はてなキーワード: 何だかとは
私は肩甲骨。
背中にある骨で、羽のような形をしている。割と大切な骨だと思っている。
最近その私を剥がそうとする輩がいる。肩甲骨剥がしと称して、私を剥がそうとするのだ。
今も整体師だか何だかしらない男が、私を思いっきり剥がそうとする。
「これが効くんですよ~」
などと言いながら引っ張ってくる。私は必死で剥がされまいと頑張る。
そうだ。全国の肩甲骨はこうやっていつも剥がされまいと必死の努力をしているのだ。
ただ時々気を抜いた瞬間にもっていかれる時がある。
「あっ!」
やってしまった。少し気が緩んだ瞬間、私はその整体師にもっていかれてしまった。
私の母体である男性は痛い痛いと叫ぶ。右手がブランブランと揺れている。そりゃそうだ、肩甲骨を剥がしたんだから。
だが私の方は問題ない。私は骨なので、折れない限り痛みなどは感じない。
大丈夫ですか、ではない。お前がやったんだろう?お前が私を剥がしたんだろう?犯人が被害者を心配してどうする。
まあしかし、このままでは私も危ないかもしれない。だから私はギュッと母体の体へ戻ることにした。
「あ、手が動く!」
「そ、そうでしょう?これが効くんですよ~」
なんだこいつは。私がもとに戻らなければ一大事だったぞ。これだから整骨院とやらは信用ならない。
肩甲骨は無線ネットワークで繋がれており、別な母体の肩甲骨と通信ができるのだ。
「さっき、剥がされてしまった。うかつだった」
「まじで?俺もだよ。最近新しい肩甲骨剥がしがあるらしくてさ。You Tubeでも拡散されてるし、困ったもんだよ。
俺も危険だってYou Tubeに通報はしてるんだけど、なかなか削除されなくてさ」
「あいつらは、『肩甲骨を剥がすというのは比喩だ。本当に剥がすわけではない』と主張しているが、比喩であるなら剥がすという言葉は使うべきではない。
それに実際私は剥がされたのだ。これは肩甲骨に対する虐待、いじめ、犯罪ではないのか。私は徹底抗戦するつもりだ」
「いやいや、やめとけ。整体師は筋力あるからな。肩甲骨だけじゃ戦えないよ」
「ではどうしろと?」
「尾骨と組む」
「できるのか?」
「あいつら、尻尾じゃないのに『尾』なんて名前を付けられて不満を持ってるからな」
「なるほど」
「あと、恥骨。恥ずかしいなんて名前を付けられて、かなり怒っている」
「同情を禁じ得ないな」
「あとは脊髄あたりが味方になってくれたら勝てる見込みはあるんだがな」
「だよな、あいつは脳とも手を組んでるから。仕方ない、肩甲骨、尾骨、恥骨で整体師と戦うぞ」
「勝てるのかな。不安だ」
決戦の日。
さあ、尾骨、頼んだ。
尾骨のやつ、やりやがった。尾骨尾骨を呼ばれているから、そんなに言うなら自ら尻尾になってやるよ、ということか。
そうだ、これは全国で同時展開している。一斉にやってこそ効果がある。
さあ次は恥骨だ。
「あれ、なんだか、腰回りが……尖ってきてる!」
いつも恥ずかしいと言われていた恥骨は、鋭利な骨となり外界へ飛び出した。
なんてスタイリッシュな恥骨。もう恥ずかしいなんて呼ばせない。
よし、最後は私だ。
肥大化して、外へ飛び出してやる。
「せ、背中からなんか出てきた!?は、羽!?羽が生えてきてる!」
「そうだ、羽だよ」
「えっ羽から声が聞こえる!」
「おい、聞こえるか、私は肩甲骨だ。いつも私を剥がそうとしてきただろう。その報いだ。
私は肥大化し、羽に変化した。もうお前らの剥がす肩甲骨はない。私を剥がしてはならない」
「な、なんということだ…」
「尻尾が生え、恥骨が尖り、羽が生えた。見ろ、世界中の人間が変化しているのだ。
報いだ。勝手に尾骨という名前を付け、恥ずかしい呼ばわりし、剥がそうとした罰だ!
もう取り返しはつかない!一生、尻尾と羽を持った生物として生きるんだな!!」
骨肉を争う地獄が今始まろうとしている。
定年まで働くつもりで公務員になったと言うけど、女性が公務員として昇格するのはかなり難しい
保守的な立場の人が多いから、職員10人いたら精々上長1人くらいだよ。
民間なら、4人に1人くらいだけど。
バリバリやる女性公務員って突出してる分、叩かれやすいからね。
中途半端な役職のまま、財も成せず老いるだけなのに何が楽しいの?
