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2016-03-31

お坊さんをお呼びした家族葬(D.I.Y.葬)が総額42,360円で完璧に出来たお話

平成283月14日特別養護老人ホームに入所していた認知症の叔母さん(父方)が亡くなりました。齢90歳。

叔母さんからみて、兄の子である私がひとりでこの叔母に関する全てを執り行ない、総額42,360円の支出のみで完璧に満足のできる葬儀が出来ました。

本日様々な手続きを含めて全てが終わったので記録として書いておきます

しかすると家族葬費用をかけずに行いたい方には参考となるかも(?)しれません。

家族構成

私の実家富山県

隣接した岐阜県に私は現在居住しています(実家には車で高速道を使って約2時間30分の距離)。

富山県実家には現在私の母親がひとり暮らし

父は数年前に他界しています祖父母も他界

老人ホームに居たのは私の父の妹で、結婚はしていましたが旦那は既に他界子供は居ませんでした。

旦那の両親も兄弟他界して、その旦那兄弟には子供が居る模様(不明)。

叔母の兄弟は3人。上から順に姉(他界)、私の父(他界)、叔母。他界した姉さんには女1人と男4人の子供がいます。叔母さんから見て、その5人は私と同じく姪とか甥にあたるわけですが、今も健在。 姪とか甥は全部で6人居てそのうち1人が私というわけです(私が最年少)。

叔母は旦那他界後に体調を崩して富山県内の老人ホームに入所しましたが、その時に保証人となっていたのが私の父でした。

父の他界後は母が時々面会に行っていましたが、母は高齢運転免許もないので、私が父の後を引き継ぐ形で叔母の保証人になっていました。

入所後は月に1回くらい母と私で施設に面会に行く程度。従兄弟や友人が面会に来たという話は施設職員の方に聞いてもほぼ皆無。

そんな叔母さんが「食事を充分に摂れなくなった」と施設から連絡を受けたのが今月の初め。

施設に行くと、「食事自分で摂れなくなったので"胃ろう"にしますか?それとも"点滴処置"を希望されますか?またはこのまま看取り介護に移行しますか?」と選択を迫られることに。

"胃ろう"なんて造っちゃったらまた数年生存してしまうかもしれません。それで元気になるのであればいいのですけど、既に認知症悪化していて先はありません。点滴したとしても数週間生存が延びるだけです。施設の順番待ちの方も沢山いますし、これ以上税金が叔母さんに使われるのはかなり躊躇われます

「看取り介護にしてください」と、迷わず伝えました。この時点で全て自分責任判断で進めることにします。

さて、ここで叔母さんの余命はあと2週間程度であろうと推測。そうなると近いうちに葬儀の準備が必要となります

以前私の父が亡くなったときには普通に葬儀を行いましたので150万円ほどかかりましたが、叔母さんは長く施設に入っていましたし、面会者も私と母以外に全くいませんでしたか家族葬で充分です。なお、叔母さんは認知症でありながらも面会毎に「私が死んでも葬式は要らないからね」といつも言っていたのですけども。

まずはネット検索してみます業者を使うと直葬(火葬のみ)で10.8万円とかのプランもありましたが、叔母さんが以前から檀家であるお寺が存在していることを聞いていましたし、せめてそちらのお坊さんにお経だけは読んでもらおうと考えました。

(激安のプランって結局「霊安室レンタル時間料金」とか、「搬送10km以内でそれ以上は激割り増し料金」だとか、「エンゼルケアは完全別料金」とかどんどん高額にならざるを得ないシステムなので要注意です)

次にネット検索で棺を購入します。直葬セット6点セット(棺(折りたたみ式)、白布団、仏衣、骨壷6寸、骨箱、顔あて布)というものが送料込み27,600円。早速注文して実家に送ってもらいました。amazonでも18,000円とかで棺が売っていましたが(笑)実家に大きな棺をそのまま何日も置いておくのも嫌でしたのでそちらの折りたたみ式のものを選択。

その後は私も普通に職場仕事をしていましたが、「叔母さんが亡くなったら自分喪主となる予定ですのでその時はすぐに休暇ください!」と職場ではアピールをしておきました。

そして、3月14日17時すぎ、施設から「亡くなられました」と電話がかかってきました。私のスイッチが入ります

すぐに実家近くのレンタカー屋さんに電話し、ハイエースバンを予約。死亡から24時間火葬することが出来ないため、その翌日17時ではすでに火葬場は時間外となります。ですので、火葬さらに次の日になるはずだと判断して48時間借りることにしました。

車で帰宅途中にレンタカー屋さんに直行実家に帰ったときはすでに21時を廻っていました。

借りたハイエースバンに届いていた棺一式を載せ、母と一緒に老人ホームに向かいます

ところで、以前父が亡くなったとき家族の前で葬儀屋さんが身体を拭いたり仏衣を着せたりするのを私は見ていたのですが、当時その行為ものすごく違和感を感じていましたので、次に自分が執り行う葬儀場合は全部自分ひとりでエンゼルケア(死後の処置・湯灌)や納棺を行おうと心に決めていました。

22時頃に施設に到着。職員の方に「私がエンゼルケアしますので部屋は私一人にしてください!」と宣言し、「葬儀屋さんは呼ばれないのですかっ?!」と職員さんに驚かれつつ、エンゼルケア中は母にも外で待機してもらいます

叔母さんはずっと食べていなかったので排泄物ほとんどないはず。身体を拭き、準備しておいた紙おむつを履かせました。あとは購入した白装束を着せて手を組み、数珠を持たせます

お化粧もしてあげました。アイラインを引き、チークを入れてリップも塗ります

叔母さん、とても可愛くなりました。お化粧なんて施設入所してからしていないもんね。

亡くなってはいますが、ちゃんとお話をしながらお世話出来たことが私にはとても満足でした。

痩せて小さな方なのでなんとかお姫様抱っこで棺に収めます。「終わりました!」施設職員の方々に手伝ってもらい、棺をハイエースバンに載せます。法的には死亡診断書があれば車に載せたままどこに移動してもOK。

荷物は後日取りに行くことを伝えて実家帰宅ホントは棺を一時家に入れてあげたいところですが、私一人の力で棺を移動させることは到底無理なので、そのまま毛布を棺に被せてハイエースバンを霊安室の代わりとさせてもらいます(汗)。

寒い時期だからよかったのですが、夏だったらドライアイスの購入が必要ですね。

翌日、朝一で市役所に行って死亡届を提出し、火葬許可証を発行してもらいます。次の日の午前10時に火葬予約が取れました。

早速、叔母さん本人が檀家だというお寺に行って、お坊さんにお経を読んで頂くためのお願いをします。

「叔母さんが昨日亡くなられました。明日10から火葬します。お骨になったら都合のいい日にこちらのお寺に持ってきますので、その時にお経を読んでいただくことは出来ますか?大変失礼かもしれませんが、お布施予算は3万円です!」

あらかじめお布施予算をお坊さんに宣言してしまう私も私だと思いますけども、どこまでやってもらえるのかが全く解りませんし、あとで揉めないためにも仕方がありません。

住職のお坊さん、その唐突なお願いと内容に大変驚き、しばらく唸って考えていましたが、「わかりました。それでは、明日直接火葬場に出向きますので、お葬式としてのお経をそこで読ませて頂きます。お骨になったら、骨壺を持ってもう一度お寺に来てください。」と提案していただきました。

これでお坊さんの手配ができました。本来、枕お経(?)と言って火葬前にお経を読むこともあるようですが、お葬式としてそこで読むのは初めてとのこと。

ここまでで、この日に行う調整は全て終了です。老人ホーム挨拶に行くと、施設長さん(高齢女性です)が応接室に通してくれました。

昨日からお話をしたところこれまた大変驚かれ、「私もそうやって家族にやってもらいたいわ!」と感動されました。何でも、今の人達は全部業者(要は他人ってことです)にお金を払ってやってもらうのが普通で、「昔はそういうことは全部家族でやったのよ・・」と全てお金で解決して他人事のように進めてしまう現状を嘆いていらっしゃったのが凄く印象的でした。

帰宅して翌日の葬儀のための喪服を母と準備。ここで叔母さんは亡くなってから2日目ですけども、ハイエースバン霊安室にはあと1晩活躍してもらうことにします(汗)。

翌日、母と一緒に棺を載せたハイエースバンで火葬場に行きます寒い時期なので、ドライアイスがなくとも車内に全く臭いしませんでした。

火葬場の玄関に車を横付けし、火葬場の職員さんを見つけて「棺を降ろすのを手伝って頂けますか?」とお願いします。職員さん、承諾はしていただいたものの、何か怪訝な表情。

葬儀業者の方?」と聞かれて「いいえ。家族です。自分で持ち込みました」と言ったところまた大層驚かれて「経験があるのですか?」「いえ、全くありません。何事も初めてですから教えてください」と答えるとさらに周囲の職員皆驚いている様子(←なぜそこまで毎回毎回皆さん驚くのか未だに全く解っていない私)。

そういうやりとりをしているうちに、お坊さんが15分前に到着。棺の前でお葬式(告別式)としてのお経を読んで頂きました。お経がめちゃ早口です(笑)。内容はわかりませんけど、それなりのお経だったのだと思います10時ピッタリに読経終了。さすがプロですね。

火葬が終了するのは11時50分とのことだったので、それまでの時間を利用して、棺を降ろして空になったハイエースバンで老人ホームに向かい、残っていた荷物を引き取りに行きました。

お礼やら挨拶をして11時30分に火葬場に戻ると、職員さんが既に玄関先で待っていて「もう終わりましたので収骨に来てください」とのこと。

収骨は別室で行なわれます通販で購入した6寸の骨壺は全骨収骨にはピッタリの大きさでした。骨箱に壺を収めてお寺に向かいます

お寺に着くと、そのまま壇上に上げてお経を読んで頂きました。15分くらいでしょうか。檀家ってことで、壺に戒名?を書いて頂き、そのままお骨は預かってもらうことになりました。もしも拒否されたら散骨でもしようかと考えていましたけども。

「これで全部終わりました」とお茶を出されて母と一緒に一安心。(お坊さんが関わったのは車での移動を含めて約1時間程度)

住職に「今までこのような葬式をされたことはありますか?」と聞いてみると、「以前1回だけ、身よりの無い人に対してお経だけというのはしたことがありますが、こういうのは初めてです」とのこと。うん、そうなのですね。よほど珍しいのですね・・、まあいっか。

お約束どおり3万円の入ったお布施の袋を渡し、お礼を言って今度は近くのリサイクルショップに先ほど施設から回収した大量の衣服キャビネット家具等の荷物を持ち込みます。「全部置いて行きますが、お金要りませんので処分もいいでしょうか?」との条件で交渉成立。

そのまま帰りにレンタカー屋さんに寄ってハイエースバンを返却。母と歩いて実家に帰ります。途中でお昼ご飯。

さて、火葬手続きで前日に市役所に行ったとき年金手帳国民健康保険証等の返却等は除籍謄本が出来る1週間後でないと事務処理は無理だと聞いていましたので、私はここで一旦仕事のために岐阜の自宅に戻ります

葬儀を執り行った連絡を先の5人の従兄弟に通知します。以下の内容でハガキを送付しました。

……………………………………………………………………………………………

叔母 ○○ ○○儀 かねてから特別養護老人ホームにて療養中でございましたが

去る平成二十八年三月十四日に永眠いたしました

ここに謹んでご通知申し上げます

葬儀におきましては 故人の生前意志により 誠に勝手ながら家族のみにて執り行いました

本来ならば早速申し上げるべき処でございましたが ご通知が遅れましたことを お赦しください

生前中賜りましたご厚誼に心より御礼申し上げ 失礼ながら 書中をもってお知らせ申しあげます

平成二十八年三月十八日

〒○○ ○○-○○

○○ ○○

喪主 ○○ ○○

……………………………………………………………………………………………

一週間後、休暇をとって実家に戻り、市役所年金事務所に行きます。この年金手続きを行うため、あらかじめ私の居住地自分住民票(家族全員)、戸籍抄本を取得しておきます(これがないと叔母との関係証明できない)。

また、生計一関係に関する申立書(遺族年金・未支給・一時金)※配偶者・子以外が請求するとき っていう書式が必要となります。直系家族ではないので、関係があったということを第3者が証明するためです。理由は「毎月面会して日用品などを援助していました」とかでいいみたい。証明には老人ホーム施設長さんの名前と印が必要だったので、FAXしてあらかじめ返送をお願いしておきました。

市役所で取得するのが叔母の住民票の除票、叔母の除籍謄本、私の父の除籍謄本返還するのが叔母の後期高齢者医療被保険者証(国民健康保険証)。これを返すと葬儀費用として3万円が支給されますので、棺とレンタカー領収証を提出します。あとは介護保険保険証障害者手帳印鑑登録証なども返却。自分預金口座を通知します。

次いで年金事務所に行き、叔母の住民票の除票、叔母の除籍謄本、父の除籍謄本、私の住民票(全員)、私の戸籍抄本と準備しておいた生計一関係に関する申立書を提出。これだけ揃わないと、叔母との関係証明できないとのこと(謄本等に祖父母の名前が書いてあることで関係確認)。ここでも自分預金口座を通知します。

