・・」と思ったが、どうしても「鱧、美味しいよねー」と言ってみたい。それに骨切りもされてるし。
「えいや」で買い求めると、店員のオジさんはビニール袋に長い身を無造作に流し込み口を縛って提供した。
手元にスマホがあったのが幸いだ、レシピを検索すると、湯引きして薬味と梅肉のつけ汁で食うと美味いらしい。
八百屋で大葉とミョウガ、潰れてお安い紀州海を買いもとめ、これで準備は完了、幸い家には甘辛口の日本酒、碧龍もある。未知の相手だが勝算は十分だ。
さて、お盆にやっつけておきたい読書、洗濯、運動不足を解決するための全力バーピージャンプ、最近新調したパソコンのセットアップなどを済ませたら、夜になった。
待て。鱧だけでは晩餐が味気ない。
八百屋では一袋100円という別の方向で破格の生椎茸も買い求めていた。
これを切り分けて、バター焼きにする。
バターで炒めた椎茸から森の息吹と旨味が混ざった香ばしい匂いが立ち上った。
信頼できる手堅いプレーヤーが脇を固めた。
さあいよいよ主役の登場だ。
ビニール袋から取り出した鱧はやや魚臭かった。やはり足は早いようだ。
1回で食べきれない長い身を両断し、半分をジップロックに詰めて冷凍する。
つけ汁も用意する。
ここからはあっという間だった。
沸かした湯に鱧を放す。
湯に放たれた身が柔らかな白に色を変え、くるっと丸まれば、骨切りされた鱧は鞠状に花をつける白菊のようだ。
すぐに上げて次は氷水に放つ。
その作業を数回繰り返せば、伝説上でしか知らなかった京料理、「鱧の落とし」が完成した。
晩餐は碧龍、カブの柚子皮甘酢漬け、紫キャベツのピクルス、椎茸のバター焼き、そして鱧の落としである。
まず椎茸。
肉厚で程よく薫る森の香りに、グアニル酸とバターの旨味。約束されていた勝利だ。
碧龍で口を洗いたいところだが、ここで酒を入れてしまえば、アルコールの作用によりなんでも旨く感じてしまう。
それはそれで幸福だが、まずは初めての出逢いは酔った頭の夢見心地ではなく素面で向き合いたい。
鱧よ、お前の真価、透徹なこの目と舌で確かめさせてもらうぞ。
白菊を思わせるそれにミョウガと大葉を乗せ、梅肉に浸して口に運ぶ。
白い身は口の中でわずかな弾力を生じた後、柔らかに解け、蛋白質と繊細な魚の脂が梅肉の酸味と大葉、ミョウガの鮮烈な香味と一体になって消えた。
滋味深い夏の味、これが鱧であるか。
こうなればもう酒と合わせて味わえばよりその滋味も際立つと言うもの。
ええい、美味きゃ全ては良しなんだ、澄ましているお前も本当はそうなんだろう?
椎茸、カブ、紫キャベツ、日本酒、鱧が入り乱れ、夜だ宴だ酒池肉林だ。
それでそれは世の中の全部に適用されるんだなって。
「ちょっと辛(から)い」は人によっては「物凄く辛(つら)い」として判定されるかも知れないリスクがある。
その考えていくと「普通」も人によっては「ちょっと辛(つら)い」になるかも知れない。
「甘め」が苦手な人も中にはいるけど、それは「好き嫌い」として処理される。
「辛め」が苦手な人に無理をさせたら、それは「暴力」として処理されるかも知れない。
だからさじ加減が見えない時は「甘め」でとりあえず行くんだ。
でもそれって、「普通」より無難だから出てくる「甘め」はきっと、いろんな形でこの世界に沢山存在するってことなんだろうな。
臆病さから生まれた「甘さ」が世界を包む優しさの正体なのだとしたら、その根底としてて世界を支配しているのは結局のところは「恐怖」なんだ。
目に映る「優しさ」の多くは「愛」ではなくて「恐怖」から生まれているのだろうか。
無難さから生まれたであろう甘いカレーを食べながら憂鬱そうな顔をする僕に、同僚がふと「甘いのは苦手か?」と訪ねてきたけど、それが気遣いをして見せないと社会不適合として扱われることへの「恐怖」から来たのか、彼の本当の「甘さ」から来たのか、それとも、彼にとってはそれが「辛口(かるくち)」だったのか、そんなことも分からない自分への嫌気で頭を一杯にしながら、それがバレないように愛想笑いで「この年になるとカレーって普通は辛いものだって先入観があってさ」なんて少し生意気な返し方をして場を繋いでみせた。
カレーを一皿食べただけなのに、世界がもっとよく分からなくなった不思議な日だった。
それとも、世界のよく分からなさに少しだけ気づいたことで、世界の分からなさが少しだけ解消された夜だったのかも知れない。
とりあえず、「普通」の多様化の中で生き残りたいなら、「甘め」な方が強いんだなってことが漠然と分かったのは、社会適合の役に立ちそうなので備忘録を残す。
