はてなキーワード: 国債利回りとは
1989年12月29日、日経平均株価は38,915円87銭(ちなみに翌日のザラ場では38,957円44銭というのがありました。)
その日のPERは予想で61倍でした。益回りにすると1.64%。これに対して同じ日の10年国債利回りは5.616%。1989年12月のCPIは2.6%ですから仮に予想インフレ率も同じくらいとすると実質金利は3%。今より潜在成長率が高かったとはいえ元本保証の国債利回りより値下がりリスクのある株式の益回りの方が低いなんて異常でしょう。直近のブレークイーブン・インフレ率はだいたい1.5%なので、実質金利がマイナス0.5%から3%まであがるとすると名目金利は4.5%になります。今、10年債が4.5%になって、日経平均がPER60倍=148,000円まであがりますか?そんなシナリオを口にしたら頭おかしいと言われるでしょう。でも当時は経済学者や証券会社の社長からNTT株に殺到した庶民まで、誰も気にしていませんでした。
なお予想益回りが当時の長期実質金利と同じ3%になるとPERは33倍、仮にスプレッドを現在Fedが過去30年のS&P500の予想益回りと10年実質金利の平均とする470ベーシス取ると(今の日本では小さすぎるけど、当時の潜在成長率を考えればまあそんなものでしょう)益回り7.7%、PERは13倍です。当時、私は業界の名もなき先輩の示唆と大学のマクロ経済学の授業で習った流動性選好理論のアナロジーから株式益回りと長期金利のイールドスプレッドについて考え始めていました(これがDCF法と同じ発想で、Fedのバリュエーションにも使われていると知ったのはずっと後になってからのことです。)。そのロジックによると株価は8300円、5分の1ぐらいになるはずです。でも24歳、社会人2年目の私はバブルに煽られ、理論的に突き詰めて考える姿勢にも欠け、異常なバリュエーションを異常と思いませんでした。翌年の大発会から株価はまさに「フェアバリュー」(!)にむかって真っ逆さまに転がり落ちていきます。
もっとも当時は「バリュエーション」なんて考えている余裕がなかった。マーケットもメチャクチャなら、売ってる人も売らせている人もメチャクチャでした。朝6時に独身寮に流れるラジオ体操で叩き起こされて7時に出社、タバコの煙で株価のボードもかすむオフィスで1時間毎に怒号とともに予算(ノルマ)の達成をチェックされる。セクハラだのパワハラだの概念自体が存在しておらず、予算未達のセールスは椅子を取り上げられたあげく、受話器をテープでぐるぐる巻きに手に縛り付けられた状態で電話させられて、集計後に上司に殴られていました。配属された早々客に「週末俺の別荘に来い」と言われた女性(1989年は私の会社で初めて営業店舗に女性が配属されました。)は営業課長に「てめえなんで行かねえんだよ」と怒鳴りつけられていました。
多くのセールスは外回りに行けば客に名刺をビリビリに破かれたり、水を引っかけられたりしていました。でもこちらも数字ができなければ勝手に客の名前で注文を出していたのだから(いわゆる「ダマテン」。会社にはさまざまな苗字の三文判が常備されていました。私はしてなかったけど、研修中で店を離れていた間に営業課長に虎の子の客でやられました。)、そのぐらい当然でしょう。1989年、私の勤務先ともう一つの大きな証券会社が全セールスに号令をかけて売らせていた東急電鉄株。稲川会の会長に17億円も儲けさせるためだったなんてバブルが崩壊して社長が国会に呼ばれるまで知りませんでした。もっともそれを知っても驚きませんでしたけどね。
連日へとへとになって会社を出るのは夜中の12時過ぎ。丘の上にあった独身寮の窓から、その年に開業したみなとみらいの観覧車のライトを眺めて「こんな生活いつまで続くのかな」と思っていました。4年弱の在籍中に死んだ先輩も2人知っています。大学アメフト部出身の偉丈夫だったKさんは寮のベッドで朝起きてきませんでした。Iさんは倒れて、亡くなったのが私が辞めた直後でしたので詳細は知りません。まだみんな20代だったのに。
よくあんな生活送ってましたよ。毎日毎日、生きていくだけで精一杯でした。健康を害さず、精神も病まず、犯罪で後ろに手が回ることもなく転職できただけでもよかったのかも知れません。
今日の日経平均株価は終値で39,098円68銭。34年2ヶ月前を少しだけ超えました。でも今は投資家も、株を売らせている人も、売っている人も、人格、経済に関する識見、人権意識、モラル、マナー、当時を知る者からするとすべてにおいて比較することすらおこがましいほど優秀です。
