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2023-01-14

[]【来週の注目材料】YCC再修正撤廃に向けた期待強まる=日銀金融政策決定会合

【来週の注目材料】YCC再修正撤廃に向けた期待強まる=日銀金融政策決定会合

 17・18日に2023年最初日銀金融政策決定会合が開催されます。今回は経済・物価情勢の展望(日銀展望レポート)が公表される回にあたっています(1、4、7、10月会合公表)。

 前回12月会合では、大方の無風予想に対して、YCC(長短金利操作)の修正を行いました。長期金利(10国債利回り)について、0%の誘導目標を維持しつつ、変動許容幅を従来のプラスマイナス0.25%から0.5%に拡大したものです。マイナスに振れることは現状では想定しにくいため、0.5%までの上昇を容認した事実上の利上げである市場は捉え、一気に円高が進みました。2013年に始まった異次元緩和さらには2016年に始まったYCCの転換点という見方が広がっています。一方日銀12月会合対応は利上げではないと否定しています債券市場での利回りは長期に向かった上昇する中、指値オペなどにより0.25%に抑えられていた10年ところでいったん下がり、その後さらに上昇する形となっており、イールドカーブ(利回り曲線)は窪みのあるいびつな形をしていました。こうした歪みを解消し、市場機能改善を図るためのものという説明になっています

 しかし、歪み自体は解消されていません。10国債利回り1月に入って0.5%で張り付く場面が目立ち、利回り曲線は10年ところで窪みを作っています。また10国債利回りは13日に入って0.5%を超えて上昇しています。0.5%で無制限指値オペ実施しながら0.5%を超えるというかなり厳しい状況といえます(指値オペ対象とならない補完供給オペで借り入れた国債などの影響)。

 12月会合後、1月会合での再調整を見込む動きが見られましたが、6日に通信社複数関係者から情報として、12月に決定したYCC修正の影響と効果を見極めるため、現段階でさらなる修正を急ぐ必要はないとの記事報道。前回会合後も黒田総裁がYCC修正の決定は引き締めではなく、緩和を継続との姿勢を崩していなかったこともあり、再修正期待が後退する場面が見られました。

 しか12日朝に読売新聞日銀17,18日の会合で大規模緩和に伴う副作用点検すると報じました。昨年末政策終了後も市場金利に歪みがあるためと点検理由説明しています国債購入量の調整などで市場のゆがみを是正できるかを見極まる、必要場合は追加の政策修正を行うとしています

 市場では追加の修正として長期金利の変動許容幅を0.75%や1.00%にさらに拡大するという見方や、YCCを撤廃するとの見方が出ています。0.5%を超える利回り上昇が見られた13日の動きも、こうした市場の予想に基づいたものとなっています。ただ、例えば0.75%に再拡大した場合でも、日本物価動向、海外との金利差などから0.75%に張り付く形で歪みが起きる可能性があります。一方いきなり撤回した場合は、これまでの緩和継続姿勢は何だったのかという批判が広がりそうです。

 元日関係者などの間でも意見が分かれており、早川理事(東京財団政策研究所主席研究員)は12日に今回の会合で追加的な修正に動く可能性は低いと発言していますが、同日、門間元理事(みずほリサーチテクノロジーズ エグゼクティブエコノミスト)は、1月会合日銀はYCCの撤廃検討するのではないかとしています

 金融機関などのエコノミスト意見も分かれていますシティグループ証券日銀1月会合でYCCを撤廃するとの予想を13日付で発表。三菱UFJモルガンスタンレー証券は同日、4-6月のYCC終了が依然メインシナリオながら、タイミング1月会合に前倒しされる可能性を無視できなくなったとしていますBNPパリバ証券は0.75%への拡大では市場攻撃さらされ、さらなる拡大を余儀なくされるため、上限を1%に拡大すると予想、みずほ証券国内金融機関の準備が整っていないとして、いきなりの解除は避けるべきとしています

 黒田総裁は次期総裁の下での日銀執行体制に向けて、金融政策正常化道筋を付けるという意向があるとの思惑もあり、来週の日銀金融政策決定会合でどのような対応がとられるのか、相当に注目を集めています

 市場の期待に反し、黒田総裁がこれまでの緩和策維持を強調し、何もせずとなった場合は一気の円売りもありそう。0.75%へのYCC再修正となった場合は、かなり微妙な反応が見込まれ、1.0%への修正もしくは撤廃となった場合は円買いが見込まれるところです。

