はてなキーワード: 音痴とは
大学2年の夏から卒業するまでの2年半、塾でバイトをしていた。
菅直人似の塾長が一人でやってる個人経営の小さな学習塾で、中高生に英語を教えたり電話番や事務作業をやったりしていた。特に仕事がなければ大学の課題なり内職をやっていてOKという恐ろしくゆるい環境だった。
英語科のT先生は長身で飄々とした雰囲気のイケメンだった。掛け持ちで高校の非常勤講師もやっていた。
学校と塾の掛け持ちって大変じゃないですかと聞いてみたら、「常勤の先生はそうだろうけど、非常勤ならそうでもないよ。俺も必要最低限の仕事だけして切り上げてるし」とのことで、要領よくて羨ましいなと思った。
同時に「まぁでも学校の先生より塾講師の方がずっと楽だねー。学校では英語の他に道徳も教えなきゃいけないからさ」とか言ってておいおいと思ったが、そのゆるさが生徒には人気だったし、何より教え方も抜群に上手かった。それにしても道徳って高校でも教えなきゃいけないのかと、先生という職業の大変さがしのばれた。彼くらい割り切っていなければやっていられないのかもしれないなと思った。
私とほぼ同時期にバイトを始めた英語科のY先生とは、同性で年も近く大学も同じということですぐに仲良くなった。Y先生はクール系の美女でサバサバして教え方も上手くて私の憧れだったのだが、致命的に男運がなかった。彼女の恋バナを聞く度、なんでこんなカッコいい先生がそんなダメ男とずるずる付き合ってるんだろうと不思議でならなかった。
ある日Y先生に「ね〜増田先生私もうどうしたらいいと思う?率直に聞かせて!」と言われたので「別れた方がいいと思います。Y先生にはもっといい男がいるはずです」と正直に答えた。すると「増田先生ってば普段はどっちかっていうとのんびりしてる方なのにこんなにすっぱり言ってくれるのやばい!めっちゃ気持ちいい!」といまいちよく分からない感激をされた。
私はY先生には是非とも彼女に見合う素敵な男性と幸せになってほしい一心だったのだが、アドバイスの方向性があれで合っていたのか自信がない。その後Y先生が彼氏と別れたのかどうかも知らない(なんとなく聞けずじまいだった)。
Kくんは柔道部の稽古に打ち込むスポーツ少年だった。稽古にのめり込むあまり成績が下がってしまったとのことだったが、真面目で地頭はよく、教えたら教えただけ英語の成績は上がっていった。
Kくん真面目ですごくいい子ですねーと塾長に話したら、「いや〜あいつ家ではクソババーとか言って母ちゃん困らせてるんだってよ」と意外な一面を教えてもらった。「まあ男子中学生なんてみんなそんなもんだなー」と塾長はワッハッハと笑っていた。
それ以来、私の言うことにはみんな素直に従うKくんを見ていたらなんだかおかしくなってしまった。Kくんはまるで弟みたいな感じだった。一度、こっそり流行りの漫画を貸してくれたこともあった。2年の間に、いつの間にかすっかり背も追い越されていた。
もしこれが本当の弟だったなら、きっと私がクソババー呼ばわりされていたに違いないのだろうなと思った。
数カ月後Kくんの弟のUくんも教えることになった。彼は心臓にちょっとした病気を抱えていてその手術のため数ヶ月入院しており、一週間前に退院したばかりとのことだった。
最初の授業の日、手術とかプライベートなことにはあまり突っ込まれたくないかなと思い、そこには触れず当たり障りのない授業をした。授業後、塾長に呼び出された。「Uくんがね…」まずい、なにか粗相をしてしまっただろうかと身構えた。「Uくんがね、手術のこと聞いてほしかったって」「えっ」「先生がそこにノータッチで寂しかったんだってさ。次はちょっと話聞いてやってよ」
一週間後、2度目の授業で「Uくん入院してたんだって?手術大変だった?」と聞いてみた。途端にUくんの顔がぱっと明るくなった。彼はお兄ちゃんのKくんと比べるととても物静かな子だったが、私の言葉に確かに嬉しそうにうなずいていた。
ちなみにUくんはお兄ちゃん同様めちゃくちゃ優秀な生徒だった。あまりに手がかからなさすぎて彼のコマはボーナスタイムみたいなもので、こんな生徒ばかりならどれだけ楽かと思っていた。
お世辞にも進学塾とは言えない塾だったのでやる気のある生徒は少なかったのだが、そんな中でもIちゃんは学校での成績も優秀で、塾での授業が終わったあともずっと自習スペースで勉強しているような真面目な子だった。
