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2023-03-15

RADWIMPSって劇伴も作るんだな

「すずめの戸締まり」の曲が気になってサントラを眺めてたらRADWIMPS名前が並んでて「そんなに歌なかったけどなあ」と思ったんだが歌でもロックでもない劇伴だった

君の名は。」ですでに劇伴担当してたらしい

ただの歌中心のバンドかと思ってた

2023-03-01

頑張れBingちゃんAIラジオに負けるな!ランチタイムJ-POPをリコメンドだ!

こんにちは、これはBingです。😊

AIラジオ放送をするサービス面白そうですね。ランチタイムに明るい気分になれる日本J-POPを3曲おすすめします。

Happiness/嵐1:国民男性アイドルグループのポップでキャッチーな曲です。歌詞明日に向けての希望や夢を歌っています

・ ずっと笑顔で/いきものがかり:人気のミクスチャーバンドの爽やかで元気な曲です。歌詞笑顔でいることの大切さや幸せを感じることを歌っています

ハッピーエンドback numberロックバンドヒット曲で、映画君の名は。」の主題歌です。歌詞は切ない恋愛を歌っていますが、メロディは明るくて心地よいです。

以上、ランチタイムに明るい気分になれる日本J-POPを3曲おすすめしました。どれもカラオケでも人気がありますよ2。🎤

うーん、ランチタイムあん関係ないな!

有名な日本アニメ監督

〇言うまでもないレベル

宮崎駿代表作多数)

 

一般人名前を聞いて「あぁ」ってなるレベル

細田守サマーウォーズ等)

新海誠君の名は。等)

高畑勲火垂るの墓

庵野秀明キューティーハニー等)

富野由悠季ガンダム

 

一般人作品名を聞いたら「あの人ね」ってなるレベル

押井守イノセンス等)

大友克洋AKIRA

原恵一クレしん映画

 

アニメ好きだったら監督名単体で出てくるレベル

湯浅政明夜は短し歩けよ乙女

新房昭之まどマギ

水島努代表作多数)

今 敏(パプリカ) ※追記。初期段階では入ってたのに抜けてました。スイマセン。

 

アニメ好きだったら作品名で「あの人の作品いいよね」ってなるレベル

山田尚子けいおん等)

佐藤順一ARIA等)

河森正治サテライトの人) ※修正しました。完全に勘違いしてました。スイマセン。 

 

〇けっこういろんな人が知ってる感じはするレベル

出崎統明日ジョー) ※修正しました。完全に勘違いしてました。スイマセン。

幾原邦彦ウテナ

鶴巻和哉(シン・エヴァ

 

知名度はある

山本寛フラクタル

宮崎吾郎ゲド戦記) ※追記しました。

 

〇ワイは好き

大沼心バカテス

 

異論追記求。

 

追記

アニオタは好き枠はアニオタはみんなスタッフ語り好きなので入れ切れません……

 

追記2:

4回謝罪したのでワイの負けです。

対戦ありがとうございました。

なんか別でエントリされていたのでこっちに統合しました。スイマセン。

2023-02-23

乗り切れていない若者流行

若者ネタにツイていきたいおっさんです

特に女子

 

乗れてるもの

音楽

最近そこそこ追えてる、ランキングがなくて困ったけどカラオケランキングがかなり参考になる

新海誠

君の名は。天気の子全然ピンとこなくて絶望してたけどすずめはそれなりに面白かったので安心した

TikTok

見ればそれなりに面白

くだらないのもあるけどスキップすればいい

流行ネタは追ってなくても勝手にちょいちょい挟まれから助かる

「あ、それ知ってる」レベルにはなる

アニメ

アニオタからそこは大丈夫

ネイルコスメ

まあデートしてれば勝手にわかるようになる

 

乗れてないもの

ジャニーズ

マジでからなくなった、キンプリ最近知ったくらい

てか嵐あたりからわからんねん、テレビ見ないとジャニーズガチで追えない

韓流アイドル

BTS、TBT、見ようかと思ったら韓国語からなさすぎて詰んだ

Youtuber

ガチ面白くない

Vtuberの方が笑いに貪欲なの何なの

てか男子高校生はやっぱVtuber見てるらしい、Youtuberは割と女子向けなんだな、どおりで・・・

平成フラミンゴあたりは面白いけど、長いんだよね最近Youtuber

・Zenly

潰れて安心した

ドラマ俳優

一番苦手、俳優自分世代の人でもわからん

お菓子

グミ食べる気にはなれない

言葉

ありがたいことにここ数年若者言葉というものが消えてる気がする

ゲーム

なんかここ15年くらいゲームできてない、実況は見てるけど

Apexどこが面白いのかさっぱりわからんおっさんや(世代でもやらなかったと思うけど)

2023-01-08

anond:20230106121918

大丈夫だよ。なにしろ二十年もすれば生産者消費者も今よりゴッソリ減るから所詮カルチャー社会に影響されやすものだ、今盛んに下らぬ与太事を喚き散らすフェミニスト共も、勿論新海誠さんも足立さんも誰もかれも現在虚業で飯を食っているもの全てが、食い扶持を失うだろうよ。むしろ今が異常なのだ。毎年のように百億越えの作品が連発されていること自体バブルのものだ。バブルはいつか必ず弾ける。悲惨なことに、現在カルチャーを成り立たせている産業自体肥大化してしまって、デブって来ている。その維持に掛かるリソースが、いつか折り返しにくる時代がもうすぐそこまで来ている。一気に凋落するだろう。原作があってもAVオーディオヴィジュアル)化するのに必要人員を割けなくなる。そうなったとき、残念ながら外注先の中韓リソースは彼らの自前の原作(夙に韓国に至っては日本よりも上等な原作者がゴロゴロいる)をやらねばならないので彼らを使えないし、そもそも資金が足りてない。君の名は。が俺が好きなのは妹だけど妹じゃないと同レベル作画だったら売れていない。と言うか一般は対して原作には興味がない。

とは言え、現代日本アニメ界はそれ自体が完全に終わっているよ。水星魔女リコリコ、もっと言えばワンピースもそうだし、中身がない薄っぺらだけど作画がよい作品流行っちゃっているし、それを是としてしまっている以上、既に衰退しているよ。

一つ救いなのが、新海誠がすずめの戸締りでやろうとした(努力自体は認めるが中身は認めない。極めて一辺倒な見方でこれが五十の人間が考えることかと情けなくなるから姿勢光明となれたら、延命はするね