 なお、今回の会合公表される展望レポートでは、2022年度の物価見通しを前回の前年度比2.9%から3%台に、23年度、24年度はそれぞれ1.6%からインフレターゲットである2%近辺に上方修正してくると見込まれます。予想通り足元の年度の物価見通しが3%を超えるとなると、2014年10月レポート以来となります。この時は消費税増税の影響でした。今回は原材料価格上昇が要因として、持続的な物価安定目標は実現できていないという見方を示すと見られます。ただ、こうした物価見通しの上方修正と、来年からターゲット近くへの物価上昇見通しは、YCC修正撤廃を後押しするものとの期待があります

https://fx.minkabu.jp/news/248985

2023-01-13

[]日銀の「債務超過」がありうるという最悪シナリオ

長期金利が0.13%ポイント上がると、債務超過

2022年9月末の日銀純資産は5.0兆円だ。仮に日銀国債時価で計上しているとすれば、国債評価損が5兆円を超えれば、債務超過になる。

では、長期金利がどれだけ上がると、この状態に陥るか?

(注:なお、日銀が今後購入する国債についても将来含み損が発生する可能性があるが、ここでは、対象日銀現在保有している国債のみに限定して考察している)

日銀雨宮正佳副総裁は、12月2日参院予算委員会で、イールドカーブ全体が上方シフトした場合評価損を問われ、1%なら28.6兆円と答えた。

したがって、長期金利が0.175(=5÷28.6)%ポイント上昇して0.425%になれば、評価損が5兆円になる。

9月末に0.277%と多少とはいえ、この防衛ラインは破られた。その結果、9月末の日銀保有国債に8749億円の評価損を発生させてしまったのだ。

1%の金利の上昇で28.6兆円、2%で52.7兆円、5%の上昇で108.1兆円、11%上昇で178.8兆円の評価損を食らう。

気が遠くなる、とんでもない数字だ。なにせ1年間の国の税収が70兆円に届かないのだから日銀引当金+準備金は9月末で11.1兆円しかないのだから、1%のパラレルシフト金利上昇で、完璧債務超過である

https://toyokeizai.net/articles/-/637685

2023-01-06

[]米インフレ今年減速も、景気後退リスク低下=セントルイス連銀総裁

[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラー総裁は5日、これまで高進していたインフレが2023年にようやく減速する可能性があるという認識を示した。米景気後退リスクがここ数週間で低下したとの見方も明らかにした。

セントルイスのCFAソサエティーでの講演で、米連邦公開市場委員会(FOMC)が22年に取った積極的な行動と23年に見込まれる利上げによって、「インフレ期待は米連邦準備理事会FRB)のインフレ目標である2%と整合する水準まで回復した」とし、「実体経済正常化に伴い、23年は実質インフレ率がインフレ期待に追随し、より低い水準に向かう公算が大きい」と述べた。

さらに、現行の金融政策はまだ経済成長を制約する領域にはないが、間もなく制約的になるとし、低水準のインフレ期待と相まり、「23年はディスインフレの年となる可能性がある」と述べた。

また、年初にさえない滑り出しとなっていた米経済が22年下期に上向いたほか、雇用市場は引き続き「堅調」という認識を示した。

FRBが2%の物価目標を変更することは現実的ではないとしたほか、バランスシートの縮小を一段と進めるにはまだ幾分時間がかかるとした一方、バランスシート縮小のプロセスは順調で6─12カ月後にさらにどの程度縮小する必要があるかを見直すことが可能とした。

講演後、記者団に対して「22年秋に比べ、ソフトランディング(軟着陸)の確率が高まった」と言及労働市場が大方の予想ほど弱まっておらず、成長も回復していることがその理由だと説明した。

また、多くの企業採用継続しているとし、「労働市場は23年を通じて引き続きかなり堅調に推移する可能性がある」と述べた。

その上で、現在労働市場が強いため「インフレと闘う良い時期」とし、労働市場が堅調なうちにインフレ率を2%に戻すべきとの見方を示した。

ブラード氏は今年のFOMCで投票権を持たない。

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-bullard-idJPKBN2TK1FN

2023-01-05

anond:20221231175412

居なくはない。ただ、岸田総理が明確に反円安志向からリフレ親和的総裁や副総裁が選ばれる可能性はないだろうけどな。

2023-01-04

anond:20221231175412

リフレ派は敗北しました。

リフレ派と反リフレ派の相違:

(1) 日本経済デフレ関係

(2) 物価を決定する要因

https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4042

リフレ派は、物価が下がると思えば、家計企業支出を先送りすることを強調して、デフレ不況の原因だと主張していたが、物価が上がり始めインフレ懸念顕在化した今も、支出が大きく盛り上がる様子はみられていないことから不況は原因ではなく結果であることがわかる。

またリフレ派の見解が正しいとすれば、大胆な金融緩和によってインフレ期待が高まれば (財政出動がなくても) デフレから脱却できたはずだが、周知のようにバラ色のシナリオが実現することはなかった。

 ↓

12/26 の黒田総裁の会見より:

日本銀行は、賃金の上昇を伴う形での「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現を目指しています

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2022/ko221226a.htm

ということで、もはやクロトンもリフレ派の学説とは異なるスタンスを取っていることを表明している。

2022-12-22

日銀ショックは米国債市場にも波及、国債ETFから1600億円流出

日本銀行長期金利の許容変動幅拡大を予想外に決定し、上場投資信託ETF投資家米国債から資金引き揚げを急いでいる。

  ブルームバーグデータによると、「iシェアーズ米国債20年超ETF」(ティッカー:TLT)から20日に約12ドル(約1600億円)が流出。TLTは280億ドル規模で、1日の流出額としては今年1月以来の大きさ。日銀長期金利10国債金利)の許容変動幅を従来の上下0.25%程度から同0.5%程度に拡大すると発表した後に、この流出は起きていた。

  米国債国外における最大の保有者は、日本人投資家だ。この理由からも、日銀の決定は米国債市場に影響を及ぼした。日銀黒田東彦総裁は「出口政策とか出口戦略の一歩とか、そういうものでは全くない」と説明したが、エコノミスト投資家の多くは最終的な政策正常化に向けた準備措置だと解釈した。

  日本国債の利回りが上昇すれば、日本債券投資家から資金流入が長期的には減る可能性があるとの見方から急激な資金流出が発生したと、アカデミーセキュリティーズのマクロ戦略責任者ピーターチア氏は指摘した。

  チア氏は「日本国債の利回りが非常に低かったため、日本投資家は円以外の通貨建て債券で極めて大きな買い手となっている。従って為替ヘッジの期間が終了するにつれ、日本ドル建て債保有者が保有債を売ってくるとの不安がある」と述べた。「自分は過度に懸念してはいないが、この利回りで売却や一部の利益確定をする口実になるのは確かだ」と続けた。

  20日は流出したものの、TLTの年初来流入額は約156ドルと、過去最高に上る

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-21/RN94S6DWRGG001

2022-12-21

[]日銀金融緩和修正市場との対話課題-「信頼失った」との苦言も

日本銀行20日に踏み切った想定外金融緩和政策修正市場との対話課題を残した。市場関係者の間では、日銀市場とのコミュニケーションの欠如を指摘する声が相次いでいる。一方で、一段の政策修正もあり得るとして、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の廃止も指摘されている。

  日銀金融政策決定会合で決めた長期金利の許容変動幅の拡大は、世界的な物価上昇や円安が急速に進行する中で、以前から政策修正手段として市場が想定していたメニューの一つ。しかし、会見や国会答弁などで可能性を問われた黒田東彦総裁日銀幹部事実上の利上げであり、金融緩和効果を阻害するとして否定的見解を繰り返していた。

  黒田総裁会合後の記者会見で、変動幅の拡大決定について「市場機能改善し、緩和効果をより円滑に波及させる」ことを理由に挙げ、「利上げではない」と繰り返した。SMBC日興証券丸山義正チーフマーケットエコノミストは、前言撤回とも言える発言に、日銀は「コミュニケーションに関する信頼を失った」と苦言を呈した。

  三菱UFJリサーチコンサルティング小林真一郎主席研究員も、「黒田総裁発言をもう誰も信じない」とし、「これは日銀にとって大きな損失だ」と指摘する。

  決定を唐突と受け止めた直後の市場では長期金利円相場が急上昇し、株式相場は大きく下落した。翌日も債券市場で新発2年国債利回りが約7年ぶりにプラス圏に浮上。事実上の利上げと受け止めた市場では、さらなる政策修正に対する臆測が広がっている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-21/RN82T3DWRGG001

2022-12-18

えぇ…

[]NY連銀総裁労働市場の逼迫が利上げ正当化-5.1%超える可能性も

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は16日、インフレには緩和の兆候が見られるものの、労働市場の逼迫(ひっぱく)やその他の要因で物価圧力は高い状態が続く公算が大きく、当面の高金利正当化するとの見解を示した。

  ウィリアムズ総裁ブルームバーグテレビジョンインタビューで、より広範な経済と「労働市場需要供給を上回っているという明確な兆候がある」と指摘。インフレ率は来年に3-3.5%に減速するとの予想を示した上で、2%にどうやって持っていくかが「真の問題」だと述べた。

  「必要なことをやるしかない」と同総裁は言明。政策金利必要ならば、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが最新の経済予測で示した水準より高くなる可能性もあると語った。