株価はとても大事な経済指標です。上がるに越したことはない。でも上がれば何をしてもよい、数字さえよければ中身はどうでもよいというものでは決してない。バブル崩壊以後、日本の株はダメだダメだと言われ続けてきました。今日ようやく失われた30年が終わった、34年前に戻ったと解説する人もいます。でも私はそうは思わない。株式市場に携わる人々は、この間に達成した株価に反映されることのない成果を誇ってよい。心からそう思います。
連邦公開市場委員会(FOMC)の22日の政策決定を前に、スワップ市場が織り込む0.25ポイント利上げの確率は80%。対照的に、過去1年間の会合では毎回、トレーダーが少なくとも1回の0.25ポイント利上げを完全に織り込んでいた。その上、これまでの議論は利上げ幅が0.25ポイントか0.5ポイント、0.75ポイントのいずれになるかが焦点だった。
相対的に見て確信に欠ける状況は、10年超ぶりの米銀行大型破綻を受け、政策当局者が直面する問題がいかに複雑化しているかを浮き彫りにした。多くの投資家やエコノミストはここにきて、利上げを停止すれば当局はダメージや、地銀の信用収縮がどの程度経済を圧迫するかを判断する時間を確保できるとして、停止の論拠を指摘している。
MUFGセキュリティーズアメリカの米マクロ戦略責任者、ジョージ・ゴンキャルベス氏は、「FOMCは利上げして見通しについてはハト派的姿勢になる可能性もあるが、利上げを実施せず、先送りすると言って済ますかもしれない」と予想する。
同氏は米国債市場の低調な流動性が極端なボラティリティーや指標国債利回りの日々の大幅変動につながっている点に言及し、「市場機能はFOMCが一時停止を正当化する口実として何度も使われてきた。市場の不安定さを理由にした利上げ見送りを非難することはできない」と述べた。
ブルームバーグが調査したエコノミスト98人のうち11人は、FOMCが22日に利上げ見送りと発表すると予想。ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルは0.25ポイントの利下げを予想した。
問題を複雑にしているのは、当局によるこれまでの計4.5ポイントの利上げに経済がほとんど反応していないことが最近の雇用とインフレのデータで示唆されている事実だ。銀行破綻の前には、多くの当局者が金融引き締めを継続し政策金利を少なくとも5.5%に引き上げる方向に傾いていた。
最近の市場混乱の前は、スワップ市場では米金融引き締めサイクルが9月まで続くと想定されていたが、現在では5月に金利のピークを迎えることが示唆されている。
パウエル議長は22日、銀行システムの緊張を抑え込む最近の措置に自信を示す公算が大きい一方、エコノミストや債券投資家は、地銀が新規融資を控え融資基準を引き締めると見ている。これはFOMCが政策金利を大幅に引き上げることなく景気の鈍化とインフレ圧力の緩和を実現することを示唆している。
バンガードのポートフォリオマネジャー、ジョン・マッツイレ氏は「中期的に、つまり6カ月から12カ月の間に、ターミナルレート(金利の最終到達点)は市場がこれまで考えていたような5.5%超ほど高くならないだろう。米金融当局は何かを壊す地点に近づいており、信用状況の引き締まりに伴い景気が減速するからだ」と予想した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-21/RRW08RDWLU6901
債券相場は下落が予想されている。米個人消費支出(PCE)価格指数の予想を上回る伸びを受けて積極的な利上げ観測が高まり、米長期金利が上昇した流れを引き継ぎ、先物市場で売りが先行する見通し。一方、日本銀行が指し値オペに加えて、定例の国債買い入れオペを実施することは相場を下支えする見込み。この日の次期日銀総裁候補の植田和男氏への参院での所信聴取は前週末で相場の材料として消化済みとの見方が出ている。
また、10年国債カレント3銘柄に対する国債補完供給の最低品貸料見直しなど、27日から始まる金融調節措置が相場に与える影響も注視される。新発10年国債利回りは日銀の許容幅上限0.50%付近で推移すると予想されている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-26/RQKOV5T0AFB601
長期金利の指標である新発10年国債利回りは日銀の許容上限0.50%付近に張り付いている。日銀が直接介入できないスワップ市場の10年物金利は同債利回りを30ベーシスポイント(bp)以上も上回っている。ただ、それでも40年ぶりの高水準にあるコアインフレ率には遠く及ばない。
