はてなキーワード: ルーとは
例えば、カレーはルーの箱の裏に書いてある通りに作れば、一応及第点のものが出来る。
その上で、具を小間切れ肉と玉ねぎだけにしてしまえば、包丁使うのは玉ねぎ切るだけで煮込みは省略という、まさに簡単で美味しいレシピとなる。
このうち、特に重要なのが包丁を使う手間で、キッチンシンクが低すぎる状態で料理する方としては、包丁仕事を極力無くしたいのだ。
ちなみにフードプロセッサーはない。
他に圧力鍋も低温調理器もないし、クソ田舎のスーパーとコンビニで買える食材しか入手できない環境。
あれも、絶対に切らなきゃいけないのは豆腐とネギだけとか、これ以上ないくらい素晴らしい料理だ。
しかし…フレンチとイタリアンには、こういう簡単かつ時短なレシピがマジでない。
あれも切る、これも切るみたいなのばっかりな時点で、作る気が一気に失せる。
どうにか作れそうなのはパスタくらいだけど、正直全然興味ないし。
なんかいっぱいブコメやトラバが付いてるんで、気になったものだけ返答してみる。
○ハードルが高い
カレーだけど、日本のカレーって手早くできて美味しいのも魅力じゃん?
そりゃブコメにある通り、フレンチの技法で小麦粉とバターでブラウンルーから作るのが正統派なんだろうけど、素人がそんだけ時間かけても、かけた時間だけ美味しくなる保証はないわけで。
もし奇跡的に美味しく出来ても、そんだけ時間かけたら美味しくなるのは当たり前だし、個人的にカレーにそこまで時間かけたくないわ。
麻婆豆腐はCookDoじゃなく、豆板醤と甜麺醤買って作ってる。てかこの2つとニンニクだけは、どんなレシピで作ろうがマストっていう。
ちなみにニンニクはチューブのおろしニンニク。包丁使いたくないから。
あと幸いなことに、豆鼓もウチの地元で小袋のやつが買えるので、刻まない代わりにキッチリ20粒数えて入れてる。
別になくたって問題ないけど、口に入れた瞬間の味の深みが違う。うまく風味が出た場合、昇天モノの味わいになること請け合い。
イタリアンは、トマトとニンニクと唐辛子の扱いががそもそも難しくて、パスタに興味なくした理由でもある。
トマトの酸味・ニンニクの臭みを出さず、旨味とコクがあるトマトソースを作れなかった時点で、乳化したペペロンチーノとか、半熟クリーミーなカルボナーラとか以前の問題。
あと唐辛子は種と胎座取るのめんどい。でも取らないと辛くて食えねえし。
フレンチのソースって、なんであんなに魅力的な味なのに、それ以上に発狂レベルで作るのめんどくさそうなんだろうね?
