はてなキーワード: スクロールとは
俺がやってるスマホゲーでキャラクターリスト(縦長)を見るときに
画面をタッチして指を上に動かすとその分全体が上に移動してリストの下側が見えるんだが
画面の右端に見えないスクロールバーがあって、そこに触れると問答無用でその絶対位置に画面が移動するので
不意に触れるといらいらする
で全く逆の動作をする。
なのに、マウスホイールやタッチパネルを上下逆に誤操作したことがない。
やっぱり頭の中でマウスホイールとタッチパネルはコントローラーとして別物と認識しているのだろうか。
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 75 | 18669 | 248.9 | 58 |
01 | 89 | 8458 | 95.0 | 60 |
02 | 46 | 3317 | 72.1 | 34.5 |
03 | 43 | 3153 | 73.3 | 33 |
04 | 17 | 1586 | 93.3 | 57 |
05 | 13 | 2900 | 223.1 | 80 |
06 | 12 | 5933 | 494.4 | 171 |
07 | 39 | 3598 | 92.3 | 71 |
08 | 42 | 4035 | 96.1 | 35 |
09 | 58 | 5303 | 91.4 | 37 |
10 | 54 | 3942 | 73.0 | 31.5 |
11 | 63 | 5398 | 85.7 | 44 |
12 | 108 | 8261 | 76.5 | 36.5 |
13 | 54 | 6339 | 117.4 | 60 |
14 | 54 | 6556 | 121.4 | 48 |
15 | 62 | 7133 | 115.0 | 49.5 |
16 | 74 | 7663 | 103.6 | 53.5 |
17 | 74 | 10823 | 146.3 | 48.5 |
18 | 64 | 6249 | 97.6 | 51.5 |
19 | 93 | 12942 | 139.2 | 42 |
20 | 86 | 11486 | 133.6 | 39.5 |
21 | 145 | 10557 | 72.8 | 40 |
22 | 294 | 19054 | 64.8 | 34 |
23 | 98 | 16029 | 163.6 | 51.5 |
1日 | 1757 | 189384 | 107.8 | 41 |
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見て面白かった作品や気になる作品をGOOGlE検索する。何故か出演した声優たちが画像付きで横にサジェストされる。即関係ないのページを開き、顔を忘れることに努める。なにかのイベントのあとなのだろう。TLに声優の写真が流れてくる。速やかにスクロールし、顔を忘れることに努める。通勤時、週刊誌かなにかの表紙になっているのを見かける。早足で歩きながら、顔を忘れることに努める。
ラジオとか人間が楽しそうにしている様子をみて楽しむ、というのは理解できるので文化としてあっていいと思う。しかし、こんなにも顔が出されるのが当たり前のようになってくると顔を見たくない派としては生活がすこしやりづらい。なんで声優を見たくないかというとキャラクターを見ているはずなのに本体の顔という別のレイヤーが発生し、アニメを見る時に頭の中で顔がチラつくのが耐えられないのだ。ある意味でキャラクターと声優を区別出来ていないのかもしれない。
ヴァリオリ人気投票は、あえて面倒くさい手続きを要求するシステムになっている。
1人につき1回のみで、アカウントとも紐づいているので連続投票は出来ない。
もしもそれを潜り抜けたとしても、まだ関門があった。
手続きの途中では、ヴァリオリに関する様々なクイズがランダムで出題されるようになっているんだ。
それに正解しなければ投票することが出来ないってわけ。
クイズはファンならば簡単だがニワカには分からない、絶妙な難易度になっているらしい。
投票する人間をふるいにかけることができるし、自動化などで連続投票することも防げる。