「日本は大きなインフレ問題を抱えているが、多くのエコノミストは過小評価している」と、アシンメトリック・アドバイザーズのストラテジスト、アミール・アンバーザデ氏(シンガポール在勤)は指摘する。「植田氏は、インフレが今期から低下傾向に向かうという黒田東彦総裁の誤った希望に縛られることなく、多くの人が思っているよりも早くYCC修正に手を付けるだろう」とみる。
日銀のマイナス金利政策も植田次期総裁の下で終了すると予想されている。フォワードスワップは7月のマイナス金利解除と、その後の利上げを織り込んでいる。バークレイズ証券の山川哲史氏は、日銀は7月にマイナス金利を解除し、短期政策金利のみを目標とする従来の金融政策の枠組みに戻すとみている。
長期金利の上限設定とマイナス金利政策は銀行の収益性を圧迫してきた。株式市場では、政策転換への期待から銀行業指数が5年ぶりの高値圏に達している。
日銀が昨年12月に予想外のYCC修正に踏み切る中、日本円は同10月末に比べて10%以上も急騰し、10カ国・地域中最大のパフォーマンスとなった。次期総裁の下で行われる4月の日銀決定会合を含む3カ月のインプライドボラティリティーは、為替市場全体の指標が低下する中でも上昇しており、日銀の次のサプライズに警戒していることを示している。
日銀は目先、長期金利の上限0.5%を守るために市場介入を強化する必要があるが、1月に過去最大23.7兆円の国債を買い入れており、すでに国債発行額の半分を保有する。さらなる買い入れ拡大は昨年12月の政策修正の目的だった市場機能の問題をさらに悪化させかねない。みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、「黒田日銀は金融政策の限界に挑戦し、その非効率性を明らかにした」と指摘する。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-13/RQ03KIDWRGG001
ゴールドマン・サックス・グループの債券および株式のマクロヘッジファンド担当責任者、トニー・パスカリエロ氏は「FRBは金融環境がこれほど緩むとは想定していなかっただろう。しかしインフレが低下を続ける限り、それに異議は唱えないはずだ」と10日付のリポートで指摘。「それだけにCPIの重要性は高い」と述べた。
CPI統計のどこに焦点を絞るかや、各種シナリオでどう賭けるかを巡っては、各社で異なるようだ。JPモルガン・チェースは前年同月比に注目。エコノミスト予想では6.2%上昇への伸び鈍化が見込まれている。
予想近辺であればインフレ沈静化の継続が確認され、国債利回りとドルが下げる一方、テクノロジー株と景気敏感株を中心にS&P500種株価指数は上昇すると、JPモルガンは予想。しかし投資家の注目が過去2カ月よりも鈍いディスインフレにシフトすれば、株式の上昇は縮小する見通しだという。
一方でモルガン・スタンレーのトレーディングデスクは、月間ベースでの変化率に注目し、0.4%上昇を予想している。これを下回ればハイテク株と消費財銘柄が上昇し、債券も買われる見通しだという。逆に上回ればリスクオフのきっかけとなり、インフレに強いはずの景気循環株でさえも売りを免れられないとみている。
アンドルー・タイラー氏らJPモルガンのチームは、CPIが前年比6.5%上昇を上回る確率を5%と分析。この場合S&P500種は2.5~3%下げると予想し、割高なソフトウエア株や仮想通関関連銘柄を売り、米国債とドルを買うよう推奨した。
「強気派にとって特にやっかいなのは、このシナリオが中国発のインフレ圧力が顕在化する前に実現することだ」と指摘した。
金融市場では株式から債券に至るまで、年初からの上昇基調が先週に停止。物価圧力が長期化する中、FRB当局者から利上げを継続する必要性が相次いで指摘されたことが背景にある。こうしたタカ派的な発言を受けて、短期金融市場で織り込まれる政策金利のピーク水準は5.2%前後に上昇した。今月初めは5%弱だった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-13/RQ11KNDWRGG001
先物夜間取引で3月物は序盤に146円54銭まで売られた後は徐々に水準を切り上げ、結局は13日の日中取引終値比9銭高の146円73銭で高値引けした。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-13/RQ0CTODWX2PS01
