はてなキーワード: 袈裟とは
オリンピックがはじまって、楽しんでいる人が日に日に増えていく。
逆にオリンピックに批判的な層は、楽しむ人が増えていく流れに対抗しようとオリンピック批判の口調をどんどん強めている。
そんな中、両者の中間となる立場として、「今目の前で行われている五輪を楽しむことと、五輪の経緯を批判することは別軸だから、両立してよい」という話が語られ、穏健中間な人たちの支持を得ている。
だが、オリンピックの楽しさと運営への批判を分割する理性を持つのは、現実には不可能だ。
私たち人間は、感情や評価を各論点について分離できるほど理性的ではない。
オリンピックを楽しみながら、開催前と同様の批判意識や不満を持ち続けることはできない。私たちは絶対にほだされる。
そのことはちゃんとわかっておいた方がいい。
もしあなた個人はほだされなくても、人間の大多数はそうできていない。
オリンピックに怒りや不満を持っていた人も、大会観戦を楽しんでいれば、次第に、なんとなくまあそこまで怒らなくてもよかったかな、となってしまう。
不満を完全に忘れることはないし、誰かに聞かれれば「開催のゴタゴタひどかったね」とは言うだろうけど、別に追求しなくてもいいんじゃないという態度になってしまうだろう。
確かに、オリンピック運営や政府に怒りがあるからと言って大会の楽しさを拒絶するのは、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの典型である。愚かで頑なな考え方だ。
だが、袈裟を好きになると憎んでいた坊主も許してしまうのもまた、人間心理だ。
それ踏まえれば、ミクロ的には愚かで頑な考えこそが、マクロ的にはベターだということになる。
理想的に実行できるなら最高の選択肢だが、中途半端にしか実行できない現実では最悪の選択肢になる、という逆転が起きるのだ。
そして、理屈ではかなり愚かな選択だが、現実では一番マシな行動になる。
ちょっと図解してみよう。
まず、最大目的を、五輪運営の問題点をちゃんと改善するために今後も批判意識を持ち続けること、と設定する。(批判したくてたまらないわけではなく、問題が曖昧に流されるのがよくないため)
五輪を楽しむか否か、運営を批判するか大目に見るか、2×2で四つの立場がある。
このうち「D:五輪は楽しまないが、運営は大目に見る。」は立場は議論に関わってこないので、除外する。
残り3つを評価しよう。
Aが一番望ましい。Bが最悪。Cはギリ及第点。
「大会を楽しむことと、運営を批判することは別の問題だし両立するから、大会自体は楽しもう」という意見は、Aの最高の選択肢を取ろう、というもっともらしい主張だ。
だが、実際の私たちはそこまで理性的に物事を分割できず、大会を楽しんでいれば次第に批判意識が薄れてしまう。
最高のAルートを目指そうとすれば最悪のBルートになってしまうのが現実、というわけだ。
だからこそ、一見愚かではあっても、Cルートを選ぶために大会観戦の楽しさを拒絶する方がまだマシなのだ。
これはかなりシンプルにした話なので、他の考え方もできるとは思う。
だが、大会を楽しみながらも圧力のある批判意識を持ち続けるのはまず無理だ、というのはわかった上で考えてくれ。
この文章では、愚かな頑なさを保つことのほうが結果的にはマシになることもある、という話をした。
だが一般論としては、頑固な態度は、妥協しないし譲らないという考え方になり、議論や交渉のことに繋がる。
楽しさと問題批判を分割するのが人間に無理なように、自分の頑なさをコントロールするのも無理だろということについては……まあ……なんかうまいことやろう。
最近は性自認でセクシャルが決まるとか他人のセクシャリティを勝手に決めつけるのは無礼だとかで
逆も然りだけど「自分は男だ」と言い張れば性自認:男なんだから男として扱えって滅茶苦茶な事を言う人が増えた
ああいう人が「俺は男だがBL読むし普通に好きだぞ」とか言ってんのかな…
生物学上は女ってだけで心は男でその上で男の事が好きだからFTMゲイってか?何それ
「性自認は流動的な物だからシスヘテロだと明言されていてもこの先どうなるか分からない」なんて戯言まで出てきた
最近ある作品でバイセクシャルキャラが女性と恋に落ちただけで大炎上して腐女子が公式を叩きまくっていた事を忘れてませんからね?