つまり、よほどの工作作業でもない限り、この人気投票の結果は誠実なものであるはずなんだ。
それを踏まえて、そう安心できる材料が欲しいってことなんだろう。
ならば可能性として考えられるのは、シューゴさんも言っていた通り組織票だ。
父は、人が多く集まりやすい有名なコミュニティサイトを一通り回ってみた。
しかし、第23話『こんな感じのスクロールありませんか?』について言及された、組織票を目論むようなやり取りは見つけられない。
父はそのことをシューゴさんに伝えた。
「うーん、腑に落ちないが、オレの気のせいってことなんだろうなあ」
どこか喉に引っかかりを覚えつつも、確信があるわけではない。
とどのつまり、自分たちが思っているよりも評価されているエピソードってことなのだろう。
シューゴさんは、そう納得することにした。
「いや、ちょっと待ってください」
だがその時、今度はフォンさんが“ある違和感”に気づいた。
「むしろ変じゃないですか」
「『むしろ変』とは、どういうことです?」
「その23話は、各SNSであまり話題にあがっていなかったんですよね。なのに他のエピソードを差しおいて、順位は5位ってことでしょ?」
フォンさんの指摘は核心をつき、そして確信へと近づいていく。
「……ああ、そうか!」
問題にしているものが順位である以上、その正否は相対的に判断すべきだ。
それを考えると、他の高順位のエピソードと比べて23話だけは明らかに不自然だった。
その他のエピソードは、父の回ったコミュニティサイトでもよく話題にあがっている。
5位になるようなエピソードであるなら、これも話題になっているようなものでないとおかしいんだ。
「やはり“何か”あるな」
「企画の運営に連絡を取ります。ちゃんと調べてもらいましょう」
「どうしました?」
「このエピソードの方のランキングなんだが、第5位が『こんな感じのスクロールありませんか?』になってる」
ヴェノラの仲間であるリ・イチが、新しい巻物を求める話だ。
しかし漠然とした要求をするため、それに付き合わされるヴェノラたちは悪戦苦闘。
最終的に町の住人全てを巻き込んでオススメの魔法書談義になるというコメディ回だ。
「どうしました?」
同じく会議室にいたマツウソさんが、シューゴさんに尋ねてきた。
「思ったより順位が低かったとか?」
「いや、高すぎるんだよ」
なぜなら視聴者目線からみれば、この回は本筋とは関係のない話だからだ。
シューゴさんたち作り手目線から見ても、スケジュールの調整も兼ねてローコストで作られたものだ。
最低限の体裁こそ調っているものの、冒険活劇をメインにしている本作においては明らかな箸休め回。
メイン視聴者層に、ことさら評価されるようなエピソードではない。
「そういわれれば、そうですね」
「少なくとも、他のエピソードをさしおいてまで、これが5位になるというのは不自然かもしれないですね」
一部のファンはこれを推すこともあるらしいが、それが高い順位であるというのには違和感があった。
シューゴさんに指摘されて、父とフォンさんもその違和感に気づいたようだ。
ただ、マツウソさんだけはそう思っていなかった。
「とはいえ、投票しているのはシューゴさんたちではないですからねえ。割と評価の高いエピソードなんでしょう。そう結果は物語っています」
マツウソさんの所属する会社は、ヴァリオリのシーズン1時代からスポンサーだった。
そして彼はその重役であり、スタジオに大した要求をするわけでもなく制作者本位で作らせることを方針としている。
父たちにとっては、いわば上客といえる存在だ。
だが、それ故に現場に立つ人間の感覚を理解しきれていないところがあった。
シューゴさんたちの違和感が、個人の価値観レベルの話だとしか認識していない。
「作品は公表された時点で作者の手元から離れるといいますしね。今回の結果も、そういうものじゃないでしょうか」
最もらしいことは言ってはいるものの、その実は無理解からくる正論だ。
しかし、強く否定できるほどの確信がもてないのもあって、父たちはその日の会議を粛々と終わらせた。
「ん~、やっぱりおかしいよなあ」
「どこかの掲示板で、組織票を募っていたりしていないか。マスダさん、片手間でいいからネット調べといてくれねー?」
