はてなキーワード: NPBとは
どれくらい遅いのか?
わかりやすくピッチングの数値で言えば女子プロ野球の平均球速は約110km/hでした。これは中学男子野球の平均球速とほぼ同じです。
つまり女子野球はその最高峰である女子プロ野球リーグでも単純な出力パフォーマンスは中学男子レベルなのです。
女子スポーツのパフォーマンスが低いなら高校男子野球が観戦され続けるのはおかしいという主張をしている人が居ましたが、女子野球に限っていえば高校男子野球のパフォーマンスにすら届きません。
おそらく前述の主張をした人は女子野球は女子プロ野球であれば少なくとも高校男子野球並みのパフォーマンスはあるだろうと期待を寄せての主張だと思うのですが現実を見れば高校男子野球未満です。
女子プロ野球リーグは2度失敗しています。
1度目は日本女子野球連盟(日本女子野球協会)、2度目は日本女子プロ野球機構です。
せっかくプロリーグができても失敗するという実績を作ってしまったのは女子野球の存続へ尾を引いていると言わざる得ません。
ちなみに女子アマ野球はNPBの支援を受けて何とか存続している状況です。
これは男子プロ野球に憧れる少年少女から世界大会野球程度は観るよという大人へ至るまで日本人の持つ野球観戦眼は相当に肥えています。
前段のあらゆるパフォーマンスが遅い女子野球も肥えた野球観戦眼で観るからそう見えるのです。
女子野球をほとんど観戦したことのない方は「女子プロ野球なら言うて高校男子野球レベルのパフォーマンスがあるやろプロなんやし」と思ったかも知れません。
そのように期待して観に行った女子プロ野球の蓋を開けてみれば中学男子野球レベル、言ってしまえば子供の野球を見せつけられるわけです。
攻撃側でセーフになるはずがアウトになる、守備側でアウトになるはずがセーフになる、打てるはずの球が打てず、捕れるはずのボールが捕れない、野球観戦眼が肥えた人たちの目にはそう映り、期待値が高校男子野球な分あまりのパフォーマンスの低さに愕然とするわけです。
この様な野球を男子プロ野球に憧れる少年が観ますか?甲子園に憧れる少女が観るでしょうか?
観ないんですよ、高校男子野球にすら届かない野球を大多数の野球ファンは観ないんです。
これが女子野球の現状です!女子野球を観戦したこと無い人は実際に女子野球を観戦して現実を直視して下さい!
あなたたちの思い込みが女子野球は高校男子野球並みだという誤った偏見を生んでいる!
誤った偏見を持っているからこそ女子野球が解決すべき問題点をピックアップすることに誤りが出るんです!
女子野球は健全野球派で居たいのであれば少なくとも最高峰だけは高校男子野球へ常勝するレベルへ到達する必要があります。
それでは女子野球人口を増やせないと言うのであればロマンス・ブルーバードのように興行野球の容認も辞さないという姿勢が必要でしょう。
私は女子野球観戦者として、元女子野球選手として、女子野球指導者として女子野球への現実を伝え偏見を無くし更なるパフォーマンスレベルの向上が女子野球普及へのカギだと皆様へお伝えしたいのです!
これが女子野球だと、これが女子スポーツだとお伝えしなければならないのです!
