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2019-06-06

[] #74-10「ガクドー」

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そして話を現代に戻そう。

兄貴はいこれ」

ある日、弟が帰ってくるや否や手紙を見せてきた。

ハテナ学童の近くを通ったときハリセンから渡されたらしい。

「あの学童所が引っ越すんだって名前も『ハテナ学童から、なんかよく分かんないのに変えるとか」

しろ、あのボロい住処でつい最近まではやっていたことに驚きだ。

それにしても、引っ越すだけではなく名前も変えるのか。

事実上解体だな。

「で、引っ越す時に手伝って欲しいって。ボランティアで」

ボランティアねえ……」

恐らく、タダ働きってことだろう。

本来ボランティアには無償労働なんて意味はないのだが。

いくら学童のよしみだからって、些か図々しくないか

「で、兄貴は行くの?」

まさか。俺たちはあの施設に金を払って、不本意にも預けられていただけだぞ。引越しの手伝いなんてする義理はない。経済回すためにも業者に頼めってんだ」

「大した理屈だけど…兄貴だって義理はなくても人情はあるでしょ。形がどうあれ、それでも世話になったと言えなくもないんだし」

署名活動の時やたらと泣き喚いていた弟が、随分と健気なことを言ってくる。

俺よりもロクな思い出がなかった場所だろうに。

「他の子もくるだろうし、皆で久しぶりに何かやるのもいいんじゃない。少しでも思い入れがあるならさ」

「にゃー」

膝に乗っていたキトゥンが、弟と呼応するように鳴き声をあげた。

そういえば、キトゥンと出会ったのも学童時代出来事が遠因か。

いや、キトゥンだけじゃない。

ウサク、タイナイ、カン先輩、今でもよろしくやっている友人もいる。

その点では無下にもしにくい、思い出の場所といえた。

まあ、それでも俺の意志は揺らがないが。

「いずれにしろ、その日の俺はバイトだ。ボランティアと比ぶべくもないな」

実際のところ、都合悪くバイトの予定はない。

建前上、そう断っただけだ。

「はあ、分かったよ。じゃあ俺は、父さんと母さんにも聞いてくるよ」

弟がそう言って部屋から出ようとした時、俺は慌てて扉を遮った。

「待て弟よ。分かった、俺も行く」

「え、急にどうしたんだよ」

もし両親が手伝いにいけば、他の保護者学童の子とも話すに違いない。

俺たちの学童時代の話や、身の上話もするだろう。

ティーンエイジャーにとって、そんな状況は想像するだけでキツかった。

親というフィルターにかけられた子供の話ほど聞くに堪えないものはない。

「俺が行く以上、人手は足りている。だからこの件は他言無用だ。もし聞かれたら『学童の子だけでやることだから』と答えろ」

バイトはいいの?」

「思い出の場所に別れを告げるんだ。バイトとは比ぶべくもない」

まあ、なんだかんだで“思うところ”もある。

ボランティア”しようじゃないか


…………

そうして俺たちは『ハテナ学童』に赴いた。

建物は当時からボロかったが、久々に見たら更に酷くなっている。

「おう、マスダ。来てくれたのか」

久々に会ったハリセンも“ザ・中年”みたいな見た目になっていた。

「きてくれて悪いが、もうほぼ片付いているんだ」

かに俺たちがやることは残ってなさそうだ。

捨てるしかないような大き目の備品は、既に屋外に出ている。

それ以外はほとんどダンボールに入れられ、ほとんど車に押し込まれていた。

面倒な仕事は避けたくて遅めに来たものの、意外にも多くの人が手伝いに来ていたらしい。

「せっかく来たんだし、中でみんなと話したらどうだ」

手持ち無沙汰な俺たちに、ハリセンは気を利かしてそう言った。

促されて家の中を覗くと、元学童らしき人たちが談笑しているのが見える。

しかし、その中に俺たちの知っている人は少ない。

カン先輩よりも遥かに年齢が上の人ばかりだ。

俺たちは踵を返して外に出る。

「……俺と弟は外で待つよ。まだやることがあったら呼んでくれ」

知り合いもいるにはいたが、今では疎遠になってしまっている相手

お互い心身ともに成長して、ほぼ赤の他人のようなものだ。

話せることも話したいことも特になく、同窓会ってムードじゃない。

俺たちには、あの空間は居心地が悪い。

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2019-06-05

[] #74-9「ガクドー」

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とにかく、俺たちはオヤツを効果的に楽しもうとした。

そのために、かなりアウトローなやり方に手を染める者もいる。

「なんか最近砂糖の減りが早い気がする……お前ら、こっそり舐めたりしてないだろうな?」

「さすがに、そこまで意地汚い真似はしないよ」

クチャクチャ……せやせや、虫に食われてんちゃう?……クチャ

特にカン先輩のやっていた方法はえげつなかったので、今でも記憶に強く残っている。

カン先輩、さっきからずっとガム噛んでますね。もう味しないでしょうに」

「いやいや、まだするよ。甘い甘い」

「“甘い”?……カン先輩の噛んでるのって、甘さがそこまでない奴だったんじゃ……」

「あ……いや、ちゃうねん。アレや、『お前の考えが甘い』って意味の“甘い”や」

なんと、学童にある砂糖をガムにまぶして、味の延命を図っていたんだ。

反則行為だし、そもそも美味しそうでもない。

カン先輩のあの執念は一体どこから来ていたのだろうか。


そんな感じで、俺たちは思いの思いのやり方でオヤツを楽しんだ。

それでも、たまに食べたくなる共通のものがあった。

「オバチャン、タコせん頂戴」

タコせんべい通称タコせん」だ。

そのせんべいソースを塗りたくり、マヨネーズをかけ、最後揚げ玉ふりかけ提供される。

いま思うと、「タコせんべい」だからじゃなく「タコ焼きみたいなトッピングせんべい」だからタコせん」って呼ばれていたのかもしれない。

ソースは二度塗り、三度塗りやろ! 串カツちゃうんやぞ。マヨネーズと天かすも、もっとかけーな! ケチくさいなあ」

「うるさいねえ。どっちがケチくさいんだか」

カン先輩の態度はちょっとアレだが、トッピング増しの要求学童全員やっていた。

なにせこれ一つで手持ちがなくなるんだからちょっと図々しくなっても仕方ない。

「あ~、やっぱ天かす多い方がええな」

「その点は同意ですが、『天かす』じゃなくて『揚げ玉』って呼んだ方がよくないです? “かす”って言葉じゃあ響きが悪い」

「なにがアカンねん。『駄菓子』って言葉にも駄目の“駄”が入ってるやん。上品ぶらんと、ちょっと下品なくらいがちょーどええねん」

下品なくらいがちょーどいい”

あの時、カン先輩の言っていたことも今なら分からなくもない。

俺たちが食べる、トッピング増し増しのタコせんは見た目も味も下品だった。

本来せんべいの味なんてしない、上品なんて言葉とは無縁の代物だ。

だが、それに比例して満足感も上がる。

俺たちはそれでよかったし、それがよかったと言ってもいい。

「それに、言葉の響きとか言うたら『揚げ玉』も金玉の“玉”やん」

「えー……、その理屈はともかく、だったら揚げ玉って呼ぶのも良くないですか?」

「なんでや、“天かす”やぞ? “天のかす”やぞ? 『腐っても鯛』と同じってことや」

「違うと思います。それに、先輩の最初の言い分から少しズレていっている気が……」

しか下品だとしても、俺たちにとってタコせんは贅沢品だった。

飴玉ひとつを勿体ぶって舐めている間に、せんべいはなくなってしまう。

買うには多少の思い切りが必要なんだ。

から食べる時は自然と口数が多くなり、どうでもいい話をして、コスパだとかいったものから目をそらすようにしていた。

だが、それでも“情念”は頭をもたげてくる。

「あ~あ、“このタコせん”でこの美味さだったら、“あのタコせん”はどれほどなんだろ」

そのタコせんを、俺たちは「真・タコせん」と呼んでいた。

通常のタコせんに更にタコ焼きが加えられている、憧れの存在だ。

「マスダ弟ぉ、その話はすんなって前に言うたやろ」

「でも気になるんだもん」

「それは皆同じなんだよ。でも気にしたってどうしようもないだろ」

当然、普通タコせんですらギリギリなので手も足も出ない。

挟んで食べるなんて夢のまた夢だった。

結局、俺たちはあの「真・タコせん」を食べないままティーンエイジャーになった。

今だったら、食べようと思えば食べられる。

だが、未だ手つかずだった。

あの時の憧れは嘘じゃないが、なぜか今は食べたいと思えなかったからだ。

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2019-06-04

[] #74-8「ガクドー」

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ウサクは渋いというか、俺たちから見るとビミョーなものをよく食べていた。

パッケージデザイン一世代前みたいな、俺たちが第一印象候補から外すような、子供ウケの悪い駄菓子だ。

「その『ミソッカス』って駄菓子、よく食えるな。明らかに不味そうじゃん」

「食べてみなくては分からん

しかも、チョイスの理由がまた奇妙だった。

「なんで、そんなの食べるんだ? 好きなのか?」

「店に並んでいる以上、何らかの需要があるはずだ。企業陰謀か、或いは食べた者を中毒にさせる成分が入っているのかもしれぬ」

「で、実際に口に入れてみて、『ミソッカス』はどうだった?」

「名は体をあらわすというが……まさにその通りらしい」

「つまりミソのカスみたいな味だと」

この頃から、ウサクは独特な目線物事を見たがる人間だった。

その知的欲求オヤツの時も例外ではない。

「というか、店のオバチャンに聞けば、売ってる理由が分かるんじゃないか?」

「むぅ、一理あるな。店主、つかぬことを伺うが、この『ミソッカス』はなぜ売っている?」

「たまに興味本位で買う奴がいるからだよ。アンタみたいな」

「……なるほど」


カン先輩は直情的だった。

くそっ、ハズレや。なあオバチャン、当たりだけ抜いたりしてへんやろな?」

「そんなこと出切るわけないだろ」

とにかく「当たればもう一個は断然お得」という理由で、当たりつきの駄菓子をよく食べる。

一度だけ当たったことがあるらしく、その時の快感が忘れられないらしい。

また当たりが出るのではと、その菓子がそこまで好きでもないのに買い続けた。

「これもハズレ!?