Iちゃん真面目ですよね〜他の子もこれくらい勉強してくれればいいのにとY先生に言ったら、「でもあの子T先生と付き合ってるよね」と衝撃の事実を聞かされた。何で知ってるんですか?と聞いたら、彼女は「私も高校生の頃教師と付き合ってたから。あの感じは間違いないよ。うん、間違いない」と返されそれ以上IちゃんのこともY先生の過去も追及できなかった。
夏期講習になると生徒たちはみんな私服で通塾してくるようになる。ある日私に参考書のコピーを頼んできた女子生徒は、夏らしくとても可愛いワンピースを着ていた。「そのワンピース可愛いね。前も着てたよね?」と話しかけた。「前も?」とみるみるうちに彼女の顔が曇っていって、しまったと思ったが遅かった。ごめん、そういう訳じゃなくて、と取り繕う間もなく、彼女はコピーを受け取るとすぐに行ってしまった。
その日は家に帰ってから、自分のコミュニケーションの下手くそさ加減にだいぶ落ち込んだ。
機械音痴の塾長に代わって、彼が昔購入したまま放置していたパソコンのセットアップを頼まれた。私の腰ほどまであるでかいダンボール箱に詰め込まれた、小さな個人塾には明らかにオーバースペックなデスクトップPCで、塾長はなんでこんなの買ったんだろうと思った。
教室でセットアップをしていたら、女子生徒2人組が入ってきた。彼女たちはいわゆるギャルというやつで私とは対極にある人種であり、話したこともないのに一方的に苦手意識を持っていた。だが2人は私を見るなり「先生なにやってんの〜?あ〜なにこれ先生の筆箱かわい〜♥」ときゃぴきゃぴ盛り上がり、私の隣で仲良く自習を始めていた。
少し経った頃勉強に飽きたのか2人が話しかけてきた。「先生なんでそんなことやってんの?」「塾長に頼まれたんだよ」「え〜でもそういうのって男子の仕事じゃーん!」「そうかな?」「普通そうだよ〜そーいうのは男子にやらせなきゃ!」「でも先生こういうの結構好きなんだよねー」「そっか〜!」みたいな会話をした覚えがある。彼女らの屈託のなさが眩しかった。私も彼女らのように臆せず他人と明るく話せたならなあと思いながら、夜家までの坂道をチャリで漕いだ。
卒業・就職を期にバイトは辞めたが、とてもいい職場だった。辞める日、「増田先生辞めたとは思ってないからさ、いつでも来てよ。ほら、先生紹介の紙も貼ったままにしておくからさ」と壁を指し笑う塾長を見ながら、このおっさんまた調子のいいこと言ってんなーと思った。
先日、結婚の報告も兼ねて久しぶりに塾を訪ねた。数年のブランクを感じさせない気さくさで塾長は変わらず出迎えてくれた。
しかし私の紹介の紙は既になくなっていた。やっぱりなと笑ったが、そもそも他の先生達の紹介もなくなっていた。その代わり、壁には私が勤めていた頃の3倍くらいの量の「目指せ○○大合格」の紙がずらーっと貼ってあって、その一枚一枚に生徒たちの手書きの抱負が書かれていた。
1. 音声指示が苦手
話すスピードと同じ速さでタイピングができれば紙に書いて渡すだけで終わります。タイピング速度が遅いことが問題です。「ひらがなならだいじょうぶだけどかんじにへんかんするとはなすほうがはやい」と反論するかも知れませんが、変換することにより「Tポイントカードはお餅ですか?」が回避できることによりその減速は結局相殺されることを知ってください。
2. 教えた通りの手順を無視する
教えたとおりの手順が本当に最適解である理由を説明しきれてないことが失敗の原因です。あなたは知っていて相手は知らない情報、その逆が潜んでいます。ヒアリング能力と説明能力を鍛えてください。ちなみに、やり方の理由を説明せず単に方法だけを説明すればいいという教え方を繰り返すと、誰に教えても次の3つの弊害が生じるチャンスが生まれます。①似て非なる作業で同じ手順を行おうとする②作業の本質を理解する機会を逃す③自分で作業手順を考えることができなくなり毎回教わる
3. 何度同じことを教えても、毎回「初めて聞きました」という顔と反応をする。
共有フォルダとして「お前に教えたことリスト」を作成してそこに全ての教育資料をぶち込み相手には閲覧権限のみを与えましょう。データで残っている場合もう一度教える場合は「これ読め。わからんかったら疑問点を書き出して渡してくれたら補足する」と伝えるだけでいいで本当に楽でおすすめです。
