2024-08-31

[] 賃金物価悪循環の仕組み

賃金物価関係を数理的に示すために、簡略化したモデルを使って説明する。

基本的仮定

1. 賃金上昇率: w

2. 物価上昇率: p

3. 実質金利: r

4. 名目金利: i

5. 自然利子率: r*

モデル方程式

1. フィッシャー方程式: i = r + p

2. テイラールール(簡略版): i = r* + p + α(p - p*)

ここで、p*は目標インフレ率、αは中央銀行の反応係数である

3. 賃金物価相互作用: w = βp と p = γw

ここで、βとγは正の定数である

悪循環メカニズム

1. 初期状態物価上昇率pが上昇すると、賃金上昇率wも上昇する。

w = βp

2. 賃金上昇は更なる物価上昇を引き起こす。

p = γw = γβp

3. もし γβ > 1 の場合物価上昇率は加速度的に上昇する。

4. 中央銀行が適切に対応しない場合(つまり名目金利iを十分に引き上げない場合)、実質金利rは低下する。

r = i - p

5. 実質金利の低下はインフレ期待を高め、さらなる物価上昇圧力を強める。

金利引き上げによるインフレ抑制必要性

中央銀行が適切に金利を引き上げることで、この悪循環を断ち切ることができる。

1. 名目金利iを十分に引き上げることで、実質金利rを自然利子率r*以上に維持する。

r > r*

2. これにより、インフレ期待を抑制し、物価上昇率pの加速を防ぐ。

3. テイラールールに従って金利を設定することで、インフレ率を目標水準に近づけることができる。

i = r* + p + α(p - p*)

4. 金利引き上げは、企業家計の借入コストを上昇させ、投資や消費の抑制を通じてインフレ圧力を緩和する。

5. また、金利引き上げは通貨価値の上昇をもたらし、輸入物価の上昇を抑制する効果もある。

このモデルは簡略化されているが、金利を適切に上げないと賃金物価の上昇が悪循環に陥る可能性を数理的に示している。

実際の経済ではより複雑な要因が絡むが、基本的メカニズムはこのモデル説明できる。

金利政策を通じたインフレ抑制は、経済の安定性を維持するための重要手段である

  • 別にこの記事をけなすつもりは全くなくて一般化した場合の感想なのだが 数式化するとき代数使うのは当然なんだが、プログラマー的な目線でいうと、1文字しかない変数名とか可読性を...

  • 適切に対応した結果、不動産の値段が下がり、銀行は大量の不良債権を抱えた 銀行は不良債権を処理するように圧力をかけられ、企業に借金の返済を求めた 企業はリストラや不動産の売...

    • 🐊「オッ…オレに聞かんでくれえッ!!!!!」

    • デフレなんてとっくに終わってるよ 今は名目賃金が上がってるのに実質賃金が下がってるフェーズ で、金利を上げたら実質賃金も上がったよね はいろんぱっぱ

      • それはアベノミクス以後の話やろ それ以前もマイナス金利とかゼロ金利とかやってたのに全然効果でなかったぞ それがすごく不思議なんだよ まるで企業は少子化で設備投資をしても無...

        • ミンス政権のときは政府支出が明らかに少なかった んで、マネーサプライが減って貨幣価値が上がり、物価が下がった それだけのこと

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