  FOMC参加者予測中央値では、政策金利2023年末に5.1%、24年に4.1%に低下との見通しが示され、いずれも9月時点の予測から引き上げられた。

FRBの最新ドットプロット23年末FF金利は5.1%-チャート

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-16/RMZLEXT1UM0X01

[]NY外為ドル堅調、デイリーSF連銀総裁ピー金利11カ月以上据え置

サンフランシスコ連銀のデイリー総裁インフレ対処任務達成まで引き締めを続けると、断固とした姿勢を示した。米連邦準備制度理事会FRB)は、物価安定目標にかなり遠く、インフレリスクは依然上向きと主張。必要とあれば、11カ月かそれ以上、ピー金利を据え置く用意があると加えた。また、インフレを巡り、市場が楽観的である理由がわからない、とした。このためドル指数は底堅く推移。

ただ、朝方発表された製造業サービス業PMIが予想外に悪化し、景気減速明確化。また、市場は過剰なFRBの利上げが景気後退を招くとの懸念を一段と強めた。

ドル・円はリスク回避の円買いが強まり137円台半ば付近から136円30銭まで下落。ユーロドルは1.06ドル台前半で下げ止まった。

2022-12-17

[]メスター総裁インフレ退治には5%超の金利を維持する必要

クリーブランド連銀のメスター総裁は、自身金利見通しは他の金融当局者に比べて高いとし、インフレ退治には持続的な引き締め政策必要だとの見解を示した。

  メスター総裁ブルームバーグテレビジョンインタビューで「インフレに対してはまだすべきことがあるので、利上げを続けなくてはならない」と発言インフレを鎮静化させるには「時間がかかる」と述べた。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は13、14両日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.5ポイント引き上げ、フェデラルファンドFF金利誘導目標レンジは4.25-4.5%となった。FOMC参加者予測中央値では、政策金利来年末に5.1%、24年に4.1%に低下との見通しが示され、いずれも9月時点での予測から引き上げられた。

  メスター氏は「私の見通しは中央値より若干高い」と発言。「かなりの長期間、そこにとどまることが必要になると考える」とし、「インフレ率が一貫して下がるようになるまで」は5%超の金利を維持する必要があるとの考えを示した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-16/RN04HPT0AFB401

2022-12-12

アングル:「最悪の事態はこれから」、急激なインフレという呪い

[8日 ロイター] - この数十年見られなかったレベルインフレが全世界に広がり、食料品光熱費交通費、住居費など生活に不可欠なもの価格が急騰している。ピークが見えてきたとはいえ、影響は今後一段と深刻になる可能性がある。

なぜこうなってしまったのか。答えは2つ、パンデミック戦争だ。

長く続いた低インフレと低金利という快適な時代は、コロナ禍の到来で突然終わった。各国政府中央銀行が、ロックダウン下の企業家計を支えるために何兆ドルもの支援を投入したためだ。

この命綱のおかげで、労働者失業手当の列に並ばずに済み、企業倒産回避し、住宅価格暴落を免れた。しかし同時に、そのせいで需要供給バランスはかつてないほど狂ってしまった。

2021年に入って各地のロックダウンが解除され、グローバル経済リセッション後の回復としては過去80年で最速のペースで成長し始めると、世界貿易システム経済下支えのために投入された膨大な資金を消化しきれなくなった。

それまで稼働停止していた工場生産回復需要の急増に追いつけず、新型コロナ感染防止ルールにより、小売業交通医療分野では人手不足が起こり、景気回復にあおられてエネルギー価格は急騰した。

それでも足りないとばかりに、2月にはロシアウクライナに侵攻した。主要な石油天然ガス輸出国であるロシア西側諸国による制裁対象となり、燃料価格さらに高騰した。

インフレ問題点は>

インフレが「貧者への税金」と呼ばれるのは、低所得者に最も深刻な打撃を与えるからだ。2桁台のインフレ世界中で格差を拡大させている。比較的裕福な消費者は、コロナ禍によるロックダウンの間に積み上がった貯蓄に頼ることができるが、それ以外の人々は家計のやりくりに苦労しており、フードバンクに頼る人も増えている。

北半球が冬になり、燃料費の高騰によって生活費への圧迫はさらに厳しくなる。医療機関から航空会社に至るまで、さまざまなセクター労働者ストライキを起こし、インフレに見合うような賃金の引き上げを要求している。だが大半は、十分な成果を得ないまま妥協に追い込まれている。

富裕国の政界生活費をめぐる懸念への対応に追われている。気候変動対策といった他の優先課題も一部で後回しにされている。

最近になってガソリン価格が下落したためプレッシャーはやや緩和されたものの、バイデン大統領率いる米政権にとって、インフレは依然として最大の関心事だ。またフランスマクロン大統領ドイツのショルツ首相生活支援プログラムに数十億ユーロを回しており、財政運営に負荷がかかっている。

