はてなキーワード: いたちょうとは
非常に言いにくいことで,しかしながら,ずっと言わなければならないと思っていたことを,伝えなければならない人(もしくは人たち)に,過不足なくそしてタイミング良く伝えることは皆が思っているよりもずっと困難である.
特に私のようなやらなければならないことを後回しにする癖を持っている人間にとってみれば,直接伝えることよりも間接的に目的の人(もしくは人たち)が伝え聞くように,その計画を時間をかけて用意し,数十年のスパンで実行する方がたやすいことのように感じられる.
最初の,そして最も基本的な伝えたいことは,齢30を過ぎてから最近気づいたことだが,
私は,私の人生に興味が無い.
私の生きている理由はたった一つ.生まれてきてしまったからである.そして,私がこれまでに生きてくる上で大切に守っていたルールもたった一つ.敵も味方も作らず,ただ平穏に,喜びや悲しみや,それに付随して生じる感情の起伏もただひたすらに最小化することに腐心することであった.善を追い求めず悪を憎まず,ただ単純に生まれたから生き,死ぬまで低空を水平に飛び続けること,それのみを望んできたのである.それが単純に楽であったから大学に行き,職を得,とびぬけた業績を上げるわけでもなく,落ちこぼれるわけでもなく,常に可もなく不可でもない中庸の目立たない位置を確保してきた.そしてそれをこれからも続けていくつもりの私にとって,向上心とは人生において最も必要でないものの一つに過ぎない.悟りと言えば悟りなのかも知れないが.
妻と結婚したのも,それが単純に楽だったからである.両親から結婚をせっつかれ,それに嫌気がさしていたちょうどそのころに,同じような境遇だった妻と偶然にも出会い,お互いにお互いをよく知らなかったが,これ幸いにと入籍をしたのである.特に好みの女性のタイプを持たない私にとって,彼女の見た目や性格,育った家庭などが,良い方向にも悪い方向にも極端に偏ることなく,全てにおいて中庸であったことが,私の世間体を満足させるのに必要十分であった.
子供が生まれたのは,入籍してから1年が過ぎたころであった.入籍の後の数回の性行為のあと,妻が体調が悪いと病院に行き,一旦,単純な風邪であろうとの診断が下ってから,妻も思い当たることがあったのであろうか,産婦人科を受診し妊娠が発覚したのであった.特に問題もなく自然分娩で生まれたのち,これまで大きな病気もなく育ってくれていることはありがたいことである.
だが,しかし.私はこの辺りで私の人生を終わらせたくなってきたのである.自分がうつ病などの精神的な病気に掛ってしまったのだろうか考えてもみたが,特に私の精神状態が変化したかというと何も変わっていない.特に悩みもなければ,うつ病にありがちな心的疲労が蓄積しているわけでもない.ここ数か月,これまでの人生を振り返り,現在の自分の心境を把握し,そしてこれからどうしていきたいのかを考えてきた結果,人生を自分の手で,自分の好きな時に終わらせるのが私にとって最良であり,その理由として私が唯一自分で納得できるのが,私は私の人生に興味が無いということだけであった.
私には妻子がいる.愛していないわけではないが,最愛の人たちかと問われるとよくわからない.最愛であるべきだ,と心で感じるのではなく,頭で理解している.
それでも,私には責任がある.妻子を養い,自立させ,彼女らが(子供は娘である)一人で生きていけるようにする責任がある.それまで少なくとも14年,すなわち西暦2033年まで私は生きていこうと決意した.
そのあとは妻には申し訳ないが,妻と離婚し,海外にて消息不明になった後,自殺をしようと思っている.
もちろん,それまでには色々不測の事態もありえるであろう(妻から離婚を言い渡される,妻,もしくは娘と死別するなど)から,これはあくまでも予定である.この人生の予定を記録するのがこの日記の目的である.いつまではてなのサービスが続くかどうかも不明だが,いつの日か,願わくば私が死亡した後に,私の知っている人がこの日記を読み,そして私のことだと気付いてくれるかも知れないと考えるとき,私の心拍数は僅かではあるが大きくなるのである.
