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はてなキーワード: キレイとは

2020-11-24

コロナ禍の中で出会い系半年ほどやってみた感想

コロナ仕事がヒマになったこともあって(40代後半自営業、実質所得2000万円程度、妻と子供2人)、出会い系サイト登録してみた。もともと5年になる恋人の甲さん(アラフィフ、既婚、子供あり)がいて、甲さんとはナンネット的な遊びをしていたのだけど、ナンネットのような異性に満たされた男達じゃなくて、出会いを求めている男性達に彼女の裸の画像動画でも見せてあげた方が喜ぶんじゃないのっていうくらいが登録動機だった(2020年3月登録

 

登録してしばらくは、業者さん、あるいは個人事業主売春婦さんからの売り込みのメッセージがどんどん届いた。お店のサイトで顔と身体を出しても客が付かない、あるいはそういった店で働く程度の協調性みたいなものがない女性が多いのだろうなと思うので放置しておいた。出会い系サイト内で日記がかけるので、そこに彼女とこんなラブホテル行ったとかいうような内容を性描写は抜きで、彼女身体写真(顔無し)と共に貼っておいた。温泉にいけば温泉での裸、露天風呂付きのラブホテルにいけば、青空と裸、そんな感じだった。

 

しかし、出会いを求める男性そもそも男性が書いた日記なんて見ちゃいないのだろう、ほとんど反応は無かった。それではまたナンネットの方に戻ろうかなと思っていた5月40歳くらいの女性からメッセージが届いた。「条件があれば教えてください(お金欲しいんだったら言ってね)」というメッセージを返したら、どうやらお金は求めていないみたいだった。それでこんなコロナの状況ですが会いましょうかってなって大阪スパワールドの近くで待ち合わせをした。車から降りてまっていたらすぐに彼女は来て、挨拶したら、ホテルに行きましょうってことになって、そのままホテルに移動して、2時間ほど汗を流して、また駅まで彼女を送って別れた。

 

その彼女とはその時だけだったが(私のルックスセックス基準以下だったのだろう)、また6月にもメッセージが届き、その女性アラフォー)とは、2か月の閒に3回くらいあった。車でピックアップしてホテルにいった。もちろん日常会話もするし、ラブホテルご飯だけど一緒にも食べるし、子供受験の話なんかもした。でも基本的にはセックスをして別れた。その彼女は夫の転勤とやらであえなくなった。本当かもしれないし違うのかもしれない。

 

私がその出会い系サイトで書いているプロフィール別に通り一遍のことだ、性感帯は?みたいな質問にはさすがに答えていないが(そんなのまじめに回答している中年男性なんて気持ち悪い)身長体重活動エリア、なんかを書いている程度だ。だけど1か月に2通くらいそんなメッセージが届く。8月に会った女性乙さん(アラフォー既婚者子供あり)は、すごく相性が合う方で、乙さんとはしばらくは付き合っていきたいと思っている。この日記を書いている翌日もデートの予定だ。そうしているうちにもまたメッセージが届いた。30代後半の彼女、丙さんはなかなか綺麗な方で、その方とも会ってセックスして、あとはカカオで「おはよ。」「仕事終わったよ」「お休み」くらいのやりとりをしている。しばらくは会い続ける予定だ。

 

もともとの彼女甲さんとは、2週間に一度くらい会って、お互いの生活から離れたあたりでデートするかホテルにいっていた。あんまり切ない気持ちにならないようにホテルにはお金かけて(休憩で1万円くらい)いたくらいで、ごく普通不倫カップルデートだ。そこに乙さんが同じくらい、丙さんが月に一度くらいってことで、月に5回もデートするようになってしまっている。出会い系のプロフィール欄を「出会えないおっさんになっております」と書き換えてしまっているので、今は業者以外からメッセージは届かなくなった。

 

半年ほど出会い系をやってみて思うのは、彼女達は、「おはよ」、「仕事お疲れ」とメッセージをくれて、そしてデートしてくれて、丁寧にセックスしてくれて、キレイだと言ってくれて、ときには好きだとかも言ってくれて、デート代くらいは出してくれて、あとくされのない異性を求めているんだなあってことだ。

 

私はなんとかその条件にあてはまるので、これをモテるといっていいのかどうかよくわからないけどそんな感じだ。乙さんとも丙さんとも事前に写真の交換はしなかった。メッセージの交換はある程度したけど、でも顔もわからない、どんな人間が来るのかもよくわからない。でも彼女達は私の車(ごくごく普通仕事用のプリウス)に乗り、ホテルにいく。

 

35歳で結婚するまでは異性関係は乱れていたが、結婚してからは5年前に甲さんが彼女になるまでは、一度も浮気したことがなかったし、それ以降も甲さん以外とはセックスしていなかった。それがこのコロナ禍の中で半年で4人とセックスをした。プロフィール欄に出会いいりません!と書いてなかったらまだ人数は増えていくだろうと思う。

 