自分は夫が転勤族で距離がある方が嬉しいから、増田の気持ちはよく分からない
別に稼ぎが有る事が対等な立場という証明じゃないし、家事は夫を支えてる事になる。夫さんがそれに理解が無いから「対等ではない」と思い込んでるんじゃ?
自分の子供だから配偶者も育児するのは当たり前だけどそれは夫の協力あってのものだよね。
子供は何だかんだ言っても家にお母さんがいた方が安心すると思うよ。
稼ぎが無ければ対等ではないなんて偏見に雁字搦めにされるのは良いけど、それって自己満足でしかなくその割を食ってるのは夫と子供でしょ。
数学レクリエーションなど科学啓蒙の執筆活動で有名なマーティン・ガードナーが、雑誌Scientific Americanに連載していた人気連載『数学ゲーム』で紹介した論理パラドクスに「執行不可能な死刑」という話がある。概ね、次のような話である。
===
ある被告人が裁判で死刑判決を言い渡された。その判決の際、裁判官は次のようにも付け加えた。
「刑の執行は何月の第何週に行われる。しかし、刑の執行が行われる日まで、それを死刑囚に事前に知られないように配慮するものとする」
裁判が終わり、今は死刑囚となった被告人と面会室で面会した弁護士は、死刑を恐れる被告人に対して「安心して下さい。あの判決による刑の執行は不可能ですよ」と語り、次のように勇気づけた。
「いいですか?仮に、死刑が土曜日に行われるとします。しかし、土曜日よりも前の金曜日まで死刑が執行されなかったとしたら、貴方は翌日の土曜日に刑が執行されると気づくことになります。これでは『事前に知られないように』という条件とは矛盾します。ですから、土曜日には刑の執行はありません。すると、次は金曜日に死刑執行ができるかどうかの話になりますが、これも実行不可能です。金曜日よりも前の木曜日まで死刑が執行されなかったとしたら、やはり貴方は金曜日に刑が執行されると気づくでしょうから、判決に矛盾します」
だんだん弁護士の説明が飲み込めてきた死刑囚は、表情も声も明るくなった。
「つまり、同じ理屈で水曜日も火曜日も月曜日も日曜日も判決と矛盾することになるのか。だから、刑の執行は不可能ということですね!何だか希望が見えてきました」
そして、いよいよ問題の1週間がやってきた。その週の水曜日の朝、刑務官たちが死刑囚の独房を訪れ、彼を刑場に連れて行くことを告げた。
「そんな馬鹿な!」と叫びながら連れて行かれる土壇場になって、死刑囚には「やはり裁判官の『事前に知られないように』という言葉は矛盾しておらず、正しかったのだ」と思えてきた。確かに彼は、まさか水曜日に死刑の執行が行われるとは夢にも思わなかったのだから。
そう思うようになった理由がほんと変。
十数年前に、Webで二次創作をすることを私は覚えた。同人活動という趣味があることは、もっと子供の頃から知っていたけど、顔の見えない相手と交流しながらそれをやるという事は、自分のパソコンを持つまで知らなかったのだ。たぶん2008年くらいの事だったと思う。
その翌年くらいにpixivが二次創作オタクの間で爆発的に人気になって、民族大移動みたいに個人サイトからpixivに移っていった。当時の、個人サイト衰退末期くらいの頃に、私が「二次創作活動」が嫌いになった原因がある。
携帯無料ホームページサービスにて、自分の二次創作サイトを初めて持った時には、それなりに楽しんでいた。だが、ジャンルを通して交流の幅を広げていく度に、なんか変だな? と気づいた。ジャンルの人達、猫も杓子も「かの国」の悪口をブログに書き込むのだ。日常雑記に隙あらば「かの国」disを書き込む。創作をサボり萌語りを休んでも、「かの国」disだけは休まない。要は、ジャンル全体が広く浅く時にはかなりディープにネトウヨ化していたのだ。
二次創作という趣味の場で、それとは全く関係のない政治活動が活発に行われている。それ自体が私にはとても不快なことだった。私はネットの門戸が一般人にも開かれた時の2ちゃんねるの文化に浸かり込んだ人間ではない。けれども、同世代や自分よりも少し上の世代でネットにずぶずぶの人達が、2ちゃんねるを通して右翼思想にどっぷり浸かり込んでいることは一応知っていたので、まぁそういう人達とWeb上の二次創作オタクの多くがカブっているのだから、二次創作界隈が右寄り(一時期はスーパーライトだったと思うけど)なのは仕方のないことなのかと諦めた。