叔母が亡くなるまでの1ヶ月程度の年金支給されるのですが、凍結されてしまった叔母の口座では入金できないため、私の預金口座にしないといけないのです。

ちなみに、こんなこともあるだろうと以前叔母の口座はネットから操作できるようにしておいたので、残っていたわずかな預金は凍結前に私の口座に振り替え済みなのでした(笑)

これで叔母さんの葬儀と様々な手続き全てが終了しました。実際に私が動いたのは亡くなった日の夕方から葬儀終了までの2.5日間の間と、1週間後に市役所等の手続きに使った1日間の計3.5日間のみ。

葬儀費用

直葬セット6点セット 27,600円

お坊さん葬式お布施 30.000円

レンタカー(ハイエースバン)48時間 14,500円

葬儀を行った旨の親戚への通知はがき代 52×5=260円

合計 72,360円、市から葬儀費用30.000円が支給されるので、

葬儀支出費用は 42,360円 ←後日支払われる日割りの年金支給分で完全に相殺される予定

お疲れ様、お母さん、そして自分

そして最後に 叔母さんのご冥福を心からお祈りして終了させていただきます

合掌

2015-11-14

http://anond.hatelabo.jp/20151114135337

空のペットボトルドライアイスを砕いて入れて、ふたを確実に締めておく。

それを公共機関コンビニゴミ箱に捨てる。

30分程度で、爆音とともにペットボトルが破裂する。

あなた明日から、プチ・テロリストだ。

2015-10-27

違和感がある。

http://anond.hatelabo.jp/20151026213611

私にはもっと強い欲望というか、違和感があって。

自分の身体に手足があることが非常に気持ちが悪いです。

違和感というのか。

きっと前世は手足のない生き物だったんだろうなぁと思っています

中学生の時に、屋上技術の授業で使うのこぎりで手首を落とそうとしたことがありました。

これはあまりの激痛にたえられず、絶叫し、病院へ担がれました。

これは神経を麻痺させないと手足は落とせないな。

と分かりました。

それからまず指からおとそうとして、スーパードライアイスを大量にもらい、

感覚を無くしてから指を落とした。

正確には落とそうとして、手が震えたせいでツメが剥がれただけだった。

またもや失敗である


なんとかして手足を落としたい。

そうなると増田には書き込みできなくなるので報告はできないだろうなぁ。

2014-08-02

猫を殺したことがある

佐世保事件で思い出した。

小3の頃、学校の裏で見つけた子猫を校舎の壁にぶつけて殺してしまったことを。

その時は猫の反応を見たくて好奇心でいっぱいだった。

ドッジボールが得意だったからかなりの勢いで衝突したと思う。

から壁に当たった子猫は一発で死んでしまった。想像よりあっけないものだった。

見つかったら怒られると思い、死体が腐って臭いが出ないよう厚手にビニールを2重にして縛り、あまり人の来ない非常階段の下に埋めた。

他にはドライアイスの白煙に満たされたバケツに生き物を入れるとどうなるのか気になって妹のハムスターを気絶させたこともあった。

それから十数年経った今、普通に猫は好きだし小動物を殺めたいなんて気持ちは微塵もないけど

自分サイコパスだったのではと思う時がある。

2014-05-08

http://anond.hatelabo.jp/20140508103038

いやここでの問題は、ドライアイスや防腐剤がいらないということではなくて

即決営業みたいな圧迫営業方式が納得出来ない。

まるでヤクザ押し売りのようだと言われているのであって、

かならずしも、ドライアイスや防腐剤 ドレス代が問題なわけじゃないだろ。

 

即決営業スタイルに納得出来ないという客は結構いるだろ。

営業の腕次第で納得して出す客もいっぱいいるだろうし、納得出来ないっていう客もいるだろ。業界全体の問題とはかならずしも言い切れない。

http://anond.hatelabo.jp/20140508093442

ドライアイスや防腐剤が不要って……

焼くまでの間何日も常温放置したら腐らない訳ないだろうが。

http://anond.hatelabo.jp/20140508022218

金銭感覚の違いっていうのもあるかもしれんが、

冠婚葬祭系の営業の「一生に一度ですから」は常套句だね

結婚式よりも葬式のほうがもっとぼったくってくる。

結婚場合、これから先のことを考えたりするから元増田みたいに冷静に考えたら…てなれるけど、

葬式場合、「これから」がないし、精神的に弱っているときから余計につけ込まれやすい。

不要な経路案内の看板や誘導人の設置、遺体におくドライアイスや防腐剤

祭壇に飾る花代がどうのこうのとか・・・

葬儀屋のほうがや○ざだと思う。

2014-03-19

こういう風に死にたい

今のところ自殺願望はないが、最近よく死ぬ手段を考えてる。

電車に飛び込むのは迷惑が掛かり過ぎる上に、飛び込んだ友人の葬式で顔の一部を除く殆どが布で覆われてたのを見たからヤだ。

飛び降りも同じ理由から却下。というか、ひっそりと死にたい練炭やガスとかは二次災害が起きる可能性がある。

樹海普通にいってみたいけど、死ぬ間際でおなかすいて寒いとかヤだし。誰かに見つかったりしたときめんどくさそう。

首吊り理想に近いが、糞尿が垂れて部屋が汚れそう。下にブルーシート敷けばいいかもしれないけど匂いがひどそうだ。

やっぱり、理想としてはやはり眠るように死にたい

睡眠薬をしこたま飲んで眠くなってきたら、布団圧縮袋みたいな厚手のビニール袋におむつの中身とか乾燥剤をいれたやつに入って閉めて寝るとか。

大家さんには迷惑かかるけど、暫くの処理費と何年分かの家賃は封筒にでもいれて遺書と一緒に置いとけばいいかな。ボロアパートだしそれでなんとかなりそう。

そもそも寝ているときに窒息死って出来るんだろうか。苦しくなって起きるとかヤだな。

ドライアイス中に入れておけば酸欠早まるし冷凍保存にもなりそう。あでもガス溜まって爆発するからダメか。

2014-03-18

【続】女性なのに薄毛で悩んでる

http://anond.hatelabo.jp/20140308094637

以前、アラサー女ですが抜け毛に悩んでるという話をかかせていただきました。

暖かいコメントや的確な意見をいただいて、とても救われました。

ありがとうございます

普段明るく自虐を言えるほうなので、家族や友人には、

かるいノリで、薄くなっちゃってさあとか笑いながら報告したりしてましたが、

まあ思ったより傷ついていたようで、自己憐憫ながら、しばらく自分で書いたエントリー読み返してはめそめそしてました。

で、病院に行きました。今一週間以上経ちました。

多発性円形脱毛症だということです。

でっかいフロンティアハゲではなく、小さなハゲが無数にできたことにより

全体的に薄くなったようです。

病院では、ドライアイス局部ハゲにあて、血行をよくし、発毛を促す治療

アレルギー系の飲み薬、ステロイドの塗り薬を服用してます

効果としては、、、抜け毛は一時期よりは少なくなりました。

がまんづよく続けるしかないみたいです。

はいえ、髪はまだまだスカスカですし、先日書き込んだ時が抜け毛が激しく

頭頂部がうっすくなってしまい、なんかやもすると河童みたい。

というわけで、部分用カツラをつけることにしました。

頭頂部あたりを隠す、そう!よくお昼CMでやってるようなやつ!

できるだけ、髪が薄いことで感じるストレスを緩和したいなと思いまして。

まさか、29にしてカツラに手を出すことになろうとは。

でも気にしなくなるならそれでいいかな。

病院とかつら着用で、だいぶ前向きになれるような気がします。

ブコメで、ストレスについて多くコメントいただいてましたが、

ちょっと自分でも振り返ってみました。

やっぱり転職してかなり楽な職場になったものの、

感じないストレスが身にかかっていたんだなあとしみじみわかりました。

あと、円形脱毛症になる前に家族結婚を反対されたりして、それで悩んでいたのがあったかもしれません。

いやーそれかも。。家族は今までずっと、自分の味方だと盲目に信じていた分、

家族の思いと彼への思いにいたばさまれ、毎日悩んでいました。

今はふっきれたので大丈夫ですが。。。

髪が元のようになるころには、目指せ、文金高島田

あれもカツラだけど。

初めて家族と死別したので時系列で覚え書き

1.救急搬送とき

・ただごとじゃなさそうだったので救急車を呼んだ。

救急車到着、即行病院搬送かと思いきや、「普段服用している薬は?」「持病は?」「保険証は?」とか色々訊かれた。それが死の原因ではないけど、かなり焦ったしイライラした。

・服用薬のリストを作って、保険証と一緒にわかるところに置いておくといいかもと思った。特にある程度の年齢になったら。

2.死んだとき

・今まで特別病気とかしたことのない人だったので、ただただ急過ぎて意味が分からなかった。

・死因は大動脈瘤破裂。これと心筋梗塞脳梗塞くも膜下出血あたりが突然死四天王みたい。

・死んでからすぐに「どこの葬儀屋に頼むか決めてくれ、ここで」と言われた。マジか。

・結局農協へ依頼。

シンプル火葬とかのサービスもあるけど、その辺を利用する決断をこの場で下すのは難しい気がした。故人が生前からシンプル火葬希望の旨を周知徹底しておくとかでもない限りは。葬儀業界市場原理とかあんま無いみたいで、地場根付いているかがほぼ全て。

3.無言の帰宅とき

・逝ったのは月曜だけど、最寄りの斎場が混んでるらしく通夜告別式は次の土日に行うことに。冬の方が他の季節より死ぬ人が多いみたい。

・「今くらいの寒い時期なら、ドライアイス敷いとけば一週間近くは平気でしょ」とのこと。そんなわけで我が家に仏が5泊。

・その日の内に葬式見積もりとか色々もらう。誰が花をいくつ贈るかとかそんなのに気を遣う。本当はそんなことより泣きたい。

・実際、すぐ焼かないで何日か一緒にいられたのはラッキーだったのかもしれない。

納棺した仏に顔を近づけ過ぎると、ドライアイスから放たれた二酸化炭素めっちゃ吸い込むので注意。

戒名たけーよ。1文字3万円くらいよ。いっそ戒名ジェネレータとかあればいいのに。

4.通夜とき

・どこの誰なのか正直よくわからない人達が何人も来る。でも、ありがたい。

・離れて住んでる親戚とかって、盆と正月と身内が死んだときくらいしか会わないね

アサヒスーパードライめっちゃ届く。エビスとかプレモル何となくダメで、こういう場だとスーパードライなのかね。ウエットな場なのにね。

・坊さんが地味めの袈裟で登場。何を言ってるのかよくわからない。

・式の司会担当のおばちゃんがやけに抑揚をつけた声で「天国から見守っていることでしょうーー」とか話す。三文芝居みたいで興ざめ、でも、泣く。このおばちゃんに3万円。

寿司やらを皆で食べる。会場には瓶を下げてくれたりするおばちゃんが3人。このおばちゃん達に一人当たり1万円。

5.告別式火葬とき

・嫌味なくらいに気持ちのよい朝。

・昨日よりもかなり高級そうな袈裟を纏い、坊さん満を持して登場。相変わらず何を言っているのかは不明。

・式が終わり、皆で棺に色々詰める。もう焼かれてしまう。仏をよく触る。泣く。

・「1時間程度で火葬が終了しまから」と、待っている間にまたプチ宴会。酒を飲むも、酔えない。

・「ご遺族の代表の方は、遺骨の確認をお願いします」のアナウンスを受け、席を立つ。

頭蓋骨とか大腿骨とか、丈夫な骨はちゃんと形を保っているものだと思っていたが、かなり強い火力で焼くらしく、全部ばらばら。自分の時は、ミディアムレアくらいがいいな。

・確認とか言われても、こうなっちゃ誰のを出されてもわからんわ。

・その後みんなで骨を拾い、壷に入れて帰宅

6.帰宅後のこと

・帰って早々に諸々の清算。いっそ前払いでクレジット決済とかにして欲しいわ。

香典返しとかめんどくさ…

※今ここ

2013-08-03

ルート配送ってこんな仕事

務めていた会社部署ごとぶっ潰れて、なんとかくわねえと!