エスパニョールとか、あんなの火力命のプロ仕様な中華以上に、プロが厨房で仕込むの前提だったりするし。
日本含む東アジア・東南アジアは、気候的に「うっかり腐らせた/カビたものを試しに味見したら美味しかった」が多発したおかげで旨味たっぷりな発酵調味料が発達したっぽいから、それがフランスとの決定的な違いになった気がする。しらんけど。
あのさ、
自宅待機でテレワークなんだけど、
早めのパブロン!って勢いで怪しく思い自ら自宅待機していたから東京のメンバーは濃厚接触者では無い説濃厚らしく、
そこは無きことを得たのか事なきを得たのか
どちらでもいいけど、
コロナで亡くなられたときコロナで亡くなったか公表しますか?しませんか?って選択できるらしくって、
それカウントされないようにしている人も含めたら、
もっと随分多い数らしいって事を
ひた隠しにしているようよ。
うーん、
身近にコロナが迫ってきてる感じがする恐怖、
このコロナ禍の中でコロナの話しをする頃なのかも知れないわね。
自宅と事務所の往復なので
遠出の遠方には遠征していない
まん延の
まんを平仮名で書くから緊張感に欠くこともないことないかしら?って
あそこも全部漢字で書くべき緊張感を漂わせた方がいいと思うのね。
台湾の方が営んでいる私がよく行くお店なんだけど、
ここは持続給付金とか飲食店とかそう言う類いのはやってないのかしら?って一抹の不安にも駆られるけど、
なんか飲めるっぽくって
超常連だったらこっそり湯呑みにワインを注いで出してくれたりして内緒だよって言うところのお店も多いって聞くし
世間はやっぱり飲みたがっているのかしら?って思うけど、
これ以上何を気を付けていいか、
しっかり消毒してマスクして、
フェスには行かないようにするとか。
家に籠もってゲームするしか娯楽がビール以外に無いのも辛みだわ。
家のビールの消費量が累計で試算すると経済産業省がビックリするぐらい
缶のゴミの日に出すゴミ袋にたまった空き缶をみてドン引きするわ。
焼け石にファイヤーよね。
ちょっとでも
周りにそういう感染者の話を聞くと緊張感が漂うわ。
こないだ銭湯でご一緒になった人、
しばらくお見かけしなかったと思ったら
いまはコロナ直って復帰したけど、
臭覚や味覚は正常の頃を10として今でもまだ2ぐらいな感覚しかないのよねーって言ってて
ならないに越したことはないのでならないようにしなくちゃね。
気を付けないとね。
鶏のムネ肉をふんだんに使ったサンドイッチで
これも美味しいわねって思ったわ。
ここんところ夜肌寒くなったような気がするし、
キンキンに冷えたウォーラーも寒さ覚える頃なのかも知れないし、
まだ暑さもぶり返すって言ってるし
もうどうなることやらって感じよ。
すいすいすいようび~
今日も頑張りましょう!
せやな。
体制ってのが政府側、ルールを作ってたりお金を刷ってたりする一番大きな外側の話やからな。
国営の悪の組織や海賊があったら「体制側」なわけで、その大雑把なルールで利益を産んでるルーチンに対しておざなりにされて不利益を受けてる側が対抗するのが反体制よな。
ただデカいだけの組織に従っていたら体制かっていったらそれに近いけど、一番がつかないとな。
国なり法律なり価値観なりを自在に操れる立場って所とそれを理不尽にも強要できるってところが体制ってところだな。
俺はその列挙されたものほとんど読んでないが、呪術高専は高専といっているけど国家からの依頼をうけたって話みたことないな。
大量殺人とかなったときとか人死にがでたときとか、国がもみ消してるとことか出てないと思うけど、出てないなら私設集団って可能性もあるよな。
キメツもそういう血筋の一家が組織化して戦ってる闇の組織みたいなもんだよな。ほかの刀鍛冶一族とかなんとか一族みたいなのと交流あるみたいだけど無残様を政治利用したり国家予算で隊を支えたりしてないよな。
どっちも殺人をして隠蔽はしてるかもしれないが「殺人許可」はでてないよな。
ほかも騎士団っていっても施設なのか属国の国営なのか、大国の国営なのか連邦の所属なのかで変わるよな。
昨日まで国家のための聖戦に参戦してた英雄だったのに今日から敗戦国の犯罪者みたいな話もあるというかそういう立場の話が「体制反体制」だよな。
裁量労働でない仕事したことないからルーチン的な仕事の方が想像できない…。でもルーチン仕事だと向いてなくてすごい無能になりそう。
まあでも増田は頑張ればもう少しマシな仕事に就くくらいはできる能力ありそうだけどな。俺の弟達も努力さえすればもうちょっとマシになれると思うんだけどね。
ロラパルーザ、約40万人が集まったフェスでコロナ感染者は203人だった
https://front-row.jp/_ct/17475012
全米のワクチン2回接種率は50%、デルタ株の感染に対する有効性は78%、総体としての免疫は 50% * 78% = 39% (感染しやすさは61%)
フェスの参加者は90%(以上)が接種済みなので 総体としての免疫は 90% * 78% = 70% (感染しやすさは30%)
フェス後14日の間に 全米で337万人/3.282億人 = 1.0% が感染
フェスの参加者は、ワクチン90%の恩恵を受けていることを考慮しても 40万人 * 1.0% * (30%/61%) = 2000人が感染してもおかしくないのに、実際は203人だった
というわけで、めちゃくちゃに大雑把な計算だけど、フェスの参加者は全米平均よりずいぶん感染率が低かったように見える。
この計算のあやういところは
ほかにもあるかも。
自分たちで何もしないからこそ結果に責任を負いたくないんじゃねーかな?