彼の帰りを待ち続けて、幾度目かの夏が来た。
もう二度と、会えないことは知っている。
当時高校生だったわたしの前に颯爽と現れた彼は、いとも簡単にわたしの心を奪っていった。
年上の彼は、まだ未成年で世間知らずで若さ・可愛さ・勢いだけが売りの女子高生からのアプローチには目もくれず、
「何の仕事をしているの?」
と聞いたことがある。
「街の雑務だ」
と言われた。
その時は「お役所の人なのかな」と思って特に追求しなかったけど、多分違う。
ただ彼は、いつか小説を書きたいと言っていた。
わたしも、本を読むことは好きだったので、
「書いたら一番に読ませてね」
衝撃を受けた出会いから一転、わたしと彼は穏やかな日々を送っていた。
客観的に見たら可愛らしい、主観的に見たら両手で顔を覆いたくなるようなアプローチを続けていた。
彼はそんなわたしに動じることなく、否定も肯定もせず、いつだって静かに見守り、そばにいさせてくれた。
彼の、そういうところが好きだった。
彼は少し変わっていて、不思議な人だった。
彼の仕事もそうだけど、例えばものすごく辛いカレーが好物で、行きつけのお店には彼専用のメニューがあったりだとか、
真顔で冗談を言ったりだとか。
母もそうで、父と結婚当初、いつものように甘口のカレーを作って食べさせたら、
普段辛口のカレーばかりだった父は口に合わず戻してしまった、という話を聞いた。
笑いながら聞いたら、
「飲み込むよう善処する」
と、ちょっと困ったような顔で言っていた。
「ひとくち食べてダメだったときのために、後入れスパイスを用意しておくね!」
「助かる」
3年生の夏、進路の相談をした。
正直わたしは、この恋を取るかやりたいことを取るか、悩んでいた。
好きな歴史の勉強をしたくて、その中でも学びたいことを学ぶためには関西のとある大学に行くのがベスト。
だけど関西となると、新幹線や飛行機で一本とは言え、地元にはそう頻繁に帰れない。
彼に会いたいと思えば、連絡せずとも街をぶらつけば会えてしまうこの現状を棄てるのはもったいなくて、
だけど妥協して別の勉強をするだとか、そういうことはしたくなかった。
「自分の思うように、後悔しないようにすればいい。俺はここにいる」
彼はそう言った。
最後のはわたしを宥めるために言わせてしまったのかもしれないけれど、
言外に「待っている」と言われたようで、舞い上がってしまったのを覚えている。
彼の、そういうところが本当に好きだった。
連絡するとしたらわたしからばかり、それも電話ではなくメールだったので、ケータイの画面を5度見位はしたと思う。
あわてて通話ボタンを押すと同時に彼がわたしの無事を確かめてきた。
「今どこにいる」
「家にいる」
「一人か?」
「うん」
「わかった」
初めて聞いた、彼の切羽詰まった声。
正直、何が何だか分からなかったけど、彼が来てくれる、それだけで安心できた。
彼はわたしの家に着くと、再度わたしの身に何も起こっていないかを確認し、誰かへ電話を掛けた。
多分仕事先の人だろう。
あまり聞かないように、かつ気が散らないように、わたしは静かに大人しく彼のためにお茶を淹れた。
わたしも、無理に聞かない方がいい気がして、黙ってお茶を差し出した。
彼は何かを考えているようだった。
多分、わたしへ何かを、何と伝えようか、考えていたんだと思う。
そう言って受け取ったお茶を数分かけて飲み干した彼は、窓から外を確認し、静かに話し出した。
「俺は、やらなくてはならないことがある」
わたしは黙って聞いていた。
「ずっと、小説を書きたいと思っていた。そのために、今の生き方を選んだ」
当時のわたしには分からなかったけれど、今になって思うとあれは、覚悟を決めた目だった。
「だが、……それはもう、出来そうにない」
直接的な表現ではなかったけど、彼にはこの未曾有の事態の中、夢を、約束を棄ててでも、やらなくちゃいけないことがあるらしく、
それをわたしには止められないことだけは、確かだった。
「ここは大丈夫だ。後悔の無いように生きろ」
頷くことしかできないわたしの頭をひと撫でし、彼は立ち上がった。
「……待ってる」
何か言わなくちゃと、伝えたいことはたくさんあったのに、絞り出せた言葉はこの一言だけだった。
彼は少しだけ目を見開いて、それから、「行ってくる」とだけ言って、出て行った。
彼がどこへ、何をしに行ったのか、結局分からずじまいだった。
彼がどこかへ行って10日後、彼の友人を名乗る青年が、わたしを訪ねて来た。
その人は、彼より幾分か年下で、わたしより幾分か年上だった。