最初から最後までほぼ泣いてたかもしれない。いい最終回だった。
終始笑顔で、それを見ただけで胸がいっぱいになる。まず髪切るときの報瀬。12話では、3人の前で躊躇していたときの報瀬は本当に曇った顔で「もういいから、じゅうぶんだから…」って言っていたのとは裏腹にすっごい良い笑顔になっていて、12→13における報瀬の成長が端的に現れている大好きなシーン。その後隊長とかなえさんに見せた笑顔はとても貴子に似ていて、「ああ、カーチャンがいた頃は、こんな感じに感情豊かな女の子だったのかな」とか「12話を経て報瀬がようやく本来の報瀬らしさを取り戻したのかな」とか思わずにはいられなかった。その、カーチャンの亡霊を象徴するノートPCを隊長に託す報瀬は本当に清々しく、12話で夢から醒めた彼女が悲しみではなく幸せで満たされていることが端的に現れてて「良かった・・・本当に良かった・・・」ってなった。その後カーチャンからメールが返ってきたときも、それまでの報瀬だったらどうなっていたのか分からないけれど、13話の報瀬は「知ってる!」と鼻にもかけず笑い飛ばした姿はすっかりカーチャンの背中に追いついていて、むしろ追い越している。どんだけ成長してんねん…。
加えて、今までの報瀬はどんな風景を見てもボケーっとしたようなシケた顔だったのだけれど、最後に満面の笑みでオーロラを見る姿はもう最高すぎた。
観測隊としての生活は相変わらず忙しそうなのだけれど、4人が「なんとなく、うまくやっている」という姿に感動した。報瀬も言っていたけれど、南極での生活はむき出しの感情がぶつかることもあるわけで、それでも4人は仲良くやっているので「何も大きなトラブルが起きない」ことで彼女たちの成長を表すという演出が最高すぎた。個人的にアイスオペレーション中のゆづ「死にますFOOOOOOOO↑↑↑↑↑」がツボだった。自分のことをネタに出来るって結構すごいことなんだよね。これだけでゆづが大きく成長していることが分かる。アドリブなんだろうけれど。
ラスト30秒。ここだけでずっと語れそう。
キマリが「帰ったよー」を送ったとき一瞬で既読がついてて、「ああ、めぐっちゃんは家族あたりからキマリの帰国日を事前に聞いていて、今か今かと待っていたのかな」とか「10話でキマリが「既読付くタイミングだけでめぐっちゃんが今何してるのか分かるんだよ」って言ってたし、キマリはめぐっちゃんの心情に気づいてるのかな」とか。
また、行き先が北極だった件について。10話における「南極にいるんだけど、SNSを通じてなんとなく(日本にいる)めぐっちゃんの気持ちがわかるキマリ」と立場が逆になっていて、かつてキマリが「めぐっちゃんの庇護のもとぬるくやってないで、自分の力で強くならなければ」と思ったように、めぐっちゃんも6~13話でキマリが日本→南極で経験した様々な出来事を、キマリのこと考えながら裏でこっそり通ってきたのかな、と思わせる。
めぐっちゃんから送られてきた写真には綺麗なオーロラが写っていたのだけれど、オーロラはその仕様上南極と北極同時に出現するので、キマリたちが南極付近でオーロラを見ていたちょうどその時、めぐっちゃんが北極でオーロラを見ていた可能性がある。そう考えると色々シンクロして考えちゃって、胸がいっぱいになった。
一方キマリのメッセージに速攻で反応するめぐっちゃんは、5話でキマリが絶交無効したあと(一方的に?)めぐっちゃんのことを親友だと思っていたように、めぐっちゃんもまたキマリのことを大切に思い続けていたんだろうなぁということまで伝わってきて、5話における2人の想いが両方とも叶った最高のハッピーエンドだった。締めのセリフ「なんでーーーーーーーーー!!!」も、5話にあった同じセリフとのニュアンスの違いにグッと来た。
「もし続編があったら~」という発言を各所で見るけれど、めぐっちゃんの旅を見たい、という人が多くて嬉しかった。最後の写真「オーロラをバックにめぐっちゃんがカメラを覗き込む構図」は公式のキービジュアル「4人がオーロラをバックにカメラを覗き込む構図」と対になっていて、つくり手がめぐっちゃんのことをもうひとりの主人公として描いてくれていたのかな。
主人公たちの成長を描く物語では、どのキャラクターに(精神的な)導き手の役割をもたせるのか、というのが重要なのだけれど、本作では(子どもたちだけで完結せず)大人たちが多かれ少なかれ寄与している。私はこういう「かっこいい大人」が描かれる作品がとても好きなので、本作もそういう意味で大好きだ。特に隊長とかなえさんはすごい良いキャラクターだった。何が最高って、13話で「実は大人組も4人の心意気に背中を押されてここまでこれたんやで」っていう心の変化が描かれてて、大人組も4人と同じ人間味あるキャラクターになっていたこと。物語におけるメンターが、物語の中で自身も成長するとか最高すぎる。