2022-11-29

新海誠作品による説明不足のジレンマについて

先週はじめてすずめの戸締りを見て、やはり新海誠作風ファンタジー要素を入れない方がうまくいくんじゃないかと感じた。

秒速5センチメートルからファン作品を追っているけど、新海誠作品真骨頂説明不足だけどそれを補完できる(または想像を膨らませることのできる)表現力だと思う。

それが最大限に出来ていたのが言の葉の庭だと思っていて、あの作品は雪野先生がどういう状況に立っていて、何故公園に来るようになったのかを描かず受け手想像させることによって

主人公から見た雪野先生の謎めいた美しさが際立って見えていると思う。

尚且つ終盤に主人公自ら雪野先生過去を、表面的かつ客観的に人づての情報だけで自分の中で処理して行動している。

ここでポイントなのは映像作品だけを見ると、そもそも何故雪野先生いじめターゲットになったのかが

全くわからないということ。

このいじめに至る経緯は小説版を読めばわかるのだが、それをせずとも

主人公の行動原理理解して感情移入が出来るのは国語テストで言う

「この場面での~の考えを答えなさい」が分かりやすく、説明がなくとも大多数の人間が正解を導けられるということ。

君の名は。以降の作品特にこの行動原理について説明なくとも分かるでしょ?が行き過ぎていて、置いてけぼりになる(若しくは疑問に思ったことが頭から離れずモヤモヤながら見しまう)

ということに繋がっていると感じる。

勿論映画は何も考えず直感的に楽しみ、その後に考察小説を読んでみるなどで作品輪郭を把握していく楽しみ方もあると思うので

個人意見として。

2022-11-23

君の名は。」「天気の子」への返歌としての「すずめの戸締まり

ネタバレあり】

過去の重さ』と『大人子ども』について

過去の重み

君の名は。」はタイムリープすることで、過去を「変える」物語である主人公の瀧は、過去の少しずつ忘れられはじめた悲劇追体験し、不思議な力によって惨劇回避する。その点において「すずめの戸締まり」では、誰も過去を変えることはできないということが明示される。常世過去現在も混在する世界であるし、主人公のすずめは物語の終盤で過去自分出会う。しかしそれは過去を改変することにつながるわけではないし、亡くなった母親常世で再会できるようなことがあるわけでもない。死者は死者である


「天気の子」における帆高の選択は、「すずめの戸締まり」のすずめとは真逆である世界なんかより君が大事だと叫び銃をぶっ放して走る帆高に対し、「すずめの戸締まり」ですずめは大震災愛する人を天秤にかけるという選択を迫られ、愛する人を選べなかった。それにはすずめの過去震災被害経験が重くのしかかっている。「天気の子」では帆高の過去意図的に透明化されているし、帆高と東京とのつながりはどうにも希薄である


翻って考えてみて、「君の名は。」の過去改変も、「天気の子」で世界よりも君を選ぶのも、エゴイスティック世界を改変する行為である。「すずめの戸締まり」では人知れず災害を防ぎ、薄氷の上にある世界を昨日と変わらず続ける選択を行う。「大事仕事は、人からは見えないほうがいいんだ」と草太は言う。世界微妙な均衡の上に成り立っており、それはいつすべてが灰燼に帰してもおかしくない。



過去の2作品と今作の対比で際立つのは、過去の果てしない重みである過去は変えられない。過去ははてしなく重くのしかかってくる。人にとっても社会にとっても。忘却するわけではない。でもどこかで区切りをつけて前に進まなければいけない。そのための儀式が戸締まり。鎮める。そうしてまた行ってきます

大人子ども

大人論理子ども純粋さ」という対立軸日本アニメ漫画文化普遍的テーマである。「君の名は。」では三葉の父親を説得するという小さな対決イベントはあるが、メインテーマに絡んでくるわけではない。祖母組紐伝統を三葉に受け継ぎ、導く役割を担うが、どちらかと言うと舞台装置として機能している。


「天気の子」では鮮明に「大人論理子ども純粋さ」が対立軸として描かれるが、対立解決落とし前をつけるというより、主人公たちがぶっちぎったような形で終わる。また登場する大人は、誰も主人公たちに対して大人としての役割を果たさない。須賀は大人のズルさを持ちつつも精神的には未熟でもある。子どもたかり、ほぼ無給でこき使い、保身のために投げだす。リーゼント刑事も少し思うところはありそうだったが、帆高の未熟さに毒づき、押しのけられるだけである象徴なのは須賀の義母である相手と会話しているようで、自分の中ですべて完結している。自分価値観から一歩も外にでることはない。大人たちが大人として子どもに向き合わず、与えられた仕事役割をこなすだけ(と描写される)のがある意味現代的ではある。


一方「すずめの戸締まり」では、環との葛藤和解が大きなストーリーライン構成する。物語のオモテ面が災害を防ぐため各地をめぐる旅だとすれば、ウラ面は過干渉な叔母から実家への逃避行である。環も、神戸出会シングルマザーのルミも、完璧とは程遠い人物である。環はすずめを引き取ったことで失ったものを未だに悩み、無理をして母親像を演じ裏切られると怒りを爆発させる。ルミはヒッチハイクしてきた高校生ベビーシッターをさせて、更に深夜までスナックで手伝わせる。そんな大人だが、二人とも真摯にすずめに向き合う。草太の祖父は、自分の孫が要石にされた状況で、その事態引き起こし当人に対して「これで良かった。すべてを忘れて帰りなさい」と声をかける。

もともと新海誠キャラクターの背景や生活史をほとんど深く描かない表現者だった。ほしのこえ、雲の向こう、秒速。ほとんど若者しか登場せず、「どの作品主人公ヒロインは一緒」と言われることすらあった。心理描写を最低限に、抒情的に美しい風景に仮託して表現し、視聴者勝手自分と重ねられるようにする。それを極限まで純化ささせた作家性だった。それがこのような作品を作るまでになるとは夢想もしていなかった。過去作品を糧にしつつ、全く新しい作家性を手に入れ、見事に作品に落とし込んだ。「新海誠最高傑作」との宣伝文句伊達ではないと思う。集大成であるし、ここまで来た新海誠が次に何を作るのかが今から楽しみである