現地5/13、ニューヨークメッツ対シアトルマリナーズ戦で在ニューヨークの日本総領事が始球式のためマウンドに向かうもメッツの先発投手マックス・シャーザーが投球練習を続け、無視する形となり、その結果総領事はスタッフに呼び戻されてそのまま試合が開始された。
これが案外、はてぶでもヤフコメでもアジアンヘイト、差別的だとか書かれている。
たしかに初めてみる光景ではあった。でも差別かというと、普段からMLB見ている自分には違和感を覚える点があるので、とりあえず思いつくことを書いてみる。
●そもそもMLBの始球式は、選手が守備位置についているような段階で行われるものではない
始球式中は、ファウルラインあたりで走ったりキャッチボールしたりと選手はまだ準備の時間で、日本みたいに試合開始直前にやることは(たぶん)ない。投手もその時間はブルペンで投球練習してたりで、グラウンドにいない場合が多い。
日本総領事がマウンドに向かったタイミングがNPBでの始球式と同じだったのも、誤解を生んでいる原因だろうね。
そもそも「日米では始球式のタイミングが全く違う」ということを知らない人があの映像を見てしまうと「投手がマウンドを荒らされたくなくて拒否した」みたいなふうに感じるかも。
実際のところ、この日は雨で試合前セレモニーの進行に影響が出ていたらしく、それでいつものタイミングで始球式ができなかったようだ。ただ試合開始は定刻で行われることになり運営が慌ててしまった感じだと思う。
普段MLBではピッチャーがブルペンから出るときにはそういうセレモニー的なことは全部終わってしまっているので、シャーザーに対して何か文句を言うのはお門違い。「気づかないわけないだろ」みたいな意見はあるけど、普段グラウンドでカメラマンに囲まれることに慣れてる彼らの集中力はすごい。
シャーザーの性格を知っている人なら、この場面で声をかけなかった彼の行動は正解だったと思うだろうね。
イチローが投げたやつとかは見たいけどさ、正直興味ないのがほとんどでしょ。日本人が始球式するっていうのもこのニュースで知ったし。普段MLBの中継見てても始球式はよほど面白かったとかじゃないと映されないし。
スポニチの記事だと「大リーグのメッツが「ジャパン・ヘリテージ(遺産)・ナイト」と銘打って開催した本拠地シティ・フィールドでの13日のマリナーズ戦で」とあるけど、実際のところ翌日14日から行われる「Japan Parade」というイベントのプロモーションのために来ている。
球場ではボビー・バレンタイン(元メッツ/千葉ロッテの監督 いまはエンジェルスの解説とかやってる)のビデオメッセージが流れたようだが、日本総領事館のツイッターに載ってたの(https://twitter.com/JapanCons_NY/status/1525225000269144066?cxt=HHwWhICz-dCD2KoqAAAA)と同じだとすると、球場のニューヨーカーたちに「ジャパンパレードやるよ、そしてことしは日本に野球が伝わって150年記念なんだ」みたいな感じだし。
●結局どう?
タイムマネージメントできなかったにもかかわらずマウンドに行かせてしまい恥をかかせることになったメッツ運営側に非があるのは明白。投手、その他の選手を責めるのは間違い。ただ単に運営上のごたごたで試合を優先したまで。
差別かそうじゃないかって、他人が判断するのはすごく難しいと思うよ。勝手に第三者が「あいつは差別主義者だ」「アジアンヘイトが公然と行われてた」とか、言うのは簡単だけどね。
5/1現在も、4/24のオリックス-ロッテ戦における白井球審の騒動が収まらない。
オリックスファンでパ・リーグTVで試合を見た。白井審判については大抵の野球ファンと同様、
態度が悪いのと退場宣告数を誇るような言動は気に入らないが、どちらかのチームにだけ有利不利が偏る判定は少ない点は信頼している。
審判という過酷な仕事内容を考えると6:4で好意が上回るといったところ。
佐々木選手がマウンドから降りたのは事実なので、白井審判はキャッチャーに
「あーいうのは判定への抗議とみなされかねないからアカンよって伝えておいてくれんか」って伝言するのがベストだったと思う。
とは言え今回の行動も、後述するように妥当な行動であり、ここまで責められるものではないと思っている。
(事実)佐々木投手が投球し(ボール判定となった)、1塁ランナーが盗塁し、松川捕手が盗塁をアウトにすべく2塁へ送球した。
(事実)佐々木投手は2塁への送球に伴い、2塁へ振り返った。2塁への送球の結果はセーフで盗塁成功となった。