結局、学童時代カン先輩が当てたのは一回のみ。

「ほんまに当たり入っとんのか?」

「あ、『当たりが出たのでもう一個』きた」

「あ~! タイナイ、お前なんやねん。ワイの方が買っとんのにぃ!」

カン先輩の熱中ぶりは凄まじく、特にタイナイが一発で当ててしまった時の拗ね方は酷かった。

タイナイぃ! ワイの持ってる未開封のと、その“当たり”と書かれた蓋を交換や!」

カン先輩、それは横暴すぎますよ!」

「いや……というか意味ないだろ」

その日を境にカン先輩は当たりつきの菓子を買うことはなくなり、俺たちの間では“あの菓子”の名前を呼んではいけないほどタブーとなった。

カン先輩は刹那的欲求に忠実なタイプだけど、それはこの頃から変わっていない。


そんな風に、俺たちは自由オヤツの時間を様々な工夫で楽しんだ。

ミルせんにパチキャン、更にのびーるグミ! これで『パチグミサンド』の完成!」

複数駄菓子を組み合わせて、新たな菓子を作るのも一時期流行った。

着物ガムに、金チョコ、更におっちゃんイカを入れる! これぞワイの完全オリジナルKKO団子』や!」

「確かにオリジナリティはありますけど、それ本当に食べるんですか?」

「当たり前や。ワイの意志で買って、作ったんやからな」

ただ食べ合わせは良くないことが多く、複数買った菓子を一つにまとめて食べると勿体無く感じてすぐに廃れたが。

「あ~……金チョコ甘味おっちゃんイカの酸味が絡み合い、それを着物ガムが口の中で留め続ける……まあ、失敗に限りなく近い成功やな」

「それを成功とは呼ばないのでは?」

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2019-06-03

[] #74-7「ガクドー」

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週末のオヤツの時間

その日に手渡されるのは菓子ではなく小銭。

まり、各々で自由に買ってこいってことだ。

素晴らしき自主性の尊重放任主義バンザイといったところか。

もちろん大した額ではないから、買えるものは少ない。

それでも俺たちは普段とは違う「自分意志でモノを買う」という行為一種の楽しみを覚えたし、駄菓子下品フレーバーに舌鼓を打った。

からこそ発生する“課題”もあったが。


俺たちは小銭を貰うと、足早に最寄の駄菓子屋へ向かう。

学童所の近くにある公園を抜け、その向かいちょっと進めばあるというアクセスの良さだ。

「さて、どうしたもんか……」

「冷やかしなら商売邪魔から、どっかいってくんな」

「そう急かすなよオバチャン」

その菓子屋はオバチャンが一人で切り盛りしていた。

俺たちは週末にそこを利用しては、彼女のせわしない声を聞くことになる。

「どれ選んだって、どうせ後で『ああすればよかった』って思うんだから、ズバッと選べばいいじゃないか

オバチャンの圧力は凄かったが、店内で焼かれるタコ焼きの音、そしてソース香り独自の魅力があった。

俺たちはタコ焼きを買うにしろ買わないにしろ、その辺りに漂う独特な“駄菓子屋っぽさ”を好んだ。


「やはりアメ玉……アメ玉でいいのか、本当に?」

そんなオバチャンを尻目に、俺はいつも何を買うかで悩んでいた。

先ほども言ったが、使える額は少ない。

本当に少ないんだよ。

それ故、「如何にコストパフォーマンスを上げるか」は、学校課題よりも大事テーマであった。

このあたりは学童でそれぞれ性格が出る。

「ああ、くそ……噛み砕いちまった。油断すると、どうしてもやっちまう」

例えば、俺の場合は基本アメ玉。

時には違うものを選ぼうとするが、結局はそこに終着することが多い。

長く口の中に残る菓子の方が得だと思っているからだ。

から如何に噛み砕かず、口の中に含み続けるかはちょっとした戦いだった。

兄貴、またそのアメなの? アメにしたって、もっと他にあるじゃん。パチパチするヤツとか」

「あれは量が少ないだろ」

弟の買う駄菓子バラエティ重視。

占いつきや、見た目にも面白い、遊び心のあるものを選ぶ。

「あ、見てよアニキ。『金運』に花丸!」

「こんなの食ってる時点で、金運なんてないと思うがな」


学童仲間だったタイナイは飲料系を好む。

「うーん、ちょっと暑くなってきたし、チューチューにしようかな」

「お前、寒い時もそれじゃん」

「違うよ、今日食べるのは黄色いチューチューだから

「それ、そこまで重要な違いか?」

特に『チューチュー』という、棒状の柔らかい容器に入った飲み物をよく買っていた。

駄菓子屋では凍らせて売っており、食べる時は二つに割り切って食べる。

俺も食べたことがあるが、本当に凍らせただけって感じのチャチな味だった。

それでも冷たいってだけで、ちょっとした贅沢感を得られたものである

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2019-06-02

[] #74-6「ガクドー」

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控えめに言っても、学童生活しみったれていた。

ただ、しみったれているなりに楽しみな時間もある。

その筆頭はオヤツの時間だ。

「ほーい、みんな皿持ってって~」

ハリセンが人数分の皿を用意し、その中に市販菓子を数種入れていく。

種類はその時々で違うが、基本的には甘いもの塩味のあるものが半々。

2~3時間後には自宅での夕食を控えている時間帯、ということもあり菓子の量は少ない。

それでもオヤツって時点で嬉しかった。

菓子が嫌いな子供なんていないだろう?