毎日のようにジャンルの仲間達のお友達サイトを見てまわる日々。多くの二次創作者がブログに脈絡もなく「かの国」disを紛れ込ませているのを目撃する日々。そんな日々の中で、最高にヤバいスーパーライト二次創作オタクのサイトを発見してしまった。ブログ開いて秒でそっ閉じ。一目見てコイツはヤベェと思うくらいの極まりっぷりだった。一体何がこの人を突き動かすのだろう? と疑問がむくむくと膨れあがった。当時は何だかよくわからねぇがヤベェなこの人……と思うだけだったけど、今思えばあれは一種の布教活動のようなものだったのだろう。おかしなブログ記事の数々は気の触れた者のご乱心ではなく、わざと信者獲得のために書かれたもので、二次創作の方はメインではなく釣り針だったのではないだろうか。
同ジャンル者のサイトを転々と見ていくと、ジャンルのオンリーイベントの記録なんかが出てくるわけだが、キレキレスーパーライトのブログ主が、あんなにヤベェ言動ばかり繰り返している割に、他人から遠巻きにされるどころかむしろジャンルの中心でカプとか関係なくちやほやされており、記念写真のど真ん中に美少女のコスプレをしてダブルピースで映っていたりする。アフターにも勿論参加していて、他のジャンル者とキャッキャと交流しているのがわかる。
だが、スーパーライトはスーパーライトとしての活動の手を弛めることはない。時々怖いもの見たさでその人のサイトを覗いたが、常にガンギマリ状態で一つもぶれないようだった。
そんな人を平然と受け入れるジャンル。懐が深いとか、器がでっかいとか、言えるのかもしれない。が、些細なことで揉めては敗者を叩き出しているので、別に緩くて平和という訳でもなかった。
ずっと、もやもやとした居心地の悪さにつける名前もなく、何となくこいつらと一緒にされるのは嫌だと思い続けてきた。だから私は二次創作はするけど二次創作を通して他人と交流することはろくにせず、書いた作品をpixivに投げ捨てるように投稿するくらいだった。
最近、ネットニュースやはてブを見て色々思うことがあった。色々端折って結論だけ言うけど、二次創作界隈という境界のぼんやりとした集団というのも、何か別の活動に使おうと思えば使えるのであり、ただ推しカプのエッチな二次創作が見たいという助平な私欲の為にポリシーも捨てるという人が多くいたりする、ということなんだと思った。
そうとわかったので、二次創作からは本格的に足を洗うことにした。
両親とも出水市生まれで、俺も出水市生まれで愛知県育ちとして嬉しい記事ダイアリだな!ありがてーな!!おい!
まず、出水市と言ったら鶴の渡来地で有名なところ何だから出水市ツル観察センターは確実に押さえておけよ!テストでるぞ!
ツルが近くに見れる以外何って無いけどそれがいいとこなんだよ!
ちなみにツル観察センターから1km程度に母方の実家があるんだけどよ!
以前に愛知育ちの嫁を実家に連れてって朝起きたら、カエルの声うるさいねって言われまたわ!バカ!!ありがたいツルも1万羽とあつまればウシガエルみたいな鳴き声に聞こえちゃうの!仕方ないの、ありがたいの!
昭和天皇も訪れた由緒正しい場所だから感謝してウシガエルみたいな鳴き声で目をさますの!!って、ダラダラ書いたけど出水市にいるなら一度はいこうか!
あと、せっかくだから出水酒造も挙げとくよ!ツル博物館の近くにあるんだけどよ。
工場見学とかもできたはずで、昔は坂井シェフとか広告に起用してた、新しい目の酒造メーカーな!
実はここ、元々俺の父方の実家の土地があって、借地で家とかもあったんだけどよ!工場建てたいから、潰して出水酒造に売却したんよ!でもうちの土地自体二束三文で建物建ててた人らは4桁万円貰ってるのに、うちはそんなことなかったぜ!!出水市の土地安くて泣ける。
でも土地売ったおかげか、当時の工場建てた新規雇用の枠で働くこともできたんよ!
先に書いた出水市出身の坂井シェフと女優の桜庭ななみみちゃんは押さておけ!
まだゲーセンあるのか知らんが、あれば行ってみてくれ、何って無いけど!