(事実)佐々木投手は本塁へ向き直り、何か口を動かしながら、本塁側に3歩ほど近付いた。
(推測)このときの口の動きは「うっそ~」だと推測されている。
(事実)佐々木投手は2塁方向へ向き直り、本塁へ背を向けた。とほぼ同時に白井審判がマスクを脱ぎ、佐々木投手へ近づき始めた。
(事実)このとき白井審判は何か口を動かし、左手を広げるような動きを見せた。右手は脱いだマスクを持ち、ほとんど動いていない。
(推測)口の動きから見るに、タイムを宣告していたようだ。一般のタイムのジェスチャーに比べれば控え目なジェスチャーだったかもしれない。
(事実)半ばまで近付いたところで、白井審判が何事か佐々木投手へ声をかける。
(推測)口の動きから見るに「何だ、どうした?抗議?」と言っているように見える。「何だ、どうした?朗希」かもしれない(※佐々木投手の名前が朗希)。
(事実)声をかけられた佐々木投手は本塁側(審判側)に向き直るが、特に応答はしていない。
(事実)声をかけている間に、松川捕手が間に入り、審判を静止するような(右手を審判の胸に当てて進めないようにした)動きをした。
(事実)白井審判は松川捕手の方に顔を向け、一瞬下の方を見たあと、何事か口を動かした。
(推測)口の動きから「何だお前」と言った推測されている。一瞬目線が下に行ったのはおそらく、審判に手で触れるというのはご法度(暴力行為ですぐ退場になる)なのでそこの指摘だったのではないか。
(事実)松川捕手が手を下げ、白井審判・松川捕手ともに本塁側へ戻った。
ボール、ストライクの判定について異議を唱えるためにプレーヤーが守備位置または塁を離れたり、監督またはコーチがベンチまたはコーチスボックスを離れることは許されない。
「本塁に向かってスタート」したことは事実なので、「宣告に異議を唱えるため」かどうかが問題になる。
白井審判は異議を唱えるつもりがあるのか確認するために「何だ、どうした?」と声を掛けに行ったのだろう。
「異議を唱えるつもりがあるのか?」「そんなつもりではありませんでした」「それなら警告しません」というだけの話である。
実際には「何やその態度は、抗議のつもりか」「(無言)」「次やったら退場やからな」みたいな殺伐としたやり取りだったかもしれないが。
ただ、「異議を唱えるつもりがあるのか?」という質問に「はい、異議を唱えるつもりで本塁へ向かいました」なんて答える選手はまずいないので、
キャッチャーに伝言するので十分だったんじゃないかと思うのはそういうことである。
→タイムって言ってるように見えるし、どうせ盗塁成功直後なんてランナーが泥を払うために誰かしらタイム掛けてるだろ。
・不満をあらわにした佐々木投手にはともかく、松川捕手にも注意したのは擁護できない
→佐々木投手に意思確認してるのに、松川捕手が割り込んできたら「お前に聞いてるんじゃないんだよ」って言いたくなるのは妥当。
あるいは審判に手をかけていることを注意したのかもしれず、それも妥当。
・詰め寄ったのに結局退場宣告も(公式な)注意もしなかった。感情に任せての行動である証拠。
→意思確認した結果「宣告に異議を唱えるため」ではないことがわかったので何もしなかったと思われ妥当。明確に「宣告に異議を唱えるため」か分からないのに処分するほうが問題だろう。
→それはそう思う。しいて擁護するなら、今まで審判が注意や判定の内容を説明しないことなんてざらにあったことで、今回の件だけ特別隠蔽しているとかではない。
白井審判の性格上(というかNPBの審判団のスタンスとして)、騒動になったから説明するとかは嫌いそうで、説明するかしないかは審判団が判断するものだと思っているのではないか。
プロ野球の審判って、一軍のジャッジをする人間は最低保証年俸750万円プラス出場手当(球審が3万円で塁審が2万円)っていう薄給で働いてる。
サラリーマンならそれなりにもらってんじゃんと思える額だけど、審判は単年契約の個人事業主だから、収入が安定しない。
佐々木朗希(推定年俸3000万円)どころか、下手したら松川虎生(推定年俸1300万円)より白井の方が給料安い可能性もある。
日本に50人もいない、プロ野球の一軍の試合をジャッジできる人間がこの程度の給料で雇われてるのはおかしいだろ。
クソ審判を生み出す最大の原因は、この状況を放置しているNPBであり、ケチ臭い12球団のオーナー達なんだよ。
お前達も、白井みたいな態度が悪くて無駄に目立ちたがり屋で冷静な判断が出来ない人間を叩くぐらいなら、何も手を打たないNPBに文句を言えよな。
同じくフジロック参加したので、ブコメについて補足説明してみます。元増田じゃなくてごめん!