こんな簡単に(とはいっても平日の昼間に時間作れて、車出せて、1万円程度のデート代を負担してあげられる程度の条件はあるが)、出会い存在する時代なんだなってことに驚いています。そして彼女達は私よりこの世界の先輩で、定期的に会うようになっても、お互いの細かい個人情報的なことは知ろうとしません。何回もセックスして好きとかい言葉だって交わしたりもするのに、知っているのは相手ハンドルネームだけ。いろんなことを考えたらそれくらいがいいのはわかりますが、なんとなく抵抗があるのは私がまだ半年ほどの経験しかもたないビギナーからなのかもしれません。

 

彼女達はメンヘラ系でもなく(そういう方からメッセージも来るが、メンヘラの人は日記サービスでメンヘラの方っぽい日記を書いているので地雷踏まなくて済む)、今どきのちょっとこぎれいにしたお母さん女子だ。そんなお母さん達が平日の昼間、子供学校に行っている閒に、お父さん以外の男性と会ってキスしてセックスして好きだと言われて、また家に戻ってくる。

 

から子供幼稚園時代の仲良しグループ8人の中に、恋人が外にいる人が3人いるらしいというのは聞いている。妻にだって恋人がいてもおかしくない。妻ともセックスはしているが、日常生活から切り離された恋人という立場男性との会話、キスセックスの方がそりゃ楽しいだろうとは思う。知らない閒に中年男女の出会いってすごいことになっていたんだなとけっこう感動しているというのが、出会い登録から半年たった時点での私の感想です。もうしばらく使ってみます

2020-11-20

anond:20201120123538

『舐めれるほどキレイに手洗いしなさい』昭和教員まだいきとったんかワレー

2020-11-19

みかんコーヒーとオトンの初恋有村架純

「みさちゃんさ、みかん食べる?」

寒い寒いと言いながら、三時のおやつでも食べようかとリビングに降りてきた私に、キッチンから父がボソッと声をかけた。

「いや、みかんはいらん。寒い暖房つけよう」

エアコンなら、母さんが業者呼んで清掃してからじゃなきゃ使わん言ってたから、つけたら怒られるぞ」

はぁ?という顔をしている私に、いらんといったのが聞こえなかったのか、みかんを手渡しながら父が言う。

「なんで寒くなる前にやっとかんかったんだって話よな。そんなこと言ったら、怒られるから絶対言わんけど」

からからと笑う父。手に持つマグカップには湯気の立つコーヒーテーブルに目をやると、みかんの皮が散乱している。

(この人……コーヒー飲みながらみかん食ってるんか)

ソファの背もたれにかかっていたひざ掛けを腰に巻いて、リビングテーブルにつく。渡されたみかんを揉みながら、

わたしコーヒー

頼むより先に父はグラインダーに豆を入れていた。ブィーンという無機質な音が部屋に響く。

「みさちゃん、昨日の夜酔っぱらって、そこまで聞けんかったけど。この後どうすんの。そこらへん、母さんとは話したんか?」

「うーん」

どうしたものかと私は少し考えた。昨夜、久々に帰省した私のために、自宅ではささやか歓迎会が催された(とはいっても少し豪華な寿司の出前をとったくらいだが)。食事を終えて、家族三人テレビを見ながらダラダラとお酒を飲んでいたのだが、父は早々かつ静かにリビングソファに沈んだ。腹に猫を乗せて、スマホバイブほどの小さな音量でいびきをかきながら寝る父をそのままに、母とは今後の話をある程度した。正味時間ほどかかったその話を、今父にするにはまだ話をまとめ切れていない。母からは同姓として理解は得られても、父にはこの冗長な割に何も決まっていない私の現状を伝えても、ただ心配を駆り立てるだけではと不安になったのだ。

「まぁ暫くは休むよ。貯金もあるし。今はまだ動けん気がするし、何より少し疲れたわ」

みかんの皮をむきながら、はぐらかすようにそう答えると、コーヒーを入れる父の手に視線を移した。暫く見ない間にまた年季が入ったなぁと、ふとそんなことを考えた。


ここ数年、私(輝く三十代独身)はアメリカ西海岸の小さな広告代理店仕事をしていた。小資本飲食店小売店なんかがメイン顧客だったので、今回のコロナによる各種制限後はほどんと仕事がなく、一部制限解除後もほとんどの店はコマーシャルを打つ余力はなかった。片手間に作っていた無料情報誌なんかは、コロナ対策コラム等を差し込みつつほそぼそと発行を続けていたけれど、いつしかそれも限界に。結果、私はあえなく「状況が良くなったらまた声をかけるから、必ず戻ってきて」とお決まりコメントと共にレイオフの網にかかったのである。こんな状況ですら私を限界まで雇い続けてくれた会社には感謝しかないが。

解雇後「とりあえず一旦リセットだな」と考えた私は、実家に帰ることにした。異性関係は、現地で交際していた男性と二年ほど前に別れた後はパッタリだったし、行きつけのチャイニーズレストランコロナで潰れたので、かの地に私を繋ぎ止めるものはもう何もなかった。大卒から今までずっと海外でもがいてきたこともあり、このひっくり返った世界を口実に、このタイミング実家ゴロゴロしてやろうと、そういうことであるしかし状況が状況なので、帰国決断した後も、やれ渡航制限だ、やれチケットの予約だと色んなことがうまく繋がらず、なかなか出国することができなかった。ようやく帰国の日取りが決まったころ、