父はシューゴさんほど、この件に強い違和感は覚えていなかった。
だが、このままシューゴさんに引きずられても仕事に影響が出るかもしれない。
後顧の憂いを絶つため、父は調査を始めることにした。
クソみたいな気持ちを成仏させるために書いたらとんでもなく長くなってしまった。便所の落書きよりひどい。
大学卒業後就職して今日に至るまでの7年間、上司と不倫関係にあった。ドラマや映画、巷に溢れる不倫のイメージとはだいぶ違う関係だった。いや、していたことは一緒なんだけれども。とにかく今、唯一の連絡手段のLINEで彼をブロック削除した。
月1、2程度セックスする関係だった。連絡が来たら私の家でセックス、2時間弱でさようなら。一番初めに一度だけ食事をしたが物は何もあげていない、貰っていない。私から連絡したことはない。LINEでのやりとりは、今から会える?→大丈夫です/今家にいませんごめんなさい/今生理中ですごめんなさい。それ以外のやりとりは0。
初めて関係を持った日の明け方、頭に叩き込んだ。何も求めない。穴だけ差し出せ、余計なことはするな。私に求められている役は、使いたい時いつでも使える無料の穴だと承知済み。だから話す時は必ず敬語、名前は職場と同じように◯部長と呼ぶことを徹底した。
家に来る度いつもスマホを躊躇いなくスクロールして、写真を見せながらご家族の話をしてくれた。公園でお子様の自転車の練習を手伝う美しい奥様、旅先ではしゃぐかわいいお子様。
このかわいさ、親バカかもしれないけどキッズモデルになれると思わない?性格が俺に似てるんだよ、余計いじらしくて。彼氏とか絶対許さんよ(笑)一人暮らしさせるのも不安、変な虫がつかないようにしなくちゃ。大学の頃、仕送りどのくらいだった?嫁も仕事復帰してくれて教育資金貯めてるけどなかなか大変で、もっと頑張らなくちゃいけない。
嫁とは社会人2年目で結婚したよ。美人?よく言われるけど実は外見は俺の好みのタイプとは違うんだよね。結婚の決め手?性格やものの考え方、特に家族に関する考え方が俺と同じでさ、この人と一緒に生きていきたいと思ったんだよね...
写真に写るお子様はとてもかわいくて、才色兼備の奥様を心から羨ましく思った。恨み辛み妬み嫉み僻みその他負の感情は一切抱かなかった。いや、抱けなかった。勝ち負けもなかった。土俵が違った。なにもかもがダメな私とあらゆることが違いすぎた。
ないものばかりの私にないものが全てあるのは勿論、一際輝くものを沢山持っていらっしゃった。生得的なものも、努力で手に入れたものも、何もかも眩しかった。
だから自分は穴でしかないと毎回確認できた。私は人間ではないのだと理解できた。
余計な口は一切聞くな。生きている穴に徹しろ。醜く貧相な顔と身体のせいで彼が萎えてしまわないよう一所懸命演技をした。ごくたまに私の私生活へと話題を振られた時は、昔付き合っていた男性との話を小分けにして話した。時には友達との思い出を男性との思い出のように話した。そもそも穴の話など誰も興味はない。自分から発話する時は極力主語が"私"にならないよう心掛けた。
穴はあなたに執着していませんよ。恋愛感情なんてないですよ。形に残るものも、何もあなたに求めませんよ。誰にも話していません。誰も私みたいな奴がこんなことしていると思っていないですし。SNSにも匿名の場にも私の痕は何一つ残しません。なので、使いたい時いつでも安心して使ってください。なるべく便利な穴でいられるよう頑張ります。
そういう態度を7年間取り続けた。だから7年間も続いてしまった。
しかし、彼の気持ちが私に全くなく、彼にとって私が穴でしかなくとも、そしてそのことを私が承知していても、既婚者とセックスしているので私と上司とは民法上の不倫関係にある。そんなことより何より奥様やお子様がこのことを知った時どう思うか。気持ちがないからマシだという話ではない。どんな気持ちにさせてしまうか。どれだけ傷つけるか。
ご家族がまだ知らないからこの愚かな行いを続けるのか?一生かけても癒えないかもしれない深い傷をつけるのか?どの口で憧れだなんてほざくのか。家族の待つ家に家に帰るのを2時間弱遅らせ、その分"お父さん"の時間を奪っているのは紛うことなきこの関係、私が自らの意思で続けている関係だ。