そもそも「シスヘテロ」って言葉自体「自分の性自認に違和感がなく異性の事が好き」って属性の人に対するヘイトが高すぎて無理だわ
クソヘテロなんて言葉もあるし単にBLが好きで「もしかして自分は性自認男かも?」なんて思ってるだけで被害者意識を勝手に持ってる連中に何故憎悪をぶつけられなきゃならないのか
「本人が男といえば男なんだから他人がゴタゴタ抜かすな」って無敵理論すぎて何にでも応用出来そう
BLがリアルな同性愛者を描いている、ゲイにもBLを支持する人間は沢山居るって錦の御旗を掲げている人達も受け付けない
BLで現実を生きる同性愛者の苦しみを理解出来た…ってAV、エロゲー、エロ漫画で現実を生きる女性の事が理解出来た…って言ってるのと何が違うんだよ
それまで性自認女だったけどBLを読んでる内に段々と自分の性別に違和感を覚えて自分は男なんだと自覚したFTMゲイも居るらしいしそういう「ゲイ」に支持されてるのか?
「生物学上は女」で検索すると自分の性自認が分からない、自分は男だと思ってる、自分は男でも女でもないみたいな事言ってる人がうじゃうじゃ出てくる訳だけど
じゃあそういう人は本当に男らしかったり中性的なのかと思ったら大体BLやらイケメンだらけの女性向けソシャゲやら大好きな訳でどこが性自認男なんだよ?って言いたくもなる
思春期に自分を性的少数派だと思い込む腐女子が多いのは仕方ないかもしれないけど、軽々しく「大丈夫、私達はゲイの理解者ですよ」なんて言うな
この手の話題って結局は「女性に生き辛さを強いてきた男が全て悪い」って結論に帰結するんだよな
かつてBLのレイプは良いレイプとしてきた金田淳子が今少年漫画のレイプ描写に物申して炎上してるけど
その流れで話題に挙がってきた堀あき子の「BLの教科書」もBLの素晴らしさと、女性の欲望の正しさと、ゲイとの協調性と、男の悪辣さを説いてるらしい
BL愛好家で性的少数派問題にいっちょかみしてやろうって人はこういうのばっかりなのか
「俺は男だぞ」ってネットで主張してる女ってネナベって言われるのが嫌だから都合良くトランス利用してる奴が大半なんじゃないのか
男と名乗れば自分の意見は全て「男の意見」って事になるから「女」として責任を取る必要は無くなるからな
LGBT自称する女って「自分の中のカッコ良い男像」を演じて楽しんでる所あるよな
そういう女が本物のゲイに興味を持ってゲイコミュニティに行っては疎まれ嫌われるっていうのは大昔から何度もあった事らしい
BLというジャンルやBLを嗜む腐女子自体には何の罪もない筈なのに
一部の目立つ腐女子が自分の気に食わないジャンルを攻撃して自分の好きなBLと自分は無罪、自分は女性や性的少数派に寄り添ってるんですみたいな事言ってるの見ると
その個人に留まらず腐女子自体に嫌悪感を覚えるようになってくるの袈裟まで憎い現象なんだろうか
性自認が流動するって滅茶苦茶便利な設定だな、女性トイレが混んでる時だけ一時的に男になるおばちゃんと一緒で
気が向いた時だけ一時的に性自認をレズビアンにして「私も同性愛者だからゲイの人の気持ちは分かるよ」とか言えるんだもんな
「腐女子腐女子って、お前よっぽど腐女子が好きなんだな」もよくある言い回しなんだって大昔に突っ込まれてて何も変わってないんだな…って驚いたわ
先日、初めて同人誌を捨てた。