先進国においてさえ状況が厳しいとすれば、ハイチスーダンレバノンスリランカといった貧困国では、食品価格の急騰が困窮状態を一層悪化させている。

国連世界食糧計画WFP)では、世界で7000万人以上が飢餓に近い状態に追い込まれたと推定しており、この状況を「飢餓津波」と呼んでいる。

来年に向けた展望は>

世界各国の中央銀行は、需要の冷却とインフレ抑制に向けて急激な利上げに乗り出している。国際通貨基金IMF)は、世界インフレ率は2023年末までに現在の水準の半分以下となる4.7%にまで低下すると予測している。

目指すのは、需要の冷却によって住宅市場崩壊企業倒産失業者の急増が起きることがないような「ソフトランディング」だ。もっとも、急激なインフレが生じた過去の例では、そうした最良のシナリオは達成が困難だということが示されている。

連邦準備理事会FRB)のパウエル議長からガル欧州中央銀行総裁に至るまで、金利の引き上げという薬は苦々しい結果をもたらし得るという見解が相次いでいる。そのうえ、ウクライナでの戦争中国西側諸国対立といった大きな不安定要因を巡るリスクは、ダウンサイド方向に振れている。

IMFが10月に発表した恒例の世界経済見通しは、ここ数年でも有数の悲観的な内容で、次のように指摘した。「要するに、最悪の事態はこれからである。多くの人にとって、2023年はリセッション景気後退)の年と感じられるだろう」

Mark John記者

https://jp.reuters.com/article/year-end-inflation-idJPKBN2SW04O

2022-12-06

円のビッグショート、2023年は劇的なUターンへ-市場関係者が予想

円は世界の主要通貨の中で最悪のパフォーマンスとなっているが、2023年には劇的なUターンを演じそうだ。タカ派的な米連邦準備制度ハト派的な日本銀行という二つの円安原動力が、立場を逆転させると一部投資家はみている。

  今年の大半を通じ、ドルに対してショートする通貨として好まれてきた円だが、来年は現水準から7%余り上昇する可能性があると、バークレイズ野村ホールディングスが予想。フォントベルアセットマネジメント適正価格を1ドル100円未満だと見積もる。これは現在より30%以上の円高になる。ステート・ストリートグローバルマーケッツは米国積極的利上げへの懸念が後退し円が急反発すると予想し、ティーロウプライス日銀が今よりもタカ派的になることで円が上昇する余地があるとの見方を示した。

  ティーロウ世界マルチアセット責任者セバスチャン・ページ氏は「恐らく、ドルに対する円の弱さはピークに近づいている」とした上で、米金融当局が遂に利上げを停止した時に「日銀が若干積極的になることで市場を驚かせ」、円を押し上げる可能性があると分析した。

  円に対する強気は、ヘッジファンドが円のショートをこれ以上ないほど積み上げていた9月とは様変わりだ。急ピッチの利上げを続けた米国と超低金利を維持した日本との利回り格差が広がる中で、円はドルに対する年初来の下げが一時25%に達した。  

  だが、政府日銀市場介入と米連邦準備制度の利上げペース鈍化への期待を追い風に、円は10月安値から12%余り上昇。日銀が4月以降に新総裁の下で政策を調整するとの観測も円反発に拍車をかけそうだ。

  円が上昇すれば、数千億ドル資本日本回帰したり日本輸出業者が打撃を受けたりする可能性があり、影響は日本国内にとどまらない。円を調達通貨としたキャリートレード需要も後退するだろう。

  5日の円相場は1ドル=135円前後10月には30年ぶり円安の151円95銭を付けた。

  円高予想の多くは米金利が急速にピークに近づいており、当局は景気下降局面に利下げを迫られるという見方に基づいている。ジュピターアセットマネジメントアバディーンなどのファンドは、来年はその可能性が高いとみている。

  アバディーンスタンダード・インベストメンツ植田八大プロダクト・スペシャリスト部長は、米当局2023年に速やかに比較ハト派寄りの姿勢へと転換するだろうとみており、円が1ドル=130円まで上昇すると予想。ドルには今年のような上昇の原動力がないと指摘した。

  先物市場は米金利来年半ばごろにピークを付けるとの見通しを示唆している。

  複数ファンドはまた、先進国地域の主要中銀の中で最後までハト派的な政策を固持している日銀が降参するのは時間問題だとみている。それは黒田東彦総裁来年4月に退任した後になる公算が大きいが、円上昇をさらに勢い付かせるだろうと、ジュピターマネーマネジャーマークナッシュ氏(ロンドン在勤)は述べた。「来年のある時点で日本も当然、利上げをするだろう」と話す同氏は、1ドル120円近辺まで上昇する可能性を見込む。

  海外ファンドが好む10年物の円スワップレートは、日銀が設定する10年物国債利回り上限の0.25%を大きく超えて上昇している。これは日銀イールドカーブコントロール(YCC)政策を調整するとトレーダーらが見込んでいることを示す。