観ながらアホほど笑って泣いた作品だった。こんな経験は殆ど無かったのでとても新鮮だ。「病めるときも、健やかなるときも変わらず泣き笑いすることを誓う作品」っていうとちょっと大げさだけれど、私は疲れているほど自発的に笑ったり泣くことが出来なかったりしていく人間なので、こういう「心を奪われる作品」を大事にしていきたい。
以前ツイッター界隈で「各話において、クレジットされる作画監督の人数が多いほど現場は火の車になっている可能性が高い」という言説を見た。たまたま知り合った元アニメーターの方に聞いた限りあながち間違いではないらしい。そこで本作なのだけれど、グロス回で作監が3人クレジットされるくらいで基本1人か2人という感じだった。終始作画も安定していて、スケジュール的にうまく行っていたのではないだろうか。
また、公式ラジオで言っていたのだけれど、本作のアフレコでは完成された映像を見ながら声を入れていたらしく(最近は絵コンテ段階の映像で声を入れることのほうが多いそうな)、その点でも本作はある程度余裕を持って作られていた可能性が高い。
要は無理せず良いものを作って欲しいよね、という話。
小保方氏がSTAP細胞に関する論文でやらかしてから4年、博士号取り消しの処分が決定してから2年以上の歳月が流れた。
小保方氏がメディアを悪い意味で騒がせていたちょうどその頃、僕は東京大学を受験したものの点数が足りず、合格を貰っていた早稲田大学の某理系学科への進学が確定的となっていた。
世間とマスコミは小保方氏と早稲田をぶっ叩きまくっていた。ガバガバ博士論文を通した早稲田はクソ、コピペ改ざんの小保方氏はクソ、STAP細胞は存在しない!( ー`дー´)キリッみたいな感じで、受験に失敗した結果早稲田への入学が決定していた僕にとっては追い打ち、死体蹴りでなかなかの真顔案件だった。
「うるせぇ有象無象共!このまま早稲田が叩かれまくって僕が就職するときに『ええ?あの小保方さんの早稲田?』みたいなこと言われて不利になったりしたらテメェら責任取れるのかクソが!!」と大いに荒れていたことを今も覚えている。
話の本流からは逸れてしまうが、バッシングの果てに尊い人命が失われているし、人権侵害級の話もあったのでそのあたりについては壁に手をついて俯いた猿のごとく反省して頂きたいとは思う。とはいえどうせ反省を促してもマスコミは絶対に反省しないで今後も似たようなことを繰り返すし、叩いた民衆は自分が叩いた自覚を持って無くて全く反省しないだろうから無意味だとは思うが。炎上している誰かを叩いているとき、それはそれはきっと気持ちがいいのだろう。大義名分も自分にあり、多数のうちの一人であって責任はほとんどない。さぞ楽しかろう。そういう奴が無自覚に人を殺し、人生を壊したりする。
話を本筋に戻そうと思う。
あれから4年間を早稲田大学で過ごしたが、小保方氏の事件はまあそれなりに早稲田に反省を促したように感じた。
いつ頃だったかは忘れたが、小保方氏の学部時代の所属学科である応用化学科の実験レポートで剽窃が発見され、かなりの人数が罰則を受けたと噂で聞いた。
理系における実験の重要度は他の講義の比ではなく、実験の単位を1つ落としてしまえばその他全ての単位をきっちりと取っていても5年生コース(早稲田では4年生を2回というようなことは無く、『留年』すると5年生とか6年生になる)が余裕で見えてくる。剽窃発覚だと半期の単位取り消しと停学がセットでひっついてくるので、ほぼ確実に留年である。
応用化学科は小保方氏以来、随分とそのあたりが厳しくなったという話だったが、それを裏付けるように大量BANの話が出てきたのでなるほどなぁと思った。
卒業論文を提出する段階で知ったことだが、早稲田大学では過去の早稲田内のレポートや様々な論文と類似度を数値化し、ちゃんと自分の手で書いたレポートかをチェックするシステムが稼働しており、インターネット越しの提出窓口から提出すると自動でそのチェックがかかることになっている。このシステムに引っかかってしまうと随分まずいことになるらしいが、実際どうなるのかは分からない。ただ研究室の教授が相当めんどくさそうに言っていたので、まあそれなりにやばいことになるんだろうなと思う。早稲田なりの再発防止策、なのかもしれない。実際いつ頃から稼働してるシステムなのか知らないので断定はできないが、今の早稲田では剽窃はなかなかにハードルが高い状態になってると思う。
データじゃなければなら余裕で剽窃できるという話はあるが、実際に応用化学科の実験レポート(基本紙で提出)で剽窃が発覚してる例もあるし、その後も似たような話をちらほら聞いているので、抱えるリスクと得られるリターンをまともに考える頭があれば剽窃はしないという結論に至るような状況だとは思う。
コピペで博論通った件も、「科学における論文」というのが多分に性善説的に構築されているところがありその穴を突かれた感じなので、今のように定期的な見せしめBANと性悪説的なシステムを稼働させて威圧するというのは効果的だと一学生としては感じている。