「帰るで」

ポッと送ったLINEに、

「車で迎え行く!楽しみ!おめかししてく!」

還暦も半分過ぎた母はノリノリで返信したにも関わらず、当日派手に寝坊した。私が期待していた、到着ロビーでの感動の再会(BGM青春の輝き/The carpenters)は叶わず。実に四年ぶりの帰国はなんとも味気のなく、一人公共交通機関でと相成ったのである


「あれな、『コロナだし、やっぱ行かん方がいいと思って』って言い訳しとった」

私の分のコーヒーを手渡しながら、けらけらと父は笑った。

「ほんと昔から適当な人。あんなんと結婚した意味分からん初恋の人とか言わんでよ?」

私が次のみかんに手を伸ばしながら言うと、

初恋かぁ……」

ギリギリ聞き取れるくらいの声でボソッと言った後、父は一人モジモジしながら下を向いた。思えば父と母がイギリス出会ったという話は聞いたことがあるが、初恋話となると聞いたことがない。恐らくこの人の初恋は母とは別の人と思うが、どうせ時間もあるし、掘れば面白い話が聞けるかも知れないと思った私は、

「そしたら、父さんの初恋っていつよ?」

別に話したくなければいいですよ、ええ。と二個目のみかんの皮をむきながら、興味なさげに聞いてみた。暫く返答がないので視線を上げると、相変わらずモジモジしながら、父は照れくさそうに顔を上げた。

「お墓に持っていくほどのものでもないし、話してもいいか。母さんには内緒だぞ?」

言うと父はテーブルの上のみかんの皮をまとめてゴミ箱に入れると、ゆっくりと向かいの席に着いた。

(結局話したいんでしょうに……)

いかけた一言を飲み込んで、コーヒーをすする。


「みさちゃん墓参りの時に行った叔父さんの家、まぁあれは父さんの実家でもあるわけだけど、裏手に階段あったやろ。急なやつ。あそこを登ると昔図書館があったんよ。市立だか県立だか忘れたけど、そこそこ立派なやつがね。父さんは大学受験勉強毎日そこでしてたんだ。家だと兄弟たちがうるさいから」

父の実家西日本の某所。坂の多い海辺の町だった。遠方であることもあり、私は小学校高学年の時に祖父母墓参りに行ったのが最後、以来そこには行っていない。

「そこの自習室がさ、海に向かって大きな窓があって。部屋にストーブがあったけど、やっぱり窓が大きかったせいかな。冬場はすごい寒かった。でもそのおかげで利用者が少なくてね。少し寒いくらいの方が頭も冴えるし、父さんはそこを好んで使ったんだ。あともう一つ、別の理由もあったんだけど」

父はそわそわと立ち上がると、コーヒーのおかわりだろうか、電気ケトルに水を入れて沸かし始めた。ケトルがお湯を沸かし始める音が、私の想像の中の自習室ストーブの音と重なる。父はそのままケトルのそばから離れず、窓の外に目をやりながら続けた。

「父さんともう一人、その自習室を使う女の子がいたんだ。とても綺麗な、束ねた長い髪が印象的な子だったよ」

突如文学的表現をし始めた父をみて(これはキモイな……)と思った。初恋話を聞くのにある程度の覚悟はしていたものの、父の口から語られるそれは、なんとも中途半端恋愛小説のようで、

(これは、脳内キレイどころの女優さんでもキャスティングして、程よく補完しながらでないと聞くに堪えないな)

そんなことを考えながら、みかんを口に放り込んで聞いた。

「それが初恋の人?思ったよりチープな感じ」

今にも鼻くそを掘り出さんばかりの口調で茶々を入れると、

最後まで聞けよ。みさちゃんが聞いたんだし、父さんにとっては大切な青春の1ページだぞっ!」

父はムッとした表情で言った。

(だぞっ!って……昭和アイドルかよ)

「隣の高校女の子だったんだ。同じく受験生だった。頭のいい子でね。その部屋で一緒になった最初の数回は会話がなかったんだけど、ある時勇気を出して話かけたんだ。『どこの大学を目指してるんですか』ってね」

「ほうほう。で?」

謎のドヤ顔スルーして相槌をうつ

「目指してる大学が一緒だったんだ。まぁ、彼女は余裕の合格圏内。父さんは相当な努力を要するくらいの差はあったけれどね。彼女英語系の学部に進みたいと言っていた。将来は海外に行きたいと。当時ボーっと生きていた父さんと違って、明確な夢を持っていた彼女はとても輝いていてね。ほら、男って単純だから、一発で惚れちゃったんだ。同じ大学を目指す二人。一緒に勉強する自習室。これは、もう、そういうことだろうってね」

馬鹿なのではなかろうか」

「いや、馬鹿でなくて!」

父は鼻息荒く私を遮り、

「たしか最初一方的ものだったさ。けれど、一緒に勉強……というかほぼ父さんが教わるだけだったけれど、毎日のように、約束して、同じ時間を過ごして、そういう感じになったんだ。『一緒に合格しようね』とか『一人暮らしする時は、近くに住もう』とか、これはっ!もうっ!そういうことでしょうがっ!」