4. 息を吐くように嘘をつく。ただし、本人に自覚がない。
『何を言われても毎回何かしら文句をつけると、相手がそうやって嘘を吐き続けるようになるのでそれをチクって職場から消えてもらう』というテクニックを無自覚に身に着けたことは素晴らしいことですが、自分が使っている道具の本質が見えていないのでは宝の持ち腐れですね。まあ……あなたはその部下にいますぐ消えてもらいたいらしいですから使い方はあってるんでしょうが無自覚なのが玉に瑕ですね。
5. テンパると何も考えられない。
自分がテンパってる時の状態を誰かに動画で撮影してもらってみてください。音声だけボイスレコーダーで録音してもいいですよ。マジで何言ってるのか分からなくて楽しいと思います。知ってますか?音痴って自分が歌っている声を録音する所から治っていくんですよ。ちなみにその新人がテンパってるときの状態を録音してみろと伝えるのは教育としておすすめです。ちなみに貴方が勝手に他人を撮影した場合、それを貴方をよく思ってない人により「アイツ他人のミスった所を撮影してそれを皆の晒し者にして笑ってるらしいぜ」と噂が立ったら貴方がその職場を去ることで今の苦しみから開放されることもできます。どちらなりと
6. 外見が若いというか幼い。それに比例してか、中身もやや幼い。
いきなり惚気るっていうネタ、もう時代遅れですよ?今、令和なんで。
最後に
クズや精神異常者たちが織りなす物語を消費する舞台としての役割を。
なぜ?
簡単だ。
割られなくなったからだ。
今でも割られてるのかも知れない。
しかし堂々とエロゲを割って、割ったゲームについて堂々と人と語る人種は減ってきた。
なによりも今どき割れぐらい恐れ知らずの技術音痴ほど手を出す類のものであるというイメージによって割れ文化はオタク界からフェードアウトしていった。
代わりに残ったのが無料で提供されるソーシャルゲーム、WEB漫画だ。
気になったら無料ですぐ遊べる、すぐ読める。
何かが流行るために必要なのは初動のアクセスこそが重要だが、それを邪魔する金銭的コストや購入手続きという障壁が一切ない。
圧倒的にバズりやすい。
連ちゃんパパは凄い。
ツイートやスレッドに貼られたURLをクリックして5分も読み進めれば圧倒的クズの凄まじさについて皆と語れるようになる。
「読み始めたんだけど思ったよりクズじゃないな元教師ってこと考えるとヤバいけど」
「それはまだヌルい方」
「これパチンコ進めたガキが全部悪いだろ……」
圧倒的に高速だ。
これがエロゲだと発売日の段階で既にクリア(早売り店で購入+そこから割れで共有)した連中が怒涛の勢いでネタバレをしていたのでクリアするまでは近寄れなかった。
今の時代ではクリアするまで近寄れないというのは圧倒的に重くて遅い。
ソシャゲであれば始めたばかりのプレイヤーが最強リセマラランキングに騙された風を装えばいくらでも相手してもらえる。
プレイ時間数十時間の果てにある衝撃のラストとは、数十時間かけて消費し切るまでは誰とも語り合うべきでないコンテンツであることを意味している。
これでは語る時には既にその作品は思い出に変わっている。
「語るときには思い出になっている」というのはエロゲの持つ強みであった。
美化されたものについて語り合うからエロゲのトークは熱を帯びた。
しかし、思い出を語るスタイルはリアルタイム性を重視する時代にはもう合っていない。
ここに全ての答えがあると言っていい。
インターネットという空間の文化が変わったことでエロゲは衰退した。
アンダーグラウンド性の強かった時代、割れを容認する空気とゆったりとした時間の流れの中でエロゲ文化は育まれた。
時は流れインターネットの空気もSNSの一般化などによりクリーンになっていき、同時にスピード感が求められる中でエロゲはマイノリティ文化となった。
マイノリティであるということほどインターネットで弱いものはない。
無限大に広がる海の中、いくらでも時間をつぶす場所がある中でマイノリティであるということは無いということにすら近しい。
しかしそれはインターネットの主流からは取り残された場所にある。
そこでは今もほそぼそと思い出が語られている。
18禁美少女ビジュアルノベルなんてそれでいいんじゃないだろうか。
好きだろ?