ただまあ、学生の間では過去レポが出回っていることは事実だしそれを参考にして文言や順序を大きく変えて要旨を保つという方法ならシステムには引っかからないようなので、もう何かNARUTOの中忍試験編であった「カンニングするならバレないようにやれ」の試験みたいになってきている感じがしないでもない。こういうのはもう原理的に防ぎようが無い。早稲田に限らず慶応だろうと京大だろうと東大だろうとムリだ。まあ自分の言葉で再構築できる程度に理解してるならOK感がしないでもないし、難しいところだと思う。
今はもう存在しない器具名をレポートに入れてしまう、文言が同じ、データが完全に同一、誤字脱字のタイミングが同じ。そういう頭湧いてるレベルのアホみたいなことをやる奴は少なくとも排除されて、それなりに労力をかけた人が馬鹿を見るような状況ではないので、まあ良いのかなと個人的には思う次第。
早稲田は随分と頑張ったと思う。
コメントを見て、大事なことを書き忘れていたことに気付いたので追記を。
あの事件を受けて学生が剽窃パージに怯えつつ暗く沈んだ学生生活を送ったかというと全くそんなことはなく、この事件を時折ネタにしつつたくましく生きていた。
狩野英孝の「スタッフ~~~~!」のネタになぞらえて「スタップ~~~~!」と叫んだり。
明治大のサークルで愚か者が酒に薬を入れてやらかした件や東大で愚か者が女性に下劣な暴行を働いた件などの折、「さーて、どこまでマスコミで騒がれるでしょうか!!目指せSTAP超え!!」などと騒いでみたり。
論文を読んで英語で発表するという課題で、STAP細胞やその後の懸賞論文を持ち出してきて発表してみたり。
STAP細胞のコスプレをした者も居ると聞いた。上記の若干寒い内輪ネタの数々ならまだ理解できるが、こればかりはあまりにも意味不明過ぎて首をかしげたことを覚えている。
「小保る」等という謎の単語が生じていたが、どうも意味は「剽窃がバレて大学から罰則を食らう」という意味らしい。
その他にも、話の流れの中で自虐ネタとして使われたりもしていた。
かのスーパーフリー事件、早大生「あー・・終わったー・・」捜査官「終わってねぇよ」で有名な早大生による大麻栽培摘発などと並び、早稲田の恥ずかしい歴史に名を連ねてしまったこの論文不正事件だが、『きちんと真面目に剽窃などせずレポートを書いている学生』にとっては話のネタ程度のもので終わりそうだ。
早稲田の大学当局は反省した。しかし学生は反省していない。当たり前である。一部を除き大多数の学生は丸ごと剽窃等というアホみたいなことはしないから関係のないことだ。僕に限れば、自分がしたことではなくかつて同じ学び舎に居た誰かと大学が過去にしでかした件のせいで、大学以外の帰属コミュニティで多かれ少なかれ色々言われたことで、薄いながらもむしろ反感のような感情すら持っていた。「は? 僕関係ないんだが。自分が入学した時点でとっくに卒業していた奴の話なんか知らんがな」という感じである。現在に至っては特に何の感情も伴っていない。「そんなことあったね」と微笑みつつ日本酒を飲むだけだ。
帰属する組織やそのかつての構成員のうち何人かが何かをしでかしたことで、組織のみならずその組織の人員までもが色々と悪様に言われたりする事例は枚挙に暇ない。
「そういう人間を育てた大学なんだから、お前もそういう風に見られて当然」と言う人が居る。
恐るべき暴論である。つまり早大生は全員スピリタスで女性を酔わせ強姦し大麻を栽培し革マル派に属し論文はコピペで提出する人間として見られることを受け入れろということである。他の大学も同様に、例えば東大生は全員所属組織の講堂を実力で占拠し全員女性の局部にドライヤーをあてる人間として見られることを受け入れろということであるし、慶大生は集団で女性を強姦し父親を刺殺する人間として見られることを受け入れろということである。名大生はもっと凄い。同級生にタリウムを盛り女性を斧で殺害する人間として見られることを受け入れろということである。頑張れ名大生。
悪質な組織に所属しているからその構成員が悪影響を受けるというのは、一部は正しい。暴力団やブラック企業というのはまさしくその典型であろうし、もっと卑近な例で言えば毒親が居る家庭というのもその1つだろう。
大学はどうか。日がな一日遊び倒すような人間が育ったり一部のアホ共が増長する程度には大学名による謎の権威があることは否定できない。だからこの面で大学の悪影響というのは認めるところである。しかし、全員がそうではない。
暴力団を辞めて反省し必死で正業で生きていく者が居る。ブラック企業を辞め、新たなブラック企業を生み出しかねない染まりきったブラック企業的思考を改めて新しい環境で邁進する人が居る。毒親を反面教師として良い親であろうと心がける人が居る。