若干の金八先生口調になりながらまくし立てた。

彼女の教え方が本当にうまいもんだからギリギリの成績だった父さんも合格圏内に入るくらいになったんだ。夢の大学生活は目の前だった。ある雪の積もった日、勉強を教えてくれたお礼に、図書館の近くでラーメンを奢ったんだ。温かいものでも食べようってね。その帰り道、初めて手を繋いだんだ。女の子と手を繋いだのは、その時が初めてだ。さっき食べたラーメンが胃から飛び出そうだった。家まで送ると言ったんだけど、ここまででいいと。途中で分かれたんだ。次の日も、いつも通り会えると思った。でもなぁ……」

突然、演技派女優のようにうなだれる父。いや、でもこれは結構シリアスな展開なのでは。私は我慢できず、恐らく一番ビンビンに立っていたフラグを掴むと、

「……し……死んだとか?その才色兼備さんは……事故に遭ったとかで……」

ゴクリと唾を飲みながら聞いた。少しの間、静寂がリビングを包む。父は顔を上げると、

「あっ、忘れてた」

と言って、電気ケトルスイッチを入れ直した。ズッコケる私を一瞥しながら続ける。

「いや、死んでない」

「おい」

「死んでないんだけど、消えた」

は?という私の顔に腕を組みながらうんうんと頷くと父。

「次の日から、もう試験も近いのにパッタリと来なくなった。いなくなって三日後くらいかな、その子高校に行ったんだ。名前は知っていたけれど、家は知らなかったし、当時は携帯なんてないからな。それしか方法がなかった。今ほど個人情報にうるさくないからな、聞いたらサラッと教えてくれたよ」

ケトルからサーっとお湯の沸く音がする。部屋が寒いからか、注ぎ口から湯気が濃く立ち上る。

夜逃げしたらしい。母親がいない家庭で、親父さんがあまり真面目な人じゃなかったようでな。突然いなくなったってことだった。仕事で失敗したんだか、博打なのか知らんが……。家の前にも行ったんだけどな。バラック小屋ってわかるかな?そこまで酷くはないけれども、それに近いような、貧相な家だった。当然、明かりもついてないし、扉を叩いても誰も出てこなかった。家の前には、彼女図書館まで来るのに使っていた、見覚えのある自転車がそのまま置き去りにされてたよ」

そこまで言い切ると、父は黙りこくった。そのまま暫く何も言わず、再び沸騰したケトルのお湯でコーヒーを入れ始める。

大学は……大学はどうなったん?」

私は恐る恐る聞いた。父はいつの間に私のコーヒーが空になっているのに気付いたのだろうか。二人分入れていたコーヒーの片方を私に差し出しながら、

「父さんは合格したよ?」

知ってるだろ?と言わんばかりのとぼけた顔で答えた。

「いや、父さんでなくて、才色兼備さんは?合格発表で奇跡の再会をしたとか」

興奮する私とは対照的に、父は再び、一人冷静にモノローグに入る。

あの日合格発表の日。始発で発表を見に行ったよ。大学は遠かったからな。張り出された番号より先にまず彼女を探した。どこにもいなかった。一通り探した後、掲示板を見た。自分受験番号があった。でも全く喜ぶことができず、父さん、そこでずっと立ってた」

ヤバイ、泣きそうだ)

目の前でセンチメンタルに語られるオジさんのモノローグに、不覚にも目頭が熱くなる。

「当然彼女の番号はおろか、受験たかどうかさえ知らないからね。その日は大学の門が閉まるまでそこにいたよ。掲示板は何日張り出されてたんだっけな、もう覚えてないけど、もしかしたら今日これなかっただけで、明日見に来るのかも知れない。そう思った父さんはなけなしの金をはたいて近くの民宿に泊まって、翌日も一日中待ってたんだ」

「……でも、来なかったんでしょ」

ティッシュで目頭を押さえながら私が聞く。指先についたみかんの酸が目に染みる。

「うん。来なかった。そして大学に入ってからも、彼女の姿を見ることはなかった」

自分の話なのに、ウルウルとなく娘にもらい泣きでもしたのだろうか。ズビッと鼻を一度ならすと、

「きっと、受験できなかったんだなぁ。だって受験してたら、彼女なら絶対受かってるものあんなに行きたがってた大学だったんだから

父はしみじみそういうとコーヒーをスッとすすり、一つ残ったみかんを、テーブルの上のカゴから取り出した。


(なんて切ない話だ……)

還暦もとうに過ぎたオジサンコイバナに、悔しいけれど胸を打たれた私は、鼻水をかみながら劇場を退席しようとした。脳内有村架純あたりを勝手キャスティングしていた才色兼備不憫さも去ることながら、そこにいない初恋の人を必死に探す父の哀れさを思うと、今はすっかり禿げ上がった父にも、そこそこかっこいい俳優キャスティングしてやらねば。そう思いながら、ソファ眠る猫を抱えて二階に上がろうとした。その時。

「でも、この話には続きがあってな」

ニヤニヤとしたり顔で笑いながら、父は私を引き止めるように言った。

「父さん結婚前にイギリス単身赴任したことあるって言ったろ。そこで彼女と再会したんだ」

「えぇ!?嘘!そんな偶然ってあるの!?