てな感じで軽い気持ちでルート配送ってのを一年間務めたから話してみる。よくタウンワークとかで募集してる奴な。

そこそこ長文だけど気になる奴は就職活動ネタにでもしてくれ。

あとここに書いてるのはあくまでも一例――俺の体験談から、どこのルート運送でもこうだとは限らないってのだけは言っとく。

特定めんどくさいから細かい時間の動きはちょいいじってるのでよろしく。


会社のメイン顧客黒猫。4トン箱車をメインに、4トンロング、10トン等々50台はあったか

俺が乗ってたのは4トンの箱車って言えばわかるかな。わかんなきゃググってくれ。

街でよく見かけてるだろうそトラックターミナル営業所を行ったり来たりしてた。


肝心の業務内容はっつーと、まず朝5時に出社。タイムカードなんてもちろんない。

事務所には当日バックレや事故等、緊急時に備えて事務員が待機してる。

こやつはアルコールチェック係も兼ねていて、出社したらすぐチェックしなきゃなんない。当たり前だけど。


この時点でアルコールが検出されちゃうと抜けるまで会社で待機。

その間の仕事は別の奴がやることになるから居心地悪いわ日給は減らされるわでいいことなし。

最悪そのまま帰宅なんてこともある。当然会社での評価も下がるから昇給も遠のくよな。

ただこの手の会社じゃ昇給っつっても特にまりはないか社長の胸先三寸なありがち展開なわけだが。


で、無事アルコールチェックをクリアしたら、自分トラック

(狭い駐車場だとトラックの出し入れをすることも多々ある。これだけで大体10分のロス)

で約1時間かけて特定区域の荷物が全国から集まるターミナルってとこに行く。

早朝だし運送だしってんでとにかくこの時間帯のトラックは飛ばす。警察も見て見ぬふりが多いな。

そんでターミナルに到着したら、すでに用意されている自分担当する○○何丁目の荷物を荷室いっぱいに積み込む。


ただしお中元年末年始の繁忙期、災害時には当然ターミナル内での仕分け時間がかかるので後々の配達時間に影響する。

この間の大震災じゃ一番遅い地域でまる2日配達が遅れたとか。

けど、そんなんでも怒る客がいるってんだから配達員もたまったもんじゃねぇよな。


話を戻そう。

営業所の連中が6時半前後に出社してくるまで30分近く待機。

このタイミングで俺らドライバーは朝食、営業所内じゃ朝礼と朝食になる。

一服して準備が整ったら手分けして荷室の荷物をさら地域ごとに分けて営業所内に積み上げる。

早朝の営業所はもう荷物が天井に届くぐらい満杯になってる。

そんでもってこの時点でヤバイのが冷凍、冷蔵の荷物。クール便てやつな。

夏場に多少溶けるのはもうホントかんべんしてくれって感じ。

一応冷蔵庫みたいのに入れるんだけど電気式はまだ数が少なくて、ドライアイスで冷やすタイプほとんどなのよ。

そんでもって夏は慢性的ドライアイス不足になる。だけど俺らみたいな下っ端にはドライアイスくださいなんて権限はない。

なので中には溶けちゃうものも混じってくるわけだ。



そんなこんなで仕分けをしたら俺の担当地域内の繁華街に移動する。

場所によるだろうけど俺の担当してた営業所繁華街から中途半端に遠かったもんで、

荷室を出張倉庫みたいな扱いにして車を繁華街のど真ん中に停めてた。

ただ停めてたっつってもお巡りは巡回するし、周囲の目もあるから運転席で待機しつつ配達員の手伝いなんかもする。

休憩なんてあってないようなもんだ。これが昼まで続く。



繁華街の配達が終わったら営業所に行って午前中に集荷した荷物を積み込んでターミナルへ納め、

朝のように午後の荷物をまた荷室いっぱいに詰め込んで営業所に再びUターン

そんで営業所から荷物を受け取ってまたターミナルUターンこの時間帯が一番バタバタしてるな。



ここらへんで大体午後2時ぐらい。ようやく休憩らしい時間が取れる。

休憩っつってもターミナル内のコンビニ以外何もないから安い社食を昼飯代わりに食べ、

3時くらいにターミナルから出てくる最終便を積み込んで営業所へ納めに行く。

もちろん営業所には荷物が溜まってるからそれを積み込んで再びターミナルへ。



本来ならここでドライバー仕事はほぼ終わり。

営業所が閉店=最終便として7時の荷物が出るまではテキトー場所で休憩なんだけど、大物だったり量がある荷物が出れば手伝いに駆り出される。

まりドライバーの休憩なんて営業所の都合で全くない、ってのもままあるのよ。



ともあれ7時に最終便を積み込んで(ホントに遅いと9時営業所出発なんてのもある)

ターミナルへ荷を納めに行く。んだけど、営業所の閉店時間はどこも一緒。

ってことはターミナルに向かうトラックもほぼ同時刻に出発してるわけだ。

まりターミナルには荷物を下ろしたくて仕方ないトラックがギュウギュウすし詰め状態。

途中でのんびりしてると順番が後ろの方になり、自然帰社~帰宅時間も遅くなる。

なのでこの時間帯も結構みんな飛ばしてる。

トラックターミナルが近くにあるって人は、夕方以降気をつけたほうがいいよマジで



これでようやく一日の仕事が終わりかける。

問題は帰社までどのくらいかかるかって話。

ターミナルを出たら家につくのは約1時間半後になる。9時なら11時前ってことだ。

ということで早く家に帰って休みたい俺は首都高速を使うことになる。

毎日700円の出費だ。もちろん朝遅刻気味の出社ってこともある。

その場合ターミナルまで首都高速を使うから日によっちゃ1400円の出費。これは自腹。



もったいないと思うだろ?

でもそのくらいして時間を確保しないと確実に睡眠時間が削られ事故につながる。

運送会社事故なんて、報道されてないだけでバンバンあるんだよ。

なんで報道されないか

理由は色々あるけど、そんなの報道して勤務体制を労基法に合わせたら指定通りに荷物なんて到着しないからね。


てなわけで愚痴たっぷりに一日の仕事がやっと終わるんだけど、帰社すれば洗車だメンテナンス会議だと何かと時間をとられることも多々ある。

こうなるともう帰宅時間なんて読めやしない。ほぼ完徹状態で翌日の仕事に望むことになる。

とまあ、ルート配送ってのはだいたいこんな感じの仕事だ。



・平均労働時間16時間

・週休1日、盆休みなし、正月大晦日から三が日の間で三日間

・日給は1万円スタートで1.3万円以上は昇給なし、ボーナス無し

・まとまった休憩時間はなし(合算すれば1時間ちょいぐらいか)。


通勤時間プラス自宅でちょっと一杯、じゃなくての少しのんびり、なんてやってると平均睡眠時間4時間がせいぜい。これがルート配送の実態だよ。

ブラックだなんだと言われてるけど、こんな会社が腐るほど存在し、大手宅配業者は労働組合こそあれ末端業者の労働環境にはビタイチ口を出さない。

ドライバーは定年間近だったり他の会社トラブルを起こしてきた奴がママ働いてる。

巷聞かれる「一人が気ままでいいから」なんて甘い話はレア。「一人じゃないとトラブルになるから」って手合ばっかしだ。



俺は一年働いてギブアップした。身体が悲鳴を上げ、ドクターストップを食らったからだ。

今は収入はそこそこだけどゆっくり睡眠も取れるし、休日も土日祝祭日お盆年末年始ともらってる。もちろん福利厚生もな。

転職して正解だと思う。あのまま言ってたら大事故を起こすかもしれなかったと思うとぞっとするよ。


経験としてはいいかもしれないけど、こんな業態大手を振って存在し、宅配サービスもっと早く、もっと早くと急かす客がいる限りなくならないだろう。狂ってるよ。この国は。



余談だけど佐川は荷物ぶん投げるって聞いてるけど、黒猫は荷物をぶん投げたりはしなかったな。

あくまでも俺が担当してた地域は、だけど。

すごく丁寧に荷物を積んでたよ。もしかしたら営業所長によるのかもしれない。

佐川はたまに路肩に停まってるトラックの中を見ればわかる。

とんでもない荷物の積み方してるから、それを見ただけで推して知るべしってことだ。

http://anond.hatelabo.jp/20130802230637

ウエディング葬儀は「待ちの商売」って昔から言われてて

客入りがあるときに細かいところでどんどん金取っていかないと会社がぶっ潰れるのよ

たかだかウェルカムボードで数万、十数万計上しちゃうのはそのため

ほかにもやれ花代だ○○代だ××代だでどんどん取られて、最終的に数百万になる

葬儀でいえばドライアイス代とか花代あたり、普通なら考えられない金額で見積もり出してくる

さすがにウエディングのよりは安い場合が多いけどね

でも「お祝い事だから」「お悔やみごとだから」でトラブルにしない人が多いんだよね

「?」と思っても、原価だの相場がわかんないから、っていう事情もあるだろうけど

業界内部もウエディング葬儀は凄く似てるし、ちゃんと調べていくと両方やってるところもある



会社にもよるだろうから、誠実ないい会社もあるのかもしれないけど

業界全体がヤクザに片脚突っ込んでるような業界だし

夢見て入ってしまう前に気付けてよかったんじゃないか

2013-07-02

http://anond.hatelabo.jp/20130702114134

☓ 保冷剤を持ち込めない

◯ 液体を持ち込めない。

 

保冷剤を使いたいなら、ドライアイスを使えということらしい。

http://www.skymark.jp/ja/support/safety4.html

航空機機内への持ち込みまたは受託手荷物の取り扱いができる品目以下の品目等

ドライアイス(生鮮食料品等を冷却するために使用するものに限る) 1人2.5kgまで

密閉された容器に入った空気入りの液体は、条件により気圧の変化に耐えられず爆発する可能性があり、棚に置くと飛び散った液体が他のお客様迷惑になるので棚に入れられないのは既知の事実

2012-10-27

死をポケットに入れて

最初に言っておこう。

失ったものに対しての取り返しのつかなさを感じるのは、そこから多くの物を得ていたからだ。

愛し合った分、憎み合うように。

すべての物は、そうやって釣り合いを取っている。

父を亡くしたのは、14歳の時だ。

2度目の癌で、1度目は胃で、2度目は喉だった。

告知の是非がまだ争われていた時代、彼は知ることを望み、

一時帰宅ときに、家族食卓自分は癌だと、必ず治して帰ってくると、そう告げた。

今思うと、とても不思議病気だと思う。

癌は自分が育つために、宿主もやがて殺してしまう。

部位的なその特徴から喉頭癌の進行は早い。

正月一時帰宅を終えて、

(なんとも日本人とは律儀な性格だ。正月は自宅で迎えたいらしい。犯罪者でも、末期の患者でも。)

すぐに目に見えて容態は悪くなった。

口内炎のように見えていた癌は段々と増えて、私たちは怯えた。

皮膚は乾き、黄色くなり、骨と皮だけになっていく自分の肉親を見る機会は何度もあるものではない。

だけど、そんなことは何も珍しいことではない。

ありふれた病気の、ありふれた悲劇

どんなにひどい事も、どんなに素晴らしい事も、この世の中では起こりうるのだ。

何よりも、見た目以上に思い知らされたのは、人が内側から段々と腐っていくそ匂いだ。

甘くすえた、その匂いを今でも覚えている。

今でも、何年かに一度ぐらい、町中でその匂いをさせている人にすれ違うと懐かしく思う。

もうすぐ死にゆく人の、その匂い

人は自分の信じたいことしか信じない。

そのためには、どんな事象も誤魔化せるのだ。

たとえば、肺に穴をあけて血と膿の混ざった水を吸いだしたり、真っ黒な血を吐いたり、

意識がなくなった父に看護婦が話しかけながら直腸に手を入れて汚物を掻きだしたり、

そんなことを目の当たりにしても、家族は信じるのだ。

「これで悪いものが全部出たから、あとは良くなるだけだ。」と。

病院時間は、緩慢なようで、あっというまに過ぎる。

廊下に面する個室のドアが閉じられたら、それは隣か、その隣の患者が死んで運ばれるサインだ。

病棟の個室は、治療のためのそれというよりも、順番を待つための場所に近い。

不思議もので、どんなことにでも人間は慣れ、希望を持つことができるのだと思う。

クリスマス解放を願うアウシュヴィッツ収監者のように。

病棟でもまた然りだ。

中学生だった私は、医学書を読み、信じることを拒否し、

それでも意識を取り戻さない父親の横で、ポパイの「ぼくたちのセックス」特集に夢中になった。

どんなことも、釣り合いが取れているのだと思う。

こんなにも悲しいのは、きっと、こんなにも愛されていたかなのだと。

静かに、いつの間にか彼は死んでいた。

母親と弟が仮眠を取っている間に。

わたしが、介護用のベットで7月の雲の流れているのを見ていた間に。

最期には、痰も腹水も出なくなり、人間は乾いて死ぬものなのだと知った。

何のために、あの8か月は必要だったのか。

母親がこっそりと医師に手渡した、あの金は何だったのか。

何でもないと、今ならば思う。

すべては、私たち自身を慰める、その鎮魂の前払いのようなものだったと。

少しずつ、少しずつ、わたしたちは覚悟を重ねてきたのだ。

見たくないものを認めるために。

後悔をしないために。

誰のせいにも、しないために。

すべての物から得ることはある。

どんなに酷いことからも、経験を。

失ったものからは、愛情を。

束縛からは、解放を。

あるマンガで、しゃれこうべに怯える主人公魔女は言った。

頭蓋骨が怖いの?自分も一つ持っているのに?」

そうだ。わたしは怖くない。死は既に、自分の中にある。

から、弟が事故で死んだ時も、私は比較的冷静さを保つことができた。

私はもう、14歳ではなく29歳になっていた。

馬鹿みたいなその死因を聞いた時も、少しだけ安堵した。

事故で良かったと。

それなら誰も憎まないですむ。

大きく腹部を膨らませて、全身の穴から血の混じった体液を流す弟の体を拭き、

検死後にドライアイスを置いていかない警察の不親切を苦々しく思った。

仕方のないことだ。警察葬儀屋ではないし、五月に死体は長持ちしない。

(いつか覚えておくと役に立つかもしれない。)