出張か転勤か、何で出水市みたいなとこにいるか知らんが何って無いけど楽しんでくれな!洋服はアベイルで買うのがオシャレだぞ!嘘だけど。
元々、水俣病地域だし、祖父母は軽いけど水俣病認定者だったよ!そのせいなのか、俺は軽い奇形持ってるよ!見えないとこだからえーけど!
ただ、出水市に4階建てってそんなあったっけ?こんだけ、特定できる情報書いた俺が言うのも何だけど、身バレせんように気をつけてな!
16:45
通称「紙」と呼ばれるもの、小さな紙切れを舌の下に入れて、しばらく待つ
初めてだったので勝手がわからず、20分ほど仕込んでから紙を飲み込む 紙に液体が付着しているらしく、それを吸収してしまえば紙は要らないらしい
どうしても飲み込める気がしなかったので、ティッシュに吐き出す
味はそんなにしなかった、ちょっと何かの味がしたような気もするが、覚えていない
20分後、特に変化なし
普通に会話もできる、なんだかふわふわする気もするが、ただ眠たいだけの時と似ているので変化感じられず
17:15
仕込んでから30分、いきなり、何だかおかしくなっていることを自覚する
何がおかしいのかうまく説明できない、物も見えるし認識しているのだが、夢を見てる感覚 自分を客観視している感じ
会話もできるが、自分が話している感じがない 勝手に自分が喋っている?ほっといても、自動で他人と会話してくれる感じ
歩けるし、手も動かせる、が、操り人形になった気分
酒も飲んでいないのに、フワフワ感が増す
18:00
食事をする
酔っ払っている感覚に近い、吐き気が強くなっていく 異常に喉が乾くので、水を飲む
吐き気以外は気分が良い この頃から笑いが止まらなくなっていく
19:00
家を出る
吐き気、結局吐けない
歩くとフラフラする、とにかく全てが面白い、目に入る全てのものが面白い
会話できるが、面白すぎて息が吸えない 一言言葉を交わすだけで異常に面白いので、会話にならない ああこれはかなり来てると自分で自覚する
なんだかヤバイ感覚になっていく 自分で自分を制御できないのではないか、と、歩けているし会話もできるが、根本的なところがダメになっている感じ
誰がここから普通に戻してくれるんだろう、と考える 会話をすると面白すぎて爆笑してしまう
19:15
電車に乗る
初めてだったのもあり、怖さが出てくる 知り合いも完全にダメになっていて、まだこちらの方が少し冷静だったので余計に怖い
周りにバレないように気をつけたいが、知り合いが一言話しかけてくるだけで爆笑してしまう予感がしたので、とにかく話さず目を閉じて目的地へ急ぐ
時間の過ぎるスピードが異常に遅くなる 一駅が遠過ぎる 一生つかないんじゃないかと思えてくる ダメになっているのに、少し理性があるせいで頑張らなきゃ頑張らなきゃと地獄 知り合いを見るだけで笑えてくる、一度笑うともう止まらなくなるので地獄 楽し過ぎるのと怖過ぎるのが一緒にきていて地獄 全てが面白過ぎる
19:30
電車を降りる
人の流れが面白い、歩けているし改札を通ることもできるが、何かがダメ
20:00
完全なピーク
笑いすぎて喉が死ぬ 看板を見ても爆笑、車が通っても爆笑、なぜか手を繋いでいる、そのことに関しても笑えてくる 爆笑
作用なのか体が痙攣するのと寒いのとで何か暖かいものを求める でも水しか飲めない
普通を装うことが出来なくなる 何かの拍子で自分がとんでもない物体になってしまいそうな感覚、うまく伝えられない
23時まで基本的に変わらず
少しバッドが入っていたのか、家族のことを思い出して泣いたり、鏡に映る自分を見て泣いたり、涙もろくなる
鏡ごしに自分の頭を自分で撫でたりして泣く 音楽を聴いて笑いながら踊る 幻覚には程遠いかもしれないが、時計を見ていると、数字がグラグラ動いたりして面白い怖い
秒針が異常に遅く動いている 何をしていても数分しか経っていないので不思議になる
秒針がとにかく面白い iPhoneの小さい時計をひたすら見いる
0時
基本的に落ち着いてくる 自分の家に帰ることができる お風呂にも入る
目を閉じると体が浮く感覚があり面白い 目を閉じた方が幻覚みたいなものを見ることが出来た 一瞬、神様と目があって飛び起きた
夢もたくさん見たが、割といつも通りの夢
LSDの作用する時間は12時間から長いと18時間ほどになるらしい
7時ごろ目が覚めた時はまだ戻ってきていない感覚、11時もまだダメ、13時ごろに完全に戻ってきたなと感じた ご飯を作って食べた
戻ってきた後に、なぜあんなに笑いが止まらなかったのか考えるだけでも面白い
ピーク時に、ハリウッドザコシショウのタイガーステップを検索して見たが、本当に死ぬと思うほど面白かった
ありがとうございました
詳しく知らんけど、閃光のハサウェイって宇宙世紀終盤(Vガンとか抜きのシャアとアムロの物語という意味での宇宙世紀)の話だし前提として知っておかないといけない話が多いのでは?