左から右にモノ動かしてるだけだとドンドン楽なルーチン仕事だけしてチンタラ生産性低く暮らしていっていう官僚的な性格になっちゃうアレだと思う
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/081300399/?rss
たとえ衝突しても、6600万年前のチクシュルーブ衝突のように大量絶滅を引き起こすおそれはない。そのとき衝突した小惑星の大きさは約10kmだったと推定されているが、ベンヌの直径は約500mしかない。
500mもあるやん!!!!!
それでも衝突した地域は壊滅的な打撃を受けることになる。
危険な接近は、ほぼすべて2100年代後半から2200年代前半に集中している。
気がついたらさ、
もうこんな時間よ。
でも昼夜寝食を忘れてやってたら、
体重が5キロぐらい減っててこれダイエットにいいかも!なんて思いながら、
辛いわーランク上げ。
最初誰にも気付かれてなくてガチエリアマッチではこれで結構貢献して勝ててたんだけど、
やっぱりみんなバカじゃないのね。
やっつけに来るのよ!
そんなお盆休みそんなことばかりをやってたわけじゃないんだけど、
今日は本当に1日フリーだから何しようかな?ってうとうとしていたら、
お昼寝してしまっていて、
1日無駄にしてしまったようで無駄にしてないのかもしれないし、
これは全く本当かどうだかわからないわ。
おかげですっかり書くことも忘れていたし、
でも午前中の早いうちに書いちゃおうかと思ってたんだけど、
だから本当は今日は1日部屋の片付けでもしようかなと思ってたんだけど、
つまり事務所に行くから片付けしなくてもいいって理由付けになっちゃってて、
部屋の片付け苦手なのよねー。
事務所に行ってた説もあり得る濃厚だわ。
いっちょやったろか!って張り切っていたけど、
すっかりお昼寝よ。
眠り姫だわ。
誰か起こしてよ!とも思うわ。
そんでこれからちょっとスプラトゥーン2をやるとするじゃない、
これ恐ろしくない?もう1戦もう1戦ってついつい勝つまでやってしまうあの何ギャンブル性のやめられない感じ、
これが恐ろしいわ。
結局やっちゃうのよね。
だからもう
そうするとスッキリサウナで汗かいてまたスプラトゥーン2が捗るでしょ?って
違う違うそうじゃないってね。
でわでわ。
ご飯残っていたので、
すいすいすいようび~
今日も頑張りましょう!