そう言ってその人は、彼がよく吸っていたタバコと、愛用していたジッポライターをわたしの手のひらに乗せた。
「『約束を守れなくてすまない。君が作った甘口カレーを、食べてみたかった。どうか幸せになってくれ』と、言っていた」
無表情に見えるその人もまた、彼がいない事実を辛く思っていることは明白だった。
努めて表情を消していることも。
わたしとその人は、しばらく黙ったまま空を見上げていた。
何も言われなくても分かっていた。
何も言わなくても、きっと通じていた。
わたしも、彼の友人も、誰も「彼が死んだ」とは明言していない。
明言していないだけで、それが事実だということも、分かってはいる。
だけど、それを口にしたら、それが確定してしまうような気がして。
言葉にしなければ、きっとどこかで……なんて、絶対に無い奇跡を、今もまだ願わずにはいられないでいる。
一つの区切りとして、数人しか知らないこのことを、この匿名の日記に記してみた。
婚約者は全てを知っている。
知ったうえで、わたしを好きだと言ってくれて、彼のことを忘れられないまま好きになってしまったわたしを愛してくれた。
「忘れる必要はない」
「その人を好いていた気持ちも含めて、君の全てを愛している」
こんなに良い男がわたしの婚約者だなんて、わたし自身も驚いてはいるけれど、
この人と生きていきたいと思った。
後悔の無いように生きる。
それは思っていたより難しく、実際にわたしはあの時にわたしの気持ちを伝えられなかったことを一番に悔いている。
それでも、彼の願ったことだから、出来る限り精一杯、堂々と、自信をもって今に至っているつもりだ。
わたしは今も、帰ってこない彼を待ち続けている。
婚約者の隣で、彼のことを待っている。
そして伝えたい。
哀しくて、苦しくて、辛かったけど、婚約者と幸せに生きたのよ、と。
きっと貴方は、「それは良かった」と微笑んでくれるでしょう。
彼と、婚約者。
わたしの大好きで大切な人が2人揃ったら、それはきっと素敵な世界だ。
この嘘のような話は、ところどころフェイクを交えている。
匿名で、そもそもこのことを知っている人が限られているとはいえ、全てを赤裸々に全世界へ発信するほど愚かではないつもりだ。
妻は辛いものが苦手だった。
カレーは絶対に甘口だし、唐辛子が入ってる食べ物は出来るだけ避ける。
そんな妻が妊娠した。
つわりが酷く、スーパーの鮮魚コーナーには近寄れなくなり、ご飯の炊ける匂いが受け付けなくなった。
匂いがダメなものも多く、妻は食べるものも制限され、かなり辛い食生活を送っていた。
と言い出した。
シナモン?何故シナモン・・・とにかく分からないままコンビニへ向かうも、パンにかける用のシナモンの小瓶くらいしか見つからなかった。
シナモンの食べ物が無かったからシナモンとパンを買って帰り妻にあげたところ、パンの白い部分が見えなくなるまでシナモンをかけて食べていた。
何故そんなにシナモンをかけるんだろう。うまいんだろうか。不思議に思っていた。
その後、妻は甘いものにシナモンをぶっかけて食べるようになり、シナモンのパンやドーナッツをスーパーで見つけると必ず買って帰った。
俺もスーパーに行ったときはシナモンの食べ物を探すようになった。
そこでふと気づいた。
シナモンは洋菓子の香り付けに使われるだけではなく、古くはミイラの防腐剤としても使われていた最古の香辛料である。
香辛料を欲しているがゆえに、シナモンを欲してしまうのではという一つの推測へとたどり着いた。
香辛料がいっぱい入っている食べ物といえば何だろう。真っ先に思いついたのがカレーだった。
次の休みに、インド人が料理している本格的なカレー屋に連れて行き、カレーを二人で食べた。
食べ終わって、妻が、
「もっと辛くても良かったな」
と言ったので驚いた。辛いものは苦手だといっていたのに、急に辛さを求めだしたのだ。
また次の休みにカレー屋に連れて行き、今度は辛口のカレーを頼んだ。
食べ終わって、妻が、
「まだ辛くても良かったな」
と言った。すげえなお前。
次の休みにまたカレー屋に連れて行き、今度は激辛のカレーを頼んだ。
食べ終わって、妻が、
「まだもう少し辛くても大丈夫」
嘘やろ。
しかし激辛以上の辛さはその店には無く、あきらめるしかなかった。
少しだけ激辛カレーを分けてもらったが、俺は一口でギブだった。辛すぎる。
それからというもの、妻はカレーは必ず激辛を頼むようになり、嗜好が変化してしまった。
しかし甘いものもコーヒーも相変わらず食べるので、嗜好品に激辛が追加されたということなのだろうか。
カレー以外にも激辛麻婆豆腐や激辛スナック菓子も食べるようになった。