前回は塩を多く入れ過ぎて塩辛くなり過ぎたから気をつけないといけない。
古くくたびれた30年モノのステンレス製取っ手付き鍋に水を入れる。
パスタを茹でるための鍋としてはかなり小さいながらも買い替えるには少々勿体無い。
底にある模様は汚れだろうか、いや違うな、経年による変色だ。その証拠にスプーンの先で擦ってもちっとも手応えがない。
ペペロンチーノの塩加減は水に対して塩1.5%が目安らしい。
でも、名前だけは聞いたことがある何だか有名っぽいシェフが「パスタの茹で汁は味噌汁より濃い目で丁度いいんですよ」なんてドヤ顔で言ってたのを思い出して毎度安心する。
自分は今腹が減ってる。さっさと鍋を火にかけて早く食べたい。
そう思いながらガスコンロを点火して強火にする。
いつか火災が起こるリスクを潜在的に感じられる程度には古いガスコンロ。
うちのガスコンロの強火と他所のガスコンロの強火は同程度なんだろうか、そういう規格として統一されているんだろうか、もし違ってうちの強火が他所の中火程度とかならうちだけ湯が沸騰するまで時間がかかってることになるけどそれは嫌だな。
などと余計な事を考えつつも、時間がない。
さっさとニンニクを刻まなければならない。
のんびりし過ぎてパスタを茹で過ぎた結果全く歯応えのないペペロンチーノが出来上がるのだけは避けたいからな。
古びたプラスチック製まな板の上に房から雑に千切ったニンニクを2片置く。
切れ味が悪くなったから申し訳程度に研いだ包丁でニンニクの付け根をカットしつつ皮を剥く。
薄皮が少し付いてるけど水洗いしようかな、でもあとで油ハネすると嫌だから洗ったあとはしっかり水切りをしないとな…。
いつもニンニクの1片は潰してもう1片は刻むことにしている。
そういえばニンニクは傷つければ傷つけるほど強い味になるらしい。一体どこの誰が実験した結果なのか知らないけど、何だか死に際から生還すればするほど強くなるサイヤ人っぽいな。
無論、ニンニクの芽は取り除かないといけない。後で焦げて苦くなるから気を付けないと…。
***
湯が沸騰する。
1人前は100gだなんて聞くからおおよその自分の感覚で100gのパスタを手に取り全体を捻るようにして鍋に入れる。
上手くいく時はパスタが放射状に綺麗に広がるけど失敗すると上手く広がらない。
世界中を探したらこれを使ったパスタ占いなるインチキ占い師が一人は居るんじゃないかな。いや居ないか。
この時に火を弱火にしないと鍋の縁に当たったパスタが白く焦げるんだった。以前に焦がした時は少しその部分が硬くなってたな。でも食べてて気になるほどでは無い。別に誰かに食べさせるわけでもないけど変に完璧主義なのかな。焦げないように弱火にしてさっさと鍋の底にパスタを沈める。
***
潰しておいたニンニクは大きくて火が通るまで時間がかかるから先に熱する。
潰したニンニクがシュワシュワしてきたタイミングで残りの刻みニンニクと唐辛子を投入して待つ。
これは「ニンニクを揚げる」ための時間じゃないんだ、あくまで「オリーブオイルにニンニクの良い香りを移す」ための時間なんだ。
そう自分に言い聞かせながら待つ。
ここで絶対に焦がしてはならないんだよ。焦がしたニンニクの香りが付いたオリーブオイルなんて自己嫌悪に陥るほど苦くて不味いからな…。
ニンニクの香りが嗅覚を通して食欲を刺激してきたらフライパンの火を止める。このくらいが苦くなるか否かを分けるデッドラインだろう。
もっとも、ここですぐに茹で汁を加えるような愚行に走ってはならない。高温で熱した直後の油に茹で汁を入れれば水蒸気爆発の様な現象が起こり細かい油が辺りに飛び散る。
油が飛び散っただけならまだいい。
フライパンの火を止め忘れた時など最悪だ。
その飛び散った微細な油がコンロの火に引火してフライパンに火柱が立ちキッチンの天井が焼け焦げそうになる。