大学も同じことで、愚か者がテレビを騒がせる一方、真面目に勉強して真面目に研究して、世界に通用する成果を生み出す人や、大きな企業に就職して働いて社会に貢献する人や、新しいサービスを考え出して会社を起こし、新たな価値と雇用を創造する人が居る。
当たり前のことではあるのだが、人や組織が何かをしたとき、それだけがその人や組織の全てではない。良い面も悪い面も持ち、多面性を持つものだ。
かつて何かしらやらかして早大の名に傷を付けた人も居るが、長期的な目で見るとそんなことを歯牙にも掛けない程に早大の名に(結果として)箔を付けてくれた先人達が居て、今の早稲田がある。
早大生は今日も元気に学んで研究して、アルバイトして税金を払って、遊んで色んなところでお金を使って経済に小さいながらも貢献し、そして高田馬場でゲロを吐いて地域のネズミと鳩をせっせと育てるのである。
前回の記事(http://anond.hatelabo.jp/20150602010807)を書いたちょうどその日,ガチマッチが解禁された。
ナワバリバトルが楽園に見えるほど苛烈なバトルが繰り広げられてるここで,クソザコの自分なぞ介入できる余地なんてあるのか?と思っていたが,それでも自分のチームを勝たせる(足を引っ張らない)立ち回りみたいなのはおぼろげながら見えてきたのでまとめてみたい。ちなみにこれはせいぜいBー~Bランクまでの話な。B+ランクやAとかいう天上界の話はもっとうまい人がまとめてくれる。
自分の体内には敵色のインクが詰まっている。
ガチエリア内でキルされるとそれだけで敵に貢献してしまう。自分の被弾が原因でカウントストップしたり,まして敵のガチエリア確保が決まってしまうと,申し訳なさ無限大だ。とにかくエイムに自信がなければガチエリアにはなるべく入らず,外や上から塗るべきだろう。
ありがちなのが,エリア確保されてあわてて取り戻そうとガチエリアを塗り戻そうとする行為。あれはやめたほうがいい。絶対敵が潜んでいて返り討ちにされる。敵の残りカウントが差し迫ってるならまだしも,敵に長時間ガチエリアを確保されても取り返せたときの敵側ペナルティが大きくなる(敵の精神ダメージ大)ので取らせておけば良い。攻勢は味方が集合してからかけよう。
2.エリア周辺を固める
ガチエリア内攻防はエイムの上手い方に任せるとして,クソザコの自分はとにかく周囲を塗って,味方の行動範囲の拡大に努める。このとき,ただ焦って撃っているだけだと簡単に位置バレして簡単にキルされるので,たとえば「3秒以上連続で撃たない」とか決めておく。
自分の場合は,3秒撃ったら潜って周囲を360°確認。問題なさそうなら,作業を進めてる。もし敵に気づかれてたり前方に死角があればボムなどのサブウェポンで牽制。ボムに気を取られてるその間に,別の味方が別角度から急襲してくれれば最高。おそらくガチマッチはナワバリバトル以上にサブウェポンの使い方が重要になってくるはずだ。頻繁に潜っていればインク切れの危険は防げる。頭は下げておいた方が良い。
3.キル数を増やすんじゃなくてデス数を減らす
ガチマッチで相手のカウントを大幅に下げさせてしまう要因は2つある。
1つは数の暴力。同じ方向から単騎で突っこみ,返り討ちに遭う。これを延々味方全員が繰り返すパターン。
これを防ぐにはガチエリア周辺のホットゾーンに突っ込む前にゲームパッドを確認しておくことか。有利な立ち位置になったと判断してから攻めていこう。
もう1つは全滅。一瞬でもエリア近辺に誰もいないという瞬間があると,味方がスーパージャンプができず,一気にエリア確保までもっていかれる。
これを防ぐには誰か一人でもエリア周辺に居続けることが大事。そのためには死なないことがとにかく重要。
数的不利の際に,敵に気づかれたら牽制しつつ逃げよう。自分自身がガチエリア近くの安置にいるだけでも有意義なんだ(味方のジャンプ先的な意味で)。逃げよう。逃げればまた来られるから(味方が)。
敵をキルできる可能性が高いのは,敵を背後や側面から撃てるとき。お互い視界は狭いので,正面以外の角度からの攻撃には簡単には対応できない。というかまずどこから撃たれたのか分からない。
こんな感じで進めていけば,Bランクくらいまでなら上げられるはずだ。ただここから先の暗黒大陸は人類の戻る場所じゃない。
こいつらどうにかしろ。もう知らん。
いつの日だろう、ある休日の昼下がり、1匹の野良猫がうちの庭にやってきた。
頭から尻尾の先まで真っ黒で、おちんちんをぷらぷらさせる野良猫。しかし、やせ細った身体でトテトテと這いよるその骨川筋右衛門は、明らかに衰弱していた。
いろいろ考えた結果、田舎ゆえ周辺に住宅が少ない、そして何より自分がネコ好きということで彼を放っておくことができず、かつお節ご飯と水を与えた。そのガッツキようは今でも覚えている。さながら、ホットドッグを爆食いする小林尊のようであった。