内容は推しCPで好みなシチュエーションのとても素敵なものだった。
このクソキモヲタ腐女子によるクソみたいなお気持ち増田を見つけてくれた物好きなインターネットの住民は「なんだ、未練タラタラのいつものお気持ち表明文かよw」という感じで適当に読み流すなり見なかったことにするなりTwitter等で煮るなり焼くなりして頂けたら幸いです。
その同人誌と出会ったのは去年初めて参加した推しジャンルのwebオンリーだった。
コロナのせいで行く予定だったリアイベや友人と旅行に行く予定が潰れてしまった私にとってはとても素敵な出来事で、アバターを使って会場を散策した時間も、性癖が合うヲタク達と交流する時間も、どんどん金を同人誌達に落としていく瞬間も、購入した同人誌達を待つ時間も、その同人誌を読む時間もどれもみんな楽しかった。
「じゃあなんでその素敵な同人誌を捨てたの?」と言われると、その同人誌を作ったヲタクの人格の嫌な部分をお腹いっぱいで破裂しそうな程見てしまったからだ。
私のいるジャンルは基本子どもがターゲットのシリーズが長く続いているもので、年齢層も広く人も多い常に旬とも言えるジャンルだ。それ故に世間的には良かった作品でも、他作品を貶して自分の推し作品を褒め称えるヲタクや、自分に合わなかった作品=悪とみなし口汚く罵る評論家ごっこヲタクや、〇〇は駄作!!!全員そう言ってるだろ!!!と一部の声だけを膨張しクソデカい声で貶すヲタクが結構いる所謂民度が低いジャンルだ。
そして、その素敵な同人誌作ったヲタクも気に食わない作品を貶す嫌なヲタクだった。
最初Twitterをフォローしに行った時にフォロバされた時は飛び跳ねる程に嬉しかった、勢いで普段チキンで感想を送らない私が少ない語彙力を私なりに引き伸ばして同人誌の感想を送る程に嬉しかった。
同人誌作者とその腰巾着がリバ民ヲタクと作品をほぼ名指しで貶し始めたのだ。
最初は「同人誌作者さん左右固定過激派でこわ…リバ民さんのこと好きだから胸糞悪いけど、同人誌作者さんの普段のツイートと作品好きだしな…」と気持ち悪い悩みを抱える優柔不断な姿勢でいた。
そして、推しCPの作品が物語終盤になるにつれ同人誌作者がCP的に解釈違いな展開になってしまい腰巾着と一緒にヒスり始めた際には「なんでこの人こんなに怒ってんだろ…?」と困惑しながら最終回を迎えるまでしばらくミュートしていた。
その間に同人誌作者の腰巾着が推しCPのwebオンリーの主催をした時は「これが地獄ってヤツか?!」と憤慨した事もあった。
そして現行の新シリーズが始まりミュートも解除し、しばらく経って何も嫌なこと起きない平和な時間を過ごしていたら私が同人誌を捨てる原因となった出来事が起きた。
同人誌作者が急に現行作品を貶し始めたのだ。最初は視聴してたらしいがほぼ毎週放送されたものをあらすじと周辺のアンチの偏った情報だけを見てネガキャンし、終いには「前作の〇〇の方が面白かった。あの作品は最高だった」と散々終盤でネガキャンしまくった推しCPのいる前作を持ち上げ更に現行作品をネチネチとネガキャンし始めたのだ。
確かに現行作品はクセが強く人を選ぶ作品だけど、私がずっぷりハマってる作品が故に遂に我慢の限界が来てしまいブロックしてしまった。
ていうかなんで今までブロックしてこなかった!?バカじゃん???今までずっと1人我慢大会でもしてたの???