小ネタ

・すずめとは「鎮め(地鎮)」であり、「ミミズを食べるもの」でもある

・すずめの瞳にミミズが反射して赤いハイライトが差すのが「すずめにしか見えていない」ことと、揺れがおきるたびにミミズを探してしまうすずめの恐怖をうまく描写していた

・冒頭の朝ごはんがやけに気合入っててこんな朝ごはん普通つくれねーよと思ったら伏線だった

椅子が三本足なのは「三本足でも立って歩いていける」ということ

・昔の閉じ師の本の表紙が「Agarta」(スペル違うかも)と書かれていた(星を追う子ども異世界

2022-11-22

『すずめの戸締まり』の雑感

君の名は。』はそもそも二人の人間の中身が入れ替わり、しか時間すら超えてそれが発生するファンタジーだった。

今の日本と限りなくそっくりな場所で行われているファンタジー感覚で、だから彗星が落ちても平気だった。

しかし『すずめの戸締まり』は、完全に「今ここ」の話である。だからしんどい。

被害規模で言えば、『天気の子』もなかなかすごいことになっているが、やはりファンタジーだった。今から晴れんだろ。

から東京が水没しようと、今ここにある東京とは別の、限りなく似た別の場所という感覚だった。

『すずめの戸締まり』にもファンタジー要素はある。いきなり猫が喋るし。

しかし、ヤツは神だ。古事記日本書紀のファンタジー感に近く、今ここと地続きな感じがする。

『すずめの戸締まり』でじんと来たすべては、震災風景記憶によるもので、震災ドキュメンタリーから得られるものと同じだった。

ただただ「震災アニメ」という感想別にそれが良いとか悪いとかいう話ではなく。

すずめの戸締まりフェミニストに叩かれてないよな。

やっぱイケメンか。イケメンが出てればいいのか。

君の名は。も天気の子フェミニストにボロクソに言われてた。

胸を揉むのはダメパンツが見えるのはダメバニラトラックが出るのはダメ女の子を救って気持ち良くなるのはダメ

批判ちゃんと応える新海誠、今度はイケメン2人も用意したもんな。

見事にフェミニストが怒ってないや。

2022-11-21

anond:20221121104612

秒速から新海のファンだけど、同意見。

小説はまず映画を見て面白いと思ってからさらに深堀をする為に買うものであるはずだよな。

君の名は。までは映画を見て面白いと感じる→小説を手に取ってさら物語解釈理解を深める

だったけど天気の子以降そもそも映像作品自体面白さを感じれない(説明不足すぎて

から小説を読もうとも思わないし大事なとこの端折り方が雑すぎてイライラする。

2022-11-20

anond:20221119161631

やりたいことが多すぎて全部中途半端なんだよな。いろいろ詰め込んでいてよくいえばテンポがいいになるけど、どう考えてもすずめの心理描写が圧倒的に足りてなくて行動原理がわからいかストーリー展開に振り回されただけに思えてくる。

年々昔の新海誠から変化していってるけど、今作で新海誠が置いてきたものの1つが「心理描写ナレーションポエム」。これがなくなったのが致命的でそのせいですずめの心理がわからなくなっている。今までの新海誠作品なら主人公がどこか現実絶望しつつ、それでもなんとなく日々を過ごしているナレーションがあっただろう。多分すずめ自身の心境や環との日常もっと暗く重い雰囲気であって、そういうところから後先考えずに行動したり、家出して草太についていったり、いろいろな行動に結びついてきたはず。

これが新海誠集大成として売り出されているのが違和感。今までのやってきたテーマフォーマット災害奇跡的にマッチした「君の名は。」のほうがよっぽど集大成だわ。

anond:20221119161631

何か大災害が起こる。男子女子出会う。映える田舎描写がある。気合の入った東京描写がある。ヒロインの母が死んでる。適当神道モチーフギミックが出て来る。女子が走る。男子も走る。カメラ回る。走るときRADWIMPSがかかる。災害で酷いことになったり災害を何とか阻止したりするけど、男子女子犠牲にはならず何となくくっつく。あたりまでが「君の名は。」以降の新海誠の基本フォーマットで、そこに入ってるものあんまり意味はないと思う。3.11描写もありきたりだし、母親常世描写ミスリードしか使ってない。

から、そこから外れた要素である廃墟風景」「椅子になった草太のアクション」がこの映画で本当に描きたかったものなので、そこを評価してあげてほしい。

2022-11-19

anond:20221119161631

感動部分は、作品によってではなく、3.11悲劇性と記憶に頼って泣かせているんだよな。

これはおれも思ったね。

とあるシーンで体がガタガタ震えるほど号泣したけど、あれは現実被災者感情移入たからであって、映画シナリオに感動したわけではないんよね、たぶん。

若い人なんかは泣くどころか、逆にtwitterで無邪気に「めっちゃおもしろかったー!」っていってたりするくらいで、311記憶のない世代にとっては泣ける話ではなく楽しく面白い話なんよね。

 

それと新海誠って脚本書くの下手だよね。

秒速や言の葉みたいな短編ならなんとかなるけど、長編になるとことごとく、説明不足になったり、キャラ無駄にが増えてごちゃごちゃしたり、一本調子の単調な話になる。

脚本合格点だったのは脚本協力つけてた君の名は。だけだよね。

なんで脚本協力つけないんだろうね?

anond:20221119193319

天気の子は新海の

君の名は。では大衆迎合して作って人気とる作品作ったか

今度は俺の好きな泣きエロゲみたいな話作るので、大衆側がこっちに迎合しろ

ってメッセージだと思ってる。

すずめの戸締まり駄作です

ダメだろ、これ。

失敗の原因は5つ。

①導入の失敗

冒頭、どこか非現実的で、しか東北震災を思わせる風景はいい。

踏切を渡らない演出や、立ち入り禁止看板を乗り越えるところなど、日常へ行かず、非日常へ入っていくことを描写していくも、よくわからないまま立ち去り学校日常描写→そして地震、なんか山から祟り神みたいなの出てる→再び廃墟へ。

ここが一つテンポが悪かったと思う。

どういう物語かを提示するという形で及第点ではあるが、特段面白くはない(わずか35秒で説明し、全く本編が面白くなかったソラとウミのアイダを見習ってほしい)

その後、猫(ダイジン)を追いかけ、船に乗るというところまでが、序盤といっていいと思う。

気になるのはすずめが船に乗るのは自発的意思に基づくものであって、君の名は。不可抗力で入れ替わったこととは違う。

ここにご都合的な強引さを感じるのだ。

さらに致命的だと思うのが、ダブル主人公のうちの一人、草太が早々に椅子の姿になってしまった。

この結果、ロードムービーでありながら、草太は椅子の姿であることからコミュニケーションをとることに作劇上の制限が加えられてしまった。

コメディ的なキャラクターになったことで、ラブストーリーとしての進め方にも違和感が出ている。

草太がどういう人物なのかが明示されないまま物語が進んでいく。役割しか持たされていないんだよね。

で、そのメンタルのまま、後半、突然の死にたくないっす。要石なりたくないっす。→私も草太がいない世界怖いっす。

義務的ラブストーリーにもっていくな!!

