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はてなキーワード: アニメーターとは

2012-12-09

アニメーターが好きなのに、愛することが出来ない理由。

長文だけど自分の思いを吐露させてくれ。ヘタレだしこれから仕事は続けていくから匿名で頼む。

勿論この話の大前提にあるのは是正すべきだ、という事。

通常の給与体系、勤務システムで鑑みれば、おかしいのは痛いほど理解している。

からそもそもの話は避けてくれ。あくまでアニメ業界と言う狂っている賃金システムの上での話しだ。

多くの議論がアニメーターに限られているけれど、全てのセクションがおかしいのだから

アニメーターは大変だ”、”アニメーター生活に苦しい”、”お金にならない”

業界で7年間見ていて思う事がある。申し訳ないが、ほとんどの人に関してそれらは当然だと、自業自得だと。

アニメーターの平均給与10万以下”、センセーショナルタイトルだ。でもこう思う。「だって10万以下の働きしかしてないし」

ごく一部、頑張っている人には申し訳ない。が、そんな人たちはすぐに稼げるポジションに就いていく。

気づけば俺たち進行よりお金を稼いでいる。羨ましいけれども、それもまた当然だろう。

何かを勘違いした新人動画マンたちが、ベテラン原画勢と同じ生活リズムで働く。

定時に来て定時には絶対に居ることが分かってればそれなりに仕事を取ってくる。

頑張る人には稼いで欲しいと思う、線が少ない作品を取ってきたい。社内作品のスケジュールがいい話数を回したい。

技術的な向上心があるなら難しいのだって探す。パチンコ作品を1%も抜かずに回してあげたい。

けれど、昼の12時にいるかどうかも分からない、夕方の何時に入るかも分からない。

そんな人間責任を負ってまで仕事を取ってくる義理までは無いと叫びたい。それが仕事からやりはするが、げんなりする事だって多々ある。

イスに座ってたら勝手仕事が来ると思ってるんじゃないのか。そんなわけないだろう。誰かが仕事を取ってきてるんだ。誰かが仕事発注してるんだ。

落とした責任を負うのはその仕事を取ってきた、発注したデスク、進行達だぞ。

賠償金、請求しないだろ。その金額が今の給与に反映してると思ってもらっても過言じゃない。

第一、甘えて稼ぐなんて普通業界でも無理だろう。

甘えて稼ぎたいならなんで東○に入らなかった?ジ○リに入らなかった?シ○エイに入らなかった?京○アニメーション(D○じゃなくて本社班)に入らなかった?

動画固定給出してる会社別にこれだけじゃなくて探せば多くは無いがありはするだろ。小さな無名会社でも社員を大切にしてる会社はある。T○Kやグ○フィニカとかも外からみたらそう見えるけれども?

仮に10時間会社に居たとして机に向かってる時間は何時間だ?