これが間違いなく一番の課題だと思う。やっぱり強制退場させるぐらいのペナルティを課すほかないんじゃないかな。破ったところで何も不利益がないなら、気持ちよく破る人はいくらでも出てきちゃう。
ステージ前は映像で観るよりは安全だったってことかな。ステージ間移動は木道とか狭いしね、次なに観るとか、あれがよかったとかしゃべるタイミングではあるね。一番はテントと民宿での仲間内での感染だと思うけど
おそらく、現地に行った人と映像で見た人が感じている一番のギャップがここ。ステージ前での感染リスクは低くて、むしろ映像に映っていない飲食・宿泊が危険。「フェスだから」「ライブだから」危険というよりも、集団で飲食・宿泊する機会を設けてしまったのが落ち度だと思う。
客席については、有観客のスポーツ観戦と同程度の感染リスクだと思う。フジロックは屋外だからもうちょっとマシかも。
おっしゃるとおり、配信ではフードやら宿泊やらにお金が落ちないのがネック。フェスは複合的な商売で、それを成り立たせているのはミュージシャンとその運営だけではないのが難しい。
各ステージ配置のスタッフはまったく密ではなく、離れたところにポツポツと一人二人いる程度。例年より多かった、ということなんだと思う。フードの店員さんはわりと密だったのでちょっと心配。
これはもう運営じゃないとわからないので口を出すのは申し訳ないんだけど、間隔については、厚労省の「新しい生活様式」の「最低1m」を守ったんじゃないかな。公式マスクがウレタンなのは謎だけど、発注した以上売らざるをえなかったんだろうか。アナウンスでもサージカルマスク推奨って言ってたし…。
フェス内の感染対策も問題だけど、大きな問題は余計な人流を生んだことだよね。デルタ株はサージカルマスクをしてても、運が悪ければすれ違っただけで移る。苗場周辺や各地から苗場までのルートがすべてリスクに。
デルタ株の流行の様子、デルタ株に関するデータの蓄積、フジロックによる感染拡大の状況が合わさると、今後の大規模イベントのあり方がはっきりしてくると思う。「サージカルマスクをしてても、運が悪ければすれ違っただけでうつる」の度合いによっては、もう当分、大規模有観客イベントの開催は見合わせるしかない。
予想以上の反響にびっくりしているが、せっかくだからいろんな業界のコロナ対策ガイドラインの「最新化状況」を調べてみたよ。
元ネタは、内閣官房の「新型コロナウイルス感染症対策推進室」で紹介している各業界のガイドラインリンクから(https://corona.go.jp/prevention/ )。ただし、リンクの更新が追い付いていないようで、リンク先が古いものも結構あったので、その場合は各業界のHPに行って最新のガイドラインを検索の上、「最終改定日」を調べた。最終改定日が昨年になっているものは今話題のデルタ株どころかイギリス株、インド株、NY株など昨冬から出てきた変異株の考慮が抜けている「実態にそぐわないガイドライン」と思われるため、赤文字にした。
また、さすがに全量は無理なので、業界別にめぼしいものをピックアップした。その結果エンタメ・スポーツ界が中心となっているのはご容赦願いたい。
こうしてみると、エンタメ業界は総じてアップデートが遅れていて、スポーツ界は最新状況をアップデートしている。エンタメ業界は映画館が今年5月と頑張っているが、あとは総じて落第レベル。スポーツ界はほぼ最新状況を取り入れられていて、BリーグやVリーグは今年1~2月が最終更新日とやや古いが、これは秋冬制で公式戦をやっており、今の時点ではまだアップデートが不要だからだろう。一方でボクシングは去年9月が最新のまま。お金の問題かな・・・。