「ねえハリセン、このチョコってどこの? 明治?」

「いや、慶応

「なんだ、そのパチモンメーカー

「失敬な。慶応の方が明治より先なんだぞ」

「それは元号の話やろ」

業務スーパーとかで仕入れているのか、よく分からないメーカー菓子ばかりなのは気がかりだったが。

まあ味は悪くなかったし、ありがたいことにチョイスも普通だ。

ポテチチョコビスケット……

フレーバーも変に奇をてらっていない。

無難であるが、それで結構

憩いの一時に必要なのは安心感である

まあ、とはいっても、実際そこまで安心できる時間でもなかったが。

「マスダ、ワイの皿と交換や」

「え、なぜ?」

オヤツの時間は、みんなが楽しみにしている。

からこそ「最大限、可能な限り楽しみたい」と考える学童も多い。

まり皿の奪い合いである。

「そっちのほうが、でかいポテチが入っとるやろ」

「でも枚数的にはカン先輩の方が多いですよ。そんなに変わりませんって」

皿に入れられた菓子の量は、目分量ではあるもののほぼ同じだ。

しかし、その“ほぼ”が厄介だった。

「そんなに変わらないんやったら交換してくれや」

「そんなに変わらないんだったら交換しなくていいでしょ」

俺たちはその1グラムあるかないかという差に必死になった。

食べたところで、胃袋はその差を感じ取れないにも関わらず。

「マスダぁ、ワイが上級生の権限行使する前に、“大人しく”言うことを聞いとった方がええで~?」

「なら俺も下級生の権限行使しますよ。そうなったら、“大人しく”するのはそっちじゃないですか?」

「いつまでやってんだ、お前ら! さっさと『いただきますしろ!」

実際問題、違いがあったとして、食べた時の感覚は同じと言ってしまっていいだろう。

だけど菓子を目の前にした子供に、そんな理屈は大して意味がないんだ。

ちぃ……マスダ、次回の大判ポテチは渡さんからな」

「今回も渡されたわけじゃないんだが……」

「ねえ、兄貴

「ん? どうした?」

「俺の皿と交換して」

「おいおい、お前までカン先輩に触発されたのか? だから、どの皿も同じだっての」

「いや、そっちの皿の方が綺麗だもん」

「尚更どうでもいい」


まあ、なんだかんだいってオヤツの時間は楽しかった。

不味い菓子が出てきたこともないし、全体的に美味かったと思う。

だけど、“面白味”という意味で味気なかったのは否定できない。

オヤツだろうがなんだろうが、「決まった時間に、誰かが決めたものを食べる」という状況は、俺たちに多少の閉塞感を与えたからだ。

いや、もちろん分かってる。

我ながら細かい不平不満だ。

ただ、こんな細かい文句が出てくるのは“相対的評価”だからである

まりオヤツの時間よりも“楽しみな時間”があったってこと。

それは『オヤツ』の上位互換、『自由オヤツ』の日だ。

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2019-06-01

[] #74-5「ガクドー」

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学校とは違うといったが、運動会などの行事もあるにはあった。