全部終わった後の静けさみたいの?
参考資料
Googleは、カレンダー、ドライブ、写真、Google Keepなどなど。
で最近発見した新機能、Google Keepの画像のテキスト抽出する機能が
便利すぎて感動してる。
もともとあったようだけど発見したのは数日前。
使ってみてその便利さに刮目した。
やり方はいたって簡単で、Google Keepのメモに画像を貼り付け、
その画像をタップして開き、画像のテキスト抽出するを選ぶだけ。
ほんの1秒で画像の中の文字が全てテキスト化されて、メモスペースに
入力される。
ペーパーレス化してるんだけれども、使っているテキストの量が多すぎて
なかなか作業が進まず困っていた。
だけどこのテキスト抽出くそする機能を知って、試しにやってみたら
見開き1ページが1秒でテキスト化されて、それをコピペしてExcelに
今までは、手入力だったから誤字脱字もひどいし、すごい時間かかってたけど
これならその心配もいらない。
なんて楽なんだ!
手入力だったから誤字脱字もひどいし、すごい時間かかってたけど
これならその心配もいらない。
なんて楽なんだ!
3年前から在宅ワーク3年前からノマドワーカーで、旅先でも仕事をしてたけど
便利な機能を見つけることができる。
さらに小さい事だけども、日程調整の日付提案がブラウザのカレンダーの日付をタップするだけ
例えば、
「以下の日程でご都合いかがでしょうか。
これだけの1文を入力するのに、たびたび半角全角入力を繰り返し、記号の()を入れたり
する手間がすごくかかっていて、ほんとにめんどくさかった。
Googleカレンダーから自動で日程調整の候補日を押す相手に送信するアプリも
あっていちどはダウンロードしたけど、私の場合、仕事とプライベート、
アカウントが3つあり、各アカウントでスケジュールを入れているので
1つのアカウントでしか登録できないこのアプリではどうしてもスケジュールに漏れが出てしまい
断念。
もしアカウントを複数登録できるようになれば、ぜひ活用させてもらいたいけども
今はアナログの「以下の日程でご都合いかがでしょうかメーカー」を愛用さしてもらってる。
アンドロイドとiOSを使ってるけれども、音声入力に関してはiOSの方がやっぱり便利。
アンドロイドだと句読点が入れられないので、結局、手入力する羽目になるのが残念。
ちょっとでも不便だと思ったら、とりあえず検索する癖をつけたほうがいいのかもしれない。
音声入力も、新しく買ったBluetoothキーボードが硬くて何とかならないかと思った時に見つけた。
常識的な技術かもしれないけれども、去年までBluetoothのことを、真顔でblueteethと
読んでいた位の機械音痴なので自分としては世紀の大発見だった。
仕事の早さには定評があるし、そこは自信がある。
そのための工夫を日々怠らないからだ。
おなじ仕事の量なら、楽に越した事は無い。
結果が同じまたはそれ以上に良くなるのであれば、楽するための努力をおしまない。
とかく便利になったなと思うこの頃。
今後も新しい技術に少しでも追いつけるように頑張っていきたいと思う
俺が通ってる大学も他と変わらずオンライン授業になった。最初決まった時教授は高齢な人も多いし対応できない人がいるのは予測してた。でも大学生の方がよっぽど酷い。
俺の大学は非公式ではあるがLINEのオープンチャットがあり学年、学部問わずいろんな人がやり取りしてるんだがそこの質問のレベルが低すぎる。いくつか覚えてる例をあげてみる。
俺の大学の学生ページはURLを直接貼れないらしく学生が一度URLをコピーして検索しないといけないのだがそれができず開けないと言ってる。
上の質問をした時コピペして検索しろと解答したら検索フォームに貼って検索した。
Wordが使えない
オンライン授業となると出席の代わりに課題を提出することが多いんだがそれをやるためには当然Wordを使う必要があるんだがデータをpdf化出来ない奴、文字に下線が引けない奴とか基礎中の基礎ができない。
俺自身そこまで詳しいわけじゃないけど正直ここまで機械音痴が多いとは思ってなかった。そしてこれらの問題は検索さえすれば確実に出来るのに人にそれもしてない。ここまで機械に疎い奴ってスマホ持って何やってきたんだろう。この大学生の機械音痴の実態は今回のコロナ騒動で一番驚いたことかもしれない
振り返るとやっぱり1999年に製造業への派遣を解禁したダメージが大きかった気がする