2度目の―今度はあまりに突然な―身内の死に途方に暮れながらも、

誰も憎まないでいいことに、少しだけ安堵した。

誰かのせいにすること、

誰かに責任を見つけること、

憎しみを将来に繰り延べることは、

自分迷路に追い込むだけだ。

死をポケットに入れて。

棺に入れた弟の好きだった詩集は、灰となってなお文庫の形を保ち、火箸で突くと粉となって崩れた。

放蕩の限りを尽くした詩人は80歳を超えても生き長らえ、

20代の、5月の生の盛りに(flower of life)、弟は死んだ。

途方に暮れる母を支え、喪服美人妻を気取り、

火葬場で弟の骨を見た時は、とても申し訳なくて笑うしかなかった。

どこも損なわれていない、こんなに立派で太い骨なのに。

恥ずかしくて、恐縮するぐらいの健康人間だったのに。

どうしようもないことは、どうしようもないことだと思う自分は、どこかおかしいのだろうか。

弟の婚約者は、ショックで髪の毛が抜けてしまった。

私は、釣り合いをとるために、手放すことを選んだのだ。

それが自分バランスを取るために、丁度良かったからだ。

今でも、ふと思う。

自分の中の死を。

自分の周りの死者を。

どうしようもない、役割とか、病とか、不正とか、エゴのことを。

昼間の汗や尿と同じように、夜中の暖かい布団の中で流す涙のことを。

何かを失ったと思っている人へ。

何の慰めにも為らないかもしれないが、それは間違いだ。

失った分、同じ大きさの何かを得ている。

何かを失ったと感じたのであれば、それは既に、それだけのものあなたが受け取っていたからだ。

得たもの、それが憎しみならば、手放してしまえばいい。

あるいはその痛みは、あなたあなたの亡くしたものだけで組成されたものだ。

それならば、誰にも渡さずに、自分のものだけにしてしまおう。

それから数年して、私は妊娠した。

まだ生物とも呼べないような、たった8ミリの物体の写真を見て、少しだけ、泣いた。

大きな喜びと、大きな喪失の両方の可能性を持ったものを、私は孕んでしまった。

愛と呼べるような感情は、まだわからない。

だけれど、ともに時間を過ごし、それを失った時に、

わたしは自分を壊さずにいられるだろうか。

死は、私の中にもセットされている。

その事を怖いとは思わないが、少しだけ、祈るような気持ちになる。

どうか、どうか、私が愛する人たちに、沢山の何かを与えることができますように。

釣合いなんて、とれていなくていいから、

たくさんの、―できれば喜びを―、残すことができますように。

まり陳腐さに自分で笑って、また少し、泣いた。

2011-03-13

http://anond.hatelabo.jp/20110313123322

(経済産業省)

3月12日

・01:75 移動式トイレについてニッケンのレンタルから5,000基供給可能との連絡

     があり、搬出可能時間を確認中。

・01:15 毛布について大阪業界団体から25,000枚供給可能との連絡があり、

     3月12日17:00 までに供給可能

・03:15 燃料(ジエット・灯油、A重油ガソリン軽油)、毛布、ラジオ、懐中

     電灯、発電機ドライアイス、棺桶.カイロ、ろうそく等について供給元情

     報を適宜追加

===============================================

ソース 首相官邸広報

http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/jisin/20110311miyagi/index.html

以上、 平成23年2011年東北地方太平洋沖地震について (平成23年3月13日10:00現在) 

から抜粋

===============================================

2010-09-15

終わったと思ったら終わってなかった、もっと酷くなった

 好きだった子がいた。そりゃ本当に好きで堪らなかった。なんで好きになったんだろうとか在り来たりの後悔もしたし、仕事もまともに出来ないくらい頭から離れなくて仕方がなかった。そして当たり前だけど、俺はバカだから身の程も弁えずに告白する。半年くらい前に一度と、二ヶ月くらい前に一度。面倒臭い男だ。一度振られても諦められなかった。

 二回告白して二回とも振られたので、流石に脈は無いし諦めよう。もう忘れよう……とか思ったって無駄だし、でもまあ迷惑掛けないように普通に接していよう。好きだけど、もう付き合いたいとかそういう気持ちを持つのは止めよう。相手にも失礼だし、と俺は自分を何とか納得させて日々を過ごしてた。最近はとても精神状態が安定してきて、恋なんてしばらくいいけど、毎日を楽しく生きようなんて珍しくポジティブ感覚を得ていた。

 でも、もう二回目の告白をしてからしばらく経つのだけど、最近急に彼女の態度が冷たくなった。そりゃもう明白なくらい冷たくなった。なんで? ドライアイスなんて目じゃないよ! 絶対零度、俺は凍えた。

 ぶっちゃけ死んだ。

 そもそも、まともに会話をしてくれない、目を合わせてもくれない。もし会話のやり取りがあったとしても、俺が言ったことは全否定。それも分かりやすいくらいに分かりやすい攻撃、恐ろしい子……なんて俺は思ったのだった。「あなたの隣には座りたくないです」なんて言われた時は時間が止まったね! ひょう! 俺はでもそうやってショックを受けてる俺自身が笑えたりもした。

 それにしても――なんでこんな態度取られてるんだろう? と勘ぐって、でもすぐに分かったのだった。情報元は聞いた話だから当たりではないかも知れないけど――どうやらおかしな噂が彼女の耳に入ったようだ。

『俺がけっこうアプローチしてダメだったから、押して駄目なら引いてみなの精神で今は引きの状態』を取っている、と誤解されてる。そういう噂が流れているようだ。いやーん、そんなの意味不明過ぎるよ。そもそも、二回振られてるんだぜ? そりゃ世の中には何回振られたって諦めない男はいるかも知れないけど、そこまで愚かっていうか厚顔無恥じゃないっつーの。そりゃまだ好きだけど! 諦めてるっつーの! それに恋愛スタンスの具体的なとこなんか他人に話さないっつーの! でも、なによりショックだったのが、俺がそんな風な軽薄な男だったって思われていたことで、俺は少なくはない彼女との会話で、僅かでも彼女性格を理解していると思った(彼女駆け引きなんて嫌いだってのも分かっている)のに、彼女は俺のことを全く理解していなかった。それがなによりも辛かった。それくらい俺になんて興味はなかったってことだろう。

 それから付け加えると、これは仕事先の話だから、いわゆる社内恋愛というやつで、そういったおかしな噂はすぐに流れるし俺は長く働いているから噂の怖さなんて知ってる。

 よく存じ上げております。

 俺が彼女のことを好きだって話は、どうせ誰かにしたら2~3日したら広まる。風評被害が怖いから誰にも相談なんて出来ないし、だからこそしなかった。俺は誰にも彼女が好きだってことは伏せていた。なのに……どうしてか知らないけど俺が彼女のことを好きだって話が出回ってる。恐ろしい職場マジック、俺は確かに彼女には他の人間とは違う態度を取っていたかも知れない、だけど断定されて情報が知らないとこでこうも簡単に広まってるのも恐ろしかったし、しかもなんだ……俺が押したり引いたりの駆け引きを楽しんでるなんて眉唾が一人闊歩している。なんとも馬鹿馬鹿しい話になってる。

 俺は他人に勝手な評価をされるのが嫌だ。俺が言っていないことを言っているように広められるのが嫌だ。こんな風な精神状態から抜け出したい。誰か助けてくれ。となっても、誰も助けてなんてくれない。自分自分を救うしかないのだ。

 そして色々と誤解を解く方法を考えたが、どれも実行に移せない。直截話をするのが一番簡単だが、じゃあそんな話を誰から聞いたのか? なんてなってしまうし、なにより客観的に考えたら、こんな問題なんてどうでも良すぎて悲しくなってくる。どうでもいいことで悩んでいる俺が悲しくて泣きたくなってくる。

 もしも本当に直截彼女に「俺はそんなことは言ってない」と告げたところで、一度信用を失った人間言葉は全て言い訳にしか聞こえない。信じるってことと疑うってことがこんなに近くに存在しているなんて俺は知らなかった。信じることは疑うことと同意義なんじゃないか? 信じるということは疑うことを信じることとも言い切れるのだから。疑うことは信じるということを疑うことになるのだから。だから俺は彼女と会っても、きっと何も言えない。

 状況が酷くなった今だから、またふと思い至ってしまう事実があったのだけど、俺はこんなに彼女に嫌われているのにこんなことで悩んでいる。諦めているのであればもう話すらしなくても良いのに、でも誤解を解きたいと思っているということは、俺はまだどうしようもなく彼女を嫌いになれないということなんだろう。

 とっくに終わってたと感じていても、終わってなかったんだなー、こんなどうしようもない状況に陥っても人間的に彼女を嫌いになれないんだから。

2010-04-21

二酸化炭素の生成過程

二酸化炭素は無色無臭の気体で、その密度は空気の1.5倍程度。この気体は水に少し溶け、微弱な酸性を賛成の反対。気体の生成過程は、大気中のうっかり八兵衛を混合リレー酸化したマスオさん発見し、ナイフのようなもので酒を飲んでいたところへご隠居が現れて「金を返せ。返さなければお前を生かしておけない。いかしておかなければ金を返してはおけない。おけないでおけなければこちらにも考えがある。」と脅したうえ、ガムテープでロープをぐるぐる巻きにし、近くにあった毛布でぐるぐる巻きにしたロープをガムテープで縛ってぐるぐる巻きにしてロープで結んで近くにあった毛布でくるんでガムテープで固定した。これを見ていたマスオさんは怖くなり、慌てて警察に通報し、使った電話機を近くにあったロープでぐるぐる巻きにしてロープで結んでご隠居が持っていたガムテープを奪い取り、近くにあった毛布でぐるぐる巻きにしたロープをガムテープで縛ってぐるぐる巻きにしてロープで結んで近くにあった毛布でぐるぐる巻きにしてさらにその上からガムテープで固定している。

二酸化炭素は、生物の呼吸によっても発生する。これは生物の呼吸器官で吸収されたガムテープが、酸素と反応することによってぐるぐる巻きにされ、鈍器のようなものを持った弥七が自ら頭を殴って、「レジを開けて金を出せ。警察に通報したら命はない。もちろん通報を警察してもレジがない。だからいますぐ警察を開けて、ありったけのレジを出せ。さもなくば、この鈍器のようなものでお前の頭を開けて金を出せ。こっちにも考えがある。その考えはレジの中にあるから、警察を読んで考えて考えてからレジを出せ。金がなければ鈍器もない。」と証言した。

二酸化炭素は実際にはいろいろなものに利用されている。例えば消火剤、清涼飲料水ドライアイスなど、生活の多くの場面で活躍する水戸黄門バールのようなもので酒を飲み、布のようなもので首のようなものを絞めたような話で盛り上がり、泥酔した容疑者がロープのようなものではがいじめにしているところへ容疑者の妻が現れてははがいじめにし、口論となった結果、容疑者は近くにあった角材のようなものでロープをぐるぐる巻きにし、さらに両手を使ってぐるぐる巻きのガムテープの上から毛布でぐるぐる巻きにして頭髪をマチコ巻きにして酔っ払ったのを見て怖くなり、近くの交番へ駆け込んで、駐在していた警官2名をはがいじめにしながらガムテープでぐるぐる巻きにして近くにあった毛布のようなものとロープのようなものを使ってガムテープをぐるぐる巻きにしながら、警官が持っていたピストルガムテープグルグル巻きにして当日のグルグル巻き選手権は二名の警官容疑者の対決となったが、あいにくの天候だったため、競技は行われず、代わりに近くにあった針金のようなものでロープをぐるぐる巻きにして川に捨てたと供述した。

二酸化炭素は、生物の呼吸により体外に放出され、同化作用により植物体内に取りこまれてはがいじめにされたという。一方当日未明から監禁されていた妻の所へ犯人が押しかけ、「俺は人を殺してきたばかりの殺人犯だ。言う事を聞かなければ命はない」と脅し、「まずはカラムーチョドクターペッパー買って来い。あと10万持って来い」と金と食料を強要し、近くにあった空きビン46本を鋭い刃物のようなものと梱包テープを使ってぐるぐる巻きにし、近くにあった毛布のようなもので残りの現金24万円をぐるぐる巻きにし、それらを太いロープのようなもので突き刺して逃走した。無事に助け出されたβさんは、「とても怖かった。ロープを取り出すシーンはまともには見ていられないほど。彼女を誘って、もう一度見てみたい映画です。」と封切り直後の様子を語ったという。(完)