先行きの消費者物価が日銀の目標である2%を再び下回るとみられる中で「総じて緩和的な金融政策が引き続き適切」としながらも、物価動向は上振れリスクが大きいと指摘。現行のイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策による債券市場機能の急激な低下なども踏まえ、「さらに柔軟な長期金利の変動を検討すべきだ」と主張した。
柔軟化の具体策として、10年国債利回りの許容変動幅の再拡大や目標水準の引き上げ、金利目標の年限の短期化、現在の金利目標から国債買い入れの量的目標への移行を選択肢に挙げた。
こうした柔軟性は、持続的な名目賃金の上昇と経済回復に下支えされ、「物価上昇圧力がより粘着的なものと見受けられる場合には、自動的に長期金利の上昇をもたらす」と予想。先行き「物価目標が持続的に達成されたとのより強い証拠が得られた際に、中立的な金融スタンスへの移行をより円滑化することにつながる可能性がある」とみている。
また、「各戦略のメリットとデメリットを慎重に見極める必要がある」としながらも、柔軟化は将来の急激な金融政策の変更を回避するのに役立ち、「金融緩和の副作用に対処することにも資する」と指摘。同時に政策金利を徐々に変更する際の前提条件に関するガイダンスを提供することは「市場の期待を安定化させ、物価目標達成に向けた日銀のコミットメントの信頼性を高めることに資する」との見解を示した。
日銀は昨年12月、YCCにおける長期金利の誘導目標をゼロ%程度に維持しつつ、許容変動幅を従来の上下0.25%程度から同0.5%程度に拡大した。市場機能の改善を図り、金融緩和政策の持続性を高めることが狙いとしているが、事実上の利上げと受け止めた市場には追加の政策修正観測が根強い。IMFの報告書では、金融政策の変更について「十分なコミュニケーションが行われるべきである」と記した。
日銀の黒田東彦総裁は1月の決定会合後の会見で、YCC政策は存続が可能とした上で、長期金利の変動幅のさらなる拡大には否定的な見解を示した。
IMFは政府・日銀が24年ぶりに実施した大規模な円買いの為替介入にも言及した。昨年の急激な円安は「主に金利差を反映したもの」とした上で、介入の効果は「恐らく一時的」と指摘。介入は、無秩序な市場環境や急激な円の変動による金融安定のリスク、通貨変動に伴うインフレ期待の不安定化といった特殊な状況下に限定されるべきだとした。
財政政策は、景気が回復し、労働市場が引き締まり、需給ギャップが縮小している中で「今以上に迅速に縮小されるべきだ」と指摘。昨年10月に閣議決定した大規模な経済対策によって財政余地は一段とひっ迫したとし、楽観的な経済成長率見通しと補正予算の常態化に警鐘を鳴らした。2025年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)目標に向けた進ちょくを引き続き評価すべきだとしている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-26/RP2ZGBT1UM1R01
17・18日に2023年最初の日銀金融政策決定会合が開催されます。今回は経済・物価情勢の展望(日銀展望レポート)が公表される回にあたっています(1、4、7、10月の会合で公表)。
前回12月の会合では、大方の無風予想に対して、YCC(長短金利操作)の修正を行いました。長期金利(10年国債利回り)について、0%の誘導目標を維持しつつ、変動許容幅を従来のプラスマイナス0.25%から0.5%に拡大したものです。マイナスに振れることは現状では想定しにくいため、0.5%までの上昇を容認した事実上の利上げであると市場は捉え、一気に円高が進みました。2013年に始まった異次元緩和、さらには2016年に始まったYCCの転換点という見方が広がっています。一方日銀は12月会合の対応は利上げではないと否定しています。債券市場での利回りは長期に向かった上昇する中、指値オペなどにより0.25%に抑えられていた10年ところでいったん下がり、その後さらに上昇する形となっており、イールドカーブ(利回り曲線)は窪みのあるいびつな形をしていました。こうした歪みを解消し、市場機能の改善を図るためのものという説明になっています。