5時間しか筆を動かしてないのに10万以下だと騒ぐなよ。時給800円コンビニバイトでも、5時間しか働かなくて週2日休んでりゃ、10しかもらえないだろ。

逆に、作画スタジオ人間でも”○時には絶対に×さんが居るから”って言う安心感があればそこに真っ先に電話をする。そんな安心感のある人たちを何人も見てきた。

拘束がかかってる動画マン、CG会社人間すら名前を知ってる動画チェッカー、新しい会社を作る時にいの一番に声をかけられ動画マンのまま重役になって今も動画マンの人。

彼らは大体そういう風に有名になるか、縁の下の力持ちのようになり、地位や名誉お金を貰っている。このまま俺が出世しても、もらえないような金額を。

きっと同年代サラリーマンより貰えてる。失礼だがその中には上手いかどうかといえば、微妙な人たちも少なくない。だけど、稼いで当然と思える立派な人たち。

都内や埼玉のいい場所に家を建ててる人。上手くはないけれど仕事は出す。絶対に落ちない。最低限のラインはクリアしている。彼らに出す仕事お金は信頼という価値

アニメーター同士の関係ってはっきり言って気持ち悪い。

アニメーター同士で仕事を融通しあうことはあっても、立場がはっきりとした発注元、受注先と言う形じゃないか社会人として達して無い人種を平気で庇う。

救いようの無い人間すら庇いあう。すぐに被害者面をする。アニメーターはなまじ人数が多い分声がでかい

それがネットの発達でファンに伝播しやすくなって何時しか妄想被害者は本当に被害者として闊歩し始めた。

傷を舐めあうことで改善の余地を自分たちで捨てたようにすら思える。特にここ最近はそれが顕著だ。実情が分からいから少し話せばファンは同情をする。

同情は気持ちがいいからどんどん暴露する。裏では、当然だ、と思えるような人種も同情されていく。

上記にも上げたようにプロフェッショナル動画マンは見てきた。

仮に制作進行と同じ時間アニメーターが机に向かってずっと鉛筆を動かしてみたらどうか。

入って最初の3ヶ月くらいのド新人ならまだしもソレを越えた動画マンならたぶん制作進行と同額くらい稼げるんじゃないのか。

稼げない間は手厚くフォローするべきだとは思うけれども、ずっとフォローし続けなきゃならないのか。会社意味は尻拭いじゃないんだ。会社営利団体なんだよ。

何社とも、それにフリー人間何人とも付き合ってきたけど

美術は落さない、仮に落としたとしても連絡が先に来る。

仕上も落さない、仮に落としたとしても連絡が先に来る。

撮影も落さない、仮に落としたとしても連絡が先に来る。

アニメーターは落す。連絡無しで落す。原画マンでも、動画マンでも。

進行が連絡しろ? 連絡しても落すじゃないか

それに美術も仕上も撮影も向こうから連絡が来る。

勿論それは信頼関係を壊すことで今後仕事が来なくなるということを危惧しての行動かもしれない。

アニメーターは1人の信頼をなくしても仕事はまだある。そういう余裕があるからかもしれない。

でもな、いや、だからか。稼げないんだ。美術と勤務時間を比べてみろよ。

きっと大差ないんじゃないか。時給換算? 美術の方が低いんじゃないのか?

きっとこの増田を叩くのは稼げてない人たちで稼いでいる人たちは「まあ、そうだよね」と言うんじゃないか

こういう一丸になれない理由を、本人たちは自覚しているのだろうか。アニメーターは稼ぐには大変だが、稼げないのは、当然の帰結でしかない。

代弁して怒るつもりも、同情する余裕も、今の自分には一切無い。

今、このまま続けるとして、彼らを本気で擁護、庇護する必要価値があるのか改めて考えている。

アニメってハリウッド映画っぽい

進撃の巨人PV見て思った。『世界よ、これがアニメだ』とでもキャッチコピーつけとけばいいんじゃないかな。

なんて言うか、映像だけって感じ。凄いのはわかるけど、いまアニメにしちゃうのって思っちゃう

だって原作何一つとしてナゾ解明されてないじゃん。このままアニメになったら、オリジナル展開確実じゃん。

鋼の錬金術師ルート通るじゃん。やだよ、そんなの。

映像の話に戻るけれど、アニメにはもっと話で盛り上げて欲しいんだよ。

脚本家がいるのは知ってる。それでも、原作ありきの脚本しかならないじゃない。

オリジナルアニメのいいところは、知らない話であることだと思うんだ。

知らない物語からわくわくする。もちろん、知っていてもどんな映像になるかわくわくはできるけど、空っぽの器に水を注いだほうが新鮮な気がするんだ。

からさ、オリジナルやれよ。まどマギみたいのでもいいよ。あるいは京騒戯画みたいのでもいい。もっとオリジナル増やそうよ。

プリキュアは展開が決まってるからあれだけどさ。巌窟王とかハムレットとか、古典アレンジするのでもいいよ。メディアミックスを謳うなら、もっと幅広い層からネタを拾ってこいよ。

昔のアニメは、アニメ漫画が分断されてて、それ故に知らないアニメが増えていたきらいがある。

今逆じゃん。有名だからアニメになるって、本末転倒じゃん。

イバラの道なんだろうけどさ、冒険してもらいたいよ。海辺のカフカとか、ドグラ・マグラとか、そういうのを映像にしてよ。

アニメーターさんごめんなさい、アニメ会社の皆さんごめんなさい、僕を死刑にしてください。

汚れちまった悲しみに・・・

2012-12-03

鈴木敏夫ジブリ汗まみれ 2010年1月12日 庵野秀明ゲスト回その2

第1回

http://anond.hatelabo.jp/20121203123633

 

ナレーション

 

鈴木:ひどいこと言うんだもん、色々(笑)。『もののけ(姫)』のときもねえ……。『もののけ』どうだったって聞いたら、「レイアウトダメになった」って(笑)

庵野ダメでしたね。よく宮さん(宮崎駿)、このレイアウト通したなというくらいダメでしたね。

鈴木(笑)。かなり自分で描いてんだけど。

庵野:いやー、ダメでしたね、レイアウトはかなりね。レイアウト世界一の人だと思ってるんで。

鈴木はいレイアウトマンだもんね。

庵野:ええ。あの空間の取り方のなさっていうのは、ちょっと、あれは歳取ったのかなって思っちゃいました。

鈴木空間がなくなっちゃったんだよね。

庵野はい。すごく平面的になってて。

鈴木:すごくフラットなっちゃったんだ。だからすごいのはお話のほうで、画のほうはどっちかっていうと結構サラッとしてるっていう。

庵野:サラッとしてます。あれが『(崖の上の)ポニョ』でまた粘りが出ててよかったなっていう。

 

ナレーション

 

鈴木:『ポニョ』の前にね、宮さん、ディズニーチャンネル見まくったんだよね。そしたら「動きすぎだ」って最初言ってたのが、途中から「いや、動き過ぎだと思ってたけどそうじゃない、動くことに意味はある」って。それで突然「世界は動いてるんだから、やっぱり動かすべきだ」って。それをテーマにやりはじめた『ポニョ』はどうでした? なんて今頃聞くのもあれなんだけど(笑)

庵野:Bパート、いや、Cの途中まではすごい好きでしたね。

鈴木:Cの途中ってどこ(笑)。ばあちゃん話になる前?