お盆休みに積みゲーを消化していて、たまたまさばくのネズミ団というゲームにハマってしまった
眠る事も食事する事も忘れてひたすら、製造のルーチンを組むのに没頭した
Unrailedやスターデューバレーみたいな作業ゲーが好きな傾向にあるからどハマりしてしまった
途中後頭部の痛みがあったので、ゲームをアンインストールして気晴らしに外に出た
それが一昨日の話
休み明けまでの宿題になっていた仕事を片付け用としたが、後頭部の痛みがひかない
昨日も寝ようとしたら頭の中でネズミがぐちゃぐちゃと頭の中を這いずり回っている幻想に悩まされる
川の音を流しながらじゃないと眠れなかった
何気なくボケーっとやってたけど、数十匹にも及ぶネズミの仕事を監視するのは頭に物凄い負担がかかっていたんだなと実感する
世の中には腐敗しきった政党に対してポンポン投票する奴が、その党が一強になってしまうくらい沢山いる。
そうかと思えば、はてなにはその腐敗しきった政党にすら遥かに劣るカスみたいな支持率の政党に自信満々で投票して、強い言葉で他の政党を馬鹿にしてるような奴が一つのクラスタと言えるくらいにいっぱいる。
この世のカレー屋さんでいちばんおいしいと思っている大好きなお店が突然閉店した。
お店に入った瞬間おばあちゃんちに来たようなあたたかさがある雰囲気に呑まれ
そこのおかあさんとおとうさんが上品に明るくいらっしゃいませと出迎えてくれる。
「ポークカレー、ワンでーす♪」と復唱するおかあさんは昭和レトロな落ち着いた雰囲気と合っていて
食べる前の雰囲気からもう満足で幸せなのでこのままお会計しても
ポークがホロホロしていて口の中でとろけながらルーの味と絡まりあうのである。
食べながらつい笑顔になってしまう美味しさだ。なんでこんなに美味しいのだろう?
こんなおいしくて雰囲気のいいお店を千円以下で味わっていいのだろうか?と
途中でおかあさんが笑顔で「お水おかわり♪」とついでくれる。
あったかい雰囲気を保ちつつ、周りのお客さん達への気配りも素晴らしく、
ホール全てワンオペでこなすおかあさんのホスピタリティにもうっとりする。
それを陰で見守りながら美味しい美味しいカレーを作っているおとうさんもすごいしとても素敵な夫婦だと思っている。
そんな素敵なカレー屋が突然閉店しただなんて。
どこに悲しさや寂しさをぶつければいいのだろうか。
先月立ち寄った際に最後の一口を味わっているときになんとなくだが(この一口が最後かもしれない、、なんでだろうもう二度と食べられないかもしれない)
と嫌な予感がした。だからこれからも変わらずに長く長くこのカレーが食べられますように。と心の中で祈りながら店を後にしたのだが
本当に勘が当たってしまった。こんなにうれしくない予感的中は今まであっただろうか。
とは言っても、どんなに悲しんでもカレー屋さんが閉店した事実は変わらない。
色々な事情があってのことだろうしこちらファンが復活してという権利はまるでない。
でもこれだけは言わせてほしい。
私の人生の中でいちばん美味しいと思えるカレーと出会えたことと、素敵な空間を提供してくださったカレー屋さんのおとうさんおかあさんには感謝申し上げたい。
7月25日の13時から行われた東京オリンピック 女子ロードレースで起こった奇跡について書いた前回の記事(https://anond.hatelabo.jp/20210727115101)が思いがけず多くの人に読んでいただけたようなので、その時に2位となったオランダ選手についても解説してみました。
そう、前にいたキーゼンホファー選手を見落として自分が1位だと思ったまま、2位でゴールしてしまった彼女の物語です。
名前はアネミーク・ファンフルーテン、1982年生まれの38歳です。
38歳という年齢は選手として決して若いとは言えませんが、現在でもスペインのプロチーム「モビスター」に所属し、エースを務めています。
「エース」というのはそのチームで1番の実力者であり、チーム全員が力を合わせて1位を取らせる人です。
他の選手は「アシスト」となりエースの前を走って風よけとなったりしながら、エースの脚を温存させてゴール前まで送り届けるのです。