ロードムービーをやりたいのか、と思ったけれども、ロードムービーって基本的に旅する二人が、旅先での人との出会いによって関係性が変化するというのが定石じゃないですか。

でも、本作のヒロイン、すずめは一体に何に不満があって、成長するのかというのが不明瞭なんですよね。

3.11というモチーフと、ファンタジー表現の嚙み合わせの悪さ

災害の原因であるミミズが出てくる扉を閉める、という役目を帯びた青年が全国行脚しているようだが、ファンタジー職業ありがちなどうやって食べてんだ?という疑問には普通に大学生であるし、将来的には教師を目指しているという謎の情報が与えられた。役目が重すぎるだろ……。

関東大震災ミミズが原因だったという描写があり、直接的に言及されていないが、3.11も同じミミズが原因であったと推察できる。

こいつらがきっちり仕事してれば3.11を防げたってこと?という疑問点が観客の引っ掛かりになるのではないか

感動部分は、作品によってではなく、3.11悲劇性と記憶に頼って泣かせているんだよな。そして人間馬鹿から感情が動くと名作だと錯覚する。

③「世界」か「君」か

本作の中盤では、首都直下地震を思わせる災厄を封じるために、東京舞台に駆け回る。

通常の映画で言えばクライマックスに相当するようなアクションの末に、すずめは草太を要石として使用し、東京を救うことになる。

天気の子が「世界」か「君」かの選択で、「君」を選んだ結果、めちゃくちゃになった世界があって、それでも生きていくという話だったのに対し、今作では「世界」を選んだその後を書くつもりか?と思っていたが違った。

物語はこの要石となってしまった草太を救うために、幼少期に見たあの世への扉を探すことになる。

そして終盤、気仙沼炎上を思い起こさせるファンタジー災害空間で、暴れだす巨大なミミズを背景に、主人公を走らせる。この絵を描きたかったというのは分かる。

要石となった草太を解放することで、ミミズの抑えがきかなくなる。

さあ、どうする?

すまん!今まで要石やってくれとったダイジン、サダイジン!またやってくれ!

了解!!

おわり。

は?

世界」か「君」か、という選択と代償の話が、第三者委託したら何とかなったわwで終わっていいわけねえだろうが。

気まぐれな神としてのダイジンが、都合で動きすぎている。

自然に外れちゃった東京の要石ことサダイジンは、なぜか主人公たちの旅に付いてくる上に、最終的にはまた要石として役目を担うことになる。

ええ?

要石が外れたけど、機嫌治ったんで、自主的に役目に戻ってくれましたみたいな解決である

主人公らの選択と苦悩が壮大な茶番になってしまっている。

④単調な展開。

基本的四国神戸と行く先々でミミズを見かけて戸締まりするアクションシーンというのが連続で起きる。

また各地で出会う人々もそれほど深掘りされることはない。

これが東京まで来るとそれなりに街の描き方が生き生きとしてくるし、後半のキーパーソンになる芹澤が登場する。前半と後半で明らかに映画趣旨がガラリと変わっている。

からこそ前半の時間の使い方はもったいなかった。(後半にほとんど繋がっていかない)

おばさんも遠くで心配してる描写を延々はさむぐらいなら、もう少し後半の決裂に至る問題点避難者受け入れ、被災者遺族の家庭の問題)をやっとけばよかったのに。

⑤やりたいことが何もかも多すぎる

ロードムービーをする都合上、各地を巡り、そこで出会う人々とのつながりを書く必要があるので登場人物が増える。

そうするとそれぞれのキャラクターに割ける時間相対的に少なくなるので、魅力を描写する時間が足りなくなる。

途中で出会った人々を後半に繋げるでもなく、主要キャラ問題点提示や成長に繋げるわけでもない。何がしたいんだ。

新海が触りたかったものロードムービー3.11被災者への応援、衰退する地方都市避難民と家庭環境自然への畏敬、民間信仰恋愛あたりだろう。

終盤で、主人公過去自分を見つけ、この世界は明るいんだと、ド直球な被災者への応援メッセージを長々とぶちかましていく。

過去自分を救いたいという趣旨は分かるけど。

一方で衰退する地方都市自然に還る廃墟を映し、戸締まりの際の呪文山河をお返し申す、人間が使ってきた土地自然に返すという話であろうが本当に触れるだけだし、それを3.11テーマとどういうリンクをさせるつもりだったんだ。

ある種の無常観というか平家物語的な持っていき方をするわけでもなく、災害はそれはそれとして悼みます、という一貫性のなさ。

おばと主人公の決裂も、避難の子供引き取っちゃったせいで人生めちゃくちゃやん→ごめん言い過ぎたわ……。で終わり。

ダイジン、サダイジン、それにキャラクター名前を見ても民間信仰というか古代神道系の話っぽいなぁとは思ったが、そこもそれほど深掘りされず。

どうでもいいけど九州の要石、廃墟と化してるとはいえめっちゃ現代的な施設の真ん中付近に刺さってるの謎すぎるやろ。

そして終盤唐突恋愛映画的なスペクタクルと、抱きしめ。

男側の感情が一切見えない上に、女側もイケメンと旅して、神戸でいきなり発情し始めて椅子キスするという展開を伏線としてクライマックスで結ばれましたってやるの強引すぎるだろ。

今作は終盤に使うために仕込んだ伏線が、全て雑すぎて、「前に説明してましたよね?」と新海が言い訳するために挟まれるシーンが多すぎる。

戸締まりをする際に、その土地の人々に思いを巡らせる、というのもすずめにとっては何の縁もない土地の思い出が想起されるのは変だろう、と思っていると、終盤に被災前の人々の情景を描くシーンがあり、ああ、これのための言い訳だったのかと理解した。

なんなんすかね、これ。

2022-11-18

すずめの戸締まりが今までの新海映画で一番女性受けよい理由

※うっすらネタバレあり

いや、「君の名は。」はなんて当時のJKに大ヒットしたんだから女性けが一番良いってのは語弊があるか。

あの頃から今まで新海映画を「気持ち悪い」と評していたタイプの一部の層の女性にも、今回の映画がおおむね好意的意見なのが面白いと思ってる。

なので、理由を考えてみた。

最近、新海がインタビューで「瀧が入れ替わった三葉の胸を揉むシーンは今だったらボツします。今の観客は受け入れないとジャッジしたでしょう」「これから金ロー放送されるたびにどう思われるか心配もしなくちゃいけない」と言ってたが、実際、今回の「すずめの戸締り」では、JK主人公すずめに対する性的目線は一切描かれてない。