あの頃のコストの要因だったパソコンもろくに使えないバブル期を謳歌した使えない連中に、労働力の搾取とシバキ上げという麻薬をまさか政府が主導して与えてしまうとはね。
派遣規制はそのままにして、20年前のあの頃にバブル謳歌組のあいつらをみんな蹴っ飛ばして大規模なリストラや倒産をさせてでも新陳代謝を起こすべきだった。
20年前ならどうやったってインフラと人的リソースはまだあったんだから、自然発生的に新産業もイノベーションももっと生まれていたんじゃないだろうか。
バブル期を謳歌したあいつらに任せてたらニッチもサッチもいかない状況を早く作るべきだった。そんな連中を政府が自ら甘やかした。
結局20年経ってどうだ?島耕作よろしくの経団連や主要ポストもみんな20年前に首の皮がつながったシャブ漬けの無敵ジジイみたいなのばっかりが居座り続けることになった。相変わらずの著しいIT音痴だ。
そりゃ国も沈む。
最近ツイッターでこのような意見を見かける。それは『マイナンバーカードがもっと普及していれば○○という政策が取れたのに』というものだ。僕はこの意見が間違っていると思う。マイナンバーカードが普及しているかどうかはあまり関係がない。
今の日本の行政の円滑な運営に足りないのは汎用に使える認証・認可基盤である。マイナンバーカードという物質はその手段に過ぎない。認証・認可基盤があれば今やりたいことはだいたいできる。マイナンバーカードを使うかどうかはその時になって考えればいい瑣末な問題である。マイナンバーカードを使う手もあるし使わない手もある。一番大事なのはマイナンバーカードではなくそっちだ。
この誤解は多くの日本人がIT音痴であることの根源に思える。具体的な物体を通さないとその背景のシステムを理解できない。ハードは作れるがソフトを作れない。
Twitterで上記のような主張をする人の中には、プロフィールにITエンジニアと書いている人も多かった。日本人はITエンジニアすらソフトウェアの感覚が乏しいのだ。
僕は昔愛知県内の大手自動車部品メーカーの出入り業者をしていた。この会社の中の人もここを全く理解していなかった。末端社員から偉い人までみんなそうだった。社員・出入り業者・その他関係者向けのシングルサインオンシステムは存在したが、一度認証してしまうとそのシステムに絶大な権限が与えられてしまうので、そのシングルサインオンシステムを使うにはめちゃくちゃ大変な申請が必要だったので、弱小部署が新しく社内向けシステムを作る場合、そのシングルサインオンシステムを使わないことが多く、社員は沢山パスワードを覚えなければならず、各システム担当者は膨大なグループ社員名寄せノウハウを要求されていた。この会社はソフトウェアの時代についていけずに潰れていくんだろうなと思った。(あと未だにLotus Notesつかってるし)
じゃあどうすればいいのか。もちろん認証・認可基盤を作ればいい。ここで、認証と認可は別物である。ITエンジニアすらイマイチ理解していない人が多い。
マイナンバーカードがあればよかったと言ってる人は、マイナンバーカードは認証に使うものなのか認可に使うものなのか教えてほしい。
断っておくと僕はIDの専門家ではない。IDというのは学問的に一大ジャンルなので、細かいことはちゃんと自分でググってほしい。
ざっくり言って、認証が「お前誰よ」で認可が「お前何がしたいん?」である。
GoogleログインやTwitterログインが代表的な例である。あれはOAuthという仕組みだ。Twitterログインを使うと、第三者にTwitterのパスワードを開示しなくても、その人にTwitterに投稿する権限を貸すことができる。その人のことを信用なくなったらTwitterの管理画面からそいつに貸した権限を取り消すことができる。
もし国民OAuthがある状態で、例えば現金の給付がしたいなら末端の官僚さんが国民OAuthシステムに簡単な申請を出し、それから口座入力画面をさっとつくればいい。1日で終わった仕事である。この例であれば、国民OAuthはこの官僚さんに対して「国民の一意性の保証」だけを提供すればいい。それ以外の情報はこの官僚さんが作ったシステムに一切渡らない。そうすれば一人が二回現金を受け取らないシステムが作れる。看護師さんにだけちょっと多めに支払いたいなら、「看護師かどうかフラグ」を提供すればいい。そうすれば、看護師ではない人の職業がバレることもない。そういう柔軟な対応が可能だ。
要するに、安全に様々なシステムを接続できる汎用認証・認可基盤を中心に様々なシステムを連動させていけば新しいシステムを作るのも簡単だし、国民のストレスも少ない。