2010-02-08

エスパー伊東の一発芸一覧

「高能力シリーズ

* 「スプーンねじきり」 - 本人曰く「スプーン曲げは難しいから。」

* 「ビールをジョッキで3杯一気飲みした後30回転しても目が回らない男」

* 「ペットボトルで空を飛ぶ」 - エアを詰めた業務用ペットボトル数本を背中に背負って噴射し、キリモミしながら空を飛ぶ[1]。

* 「エアバッグで空を飛ぶ」 - ハンドルの上に座り、エアバッグを膨らませて空を飛ぶ。「ハンドルでナニしちゃう男」として紹介された。

* 「地獄車」 - 『柔道一直線』に登場する架空柔道技。

* 「0cm読書

* 「手んぷら」

* 「ドライアイス食い」

* 「指ドリル・指ペンチ 」

* 「小指1本突きダンボール穴あけ」

* 「扇風機舌止め」

* 「三歳児の服を着る」

* 「火炎ガラス渡り

* 「爆裂ゴム手袋鼻息割り」 - 医療ゴム手袋を頭から被り、鼻息で膨らませて割る。失敗する事も多い。

* 「テニスラケット軟体くぐり」

* 「熱々おでんニコニコ食い」

* 「高熱たこ焼き串いらず」 - たこ焼きを指でひっくり返す。

* 「高熱おしぼりヒラリハラリ」 - 次々と投げられる沸騰した湯に浸したおしぼりをかわし続ける。

* 「360°敵だらけ」 - 360°から放たれる枕を『マトリックス』の様に華麗にかわす。

* 「I am チャッカマン

* 「本気(マジ)キックネバーギブアップ」 - キックを受けても痛がらず、逆にキックを打つ人の方が疲れる(らしい)。

* 「熱々流しそうめんハシいらず 〜次の人ごめんなさい〜」

* 「長距離ハッピーバースデートゥーミー」

* 「360°亀田祭りネバーギブアップ」

* 「ドキドキメジャー寸止メジャー」 - メジャーを巻く時に水が入った風船ぎりぎり目の前で止める。

* 「かんしゃく玉ホッピングヒョヒョイのヒョイ」 - かんしゃく玉を潰さずにスタートからゴールまで行く。

* 「鋼鉄レバーギブアップ」 - 空手経験者のレバーブローを我慢する。

「高速」シリーズ

* 「高卒電話帳破り」 - 電話帳を破る。本来は「高卒」でなく「高速」であったが、滑舌が悪い為に聞き間違えられた。

* 「ラベラーヌンチャク高速貼り」 - ラベラー(値札貼り)2つを紐で繋いだものをヌンチャクのように振り回しながら牛乳パックにバーコードを張っていく。

* 「高速1分間梅干し30個食い」

* 「高速わんこ飲み」

* 「高速目覚まし止め」

* 「高速ほえすた祭り

* 「高速大工さん」 - すばやく釘を打ち、板の上を銀色にする。

* 「高速真っ黒」 - ホワイトボードを水性ペンで全てを真っ黒にする。

* 「高速チラシはさみ」

* 「高速踊る大交差点」 - 全方向から来るミニ四駆を欠かさず受け止める。

* 「トイレットペーパー高速巻取り(上級者編)」

* 「高速キャップもどし万寿男」

* 「高速ねんど潰し」 - ねんどを1分以内で潰してシートをねんどだらけにする。

激辛シリーズ

* 「激辛饅頭ニコニコ食い」

* 「激辛唐辛子バーガーニコニコ食い」

* 「激辛ワサビドッグニコニコ食い」

* 「激辛ハバネロールニコニコ食い」

* 「激辛真っ赤福(まっかふく)ニコニコ食い」

* 「激辛カラシメルニコニコ食い」

2010-02-05

エスパー伊東が教える「すべらない宴会芸」44パターン

「高能力シリーズ

* 「スプーンねじきり」 - 本人曰く「スプーン曲げは難しいから。」

* 「ビールをジョッキで3杯一気飲みした後30回転しても目が回らない男」

* 「ペットボトルで空を飛ぶ」 - エアを詰めた業務用ペットボトル数本を背中に背負って噴射し、キリモミしながら空を飛ぶ[1]。

* 「エアバッグで空を飛ぶ」 - ハンドルの上に座り、エアバッグを膨らませて空を飛ぶ。「ハンドルでナニしちゃう男」として紹介された。

* 「地獄車」 - 『柔道一直線』に登場する架空柔道技。

* 「0cm読書

* 「手んぷら」

* 「ドライアイス食い」

* 「指ドリル・指ペンチ 」

* 「小指1本突きダンボール穴あけ」

* 「扇風機舌止め」

* 「三歳児の服を着る」

* 「火炎ガラス渡り

* 「爆裂ゴム手袋鼻息割り」 - 医療ゴム手袋を頭から被り、鼻息で膨らませて割る。失敗する事も多い。

* 「テニスラケット軟体くぐり」

* 「熱々おでんニコニコ食い」

* 「高熱たこ焼き串いらず」 - たこ焼きを指でひっくり返す。

* 「高熱おしぼりヒラリハラリ」 - 次々と投げられる沸騰した湯に浸したおしぼりをかわし続ける。

* 「360°敵だらけ」 - 360°から放たれる枕を『マトリックス』の様に華麗にかわす。

* 「I am チャッカマン

* 「本気(マジ)キックネバーギブアップ」 - キックを受けても痛がらず、逆にキックを打つ人の方が疲れる(らしい)。

* 「熱々流しそうめんハシいらず 〜次の人ごめんなさい〜」

* 「長距離ハッピーバースデートゥーミー」

* 「360°亀田祭りネバーギブアップ」

* 「ドキドキメジャー寸止メジャー」 - メジャーを巻く時に水が入った風船ぎりぎり目の前で止める。

* 「かんしゃく玉ホッピングヒョヒョイのヒョイ」 - かんしゃく玉を潰さずにスタートからゴールまで行く。

* 「鋼鉄レバーギブアップ」 - 空手経験者のレバーブローを我慢する。

「高速」シリーズ

* 「高卒電話帳破り」 - 電話帳を破る。本来は「高卒」でなく「高速」であったが、滑舌が悪い為に聞き間違えられた。

* 「ラベラーヌンチャク高速貼り」 - ラベラー(値札貼り)2つを紐で繋いだものをヌンチャクのように振り回しながら牛乳パックにバーコードを張っていく。

* 「高速1分間梅干し30個食い」

* 「高速わんこ飲み」

* 「高速目覚まし止め」

* 「高速ほえすた祭り

* 「高速大工さん」 - すばやく釘を打ち、板の上を銀色にする。

* 「高速真っ黒」 - ホワイトボードを水性ペンで全てを真っ黒にする。

* 「高速チラシはさみ」

* 「高速踊る大交差点」 - 全方向から来るミニ四駆を欠かさず受け止める。

* 「トイレットペーパー高速巻取り(上級者編)」

* 「高速キャップもどし万寿男」

* 「高速ねんど潰し」 - ねんどを1分以内で潰してシートをねんどだらけにする。

激辛シリーズ

* 「激辛饅頭ニコニコ食い」

* 「激辛唐辛子バーガーニコニコ食い」

* 「激辛ワサビドッグニコニコ食い」

* 「激辛ハバネロールニコニコ食い」

* 「激辛真っ赤福(まっかふく)ニコニコ食い」

* 「激辛カラシメルニコニコ食い」

2009-07-18

ドライアイス二酸化炭素(CO2)を排出するので、使用を控えましょう

みなさんの中で、ドライアイスを使ったことのある人は多いと思います。

スーパーレジの近くにあって、白くてとても冷たい、あれです。

あれを使っているとき、白い煙のようなものが出ますよね。

実は、あれは、二酸化炭素(CO2)なのです!!!

二酸化炭素(CO2)といえば、そうです、地球温暖化の原因と云われているガスのひとつです。

ですから、地球温暖化防止のため、ドライアイスの使用は控えましょう!!

みんなでエコしましょう!!

2009-06-22

元何処かの管理人負け犬的遠吠えの記録

序章+αで色々と記したいが時間記憶の劣化が激しい。

これは記憶によってかかれたものであり、記憶違いが多数有ります。

2007年11月とある事についての 私的追記

以下引用

228 名前: no name :2007/12/03(月) 09:39:01 ID:uNwV3Plx

転載

ずっと昔から

Hoi2のAARとPCゲーム板のスレには真性の粘着が生息して色々荒らしてまわってる

閣下世界征服PCゲーム板のスレでも話題になり。その度に賛否両論で荒れていた

(特に執拗アンチが沸いていたのは事実

Hoi2AARにも閣下世界征服が掲載されるようになった

26日夜~27日朝

Hoi2AARが負荷で落ちた(前から負荷多いサイトだった)

27日昼

架空戦記Wikiが何者かに荒らされる

27日夕

閣下世界征服動画削除される

引用終わり

では時空列に当方が関わった部分、ちょっと遡ります

Hoi2のAARとPCゲーム板のスレには真性の粘着が生息して色々荒らしてまわってる』

2006年11月頃?旧hoi2wiki及び本家AARwiki(管理権移管前)においての諸処の状況に憤慨した名無しのROMNEOAARwikiを立ち上げる。

閣下世界征服PCゲーム板のスレでも話題になり。その度に賛否両論で荒れていた

(特に執拗アンチが沸いていたのは事実)』

該当のスレROMっていたが確かに希にあったと記憶。しばらくNEOAARwiki管理忙殺される。

Hoi2AARにも閣下世界征服が掲載されるようになった』

[此処から随時推測と憶測が入ります。]米帝核の人のAARに端を発しての本家AARwiki(管理権移管前)が荒れる。

サーバー自体がその頃より不安定化し、又自体を憂いて2007年11月上旬頃に本家AARwiki(管理権移管前)の管理人さんに交渉管理譲渡してもらう。

それに伴い、サーバー移転を実施(NEO設置サーバーと同一の所にもう一個借りる)

移転前後、予想外の高アクセス・高負荷によりサーバー側よりお叱りを受ける。

この混乱の前後に何故か本家AARwiki(管理権移管後)の外部リンク?に掲載される…? (バックアップデータ等から見た限りでは確かに書き込んだ形跡有り)

『26日夜~27日朝

Hoi2AARが負荷で落ちた(前から負荷多いサイトだった)』

記憶が確かならばこの時期に、サーバー移転を実施。さくら1.5Gタイプだったと記憶

よって負荷落ちではなく、移転による一時的なアクセスシャットダウン状態だった筈。

『27日昼

架空戦記Wikiが何者かに荒らされる』

[かなりの推測曖昧記憶が入ります。]

時期が前後しますが、本家AARwiki(管理権移管後)?に架空戦記紹介として米帝核の人のAARが紹介されていた。(確か個人のブログだった筈?)

  1. 架空戦記Wikiに掲載されていた?(推測+憶測)
  2. 架空戦記スレに紹介されていた?(推測+憶測)

『27日夕

閣下世界征服動画削除される』

記憶が確かならば30日前後に事態を把握。

この前後本家AARwiki移管後、様々な事態に直面し混乱していた為把握が遅れる。

詳しい混乱の経緯については避難所BBS記憶されています。

興味がある人は、ドライアイス・冷たい飲み物・くじけない心・

アルバニアイタリアに抵抗する心意気・ルクセンブルグドイツに抵抗する心意気・チベット世界制覇を試みる心意気ぐらいでどうぞ。

以上。これらの情報適当に書かれたものかもしれないし、真偽性なんてむちゃくちゃです。

2008 11月某日に嫌気がさして逃亡したものが 唯一心残りにしているこの点についての 記録でした。

以下・どうでも良い怨嗟・愚痴入ります

業務連絡・2008・11 

逃亡において管理移転に関わる気がないにもかかわらず無断でftpアクセスしていた人。

ログで把握している。

波風たてぬ為に黙っていたが、あえて言おう。

この○○野郎

人の職業の貴賎についてまで言っていたのを把握。

ぁー後、今では結構使っている人も多いUTBを愚弄していたなぁ…

後、金も払ってないのにユーザー気取りしていたのも有りましたね

すみません。貴殿が忘れていても覚えいたりするんです。いつまでも深淵でわかった気になってれば良いと思うよ?

長なのってる人ー。いい加減○○で○○できたかなー?

いい年した○○が○○で○○な状態だと名前負けしてると思うから

いい加減にしやがった方が良いと思うよ?

以上責任感放棄した後の好き勝手な独り言でした。

『何もできない輩が多数いて、目障りだからと声高々に非難する輩がいて、

良質のAARは途切れそうだった。ただのROMでしたが立ち上げ良識有る人々のお陰でどうにかなりました。

堂々巡り論理ですが、文句有る奴は己の理想を固持したものを作り上げれば良いと思うよ?