「坊主憎いけどその袈裟はいいね!」や「作者と作品は切り離して考えるべき」という正論でありとても素敵な思考を持つ人間になりたかったけど私には無理だった。
好きなドラマやミュージカルで推しを演じた役者が犯罪を犯して逮捕された時も役者とキャラは別物として切り離して考えれたけど、作者と作品は切り離して考えることは出来なかった。
同人誌作者は嫌な奴だけど同人誌は素敵なものだから…と思いながらその同人誌を再び読んでみたが作者のクソみたいな言動がチラついてしまい不快な気持ちになってしまった。
キン〇ン西野のことは嫌いだけどSTUDIO 〇℃。と芦田〇菜ちゃん藤〇慎吾氏が好きなのでプペルを観に行った時と同じ感覚だった。
とても素晴らしい作品な筈なのに嫌いな作者の顔がチラついて不快になる。
私の中で今まで好きだった同人誌作者が嫌いなキン〇ン西野と同等な存在になってしまったのだ。
そして、わたしは今まで購入してきた同人誌作者が頒布した3冊の同人誌をシュレッダーにかけて捨てた。やっぱりちょっと悲しい気持ちになってきまった。
よくTwitterで「絵師や文字書きがどんな発言しても良いだろ!!!」「影響力あるとか関係ないだろ発言は自由!!!」と話題になることがちょくちょくあるし正論だけど、このようなものを目にしてしまった今は「人が好きなものを貶さない」や「何の罪もない人を晒し上げて叩かない」とか最低限なものは守るべきだと思いした。
あと、どんなに治安が良かろうが悪かろうがクソみたいなヲタクは必ず湧いてくるのでつらいわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そして、こんなクソみたいな愚痴しかないお気持ち増田を最後まで読んでくれたインターネットの民に幸あれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「オールジェンダーの風呂トイレを作ればいい」「ジェンダーフリーの競技区分を作ればいい」てブコメが必ずついてスターが一定数集まってるけど
これってかつてのアメリカや、アパルトヘイトで悪名高い南アフリカの人種差別で「白人専用」と「(白人含む)全人種用」に分けてた扱いそのまんまなんだよね。
「全人種用」てのはもちろん建前で、実際には白人はみんな白人専用に行くから「全人種用」には被差別の黒人や黄色人種だけが来るって運用。
これで差別層(白人)は「黒人専用に押し込めてるわけではないから差別ではない」とのたまってたわけよ。
「オールジェンダー、ジェンダーフリーの風呂・トイレ・競技区分を作れ」と言ってる人たち、支持してる人たちは同じ意識なんだろうね。
で、そういう方々の過去のブコメをたどってみると、ほぼ女性の権利ガー、オッサンガー、男中心の社会ガーと、フェミニストな方々なわけよ。
こういった過去の差別運用を知ったうえで「でも女性は弱者だから女性を守るために差別ではない!」ていうなら差別主義者そのものだし(トランスジェンダーは全人口の過半数を占めるマジョリティーたる女性よりずっと少数で弱い存在だ。黒人排除も「粗暴な黒人から白人を守るため」を理由に行われてた。)、知らずに差別ガーと普段から口出してるなら、もうちょっと調べてから口出せよって感じ。
この手のブコメが多数つくのってMtF(体は男で自意識は女)ばかりで、FtM(体は女で自意識は男)の場合にはこの手のブコメはほとんどつかない、というかブコメそのものが少ない(炎上しない)ところからすると、
結局ははてフェミってのは男性憎悪が変形した男体憎悪を発露させてるだけなんだろうね。
捜査員がガルテン室内に入ると、その異様な臭いと光景で暫し立ち尽くした。
懐中電灯で照らされた暗い室内には、三つの乳幼児らしき死体が転がっていた。
腐敗が進み、白骨化が進んだ死体を見届けた後、奥の部屋から聞こえてくる打鍵音の方へ向かう。
奥の部屋には、物凄い形相でラップトップのキーを叩き続けるハンチング帽の男がデスクに座っていた。
捜査員員が声を掛けようとした刹那、ハンチング帽の男は突然金切り声で笑い始めた。
狂っている、そう感じつつもハンチング帽の男に語りかけた。
つづく
捜査員はハンチング帽の男に語りかけたが、男は不気味な笑みを浮かべたままキーを叩き続けるだけだった。
ラップトップの画面を覗くと、そこには何度も同じ文字が書き連ねてあった。
ーー何故、ぼくを置いて出て行った?
周囲には空の日本酒のビンが散乱し、ぷーんと酒の臭いが漂ってくる。
改めて懐中電灯で男を照らす。
崩れ落ちた男は白いシャツに花柄のスカートという異様な出で立ちをしていた。
「XXさんでよろしいですね?」
捜査員の問いかけに男はビクッと一瞬反応したが、そのまま動かなくなった。
顔を確認するため、ハンチング帽を取ろうとしたが何かで固定されているのかビクともしなかった。
少し力を入れて更に引っ張ると、鈍い音と共に大量の髪がハンチング帽と共に引き千切られた。
男の頭部が懐中電灯に照らされ、満月を思わせる煌々とした光を放った。
男はぶつぶつと呟き始める。
「ぼくの言う通りにやれば、サクッと月商百万は行きますねぇ。今ならこのnoteも貴方に百円で売ってあげましょう。
どうです?安いものですよ?」
つづく
ガルテンに捜査班が到達したのは、捜査員が連絡した1時間後だった。
ハンチング帽の男は、衰弱が激しいため救急車両に乗せられていった。
証拠品ではあるが、致し方ないだろう。
ハンチング帽の妻には直ぐに連絡が取れた。
麓の宗教団体の宿舎に世話になっているらしく、他の信者の付き添いがいる形での面会となった。
「あの人は家族を省みずパソコンに没頭していました。お酒が入ると豹変するんです。耐えかねた私は家を飛び出し、ここにお世話になりました。半年前くらいのことです。」
彼女は薄っすらと笑みを浮かべて、傍らの信者と寄り添っていた。
つづく
捜査員に鑑識からの連絡があったのは、宗教団体の宿舎を出て直ぐのことだった。
ハンチング帽の妻によると、娘が三人いるとの話だったが、おかしなことになった。
ーーーもう一人の女児がいない?