他で目に付いたのはパチンコパチスロ業界と図書館が今年2月と健闘している点と、カラオケボックス業界が今年6月と大健闘している点だ。後者は賞賛に値する。一方で結婚式場業やゲームセンター業のように、昨年5月にとりあえず形だけ用意してあとはほったらかしという業界も存在する。前者は業界が壊滅的だからもう更新体力が残ってないことが推察されるが、ゲーセンは何でだろう。
業界のコロナ対策の力の入れようの評価軸として、このように「どれだけ最新化できているか」を評価してみるのもいいだろう。今回は最終改定日という誰でもわかる基準でやってみたが、中身が真に最新化できているかどうか、医療専門家からの評価を聞いてみたい。
例えば野球は感染対策は選手は別に議論への参加とかしてないし、NPBとかが決めた規則に従ってるだけに見える。
ミュージシャンの社会性云々を問題にするのなら、規則に従えるかって部分の話であって、方式を議論するとかの能力がないことまで責めるのは酷じゃないかなあ
大相撲もあたりもそうね。あそこも専門家呼んで自分たちでガイドライン作るのめっちゃ早かった
ちょうど同じ時期演劇方面は、平田オリザ氏が専門家に相談することもなく無根拠で、対策したら問題なく開催できると豪語し
その後5月ごろ客席の間隔開けたら全然成り立たないと悲鳴を上げていた
みんながみんなJリーグとかNPBとか大相撲とかほどの動きができるとは当然思わないけど、
文句言うだけ言ってなんも考えなしの人さすがに多すぎやわ
これはしょうがないとも思うんだけど、このタイミングで出てくる業界団体の声明も、
他人が決めたガイドラインを遵守します、ってだけで、専門家・医療従事者に相談して適切なガイドラインを模索します、って話はまったくでてこないしね
「プロ野球やJリーグは観客入れてやってるじゃねーか!なんでそっちにも中止や無観客の要請を出さないんだ医師会は!」という的外れな騒ぎを起こしている連中が居るので解説しておく。
まずこれを指摘しておきたい。Jリーグ村井チェアマンが発起人となり、プロ野球や感染学の専門家や政府をも巻き込んだ「新型コロナウイルス対策連絡会議」が2020年春に作られ、そこで1から開催ガイドラインを作り、同年夏から試合という興行を再開に持ち込んだ。新型コロナウイルス対策連絡会議は今でも定期的に開催されており、7月5日に第35回目の会合が開かれている。試合開催ガイドラインも随時更新されており、違反したらチームや選手や観客個人にも罰則がある強制力のあるものだ(この強制力が重要なのだが後述)。そして、もちろん最近のデルタ株やワクチンの動向も考慮されている。ここまでやっている組織に対して、茨城県医師会という一地域の医師団体が何か要望を出せるわけがないのだ。
ロッキンは1日あたり3万人を動員予定だったとされている。ところが、3万人を想定したガイドラインはいまだに日本にない。プロ野球・Jリーグのガイドラインは上限2万人(または収容人数の50%の少ない方)を想定しており、3万人規模の客を正式に入れて試合開催した実績はない。正確には昨年秋に、プロ野球で試験的に3万人前後の客を入れた実績が数試合あるが、あくまで空気の流れなどを測定する試験目的で行われたものだ。試験結果のフィードバックは公表されていないが、その試験からわずか1か月半後に感染爆発が起きて2回目の緊急事態宣言に至ったことや、(結局ほぼ無観客になったが)五輪の観客数を「1万人」に制限する方針が少し前に政府から出たことを鑑みると、試験結果は感染拡大防止の観点で芳しくなかったと推察される。つまりロッキンの規模に応じたガイドラインはいまだに存在しないのだ。