庵野:うん。いまの尺でも僕は長いと思いますけどね。

鈴木:いまでも。

庵野:うん、いまでも長いと思いますね。お母さんが宗介を置いて車で行っちゃうじゃないですか。それで二人っきりになるあたりからは、あんまりノレない感じですね。それまではすごいよかったですね。

 

ナレーション

 

庵野特にあのお母さんがいい。

鈴木:えっ。

庵野:お母さんがいいです、もう。

鈴木:お母さんが。

庵野:うん、近藤(勝也)さんがすごくうまい

鈴木:「色気がありすぎるんじゃないですか」って――

庵野:いや、それがいいですよね。いままで宮さんになかったものじゃないですか。

鈴木:そうしたら宮さんがね、「あれは勝也がやってて俺じゃないから」って(笑)

庵野:そうそうそうそう、それがいいんですよ。いままでの宮さんにはできなかったこと。

鈴木:だから、すっごい色気があるんだよね。

庵野:いいですよね。線だけでそれ出すんですよ。

鈴木:だから俺びっくりしちゃったんですよ。

庵野:宮さんが手を入れてないってのがまた良かったんですね。

鈴木(笑)

庵野:あれにまた入れ直したらもうブチ壊しだったのを、それをグッと抑えてるのが大人になったというか――

鈴木:いやいや歳取ったのよ(笑)

庵野:歳を取ったというか。

鈴木:さすがだなあ、よく見てるね(笑)

 

ナレーション

 

鈴木:僕ね、すごい覚えてるのは、スタジオ……あれは(スタジオ・)グラビトン

庵野はい

鈴木:あの、もりやまゆうじ森山雄治)がいて。そこで初めて(鈴木庵野に)会ったの覚えてるんですよ。

庵野:それは(スタジオMINなんですけど、細かく言うと。

鈴木MIN

庵野MINっていうところですね、スタジオMIN

鈴木:あ、そっか。

庵野:桜田にあった、フリーアニメーターが寄り集まってるスタジオ界隈ですね。

鈴木:あのとき自己紹介されたの覚えてるんだよ、俺。順番がちょっとぐちゃぐちゃなんですけどね。ただ、当時もりやまゆうじっていう人と一緒に押井守原作漫画をやってたんですよ、『とどのつまり』っていう。それで、そこのスタジオ漫画原稿取るっていうんで1ヵ月に一回行って。押井守原作を書いて、彼が画を描いてたんですけど。そこで(庵野が)登場して、あの「住所不定なんです」って。

庵野:ええ、家なかったです。

鈴木:だから、ここに居候してるって。あれいくつくらい?

庵野24……ぐらい。

鈴木:えっ、そんななってんの、もう。

庵野:ええ。24、5じゃないですか。

鈴木:あ、なってんの。そうなんだ。

庵野:ええ、23、4。24くらいだったと思いますね。『(風の谷の)ナウシカ』のあとですもんね。

鈴木:あれ『ナウシカ』の直後?

庵野:『ナウシカ』のときも家なかったですから

鈴木:そうだよね。

庵野:ええ。大阪アパート引き払って、とにかくカバンだけ持って――

鈴木東京へ出て。

庵野:ええ、宮さんのとこ行って。で、家はないのかって言われてありませんって。そのときは高校時代友達のところに荷物だけ置かせてもらって。トップクラフトで寝てましたね、寝泊まりは。

鈴木:ああ、あそこで寝てたんですか。あの応接で?

庵野:いえ、応接なんかで寝ないですよ。机の下ですよ。机の下か、隙間。壁と動画机の隙間が60センチぐらいあって。そこで寝てましたね。

鈴木:とにかく『ナウシカ』始まったときに、やらせろっつって。当時トップクラフトってところで『ナウシカ』作ってたんですけど、現れて。なんか原画持って来たんだよね。

庵野:ああ、自主制作やってたやつですね。

鈴木:それで宮さんが気に入って。その画を見て、多分ここがいいだろうっていうんで巨神兵を。

庵野:いきなりですよね。めちゃくちゃです。ズブの素人ですよ(笑)

鈴木:それで粘りのある画面を描いてくれるだろうって。

庵野:いやあ。

鈴木:でも描いてくれたじゃない。

庵野:まあ出来てよかったですけど。でもよく任せましたよね。

鈴木:宮さんの独特の勘だよね。あまり給料払えなかったよね、多分。

庵野:いえいえ! あれは貰えましたよ。

鈴木:あ、本当?

庵野:それまで安かったですから。『(超時空要塞マクロス』のテレビ大学ときアルバイトでやったんですけど、1カット1800円でしたから。

鈴木:1800円!?