私は慌てて猫をソファに戻すと、前のめりになりながら席に戻った。と同時に私は焦った。父と母はイギリス出会ったという話を思い出したからだ。そうすると、有村架純キャスティングした才色兼備の役を再考しなければならない。あの母親は……明らかな才色不備だ。

「ま……まさか……よくある話で、その女性って……」

「あ、母さんじゃないぞ」

私の焦りを察したのか、落ち着かせるように父は釘をさした。

日本人駐在員が集まるパブがあってな。仕事終わりにそこで飲んでいたら、隣に二人組の日本人女性が来たんだ。その片方が彼女だった。一目でわかったよ。向こうもそうだったと思う。『もしかして、○○さん?』って聞かれた時、夢でも見てるんじゃないかと思ったよ」

「うわぁ、本当にそんなことってあるんだ。もうそから話が止まらなかったでしょ」

「いや、お互いとても驚きつつも、一言二言交わしてその日は別れたんだ。向こうは連れがいたしね。翌日は休みだったから、また明日改めて会いましょうと、向こうから番号を渡された。その番号を見て色々悟って、嬉しくなったね」

「なにを悟ったん?」

電話番号だけで、ホテル名前とか部屋番号とかは書いてなかった。つまり定住しているってこと。ちゃんと夢を叶えたんだと」

「なるほどねぇ」

そんなに長いこと話したつもりはなかったが、いつの間にか部屋は薄っすらと暗くなっていた。父がパチッと部屋の明かりをつけると、猫が呼応するように二階へ駆けていった。


「でもさ、そんな感動の再会したら、もうそれは運命の人じゃないの?どうしてその人と結婚しなかったのさ」

話が一周して戻ってきたが、単純にそう思ったので聞いてみた。そりゃあ、今の母と結婚たから私がいてとか、そういう御託はあれど、普通ならそこでくっつくだろうと、そう思ったからだ。

「いや、彼女はもう結婚して、子供もいたんだ」

「あら、そういうパターン

「あの後、働きながら勉強して、渡英して、仕事についたと言っていた。そこで出会った人と結婚したそうだ」

それを聞いて、世の中うまくはいかないのだなと思ったのはもちろんだけれど、ふとその時父は何を思ったのかが気になった。初恋の人との運命的な再会と同時に、自分の恋が終わった時、悲しかったのだろうか。悔しかったのだろうか。私だったらグシャグシャになってしまうかも知れない。しかし、そんな私の疑問は、次の父の言葉ですぐに解消した。

「心からしかった。父さん、みっともないけど、そこで泣いちゃったんだよ」

照れくさそうに笑いながら父は続けた。

「良かった。良かったってね。ずっと心につっかえていたものが取れたような気がした。『ありがとう』っていう父さんに、あの人は『なんで?』とは聞き返さなかった。わかってくれたんだろうね。『こちらこそありがとう』と」

「どういうこと?」

今までの話の中で、父がその人に感謝することはあっても、父が感謝されるようなことがあっただろうか。

「『君が海外に行ったら、そこに僕も必ず行くから、その時はバッチリ英語観光案内してほしい。約束しよう』父さん、そう言ったんだと。全く覚えてなかったけどね」

「そんな約束してたんだ」

「『私が海外に行くことに、きちんと意味を持たせてくれたのはあなただった。約束を守るために、頑張ったから今ここにいるの』と言われた。父さんも、彼女の役に立ててたんだ」

一昔前のトレンディ俳優のようにフッと小さく笑うと、そのまま父はトイレへと消えた。

(お前はすっかり忘れてたわけだけどな)

父の背中に心の中で柔らかく突っ込みながら、私もニッコリ笑った。


それから才色兼備さんとは会ってないの?」

トイレからいそいそと戻ってきた父にそう聞くと、

「ああ。会ってない。連絡先も特に交換しなかったんだ。まぁ色々あってね」

父はテーブルのカゴにみかんを補充しながらそう答えた。

「でもさ、初恋は思い出の中に。そういうものだろう」

キメ顔で答える父に、久方ぶりに(気持ち悪い)という素直な感情が戻ってくる。

「ただいまぁ」

玄関から気の抜けた、疲れた声が聞こえてくる。

「あら。何仲良く話てるの珍しい」

リビングに入ってきた母は、そう言いながら、みっちり膨らんだエコバックキッチンに置いた。それを見て、先ほどまでの話題のせいで居心地が悪いのか、父が二階へ避難しようとする。

「なになに?なんの話してたん?」

トイレに行こうとする有村架純とは程遠い母が、リビングの出口で父に聞く。

「いや?たわいもない話だよ」

父は道を譲りながら誤魔化した。訝しげな視線を投げながら、母がトイレに入ったのを見計らって、

「ちなみにな」

父は私の耳元に口を寄せると最後にコソッっと

彼女と再会したときパブ彼女と一緒に来てたのが母さんだ」

そう付け足して、ニヤニヤしながら駆け足でリビングを後にした。

「えぇー!?なにそれぇ!」

驚く私の声と重なって、リビングのドアがバタンと閉まる。

「ねぇー!何の話なのー?」

母の切ない声がトイレから響いた。


あの人との馴れ初め話は、また後日みかんコーヒーを飲みながらでも聞こうと思う。


暇つぶしにこの話をネットに放流する許可をくれた父に感謝

2020-11-16

外国人実習生批判してる人間風俗嬢説教するオッサンと同じだ

地方間格差と貧富の差を無視して、外国人技能実習制度を語るのは詐欺だ。

この増田ブコメ

ほんと救えねえコメントが星集めてるな

外国人実習生が作った服着て、外国人実習生が作った家に住んで、外国人実習生が作った食品食いながら、外国人実習生が作ったスマホでクソみたいなコメントする前に

まずは自分実習生恩恵を受けてることを認めろよ


外国人実習生や、彼らに最低賃金で頼らざるを得ない企業がなんのために頑張ってるのかわかるか?