  フランクリンテンプルトンのソナル・デサイ債券担当最高投資責任者(CIO)は、日銀が向こう3-6カ月の間に10年債のイールドコントロールをやめる可能性があると予想し、「その時にはドルが完全に」下落に向かい、円が上昇するだろうと話した。

  金融政策正常化と依然として安い円相場という組み合わせは、円の安全資産としての地位も急速に回復させる公算がある。11月最後の数日には中国新型コロナウイルス対策を巡る懸念から安全資産需要が高まり、円がアウトパフォームした。

  フォントベルシニア投資ストラテジスト、スベン・シューベルト氏は、景気下降への懸念市場に広がればこうした傾向が強まると予想。「米国リセッション景気後退)が質への逃避につながる可能性が高く、円の追い風になり得る」と述べた。安全資産としてスイス・フランも有望視しているものの、今年の下落のため「円の出発点はより極端だ」と指摘した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-05/RMEQXNDWRGG601

2022-12-05

FRBに憂慮すべきデータ賃金急増で金利ピーク引き上げ検討

金融当局者の眼前には憂慮すべきインフレデータが十分なほどある。投資家の予想以上に政策金利ピーク水準を引き上げることを検討するよう促すデータだ。当局は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.5ポイントの利上げを実施した後、来年1月31日、2月1日両日の次回会合でも同じ幅で引き上げる必要が生じるかもしれない。

  11月の米雇用統計では、平均時給が前月比0.6%増と今年1月以来の大きな伸びを示し、非農業部雇用者数も市場予想を上回る増加となった。パウエル米連邦準備制度理事会FRB議長は先週、インフレ抑制には雇用市場の需給の緩みや企業収益率鈍化が必要になるとの認識を示しており、こうした統計懸念材料となる。

  ウィルミントントラストシニアエコノミストレアトーマス氏は「米金融当局政策金利ピーク水準を引き上げ、より長期にわたってその状態を維持せざるを得ない可能性がある」と指摘した。 

  セントルイス連銀のブラー総裁は、インフレを鈍化させるため金融当局政策金利を「最低」でも5ー5.25%に引き上げるべきだと述べている。KPMGのチーフエコノミストダイアン・スウォンク氏ら一部の識者は5.5%に達するとみている。

  スウォンク氏は「インフレはがんのようなもので、治療しなければ他に転移し何度も再発するような厄介なものになる」と指摘。その上で、利上げという「治療」によって「2023年は荒れた年になる」と予想した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-04/RMDJAEDWX2PU01

2022-12-03

anond:20221203191653

その辺りに興味があるなら「Lorie K. Logan」から調べてみるといいと思うよ。

ダラス連銀の新総裁だ。

おそらく、それ以前の急落防止チームでの「reverse repo System」の功績が評価されたのであろう。

情報経済資本主義最先端を追うならこの辺りからだと思います

2022-12-02

インフレは過度に高水準、追加利上げ必要NY連銀総裁

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は1日、過度に高い物価上昇圧力を抑えるためには追加利上げが必要との見解を改めて示した。

FOXビジネスネットワークインタビューで、物価上昇を抑えるのに必要金融政策を「十分に制約的なスタンスにするためには、フェデラル・ファンドFF金利誘導目標来年に求められる水準についてまだ道半ばと考えている」と指摘。12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を0.75%ポイントより小幅にできるかどうかについては言及しなかったが、利上げの「ペースを落とす」ことは、物価上昇圧力を抑えるために必要な水準まで金利を引き上げる取り組みの中で「一歩後退するかもしれない」ことを意味するだけだとした。

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-williams-idJPKBN2SL4E8

2022-11-29

金利、制約的な水準達成へ「道のりまだ長い」=セントルイス連銀総裁

[28日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラー総裁は28日、米連邦準備理事会FRB)がインフレ制御目標の2%に向け低下させるために、政策金利さらにかなり引き上げ、来年および2024年にかけその水準で維持する必要があるという認識を示した。

ブラー総裁マーケットウオッチとのインタビューで、金利インフレ抑制に向け「制約的となるための道のりはまだ長い」とし、「十分に制約的」な水準にするために、金利現在の3.75─4%から5─5.25%のレンジへ引き上げる必要があるという考えを改めて示した。

さらに、過去インフレ動向を踏まえ、金利が制約的な水準に達した後は「23年と2024年にかけ、その水準にとどまる必要がある」と述べた。

その上で「われわれは1970年代よりも速いペースでインフレ抑制したい」とし、来年を通じて物価上昇圧力が緩和する条件を整えるために政策金利短期間で引き上げることを選好するとした。

12月13─14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅については、パウエル議長に委ねるという考えを繰り返した。市場では0.50%ポイント利上げが実施されるという予想が優勢となっている。