ロッキンは例年、開催期間中に熱中症の客が多発し、近隣の医療機関はその対応に追われる。その考慮も加えたイベント開催ガイドラインもいまだ日本にないのだ。先述のプロ野球・Jリーグのガイドラインは、そもそも炎天下の中での試合実施を想定していない(正確にはJリーグの3部では夏の日中帯試合も一部あるが、その試合の観客は多くて2000人にも満たない程度なのでロッキンとは比べ物にならない)し、他の音楽系イベントのガイドラインも同様だ。
プロ野球・Jリーグのガイドラインには、違反者への罰則も含めた強制力のあるものとなっている。チームが違反したらJリーグだと最悪勝ち点剥奪の罰則があり、実際コロナ関連で選手登録ミスをやらかした浦和レッズが当該試合の結果を0-3の敗戦扱いにさせられた実績がある。この試合自体は元々2-3の敗戦だったので勝ち点変動はないが、得失点差がマイナス2となったので、後々の順位変動に影響が出てくる。また違反した選手は最悪解雇になるケースもあり(岐阜に飛ばされた柏木陽介の事例や、昨年西武を解雇になった相内誠の事例など)、客ですら、マスクをしていなかったことで数試合入場禁止になったケースもある。
このように強制力のあるガイドラインがあるからこそプロ野球とJリーグは客の行動を制御できるわけであるが、多数のアーティストによる合同イベントであるロッキンのようなフェスでは、そのような強制力のあるガイドラインは作れない。アーティストが違反しても運営側は何もできないし、客が違反しても入場禁止処分を施すことが出来ない。施したとしても他のイベントに行けばいいだけであって実効性がないのである。だからロッキンは客の行動を制御できず、性善説に頼るしかなくなるのだ。
今回のように「中止」という判断も普通にあるとは思うが、熱中症リスクが下がる秋に延期したり、スポーツイベントなどで散々実績のある1万人規模に抑えるとかの案は取り得たはずである。
どうしても3万人集めたいのなら、それは日本と言う国として前例がない規模・時期のイベント開催となるので、国家レベルで医療の専門家や政治家などのステークホルダーを巻き込んで、プロ野球・Jリーグのガイドラインの上位となる興行ガイドラインを作り、それを遵守できるような運営態勢を整える・・・そこまでやるべきだった。茨城県内の自治体や医療機関との連携程度で済ませるレベルの話ではなかったのだ。
これは増田の推測だが、イベントが近くなって、医療機関との連携部分でロッキン運営と現場の医療機関との間でもめて、医療の現場から医師会にエスカレーションが行われたのが医師会からの中止要請に繋がったのではないだろうか。
簡単に言えばステークホルダーマネジメントに失敗し、中止と言う選択肢しか残らなくなってしまったのが、ロッキン中止の本質だと増田はみている。コロナ禍で一人一人が言いようのない不安に毎日襲われているからこそ、ステークホルダーマネジメントは重要なのである。それに成功してイベントを開催できているのがプロ野球とJリーグで、失敗してイベント中止に追い込まれたのがロッキンという構図なのだ。
「団体の強さや規模の違い」というコメントがちらほらあるので反応しておく。そういう点は確かにあるだろうが、実はJリーグの村井チェアマンは自分達が作り上げた仕組みを他業界にも役立てたい意向を持っており、「他の業界からの相談にはいつでも乗るので相談して欲しい」と兼ねてから公言していた(1年前に報道されていた)。ロッキンの主催者がJリーグまたはNPBに一言相談持ちかけていれば、それだけでもだいぶ展開は異なっていたのではないだろうか。J2の水戸ホーリーホックがロッキンと関連させたホームゲームイベントをやるくらいだし、相談ルートはいくらでもあっただろう。実際は相談していたのかもしれないが、ロッキンの中止プレスリリースで出てきた協議相手に「医療側」「専門家」というフレーズが無かったから、ロクに専門家サイドには相談していなかったと思われる。