他の学童の子供たちや保護者などが一同に介するため、ある意味では学校より盛り上がっていたかもしれない。

ハテナ学童カンくん、これは速い! 一輪走の関門、魔の直角コーナーを何なく曲がっていく!」

「ははん、当たり前田クリケットや! ワイほど一輪車をこいどる人間は、この世に誰一人おらん!」


あくま学童所での交流目的であるためか、競技性を重視しないものが多かった。

ブクマ学童のシオリ先生は、素手で瓦を一枚割れる。○か×か」

「そんなの知らんがな」

「まあ、でも一枚くらいなら割れるんじゃない?」

「じゃあ○の方に行こう」

○×クイズなどの運動必要としないものなどもあった。

「正解は……シオリ先生、実際にどうぞ!」

「せいっ!……痛い」

「というわけで正解は×の割れない! 全員、不正解です」

「ヒビすら入ってないじゃん」

なんや、この意味不明かつ、しょっぱいクイズは」


保護者が参加する、障害物盛りだくさんのパン食い競争なんてものもあった。

「マスダくんのお父さん、全身を紙テープと粉まみれにしながらも、堂々の1位でゴール!」

「ぜはっ、ぜえ……げほ……」

デスクワークのくせにやるじゃん、父さん」

子供の前だからって、パン食い競争で本気出し過ぎじゃないか?」

「はあっ……母さんがいれば、もう少し楽に勝てたんだろうがな……」

「父さん、そういうノリ、こっちも反応に困るからやめてくれよ」

「すまん……」

「湿っぽい雰囲気出すのもやめてくれって。変に含みのある言い方するから、周りには離婚したとか、母さんが死んだとか思われてんだよ」

「そうなのか……おえっ……ほら、餡パンだ」

「いらねえよ、歯形ついてんじゃん」

思い返してみると、この頃の父は少しテンションおかしかった気がする。

母が戻ってくるまでの間、最も辛い思いをしていたのは父だったのかもしれない。


長男マスダくん! 他の走者をどんどん引き離していく」

俺が参加したのはリレー

コマの回転は全くゆるまな~い!」

ただしバトンは使わず、代わりにコマを使う。

コマは回っている状態で、それを手の上で乗せて運ぶんだ。

まさか学童暇つぶしにやっていたコマ回しを、こんな風に活用させてくるとは思いもよらなかった。

「おい、何やってんだよタイナイ。ゴール近いんだから、そんな丁寧に巻かなくてもいいだろ」

「僕の腕じゃあ、中途半端に巻いての手乗りは無理なんだよ。どじょうすくいだってギリギリなんだから

まあ、結果としては3位だったが、タイナイが言うには2位だったらしい。

「今でもマスダは、この日のことを根に持ってるよね」と、よくタイナイは語る。

しろ根に持ってるのは、タイナイの方じゃないかと思う。


弟は缶ぽっくり競争に出場。

「おーっと、次男のマスダくん。これは速い、圧倒的だ!」

ハテナ学童内でもダントツだった弟の缶ぽっくりは、外でも変わることはなかった。

普通に走るのと大差ないスピードで、他を寄せ付けることなくゴールにたどり着いた。

「あれ、もう終わり? 短っ」

「さすがといったところだな、弟よ」

兄貴の作ってくれた缶ぽっくりのおかげさ!」

「いや、缶に穴を開けて、紐を通しただけだから誰でも作れるぞ」

所詮学童内での、内輪ノリ的な催しでしかない。

だが、あの時の俺たちは本気でやったし、その結果に一喜一憂することができた。

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2019-05-31

[] #74-4「ガクドー」

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妙な風習こそあるものの、学童での活動義務じゃない。

強制させられる事柄がないのは数少ない長所だ。

ただ、ここでいう“強制”って言葉は、任意の逆を意味しない。

何の意義があるか分からないまま、漫然とやっていたこともあった。


「お願いしま~す」

ある日、俺たちは署名運動をやることになった。

人通りの多い、遊楽地の信号前に待ち構え、そこで署名を募る。

何のためにそんなことをしていたのか。

答えは「さあ?」だ。

きっと何か大事目的があったのだろう。

わざわざそんなことをさせるんだから、俺たちにも関係のある事だったのかもしれない。

しかし、いずれにしろガキには分からないし、知ったこっちゃなかった。

それでも言えるのは、全くもって楽しくないってこと。

「お願いしま~す」

「……」

見知らぬ人にいきなり話しかけ、とにかく名前を書いてもらうよう頼み込む。

人と接するのがよほど好きだとかでもない限り、基本的ストレスが溜まる行為だ。

免疫細胞には大きな負荷がかかり、徐々に減っていく。

有り体に言って不愉快だった。

「お願いしま~す」

ちょっと邪魔だよ! どいてくれ」

無視してきたり、ぶっきらぼうに応対する人もいるから尚更である

いい気はしなかったが、その人たちに恨みはない。

だって、逆の立場だったら「鬱陶しい」と思う。

まり俺は、自分がされて嫌なことを赤の他人に対してやっていたわけだ。

しかも、目的を把握していないまま。

「ああ、ごくろうさん。ここに名前を書けばいいのかい?」

はい

それでも、なんだかんだで署名は集まった。

我ながら無愛想な態度だったが、書いてくれる人は意外にもいた。

子供効果ってやつなのか、書く側も大して考えていないのか。

なんとも不可解な出来事だ。

よく分からないまま名前を集める俺たちと、よく分からないまま名前を書く誰か。

そうして集まったこの紙の束に、一体どんな意味があるのだろう。

兄貴……」

弟はというと、その日はずっと申し訳なさそうにしていた。

署名運動を早々にリタイアしてしまたからだ。

「ゴメンよ、兄貴……俺、ああいうのどうしても無理……」

弟は当時、人見知りが激しかった。

そのせいで、対人用の免疫細胞簡単死滅してしまうんだ。

免疫細胞がなくなれば、人は泣き喚く以外の行動はできなくなる。

弟がそうなってしまったら、兄は毅然と振舞うしかない。

だって兄貴、俺の分まで……」

自分の分をやっただけだ。謝られる筋合いはない」

実際、ノルマがあるわけでもなかったので、俺は弟の分までやったとは思っていない。

サボりたかった気持ちを、長男の安っぽいプライド邪魔しただけだ。

何となくやっていた俺と、何となくやらなかった弟。

お互い誇れるようなことはしていないが、恥じるようなこともしていない。

「でもさあ……」

「それでも何か言いたいことがあるなら、謝るより感謝してくれ。どっちかっていうと、そっちの方がマシだ」

「あ……ありがとう兄貴

結局、あの署名にどのような効果があったのか、今になっても俺たちは知らない。

ただ、あの時やったことが何かに繋がっている、と願うしかなかった。

それがせめてもの慰めである

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anond:20190531084552

民間学童なら月4万って別に高級でも何でもないごく普通の額だし

子供二人だったら月8万で年間100万行くよ

公立学童もっと激安だけど、両親揃ってて母親パートとか出世諦めたマミトラじゃないと無理だし

そうでないなら勉強フォローを塾に頼る事になってそっちも金かかるし

anond:20190531083801

それでも普通に年間100万は余裕でかかるだろ。

つか学童代だけでかかるんじゃね。

anond:20190531083311

スポット的に家事掃除頼むだけだが。

子供の年齢次第だが、子供小学校以上ぐらいなら学童などの送り迎えなどぐらいでいいだろう。

2019-05-30

[] #74-3「ガクドー」

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学童小学生を預かる場所だが、色んな点で学校とは異なる。

なにせ下は1年、上は6年生までが小さな家屋に収まっている。

通っている学校や、性別だってバラバラだ。

そんな狭くて深い空間は、独特な文化社会を作り出す。

例えば、相手を名指しで呼ぶ時。

「マスダ、お前の番やで」

「あ、カンくん。サイコロ振って」

基本は呼び捨てであるが、学年が上の相手へは少しだけ気をつかって「くん」付け。

ちゃうやろ、マスダ弟ぉ」

「え?」

「ワイのことは“カン先輩”と呼べ。“カンくん”とか、むず痒くてかなわん」

または希望愛称で呼ぶよう決まっていた。

「先輩呼びだったら痒くないの?」

「あ~?……なんや、不服なんか? そこまでして“カンくん”って呼びたいんか?」

「う~ん……確かにカンくん”はちょっとキモいね」

「“カンくん”呼びやめろとは言うたけど、ディスってええわけちゃうぞ」

別にルールブックがあるわけじゃない。

ただなんとなく、各々の裁量雰囲気でそうなっていた。

から俺たちみたいに兄弟がいると、少々ややこしかった。

「ねえ、マスダ」

「ん? どっち」

「弟の方。マスダの兄さんじゃない」

俺だったら「マスダ(くん)」または「マスダの兄さん(ちゃん)」。

弟は「マスダ(くん)」または「マスダの弟(くん)」。

面倒くさがりな奴からは「マス兄」、「マス弟」とゾンザイに呼ばれていたこともある。

呼び方がまるで安定しないため、俺たちはしばらく混乱していた。


この独自呼称ルールは、学童所に唯一存在する大人である指導員にもあった。

「なあ、マスダ」

「どっちのこと言ってんの、ハリセン

学童所の指導員は、学校でいう先生みたいな立ち位置に近い。

だが先生はいわず、皆あだ名で呼んでいた。

名前にハリが含まれていたからハリ先生、略して「ハリセン」だ。

本名は知らない。

「ええと、長男の方ね……あ、もしかして次男だったり?」

見た目から来る印象も朧げだ。

よく不精髭をたくわえていたので中年だと思うが、剃った時の顔は20代のようにも見えた。

声は妙に甲高かった気がする。

「ほら、こういうことになるから、肩を叩くなりして呼べばいいって言ったじゃんか」

「ああ、すまん、すまん。どうも忘れっぽくてな」

学童はみんなタメ口で喋ったが、ハリセン咎めることもなくフランクに接した。

しばらく後になって知ったことだが、学童保育に就く人間は、学校教員とは色々と勝手が異なるらしい。

俺たちのあんな態度を気にも留めなかったのは、むしろそっちのほうが自然だったかなのだろう。

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2019-05-29

[] #74-2「ガクドー」

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そこでの生活学校ほどかしこまってはいないが、俺たちにとっては監獄も同然だった。