庵野:ええ。まあテレビシリーズですから、そんなもんです。1800円です。

鈴木:はあ。でも、あの巨神兵は凄かったよね。粘っこいでしょ。だってあれだけやるのに、あれ秒数どれくらいあったの。

庵野:長いのが十何秒ですか。普通6秒か8秒で、でも伸びてやっぱり10秒になってたと思いますね。

鈴木:それをどのぐらいの期間でやってたんですか。

庵野:1番長いのは2週間ぐらいですね。

鈴木:ああ、でも当時だとそれぐらい、それでもすごいよね。

庵野:んー、まあ巨神兵については一個悔しいのは、中(動画の中割り)を7枚にするべきだったと思いますね。宮さんはあのとき「中5でいいんだ!」って言ってて。でも中5は速いんじゃないですか……って。でも中7にすると枚数が増える上に尺も延びるから間に合わないって、中5でいいって。そして影も2色つけなくていい、1色でいいって。「ええっ~!」というやつですね。あのときは影は2色……まあ、それでも2色は許してくれたんですけど、「3色つけたら殺す」という風にメモがありますよね。

鈴木:やっぱり影を付けたくない人なんですよ。

庵野:ええ、でも大きさはやっぱり影で出せるものがあるじゃないですか。

鈴木:でも、あれは記号から――

庵野:いや、記号からこそ、ですね。でも色々教えてもらったのは、本当に板野一郎宮崎駿、この二人ですね。アニメ技術だけじゃなく、作り方みたいなものも横で見てて。だから僕の師匠はこのふたりですね。実際色々教えてくれましたからね、手取り足取り。

鈴木:いや、ジブリ、西ジブリって作ったでしょ? だからいまトヨタのなかで若い人、22人やってるわけですよ。そういうとこ行って、ちょっと特別講義を……。

庵野(笑)

鈴木:みんな喜ぶよね。でも喋るだけじゃなくて、実際のね、なんかやってくれるといいんじゃないかって。

庵野:昔、宮さんが塾を二馬力でやってたときに、一回行きましたね。でも宮さんって自分が好きか、こいつはいけるっていう人じゃないと教えないじゃないですか

鈴木:そう。やっぱり……依怙贔屓なんだよね(笑)

庵野:依怙贔屓と、やっぱり自分下駄が欲しいので。自分の役に立ちそうな奴しか労力を使わないですよね。

鈴木(笑)

庵野:僕が『ナウシカ』のときに色々教えてもらったのはそれだなあって。巨神兵をこいつにやらせとけば、自分はそれを直す手間の分、ほかのことやれるっていう。それだと思いますね。

鈴木:でも、だってアレやってくれるだけですごいホッとするんだもん。

庵野:うーん、でしょうね。だったと思います、いま考えれば。

鈴木:でも、ラストシーンは『ナウシカ』よかったんですかね、あれで。

庵野映画はあれでよかったと思いますけど。

鈴木:宮さんの最初の案は、とにかく王蟲が突進してきて、そこへ降り立つナウシカ、それでいきなりエンドマーク。それて王蟲の突進は止まると。……これは困ったんですよ。

庵野:いやー、引かれないと困るでしょうね。

鈴木:だから延々、僕ね、それこそ最後のほうコンテが出来たとき高畑さんとふたり阿佐ヶ谷喫茶店で8時間ぐらい、色々話したんですよ。これで行くのか行かないのかって(笑)。それでとにかく現状はいまある案。2つ目がナウシカが死んで、伝説の人になる。で、3つ目がね、死んだあと甦るっていう。それで最後さ、高畑さんがね、「鈴木さんどれが好きですか」って(笑)

内藤:好き嫌いになるんですか。

鈴木:そりゃやっぱ甦ったらいいんじゃないですかねえって。じゃあ、つってふたりで宮さんのとこに言いに行くんですよね。いやー、判断が早くて。「ふたりで決めたんでしょ、じゃあそうします」って。考えないんだよね。

庵野:あのとき見せてもらったのは、巨神兵王蟲が戦うのは、見たかったですね。

鈴木(笑)

庵野:あれかっこよかったですよね。まあ巨神兵は大変でした。僕は全然描けなかったと思いますよ、あのコンテのままだったら。

鈴木:でも――

庵野:見たかったですけどね。

鈴木:でも、あの巨神兵はすごかったよね。

庵野:まあ、宮さんだったら出来たんですね。『ナウシカ』の途中で、最初面接でお会いしたときにはすごく緊張したんですけど、段々それが解けてただのオヤジになっていったんで。普段アニメ作ると、宮さんってフィルターかけちゃうじゃないですか。

鈴木バランスとるんだよね。

庵野:ええ、いい人っぽく。

鈴木:そうそうそうそうそうそう。

庵野:本当はそうじゃないじゃないですか

鈴木:そうそうそう、悪い奴だもんね。

庵野:『ナウシカ』の打ち上げときに言ってたんですよ宮さんが、「人間滅びてもいいじゃん」っていうの。

鈴木:そうそうそう。

庵野:『ナウシカ』の打ち上げときに、最後のほうの相当宮さんも飲んでたときに、スタッフアニメーター若い女の子がひとり食って掛かってて。「人間が滅びてしまうじゃないですか、そんなの作っていいんですか」みたいなことを言ったときに「人間なんてね、滅びたっていいんだよ!! とにかくこの惑星に生き物が残ってれば、人間という種なんていなくなっても全然いいんだ!」っていうのを怒鳴ってるのを僕は横で聞いてて、この人すごいとそのとき思ったんですね。クリエイターとして宮さんが好きになった瞬間でしたね。人そのものに執着してないってのが根っこにあって、あれはすごくいいですよね。

鈴木:「もしかしたら私達そのものが汚れかも知れない」、いやー、もうそセリフ読んだときにね、ああこの人、人間よりあっちのほうが好きなんだって

庵野:『ナウシカ』の7巻は宮さんの最高傑作だと思いますね。まあ巨神兵のくだりは別にしてですね、宮さんの持ってるテーマ性っていうのが、あれに、すごくこう――

鈴木:集約されてる?