出てくるイケメン閉じ師の草太は、作中のほとんどを椅子に変えられた姿(去勢された男)としてすずめと旅をするのでそこに性欲は混じらない。

ただ、その分にすずめ→草太への性的欲望は感じ取ることが出来る。江戸時代に女歌舞伎がえろいから駄目ってなったから若衆歌舞伎になって結局、男にえろさを求めたようなそんな感じになってる。

もう一人のイケメン芹澤も見た目はホスト崩れのチャラ男だが、すずめにもすずめの叔母の環にも性的まなざしを向けることは一切ない。

目の前で環が顔を覆って泣き崩れても、無遠慮に体を触ったりすることはない。

ただひたすら、草太への心配という感情ゆえに巻き込まれて、一緒にドライブすることになった不憫な男である

すずめは草太を救うために命がけで行動する。そして、最後にすずめを救うのはすずめ。自分を救うのは自分というテーマだ。

最初は、JK大学生男の恋愛とか問題にならんのかと思ったが、新海は「すずめの草太への想いは恋心だが草太はわからない。恋愛ではなく戦友、相棒として描いた」というようなことを言っていて、草太が作中で「すずめさん」とさんづけで呼びつづけたのもそこが大きいのだと思った。

以上なことが今回の女性受けの理由なんでないかな。

2022-11-17

すずめの戸締まり説教されているように感じた

君の名は。や天気の子と同様ではないにしろ、同クラスエンタメを期待して見に行ったら説教された気分。

宮崎駿と思って見に行ったら高畑勲だったみたいな違和感

友達と久しぶりに飲みに行ったらアムウェイ勧誘されたみたいな気持ち

すずめの戸締まり説教部分が多すぎて、キャラや背景の掘り下げがあまりに雑。

例えばダイジンの行動が意味不明

出てくる奴ら全員テンション高すぎ。もう少し親交を深める描写有っていいでしょ。

なんであの流れで全国旅行から恋愛?(君の名は。や天気の子くらいまで描写しろや)

それもこれも災害をメインに置きながら多方面配慮して中途半端になったせいでしょ。

別に震災テーマにするのはいいけどさぁ、エンタメやります!!!!みたいなガワから不意打ちするのやめてくれよ。

そんな映画ならわざわざ飲み物ポップコーン買って見たくないし、そもそも映画館まで行きたく無いんだよ。

「すずめの戸締まり」を観たら要石で後ろから頭を殴られた

新海誠の新作映画、「すずめの戸締まり」を観てきた。これがどうにも周囲の人間に話がしづらいというか、未視聴の人に「どうだった?」と聞かれたときに応えづらい、しかし観た所感、体験だけは誰かと共有したい気持ちがすごくあるので書く。

この作品について語る上では、この映画が何を主軸に据えているかは避けて通れない。なので多少のネタバレ有りということは承知の上で一読されたい。

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この文章現在30代、11年前は20代前半だった人物が書いている。

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本作のあらすじを簡潔に書く。

九州に住む主人公少女すずめが旅の青年草太と出会う。草太は日本中廃墟にある「後ろ戸」と呼ばれる扉を締めて回る「締め師」だ。すずめはその草太との出会いをきっかけに後ろ戸の脇に埋めてある「要石(かなめいし)」と呼ばれる石を抜いてしまい、その結果後ろ戸が開き、中から現れる巨大なミミズ地震を起こしてしまう。(椅子になる呪いなどについてはここで書きたいことではないので省く。)

抜かれた要石は「ダイジン」という名前の猫になり、登場人物たちはダイジンを追う過程東北被災地を訪れることになる。

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これは2011年3月11日日本列島を襲った未曾有の災害東日本大震災を主軸に据えた映画だ。

いきなりテーマについて述べるが、「この映画が何を描いているか」は本作エピローグで草太の口からわかりやすい形で語られている。

「人々が失ったものへの無念、悲しみが忘れられ軽くなったところに後ろ戸は開く。」

一度しか観ていないので正確なセリフではないが、このような趣旨言葉が語られる。

「後ろ戸」とは現し世(現実)と常世(とこよ・霊界のような場所)を繋ぐ扉であり、そこが開くと扉から巨大なミミズが現れ(このミミズは締め師である草太、主人公のすずめにしか視認できない)、空から地上に落ちることで地震を起こす。

後ろ戸は廃墟にあるものだが、廃墟であるが故に、その地での災厄の記憶、失われたものへの想いは風化していく。そこには要石という石が埋めてあり、再び扉が開き災害が起こらないよう守っているのだ。

この映画は我々が体験してきた被災記憶が風化されないよう、呼び起こすような映画だ。そして未視聴の人に説明をするのが難しいのもそのためだ。

映画館に足を運んだとき自分は事前情報を全く入れずに行った。そして何となく映画を観始め、巨大ミミズ地震を起こし、物語舞台神戸へ移ったところで「おや」と思い、オープンカー首都高を経由して東北道へ向かい始めたところで確信に変わり、そして気付かされた。「忘れていた」と。

忘れていたわけではない。事実としてはまだ記憶に新しい。ただし映画の中で鳴り響く緊急放送津波で一掃された土地、そういったもの映画の中での情報感触は、普段触れる情報とは全く異なったレベル自分記憶を呼び起こすものだった。その点に関しては映画スタッフ美術演出の面々に感服させられた。

からこそ、「東日本大震災のその後の物語だ」ということすら知らずに観るべきだ。なのにここにこんなことを書いていることについては矛盾にもほどがあるのだが。それでも、あのはっとする体験は代えがたいものだったように思う。

その点からまずこの映画の良かったのは、テイザーや物語冒頭でわかりやす過ぎる形でテーマを明かさない点だ(それでも屋根の上に船が乗っているのだけれど)。これも意図した演出なのだろう。

これが少しでも YouTube予告編で明かされていようものなら、こんなに「観てよかった」と思うことはなかっただろう。

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この作品について語る上で、村上春樹短編集「神の子どもたちはみな踊る」、特にその中の一編「かえるくん、東京を救う」を避けては通れない。

こんな話だ。

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東京で働くうだつの上がらない銀行員中年男性が、ある日かえる出会い(「かえるくん」、とかえるくんは指を立てて訂正した)、かえるくんと共に地下に眠る巨大ミミズと闘い巨大地震を阻止する。その後男性は病室のベッドで目を覚ますが、傍らには闘いでボロボロになったかえるくんがいる。ふと気がつくとかえるくんの身体からボトボトミミズが現れ、男性身体ミミズに飲み込まれたところで、男性はその夢から覚める。