お前らみたいな年収300万円貧乏人が年収1000万円の生活水準を維持するためだよ

自動運転すら実現できてない技術レベル世界

年収数百万の貧乏人が穴一つないキレイ洋服着て、耐震基準を満たした風呂水洗トイレのある家に住んで、安全で美味しい食い物がいつでも手に入って、当たり前にスマホ持ってる生活水準でいれることに何も疑問を持たないのか?

どうせお前らは

外国人実習生に頼って低い最低賃金しか出せない地方中小企業そもそも淘汰されるべき。その結果3000円のシャツが5000円になっても仕方ないよね」

とか能天気に考えてるんだろ




お前らの理想通り最低賃金時給2000円になって、実習生もこなくなったとしたら

間違いなく日本の99%の企業が「淘汰」される

多分お前の勤務先も淘汰される側だ

お前が5万のシャツ家賃15万の木造ワンルーム、一玉5000円のキャベツ、50万円のスマホといった「低賃金労働者フリー」の商品サービスを使い続けられる人間ならともかく

そうじゃないなら

服は隣近所と古着を融通しあい、着れなくなったら自分でハサミとミシンを使いパッチワーク

家は台風ひとつで全壊するような風呂トイレなしのバラック

不衛生で産地不明残飯のような食事

スマホなんて夢のまた夢

みたいな生活が待ってるからな?もちろんわかってるんだよな?

結局お前らはヤることヤッたあと

「こんな不安定危険仕事やめて、将来のこと考えて真っ当な仕事に就いたほうがいいよ」

とか風俗嬢説教してるオッサンと一緒なんだよ

もちろんオッサン説教のものは何も間違ってはいないように

外国人実習生制度に対する批判のものが間違ってるとは言わないよ

でも、自分風俗嬢説教オジサンと同等の存在だということはきちんと認識しておけよな



ついでに言うとお前ら実際に日本で働く外国人実習生に会ったことないだろ

風俗嬢が皆貧困にあえいでやむを得ず性風俗産業従事してるわけではなく

外国人実習生の少なくない人数が「来たかった日本に来れて、仕事ももらえて楽しー!」って感覚から

元増田はよくわかってるよ

イメージだけで語ってるブクマカと違い実際に外国人実習生に関わるか、外国人実習生雇ってる企業と付き合いがあるんだろう

結局外国人実習生奴隷のような労働強いてる会社日本人にも奴隷のような扱いしてるわけで

外国人実習生制度問題よりも、個々の企業問題なんだよな

2020-11-15

anond:20201115170617

まあ普通にキレイ自分ホーム汚れるツイしないと思う

やるなら捨てる別垢でやる

から見たホモ→汚い 女から見たホモキレイ 男から見たレズキレイ 女から見たレズ→汚い

これって男女差別じゃねえの?

いや答えは分かるよ。

遺伝的に同性同士で恋に落ちた奴らは子孫が残せなくて、同性との恋愛拒否反応を残す連中ばかりが生き残りやすかった。

まれつき目が悪い人に頭がいい人が多いのは、目も頭も悪いやつは存在価値0で結婚できなかったかだってのと同じ。

今ある人類の声質の多くは自然淘汰の結果受け継がれてきたものばかりなんだ。

っていうのは知ってるから

でもさ、それはそれとして現代価値観に合わせたらこれって男女差別じゃねえの?

男がホモに対して汚いと思ったり、女がレズに対して汚いと思うのって、それって駄目なのでは?

2020-11-14

 「新作が出れば確実にヒットしていたジブリ作品だが、結局、子どもたちに“キレイものしか見せてこなかったし、

https://npn.co.jp/article/detail/200009087

現実ってなんだよ

原爆が落ちるアニメをそんなにみたいのかよ

2020-11-13

毎月献血したら男も長生きできるのかな

女が毎月生理で血をキレイにしてるのと同じ理屈で。

今のtwitterは塗装されたアスルファルトのよう

考え方が整地され何も言えない、発言が統制され出てきた芽を踏み潰しにする

でもたまに本当に極たまにそんな中でもキレイに咲かせた花がある

僕はそんな花を…愛でたい

2020-11-12

体操ザムライ5話

器械体操めっちゃキレイ(描かれてる演技と、作画動画の両方)。床音とかきちんとしてキモいの域。これを描きたかったのだろうなと思う

なおいちばん好きなキャラBBです

anond:20201111213812

不吉なこと言ってすまん

もう助からない病人ばかり来る病院死ぬ前にせめてってことで

キレイどころの看護師さんばかりそろえてるという噂がある

あー、確かにそうかもな。

中でも一番きれいな看護師ICUにいたよ。

2020-11-11

Make America Rake Again

(弊社の熊手で)もっぺんアメリカキレイにならそう!

