はてなキーワード: バイクとは
「感情が高ぶると改造手術によって生じた醜い傷跡が浮かび上がるため、仮面で隠している」いう設定の初代を女性主人公でリメイク。
改造手術を受けた彼女は少しでもストレスに晒されると首や手にミミズ腫れが現れるので、真夏でも常に長袖を着てマフラー手袋をして肌を極力隠している。
ある日職場の後輩から厚化粧を指摘され、思わず感情が昂ってミミズ腫れが顔にまで出てしまう。慌てて顔をマフラーで隠してそのままトイレに直行。それから数十分個室に籠城する。
症状が収まって自席で荷物を取り、周りからの問いかけにも答えず逃げるように早退。
フルフェイスのヘルメットを被って高速道路をバイクで走行し、爆音を響かせながら職場の人間たちへの呪詛を大声で叫ぶ。
一瞬気を失い目を覚ますと周りが「怪人だ!」と大騒ぎをしている。
顔を見られた?と思ったがヘルメットは外れてない。
ぶつかったトラックは怪人を輸送中のショッカー軍団だったのだ。
・リボ払いをしている。リボ払いがヤバいということは知っているがどうヤバいのかは知らない。調べるのも面倒くさがってそのままにしている。
・貰いタバコをする。
・年金制度や保険関係に無頓着。貯金をしていないので突発的な多額の出費はキャッシングでその場を凌ぐ。
・乗っているバイクの自賠責保険の期限が切れている。何かあったらその時はその時だと思っている。
・会計時、同席者に端数の小銭を借りるが返さない。返すつもりもない。
・面倒なことは先延ばしにする。ギリギリになってから取り掛かるがもう間に合わないと思うと何かしらの理由をつけて諦める。敵が現れても他の人がなんとかしてくれると思っている。
・自分には甘いが敵には厳しい。暴力だけでなく事あるごとに罵声を浴びせる。
・避妊をしない。根拠はないが大丈夫だと思っている。今が気持ち良ければ良い。
・「どうでもいいけど」「俺には関係ないわ」「面倒だな」が口癖。
7月25日の13時から行われた東京オリンピック 女子ロードレースで起こった奇跡について書いた前回の記事(https://anond.hatelabo.jp/20210727115101)が思いがけず多くの人に読んでいただけたようなので、その時に2位となったオランダ選手についても解説してみました。
そう、前にいたキーゼンホファー選手を見落として自分が1位だと思ったまま、2位でゴールしてしまった彼女の物語です。
名前はアネミーク・ファンフルーテン、1982年生まれの38歳です。
38歳という年齢は選手として決して若いとは言えませんが、現在でもスペインのプロチーム「モビスター」に所属し、エースを務めています。
「エース」というのはそのチームで1番の実力者であり、チーム全員が力を合わせて1位を取らせる人です。
他の選手は「アシスト」となりエースの前を走って風よけとなったりしながら、エースの脚を温存させてゴール前まで送り届けるのです。
そんな彼女が自転車競技を始めたきっかけは、2007年にオランダのワーゲニンゲン大学で疫学の修士号を取得した頃に、同時に楽しんでいたサッカーを膝のケガのために止めることになり、自転車競技に参加するようになったそうです。
スタートは遅かったですが、その後順調に自転車選手としてのキャリアを積み上げ、2009年にはプロチームと契約し、2012年のロンドン五輪では4人のオランダ チームの一員として女子ロードレースに参加して、オランダの選手が金メダルを獲得するのに貢献しました。
そして、2016年のリオ五輪にもオランダ チームの一員として参加しました。
しかし、ここで今回の東京オリンピックで何としても金メダルを獲得したい理由が生まれてしまったのです。
リオ五輪の女子ロードレースは全長137kmのコースで行われ、彼女はゴールまで残り約10㎞という地点で2位に差をつけて単独1位となっており、金メダルをほぼ手中にしていました。
しかし、そこは前日の男子ロードレースで複数の選手が転倒して鎖骨や骨盤や肩甲骨を骨折するという事故が発生していた魔の下り坂だったのです。
そして、ファンフルーテン選手も右カーブを曲がる際に一瞬後輪がスリップしてコントロールを失い、かなりの速度で落車して頭から地面に叩きつけられてしまいました。