FRB、一段の利上げ必要 失業率は上昇へ=NY連銀総裁

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は28日、インフレ抑制に向け連邦準備理事会FRB)には行うべきことが残っていると述べた。また、物価対応のための金融引き締め政策の結果、失業率の顕著な上昇が予想されるとの認識を示した。

ウィリアムズ総裁ニューヨークエコノミッククラブでの講演原稿で「インフレ率はあまりにも高い。インフレが高止まりしていることで米経済が潜在能力を完全に発揮する能力が損なわれている」と指摘。インフレ低下に進展の兆しが見られるとしながらも、インフレ率をFRB目標に戻すため、一段の措置必要との考えを示した。

その上で「一段の金融引き締めで需給バランス回復し、向こう数年間でインフレ率を2%に戻す一助になる」とし、「金融引き締め需要が低下し、インフレ圧力が下がり始めている。時間はかかるが、持続的な物価安定に戻ると確信している」と述べた。

同時に、米経済景気後退リセッション)入りを免れる可能性が高いものの、失業率は上昇すると予想。来年末には4.5─5.0%に上昇する可能性が高いとの見方を示した。

[28日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は28日、連邦準備理事会FRB)はインフレを押し下げるために十分に制約的な水準まで金利を引き上げ、来年を通して金利をその水準に維持する必要があるとの考えを示した。

ウィリアムズ総裁ニューヨークエコノミッククラブオンラインイベントで「当面は制約的な政策を続ける必要がある。少なくとも来年を通してこうした政策を維持しなくてはならない」と述べた。

インフレ率については、今年末には5.0─5.5%、来年は3.0─3.5%に緩和すると予想した。

2022-11-28

日銀国債買い入れは格付けの支え、次期総裁承知のはず-フィッチ

  フィッチ・レーティングスクリスニス・クルスティン・アジア太平洋地域ソブリン格付部門ディレクターは、イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)に伴う日本銀行の大規模な国債買い入れは、日本の格付けを下支えする「重要役割果たしている」との認識を示した。

  クルスティン氏はブルームバーグとの24日のインタビューで、2023年春に就任する日銀の次期総裁は「債務の持続可能性における金融政策重要性を十分承知しているだろう」とし、政府が任命することからも「次期総裁が考えを急に変えることがあればかなり驚きだ」と述べた。

  日銀保有する国債が増えていることについては、「日銀国債をどこまで買えるか明確な制限はない」とし、YCCが持続可能かは「日銀債券市場機能重要性をどう捉えているか次第だ」と話した。発行残高に占める日銀保有割合は「ここ数年との比較ではそれほど高いわけではない」ため、「日銀が望めばさらに買い入れることは可能だ」とみている。

  日銀10国債利回りを0.25%以下に抑えるYCCの一環で国債を無制限に買い入れており、国債の発行残高に占める日銀保有比率は5割近くに高まった。海外金利の上昇が波及して残存年数が10年より短い国債の利回りが0.25%を上回るなど利回り曲線にゆがみが生じ、流動性の低下にもつながった。

  基調的なインフレ率が上昇しない状態政策金利が上がることも債務を巡る力学(debt dynamics)を傷つけかねないとクルスティン氏は話す。こうした事態になれば格付けへの影響について精査する必要が出てくると考えている。

  同氏は、今後数年は日銀現在マイナス金利政策を続けるとみる一方で、足元の物価上昇により緩和継続シナリオに対する「リスクは明確に上がった」とも判断している。日銀総裁の交代時期と重なる来年春闘で緩やかな賃金上昇が根付兆しが見られる場合には、段階的ながらも「何らかの政策変更につながる可能性はある」と言う。

  クルスティン氏は、20から22年にかけての財政支出の規模が新型コロナウイルス世界的な流行前と比べて「大幅に増えた」ことから財政赤字を削減する余地はかなりある」との見方だ。ただし、国と地方を合わせた基礎的財政収支(PB、プライマリーバランス)の黒字化達成は「いかなる時点においても難しいだろう」と述べた。

  政府は22年度の「経済財政運営改革基本方針骨太方針)」で、これまで25年度としてきたPB黒字化の目標時期を明示しなかったが、内閣府の試算では26年度黒字化の見通しを維持している。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-28/RLTQ6QDWRGG501

2022-11-20

anond:20221120144844

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁タイトにまとめていたので貼っておくよ。

「これは重大な業界における詐欺的な企業1社の話というわけではない」

暗号資産概念全体がばかげている。支払いの面で役に立たず、インフレヘッジにもならない。希少性もない。単に臆測と大ばか者のツールだ」

岸田降ろしが成ったとして

次の総裁統一教会との関係を断つポーズすらしなくなるのだろうな。

でも、そっちの方がスッキリするか。

2022-11-18

[]利上げできないわけではない、現在は緩和継続適当日銀総裁

日本銀行黒田東彦総裁は18日、金融政策運営に関して「日銀金利を上げられなくなっていることは全くない」とする一方、現在経済物価情勢に照らすと「今の金融緩和を続けることが適切だと考えている」と述べた。衆院財務金融委員会で答弁した。