小国大国刑務所を比べることに、さして意味はないだろう。

だが、俺たちは悪いことをしたからそんな場所にいるわけじゃない。

償うものなどないし、前向きにやっていく権利がある。


さしあたっての問題は、退屈をどう紛らわすかであった。

現代の娯楽に慣れ親しんだ子供にとって、学童所の空間は何とも味気ない。

玩具けん玉コマ竹馬一輪車が主なラインナップ。

電子とは無縁である

いつからあるかは分からないが、どの玩具も使い込まれており、修理された箇所があった。

「もし、もし、カメよ、カメさんよ~」

「へえ、マスダ、糸なしでできるんだ」

「あったほうが邪魔なんだ、むしろ

まり興味はわかなかったが、何もしないよりはマシだった。

それぞれの玩具を、その時々の気分で遊んだ

「すごいなマスダ、もうコマを指のせできたのか」

「ああ、つなわたりも出来るぜ」

その中でも俺が比較的よく遊んだのは、けん玉コマだ。

学童所内には、それらの技表が壁に貼られており、難易度が設定されている。

誰がどういう基準で設けたのか知らない。

だが、とりあえず挑戦心はくすぐられたし、退屈しのぎとしては十分なスパイスだった。

「そういえば、弟くんはどこで何してるの?」

公園の外をグルグル回ってたよ」

「ふ~ん、まさか缶ぽっくりで?」

「ああ、缶コーヒー自己記録を越えるつもりらしい」

コーヒー!?