捜査員は意外な展開になったなと、急ぎ車を走らせた。
「春さん、遺体の検死結果はどうだった?」
袈裟春は神妙な表情で答える。
「ああ、遺体は三体とも他殺だった。
乳児は高いところから床に叩きつけられたようだ。死因は脳挫傷。
残る女児と男児は、共に斧の様なもので切りつけられたようで、死因は失血死だ。」
「他殺……ですか。」
捜査員は肝心の男児と居なくなっている女児について聞いてみた。
今、捜査班で手分けして女児の行方と男児の身元を聞き取り調査しているって話だ。」
袈裟春はそう伝えると、慌ただしく動く鑑識に指示を与え、部屋を出て行った。
捜査員はハンチング帽の男の様子を伺うため、取り調べ室に向かった。
つづく
取り調べ室の隣の部屋から、捜査員はハンチング帽の男の取り調べを眺めて居た。
ハンチング帽の男はうって変わって饒舌に取り調べに答えていた。
「やっこさん、ずっとあの調子なんですよ。
子供のことは全く知らぬ存ぜぬって感じで、自己責任とかよく分からないことを言うばかりで。」
ハンチング帽の男に依ると、子供は妻が連れて行った、自分へ全く知らないとのことだった。
男児のことも長女のことも全くわからないようで、ひたすらに自分の仕事の自慢を続けている。
「狂人ですね……。」
つづく
クラインガルテンから更に奥地にある荒地に建てられた小屋に、闇の中で蠢く何者かの姿があった。
人影が鈍く光る斧を翳すと、目の前の青年は驚きの形相でそれが振り下ろされるのを待つしか術はなかった。
あっと声をあげる間も無く、斧は青年の喉笛に一文字の醜い傷跡を刻みつけた。
その刹那、鮮血が宙を舞う。
崩れ去る青年は何かを掴もうとするように手を伸ばし空を握りしめた。
瞬く間に、物言わぬただの肉塊と化した青年を見下ろす人影。
ーーーこれは復讐……。プロブロガーは存在してはならない……。
そう呟いて、人影は返り血を拭いもせずに小屋を離れ、森の中に消えていった。
そして、荒地に再び静寂が訪れた。
つづく
その一報が入ったのは、捜査員がまだ寝室で静かに寝息を立てている時だった。
けたたましく携帯の鳴る音で安眠を妨害された彼は、不機嫌な声で応答した。
例のクラインガルテンの更に奥にある荒地の小屋に惨殺された遺体を発見したのは、同じNPO職員である森という男だった。
「猿さんが朝になっても戻って来ないので、探しに来たんです。
まさかこんなことになっているとは思わなくて……。」
彼の話によると、前日の夜にお世話になっている猟師の男のところに行くと言って出掛けたという。
死因は大量出血による失血死。
鑑識の話では凶器は周囲になく、犯人が持ち去った可能性が高いとのことだった。
念のためNPOの職員らのアリバイを聴取するも、時間が時間だけにアリバイがあるものはいなかった。
つづく
ハンチング帽の男は正気ではなかったし、その妻も他人事のようだった。
捜査線上に挙がった関係者のうちアリバイが成立したのはハンチング帽の妻のみであった。
三人の乳幼児の殺害方法について、まず脳挫傷の乳児は、ロフトの上から叩きつけられた可能性が高いことが分かった、
残る二人の幼児は、切り口に残った金属粉が荒地の小屋で殺害された青年の切り口のそれと一致したため、同じ凶器であると断定された。
しかし、誰が殺害したのか、行方不明の女児の行方や殺害された男児の身元については一向に掴めなかった。
荒地の小屋の事件の翌日、捜査員は殺害された青年が会いに行った猟師の家を訪ねたが長い間不在のようで彼の足取りも掴めなかった。
その後も、山奥の殺害現場では当然ながら目撃者もなく、徒らに時間が過ぎ去るのみだった。
つづく