庵野:集約されてるっていうか、もう原液のまま出してるわけですよね。本当に、本当はすごくアレな人なんですけど。

鈴木:あの、負の部分っていうのか。

庵野:それがストレートに7巻には出ててよかったですね。『ナウシカ』の漫画にも色々出てますけども、7巻は特にそれが凝縮していていいですね。

鈴木:『ナウシカ』の『2』やらせろって言ったのはいつなの?

庵野:あれは……『ラピュタ』のころだったと思いますけど。吉祥寺で言った覚えがあります最初にね。

鈴木:あれはだけど俺、宮さんに真剣庵野がやるならいいんじゃないですかって。俺はこう説得したんですよ、宮さんを。「3部作にしたらどうだ」って。そうするとね、多分2本目は、宮さんが書いてるように、ある種、殺戮映画だと。第2部はそういうことでいうと、さあ、このあとどうなるんだろうという、そういう映画を作ればいいわけから庵野がやれば絶対面白くなると。で、その締め括りをね、宮さんが第3部でやったらいいんじゃないかって。いい説得でしょ。

庵野(笑)

鈴木:そしたら怒っちゃって。やめて下さいって(笑)

庵野:僕がやりたいのは7巻ですけどね。

鈴木最後じゃない。

庵野:ええ。

鈴木:未完だもんね、一応、あれで。

庵野:未完……いや、もうあれで十分だと思います

鈴木:十分(笑)。本人は未完なんだよね?

庵野:まあ、あのあとも語りたいです。

鈴木:いやかくね、宮崎駿に関して語らせたら一言も二言も、一家言も二家言もあるっていう。

庵野:いやいや、そんなことないです(笑)

鈴木:いや、ずっと一所懸命見てるじゃない。

庵野だって一応師匠ですから

鈴木:『ナウシカ』でどれくらいの期間いたの。

庵野:2ヵ月半くらいですかね。

鈴木:そしたらさっきの、もりやまゆうじのところに居たってことなのね。そしてしばらく経ったら、また『火垂るの墓』のときに現れたんだよね。

庵野:ええ、そうですね、就職活動ですね、仕事がなかったんで。宮さんのとこ行ってなんか仕事ないですかって。『トトロ』のオープニングをやるか、高畑さんのほうでなんか戦艦を描くのがいないっていうんで、じゃあそっちをやるかどっちだって。宮さんは前にやったんで僕は高畑さんと仕事ときたいですって。

鈴木:そうだよね、覚えてる。それで戦艦イルミネーションと――

庵野:ええ、イルミネーション花火の。実際には重巡ですけどね、戦艦じゃないですね。

鈴木:で、やってもらったら、なんかのときに話したら、よく覚えてるんだけど「二人のこともよくわかったんで」って(笑)

庵野:ああ。とりあえず一度仕事すれば、だいたいわかります

鈴木:で、終わったらいなくなっちゃったのよ。

内藤:そうなんですか。それでひたすらそれを、超えるために。

庵野:超えよう超えようと。

内藤:それで超えたときに人はどうするんですかね。なんか達成しちゃうじゃないですか。

庵野:ああ、でも次の敵が来ます。次の仮想敵が出るだけです。

鈴木富野由悠季)さんなんかはそう言ってたね。

庵野富野さんはそれでずっとやってる人です。

鈴木:はっきりしてる。

庵野:ええ、必ず敵作ってやってますね。

鈴木:……そうだよね。

内藤鈴木さんは仮想的とは違うんですけど、高畑さんの話をするときに――昨日もそうなんですけど――毎回高畑さんの話するときに、その当時の怒りが込み上げてくるみたいで……。

鈴木:いや、そりゃ色々ね。高畑さんって……曖昧じゃないからね。昔、押井守雑誌で対談したときに、押井守が『赤毛のアン』の第1話、これが僕がアニメーションをやるときに非常に大きな影響を与えられた。簡単に言うと、30分の話を30分でやっていた。こんなことテレビシリーズでやっていいのか。それで勇気づけられた思い出がある。そこに描かれていたのは日常を描くっていうことで……って言った瞬間、高畑さんがね(語気を強めて)「あなたが使ってるその『日常』っていうのはどういう意味なんですか」って言ったのよ。そしたら押井さんがね、黙りこくったんだよね。

庵野押井さんを黙らせるっていうのすごいですよね。

内藤:やっぱり高畑さんにはありますよね、そういうの。

鈴木:仮想的ではないんだけど、ねえ。

庵野:「ねえ」とか言われても僕知らないですよ(笑)

鈴木:うーん、甦るんだよね。

 

ナレーション

 