しかし、歪み自体は解消されていません。10年国債利回りは1月に入って0.5%で張り付く場面が目立ち、利回り曲線は10年ところで窪みを作っています。また10年国債利回りは13日に入って0.5%を超えて上昇しています。0.5%で無制限の指値オペを実施しながら0.5%を超えるというかなり厳しい状況といえます(指値オペの対象とならない補完供給オペで借り入れた国債などの影響)。
12月の会合後、1月の会合での再調整を見込む動きが見られましたが、6日に通信社が複数の関係者筋からの情報として、12月に決定したYCC修正の影響と効果を見極めるため、現段階でさらなる修正を急ぐ必要はないとの記事を報道。前回会合後も黒田総裁がYCC修正の決定は引き締めではなく、緩和を継続との姿勢を崩していなかったこともあり、再修正期待が後退する場面が見られました。
しかし12日朝に読売新聞が日銀は17,18日の会合で大規模緩和に伴う副作用を点検すると報じました。昨年末の政策終了後も市場金利に歪みがあるためと点検の理由を説明しています。国債購入量の調整などで市場のゆがみを是正できるかを見極まる、必要な場合は追加の政策修正を行うとしています。
市場では追加の修正として長期金利の変動許容幅を0.75%や1.00%にさらに拡大するという見方や、YCCを撤廃するとの見方が出ています。0.5%を超える利回り上昇が見られた13日の動きも、こうした市場の予想に基づいたものとなっています。ただ、例えば0.75%に再拡大した場合でも、日本の物価動向、海外との金利差などから0.75%に張り付く形で歪みが起きる可能性があります。一方いきなり撤回した場合は、これまでの緩和継続姿勢は何だったのかという批判が広がりそうです。
元日銀関係者などの間でも意見が分かれており、早川元理事(東京財団政策研究所主席研究員)は12日に今回の会合で追加的な修正に動く可能性は低いと発言していますが、同日、門間元理事(みずほリサーチ&テクノロジーズ エグゼクティブエコノミスト)は、1月の会合で日銀はYCCの撤廃を検討するのではないかとしています。
金融機関などのエコノミストの意見も分かれています。シティグループ証券は日銀が1月の会合でYCCを撤廃するとの予想を13日付で発表。三菱UFJモルガンスタンレー証券は同日、4-6月のYCC終了が依然メインシナリオながら、タイミングが1月会合に前倒しされる可能性を無視できなくなったとしています。BNPパリバ証券は0.75%への拡大では市場の攻撃にさらされ、さらなる拡大を余儀なくされるため、上限を1%に拡大すると予想、みずほ証券は国内金融機関の準備が整っていないとして、いきなりの解除は避けるべきとしています。
黒田総裁は次期総裁の下での日銀新執行部体制に向けて、金融政策の正常化の道筋を付けるという意向があるとの思惑もあり、来週の日銀金融政策決定会合でどのような対応がとられるのか、相当に注目を集めています。
市場の期待に反し、黒田総裁がこれまでの緩和策維持を強調し、何もせずとなった場合は一気の円売りもありそう。0.75%へのYCC再修正となった場合は、かなり微妙な反応が見込まれ、1.0%への修正もしくは撤廃となった場合は円買いが見込まれるところです。
なお、今回の会合で公表される展望レポートでは、2022年度の物価見通しを前回の前年度比2.9%から3%台に、23年度、24年度はそれぞれ1.6%からインフレターゲットである2%近辺に上方修正してくると見込まれます。予想通り足元の年度の物価見通しが3%を超えるとなると、2014年10月のレポート以来となります。この時は消費税増税の影響でした。今回は原材料価格上昇が要因として、持続的な物価安定目標は実現できていないという見方を示すと見られます。ただ、こうした物価見通しの上方修正と、来年度からのターゲット近くへの物価上昇見通しは、YCC修正・撤廃を後押しするものとの期待があります。
日銀が金融政策決定会合で決めた長期金利の許容変動幅の拡大は、世界的な物価上昇や円安が急速に進行する中で、以前から政策修正の手段として市場が想定していたメニューの一つ。しかし、会見や国会答弁などで可能性を問われた黒田東彦総裁ら日銀幹部は事実上の利上げであり、金融緩和効果を阻害するとして否定的な見解を繰り返していた。
黒田総裁は会合後の記者会見で、変動幅の拡大決定について「市場機能を改善し、緩和効果をより円滑に波及させる」ことを理由に挙げ、「利上げではない」と繰り返した。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、前言撤回とも言える発言に、日銀は「コミュニケーションに関する信頼を失った」と苦言を呈した。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員も、「黒田総裁の発言をもう誰も信じない」とし、「これは日銀にとって大きな損失だ」と指摘する。