その結果、重度の脳震盪と腰椎の3か所を骨折し、直ちに集中治療室に搬送されるという大ケガを負ってしまったのです。
レースは当然、リタイアでDNF(Did Not Finish:ゴール出来ず)扱いとなり、同じオランダの選手が金メダルを獲得しましたが、彼女自身はメダルを手にすることは出来ませんでした。
そんな経験をしている彼女が今回の東京オリンピックでの金メダル獲得に並々ならぬ意欲を抱いていたことは想像に難くありません。
リオ五輪で大ケガをした彼女はその後、事故から10日目には自転車に乗り始め、その年のベルギー ツアーというステージレースで総合優勝を果たすというとんでもなく順調な回復を示しました。
ステージレースというのはオリンピックのロードレースのように1日で終わるワンデーレースではなく、様々なステージ(コース)を舞台として何回もレースを行い、その総合成績で勝者を決めるという形式のレースです。
2016年のベルギー ツアーは全4ステージ、4日間というものでしたが、有名なツール・ド・フランスというような大きな大会になると、今年は全21ステージ、2度の休憩日をはさんで全23日間で3,383kmを走破するという過酷なものになります。
彼女はその後の4年間も様々なレースで勝利を重ねており、万全な体制で東京オリンピックに乗り込んできたものと思われます。
またチームとしても、パレード スタート後あまりの暑さに冷たいボトルを無理やり背中に突っ込んでいる選手もいる中、オランダ チームの4人はオレンジのジャージの上に揃いの白いアイスベストを着ていたことから準備万端整えてきたことが伺い知れました。
ちなみにパレード スタートというのは、今回のコース全長147kmのうち最初の10㎞は観客への顔見せのため、選手全員が先導車の後についてゆっくりパレード走行するというものです。
TVのニュースやネットで自転車の集団が神社の境内に突入していく映像を見た人もいるかもしれませんが、あれはパレード走行中の映像です。
さすがに多くがプロの選手とはいえ、本気で走っている時にあそこを集団で走り抜けるのは無理があるでしょう。
また、パレード走行中も選手同士は集団の中でどの位置を確保するか戦略を巡らせています。
オランダ チームは4人並んで集団の先頭を堂々と走り、キーゼンホファー選手はスタート直後から最後尾を単独でずっと走っているのが確認できます。
そして、10㎞を走ってアクチュアル スタート地点の是政橋を過ぎたところから、本当の戦いに雪崩れ込んでいったのです。
レースは前回の記事で説明したように、スタート直後にキーゼンホファー選手を含む5人が飛び出して逃げ集団を形成し、しばらくは何事もなく進んでいきました。
ところで、逃げ集団は最後にはほとんどの場合、メイン集団に追いつかれてしまうのになぜ良くつくられるのでしょうか。
理由の一つは、万が一にでも勝てる確率があるからです。逆にメイン集団に残った場合、ゴール前までついていけたとしても「ゴール スプリント」と言われるゴール前数十メートルから数百メートルで行われる最後のラストスパート争いに「スプリンター」でないと勝てないからです。
スプリンターというのは長距離は苦手だが、短距離を爆発的な加速力で速く走るのが得意という選手のことです。
特に今回のオリンピックの場合、国毎に参加人数が違うので単独で参加している選手はスプリンターであっても、他の国がスプリンターにアシストを付けている場合、ほとんど勝てる可能性は無かったでしょう。
メイン集団にいると先頭付近にいないとカメラに映ってもほぼ分かりませんが、逃げ集団であれば必ずカメラに映れます。
目立ちたい理由は選手によって「家族に見てほしい」や「より良いチームにスカウトされたい」というものがあるようです。
さらに、有力チームが逃げ集団に選手を送り込んでおくというのもあります。
万が一、逃げ集団が逃げ切ってしまった場合でも勝利の可能性を残しておくという目的もありますが、逆に逃げ集団のペースをわざと遅くさせて、確実にメイン集団が追いつけるようにするという目的の場合もあります。
そしてレースに戻ると、ゴールまで残り約80km弱の地点に近づいた時にそれは起こりました。