衰弱はしていたものの、地下室には食料や水などが十分に用意されていたようで命に別状はなかった。
女児は血まみれの服を着ていた。
照合の結果、その血痕は殺害された三人の幼児のものと一致した。
しかし、女児の体力では斧を扱うことには難しく、殺害に関与することは難しく思えた。
「おとうさんが、みんないらないって。
おおきなぼうでみんなをたたいたの。」
女児の証言能力について認められ、ハンチング帽の男は緊急逮捕された。
彼は呟いた。
ぼくはずっとブログを書いてたのです。
早く、PCを返してください。
つづく
鬱蒼とした森の中、木の枝にぶら下がる人影が静かに揺れていた。
足元には黒光りする斧が投げ捨てられていた。
人影の顔が月明りに照らされると、そこには苦痛に歪んだ老人の顔があった。
その遺骸を見上げる人影が一つ。
彼は老人が確実に絶命しているのを確認すると、そこから離れた位置に落ちている猟銃を拾いその場を離れた。
男は猟銃を抱えたまま、また森の中に消えていった。
つづく
袈裟春は発見人の遺留品から唾液の入ったペットボトルを取り出して、軽くうなづいてみせた。
【作者からの挑戦状】
犯人は誰か?
解決編につづく
解決編1
「またお話をお聞きしたいことがありまして、お邪魔させて頂きました。」
ハンチング帽の妻は、少し怪訝そうな顔で捜査員の顔を見ていた。
ハンチング帽の妻はビクッと僅かに反応したが直ぐに冷静を取り繕った。
「我々がDNA鑑定したところ、長女はあなた方ご夫婦のDNA型と一致しませんでした。
貴女はご存知だったのでしょう?」
「あなた方夫婦に三人の娘がいるというのは、周囲でもよく知られたことだった。
しかし、何故か遺体には男児が含まれ、彼もDNA鑑定からはあなた方の子供である事実が判明しました。
ゴクリと息を飲む気配を感じる。
「多分ですが、生まれた時から女児と男児は入れ替わって暮らしていたのではありませんか?
一瞬の静寂の後、捜査員はこう告げた。
そう言って彼が目を合わせたのは、ハンチング帽の妻に寄り添う信者の男だった。
つづく
解決編2
捜査員は話を続ける。
そして、取り違えが起こった。
信者の男は少し怯んだが、直ぐに元の表情に戻った。
しかし、長女と男児が成長するにつれて違和感を感じるようになった。
そして、奥さんがDVを受けクラインガルテンから逃げ出してここに来た時に気づいてしまった。
そこに事件が起こったのです。
それをもう一人の娘が見ていた。
信者の男は不敵な笑みを浮かべて口を開いた。
「馬鹿馬鹿しい。では、男児も私が殺したと?私が殺す理由がない。」
捜査員は少しうなづいてこう返した。
奥さんと一緒になるにはハンチング帽の男の分身が邪魔だった。」
信者の男は凄い形相で睨み付けた。
「彼女は関係ない!私が彼女の安息のために自らの意志でやったことだ!」
ハンチング帽の妻が何か言おうとしたが、男がそれを遮る。
「神の啓示だ。プロブロガーがいる限り、私達家族に安息はないのだから……。」
つづく
解決編3
信者の男は告白するや否や、入り口のドアを開け部屋の外に飛び出した。
部屋を出た時には、別の部屋に男が飛び込むところだった。
彼が部屋の前にたどり着いたその刹那、部屋の中から銃声が響く。
扉を開いたそこには、猟師から奪ったと思われる猟銃で自殺を図った信者の男の骸があった。
しばらく立ち尽くしていると、ハンチング帽の妻がよろよろとその骸にしがみつき嗚咽し始めた。
つづく
<エピローグ>
事件の残る被害者については、ハンチング帽の妻から事情を聞くことができた。
NPO代表理事は、長女がハンチング帽の男の実子でないことに気づいたらしく、信者の男とハンチング帽の妻を強請ろうとしたために殺害されたとのことだった。