決定を唐突と受け止めた直後の市場では長期金利と円相場が急上昇し、株式相場は大きく下落した。翌日も債券市場で新発2年国債利回りが約7年ぶりにプラス圏に浮上。事実上の利上げと受け止めた市場では、さらなる政策修正に対する臆測が広がっている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-21/RN82T3DWRGG001
米証券取引委員会(SEC)への提出書類で円建て社債の発行条件を開示した。償還までの年限が3年から30年に及ぶ6本を同時に起債した。発行額の内訳で最も多かったのは3年債で550億円、次いで5年債が415億円となった。メリルリンチ・インターナショナルと米国みずほ証券が主幹事を担った。
バークシャーは2019年9月に初めて円建て債を発行してから、1年に1回程度のペースで起債してきた。22年は1月に続いて2度目の起債となった。これまでの調達額累計は1兆円を突破した。
社債の発行環境は必ずしも良くない。社債の金利水準を定める上でベースとなる国債利回りに上昇圧力がかかっているためだ。インフレ抑制のため米連邦準備理事会(FRB)を含めて世界の主要な中央銀行は急ピッチで利上げを進めている。対照的に日本では金融緩和が続くが、日銀が利回りを0.25%以下に抑える10年債を除く年限では利回りの緩やかな上昇傾向が続いている。
国債利回りなど基準となる金利と社債発行金利の差を示すスプレッドも拡大している。前回1月の起債時に0.17%だった5年債のスプレッドは今回0.75%になった。同社の信用格付けは変わっていないが、米景気の後退懸念や中国経済の先行き不透明から、社債投資家が投資リスクに見合うスプレッドの拡大を求めた。
もっとも、バークシャーが資金調達コスト増を上回るだけの投資機会が日本株にあると見ているとも解釈できるかもしれない。20年に三菱商事や三井物産、伊藤忠商事などの商社株を5%超保有していることを公表したのも円建て債起債の後だった。
11月21日には商社株を買い増して各銘柄の保有比率を6%台に引き上げたと公表した。今回の起債が商社株の追加投資を手当てするためだった可能性はあるが、別の投資に充てるための資金調達であれば日本株に明るい材料となる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0203W0S2A201C2000000/
フィッチ・レーティングスのクリスヤニス・クルスティン・アジア太平洋地域ソブリン格付部門ディレクターは、イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)に伴う日本銀行の大規模な国債買い入れは、日本の格付けを下支えする「重要な役割を果たしている」との認識を示した。
クルスティン氏はブルームバーグとの24日のインタビューで、2023年春に就任する日銀の次期総裁は「債務の持続可能性における金融政策の重要性を十分承知しているだろう」とし、政府が任命することからも「次期総裁が考えを急に変えることがあればかなり驚きだ」と述べた。
日銀が保有する国債が増えていることについては、「日銀が国債をどこまで買えるか明確な制限はない」とし、YCCが持続可能かは「日銀が債券市場の機能の重要性をどう捉えているか次第だ」と話した。発行残高に占める日銀の保有割合は「ここ数年との比較ではそれほど高いわけではない」ため、「日銀が望めばさらに買い入れることは可能だ」とみている。
日銀は10年国債利回りを0.25%以下に抑えるYCCの一環で国債を無制限に買い入れており、国債の発行残高に占める日銀の保有比率は5割近くに高まった。海外金利の上昇が波及して残存年数が10年より短い国債の利回りが0.25%を上回るなど利回り曲線にゆがみが生じ、流動性の低下にもつながった。
基調的なインフレ率が上昇しない状態で政策金利が上がることも債務を巡る力学(debt dynamics)を傷つけかねないとクルスティン氏は話す。こうした事態になれば格付けへの影響について精査する必要が出てくると考えている。
同氏は、今後数年は日銀が現在のマイナス金利政策を続けるとみる一方で、足元の物価上昇により緩和継続シナリオに対する「リスクは明確に上がった」とも判断している。日銀総裁の交代時期と重なる来年の春闘で緩やかな賃金上昇が根付く兆しが見られる場合には、段階的ながらも「何らかの政策変更につながる可能性はある」と言う。