ファンフルーテン選手の前を走っていた選手が突然、転倒したのです。
実は前日の男子ロードレースでもまったく同じ場所で5人が落車するという事故が起こっていました。
道路に横たわった選手と自転車を前に彼女もブレーキを掛けますが止まり切れず、相手の自転車に突っ込んで前に投げ出される形となりました。
映像を見ると分かるのですが、2車線道路の中央部分に細い溝のような部分があるのが見て取れます。
どうやら、この部分でタイヤを取られて転倒してしまったようです。
バイクや乗用車のタイヤの太さなら問題ないのでしょうが、ロードバイクの細いタイヤにとっては危険な構造になっていると思われます。
今後もし、同じコースでロードレースが開催されることがあれば何らかの対策が欲しい所です。
幸い速度が落ちていたため大きなダメージは無かったようで、彼女は直ぐに起き上がりました。
しかし、2台の自転車は知恵の輪のように絡み合ってしまってはずれません。
すると、サポートカーから降りてきた男性が2台を引き離してくれ、転倒した選手の自転車は交換となりましたが、ファンフルーテン選手はそのまま自転車に乗り、再び走り始めました。
しかし、落車した瞬間はリオ五輪の悪夢が脳裏をよぎったことでしょう。
ロードレースでは暗黙の了解として、落車した選手がいた場合などは集団のスピードを上げずに、その選手が集団に復帰してくるのを待つという慣習があります。
また、サポートカーを風よけにして後ろを走るのは普段は許されませんが、こういう時は暗黙の了解で許されたりします。
そうして、メイン集団に復帰してしばらくすると、ゴールまで約60kmの山伏トンネルの手前でアタックを掛けて先行し、一時はメイン集団から1分以上先行しました。
しかし、それでも逃げ集団との差は5分以下には縮められず、ゴールまで約30㎞ぐらいの地点でメイン集団に戻ってきてしまいました。
さすがに5分以上先行している逃げ集団に一人で追いつこうというのは無茶だったようです。
レース後のインタビューで3位になったイタリアの選手が「逃げ集団を追う責任はオランダにあった」と言っていますが、これもロードレースの暗黙の了解のひとつで、そのレースで一番強いと思われているチームはメイン集団をコントロールし、レース終盤に確実に逃げ集団に追いつくよう集団のペースを調整する責任があるという考え方が下敷きにあります。
今回オランダ チームはその責任を果たすことが出来なかったわけです。
ファンフルーテン選手が山伏トンネルの手前で逃げ集団を追うべく先行したのはタイミングとしては正しかったと思いますが、さすがに一人で追いつくのは無理なので他のオランダ チームの選手も同調して動くべきだったと思います。
これは単に無線が使えなかったからというよりは、誰がエースで誰がアシストをするかというチームとしての戦略が徹底されていなかったか、あるいは最初からそんな戦略が無かったように見えました。
オランダ チームの4人はそれぞれがすごい人ばかりなので、調整がつかなかったのかもしれません。
終盤はメイン集団の先頭をオランダ チームの4人が並んで引っ張るシーンもありましたが、時すでに遅しで富士スピードウェイに入ってから2位と3位のイスラエル、ポーランドの選手には追いつくことが出来ましたが、キーゼンホファー選手の背中を見ることは最後までありませんでした。
そうして前にキーゼンホファー選手がいることに気がつくことなく、彼女は自分が1位と信じてガッツポーズをしながら2位でゴールラインを越えたのです。
ゴール時のガッツポーズは暗黙の了解として1位の選手のみがするものとなっているため、彼女が自身を1位だと思っていたのは明らかでした。
ゴール後に自分が2位だったことを知らされ、レース後のインタビューで「銀メダルでも美しい」と答えたファンフルーテン選手の胸中はどのようなものだったのでしょうか。
仮に現国の試験で「この時の選手の心境を説明しなさい」という問題があったら、いくらでも書けそうな気がします。
女子ロードレースが行われた3日後の7月28日、彼女は富士スピードウェイのスターティング グリッドに自転車に乗って立っていました。
個人タイムトライアルというのは、ロードレースと違い数分間隔で選手が一人ずつスタートし、単独走行でゴールするまでのタイムを競うという競技です。