そんな彼女が自転車競技を始めたきっかけは、2007年にオランダのワーゲニンゲン大学で疫学の修士号を取得した頃に、同時に楽しんでいたサッカーを膝のケガのために止めることになり、自転車競技に参加するようになったそうです。
スタートは遅かったですが、その後順調に自転車選手としてのキャリアを積み上げ、2009年にはプロチームと契約し、2012年のロンドン五輪では4人のオランダ チームの一員として女子ロードレースに参加して、オランダの選手が金メダルを獲得するのに貢献しました。
そして、2016年のリオ五輪にもオランダ チームの一員として参加しました。
しかし、ここで今回の東京オリンピックで何としても金メダルを獲得したい理由が生まれてしまったのです。
リオ五輪の女子ロードレースは全長137kmのコースで行われ、彼女はゴールまで残り約10㎞という地点で2位に差をつけて単独1位となっており、金メダルをほぼ手中にしていました。
しかし、そこは前日の男子ロードレースで複数の選手が転倒して鎖骨や骨盤や肩甲骨を骨折するという事故が発生していた魔の下り坂だったのです。
そして、ファンフルーテン選手も右カーブを曲がる際に一瞬後輪がスリップしてコントロールを失い、かなりの速度で落車して頭から地面に叩きつけられてしまいました。
その結果、重度の脳震盪と腰椎の3か所を骨折し、直ちに集中治療室に搬送されるという大ケガを負ってしまったのです。
レースは当然、リタイアでDNF(Did Not Finish:ゴール出来ず)扱いとなり、同じオランダの選手が金メダルを獲得しましたが、彼女自身はメダルを手にすることは出来ませんでした。
そんな経験をしている彼女が今回の東京オリンピックでの金メダル獲得に並々ならぬ意欲を抱いていたことは想像に難くありません。
リオ五輪で大ケガをした彼女はその後、事故から10日目には自転車に乗り始め、その年のベルギー ツアーというステージレースで総合優勝を果たすというとんでもなく順調な回復を示しました。
ステージレースというのはオリンピックのロードレースのように1日で終わるワンデーレースではなく、様々なステージ(コース)を舞台として何回もレースを行い、その総合成績で勝者を決めるという形式のレースです。
2016年のベルギー ツアーは全4ステージ、4日間というものでしたが、有名なツール・ド・フランスというような大きな大会になると、今年は全21ステージ、2度の休憩日をはさんで全23日間で3,383kmを走破するという過酷なものになります。
彼女はその後の4年間も様々なレースで勝利を重ねており、万全な体制で東京オリンピックに乗り込んできたものと思われます。
またチームとしても、パレード スタート後あまりの暑さに冷たいボトルを無理やり背中に突っ込んでいる選手もいる中、オランダ チームの4人はオレンジのジャージの上に揃いの白いアイスベストを着ていたことから準備万端整えてきたことが伺い知れました。
ちなみにパレード スタートというのは、今回のコース全長147kmのうち最初の10㎞は観客への顔見せのため、選手全員が先導車の後についてゆっくりパレード走行するというものです。
TVのニュースやネットで自転車の集団が神社の境内に突入していく映像を見た人もいるかもしれませんが、あれはパレード走行中の映像です。
さすがに多くがプロの選手とはいえ、本気で走っている時にあそこを集団で走り抜けるのは無理があるでしょう。
また、パレード走行中も選手同士は集団の中でどの位置を確保するか戦略を巡らせています。
オランダ チームは4人並んで集団の先頭を堂々と走り、キーゼンホファー選手はスタート直後から最後尾を単独でずっと走っているのが確認できます。
そして、10㎞を走ってアクチュアル スタート地点の是政橋を過ぎたところから、本当の戦いに雪崩れ込んでいったのです。
レースは前回の記事で説明したように、スタート直後にキーゼンホファー選手を含む5人が飛び出して逃げ集団を形成し、しばらくは何事もなく進んでいきました。
ところで、逃げ集団は最後にはほとんどの場合、メイン集団に追いつかれてしまうのになぜ良くつくられるのでしょうか。
理由の一つは、万が一にでも勝てる確率があるからです。逆にメイン集団に残った場合、ゴール前までついていけたとしても「ゴール スプリント」と言われるゴール前数十メートルから数百メートルで行われる最後のラストスパート争いに「スプリンター」でないと勝てないからです。