  消費者物価の3%台の上昇は大半が輸入物価の上昇が要因で、賃金上昇を伴う安定的・持続的な2%の物価目標は「来年度も達成されない」と説明今金利を引き上げ、「経済回復を遅らせて賃金を引き上げる余地を減らすことは好ましくない」とし、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策を軸とする金融緩和継続賃金物価が共に上昇する好循環を促すとの考えを示した。

  原材料高の価格転嫁が進む中、10月消費者物価生鮮食品を除くコアCPI)は前年比3.6%上昇と9月の3.0%上昇から伸びが加速し、1982年2月(3.6%上昇)以来の高水準となった。

  総裁は足元の消費者物価が「かなりの上昇になっているのは事実」とし、3%台への上昇で「マインド悪化や実質所得の下押しを通じて家計に影響を及ぼしていることは十分に認識している」と語った。その上で「名目賃金がしっかり上がってくれないと、安定的に2%の物価目標を達成することは困難」と賃上げ重要性を改めて強調した。

  現在賃金の伸びは最近物価上昇に比べて小幅にとどまっているとしながらも、労働市場の引き締まりに伴って「賃上げ率が高まっていく環境は整いつつある」と指摘。現在非正規労働者を中心とした賃金の上昇が、「中小企業正規労働者賃金上昇まで波及するかを十分注視したい」と述べた。

  日銀による大規模な国債買い入れ金融政策の一環であり、「財政ファイナンスではない」と繰り返した。国債に対する信認が無くなれば現在金融緩和効果も失われるとし、政府財政の持続可能性を強化していくことの重要性を主張。デフレ脱却に向けて政府日銀役割分担を定めた共同声明は「現時点で見直し必要とは考えてない」と語った。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-18/RLILNVT1UM0W01

[]セントルイス連銀総裁、「最低」でも5-5.25%への利上げ必要

セントルイス連銀のブラー総裁は、インフレを鈍化させるため金融当局政策金利を「最低」でも5ー5.25%に引き上げるべきだと述べた。

  ブラー総裁17日、ケンタッキー州ルイビルでの講演後、記者団に対し「私は以前、4.75-5%との見解を示していた」とした上で、「きょうのこの分析に基づけば、5ー5.25%ということになろう。それは最低水準だ。この分析によれば、その水準なら少なくとも(十分抑制的と見なされる)領域に達する」と語った。

  講演でブラー総裁は、「十分抑制的」な政策にするという金融当局目標を達成するには、政策金利の水準をより高くする必要があると指摘。今後も一層の利上げが必要になるとの認識を示した。

  総裁は「そうした寛容な想定の下であっても、政策金利はまだ十分抑制的と見なされる領域にはない」とし、「十分抑制的な水準に達するためには、政策金利さらに引き上げられる必要がある」と述べた。講演での発言内容は事前に配布された原稿に基づく。

  講演原稿では自身が支持する具体的な水準に言及しなかったが、ブラー総裁チャートを示しつつ、十分抑制的な政策金利について5-7%程度になる可能性があると説明した。総裁が示した金利水準の算出には、スタンフォード大学ジョン・テイラー教授が考案した指針「テイラールール」の複数の別バージョンが用いられた。フェデラルファンドFF金利誘導目標レンジ現在3.75-4%。

  今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つブラー総裁12月会合で0.5ポイントないし0.75ポイントの利上げを支持するかどうかに言及せず、方向性を設定するのはパウエル連邦準備制度理事会FRB議長だと記者団に話した。

  先週発表された10月の米消費者物価指数(CPI)コア指数の伸びが鈍化したのを受け、幾人かの当局者は次回の利上げ幅縮小を呼び掛けている。投資家の間では、来月0.5ポイント利上げし、来年政策金利は5%前後ピークを付けると予想されている。

  ブラー総裁は高インフレの持続を招いた1970年代金融政策の失敗を繰り返さぬよう、当局は長期にわたり政策金利高水準に維持すると予想。「インフレ率が目標に向かって意味のある形で鈍化する明らかな証拠を目にする必要がある」と記者団に語った。

  総裁さらに、インフレ率が来年低下すると予想しながらも、その証拠はこれまでのところ比較的乏しいとの認識も示した。講演で総裁は「これまでのところ、金融政策スタンスの変更は実際のインフレ限定的効果しかもたらしていないように見受けられる。ただ市場の織り込み具合は、2023年ディスインフレが見込まれることを示唆している」と述べた。

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