弟はというと、竹馬一輪車などの乗り物系に力を入れていた。

特に缶で作った下駄通称「缶ぽっくり」は足の一部のように動かせる程だ。


その他だと、少ないが本棚もあった。

ただ、あまり面白い本はなかった気がする。

「ん~? なんでこのキャラ死んでんだ?」

漫画もあるにはあったが巻数が揃っておらずバラバラで、読んでも話が分からない。

兄貴、見ろよコレ。おっぱいもチンチンも丸出し!」

「あのなあ、お前そういうのでハシャぐのやめ……なんでそいつ両方あるんだ?」

そもそも俺たち子供が読むことすら想定していない、ビミョーな内容のものも多くあった。

破れていたり、落書きされていてマトモに読めないものもあったので、あそこは放置に近い状態だったんだろう。


そんな感じで、退屈な環境ではあったが、そうならないようにする余地は多かった。

近くには小さいけれど公園があったし、自由に動ける範囲内には川原やら遊べる場所はたくさんあった。

やれることは、当時の目線から見ても前時代的な遊びばかりだったが、それでも子供たちが昔から親しんでいたモノだ。

俺たちが楽しめない道理はない。

それでも、いよいよ手持ち無沙汰になったら、最終手段

手持ち式の数取器を、ひたすらカチカチやる。

兄貴ぃ、いまどれ位?」

623……4だな」

「少なっ、こっちはもう1000いったよ」

別に勝負してるわけじゃねえから

「と言いつつ、いま横のツマミ回しただろ!」

そうして数取器のカチカチ音を聞いていれば、「何か別のことをやりたい」という意欲が湧いてくる。

9の数字が並んだことも一度や二度じゃない。

その頃の名残で、俺の親指は今でも歪な形をしている。

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2019-05-28

[] #74-1「ガクドー」

年号が変わる意味なんて分からないけれど、何事にも節目ってのはある。

まれて十数年しか経っていない俺だって、勿論そうだ。

身長は伸び、それに比例して体重も増えて、ついでに色んな所にも毛が生えた。

やりたいことも、やれることも、やらなきゃいけないことも両手に収まらない。

でも年号と同じく、時間は俺たちの気持ちとは関係なく流れ、距離はどんどん離されていく。

からこそ思いを馳せたがるのかもしれない。

俺が今よりもガキだった頃、ちょうど今の弟くらいだった時にまで記憶は遡る。


あの頃の俺と弟は、とても不自由な思いをしていた。

平日のスケジュールはこうだ。

まず午前7時に起床。

朝食を摂ったり、身支度を整えるのに1時間弱。

多少ズレても8時ちょっとには学校に着くようにする。

そこで数時間過ごして下校し、その足で真っ直ぐ学童所へ。

父親が迎えに来る午後6時過ぎまで、そこで過ごす。

買い物を済ませ、家に着いた頃には午後7時前後

そこから晩飯や入浴、睡眠もあることも踏まえれば、自由に過ごせる時間は皆無に等しい。

当然、夜遅いので友達の家に行って遊ぶだとかの選択肢存在しない。

俺たちは実質、1日の半分以上を自宅以外で過ごし、子供時代の豊かで自由時間を拘束されていたわけだ。

まあ、子供自由時間なんて、総体的に見れば無駄だとは思う。

だが、その無駄すら愛せない不自由感が問題だった。


その不自由感の象徴ともいえるのが、当時通っていた『ハテナ学童保育所』だ。

小学生向け保育園みたいな場所で、親が仕事を終えるまで子供たちが時間を潰す場所だった。

「マスダは何で学童に?」

「母さんが母さんでなくなっちゃったらしくて」

「え……」

この時、俺たちの町では『親免許制度』なるものが実地されていた。

体の9割が機械化していた母はこれに引っかかったんだ。

から特別試験仮免をとるまで離れ離れ。

仕事で家にいないことが多い父は、止むを得ず俺たちをここに預けたってわけ。

「マスダ、ほんとゴメン。ちょっと無神経だったよ」

別に謝るようなことでもないと思うが……」

あの時、理由を聞いてきた学童仲間がすごく気まずそうにしていたが、何だか誤解されていた気がする。


学童所での環境は、お世辞にも良好とは言えなかった。

ないよりマシ程度のボロ屋で、壁や柱には歴代学童たちの落書きと傷で溢れている。

まりのボロさに、映画舞台で使われたほどだ。

タイトルは覚えてないけど、多分しょうもない映画だと思う。

「……弟よ。口を開けたまま、天井をずっと見ているが、バカみたいだぞ」

兄貴自分の弟がバカであってほしいわけ?」

「いいや……じゃあ、なんだ? 学祭バカ役でもやるのか?」

「なんか、天井から水が落ちてくるから、どんな味かなあ~って」

「……!?……バカヤロっ、そんなの飲むんじゃねえ!」

雨漏りという現象を直で見たのも、その時だ。

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2019-05-22

anond:20190522112740

今時は帰宅時に家に大人がいない子は学童に行くのが当たり前で、

そうではない子は「鍵っ子」じゃなくて「放置子」と言われて被虐待児扱いだよ。

2019-05-07

anond:20190507102815