また、猟師の男については、罪をなすりつけるために自殺に見せかけて殺したようであった。
長女は責任能力のない年齢のため、当然罪には問われなかった。
また、ハンチング帽の妻も殺害に協力した訳ではないため、共犯の罪に問われることはなかった。
しかし、気が触れてしまったようで、クラインガルテンの周りを徘徊するのを度々目撃された後、ある日崖から転落してその人生を終えた。
つづく
<リ・プロローグ>
漆黒のクラインガルテンの中で、ハンチング帽の妻は自分の人生について悲壮感を感じていた。
まるで飯炊きの女中のような扱いが続き、自分の一生はこのまま終わるのかと思うと、涙が止まらなかった。
いつか白馬の王子さまが彼女を颯爽と救い出してくれる、そう願っていた。
そして、あの日。
ハンチング帽の男は一人で外出していた。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、袈裟どころか経典も木魚もハゲも憎い
何かの界隈で悪いことしたやつがいたら、外から見たら全員キチガイに見える
それが当たり前の感情だろうがよ
だから俺からしたらゲーセンのガンダムゲー好きも鉄オタも型月好きも東方好きもラ!好きもアイマス好きもバンドリ好きもウマ好きも右翼も左翼もヴィーガンもフェミニストも弱者男性も全員キチガイであり、それが好きな時点でキチガイのお仲間
どれだけマトモなのがマトモアピールしようが、そこに属してる時点でキチガイ、自浄しない時点でみんなキチガイ
マトモであること示すならマトモなやつがキチガイなやつ全員殺すか界隈から消すかしろよ、それでも俺は見方を改めねえがな
もっかい言う、嫌いなやつからしたらそれ好きなだけでキチガイです
攻撃対象です
そのつもりで
かっこよすぎてズルいやん…と言う苗字集めたやで
・春夏冬(あきなし)
・暁烏(あけがらす)
・暁星(あけぼし)
・鴉鷙鳩鷺(あしくじ)
・阿世比丸(あせびまる)
・天ヶ瀬(あまがせ)
・伊大知(いだち)
・射手園(いてぞの)
・稲童丸(いなどうまる)
・戌亥(いぬい)
・威能(いのう)
・猪野頭(いのがしら)
・今久留主(いまくるす)
・忌鉄師(いみかぬて)
・魚返(うおがえり)
・鵜久森(うぐもり)
・内音坊(うちおんぼう)
・雲丹亀(うにがめ)
・大赤見(おおあかみ)
・大儀見(おおぎみ)
・戌法師(おおぼし)
・巨椋(おぐら)
・月下部(かすかべ)
・京(かなぐり)
・一七夜月(かのう)
・鹿伏兎(かぶと)
・甲楽城(かぶらき)
・貴伝名(きでな)
・九頭見(くずみ)
・九朗明川(くろめがわ)
・袈裟丸(けさまる)
・光真坊(こうしんぼう)
・黄金井(こがねい)
・神太麻(こだま)
様々な熟語を並べられて、「この中から一つ仲間外れを選べ」と言われたら、根拠もなく選んでしまいそうな気がする。
電話をかける、という行為を「架ける」で表すのもいまいちピンとこないし、「電」の一文字で電話を意味させようとするのも…。
「電」ってそれ単独では電気とか電力とかだろ? 「話」をちゃんと連れてこいよ、「話」もないのに一丁前に電話ヅラすんなや、という気分になる。
これに関して言えば、「入電」も電単独で電話ヅラしているのだが、巧妙に気持ち悪さを隠していやがるのだ。その覆いが、あらためて「架」と結びつくことで明らかになっているっぽい。
実際のところ、比較的最近生まれた言葉なんだろうな、という気はするが、同時期に生まれた熟語たちが(たぶん)上手に社会に溶け込んでいるのに対し、「架電」のニセモノ感はなんなのだ。なんか、刀で袈裟斬りにしたらおぞましい叫び声を上げながら黒い霧と化して消滅、みたいな妖物感がある。