少なくとも当方はやった。固持した理想現実に嫌気さして最後には逃げたがね。

荒らす目的のみで文句言ってる奴らはどちらが隔離されているのか良く立ち位置を見直した方が良い。

論議という名の神経衰弱戦やってる暇有ったら何度でもいつでもどのようにでも、新たなwikiなりなんなり

作り上げればいい。

お前の理想が万民に会ってれば人は流れ、恐らくお前が正しいことになる。

さあやってみせろ?』

謝辞・

始まりにしてきっかけとなった 兄貴に深くお詫びを。

注意・

これらの日記は全て何処かの誰かが書き散らした広告の裏です。

実在するwiki・各種関係者・とは関係有りません。

推測・憶測で書かれている部分もあります。

諸注意・これから○○○をやろうとしてるひとむけ

○○Cの○組正確には…

ま、行けばわかるさたぶんね。

ねすきーなる人物の恐らく尻ぬぐいをさせられた人物

より既にさった場所に怨嗟と孤高感をそえて

2009-03-01

おくりびと」の納棺師は、葬儀屋の下請け業者


アカデミー外国映画賞を受賞したおくりびと映画内で登場する職業納棺師であります。簡単に仕事内容を説明すると、遺体をきれいにして棺に収納し清める仕事。俗にいう「遺体に触れるサービス」ですね。この納棺師という仕事、実は葬儀屋の下請けで嫌な仕事をアウトソースされているにすぎないのです。

で、問題はこの葬儀屋利益率は5割ともいわれ、ぼろ儲けの商売だそうだ。(今はだいぶ緩和されているが) 主な葬儀ビジネスの裏側といえば固定客の獲得。人が死ぬ場所は基本的には病院で、事故をすれば警察、その処理を葬儀屋キックバックを払い固定客を獲得しているのです。

それから葬儀ビジネスで欠かせないのは坊主存在、今では仕事も減り、御布施の金額も減少しているという貧乏坊主。私の葬式のときにも顕著に営業トークしていて若干ひいた記憶があります。昨今では、そんな貧困坊主葬儀社にキックバックを支払い仕事をもらってるという。

一般の人にはまだまだブラックボックスの多い葬儀ビジネス世界だが、一番驚いたのがエンバーミングという遺体保存方法だ。遺体というのは、死んでから 2,3日で腐敗が始まり肌も土色になり無様な状態になります。それを遅らせる既存のやり方は、顔や体にドライアイスを横に置きクーラーのきいた部屋で腐敗を遅らしている。そして、死化粧で塗りたくる。これがメジャーな方法なのですが、エンバーミングとは、遺体血液を抜き取り、その代わりにホルマリンを多く含む固体液を入れ保存する方法だ。

エンバーミングをすることで、何週間も生前の状態に保たれ感染症の予防にもなる。海外ではメジャーなやり方で、他国で戦死したときなど一般に使用され、綺麗に保蔵された状態で帰国させ遺族に渡す。エンバーミングをしないと腐敗した遺体を渡すことになるので、遺族の溜飲を下げる役割も果たしているのだろう。

では、なぜこんな良い方法が日本ではあまり聞かないのだろうか。それはというと、エンバーミングをするには、機械の初期費用と、エンバーマーという技術者費用が高額になるがゆえに、日本ではまだまだ広まっていないのが現状だろう。遺族側も料金が高くなるので微妙かもしれない。しかも、葬儀側からすれば、ドライアイスというぼろ儲けアイテムが失われるので、それが嫌で導入していないとも言われている。ドライアイスからくりや、葬儀屋の儲けどころなどは

yamalog

2008-07-07

二酸化炭素は無色無臭の気体で、その密度は空気の1.5倍程度。この期待は水に少し溶け

微弱な酸性を賛成の反対。気体の生成過程は、大気中のうっかり八兵衛を混合リレー

酸化したマスオさん発見し、ナイフのようなもので酒を飲んでいたところへご隠居が現れて

「金を返せ。返さなければお前を生かしておかない。いかしておかなければ金を返してはおけない。

おけないでおけなければこちらにも考えがある」と脅したうえ、ガムテープでロープをぐるぐる巻きにし

近くにあった毛布でぐるぐる巻きにしたロープをガムテープで縛ってぐるぐる巻きにしてロープで結んで

近くにあった毛布でくるんでガムテープで固定した。これを見ていたマスオさんは怖くなり

あわてて警察に通報し、使った電話機を近くにあったロープでぐるぐる巻きにしたうえ

ご隠居が持っていたガムテープを奪い取り近くにあった毛布でぐるぐる巻きにしたロープを

ガムテープで縛ってぐるぐる巻きにしてロープで結んで近くにあった毛布で

ぐるぐる巻きにしてさらにその上からガムテープで固定している。

二酸化炭素は実際にはいろいろなものに利用されている。例えば消火剤、清涼飲料水

ドライアイスなど、生活の多くの場面で活躍する水戸黄門バールのようなもの

酒を飲んでいるところへ押し掛けてとがった刃物のようなもので酒を飲み、布のようなもので

首のようなものを絞めたような話で盛り上がり、泥酔した容疑者がロープのようなもので

はがいじめにしているところへ容疑者の妻が現われてはがいじめにし、口論となった結果

容疑者は近くにあった角材のようなものでロープをぐるぐる巻きに、さらに両手を使って

ぐるぐる巻きのガムテープの上から毛布でぐるぐる巻きにして頭髪をマチコ巻きにして

酔っ払いったのを見て怖くなり、近くの交番に駆け込んで、駐在していた警官2名を

はがいじめにしながらガムテープでぐるぐる巻きにして近くにあった毛布のようなものと

ロープのようなものを使ってガムテープをぐるぐる巻きにしながら、警官が持っていたピストル

ガムテープでぐるぐる巻きにして当日のぐるぐる巻き選手権は2名の警官容疑者の対決となったが

あいにくの天候だったため、競技は行われず、代わりに近くにあった針金のようなもので

ロープをぐるぐる巻きにして川に捨てたと供述した。

2008-03-01

アブソリュートラップ <前編>

TRACK1(INTRODCTION)

 激しい喉の乾きで突然目が覚める。枕もとの煙草ライターをまぶたも開けずに手に取りカサカサに乾きあれ果てた、割れ果てた、唇にくわえ火を付ける、ここまで3秒だ。

 ふた息ほど肺に送り込み喉の乾きが最高調を迎えてから立ち上がり、冷蔵庫の中のうんと冷えたコカ・コーラの缶を開け、流し込むように飲む。

 ようやく意識がはっきりと戻ってから今が朝か夜かを確認する。僕は起きた時はここまでしないと喋ることも考えることもままならない。起き抜けの煙草と飲み物、ここまでが見物。この2つで僕はやっと僕という存在になる。察するに今は夕方、だいたい4時といったところか。部屋の中を見回してもいつもと変わった様子は見られない。脱ぎ散らかされた服、いつもどうりだ。汚くて狭い部屋。その通りだ。僕の部屋を末期症状と呼んだのは誰だっけか、そろそろ掃除のしどきかもしれないな。

 とりとめのないことをそこまで考えたところで、僕は自分が泣いていたことに気づいた。いや、正確にいうとさっきまで泣いていたのだ。足元に転がった鏡に顔を写し、見ると目の下に涙が乾いた跡がある。それは、とても妙なことだった。なぜなら泣かなきゃならない理由がない、思い当たらない、仮に嫌な夢や怖い夢。憶えないよね?見ていたとしてもそれは妙なことに分類される。僕は眠れば必ずといっていいほど夢を見、またそれをことごとく覚えているという割合特異な人間なのだ。特別何もなくても、何はなくとも、何かの拍子に涙がこぼれることがあるのだろうか。窓の外では子供の声がする。今、何時?汝、そういえば僕は寝る前、何をしていたんだっけ。

 僕は、なんで泣いていたんだろう。僕は何してたんだろう。ねぇ。

TRACK2

 何年前?5年前。

 僕は浪人生だった。とある大手の美術予備校に通っていて、それなりに志を抱いてもいた。一体、僕の志って何だろう?愛称は「ダル夫」、同時にそういう悩みを抱え始める年でもあったのだが、最初、風向きはすっかり僕にあるような気がし、そして何かが僕の思うとうりに、旗幟、動きはじめるそんな気がしてもいたのだ。単純に浮かれていたといってもいいのかもな。

 その年、僕が夏の捕獲に成功したのは5月ごろだった。

 「何してるの?」

 「昼寝しようと思って」

 「あ、そうなの」

 あたりさわりのない会話の中でもとびきりあたりさわりのない、言葉を交した。裃から下。僕は臆病な割にはずうずうしい人間なので、誰もいない屋上のベンチの彼女の隣に座った。これから寝ようとしてる時に、よくしらない男に隣に座られることがどのくらい嫌なことかなんて気に、考えたこともないし、考えてもよく分からないし。なので考えないけどどういう訳か彼女は眠った。

 時計は2時を回り僕の居る建物の廻りでは人がせわしなくぐるぐると回る、その証拠にたくさんの音を巻散らていた。カサカサと葉擦れの音。聞こえ出すと。彼女の少し茶色い髪もさわさわとなびきだすのです。とたん、工事現場の騒音も人びとの喧騒も、不思議と遠のき、何も、聞こえなくなってしまった。僕はなんとなく彼女の髪を撫でた。訳もないけれど。

 僕は何も確かなことは分からなかったけれど、ショートカット彼女の髪の暖かさと連動。この世界に、やがて、ほどなく、やってくる季節のことをそっと教えてくれた。

 僕は鉛筆カッターナイフで削る。これは僕にとってとても落ち着く行為なのだ。何故か。別に僕が文明の利器を忌み嫌い、しつこくアナログにこだわっているというわけでもなく、純粋に絵を描くためには、そのためには、字を書くときに比べ長い芯を必要とするだけの話だ。

 どういうわけか、というわけで。僕は鉛筆カッターナイフで削っていた。全部で30本くらいは削ったんじゃないだろうか。この時は時間潰しのつもりで筆入れの中の鉛筆という鉛筆を削ってしまおうと思っていたので、だので、むやみに使うあてのない鉛筆を中心に削っていた。

 僕の座っていた場所、もう人の通ることのなくなったアトリエの前の廊下普通はこの時間アトリエの中で一生懸命になっているものなのだが僕はそこにいた。ふとした拍子にドアが開き、見覚えのある髪の色が目に飛び込んで。時、綻んで。

 「描かないの?」

 その髪を知っている。

 驚いたことに、僕は隣に座る彼女の名前さえ知らない。驚愕に値。なのにこうしてもう随分と話をしている。

 彼女も自分の鉛筆を削っているが、並んでこんなことをしているのは、なかなかどうして変なものだ。僕はもう指が痛い。意味あんのか、だいだい。

 「カッテぇなこれ」

 「貸して、こういうのは…ほら」

 と、その髪。

 「うまいね」

 鉛筆の木の部分を大きく削り取り芯を露出させた。彼女にそう言うと少し得意そうだった。6Hの鉛筆ともなると、異様に固く、尖らすのにも苦労するのだ。

 「ねぇ、ご飯食べないの?」

 「うん。俺はあんまり減ってないからいいや。食べたら?」

 「…わたしもいいや。お昼ご飯とかっていつも食べないから」

 「そう」なんて言っていいか分からなかったからそう答えた。

 僕も彼女も結局絵なんて描きやしなかった。なんだか知んないが、かったるくなってしまったのだろう。

 その何日か後。僕達は1度だけデートした。

   TRACK3

 J子さんの髪の色には変化、少し変わった。どのへんが?あそこのへんが。あ、そこらへんか。

 彼女は僕よりも歳がひとつ上で。その上でそのせいも有るのか無いのかそれは分からないけれど、ときおりお姉さんぽい態度をとろうとした。しかしながら、彼女は僕と同じ年度に卒業している。留年したからだ。入院したからだ。とにもかくにも、彼女は何となく僕に世話を焼いてくれてるようだった。

 彼女の作ってきてくれたお弁当を一緒にたべながら、僕は彼女に好意を感じたが、それははっきりした形をとる様なものではなかったし、言わなければいけないのであろう一言が僕にはどうしても言えなかったのだ。あるいは彼女はただ親切だっただけなのかもしれないのだし。シット。

 何月だったか忘れたがとりあえずは冬のとても寒い日だ。ラッシュアワー時よりはいくらかは空いた、電車から降りてきた僕はそう急がずに改札をくぐり、彼女の姿を探す。姿を捕捉。細かい位置まで指定しなかったのに、彼女はきちんと分かりやすい場所にたった今定刻どうりに立っていたわけだ。

 「ごめんね。待たせちゃった?」

 「ううん。そんなに待ってないよ、さっき来たから」

 そう言って読んでいた雑誌を閉じカバンにしまう。

 「来たね」

 「来たよ」

 僕はそう答えて微妙な顔つきをした。

 なぜ僕達がこの朝などに待ち合わせをしたのか。といういきさつはこうだ。前後するが戻る。

 この頃僕の足は予備校から大分遠のいていて、ほっといてたまに行く程度になっていたのだが、たまたまクラスの奴(ボケ)が僕のことを学校に連れて来いと彼女にちょこっとほのめかした。軽い冗談ぐらいにしか僕は考えいなかったのだが、帰りがけ彼女はこう言った。