子供が小さい間は夜泣きマジで寝る暇もないし、大きくなってからも結局習い事の送迎やら長期休みの間の面倒やらでパートぐらいしか時間の余裕なかったりする、それで普通

もちろん、睡眠時間3時間でも保育園に預けて働く人もいるし、長期休暇も毎日学童に行く子もいる。でも、それは限られた親子にしかできない、普通に辛いよ

はいはいレアケースを一般化する手はもう飽きたよ

昔の人は自動化されてないなかでそれを当然のようにやっていた。

専業風情が泣き言ばっかり聞き飽きたよ。

時間の内訳書いてみろよ

anond:20190507101548

あーこういう人

一人暮らし家事と、専業主婦仕事を一緒にしてる時点で…

子供が小さい間は夜泣きマジで寝る暇もないし、大きくなってからも結局習い事の送迎やら長期休みの間の面倒やらでパートぐらいしか時間の余裕なかったりする、それで普通

もちろん、睡眠時間3時間でも保育園に預けて働く人もいるし、長期休暇も毎日学童に行く子もいる。でも、それは限られた親子にしかできない、普通に辛いよ

2019-05-04

anond:20190504103513

学童なんかいくらでもあるが。

でも小1の壁小1の壁って騒いでるけど、あれの原因の半分は「子供が成長したこと」だから根本的にはどうしようもないんだよね。

保育園児は夜遅くまで保育園に閉じ込めても周りが皆そうだから疑問を持ちにくいし、文句も言わないし、文句言ったとしても園脱走したりはしない。

保育士に逆らったとしても所詮幼児からやる事はたかが知れている。

そして勉強せずに毎日遊んでるだけでも構わない。

でも小学生になると「世の中には学校が終わったらすぐ親のいる家に帰宅して自由友達と遊べる子が多数いる」事に気づいてしまうから

そうではない自分の状況に疑問と不満を持つ。

動力も上がるから学童に入れても脱走したりするし、指導員の手に負えないくらい反抗する子も出てくる。

本人がそうではなくても、そういう子にいじめられたりもする。

学童で下級生が上級生にいじめられると言うのはよくある話だし、上級生になれば指導員の目の届かない所でいじめをする知恵だってつく。

宿題毎日出るし、分からない事があってもその時にしっかり身につけないとどんどん分からなくなっていくが

児童数十人に対して1人のスタッフという普通学童でそこまでフォローするのは不可能だ。

から金のある親は金をかけて、なるべく民度が高く安全勉強フォローもしてくれる学童に入れたがるがそういう所は当然高い。

それにしたって親が家にいて子供常時監視できる状況と比べたら遥かにフォローは手薄になる。

シッターでも雇うなら別だが、それこそかなりの金がかかる。

勿論子供が大きくなればなるほどその傾向が大きくなっていく。

子供は(悪)知恵がついて教師学童指導員のいう事を素直に聞かなくなるし、勉強は難しくなっていく。

中学受験の為に母親仕事を辞める」ってのが多いのも結局はそのため。

大人監視しなきゃ大多数の小学生受験勉強なんかできないし、それを全て他人(塾や家庭教師)に頼んだら生半可な母親給料など全部吹っ飛ぶ。

24時間保育園を使って残業夜勤休日出勤も全部自由にやるエリートママ」の記事を見たことがあるが(医者とか高級官僚とかそういう人だった)

子供小学生になったらどうするのかと思ったな。

保育園児はそれで良くても小学生24時間学童に放り込むなんて無理だろ。

本人が疑問と不満を持つし、そんな親なら当然中学受験もさせる前提だろうに。

共働きをしやすくするための制度もっと整えるべき」と言うけど、ぶっちゃけ無理だろと思っている。

税金で、子供を一人一人十分に監視出来て受験勉強フォローできるだけの人員のいる24時間学童希望者全員入れるだけ整備しろと?無理に決まってんだろ。

その金や人的リソースあったらまず学校に回すだろうよ。

母親パートか、フルタイムでも9時5時残業無し責任も無しなマミトラック仕事なら何とかなるだろうが

両親両方が社畜として働くのを税金フォローするのは無理。

自腹でフォローサービス買うとしても、子供がそれにずっと疑問を持たず素直に従う可能性はかなり低い。

2019-05-02

どう考えたら 新幹線の三景

暮れの新幹線

相当の混雑なので指定車両に移ってみた。

ここも満席だったが、 ふと見ると、座席に小さなバスケットが置いてあり中に小犬。隣に若い女性が座っていた。

早速「ここ空いてますか」と尋ねてみた。すると、その女性は、「指定席券を買ってあります」と答えた。

私は虚を突かれた思いがした。


改めて車内を見渡すと、多くの立っている大人の中、母親の隣で3歳ぐらいの男の子が座っている座席もある。あれも指定切符を買ってあるのだろう。

仕方なくいっぱいの自由席に戻ると、ここにも学童前と思われる子が親の隣に座っていた。

懲りもせずにまた「ここ空いてますか」と尋ねると、母親は仕方なさそうに子どもをひざの上に乗せ、席を空けた。

私はその座席で居心地の悪さを感じながら、この新幹線の中での三景をどう考えたらいいのか自問した。

2019-04-26

anond:20190426124105

超雑に計算して、35年ローンとしても1年につき200万(実際は利子や諸経費あるからもっとかかるだろう)か

子供産んだら奥さん収入が100万下がるとして世帯年収800万。手取りは600万くらい?