2020-11-10

anond:20201110094207

そんな「海の漢は潮風を愛する」みたいなキレイな言い方してもなー(苦笑)

2020-11-09

スタンディングオベーションしたくなる映画

おもしろ

のはもちろんのこと、

ラストの段階で大きな疑問が残っていない、あるいは頭には浮かんでいない

・悲しい系の衝撃から立ち直れている

ストーリーが把握できている

ラストシーンが綺麗

あたりも満たさないといけない。

となると

バックトゥザフューチャー(とくに1と3)

 問題をすべてキレイ解決した上で最後の数分間に大量の新展開をぶち込み、爽やかに終わる

ショーシャンクの空に

 海岸カット純粋に美しすぎる

アイアンマン(1)

 「私がアイアンマンだ」!!!!!

くらいしか思いつかん。

もっといい映画は他にもあるんだけど、ラストの良さがスタンディングオベーション感にはかなり効いてくる感じがあり、純粋に良いだけの終わり方じゃあなかなかその粋には達せない。

スタンディングオベーションしたいんですよね。

バックトゥザフューチャー1が終わった瞬間のあの笑い泣きしそうになる感じをまた味わいてえよ。

なんかい映画ないんか?

2020-11-07

anond:20201107212944

増田はなぜエロ萌え手提げ・カバン学校会社へ行かないのか?

増田はなぜ禁止されてもいないのにジーパンスラックの上にパンツを履いたり

股間を強調したプリントスラックス(GUで買える)を履いたり

乳首や腹筋を強調したプリントシャツ(Amazonほかで買える)身に付けたりして

タイツを履いたキレイな足でラブコメ的な演出妄想してみたり、可愛いなと思ってみたりすることと

乳首や腹筋を強調したプリントシャツが同列の時点で話にならんよな?


あとTPO的に会社に持ってけないジャニタレ普通に企業PR活躍してんぞ

2020-11-05

記憶を消してもう一度遊びたいゲームってあるよな

俺にもあるんだよ

でもな、それぐらい気に入ったゲームって内容を忘れないんだよ

何年経ってても遊び始めると「この次はこうなるな」って思い出しちゃう

寝かせてる間にもふとした拍子に「そういえばあのシーンって」ってなるんだよ

都合のいい記憶だけキレイに消せる時代にならないかなぁ・・・

2020-11-04

今回のタイツ騒動女性タイツキレイって言ってるわけだけど

それって性的消費なのかな

この広告性的消費じゃないらしいけど

https://twitter.com/r_itt_su/status/1323595888200069120

誰が誰に「美」って言ってるのかな

自分自分にだろうか

自分だけのために「美」の人はテレワーク中で誰も見てなくてもキチンと「美」してるんだろうな

大変だ

それともオッサン上司が「美」を望むから広告でも「美」をアピールするとかそういう男性に媚びよという広告なのかな

2020-11-03

”こっちはちょっとでもかっこよく美脚に見せる努力をしてんだよ……。性的消費されるために履いてるわけじゃない”

とは?

KKOが「足キレイ」って言ったらセクハラじゃん・・・

性的嫌がらせじゃん

まり「足キレイ」って思ったら

嫌がらせ前の)性的思考なわけじゃん

美脚にするけど奇麗だと思うなという無茶苦茶ぬかす

まあ何も減ってないから思うだけなら消費ではないのか?

anond:20201102144742

・顔は笑ってるけど目が笑ってないというのがわからない

普通

大多数の人間区別がついてない。

角度とかで目が怖く見えたりしてるだけ。

・酒臭い餃子を食べたあとのニンニク臭いとかがわからない

・つい最近金木犀匂いを知った(すごい好きな匂いなんだけど、この匂い金木犀だとは知らなかった。今までは秋の匂いって理解だった)

普通

気にしなければどうということはない。

「いちど気にしはじめると思わず嗅いでしまってますます気になってしまう」という現象はある。

・男友達と遊びに行った時とか『今通りすぎた女の人、すごいキレイだったよね(胸大きかったよね)』みたいなのことを言われても「えっ、誰?どこ?」という反応になる

普通

見てる方向が同じ時はあるけどそれはたまたま

「え、見てなかった、どんなだったの?」って言えばいいだけ。

相手と話す時相手がどんな気持ちなのか考えて話したことがない(会話で心がけてることは相手の気分を害さいないよう言葉を選ぶことぐらい。あからさまに怒ってたり不機嫌であったりはわかる)

普通

なんか「自分は鋭い」と思い込んでいる人が「いま怒ってるでしょ?」とか言ってくるけどたいてい当たってない。

でも「当たったけど恥ずかしがって否定してる」というふうな認知の歪みで処理する。

ぜんぶ普通特別ぶるな。厨二病か?