今回は富士スピードウェイとその周辺道路に全長22.1kmのコースが設定され男子は2周、女子は1周します。
それも22.1kmを30分13.49秒というタイムで走り切り、2位に約56秒差という圧倒的大差をつけての1位でした。
この差がどれだけ圧倒的かというと、2位と3位は4秒差、3位と4位は7秒差、4位と5位は4秒差でしたので、どれだけ彼女が頭抜けた選手なのかが良く分かります。
最後の走者がゴールして金メダルが確定してから表彰式が終わるまで、ずうっと嬉しさ爆発という感じで喜びの表情だったのが印象的でした。
歓喜の様子はNHKの見逃し配信(https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/list/sport/cycling/)で「女子個人タイムトライアル」とタイトルに入っている動画の1:12ぐらいから見られます。
しいて言えば、タイムトライアル競技のコースというのは普通、平地が主体のコースとなるのが通例なのですが、今回は富士の裾野にある富士スピードウェイとその周辺道路がコースとなったため、タイムトライアル競技としては珍しく上り下りの多いコースとなっていました。
そのため、タイムトライアル競技に特化した選手は記録があまり伸びなかったものと思われます。
それでも彼女と同じオールラウンダー型の選手も大勢参加していたので、彼女のすごさは変わらないでしょう。
しかもレース後のインタビューによると、タイムトライアル用の自転車にはDHバーという肘を載せるパッドがついた前に2本の棒が突き出した形の部品がハンドルの上に付けられているのですが、棒の先っぽにギヤの変速(シフト操作と言います)を行うためのレバーやスイッチが付いています。
このスイッチが本番で機能しなくなり、ハンドルのブレーキバーについている本来のシフトレバーを使うしかなくなってしまっていたそうです。
シフト操作自体は出来るとはいえ、タイムへの影響は避けられなかったでしょう。
それでもこの圧倒的大差です。
また、件のスイッチはレース後は正常に動作して、レース前の確認でも正常だったため、これは仕方がないということで整備したメカニックが怒られることは無かったそうです。
ちなみに、キーゼンホファー選手は個人タイムトライアル競技には出場していませんでした。
もし、この競技を得意とするキーゼンホファー選手も出場していたら、ものすごく興味深い対決となっていたことでしょう。
こうして彼女の東京オリンピックは今度こそ本当に終わったのです。
その後、彼女はオランダには帰国せず直接スペインに飛び、7月31日に行われた「クラシカ・サンセバスティアン」という全長約140kmのワンデーレースに出場して、最後は独走で優勝したそうです。
東京オリンピックのロードレースで金メダルを逃した影響の心配はいらないようです。
ロードレースの基礎知識を盛り込んだら随分と長文になってしまいました。
今後も機会があったらロードレース観戦を楽しんでいただければと思います。
それでは、またいつの日か。
たけしの全盛期はマシンガントークが売り。
今のイメージで無理やり例えると、すごく面白い爆笑太田って感じ。
ただ切れ味は全然違うというか、トークだけで涙出るくらい笑える感じだった
あと基本的に世間からの好感度は高かった。その点も大きく違う。
フィクションの世界には子供×大人の恋愛を肯定的に描いているものが腐るほどある。
たとえばカードキャプターさくら。
たとえば名探偵コナン。
たとえば鬼滅の刃。
たとえばセーラームーン。
これら超有名国民的作品の中では性交同意年齢で議論されている、「中学生以下の子供」×「高校生以上の大人」の恋愛が肯定的に描かれている。
こんなものは極々一部でしかなく、実際には数えあげられないくらい存在してる。
もちろんこれらの作品の中では直接的に性行為が描かれることはないため、昨今頻繁に炎上する「違法行為を推奨する描写」にはあたらないだろう。
(たとえば未成年の喫煙・飲酒、自転車の二人乗り、免許取り立てでのバイクの二人乗りなど)
子供と大人の歳の差恋愛を肯定的に描く行為は歳の差の性交を是とする価値観を下敷きにしていなければ成立しない。