スプリンターというのは長距離は苦手だが、短距離を爆発的な加速力で速く走るのが得意という選手のことです。
特に今回のオリンピックの場合、国毎に参加人数が違うので単独で参加している選手はスプリンターであっても、他の国がスプリンターにアシストを付けている場合、ほとんど勝てる可能性は無かったでしょう。
メイン集団にいると先頭付近にいないとカメラに映ってもほぼ分かりませんが、逃げ集団であれば必ずカメラに映れます。
目立ちたい理由は選手によって「家族に見てほしい」や「より良いチームにスカウトされたい」というものがあるようです。
さらに、有力チームが逃げ集団に選手を送り込んでおくというのもあります。
万が一、逃げ集団が逃げ切ってしまった場合でも勝利の可能性を残しておくという目的もありますが、逆に逃げ集団のペースをわざと遅くさせて、確実にメイン集団が追いつけるようにするという目的の場合もあります。
そしてレースに戻ると、ゴールまで残り約80km弱の地点に近づいた時にそれは起こりました。
ファンフルーテン選手の前を走っていた選手が突然、転倒したのです。
実は前日の男子ロードレースでもまったく同じ場所で5人が落車するという事故が起こっていました。
道路に横たわった選手と自転車を前に彼女もブレーキを掛けますが止まり切れず、相手の自転車に突っ込んで前に投げ出される形となりました。
映像を見ると分かるのですが、2車線道路の中央部分に細い溝のような部分があるのが見て取れます。
どうやら、この部分でタイヤを取られて転倒してしまったようです。
バイクや乗用車のタイヤの太さなら問題ないのでしょうが、ロードバイクの細いタイヤにとっては危険な構造になっていると思われます。
今後もし、同じコースでロードレースが開催されることがあれば何らかの対策が欲しい所です。
幸い速度が落ちていたため大きなダメージは無かったようで、彼女は直ぐに起き上がりました。
しかし、2台の自転車は知恵の輪のように絡み合ってしまってはずれません。
すると、サポートカーから降りてきた男性が2台を引き離してくれ、転倒した選手の自転車は交換となりましたが、ファンフルーテン選手はそのまま自転車に乗り、再び走り始めました。
しかし、落車した瞬間はリオ五輪の悪夢が脳裏をよぎったことでしょう。
ロードレースでは暗黙の了解として、落車した選手がいた場合などは集団のスピードを上げずに、その選手が集団に復帰してくるのを待つという慣習があります。
また、サポートカーを風よけにして後ろを走るのは普段は許されませんが、こういう時は暗黙の了解で許されたりします。
そうして、メイン集団に復帰してしばらくすると、ゴールまで約60kmの山伏トンネルの手前でアタックを掛けて先行し、一時はメイン集団から1分以上先行しました。
しかし、それでも逃げ集団との差は5分以下には縮められず、ゴールまで約30㎞ぐらいの地点でメイン集団に戻ってきてしまいました。
さすがに5分以上先行している逃げ集団に一人で追いつこうというのは無茶だったようです。
レース後のインタビューで3位になったイタリアの選手が「逃げ集団を追う責任はオランダにあった」と言っていますが、これもロードレースの暗黙の了解のひとつで、そのレースで一番強いと思われているチームはメイン集団をコントロールし、レース終盤に確実に逃げ集団に追いつくよう集団のペースを調整する責任があるという考え方が下敷きにあります。
今回オランダ チームはその責任を果たすことが出来なかったわけです。
ファンフルーテン選手が山伏トンネルの手前で逃げ集団を追うべく先行したのはタイミングとしては正しかったと思いますが、さすがに一人で追いつくのは無理なので他のオランダ チームの選手も同調して動くべきだったと思います。
これは単に無線が使えなかったからというよりは、誰がエースで誰がアシストをするかというチームとしての戦略が徹底されていなかったか、あるいは最初からそんな戦略が無かったように見えました。
オランダ チームの4人はそれぞれがすごい人ばかりなので、調整がつかなかったのかもしれません。