鈴木:宮さんにとっての仮想敵は? わかりやすいよね、高畑勲だよね、やっぱりね。

庵野:ずうっとそうですよね。

鈴木:そう。いまだに毎日喋ってて、誇張すれば半分は高畑さんの話だもの

庵野:いや、そうだと思いますよ。

鈴木高畑さんがいるから作ってる。高畑さんが作ろうとするから作る。おまけに高畑さんに作ってもらいたい。それが変わってないもんね。この期におよんでね、画コンテ描きながらね、「こういう画コンテ描いたらパクさん(高畑)に叱られる」って(笑)。なんちゅー純粋な人だろうと、そこは。

庵野:何回も挑戦してますよね、高畑さんを超えようと。そのたびに思い知ってるような気がします。

鈴木:やっぱり宮さんはね、高畑さんという大きな存在に包まれてる、と自分で思ってるんだよね。面白いんだよ。

??:(聞き取れず)

鈴木:やっぱり、ありますよね。まったく宮さんは宮さんの道行け、だから俺は勝手に行く、じゃないんですよね。やっぱり宮さんという人と一緒に作って来たわけでしょ。それで作ってきた人が、こうやって世間から認められて。それでいま作ってるものに対して、誰よりも関心が深い。誰よりもその内容を見返して、内容を把握して、それを自分のなかで整理しようとする。気を許すわけにはいかないよね。それが自分にある種の緊張をもたらしてるのは確か。それは高畑さんすごいですよね。だからそういう人が、誰かがいるから俺もやるみたいなことは大きいですよね。だから押井守もそうだったね。もし宮さんがいなかったら、宮さんみたいな映画作りたかったって。同時代に宮さんがいるから、俺はこんな変な映画作るんだと。自分で言ってましたけど、「変な映画」って(笑)

庵野:いいですね。

鈴木:『スカイ・クロラ』見た?

庵野:あ、見ました見ました。

鈴木:どうだった。

庵野:僕はまあ、面白いかなと。

鈴木:そうなんだ。「かな?」。

庵野:かな、と。

鈴木:どういう意味それ、「かな?」って(笑)

庵野:とりあえず寝ないで最後まで見れた(笑)

鈴木(笑)

 

(以下に続く)

http://anond.hatelabo.jp/20121204035736

鈴木敏夫ジブリ汗まみれ 2010年1月5日 庵野秀明ゲスト回その1

ナレーション

 

食事をとりながら鈴木庵野雑談

 

ナレーション

 

鈴木:いやあ、きょうはね、教えてもらいたかったんです。というのはね、『バッタ君(町に行く)』の……魅力。

庵野はい。魅力……。

鈴木:僕は正直言います告白します。お話のほうがね、なんでこういうものが作られたのかなって、見てるうちに終わっちゃったか(笑)、そこに気を取られて。アニメーション的にどうのこうのの前に、なんでこんなもの作ったんだろうって。だからきょう教えて欲しかったんです。

庵野:まあアニメーションとして好きっていうことですね。

鈴木アニメーションとして優れていますか。

庵野:そうですね……やっぱりアニメーション技術としてすごいと思いますね。やっぱ当時のアメリカは、ディズニーも、MGMも、ワーナーも、やっぱりすごいなって。

鈴木:どういう技術が優れてたの。だってバッタ君』好きだと思ったんでしょ?

庵野:『バッタ君』は好きですね。

鈴木だってEVA』を作った人が『バッタ君』を好きなんでしょ。これみんな聞いてみたいよね

庵野:画で描いて、動かす……なんていうんですかね、エネルギーみたいなものですかね。日本とはもう桁が違うぐらい当時は差があったと思いますね。1940年代ですもんね。

鈴木:41年。

庵野戦前ですもんね。もしくは戦中ですよね。

鈴木太平洋戦争が始まった年。

庵野戦前、戦中、戦後はもう、やっぱり桁が違うと思いますね。

鈴木:ああ、その時代ね。

庵野:ええ。

鈴木戦争挟んで、10年ぐらい。

庵野日本東映動画ができてからはどんどん追いついていったと思いますけど。技術的な部分とかそういうのも含めて。でもあの時代はやっぱりアメリカ世界一ですよね、アニメーション技術は。その技術集大成ひとつだと思いますね。まったく。まあ話は子供向けなんだか、大人向けなんだか、ちょっと、どっちなんだろうってとこはありますけども。

鈴木:あのー、ロトスコープっていうの、アレ? 人間の部分は。

庵野はい

鈴木:あれは正直言うとびっくりしたね、改めて見て。なんかすんげえなと思って。今のみんなが、いわゆるコンピューターでやることを、ああ昔の技術ではこうやってやったんだなって。で、それがあまりにもリアリティがあって。その対照としての虫たちがああやって描かれるでしょ。だから少しそこに世界が違いすぎるから違和感があって。

庵野:ああ、それはよかったです。

鈴木人間のほうがすごく見えちゃったんですよ、僕は。だから、いきなり虫になると漫画になるじゃない。それが、もっと人間を見たかったなって(笑)。で、それを人間がやってるんだと思うとドキドキしちゃって。脚だけしか出てこないのに。でもそれが凄かったから。やっぱり機械じゃなくて人間がやったと思うとすごく見える。それと『(崖の上の)ポニョ』じゃないけれど、やっぱりすんごい描きまくってるね。動きまくってるというか。あのー、『カールじいさん(の空飛ぶ家)』。

庵野はい

鈴木:見た?