ツイッター眺めてたら「違和感がある。ロッキングオン社は5月の1万人規模のフェスで人流のデータを取っていたから」という反応と、「スポーツのほうは(茨城県医師会が要求した)会場外の行動にまで触れてないだろ」という意見があったので反応しておく。
前者についてはその取組自体は良いことだし、ロッキン側もフェス実施に向けて努力していたのは否定しない。だが、この増田はステークホルダーマネジメントの誤りを指摘するものであり、ロッキン側が自分達でデータを取っていたからというのは反論にすらならない。ずれている。
後者については、Jリーグのガイドラインは客の会場外の行動にまで触れている節がある。内容は「サポーターが会場外で集結しないような取組を各チームに求める」という簡素なものだが、この一文があることでJリーグチームのサポーターは会場外で大人数で集まることを自粛せざるを得なくなるのだ。集まってることがバレたらチームが罰せられてしまうからだ。茨城県医師会はそういう規定までスポーツ側は用意していたのを知っていたのかも知れないね。鹿島アントラーズとはPCR検査会場の提供などで協力関係にあるし。ロッキン側も、実効性はともかく「ファンが会場外で集結しないような取組を出演アーティスト側に求める」という一文を書いて公表することをやれば、茨城県医師会は折れてくれたかも知れないね。
あとついでに書いておくけど、ロッキン中止に対して怒りの声を挙げたRADWIMPSの野田洋次郎が直後に飲酒泥酔大規模誕生日パーティーやってたネタをすっぱ抜かれたのは美しいと思いました。JとNPBのガイドラインに照らし合わせたら、初犯で当面の間試合出場停止、再犯で解雇になるレベル。
五輪は?という問いが複数あるので触れておく。五輪については、JとNPBとの比較という観点では無観客が妥当と考えている。
NPBは試合数が多いという特性上、試合のために都道府県をまたいだ多人数の移動は発生しづらい。発生するのは首都圏チーム同士の対戦くらいだ。
逆にJリーグは同じチームとのアウェイゲームが年に1回しかないという特性上、都道府県をまたいだ多人数の移動が発生しやすいが、いまは収容人数を絞ってることで1試合あたり1000人を超える都道府県をまたいだ移動はまず起きないし(県外客が元々多い鹿島は例外だが、彼等は基本直行直帰だ)、さらに対戦相手が緊急事態宣言地域のチームである場合はアウェイサポーター席は用意されない。つまり今緊急事態宣言が出ている東京都と沖縄県のJリーグチームのサポーターはアウェイの試合を現地に遠征して観ることが出来ない。このようにして都道府県をまたいだ人流を抑えている。
五輪はそのような都道府県をまたぐ移動を抑制できる特性も仕組みもないので、東京都に緊急事態宣言が出た時点で、オール無観客にしないとJやNPBと比較しても平仄が取れないし、だから無観客で仕方ないと考える。
まずJAPAN JAM。これはやったのが5月であり、人数は2万人規模。この増田で指摘しているロッキンの「3万人+炎天下」の条件に合致しない。
それから今後予定されているフジロック。これも1日あたりの人数は2万人規模を想定していると聞いている。つまり実績のある人数規模。また苗場でやるので熱中症リスクは低地開催の他フェスと比べて低い。ただそれでも日差しが出ればリスクはそれなりにあるので、日照が強い10~15時は避けて開催すべきなんじゃないかなと個人的には思っている。それでも省庁や地元を適切に巻き込めているようなので、予断は許さないが、開催にはこぎつけられるんじゃないかと思う。というか開催されて欲しい。増田の知り合いには音楽業界で飯食ってる人も何名か居るし、彼らが「またイベント中止になった」と悲鳴を上げる姿を見るのはそろそろ打ち止めになって欲しい。