クルスティン氏は、20年から22年にかけての財政支出の規模が新型コロナウイルスの世界的な流行前と比べて「大幅に増えた」ことから「財政赤字を削減する余地はかなりある」との見方だ。ただし、国と地方を合わせた基礎的財政収支(PB、プライマリーバランス)の黒字化達成は「いかなる時点においても難しいだろう」と述べた。
政府は22年度の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)」で、これまで25年度としてきたPB黒字化の目標時期を明示しなかったが、内閣府の試算では26年度黒字化の見通しを維持している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-28/RLTQ6QDWRGG501
http://diamond.jp/articles/-/140464
米国債をたくさん持ってるような投資家は為替ヘッジしてるだろうし、この説明は良く分からない。
あと「ポジションを減らすためには、米国債を売り、受け取ったドルを売り、黙って円を持って嵐が通り過ぎるのを待つのである。」って書いてあるけど、実際のチャート見ると米国債は買われて利回りは下がってるように思うけど。
有事の米国債買い、米国債利回り低下、日米金利差が拡大、ドル売り円高の方が単純な説明な気がする。
んで、今は米国減税するぞって話が出て、ハリケーンでテキサス死にそう、政府の債務増えそうね、政府機関シャットダウンとかしちゃう? ってなってるから米国債が売られて、利回りが上昇して、円が売られてドルが買われてる状況。
間違ってるかな?
金利固定にする方がリスクが小さいが,引後利回り0.11%なので論外。
http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/kinri/
1000万円全て突っ込んでも年間3.3万。
年間利払が3.6万円なんで,かろうじて損。
ネット銀行の利回りも0.3%程度なことを考えると,無リスク資産に投資するくらいなら,今完済したほうがいいかもしれない。
物価との兼ね合いですが,将来のことは確実に分かりません。将来の物価に関する予測はいろいろありますが不確実性が伴います。
万が一にもインフレ率が2%になれば,国債利回りはそれを上回るものになる可能性が高いです。その場合は変動金利で国債投資したほうが得になります(奨学金が固定金利だとすれば)。
>リフレ派に増税反対してる人がいるようだけど、日銀がお金をたくさん刷って、インフレを起こせば民間の所有する貨幣価値が下がるから増税と同じじゃん。
増税効果の有無が一致すれば、どんなものでも全部一緒だと言うの?馬鹿じゃん。リフレは経済全体のパイを拡大させて、そこからインフレ税を取る。消費増税は経済全体のパイが同じまま(あるいは縮小させながら)、そこから増税分を取る。インフレ税なり消費増税なりの分を取られた、残りの分け前の大きさは全然違ってくる。
税金を取ることで、何をしたいのか不明瞭。
税収はすなわち即金として使用できる。それが財政健全化をもたらすという。建前上の一番のインセンティブだ。
ところで、日本の国債利回りは0.098(1年)〜2.088(40年)(基準はH24.8.21。財務省HPより。)と、低い。
この数字が語るのは、我が国はお金の保存先としてはトップレベルの信頼性をもつ国だということ。
それはなぜなのか。2011年度で、海外からの国債保有率は9パーセント弱。圧倒的に国内の機関投資家の割合が高い。
この状態だと、デフォルトに陥る可能性があるとは考えにくい。
海外及び家計を含む国債保有者の内訳は、http://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf から参照できる。
今後外国のファンドによる保有率の向上が考えられるが、そうなるのは利回りが上昇傾向をみせてからだ。つまり、経済成長が確実視されてからということ。
政府の歳出の面を見ても、ODA で今後約30兆円の支出が決まっているところからみて、我が国の国庫の安定性は当の財務省主計局でも織り込み済みのようだ。
その金の半分は復興と脱原発に関連した予算に回すべきと思うが。
最初に述べたように、税収は即金だ。その金の遣り繰りを掌握すること、また借金(国としては給料の前借りと同意義なのだが)を増やす事への制止ができれば、