腹をすかしてはフニャアフニャアと鳴き、エサを催促した。食べると満足するのか、うちの庭のど真ん中でドテンと横たわり、お日様の下、完全無防備状態で爆睡する(つついても起きない)。日が傾きはじめる頃、ふと見るとどこかに消えた。しかし次の日には、同じようにフニャアフニャアとやってくる。こちらもいつしか、スーパーで一番安く売られる缶詰を買うようになり、また首輪も買った。同時に、「クロ」といかにもな名前をつけた。
クロは日に日に肥えていった。ぷよぷよした姿は、もう完全にデブ。肥満が問題なのは重々承知だが、「まあ野良猫だし…しかもカワイイし…」という素人考えでエサを与え続けた。また、大きめの木箱に毛布を敷いて寝床をつくってやると、夜はそこで寝るようになった。
いつ頃からか、自分が仕事から帰ってくるとクロが出迎えはじめた。車からおりると、そのでぶでぶした巨体を左右にゴロンゴロンさせながら、お腹をみせつけてくる。ハイハイわかったわかった、と十二分になでたあと家に入ろうとすると、入れさせんとばかりに頭をすり寄せてくる。その一連の姿がなんとも愛らしく、どれだけ仕事で疲れていても、自然と笑みがこぼれた。
クロはよく周囲を冒険をしていた。時に他の猫と喧嘩したのだろう、右頬の肉がえぐれるなど、大怪我を負って帰ってくることもあった。ジュクジュクした傷から出る膿をガーゼで拭いてやり、「負けんなよ、俺も負けねえから」と1人意味不明なことを語りかけては、フニャ、とクロは鳴いた。クロが生活の一部、いや、人生の一部になっていた。そうして数ヶ月がたっていった。
もういっそのこと飼い猫にしようか、と考えていたちょうど5日前、クロがふと姿を見せなくなった。いつもは「クローーッ!」と手をパンパン叩くとドテドテ走り寄ってきたのだが、その気配が全くない。まあ野良猫だし帰ってくるだろう、と自分に言い聞かせながら、当然のことだが我が子を思うように心配で心配でもう仕方なかった。
そして昨日。ちょうど仕事に行く前、家の裏の日陰に横たわるクロを発見した。すぐさまかけ寄ると、フゥフゥフゥと呼吸が荒く、目も半分しか開けていない。ヨダレもたらしている。ずっと横たわっていたためか、体は多くのアリにたかられていた。ふと怒りを感じた自分は、無造作に払い落としたアリを踏みつけて殺し、クロの体をふきながら口元に水をやった。すると最初は横たわった状態でペロペロと水をなめていたクロは、ヨロヨロと自分で立ち上がり、自力で水を飲んだ。大丈夫か?とつぶやくと、フニャ…、と弱々しく鳴いた。これから俺は仕事だけどどこにも行くな?とつぶやくと、フニャ…、と弱々しく鳴いた。そこはかとなく、クロは笑っていたような気がした。
クロを一心に思いながら仕事を終わらせ即帰宅すると、クロはどこにもいなかった。
そして今日の早朝、近所のジイさんがやって来て「おめえんとこのネコだっぺ、オレんちの前で死んでんどや」と教えてくれた。確認するまでもなく、クロだった。
ジイさん曰く、近頃近所では一斉に除草剤をまいているようで、その草でも喰ったせいじゃないか、とのことだった。いずれにせよ、クロは死んだ。
月並みだが、心にポッカリと穴があいてしまった。もう仕事から帰ってきてもゴロンゴロンする姿はない。恥ずかしながら心内を語れる唯一の存在も消えた。
クロの亡骸は火葬してもらい、今はこの眼の前に骨としてある。
言葉では如何様にも語れるし、また避けられないことは自明の理である。しかし、やはり”愛する”存在の”死”は、わかっていても耐えられないよなあ、と。
大して面白くもない話ですが、わたしの片思いの話を聞いて下さい
彼女と初めて出会ったのは、わたしが担当していたグラフィックデザイン部署の立ち上げで行なった採用面接でした
当時はまだわたしのいる業界にはデザインという概念がなく、あっても実に画一的なステロタイプのつまらないものばかりでした
そのため採用はできるだけ業界の知識や経験がない人材を選ぼうとはじめから決めていたのです
そんな中あらわれた彼女は服装こそ普通だったものの、色白な顔に細く釣り上がった眉と濃いめのアイラインに囲まれた意志の強さを感じさせる瞳を覗かせ、サイドを少し長くして輪郭を隠すようしたショートカットの妙な黒さが印象的でした
当時で21歳だった彼女はデザインの実務経験があったわけではなかったのですが、用意しておいたデザインに対する質問に最も的確に答えられたということから採用が決まりました
なぜデザインの知識を持っているのかという質問に対しては、学校で専攻していたことと、とあるロックバンドのファンで友人とステッカーやポスターなどを自作しているといった返答が返ってきたと記憶しています
その瞳がもつ印象の通り、彼女はこちらからの質問に対して一切の淀みを見せることなく最低限の言葉だけで返答を返してきました
仕事に私情を挟むものではありませんので選考理由は当然その能力にありますが、わたしの心のうちはとてもざわついていました
身長はわたしと同じくらいでしょうか
いわゆる男性の平均的体型であるわたしと比べれば彼女は女性として高い部類に入るのではないでしょうか