 「何時にする?」

 僕は驚く。

 「早目に着くようにしよっか、そしたらいい席取れるし。わたし達来るのとても遅いでしょ。だから、変な場所でばっか描いてるから、やる気にならないんだよ。8時じゃ早いか、8時15分は?早すぎる?」

 早過ぎるし、展開早過ぎるし。早く過ぎるシーン。

 「がんばるよ」

 彼女の乗る電車はもうすぐホームに入ってくる。それを知らせるアナウンス

 アーッ、アーッ。…イエスッ、プラットフォームナンシックス、まもなく打診。

 「ちゃんと来るんだよ。いい」

 そして彼女を乗せた電車は行ってしまった。

 アーッ、アーッ。ンンッ。…イエスッ、プラットフォームナンシックス、まもなく打診。答えはアイ、シー。

 ネクスト・デイ、という呈。

 2日目の待ち合わせも同じ時間・場所で行われた。まるで口の中にドライアイスでも入ってるかのように白い息がもわもわと凝固せず出る。当たり前のような話、僕はそんなもの食べたくない。けど、でも。あたりの人という人の口からも同じように白い煙が出ても、誰ももうドライアイスなんか食い飽きたとは言わないので、僕も不平不満を口からは出さなかった。出したのはまさに白い煙だった。

 腰の絞られた濃いグレーのピーコートのポケットに手をつっこみ、眠い頭と当惑する気持ちをこさえ、彼女を迎え、姿を残さねぇ。そんな背が高くないというよりは小柄と言ったら正しいくらいなのに、彼女はロング丈のコートが意外に似合った。

 「や。時間どうりに今日も来たね」

 と彼女と翳す手。

 「そりゃね」

 と僕。

 言葉少なにそう歩き出す。

 「こうやってお互い待ち合わせればきちんと行けそうだね。こういう風にしてればわたしも行くしかないしね」

 「俺だって早く起きないわけにはいかないもんなぁ。7時くらいに起きてんだよ俺」

 「えらいじゃん」

 初めからそうだったけど僕達は相変わらず言葉少なだった。けれど、淡々としているというわけではないのだけど、大はしゃぎするふうでもない。笑いはしても、腹を抱えてゲラゲラと笑うなんてことはなかったようなという記憶で。19才になったばかりの僕と20歳の少女、差異があると、「サイ」が変わるの。そう彼女は20才になっているにも関わらずその印象は少女のままだった。その2人がこんなにも、まるでうっすらと積もった雪の上を静かに歩くように言葉を交すことは、僕にある風景を描かせた。

 描く、書くと。

 その風景とはこうだ。

 (ムーボン、ムーブ、オン。見えるか、聞こえるか。始まるぞ、濃そうな妄想のシーン。)

 陽の光がとても弱々しく感じられる。風が強いせいか肌寒い、ここは何処だろう?

 見慣れた風景と感じるのはきっと有るものがすべて決まりきっているせいなのだろう。僕はここが何処か分かった。学校、おそらく高校だ。びゅうびゅうと風が空想の怪物の呼吸みたいに聞こえるので僕は心細くなりフェンスにしがみつく。その僕の指を固く食い込ませた金網の向こうに彼女が見える。小さくしか見えないが僕の知っている彼女は僕だけが学校と分かり得るぐらいの小ささで建つ建物と僕の中間に立っている。なぜか僕も彼女制服を着ている。バサバサと髪が巻き上げられ服の皺がとたんに生命を持ったように暴れる、風が僕達の世界の全て、有体から思念体、一切合財何もかもを飲み込もうとしているみたいだった。

 「     」

 僕は胸が潰れそうになって必死に彼女の名を呼んだけど全てかき消されてしまい、届かない。すると、髪を服を草を巻き上げる耳を裂く風の音、一切の音という音を彼女が遠ざからせてくれた。

 あたりにはもう心配する事なんて何もないのだ。

 けど、けれど、何で彼女はまだ思いがけず不幸に命中してしまったような悲しい顔をしているのだろう。

(ちょっと調子が悪いのか、そうか。なら、鬱蒼など晴らそうか。そのスイッチを押せ、行くぜ。)

 リブート。

 その後。

 僕は何度か彼女の悩み事のような話に付き合ったことがある。そのたびに快方にむかったように思われた彼女も、それはしばらくするとまたがくんと調子を落とす。こういうふうに言うと冷たいかも知れないけど、そういうのはどうにもこうにも本人次第だ。何とかしたいが、したいが、悲しいけどどうしようもなく本人次第だ。SPみたいに、彼女にへばりついて、いつ降ってくるか分からない災いの流星群から守ってやることもできないし、だいたい、彼女が望むかどうかも不明じゃ現実的じゃないじゃない。

 というわけで僕はただ見ていた。

 その日も彼女は複雑な表情。僕はと言えば相変わらずも怪訝な顔。それらには触れられずに帰りの道を僕は彼女と歩いた。

 「ご飯食べていく?真直ぐ帰る?」

 「お腹も減ったんだけどそれよかコーラが異常に飲みてぇよ。どっかに自販機ないかな?」

 下がる血糖値、命の危機。

 「ここら辺ないね」

 仕方がないので彼女の知っている店へ向かった。彼女の指差す先は目的の店の電飾で、その店はばっちりコーラが飲めたのだ。

 「行く?」2本目のマールボロに火をつけながら僕は尋ねる。

 食事を済ませた僕達は向かい、駅構内へ降りていく地階からは長い。長いエスカレーターに乗っていると改めて僕は彼女の横顔が視界に。そしてきっと僕には何もできないだろうなと思ったのだ。何故そんなことをこんなときに思わなければいけないのかさっぱりだが、僕はその顔を愛いと感じた。ウイ。

 またホームへ電車が入って来た。けたたましいブレーキ音とまるで抜けた魂、知性の感じられない雑踏のミックスジュース、もう嫌気がさす、ミキサーから出す、一息で飲みほしてしまいたい、彼女の声が途切れる前に。耳を澄ましたが池袋駅でははっきりと聞こえない。もし今が初夏だったら。その奇跡の力ならば。

 「     」

 「え?」

 僕は憂う。

 何であの時みたいに必要なものだけ、必要な声だけ、それだけを抽出してくれないんだ。僕には必要な世界があって、そんなこと勿論はなから分かってる、多分そんなに重要なことは言ってないんだろう?僕はそんなこと勿論分かっているけれど、彼女の表情はそうは見えないし、多分そうじゃない。なんだか胸が詰まりそうだ、僕の傍、彼女の顔が無理やり笑ったみたいに見えた。胸が潰れそうだ。

 「バイバイ」

 電車が行ってしまったあとには言葉を遮るものは邪魔も何もない。だけどきっと遅かったんだとは思う。彼女は誰かに救いを求めたかったのだろうし、あのいやらしいノイズがかき消したのは、彼女のなんとなく悲しげな顔に含まれた聞かなきゃいけない一言だったかも知れないのに。そしたら途切れないのに。

 「ふぅ…」

 僕はため息をひとつついてみた。人とすれ違う。

 あくまでも推測だ、多分僕の考えすぎなんだろう。

 でも、僕に何かができたんだろうか。何だろうか。見当つかない、それは分からない。

 ねぇ、笑ってよ。

 止めてぇよ。

TRACK4

 「なぁ、花火大会行かねぇ?俺の友達の女の子も来るんだけどさ」

 昼ご飯時で人の多い通路に,5・6人もかたまり地べたに腰を下ろし、カップラーメンOR出来合いの弁当、貧相な食事を僕らは済ました。それぞれ煙草を吸ったりジュースを飲んだりと全身からやる気を排出していた。

 お弁当後、僕のコメント

 「あ、俺行きてぇ。女の子来るんでしょ。何人来んの?」

 フィルター近くまで吸った煙草を床で潰しもみ消し。

 「多分3人くらいは来るんじゃねぇの。行かない?」その場の全員に振るのは主催。良い返事下さい、と同意求め。

 「行く行く」

 「花火かぁ花火かぁ」

 「女かぁ女かぁ」

 「俺は無理だな、無理無理」

 めいめい自分なりの反応を示し、僕はデニム地のベルボトムのパンツで灰に汚れた手を拭きながら尋ねた。

 「そんでその花火はいつよ?」

 それは皆が知りたい重要な事だ。

 「今日

 結局一緒に行ったのは僕だけだったとか。

 僕が挨拶をすると2人の女の子も同じ要領で続けた。1人はショートカット、割合奇麗な娘。もう1人はロングのパーマの表情の豊かな娘。有体に言えばそういう子。僕はニコニコ

 「良かったね、ちょうど人数あって」

 僕がそう言うと彼はあまり同意はしなかった。聞いた話によると田舎恋人がいるとのことだ。そうは言っても毎日モチーフとにらめっこしていて大分クサッていたところなのだ、遠くの恋人恋人じゃない。4人は電車目的地へ向かった。話をしながら。

 目的地がもう目の前という頃まで近づくと、僕とロングの娘はすっかり仲良くなった。いざそうなると最初に感じたファースト・インプレッションも変わり、「ケバイ」も「チャーミング」に変わろうというものだ。僕はそういうところが調子良いようだ。

 「次の駅で降りるよ」彼の指示で僕達は降りた。

 僕にとっては見知らぬ街で、駅から出たとたんに潮の香りで、満ちるような海辺の街に降り立つとダウン。僕はロングの仲良くなった彼女と並んで、先導する友達の後をついていった。途中、道で擦れ違うのは真っ黒に日焼けしたサーファー風の男女ばかりで、

 「サーファーしかいないのか?もしかして」

 と、誰に言うともなしに言うと、

 「なんか、あたし達だけ格好が違うよね、みんなショートパンツビーサンとかなのに」

 「俺なんかめちゃくちゃ浮いてるんじゃない。Tシャツ小せぇしパンツの裾開いてるし」

 「そしたら、あたしも浮いてる。だって格好似てるじゃない」

 馬鹿馬鹿しくも会話。サーファー外野

 そんなことを話しているうちに波の音のするところまで来てしまった。多分、僕は相当うかれていたんだろうと思う。だって波の音がする。潮の香りもする。僕のような人間にとって、海という所は、そう簡単にほいほい来れる場所ではないので、しかもそれが、もう目の前とあっては高揚せずにいられるものか。浜辺に降りるには多少なりとも道なき道を行かねばならぬもので、僕達も慣例に従い膝丈くらいの草を踏み倒して進んだ。16ホールの編み上げブーツは砂利だろうと草だろうと蹴散らして行ける。爪先にスチール入りの頼れるタフガイ彼女の履いていたサボ状のサンダルとは違い、あちらはどう見てもタウン用なのでそれが理由かどうかは知らないのだけれど、結果、我々一行の中で彼女は遅れぎみだった。

 「ほら」

 差し出す手、手出して、握り返して、そのまま固く封印。

 僕の手を握る彼女の手の平は汗でじっとりにじんでいた。

 花火なんてない。いらない。

 クラスメイトの彼は相当がっくりきたらしくご機嫌斜めでショートの娘の相手すら放棄している。その娘にも悪いんだけど、本当に悪いんだけど、僕とロングの彼女は楽しんでいた。途中で買ってきたビールを開けひとしきり、

 「ちょっと海の方いってみない?」

 と彼女は言った。

 僕達は軽く走りだす。別に急ぐこともないのだけど何故か足早に。渚は玉砂利を転がした様な音だけをたて、波が僕の足の下にあるものを掴もうかと、否かといった感じで近ずいたり遠のいたりする。

 「わ」

 ふいに勢いのある波が靴のソールを濡らす。

 「靴脱いで足だけ入っちゃおうかな」

 「いいね、そうしようか」

 紐を解いてブーツをほうり投げ、サンダルを脱ぎ捨てるとジーンズの裾を捲り上げて。ちょっと悪いことをするみたいな顔をちらと僕に見せて。確信犯の顔、隠し得ぬと、一歩、また一歩と沖の方角へ歩を寄せると、いともあっさりと捲った裾が波に晒され、「ひゃぁ」と背中を撫でられた様な声を彼女は発した。うかれた僕達にピークがやってきて水をかけたりする行為をとらせ、あろうことか渚を走らせた。ここで擬音、もしくは無音、体だけはムーブ・オン。手をしっかりと繋いで。はぐれないように。

 そのとき、彼女悲鳴が聞こえた。知らないうちに波がさっきよりも満ちて僕達の靴が波にさらわれかけた。僕は悪の魔王からお姫さまを救出する、まるでブロンド王子白馬にまたがり魔の手ののびる靴たちをひどく格好良く助け出すのだ。彼女は、幸せに暮らしましたとさめでたしめでたし、といった顔をして笑った。 一番最後に僕も何も特別なことはないようなフリをして、そして笑った。

 二人は幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし。

TRACK5

 話はそう簡単じゃない。人生は長く複雑である。というのがまさに一般論だぜ。

 僕は中央線に乗っている。僕の用事はパーマをかけたロングのあの娘に海で借りたハンカチを返しに行くと言う至極下らないものだが。だがもちろん、世の若者が往々にしてそうであるかは僕の知ったところではないんだけど、僕の用事がそれだけであるはずがない、僕は彼女に会わなくてはいけない。いや、会うべきだ。

 待ち合わせ場所のファーストフード店で、コーラを飲みながら過ごすこと数分。彼女はやってきた。奇麗な茶色のタートルネック、サマーニットジーンズという出で立ちに画材道具の入ったトートバッグを抱えて。気持ちの良い笑顔と一緒に駆け寄ってくる。本当ならばハンカチなんてここで渡せば用事はそこでフィニッシュなのだが、あいにくと僕はおみやげを持参していたのでそういうわけにもいかないのだ。おみやげの名称は下心っていうんだけど。そこら中で見かけんだろ?