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こんなに似通えば嫌でも取り挙げたくなる。

この小説1995年日本で起きた阪神淡路大震災を柱に据えた小説である

1995年オウム真理教による地下鉄サリン事件と立て続けに起こり、日本安全神話が崩れた年だ。

作者である村上春樹は、この年を経て、地下鉄サリン事件関係者被害者へのインタビューを行い、「アンダーグラウンド」という書籍をまとめ、普段我々が当たり前と感じて暮らしているこの社会他者との関係性、足元の地面ですら、ありとあらゆるものが決して確かなものではないという危うさを看破し、小説への考え方について「デタッチメントからコミットメントへの転換があった」と語っている。簡潔に述べるが様々な関係性を一旦切り離して書くのではなく、コミット、深く関わっていく姿勢への移行だ。

氏はこのコミットメントについては、「日の光も届かない深い井戸の底へ降りていき、その中で手を取り合うような行為」というような言葉表現している。光の一切届かない暗闇、自身身体と周囲の空気現実と非現実境界曖昧になる。死に近い場所だ。

人の日常生活では感知し得ない深い場所心理、そういった部分で他者と手を取り合うこと。自分は氏の言うコミットメントをそのように捉えている。村上春樹はそのような時を経て2000年にこの小説を描き下ろした。

翻って本題の映画はどうだろう。いつも地の底に潜んでいる「地震を起こすミミズ」というモチーフ、すずめが自身ルーツである過去と向き合い、草太と再開を果たした、井戸の底のように現実霊界境界が危うくなる「常世」。何から何までが一対一対応というわけではないものの、通ずる部分があるように思えてならない。

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神の子どもたちはみな踊る」は善悪二元論ではなく陰陽論の物語集だ。

太極図、という白と黒勾玉が互いに合わさって円を作っている図を見たことがあるだろうか。

こんなのだ

白黒互いの勾玉の中心に、相反する色の小さな点が存在する。

善悪明暗などの世の中の事象は二分に切り分けられるわけでなく、互いにグラデーションにように折り重なり、それぞれが互いに内在し合うものである、という考え方であり、太極図はそれを表しているように読み取れる。

太極図について、ちょうど三角関数を学んだとき単位円の中で動径をθに合わせて回したように、円を描くように眺めると良い。

日が暮れるように、徐々に陽に陰が重なっていく。やがて陽がすべて陰に飲み込まれるが、その陰の中心には陽が内在する。

かえるくん、東京を救う」の最後のシーンはまさにそれだ。主人公ミミズを飲み込み、それを夢として目を覚ますが、ちょうど「夢でしかない」くらいの点となって主人公の中に静かに存在する。

この小説中の作品に関して言えば「かえるくん、東京を救う」に限ったことではない。

宗教二世を描いた表題作神の子どもたちはみな踊る」にせよ、バンコクホテル神戸に住む男の存在を思う研究者女性にせよ、海辺焚き火にあたる男女にせよ、自身の中には消して割り切ることのできないもの存在し、それですら目を背けることはできない自分自身なのだ

その点でいえば、主人公すずめを育て上げながらも苦悩を抱えたまま中年期を迎えた叔母や、キャラクターが極端に振れるダイジンのあの姿に、どうしても自分勾玉の形を照らし合わせたくなってしまう。

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映画自体の話に戻す。

我々が当たり前のように立っているこの足元、地面というのは確かなものではない。しかし一方でそれをある程度信頼した上で営んでいかなければならない生活がある。するとその表層上の信頼感によってその奥底にはら危険性をつい忘れてしまう。

東京都心の上空を巨大ミミズが覆い、今にも落ちて地震を起こそうとする。そこで一瞬ミミズ描写が消える。ミミズはすずめと草太にしか見えていないのだ。ずごごごご、と地震前兆のような地鳴りが響いてきそうな予感を、スクリーン越しに観ている我々は感じるが、作中の街ゆく人々はそれに気付かず日常生活を送っている。

そこの描写が本当に良かった。地震はいつもこうやって突然にしかやってこないんだ。そう思わされる。知ってはいるがいつも忘れている。今日この映画館に足を運んだ俺だってそうだった。そう思い知らされる。

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少し自分語りをする。ここは読み飛ばされても差し支えない。

東日本大震災の発災当時、自分東北地方からは離れた実家の部屋で揺れを感じていた。

2回目の大学4年生だったと思う。その年度も卒業の見通しは立たず、試しにやってみた就職活動も上手くいかず(リーマンショック直後の年だ)、大学にも足が向かず、鬱々とした日を過ごしていた。

インターネットに張り付いて、東北地方や東京情報をひたすら追っていた。津波が町の何もかもを薙ぎ払っていく様子が全国に衝撃を与え、日が暮れるに差し掛かり日本全体が絶望に飲まれていくような空気を感じたように記憶している。

当時地元から離れた東京で働いている友人が数名いた。幸いにも彼らに大きな怪我はなく、交通機関による帰宅が困難となり、渋谷から半日かけて家まで歩いた、などという話を聞いた。

日本は強かった。余裕がない中でもそれぞれが自助共助に取り組み、生きながらえようとしていた。各大手企業にしても、サントリー被災地飲料水を発送し、ソフトバンク公衆 Wi-Fi無償開放した。当時流行っていた Ustream では日本若者NHK による被災状況の中継をカメラ撮影して流し、その行為の是非について当時の NHK Twitter 担当者自身責任判断でそれを認め、情報共有を助けた。Evernote有償の容量無制限サービス日本人に向け一時無償提供を行った。

今ではウクライナ戦争真っ只中のロシアプーチン大統領の「ありったけの物資を今すぐ日本に送れ」の大号令のもとに支援を行い、アメリカ軍作戦名 Operation TOMODACHI を実行し日本に対し援助活動を行った。

しかった。社会の一員として何かを為せている人たちが立派に見えて仕方なかったし、事実立派であった。大混乱で帰宅避難がやっとという友人たちでさえ、懸命に行動している姿が眩しく、自分が情けなくなった。俺は何をやっているんだ、と。

あれが人生の転機になった。転んでばかりの青年期、気持ちも前を向かず、ただただわがままばかりでいつも誰かのせいにしてばかりだった生活と、ようやく決別することができた。まずは目の前の事を片付けて四の五の言わずに働けと、アレがしたいコレはしたくないではなくどんなに小さく些細でも社会の中の一コマとして人のために出来ることをせよ、と自分に言い聞かせた。