それに比べて顔は小さく手足はすらりと細く長く感じられ、体重で言うとわたしよりも20kg以上は少なかったかもしれません
面接中には、書類の上を軽快に走る触れれば砕けてしまいそうな筆をもつ透き通った指に思わず目を奪われていました
座っている時も終わって席を立つときも、凛とした背筋が美しく、実に奥ゆかしくわずかな膨らみを見せる胸が彼女がもつであろう潔さを一層強調しているようでした
そうして次々に姿を見せる彼女がもつ身体のパーツやそれらから繰り出される仕草は、どれもがわたしが理想としている女性に抱くそれと重なっていくことがわかりました
これほどまでに自分の理想と一致する女性がこの世に存在していることの驚きは、むしろ恐怖に近かったかもしれません
彼女との年の違いは7つ
今になってみればそんなルールが何の抑止力を持っていたのかも分かりませんが、これから新たな部署を立ち上げて会社を盛り上げようと先頭に立っていた自分にしてみれば、足並みが崩れてしまうことが怖いと思えてしまいました
それ以上に、彼女に自分を好きになってもらえるかどうかを考えることが怖かったのかもしれません
彼女の髪の黒さを妙に感じた理由は彼女の初出勤の時に明らかになりました
初めてスタッフとして勤務先に現れた彼女の髪は、お世辞にも綺麗とは言えない根本や毛先に黒の混じる金色をしていました
聞けば、面接の時は印象を良くしようと一時的に黒く染めていたとのことで、遅かれ早かれ発覚するならばと初日から隠すことなく出勤したとのことでした
そうした格好をする理由は、実のところロックバンドのファンにとどまらず熱狂的な追っかけであるために不可欠だとのことでした
わたしは採用した責任と彼女のデザイン能力に不安を抱く一方で、その金色の頭髪にも稚拙ながらも潔い行動にも、自分の心がつよく引き込まれていくことがわかりました
まるで蟻地獄に落ちていくアリのように、二度と這い上がることのできない運命を背負ってしまったような感覚に襲われて背中にひんやりとした何かがまとわりついてくるのを感じていました
意志の強さを感じさせる瞳は太めの縁とレンズの奥へと隠れてしまいましたが、わたしにはそのことで彼女のもつ美しさがより完成に近づいたのだと感じられました
もともとの感性が異なるのか、広告としての機能を満たしながらもどこか奇抜でいて尚且つ人を選ばないデザインが次々に生み出されていきました
それらは社の内外問わず高い評価を受け、わたしと彼女とで立ち上げたデザイン部署は見る間に会社にとって無くてはならない存在へと成長していきました
その忙しさは、同時にわたしから余計な考えを起こさないようにと時間を奪ってくれていました
仕事に関することでも彼女と話をするときには緊張を隠すことに慣れませんでしたが、わたしはそれでも彼女から嫌われるでも好かれるでもない距離を保ち続けることが出来ました
その間にもデザインスタッフの拡充を行なっていましたが、今まで営業本隊に所属する形だったデザイン部署がいよいよ単独の部署として独立することが決まったのです
今までは本隊と両立する形で管理に参加していたわたしは、新たに新規事業開拓のための部署立ち上げのメインメンバーとして抜擢され、彼女はメインデザイナーとしてそのままデザイン部署に残ることが決まりました
わたしにとっては栄転ですが、自分が同じビルではありながら彼女とは異なるフロアに行ってしまうことがわかると、それが何故か急に不安に感じられました
付かず離れずの関係を維持できていたと思っていたのが、離れてしまうことがわかった途端にじつは彼女が自分にとっての拠り所になっていたことが分かってしまったのです
どれだけ顧客にバカにされようと仕事でミスをして上司に叱られようとも、部屋に戻れば彼女が背を向けて座っていました
でも、彼女が黙って座っている凛とした背中がそこにあるということだけで、わたしは幸せを感じられていたのです
相変わらず濃いめのアイラインに囲まれた意志の強さを感じさせる瞳がメガネの奥に隠されていると想像するだけで、わたしは幸せを感じられていたのです
それからというもの、わたしは彼女を思うだけで胸が締め付けられるように苦しくなりました
以前にもまして触れてみたいという衝動にかられ、彼女が他の男性と話をしている姿を見ているだけで胸の奥に湧き上がる何かを感じました
しかし、だからといってわたしには何かするべきことが見つけられたわけではありませんでした
思いを伝えるには時間がかかり過ぎていたのです
目の前にただ完成された美が存在していたとして、ほんの僅かでも触れてしまうことでその美しさは失われてしまうかもしれない
わたしの中で、彼女を得ることよりも彼女を失ってしまうことの不安のほうがはるかに大きく育ってしまっていたのです
考えてみると彼女と二人だけで話をした最も長い機会は採用面接の時だったかもしれません