幼い頃、平日は父におはようしか言えないのが寂しかった。深夜お手洗いに目を覚ましてもまだ父は帰って来ていない。翌朝早起きして仕事に出る父を見送った後、お父さん昨日は2時に帰ってきたんだよ、お仕事大変だったのと母は言う。そんな職種じゃないのに。
受験のため通い始めた塾には、帰りが早くなった父が毎回迎えに来てくれていた。父は毎回必ずコンビニに車を停めて、ちょっと待ってねと私に声をかけた後聞いたことのない優しい声でどこかに電話をかける。最後には必ず、また明日と名残惜しそうに言って電話を切る。その後、お菓子かアイスを買ってくれて静かな車内でそれを食べながら帰宅していた。これから家に帰るんだから母ではない。部下にはいつも詰問口調だし祖父や祖母とも違う。電話の相手は一体誰なのか、毎回疑問に思っていた。ただ、決して誰なのか聞いてはいけないということだけなんとなく分かっていた。
最近久しぶりに思い出して、あれは不倫だったとようやく分かった。家族での外出中、鳴り止まない携帯の着信を無視する父に母が激昂していた姿も思い出した。あの頃寂しかった私がこれ以上こんなことを続けてはだめだ。
上司は仕事が出来、優しく余裕があり、仕事の話もプライベートな話もとても面白い。初めて顔を合わせて挨拶した瞬間、ああこの人のことを好きになるなぁと何の根拠もない直感が走ったが案の定、一緒に働き始めてからすぐ上司を好きになった。周りから、×さんのこと◯部長が褒めていたよと話を聞くと浮かれた。あまりにもベタなパターン。私の目はハートマークを隠せていなかっただろう。思い返すと苦笑しか出てこない。だからプライベートの連絡先を聞かれて嬉しかった。一緒に食事をとっている時、これは夢なのかと思った。
ネジが外れている大馬鹿女だから、ご家族の話を聞くとますます好きになった。こんなに素敵な人だからこんなに素敵なご家族がいるんだ、いや、素敵なご家族がこんなに素敵な人を作っているんだ。そんな人が、好きな人が、身も心も醜い私の穴を使ってくれる。せめて求められた穴役だけは完璧に、穴でいいから求められていたい。気持ち悪いことを考えていた。
しかし頭の悪い私に自分をコントロール出来るはずもなく、毎晩泣いていた。何もかも違いすぎる、あまりにも遠すぎる。だからこそ好きで好きで仕方がない。自分にないものを持つ上司に勝手に引力を感じてしまう。上司で自分の欠けた部分を埋められるような錯覚に陥ってしまう。自分の馬鹿さに呆れる。穴として求められることに必死にしがみついている、惨めで哀れな救いようのない馬鹿。
私が断れば終われるのに断れない。会えるのが嬉しいから。たくさん自分で自分に言い訳をしたが、結局自分が会いたいかっただけだ。自分を卑下すれば許される訳でもないのに。自分勝手な気持ちに蓋ができなくなる度、深夜汚い声でわんわん泣きながら人気のない場所まで車を飛ばした。
仕事後、その後予定もなく真っ直ぐ家に帰ってもメイクは落とさなかった。連絡が来るかもしれないから、2時までは極力起きておく。友人と出かける時もずっと携帯が気になって仕方がなかった。アロマが好きだったが炊かなくなった。万が一匂いをつけてしまってはいけないと思ったから。私に興味を持ってくれた人からの誘いを断り続け1人の世界に閉じこもった。
私がそうしているうちに、遠方の友人からの恋愛相談は結婚の報告とお式への招待へとだんだん変わっていき、気付けば友人の半分以上が結婚し家庭を築いている。残りの友人も、恋人と同棲をしていたり、趣味にいきいきと取り組んでいる。何も変わらず空っぽのままの自分が惨めで恥ずかしい。
両親からのいい人はできた?という質問、祖父や祖母からの×ちゃんの花嫁姿が見たいなという言葉、全部笑って誤魔化してきた。ごめんなさい。本当にごめんなさい。7年間ずっと彼のご家族をご家族の知らないところで傷つけ、誰にも顔向けできないことを自分の意思で続けてきた。加害者の自分からもう目をそらしてはいけない。そして正直、毎晩泣くことに疲れた。
本当は最後にもう一度だけ連絡を待って、世界一好きだったと伝えて終わらせようと今朝まで考えていた。でも、そんなことをしたら気持ち悪がらせてしまう。引き止められる可能性もまあ0%ではない。何よりこの期に及んでも自分に酔っている気持ち悪さ。