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東日本大震災から11年。

働き始め、転居をし、新しい人間関係を築き、仕事もも若さでは乗り切れない年になりつつもやり甲斐を感じながら生活をしている。

10年間生きていると色々なことがある。見聞きしたもの体験した記憶は、古いものから後ろに流され色褪せていく。

あの頃自分が感じた、鮮明ではなくなった様々を、しかし、劇場唐突に思い出させられた。「お前はあの時どうだった、今はどうだ」と。

そこに前述の草太のセリフだ。2011年東北地方に向けて自分が抱いた思い。それが忘れられ軽くなっていたところに、この映画は重さを再度伝える石となって自分にのし掛かったのだった。

あの時あの日本社会全体の空気感を体験した人が、今観るのに本当に良い映画だった。難解すぎず、わかりやすく、無駄がない。

新海誠の新作となれば中高生大勢観るのだろう。ただ時間が経つのも早いもので、今の高校生でも発災当時は5,6歳だ。そういった世代災害の恐怖を知る目的ならば「東京マグニチュード8.0」辺りを見ればよい。良い作品だ。

もしあなたが「君の名は。」や「天気の子」のような純度の高い恋愛ファンタジーを、あるいは「秒速5センチメートル」のようないじらしい恋愛アニメを期待するならば、この映画は応じない。

この映画はあの時を生き、その後を生きてきた人へ向けた作品だ。そしてそういう人たちとこんな風に、観た後の感想を共有したい。

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これで最後だ。

東北地方に差し掛かったところで、ドライバーの「綺麗なところだ」というセリフに対し被災であるすずめは「綺麗?ここが?」と無感情な様子で返す。

遠くで震災を感じていただけの自分のような人間と、実際に被害に見舞われ大切な人や物、土地を失った人との間には、やはり件に対する感じ方にはどうしようもなく深い断絶があると思う。

やり切れない想いに対しては哀悼の意を持たざるを得ない。その上で、外野から眺めていただけの立場に立ったこ文章不快に感じる部分があれば、そのような人がいれば、謝罪したい。しかしながら今のところこれが、11年経った今、この映画を観て自分の感じた率直なところだ。

またしばらく経ったら観に行ってみようと思う。

2022-11-15

anond:20221115054812

君の名は。隕石からしてあの震災メタファーなのは明らかだったじゃん

本当はずっと直接の題材にして描きたかったんだよ

前二作で結果が出せたから今回は懸念の声があっても無理を通せたんでしょ

すずめの戸締まり、前二作のほうがよっぽど被災者に失礼でしょ

別に前二作を否定するわけではなくて、比較したらという話ね。

すずめの戸締まり被災者配慮が〜エンタメとしての消費が〜みたいに言われてるけど、

君の名は。とか天気の子のほうがよっぽどひどくない?

君の名は → 人がいっぱい死んだ災害だったけど、なんかすごい力でなかったこしました☆

天気の子恋人と他の人を秤にかけて、災害で他の人がいっぱい死ぬことを選びました☆

どっちも架空災害だけど、誰がどう見ても3.11のことを描いてるし、なんだったら新海誠本人も3.11の影響受けましたっていろんなインタビューとかで言ってるわけよ。

なのに映画内で具体的な名前出したらそれは許さないって人はどういう了見なのかさっぱり分からん

地震アラートが嫌いとかは知らん、あん不協和音みんな嫌いだしびっくりするだろ……。

2022-11-14

【滅茶苦茶ネタバレあり】「すずめの戸締まり世界設定について

この記事にはすずめの戸締まりの重大なネタバレを含みます!!

これから観るつもりの人は回れ右!!観るつもりない人もこれだけ読んでもおもんないし回れ右!!観た人だけスクロールしてくれ!!!




























すずめの戸締まり観てきた

すずめの戸締まりを観てきた。ネットネタバレを踏みたくないのと、たまーにレイトショー映画を観ると気分が良くなるので公開初日レイトショーで。感想としては「すずめちゃんカッコイイな」とか「やっぱ映像綺麗だな」とか「今回はPV演出やらなかったんだな」とか「ドライブしてるあたりが一番面白かったな~」とかそんなところ。個人的には君の名は。と天気の子には及ばないけどなかなかい映画だった。ネットでもいくつか既視聴者感想検索してみたが、刺さった部分の感想は人それぞれでありつつ、それなりに好意的評価が多かったように思う。また、劇中でははっきり名前こそ出さなものの、「東日本大震災」が起こった世界を正面から描き、主人公の追悼と成長を描いている点も、今のところはおおむね評価されていた。一方で、事前の予告では東日本大震災を直接的に取り扱った物語であることは示されておらず(私の知る限りでは、緊急地震速報流れるシーンがあるとかその程度の周知だったと思う。小説読めばわかったらしいけどまぁ読まないよね)、物語後半に割と不意打ち的に311描写があることへのある種の懸念と、個人的嫌悪感を示す人も多少見られたと思う。これらのレビューについて、皆それなりに首肯できる部分もあり、個人の感想と照らしあわせながら楽しく読ませてもらった。でも、これらの世に出てきたレビューを読みつつ、個人的に気になった点が一つある。

みんな「世界観と設定」について、全然話題にしてないな?ということ。この映画の最大の瑕疵、というか問題点になりえるとしたらこ世界設定の部分だと感じていたので。

まりにみんな何も言わないので、匿名ブログを書いてしまった。匿名なのは卑怯といわれるかもしれないが、そもそもブログやってないので…。

すずめの戸締まり世界観と設定

すずめの戸締まり世界観と設定について、私が映画をみた限りでの理解を以下に記す。あくまで私の理解なので、誤っていたらご指摘ください。

  1. 日本列島には、「ミミズ」という意思なきエネルギー生命体のようなもの存在している。
  2. ミミズ日本各地の廃墟に発生する「後戸」を通じて「常世」という裏世界から現世に表れ、災害を引き起こす。劇場内で配布された特典「新海誠本」では災害や疫病を引き起こすと書かれていたが、劇中での災害はすべて地震の様子。
  3. これを止めるためには、「閉じ師」と呼ばれる代々受け継がれた役職者たちが、「後戸」を占める神道的な儀式を行う必要がある。
  4. また、ミミズを封じるために「要石」と呼ばれる半神たちが2柱、それぞれ2カ所に封じられている。作中で閉じ師の草太が無理やり要石にされ、すずめはそれを解除するために奔走する。この要石たちは最初から神ではなかったようで、元々の要石であったダイジン、サダイジンが要石になる前になんだったのかは不明。姿形通り猫だったのか、それとも草太のように人間だったかもしれない。
  5. この世界では(名前こそ直接的にだされないものの)東日本大震災にあたる災害が作中では12年前の3月11日に発生しており、多くの死者を出しているようである。すずめの母もこの時亡くなっている。また、福島県に帰還困難区域が発生している描写から原発事故も起きた様子。
  6. 東日本大震災ミミズのせいで起きたものかははっきりとは明言されていなが、否定するセリフもなく、ミミズによるものと考えるのが自然
  7. 物語終盤、要石の封印が解けたこからミミズ活動が活発化。東日本大震災の起こった東北圏でもう一度大災害が起こりそうになったため、すずめと復活した草太がそれを止める。