2020-11-02

からよぉ

レイヤー写真集なんて買うなよと。

ここ数年のレイヤーなんか、修正モンスターなってて見る価値ないって。

自前の顔で勝負できないからって白粉塗ったような平面顔に人間サイズではない瞳を付けてるようなクリーチャーのどこがカワイイ、どこがキレイなんだよと。

写真修正で許されるのは、気になるホクロ消し程度だ。骨格まで変えたら、それはもう修正じゃなくクリーチャー製造しかならない。

化け物みたいなレイヤーばっかりやん。

整理という言葉の話

整理というと、まず「話を整理する」的な使い方がある。これは、とっちらかってる状態をわかりやすくするということで、情報という世界の話。

一方、今度は「人員整理」的な使い方もある。こうなると、事態はかなり物理的な意味合いを帯びてくる。これまでそこにいた人がいなくなり、オフィス内の机とかも移動させられるだろう。剣呑だ。

俺は前者の意味でのほほんと整理という言葉を使うことが多いが、あらためて考えるとけっこう怖い言葉であると思う。情報のかたちを変えるのと、不要人員の肩を物理的に叩くのではまるで違う…というのは、職場で「整理が必要と思料する。」という文言書類で目にして思ったこと。

職場の整理っすか。いいっすね。色々散らかってますもんね。やりましょう」

「うん。じゃあ今週中に私物まとめて出てってね」

「えっ」

「整理するって言ったじゃん」

あり得る。

「ふーん、整理ね。いいんじゃない」とか気安く思ってるとえらい目に遭いかねない。ちょっと順番を入れ替えるとかキレイにするだけだと思ってたのに…。

と、ここでふと思うのだが、「ちょっと順番を入れ替えるとかキレイにするだけ」ってのだって、大層なモノじゃないか、といきなり気づく。

例えば買ったレゴブロックの中身をすべてぶちまけた状態と、それをすべて使って完成図を仕上げた状態と、何が増減しているでもなく状態が整っただけだが、もはやこれは創造に等しい。

「整理」は一種クリエーションなんだな。既存のものを並び替えてかたちを変えることは、まったく別のものをいちから完成させるのと同じかもしれない。オチはないがそういうことを思った(ところで、実際のレゴブロック図面にしたがって製品を組み上げるとブロックがいくつか余るようになっている)。

他人に興味を持つことが弱い

2020/11/02 22:46 追記

まりにも仕事が暇だったので、会社トイレで書いた文だったけど想像以上に反応もらって嬉しい。

なんというか他人に対するセンサーみたいなのが弱いのかと。

具体的な話だと

・顔は笑ってるけど目が笑ってないというのがわからない

・酒臭い餃子を食べたあとのニンニク臭いとかがわからない

・つい最近金木犀匂いを知った(すごい好きな匂いなんだけど、この匂い金木犀だとは知らなかった。今までは秋の匂いって理解だった)

・男友達と遊びに行った時とか『今通りすぎた女の人、すごいキレイだったよね(胸大きかったよね)』みたいなのことを言われても「えっ、誰?どこ?」という反応になる

相手と話す時相手がどんな気持ちなのか考えて話したことがない(会話で心がけてることは相手の気分を害さいないよう言葉を選ぶことぐらい。あからさまに怒ってたり不機嫌であったりはわかる)

こんな感じ。

彼女と付き合ってたのも一緒にいると居心地がよかったというだけ。

もともと友達でそこから彼女という流れだったけど、関係が変わったからと言って自分の中では特に変化がなくて、彼女はそれが辛いって話してくれた。

でも自分も月に2回会うとか数日おきにLINEというのは結構キツくてなんなんだろうねコレ。

正直「好き」という感情友達として好きなのか恋人として好きなのかずっとわからなくて。

彼女に言われたのが、恋焦がれるというか、日常の中で多く相手のことを考えるようなレベルに達してないと、恋愛として好きとは言えないのではないかという話だった。

その言われたことに結構納得していて、人生を振り返ってみても彼女が言ったような恋い焦がれるみたいなことは現実世界でもアニメキャラでもそんな感情を持ったことがなかったから、

あーあってね。35年生きてそういう感情を抱いたことがないし、人生折返しとなると俺は本気で人を好きになれない人生を歩むんだと思うと参っちゃうね。

でもこれが自分なんだ、ちょっと悲しいけど。そんな秋の夜

追記終わり

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もう35になる。今年のはじめに彼女と別れた。

友人から勧められたバチェロレッテという恋愛ドキュメンタリーを見て、アプローチを受ける女性アプローチをする男性のお互いが「あなたのことをもっと知りたい、私のことをもっと知りたい」としきりに言っていてすごい違和感があって、この言葉本心がわからなかった。

友達に聞いてみたら相手の好みを聞いてより相手を楽しませたいからという話を受け、目からウロコだった。

そもそも自分自身に価値がないと思ってたか相手を喜ばすことができるのはプレゼントを贈ることぐらいしか選択肢がなかった。

ネットのどこかに書いてあったが「他人に無関心な人はそもそも人を好きにならない」って書いてあってすごく合点がいった。

思えば、そこまで身なりを気にしなかったり、相手所作から感情を読み取れなかったり、誰かのことを考えたりすることが日常存在しなかったり、他にもたくさんあるけどこれって他人に興味を持つことが弱いみたい。

友達は好きなんだけど、これは友情なのか単純に孤立を恐れて付き合っているのか今わからなくなってる。

現状言えることは恋するほど人を好きなるのができないってのがやっと35になってわかったからよかった。

こんな自分を変えたいのかもわからない。

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