んでローン200万、保育園代50万払って(3歳過ぎても大幅に下がる訳じゃないし、小学生になったって学童代がいるし)350万。

ここから子供2人分含めた生活費と貯蓄を出すのか。

学童代が要らなくなる頃にはそれ以上の教育費がかかってくる。勿論生活費だって大きくなるほどかかる。

その頃には奥さんの働ける時間が長くなるとしても、教育費を補うので精一杯だろう。

これじゃ大学奨学金頼るしかなさそうだし、老後の資金も貯められるんだろうか。

なんか自転車操業感が凄い。

更に繰り越し返済なんて出来る余裕ないからそれを35年継続(まあ子供就職すれば子供も払ってくれるかもしれないが、それを前提として家買うのは毒親過ぎるだろ)。

…無謀すぎない?

今後大幅に収入増える見込みがあるとか、親から援助受けられるってならともかく。

どちらかが働けなくなったり、これ以上収入減ったら詰むし。

2019-04-19

anond:20190419155619

だよね。

子供の預け先に触れてないって事は、末子もも小学生以上って事だろう。それも学童必要ない年齢。

旦那が鬱でも子供に支障ないってのも、多少ほったらかしても構わない年齢って事だろうし)

そりゃ子供がそこまで大きくなってるなら育児の方が楽に決まってるし

教育費考えたら収入足りなさ過ぎて大黒柱だなんてとても言えないし

今のままなら旦那「も」働けなくなったら崩壊する状態

ってか旦那も何がなんでも正社員に戻らなければ詰む。

そういう認識がない時点で創作っぽい。

恐らく実際は仕事部分だけが実話で育児子供に関する費用についてはよく分からない独身子なしとかなんだろうけど、

その収入結婚したって大黒柱だなどと威張れないし正社員共働き必須から勘違いすんなとしか

2019-04-03

ぴかぴかの一年

入学式を来週に控えた新一年生の息子

3月までは保育所に行っていたが、私は在宅ワーカーだし、息子は大人しい子だし、なんとかなるかなぁと思って4月から学童に行かず家にいる。

が、なんともなっていない。

とりあえず春休み目標毎日学習プリント1枚、小学校まで一緒に一往復する、自転車公道を走る練習をする、スクラッチゲーム作り、

これを一通り午前中に一緒にやって、午後からは私は仕事、息子は1人遊びにしようと思ってたんだけど、当たり前に午後までかかるし、夕方ごろに終わったとしても私もヘロヘロ仕事にならん。

学校まで子供の足だと往復1時間かかるし、息子は自転車にハマって隣町まで行きたがるし…家のとなりのコンビニまでもわざわざ車で行く親には辛いぜ

まぁ、息子は楽しそうだしあと1週間体に鞭打って頑張ろう。

2019-02-08

いいこと思いついた

anond:20190206170358


法改正して児童福祉関連の税控除だけクソ上げしまくったらよくね?

この国の金持ち自分さえ得になるなら法の抜け穴に遠慮なく突っ込んじまう金の亡者ばっかだからふるさと納税より得できる控除設計にしたら間違いなく飛びつくと思う。

その金で職員雇いまくって足りてない保育園学童児童相談所建てまくろうぜ!!!!!!

2018-12-26

anond:20181226134727

まだやるのか

専業主婦(主夫)は自宅で家庭を守る事に専念出来る収入を持ってくるパートナーを見つけるという、社会コスト払った

専業主婦(主夫)は家庭を守ることが出来ると引き換えに、労働市場での優位性を失うリスクを背負った

で、背負ったリスク自分選択なんだから自分で解消するしかない

自分は、専業主婦が外で働く人よりも楽だなんてまったく思わないよ

税金保育所学童にぶち込んで地域活動に一切協力しないサイコパス乞食たちよりも、立派だし、やるべき事をやっていると思う

2018-12-25

anond:20181225092336

思い込みじゃなくて現実だよ。

今時の小学生は忙しいし、遊びに行くとしても必ず家に帰ってランドセル置いてから、と学校から指導されている。

親も学校帰りに子供がふらふら遊びに行く事を良しとしない。

共働きなら尚更、学童行かせたり子供放課後暇にならないよう塾や習い事時間埋めてる。そういう事をやらない親=放置親扱い。

親が専業でも、遊びに行かせるならまず帰宅させてどこに行って何時に帰るか聞いてから

(そういう事をしない親の子ランドセル持ったまま勝手他人の家に入り浸ったりしたら放置子扱いで近所から嫌がられる)

んで高学年になれば6時間授業で帰宅時間は3時半、塾は4時から、とかだから最短距離でないと間に合わない。

子供ランドセル背負って勝手に遊びに行っても親も学校も近所も関知しなかった昭和の頃とは何もかも違うんだよ。

今の小学生のほうが親がスマホ持たせてるんだから

まともな親はフィルタリングかけてるから

あとスマホ自体持ってる子の方が少ない。当たり前だが。

持ってる子も塾通いで親との連絡手段必要という理由が多くて、そういう子は基本忙しい。

親との連絡の為ではなく娯楽の為にフィルタリングなしのスマホ持たせてる親は放置親。

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