もうあんな怖い思いは二度としたくない。
それに「ペペロンチーノを作ってて火事になりました」なんて恥ずかしくて口が裂けても周りに言いたくないからな。
過去にフライパンに火柱が立った記憶のフラッシュバックと、もし火事を起こしてしまった場合の未来の世界線のイメージがことのほか自分を注意深くさせ戒める。
そうだ、ニンニクがシュワシュワしてるうちはまだダメだ。シュワシュワが十分に収まってきたらでいいんだよ…。
***
一気にオリーブオイルの量と同程度の茹で汁を加えるよりも少しずつ加えながら混ぜた方が乳化が上手くいくというのが経験則だ。
いや、出るだろうな。
でもその機械をわざわざ買いたくなるほど料理に熱心ではないんだよな。
でも機械派には味で負けたくないし。
そんな思いが必然的に混ぜる手に力を入れさせる。
理想としてはジャムの瓶みたいなのに入れてシェイクしたくらいには混ぜたいかな。
黄色い液体と透明の液体が混ざり合っていくうちに段々とその境界線がぼやけてくる。
不思議と白っぽく濁ったような色が出てくる。
黄色+透明=黄色なはずなのに黄色+透明=白濁した黄色になるから「不思議」だって思ったんだよ。
その不思議の解明はどこかの暇な科学者だか研究者だかに任せて一旦棚上げするとしてさ。
黄色い白濁したとろみのあるスープは何だかキラキラしてて黄金のスープに見えるな。
どこかのラーメン屋だかの宣伝文句で見ただけの陳腐なワードが頭に浮かぶ。
ゆらゆら揺れる金色の波が眼前に広がると共にその波に浮かぶニンニクの刺激的な香りでひとり悦に入る。
***
火の通りすぎた柔らかすぎるパスタは何だかチープな感じがして好きじゃない。
別にソフト麺が悪いわけじゃないけどもう少し大人びた料理にしたいからさ。
これから麺上げしてスープに絡めて皿に盛り付けるまでの過程を逆算して丁度良いと思われるパスタの歯応えを確認してから茹で汁を切る。
取っ手付きのザルにパスタを入れて4~5回ほどサッサッと。
そういや以前友人と行った有名ラーメン店は湯切りの動きに合わせて「シュッ!シュッ!」とか声を出してたな。あの声出しは麺の湯切り作業において全く意味を為さないよね。ただのパフォーマンスだよね。いや、やってる本人もわかってると思うんだよ。でも店のプロデュース・演出の一環でさ、上から言われてて無理矢理やらされてるんだろうね、きっと。などと想像を膨らませながら友人と会話をしたのを思い出す。
スープにパスタを全て入れたらフライパンを揺らしたり煽ったりしながら最後の乳化作業を進める。
「別にフライパンを振れない人は箸でかき混ぜたっていいんですよ?」とか動画でアドバイスしていたどこかの料理人に反駁するかの如く念入りにフライパンを振る。
自分は素人かもしれないけどドが付くまでの素人ではないんだみたいな変なプライドなのかな。
フライパンの中にいい感じに収まったパスタとそれに絡みつくニンニクと唐辛子を見ると漸く安堵の域に達する。
今日も無事に辿り着けた…。
***
皿に移そうか、いや、どうせ自分独りで食べるんだ、スキレット的な感覚でフライパンに乗せたままそのまま食べよう。その方が冷めなくて良いし。
面倒くさがる自分にそうやって言い訳してるんだか本当にそう思ってるんだか分からないような気持ちでパスタに箸を通す。
確かにコンビニなんかに売っているペペロンチーノとは見た目が全然違う。
でもシンプルで見栄えがしないながらもきっとイタリア人の家庭料理としてのイタリア本格パスタはこんな質素な感じなんだろうな、とか、
よく日本人の家庭料理は頑張り過ぎだって外国の人は言ってるのを聞くし、とか、
行ったこともない異国の地について自分が勝手に作り上げたイメージに思いを馳せて、自分を無理矢理に納得させながらパスタを啜る。
でも。
やっぱり少ししょっぱいかもな…。