 彼女、FMの部屋は一般的なワンルームから比べると少し広めで、あまり物がないせいか当時僕が住んでいた部屋とどっこいぐらいの、な、はずなのにもっと広く感じた。備え付けのキッチンの小さな開け放した窓からは小気味良いまな板を叩く野菜を切る音が空へと帰り、その間、僕はただ彼女の後ろ姿を眺めていた。

 手慣れているとは言い難いものがあった。が、毎日自炊しているというのもままんざら嘘ではなさそうではあった。借りたハンカチを返すだけで手料理が食べられるなんて僕は全然知らなかったけれど、割とメジャーな潮流に乗った、そんな不問律らしいとの噂は聞いた。女の子からは何はなくとも、必ずハンカチを借りることを是非おすすめしたい。

 出てきた料理は手の混んだ代物ではなかったがそれだけになかなか感動的でもあった。味よりもむしろこの事実、リアリティが僕を満腹にさせる。その後、僕たちはマットレスの様な寝床でごろごろと転がり、何を話すでもなくうだうだ雑談していただけなのだが、僕が帰るためにはそろそろ私鉄電車時間が近ずいてきていた。ここで。僕はけっこうな勇気カロリーを消費しなくてはならない。

 「あ、もしかしたらうちの方へ行く私鉄がもう間に合わないかもしんない。やばいな、多分今からじゃ終わっちゃうかも」

 本当にもう正気の沙汰ではない、この白々しさといったら。真っ白だよ。

 「どうしよう」

 こんな風に反応を伺うのももう最悪だ。

 「…いいよ。泊まっていっても」

 まさに、まさに。嘘をつくのは大変な作業である。でも無理も道理も通った。押しの一手、おっしゃる意味が分かりません。

TRACK6

 僕と僕との会話。

 『気分はどうだい?』

 「ああ、すこぶる良いね。まるで風が僕に吹いているみたいだね、別に強がりじゃないよ。だって、そうだろう?もはや何の憂いもない」

 『そう?』

 「そうだよ。見ててみなよ、きっとうまくいくから。そういつまでも同じことは繰り返されないさ、アンラッキーだなんて言わせないね、君にもだよ」

 『別に運は悪くないよ』

 「立ち位置の問題なんだよ。僕はここなら平気さ。大丈夫。ノープロブレムだね」

 『そうなの?』

 「そうさ。僕も捨てたもんじゃないだろ?」

 『どうだろう?』

 暗転、という呈。

TRACK7

 同じ布団の中、僕も彼女も眠れていない。大分個人的な話へと突入し、立ち入った空気男と女意識させる。いや、意識せずにはいられない。話の途中で彼女はごく自然寝返りをうち、肩を下にして僕の方を向いた体制をとった。その鮮やかさに感心する。明鏡止水、拳法の極意。きっと僕の寝返りはとてつもなくみっともないんだろうから。

 向かい合った体制の均衡がふいに破られ無我夢中できつく抱き合う、が、彼女は僕の足を自分の股にきちんとはさんだ形に。一枚上手だ。僕は自分のイニシアティブの存在をないがしろにするわけにはいかないのであえて言わせてもらうが、僕達は破ってはいけない沈黙を破るように同時にキスをした。同じ心音、同じタイミングってことだ。正確なところは僕が気づいたときにはすでに彼女の舌は僕の喉内に潜りこもうという意気込みであったがとりあえずそういうことだ。そこから彼女の前の彼氏の話が始まる。

 長いので省略。

 「うん」

 曖昧に、何も言うまい。このスタンスはとても便利だ、いつも僕を助けてくれるのだ。言うべきことなんか在りはしないんだから。たかだか、僕らの歳などでは。

 あっけなくマウントポジションをとられ、僕は彼女を見ている。

 「あたし、けっこううまいよ」

 彼女は唇を舐め、僕の性器に手をかけてトドメとばかりに、

 「前の彼氏より大きい、してあげよっか?」

 と舌舐めずり。

 返事はあとまわしにして僕はマウントポジションを取り返す、そして彼女のくりんくりんとうねるライオンのたてがみみたいな髪の毛を見つめていた。彼女はしっかりと現実を見つめている、だけど僕に見つめられるのはその髪ぐらいのものだ。ひどくうつろなまま彼女の服に手をかけひとつひとつボタンを外しにかかり、ワン、トゥー、スリーで3つまではずしたところで彼女ブラジャーをつけてないという当然のことが分かったが、かまわず全部はずした。ワン、トゥー、スリーで出るのは鳩ばかりとは限った話じゃなく、ハッとする。乳房だったからね。

 でも僕はぜんぜんダメだった。

 「あたし生理なんだけどバスタオル敷いてしようか?」

 うん、とも、ううん、とも言えなくなってしまった僕に腕をまわし、そんな僕をよそに、

 「なんか、あたし、したくなっちゃった

 「あたし、したいよ。しない?」

 もはや疑いようもなくなってしまった。セックス

 「よそうよ」

 10秒経過、残り20秒。10秒。5秒。持ち時間は無常にも、少なくなる。こんなときには異常に早くだ。

 オーケーと気軽に言えたらどんなにか楽だったか知れない。軽く堕落踏み込む覚悟もできていたはずだ、なのに、僕はダメだった。ぜんぜんダメだった。一体何の為だった?

 胸の内、頭を抱え。イエス、ノー、オー、ノー。いや、不能なんだよ。

 僕ははっきりいって怖かったんだと思う。肉欲が、彼女が。そして一切の現実が。

2008-02-23

死をポケットに入れて。

最初に言っておこう。

失ったものに対しての取り返しのつかなさを感じるのは、そこから多くの物を得ていたからだ。

愛し合った分、憎み合うように。

すべての物は、そうやって釣り合いを取っている。

父を亡くしたのは、14歳の時だ。

2度目の癌で、1度目は胃で、2度目は喉だった。

告知の是非がまだ争われていた時代、彼は知ることを望み、

一時帰宅のときに、家族の食卓で自分は癌だと、必ず治して帰ってくると、そう告げた。

今思うと、とても不思議病気だと思う。

癌は自分が育つために、宿主もやがて殺してしまう。

部位的なその特徴から、喉頭癌の進行は早い。

正月の一時帰宅を終えて、

(なんとも日本人とは律儀な性格だ。正月は自宅で迎えたいらしい。犯罪者でも、末期の患者でも。)

すぐに目に見えて容態は悪くなった。

口内炎のように見えていた癌は段々と増えて、私たちは怯えた。

皮膚は乾き、黄色くなり、骨と皮だけになっていく自分の肉親を見る機会は何度もあるものではない。

だけど、そんなことは何も珍しいことではない。

ありふれた病気の、ありふれた悲劇。

どんなにひどい事も、どんなに素晴らしい事も、この世の中では起こりうるのだ。

何よりも、見た目以上に思い知らされたのは、人が内側から段々と腐っていくその匂いだ。

甘くすえた、その匂いを今でも覚えている。

今でも、何年かに一度ぐらい、町中でその匂いをさせている人にすれ違うと懐かしく思う。

もうすぐ死にゆく人の、その匂い。

人は自分の信じたいことしか信じない。

そのためには、どんな事象も誤魔化せるのだ。

たとえば、肺に穴をあけて血と膿の混ざった水を吸いだしたり、真っ黒な血を吐いたり、

意識がなくなった父に看護婦が話しかけながら直腸に手を入れて汚物を掻きだしたり、

そんなことを目の当たりにしても、家族は信じるのだ。

「これで悪いものが全部出たから、あとは良くなるだけだ。」と。

病院時間は、緩慢なようで、あっというまに過ぎる。

廊下に面する個室のドアが閉じられたら、それは隣か、その隣の患者が死んで運ばれるサインだ。

病棟の個室は、治療のためのそれというよりも、順番を待つための場所に近い。

不思議なもので、どんなことにでも人間は慣れ、希望を持つことができるのだと思う。

クリスマス解放を願うアウシュヴィッツの収監者のように。

病棟でもまた然りだ。

中学生だった私は、医学書を読み、信じることを拒否し、

それでも意識を取り戻さない父親の横で、ポパイの「ぼくたちのセックス」特集に夢中になった。

どんなことも、釣り合いが取れているのだと思う。

こんなにも悲しいのは、きっと、こんなにも愛されていたからなのだと。

静かに、いつの間にか彼は死んでいた。

母親と弟が仮眠を取っている間に。

わたしが、介護用のベットで7月の雲の流れているのを見ていた間に。

最期には、痰も腹水も出なくなり、人間は乾いて死ぬものなのだと知った。

何のために、あの8か月は必要だったのか。

母親がこっそりと医師に手渡した、あの金は何だったのか。

何でもないと、今ならば思う。

すべては、私たち自身を慰める、その鎮魂の前払いのようなものだったと。

少しずつ、少しずつ、わたしたちは覚悟を重ねてきたのだ。

見たくないものを認めるために。

後悔をしないために。

誰のせいにも、しないために。

すべての物から得ることはある。

どんなに酷いことからも、経験を。

失ったものからは、愛情を。

束縛からは、解放を。

あるマンガで、しゃれこうべに怯える主人公魔女は言った。

頭蓋骨が怖いの?自分も一つ持っているのに?」

そうだ。わたしは怖くない。死は既に、自分の中にある。

だから、弟が事故で死んだ時も、私は比較的冷静さを保つことができた。

私はもう、14歳ではなく29歳になっていた。

馬鹿みたいなその死因を聞いた時も、少しだけ安堵した。

事故で良かったと。

それなら誰も憎まないですむ。

大きく腹部を膨らませて、全身の穴から血の混じった体液を流す弟の体を拭き、

検死後にドライアイスを置いていかない警察の不親切を苦々しく思った。

仕方のないことだ。警察葬儀屋ではないし、五月に死体は長持ちしない。

(いつか覚えておくと役に立つかもしれない。)

2度目の―今度はあまりに突然な―身内の死に途方に暮れながらも、

誰も憎まないでいいことに、少しだけ安堵した。

誰かのせいにすること、

誰かに責任を見つけること、

憎しみを将来に繰り延べることは、

自分を迷路に追い込むだけだ。

死をポケットに入れて。

棺に入れた弟の好きだった詩集は、灰となってなお文庫の形を保ち、火箸で突くと粉となって崩れた。

放蕩の限りを尽くした詩人は80歳を超えても生き長らえ、

20代の、5月の生の盛りに(flower of life)、弟は死んだ。

途方に暮れる母を支え、喪服美人妻を気取り、

火葬場で弟の骨を見た時は、とても申し訳なくて笑うしかなかった。

どこも損なわれていない、こんなに立派で太い骨なのに。

恥ずかしくて、恐縮するぐらいの健康人間だったのに。

どうしようもないことは、どうしようもないことだと思う自分は、どこかおかしいのだろうか。

弟の婚約者は、ショックで髪の毛が抜けてしまった。

私は、釣り合いをとるために、手放すことを選んだのだ。

それが自分のバランスを取るために、丁度良かったからだ。

今でも、ふと思う。

自分の中の死を。

自分の周りの死者を。

どうしようもない、役割とか、病とか、不正とか、エゴのことを。

昼間の汗や尿と同じように、夜中の暖かい布団の中で流す涙のことを。

何かを失ったと思っている人へ。

何の慰めにも為らないかもしれないが、それは間違いだ。

失った分、同じ大きさの何かを得ている。

何かを失ったと感じたのであれば、それは既に、それだけのものをあなたが受け取っていたからだ。

得たもの、それが憎しみならば、手放してしまえばいい。

あるいはその痛みは、あなたとあなたの亡くしたものだけで組成されたものだ。

それならば、誰にも渡さずに、自分のものだけにしてしまおう。

それから数年して、私は妊娠した。

まだ生物とも呼べないような、たった8ミリの物体の写真を見て、少しだけ、泣いた。

大きな喜びと、大きな喪失の両方の可能性を持ったものを、私は孕んでしまった。

愛と呼べるような感情は、まだわからない。

だけれど、ともに時間を過ごし、それを失った時に、

わたしは自分を壊さずにいられるだろうか。

死は、私の中にもセットされている。

その事を怖いとは思わないが、少しだけ、祈るような気持ちになる。

どうか、どうか、私が愛する人たちに、沢山の何かを与えることができますように。

釣合いなんて、とれていなくていいから、

たくさんの、―できれば喜びを―、残すことができますように。

あまりの陳腐さに自分で笑って、また少し、泣いた。

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