終盤はメイン集団の先頭をオランダ チームの4人が並んで引っ張るシーンもありましたが、時すでに遅しで富士スピードウェイに入ってから2位と3位のイスラエル、ポーランドの選手には追いつくことが出来ましたが、キーゼンホファー選手の背中を見ることは最後までありませんでした。
そうして前にキーゼンホファー選手がいることに気がつくことなく、彼女は自分が1位と信じてガッツポーズをしながら2位でゴールラインを越えたのです。
ゴール時のガッツポーズは暗黙の了解として1位の選手のみがするものとなっているため、彼女が自身を1位だと思っていたのは明らかでした。
ゴール後に自分が2位だったことを知らされ、レース後のインタビューで「銀メダルでも美しい」と答えたファンフルーテン選手の胸中はどのようなものだったのでしょうか。
仮に現国の試験で「この時の選手の心境を説明しなさい」という問題があったら、いくらでも書けそうな気がします。
女子ロードレースが行われた3日後の7月28日、彼女は富士スピードウェイのスターティング グリッドに自転車に乗って立っていました。
個人タイムトライアルというのは、ロードレースと違い数分間隔で選手が一人ずつスタートし、単独走行でゴールするまでのタイムを競うという競技です。
今回は富士スピードウェイとその周辺道路に全長22.1kmのコースが設定され男子は2周、女子は1周します。
それも22.1kmを30分13.49秒というタイムで走り切り、2位に約56秒差という圧倒的大差をつけての1位でした。
この差がどれだけ圧倒的かというと、2位と3位は4秒差、3位と4位は7秒差、4位と5位は4秒差でしたので、どれだけ彼女が頭抜けた選手なのかが良く分かります。
最後の走者がゴールして金メダルが確定してから表彰式が終わるまで、ずうっと嬉しさ爆発という感じで喜びの表情だったのが印象的でした。
歓喜の様子はNHKの見逃し配信(https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/list/sport/cycling/)で「女子個人タイムトライアル」とタイトルに入っている動画の1:12ぐらいから見られます。
しいて言えば、タイムトライアル競技のコースというのは普通、平地が主体のコースとなるのが通例なのですが、今回は富士の裾野にある富士スピードウェイとその周辺道路がコースとなったため、タイムトライアル競技としては珍しく上り下りの多いコースとなっていました。
そのため、タイムトライアル競技に特化した選手は記録があまり伸びなかったものと思われます。
それでも彼女と同じオールラウンダー型の選手も大勢参加していたので、彼女のすごさは変わらないでしょう。
しかもレース後のインタビューによると、タイムトライアル用の自転車にはDHバーという肘を載せるパッドがついた前に2本の棒が突き出した形の部品がハンドルの上に付けられているのですが、棒の先っぽにギヤの変速(シフト操作と言います)を行うためのレバーやスイッチが付いています。
このスイッチが本番で機能しなくなり、ハンドルのブレーキバーについている本来のシフトレバーを使うしかなくなってしまっていたそうです。
シフト操作自体は出来るとはいえ、タイムへの影響は避けられなかったでしょう。
それでもこの圧倒的大差です。
また、件のスイッチはレース後は正常に動作して、レース前の確認でも正常だったため、これは仕方がないということで整備したメカニックが怒られることは無かったそうです。
ちなみに、キーゼンホファー選手は個人タイムトライアル競技には出場していませんでした。
もし、この競技を得意とするキーゼンホファー選手も出場していたら、ものすごく興味深い対決となっていたことでしょう。
こうして彼女の東京オリンピックは今度こそ本当に終わったのです。
その後、彼女はオランダには帰国せず直接スペインに飛び、7月31日に行われた「クラシカ・サンセバスティアン」という全長約140kmのワンデーレースに出場して、最後は独走で優勝したそうです。
東京オリンピックのロードレースで金メダルを逃した影響の心配はいらないようです。
ロードレースの基礎知識を盛り込んだら随分と長文になってしまいました。
今後も機会があったらロードレース観戦を楽しんでいただければと思います。
それでは、またいつの日か。