慰謝料のための貯金も目標金額に達した。奥様やご家族が求める裁きをきちんと受ける準備をする、自分の罪と向き合う。
それから私なんかと関わりをもってくれている人達の幸福をしっかり大切にできる、人間にならねばいけない。人間になりたい。それには私が悪行を断たなかった7年間以上の時間が必要だろうと思う。
ご家族と一緒にどうか世界一幸せになってほしいと思う。私なんかが願わずともそうなるのだろうと、いやもうとっくにそうなのだろうと分かっている。というかそもそも、上司もご家族も私なんかに願われたくないだろう。我ながら気持ち悪い。それでもどうか心の中で願うことだけ許してほしい。
業務の引き継ぎに必要で、私の資料に書いてくれた直筆のメモが嬉しくて、こっそり写真に撮って時々眺めていたが、これは連絡先と一緒に消した。残ったのは私の頭の中の記憶とこの文章だけだ。話してくれたことはどんな些細な内容だって全部覚えている。忘れたくなくて何度も繰り返し思い出してしまう。これもやめなくては。
私には大好きな神絵師がいる。2万フォロワー越えの、(主観)神絵師である。そしてその神絵師は私とは違うcpを推している。私がABを推しているとしたら、彼女はCBというふうに。
ここまでは良い。よくある話である。
問題は、私が固定派だということだ。
固定派腐女子の方が読まれているなら分かっていただけると思う。推しcpが違う…しかも、攻め違い。これは固定派にとって大変重大な問題である。
私は私の推しcpが絶対唯一無二のcp(運命cp)であると考えているタイプの固定派である。
たいへん生きづらい私は快適なSNS生活を送るためにもちろん、他cpは即ブロック&ミュート。逆cpもまた然り。そうして自分の心の安寧を保ってきた。 もちろんどんなに素敵な絵を描く神絵師でも秒でブロックして生きてきた。そうしなければ殺意でどうにかなりそうだったから。
推しcpが溢れるTL。私はとても穏やかな心持ちでSNS活動をしていた。
件の神絵師を見つけるまで。
その日は突然訪れた。TLにとある絵が流れてきたのだ。私の推しである美少年キャラが描かれたイラストである。
う、美しい…!あまりにも美しすぎる。
その絵を見た私は思わず感嘆のため息を漏らした。繊細で柔らかく、透き通るような色使いで描かれた推しキャラはまるで、ヴィーナスを彷彿とさせるような美しさである。ヴィーナスなどと書いたが、正直な話私はあまり絵画には明るくない。ただ、そのイラストに描かれた推しキャラは形容し難い美しさであり、それは美の女神ヴィーナスを彷彿させるほどであったわけである。当時の私がヴィーナスを彷彿させたかは置いといてだ。
直球どストライクな絵柄に私の胸は貫かれた。
こんな美しい絵を描く人間がこの世に存在するのかと関心すらしていた。もちろんすぐにイラストは保存した。
「他にどんな絵を描いているんだろう?」
きっと美しい推しを沢山描いてくれているに違いない。こんな神絵師と出会わせてくれたフォロワーありがとう。きっとサムネイルもヘッダーも美しいんだろうな。とか呑気なことを考えながら、私は興奮気味に神絵師のプロフィールを開いた。
しかし、私の目に飛び込んできたのはサムネイルでもヘッダーでも無かった。
私は発狂した。
一瞬にして天にも登るような多幸感は打ち砕かれ、まるで奈落の底に突き落とされたような絶望感が私を襲った。
私は何かの間違いではないかと、その一言を無視して画像欄を開いた。
私は2度目の発狂をした。
固定派にとってその画像欄はまるで地獄絵図である。死すら感じた。他cpの絵しかないわけではなかった。他cp以外にも普通の、普通のキャラ単体イラストももちろんあった。
だが、私は少しでも他cpを見ると体調を崩してしまう。これから神絵師が他cpを描かないとは当たり前に言えないし、私が単体イラストしか踏まないという補償はない。これからの体調のために、万が一を思い私は泣く泣くその神絵師をブロック&ミュートした。
それで全てが終われば良かった。
しかしそれでは終わらなかった。