だから歳の差の性交が社会から忌避されているのであれば、当然歳の差の恋愛描写にも相応の社会的反発があるはずだ。
だが現実にはそうなっていない。
これすなわち社会の実態として、「歳の差の恋愛・性交はよくあるもの」とみなされているからだ。
こうした実態があるにもかかわらず、一部の学生時代を処女・童貞で過ごしたであろうマイノリティーが寄ってたかって集まって、やれ子供を保護するためだとか喧々諤々やっているのはあまりにも陳腐としかいいようがない。
走行中にナビとして使っていたiPhoneからライトニングケーブルが外れていたことに気がついたので
付け直すためにちょっと駐車できるスペースを見つけてバイクを停車した
それで、ごそごそとケーブルをつけ直していたんだけど、どこからともなく「ニャー…」という鳴き声
あたりを見回したらガードレールの向こうの森の中から猫が出てきた
子猫というには大きいが成猫ではない
餌をねだっているのかなんなのか、ニャーニャーと鳴きながらめっちゃ足にまとわりついてきて
歩き出せばそれについてくる
猫になつかれるのはうれしいが、ツーリング中だし本州在住で海を越えて連れて帰るわけにも行かないし途方に暮れた
離れた温泉街まで連れて行ってもいいが、住民には迷惑なような気もするし交番(あったかは不明)に連れて行っても困られそうだし
ここで人に餌をもらっているとしたら逆に生存確率を下げるかもしれない
結局、バイクから少し離れたところにまで歩いて行って、猫がついてきたのを確認してからダッシュでバイクに戻って発進した
発進時に後ろを見たときにはすでに猫の姿はなかった
どうすればよかったのかまだよくわかってない
7/25(日) 13:00から行われた東京オリンピック 女子ロードレースで奇跡が起こりましたので普段、自転車ロードレースに関心の無い方でも分かるよう解説してみました。
オーストリアからたった一人参加していたプロではない博士号持ちの数学研究者アンナ・キーセンホーファー選手がスタート直後から飛び出し、そのまま最後まで逃げ切って金メダルを獲得してしまいました。
通常ロードレースでは大きな集団(メイン集団とかプロトンと呼ばれます)になって走りますが、そこから飛び出して先行する少人数の逃げ集団も良く作られます。
今回もアンナ選手と他に4人がスタート直後にメイン集団から飛び出し、5人の逃げ集団を作って先行しました。
しかし、そのような逃げ集団はレース終盤にはメイン集団に追いつかれて吸収されてしまうのが一般的です。
たまに逃げ集団の選手がそのまま逃げ切って勝ってしまうこともありますが、それだけでニュースになってしまうぐらい珍しいことです。
しかも、今回はオリンピックという一大イベントで逃げ勝った選手がプロではない数学研究者だったということでロードレース界隈を越えて大きなニュースとなりました。
そもそも逃げ集団が終盤にメイン集団に追いつかれてしまうのは一言で言うと「人数が違うから」です。
集団の場合、先頭の人はこの空気抵抗をまともに受けながら走ることになりますが、2番目以降の人は直接空気抵抗を受けないので楽に走れます。
どのくらい楽に走れるかというと先頭の人の6割程度の力で同じ速度で走れると言われています。
そこで、集団で走る場合は先頭でしばらく走ったら後ろに下がって、次は別の人が交代して先頭を受け持つという戦術が取られます。
この場合、交代要員がたくさんいるメイン集団の方が少人数の逃げ集団より圧倒的に有利なため、ほぼ必ずレース終盤には逃げ集団はメイン集団に追いつかれてしまうのです。
ところが今回、アンナ選手は最後までメイン集団に追いつかれませんでした。
理由の一つは今回勝ったアンナ選手が最後まで速かったからです。
スタート直後からゴールまで残り40kmぐらいの籠坂峠というところまでは複数人で走っていましたが、そこでアタック(スピードを上げて飛び出すこと)を決めて他の人を振り切り、以降はゴールまで単独で走っていました。
http://www.vill.doshi.lg.jp/ka/info.php?if_id=929&ka_id=4