庵野:まだです。

鈴木:見てない? ちょっと――ちょっとびっくりしたんですよ。これもね、お話じゃないんですよ。隅々までエネルギーが満ちてて。だから絵筆じゃないけれど、コンピューターでやってるんだけど、ひとりひとりのスタッフの持ってる、描きたい、動かしたいというエネルギー。すごいですね。驚きました。そして、やっぱり比較しました。いろんなところと。いま勝てないと思った。で、そういうスタッフがどんどん育ってる。ちょっとすごいです、あれは。

庵野ピクサー最近食わず嫌いやめて見るようにしたんですね。

鈴木(笑)。どうかなあって思ってたんだけれど。ピートドクターっていうの、監督のね、よく知ってたんで。ちょっと見ようかなって思ったら。ちょっと全然別のそういう感想持っちゃった。お話とかそれは、まあ、ねえ、置いといて。とにかくスタッフがのびのびと、しかもやりたいだけやってる、やりまくってる。それってやっぱり作品を色々膨らませてるよね。

庵野:いや、ピクサーはすごいですね。

鈴木:うん、だから、もしかしたら『バッタ君』も、それに満ち溢れてたのかなあって思って。

庵野アニメーターが多分好きにやってるとは思いますよ。枚数制限なく。

鈴木:一切ないよね、あれ。

庵野:ええ。

鈴木だってすごい余分なところでも動いてるもんね。

庵野:ずうっと動いてますね。

鈴木:うーん、やっぱり凄いのか。

内藤映像に音声をつけるとか、カラー化でディズニーに先を越されてしまって――。

鈴木彼女担当なんだよ。あのー『バッタ君』の担当の、あのー……なんていう名前だっけ。

内藤内藤まゆです。

鈴木:ああ、内藤っていうの。フライシャー兄弟が超えようとしたんでしょ?

内藤はい。けど最終的には越されてしまったんだけど、さっき鈴木さんが仰ってたロトスコープだったり、あとは背景に奥行きを与える、模型を使ってやることで――っていう、そういうセットバックっていう方法を考えて、ひたすら、こう、追い越せーみたいな。

鈴木チャレンジ精神が厚い人だよね。俺はね、『ポパイ』はね、見てたんですよ。フライシャー兄弟でしょ、あれ。子供ときにね、幻灯機っていうのを買ってもらって(笑)。そしたら付いてきたフィルムがね、『ポパイ』だったんですよ。それでね、初めて35ミリフィルムっていうのを見て。これで回すとさ、動くわけじゃない。それで気になるわけよ、一枚一枚の画はどうなってるのかって(笑)。それが子供ときの体験。それで初めてね、幻灯機をね、色々いじるわけ。どうして動くっていうのを思って(笑)

内藤:たしか不思議ですよね。画が繋がってるだけで。それを映しても、なんでそれが動いてるように見えるのかって、すごく不思議で。

鈴木:そうなんだよ。それで子供ながらにね、色々分解したりしてるとね、わかってきたんです(笑)

内藤:えっ、幻灯機をですか。

鈴木:そうそうそうそうそうそ(笑)。って言ってもたいしたあれじゃないけどね。『ポパイ』って、僕は昭和23年で、戦争が終わって3年後に生まれた身としてはですね、漫画って言うと日本漫画もあったけど、一方で『ポパイ』だったんですよ。そのぐらい強烈な印象で。だから、まさかその人の、あれが最後の作品? 『バッタ君町へ行く』。だから、興行的に上手くいかなかったわけでしょ。だからディズニーってのは商業的に上手くいったからね。

内藤庵野さんは、あの作品の中でどのシーンが一番お好きなんですか?

庵野:牛の住んでる楽園が、人間の手でこう次々に壊されていくスペクタクルですね。あれがすごい一番。ええ、工事のシーンですね。工事の車とかシャベルとか無機質さと、この右往左往する虫の動きの、このコントラストっていうんですか。そういうのも含めて、大スペクタクルですね。手で描くのを知ってると「よくまあこんなのを……(苦笑)」とは思いますね。それだけでも、もうすごいと思いますね。

内藤鈴木さんは好きなシーンありますか。人間以外で。

鈴木:俺? 俺はねえ、あの屋上へ行ってね、こうやってアメリカは滅びて行くんだなあっていう(笑)

庵野:結局、楽園ですらも人の手で人工的に作られないと虫は生きていけないっていうことですね。

内藤:当時はもう、ああいう高いビルはいっぱいあったんですか。

鈴木アメリカはそうなのよ。エンパイアステートビルをはじめ、いわゆる高層ビルアメリカの象徴だったから。相当昔から造られてんだよね。いわゆる地震の少ない国だったから。

庵野:なぜ「町」だったんですかね、あれね。

内藤タイトルですか。

庵野:まあタイトルもそうだし、なぜ町を舞台に虫の話をしたんだろう。

鈴木:うーん……。だからまあ多分アメリカっていう国が大きな変化を遂げていった、1950年代、大繁栄を迎えるわけだから。その大繁栄のなかでアメリカ人が見失っていくもの? そこらへんのを予感したんじゃないかな。