もとよりわたしは彼女との会話そのものを楽しんだことはなく、いつも仕事の話かその時に少しだけ世間話を交わすくらいの会話しかしたことがなかったことに今さらながら気がづきました
そのことに気づいてしまったと同時に、止めどない涙がわたしを襲いました
自分でも全く予測できなかったあまりにも突然のことで、どうしてよいかわからずとにかくトイレに逃げ込みました
わたしは自分の情けなさに涙し、自分の人を好きになるという気持ちの身勝手さに涙しました
それから数日、相変わらず彼女を思うと痛みを思い出す胸を抱えたまま新しい部署での生活がスタートしました
自分の情けない部分をまざまざと見せつけられてしまったわたしは、仕事に対する自信も失っていました
大した結果もだせないでいたちょうどその頃、突然母親から見合い話が舞い込んできました
どこかこのままではいけないと思っていたわたしは特別に断る理由もなく受けてみることにしたのでした
お相手の女性は、デザイナーの彼女とは正反対のような実に快活とした健康的な女性でした
偶然にも共通の趣味の話で盛り上がり、その後も断る理由が見つからないまま数回の食事を共にしました
彼女はよく笑うとても魅力的な女性で何事も前向きに捉えられる明るい性格をしていました
そうして結局断る理由が見つからないまま、お見合いから半年後に結婚式を挙げることになりました
どこかで、もしかしたらこれで彼女のことを忘れられるかもしれない、本当に理想とする人はお見合いで出会ったこの女性なのかもしれないと考えていたかもしれません
会社での結婚の発表は部署ごとに部屋を訪れてまとめて行いました
たった半年で結婚を決めたことから突然のことに驚きを隠せないという言葉やお祝いの言葉が多数投げかけられましたが、そのほとんどはわたしには届いていませんでした
なぜなら、次に訪れるデザイン部署にいる彼女のことばかりを考えていたからです
考えてみればこれは片思いです
彼女にわたしの気持ちを伝えたこともなければ、彼女がわたしに好意を持っているだなんてことも聞いたことがありません
今さら思い悩んだところで何も解決しないしそもそも思い悩む事自体が無意味なのです
そうして自分に言い聞かせながらいよいよ彼女のいる部屋の扉に手をかけました
扉の向こうからわたしの目に飛び込んできたのは相変わらず凛とした美しい彼女の背中でした
わたしはその美しさに見惚れてしばらく声を出せないでいたかもしれません
最もシンプルに結婚の報告の言葉を並べることだけがそのときのわたしにできた精一杯でした
ただ、結婚という言葉が響いた時に彼女の背中が少し反応したかのようにも見えました
わたしが反応してほしいと願っていただけかもしれません
でも、いつも見惚れていた背中だからこそ他の誰一人として気がつかないような小さな変化を見つけられたのだと信じることにしました
それから数年がたち、今では二人のこどもに恵まれることができました
妻のことは愛しています
一人の女性としてももちろんですが、それ以上にもう家族として失うことのできない大切な存在です
だけど、未だにあの凛とした美しい背中はわたしの理想の背中であるし、触れれば砕けてしまいそうな透き通った指も、実に奥ゆかしくわずかな膨らみを見せる胸も、色白な顔に細く釣り上がった眉と濃いめのアイラインに囲まれた意志の強さを感じさせる瞳も、それを奥ゆかしくも引き立たせるメガネも、相変わらずわたしのもっとも理想とするままであることも事実です
それは10年が経って尚、より美しさを増していくようでも有ります
もしあの時、自分の気持ちを彼女に伝えていたらこの背中は美しいままだったのだろうか
もしあの時、彼女を採用しなければこんなにも思い悩むことはなかったのではないだろうか
もしあの時、わずかに反応した背中の理由を彼女に聞くことができたら何かがかわっていたのではないだろうか
人から見れば仕事も順調で結婚もして子宝にも恵まれてまさに順風満帆な人生かもしれませんし、本当にその通りなのだと思います
相変わらず焦がれる胸を抱えては、デザイン部署を訪れるたまの機会に凛と美しい彼女の背中に目を奪われています
わたしはついぞ片思いをおわらせられずにいました
ちっぽけなアリでは登り切ることの出来ない砂の坂を落ちることも登り切ることも許されないまま、ただひたすらに命が尽きるまでもがき続ける運命を背負ったままの毎日が続くのです
でもそれは苦しみではありません
今はもう話をする機会すら失ってしまった美しい背中のその向こうで、濃いめのアイラインに囲まれた意志の強さを感じさせる瞳がメガネの奥に隠されていると想像することだけが、今のわたしに許された最も幸せを感じられる瞬間なのです
ところが最近になって、この苦しみから逃れられる方法を見つけることが出来たかもしれません
きっかけは2ヶ月ほど前にわたくしを襲った衝撃的な出来事でした
もしこれが実現できれば、彼女も妻も傷つけることなくわたくしは最高の幸せを手に入れることが出来るかもしれないのです