単独だと空気抵抗をずっと受け続けるので、しばらくすれば速度が落ちてくるものですがゴールまでスピードを緩めることがありませんでした。
これは彼女がロードレースよりも単独走行で時間を競う個人タイムトライアルという競技を得意としていたからだと思われます。
そして、もう一つの理由は今大会随一の強豪であったオランダ チームが彼女の事を見落としていたことです。
今回のオリンピックでは各国毎にポイントで参加人数が割り当てられ、強豪国オランダは最高の4人が割り当てられていました。
そのメンバーもリオ五輪優勝とかロンドン五輪優勝とかのすごい選手ばかりです。
ところが、そんなオランダ チームはアンナ選手に振り切られた2位のイスラエル選手に追いついたところで、それ以上追おうとしませんでした。
なぜなら、そのイスラエル選手の前にまだアンナ選手がいることを見落としていたからです。
なぜこんなことが発生したのかというと、通常のプロのレースでは選手は無線を使ってサポートカーに乗ってる監督から様々な情報や指示を受けることが出来ます。
しかし、今回のオリンピックでは国毎に参加人数が違う有利不利を緩和するため、選手が無線を使うことが禁止されていました。
そのため、情報を得るには集団から離れてサポートカーまで下がって直接聞くか、ホワイトボードを持ったバイクが先頭との時間差を書いて教えてくれるのを見るかしかありませんでした。
たしかに終盤はオランダの選手がサポートカーまで下がる場面は見ませんでしたが、バイクはホワイトボードで先頭との時間差を伝えていたでしょうから、なぜこんなことが起こったのか本当のところは良く分かりません。
いつものレースの様に無線で十分な情報を得ることのできない環境に戸惑っていたのか、あるいは日本の真夏の暑さにやられてしまっていたのでしょうか。
もし、オランダ チームが彼女を見落とすなどというミスをしていなかったら、彼女は勝てなかったのでしょうか?
一般的に逃げ集団をメイン集団が追う場合「平地なら10kmで1分差を縮められる」と言われています。
今回のレースでは中盤のゴールまで残り約60kmの山伏トンネルあたりで、逃げ集団とメイン集団の差は7分弱ありました。
しかも、下り坂ではコーナーを曲がるために単独でも集団でもある程度以上の速度を出せないため、あまり差を詰められません。
そんな下り坂がゴールまで約40㎞の籠坂峠から10数キロあるのです。
この時点で当然、オランダ チームは前に逃げ集団がいることと時間差を把握していたでしょうから、確実に捕まえるならここから既に追走を始めていなければならなかったと思われます。
しかしながら、オランダ チームはまだ追走態勢に入りませんでした。
追走態勢というのはこの場合、メイン集団の先頭でオランダ チームの4人が次々と交代しながら全力でスピードを出して集団を引っ張っていくようなことを言います。
自チームだけが全力を出していると相対的に他の国のチームが有利になるので、逃げ集団の5人がアンナ選手も含めて有力な選手では無かったため、ここで追わなくても後で追いつけると判断したのでしょう。
これは運が良かった、悪かったというレベルではなくオランダ チームの判断ミスだったと思います。
次に、アンナ選手に振り切られた逃げ集団の残り二人をメイン集団が視認したのはアンナ選手がゴールまで残り10km前後の時点と思われます。(逃げ集団の他の二人はそれ以前にメイン集団に吸収されていました)
この時、アンナ選手とメイン集団の時間差は3分以上ありましたので、仮にオランダ チームがアンナ選手を見落としておらず、その二人の前にアンナ選手がいると認識していてそこから全力で追ったとしてもゴールまでに追いつくことは出来なかったでしょう。
また、オランダ チームは二人を視認するまではアンナ選手を認識していたかどうかに関わらず、先頭に追い付くつもりで追っていたのでしょうから、結局予想よりも先頭との差が詰まらず追いつけなかったという判断ミスを犯したということになると思います。
よって、自分としては彼女は運が良かっただけでなく、終盤にオランダ チームが彼女を見落としていなかったとしても逃げ切っていたと考えます。
ちなみに2位となったオランダ チームの選手との差は1分15秒でした。(あれ、けっこう微妙?)