その神絵師の絵を見た日から、ふとした時に件のTLに流れてきた絵を思い出すようになった。頭に浮かぶあの、美しいイラスト。私は「憎き他cpの神絵師の絵など…」とすぐにそのイラストを打ち消すようにしていた。他cpを親の敵のように憎んでいた私は、他cpの神絵師が描いた絵すら許せないタチであった。
だから、そうやって他cpの神絵師または絵を、想ってしまう自分が許せなかった。
モヤモヤは何日も続いた。なんなら保存した件のイラストを眺めたりもした。「いけないわこんなこと…」と思いながらも何度も繰り返しイラストを眺めては複雑な感情を抱いた。
他cpを描く神絵師のことなんてきっぱり忘れよう、とデータフォルダに保存されたイラストを消そうともした。無理だった。こんなにも美しいイラストを、消せるわけがない。まるで禁断の恋をした、思春期の乙女のような気持ちだった。
「他の絵も見てみたい」
その願いに近い感情を認めるのは困難であった。散々憎んだ他cpの神絵師の絵を、わざわざ探して見に行くなどというのはプライドが許さなかった。推しcpを愛するものとしてのプライド。固定派としてのプライド。何より他cpの神絵師の絵を見に行くことは、他cpを認めてしまうようで、自分がしてきた行いや他cpに抱いた感情を無かったことにすることと同じだと思えたからだ。断固として見るわけにはいかない。そう固く胸に誓っていた。
見た。
人間は欲深いとはよく言ったものである。己の願望には従うしかなかった。ただ少し言い訳をさせていただくと、すぐに見たわけじゃない。
その時は自分の固い意志に従い、なんとか神絵師を忘れられるようにSNS活動に励んだ。そして神絵師の存在も忘れかかってきた頃、新しい覇権ジャンルにハマり没頭。神絵師と出会ったジャンルは私が心から愛するジャンルだったので、ちょいちょい見たり描いたりすることはあったが、神絵師と出会った当時ほどの熱はその年以降生まれはしなかった。気づけば絵をはっきり思い出せることもなくなり、「そういえばあんな絵もあったなあ」というぼんやりとした感情しか思い出せなくなっていた。あれほど見たいと思っていた他の絵に対する思いもほとんど無くなっていた。
そして今年。
神絵師と出会った日からゆうに3年が経っていた。色々あり、私はその例のジャンルに再熱。再び楽しい固定派ライフを楽しんでいた。
そんなある日私は機種変更をするためにデータフォルダの整理をしていた。その時目に入ってきたあの懐かしいイラスト。見るべきではないと瞬時に思ったものの、惹き付けられた目を離せるほどの意思がその時の私にはなかった。恋焦がれ、繰り返し眺めたあのイラストは、3年経っても変わらず美しく、輝いていた。再び燃え上がる感情。
「あの美しさをもう一度だけ…」
3年越しに打ち砕かれた誓いだった。
我ながら馬鹿だなと思う。
実は当時の私は、ブロックする前に彼女のIDをメモしていた。ブロックしてしまえば、他cpの単語で検索しても出てこないから、と。この行動だけを見ると、「やっぱりあとあと見る気だったんじゃないの?」と言われるだろう。否定は出来ない。固い意志がどうのこうのと書いていたが多分見る気だったと思う。
メモされていたIDを打ち込み、神絵師のユーザーページを開く。
うわ美……………………………………………………うま……………………………
絵を見た私はまるで激しい波に打ち付けられたような衝撃に襲われた。3年越しに見た神絵師の絵は3年前よりさらに美しく洗練されていて、それはもう、泣きそうなくらいに美しかった。
美の波に私は飲み込まれ、再びその美しさに胸を撃ち抜かれた。
他cpのイラストを上手く避けながらキャラ単体イラストだけを眺め、保存した。他cpのイラストが目に入ってくる度、殺意に駆られたが、だからといって絵をスクロールする指を止めることは出来なかった。完全な敗北である。
今でも昔と何ら変わりなく、他cpへの殺意は消えていないし隙あらば殺したいと思っている。しかし、その他cpの神絵師の絵だけはどうしても認めざるを得なかった。神絵師の絵があまりにも、涙が溢れてきそうなくらい美しかったから。この世に彼女以上に美しい絵を描く人間はいないと思ったから。彼女の絵を愛してしまったから。
他cpも他cpを選ぶ彼女も嫌いだが、彼女の絵は大好きだ。だから、「大好きな神絵師」というより「絵だけ大好きな神絵師」という表現の方が適切だと思う。