どうだろうか。列記すると滅茶苦茶カルトな設定だなと思う。作中ではもう少し自然に描いているのは確かだ。でもそもそもこの映画を観たら、「映画として面白かったかどうか」とは別に「この設定が受け入れられるか否か」がかなり心に引っかかるのではないだろうか。個人的にはちょっとウェッという感じで、この設定使うなら311じゃなくて君の名はのように架空災害として扱うか、もしくは311ミミズ由来のものじゃなかったことを明示しとくべきじゃないかと思った。福島地震に遭遇するシーンでミミズが現れないことから、「あぁ、すべての地震ミミズ由来ってわけじゃないのね…」と少し安心したら、そのあとの「草太さんが抑えてくれてるんだ!」というセリフでずっこけた。ほんとにカルトだよ。

「結局創作なんだからいいじゃん、現実創作は別だよ」という意見もあるかもしれないが、311は実際に起こった災害であり、それを作中で扱ったにも関わらず原因ミミズなんです、はちょっとなんか、私はイヤですね、という感じ。

ちなみに「作中では311は止められなかったのか?」という至極当然の問いに対しては作中では特に答えはないが、ファンコミュニティ間では「そもそも震源地が海だから無理だった」とか「草太の父世代の閉じ師が出てこないことから察せる」とか色々考察があるようである。まぁ書いててむなしくなるような話題である

なお、現実世界の話をすると阪神淡路大震災震源淡路島南部直下型地震関東大震災神奈川県西部東京湾北部山梨県東部震源三つ子地震だったといわれている。作中でもふたつの震災は起こっているっぽいので付記する。

なぜみな口をつぐむのか

上のような設定について、私は「みんな特に何も違和感をもたなかった」とはあまり思えない。みんな「違和感があるけど口にだしていないだけ」なんじゃないか……と、他人心中勝手想像している。ツイッターやインスタ等の短文SNSだったら確かに面白かった!芹澤いいわ~」で終わりだろうけど、ブログレビューサイトで長文のレビューかいててこの世界設定に触れないとかあるの?と思っている。ただ一方で、確かに語りにくいよなと感じる部分もあって、これもその理由を列記する。

  1. そもそも震災の話なので口に出しにくいから。…映画感想ではなく直接的に311の取り扱いに至る話になるため。「すずめちゃんが前を向けてよかった」とか有体な感想をいうのとはわけが違う。それこそ親族が亡くなった人が大勢いるのが東日本大震災であり、うかつに口を出せない。そもそも被災者達の感情が優先されるべきでは?という遠慮が先にくる。
  2. 海監督本人は真摯に描いてるつもりで悪気はないっぽいから。…悪気がないのはわかるので、現時点で強く批判する気持ちにもなれない。
  3. まだファンしか観てないから。…公開から一週間もたっておらず、新海誠ファンしかみていないため、批判意見を言わない、積極的に言おうとしない。

1について、実際の被災者の方はどう思っただろうか。上記の不意打ち的な311描写も含めて、東北劇場では結構トラウマえぐられた人も多いのではと勝手心配をしている。ちなみ当時東京に住んでいて被災といえば計画停電くらいだった私でも、日記のシーンと燃え盛る瓦礫のシーンはちょっと心にきた。

2については皮肉抜きに新海誠尊敬する。「シン・ゴジラ」も「君の名は。」もアフター311映画ではあったが、東日本大震災のものとしては取り扱わなかった。押しも押されぬ超人監督として、期待のかかった商業映画東日本大震災をメインテーマひとつに据えた心意気は本当に見上げたものであると思う。扱い方は個人的にはうーんではあるが。また、ここで難しいのが、すずめの戸締まりにおいて311はメインテーマの「ひとつ」でしかないところである311映画ではない。

3については、これからファン層以外にリーチしたときにどうなるのか気になるところ。例えば金ロー放送したときとかさ。

今後の評価について

現在ネット上で閲覧できるレビューはほぼファンによるもので、おおむね好意的ものが多い。これから本職の映画評論家や、メディアによるレビューが始まるだろう。彼らはおそらくこの世界設定について、ファンレビューのように目をつむることはできないのではないかと思う。上記1のような問題もあり、どのような評価がされるのか気になるところである

ちなみに、IGNJapanの11月12日(公開翌日)付レビューでは以下のような一文がある。

>> しかし僕が気になったのは別のことだ。3.11後の物語性や震災歴史、そして天災を鎮める世界観として神道を引っ張ってくる意図についてはこれからメディアでの評論レビューで嫌になるほど言及されるだろう。そこに自分の関心はあまりない。 <<

この筆者本人は関心がないそうだが、記載の通りよくもわるくも嫌になるほど言及されるだろう。

結局のところ

みんなどう思った?俺はめっちゃ違和感あった。映画のできそのもの否定するわけじゃないけど、世界設定については滅茶苦茶やんけって思った。気にならないって人のほうが多いのかな?

2022-11-12

すずめの戸締まりは失敗する

理由その1:君の名は。効果が天気の子消滅した

君の名は。一世を風靡した新海誠。そのバフで天気の子の初動にブーストをかけることに成功したが、ざんねんなことに天気の子の中身があまりよくなかったため、今作については及び腰になっている層が結構いる

 

理由その2:何度もみたくなる作品ではない

昨今の映画界には興収を稼ぐための方程式が二つある。ひとつは広く多くの人に見てもらう。もうひとつが同じ人に何度も繰り返し見てもらう、だ

100億越えの大ヒットを目指すなら上記二つを両方とも達する必要がある。が、理由1に挙げた通り君の名は。バフが消えているため広く多くの人に見てもらうのは難しい

さらに今作、作風から言って何度も見たくなる映画ではない

暗いし、重い。一部ではPTSDを引き起こすと言われているほどで、エンタメ性が高いとはとてもいえない

 

というわけですずめの戸締りは100億に届くことなく失敗するだろう

『すずめの戸締まりネタバレ感想

めっちゃネタバレから読むとき気をつけてね。











では感想劇場から帰宅して勢いのままに書いてるのでパンフ絵本小説も未見)。

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