現在はスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)で非線形偏微分方程式を研究するポスドク研究員だそうです。
先月も学術誌に論文を投稿しています。下のリンクがその論文ですが、さっぱり分かりません。
そして彼女のスポーツ歴はというと下記の通りで、短期間プロチームに在籍していたこともありますが、オリンピック参加時はプロチームとの契約の無いアマチュアです。
最近は大きなロードレースに参加することも無かったため完全にノーマークだったようです。
彼女を含めたレース後の選手へのインタビュー記事が以下にあり、彼女の名言を読むことが出来ます。
https://www.cyclowired.jp/news/node/350652
研究者らしくツイッターではオリンピック前に準備として自身の体の熱順応を分析してたりします。
https://twitter.com/AnnaKiesenhofer/status/1411359788454363138
(元のツイートにあったグラフが削除され、URLが変わったようなので修正しました)
今回のロードレースはNHKの下記のページから見逃し配信で全て見ることが出来ます。(いつまで見られるかは分かりません。大会期間中ぐらいは見られるのかな?)
表彰式まで含めると5時間ほどあって実況も英語しかありませんが、綺麗な景色も見れるので環境ビデオ代わりにずっと流して見てみてください。
https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/list/sport/cycling/
ちなみに男子ロードレースは女子のようなサプライズはありませんでしたが、普通にかなりおもしろいレース展開でしたのでこちらもお勧めです。8時間弱ありますけど……
(好評だったので続きを書きました。https://anond.hatelabo.jp/20210806115303)
オリンピック開会式案で持ち上げられてるMIKIKO案もそんなに良いとは思わないんだよな
AKIRAの金田のバイクとか使っても結局一部にしか受けないマニアックなサブカル内輪受けじゃんって思うし。
自分の考えるオリンピック開会式は東北や江戸の伝統芸能を主に使って
加えてゆるキャラや老若男女に受ける可愛いマスコット推しとかそういうのでいいと思うんだが。
ダサくても古くてもいいよ、堅実に誠実にやってくれ。
普段のツールドフランスとかだと、選手みんな無線を付けててチームカーから常時状況を知らされてるわけ。
誰が何分逃げててうちはこういう戦略でいくからお前は誰それについてけとか。
完全にアンダーコントロール。
オリンピックのロードレースは無線無しでやってたんだよね。だから逃げと集団の差とかも、伴走するバイクがホワイトボードに書いて見せるという原始的なやり方で知らせてて。
一時逃げが20分差つけたのも、そういう事情があったんじゃないかと思うのです。
で、結果追いついたけど結構ハラハラしたし、無線が当たり前になる以前のどこか牧歌的なツール見てるようでもあり、これはこれで楽しいなあと思ったのだった。
・一週間前までツール・ド・フランスに出ていた一線級の選手が山のように登場したのがよかった。
ポガチャルとかバルベルデとかログリッチとかニバリとかゲラント・トーマスとか
キンタナとかファンアールトとかエヴェネプールとかイエーツ兄弟とかマイケル・ウッズとか、
すごいメンバーだった。
・そんな選手たちが、南大沢とか大國魂神社とか道志道とか、昔から知ってる場所を走り抜けた。
ラーメン屋の看板とかサンワスーパーとかをバックにプロトンが走る違和感がすごかった。感動した。
・映像もよかった。バイクカメラも空撮のパイロットも、ツールと同じスタッフだったのかな。わからんけど。
ストレスゼロ見れたし、何ならツール・ド・フランスの22ステージ目(実際は21ステージ)を見てるようだった。
今回テレビ中継がなかったのだけど、もしやってたら箱根駅伝中継みたいに小ネタをはさみつつ感動を押し付ける
演出がされてた可能性高いよなあと。ネットだけなのはロードレースの魅力が広く伝えられなかった点では
残念だが、俺が楽しく観戦する上ではベストな環境だったかもしれない。
・コースとレース展開がよかった。コースマップ見て「長すぎるんじゃね?」と思ったが、あの超人たちをもってすれば
丁度いい長さ&標高差だったみたい。200km走ったところで明神・三国峠を持ってくるセンスがすばらしい。
ちゃんと峠でレースに動きが出たし。それまでずっと集団に隠れてたカラパスが、マクナルティの逃げに躊躇なく
乗ったのがすばらしかった。ユース年代から純粋培養されたエリートアスリートとは一味違う、泥臭い勝負師感が好き。
それにしてもコース設定したの誰なんだろう。一等賞をあげたい。
・現地観戦したかったけど、オリンピック開催反対という行きがかり上、ネット観戦に徹したのが結果的によかったかも。
辻さんのインスタ解説にお世話になりました。次もうこんな機会ないんだなと思ったら悲しくなってきた。