内藤:すごい不思議だったんです。そんなに歴史詳しくないんですけど、真珠湾攻撃の直後に公開してるのに、なんでこんな平和というか、一見呑気な話が作れるのかなって。

鈴木世界大恐慌ってあったじゃない、1929年。結局アメリカの、ねえ、そういうのから始まるわけでしょ。それで結局色々やったけれど、ニューディール政策その他。アメリカ復興できなかったんですよ。ところがヨーロッパ戦場になることによって、その恩恵に預かって、それでアメリカ復興していく。結局その戦争を待つことによって景気回復したんだよね。だから、やっぱりこの映画が作られたころ、アメリカは非常に豊かだったんですね。方や日本は、っていう。貧しい国でしょ。小さな国で。やっぱり宮さん(宮崎駿)なんかもね、およそアニメーションを目指す者はこれを見なきゃ始まらないみたいなそういうコメントを寄せて。

庵野:まあ僕はそう思いますね。少なくともアニメーターは見て損はないと思いますね。

鈴木:なんか、ここのシーンだっていうところはあるの? ここがすごいって。

庵野:全編すごいですけど、やっぱり最後クライマックスの壊れていくところ。あの虫のモブを一枚一枚描いている。

鈴木:頭おかしいよね、あれ。

庵野:あれは凄いですね。

鈴木:俺、どっちが先か判らないけれど、僕は……誤解も与えますが、宮さんの一番すごい仕事って、やっぱり『ホルス(太陽王子 ホルスの大冒険)』だと思うんですよ。最後モブシーン。あれ宮さんだよね。いろんな人が縦横無尽に動く。それで空間がどんどん広がっていく。あれはちょっと舌を巻くんですよ。

庵野:宮さんのモブは本当にすごいですよね。

鈴木:うん、それで……あれ以来見たことないんだよ(笑)

庵野:やっぱり若いというのはね。

鈴木:いやー、あれはすごいよね。

庵野:すごいです。

鈴木:こんな風に人がね、動いて、しか人間の手で描いて、こんなシーンが作れるのかって。最初に見たときラストシーンどういう人がこの画を描いたんだろう、設計をしたんだろうって。それで後で聞いてね、やっぱり宮さんだってことがわかって。うーん、「すごかったんだなあ」なんていうと怒られちゃうけれど(笑)

庵野:いやあ、アニメ-ターとしては超一流ですよ。『(空飛ぶ)ゆうれい船』とかも好きですけどね、宮さんの仕事だと。

鈴木:やっぱり過不足なく描いてたものね。

庵野東映で、ここはすごいっていうところは大体宮崎駿原画のだったりしまからね。

鈴木:ああ、なるほど。……宮崎駿のことはいつ知ったの?

庵野:「アニメージュ」だと思いますけどね。

鈴木:じゃあ大学生とき

庵野大学……いや、高校のときですね。意識したのは『(未来少年コナン』ですね。その前も好きでは見てたんですけど、なんだろう、ちゃんと見るようになったのはやっぱり『コナンからですね。

鈴木リアルタイムで見たの?

庵野リアルタイムですね。妹とチャンネル権の争いで、なんとか。

鈴木:えっ、裏になんかあったの?

庵野:裏は『(女王陛下の)プティアンジェ』っていうアニメが。

鈴木:『プティアンジェ』ってのがあったの(笑)

庵野NHKからっていうのでなんとか親を説得して。

鈴木:「NHKから(笑)

庵野1話を見たら、親が続きを見たくなってくれてですね。そのあとは毎週ちゃんと見れるようになった。それまでは『プティアンジェ』でしたからね。

鈴木:そうなんだ(笑)

庵野:『プティアンジェ』、オープニングだけ見ればいいんだって

鈴木:そうなんだ。……それ以来ずっと注目してるの?

庵野:そうですね、あとは『カリ城ルパン三世 カリオストロの城)』ですね。

鈴木1978年、79年か。

庵野:あれは劇場に見に行きましたね。

鈴木:満足しまたか

庵野:2回見ましたね。僕のほうは田舎だったので同時上映があって、そのあいだはロビーに出て。

鈴木:『カリオストロ』はねえ、たしかにねえ。僕が初めて(宮崎駿に)出会ったころです。

庵野:いいですよね。

鈴木:よく働いてた……。

庵野:あれが(制作期間)半年ってのはやっぱりすごいと思います

鈴木:作画4ヵ月だもんね。

庵野:ええ、あのスピードはすごいですね。

鈴木会社から言われたのは3ヵ月で、それで1ヵ月余分にもらって。

庵野:あとでなんかあって「もう1ヵ月あれば」って言ってました。

鈴木だってコンテ描き直したもんね、あのローマ水道のとこ。

庵野:あそこは僕にもなんか悔しいって言ってましたね。

鈴木:でも宮さんって、そういうときに描き直す人なんだよね。

庵野:まあ現実的でいいですよね。できる範囲のものに落とし込むっていう。

鈴木:だから……見てて、よく宮さんがね、「理想を失わない現実主義者」って。これ宮さんも言うし、実は元は高畑(勲)さんかなっていう気もするんだけど。ふたりともそうなんだけど、その理想現実の――なんて言ったらいいかな。微妙ふたり違うんだよね(笑)微妙に違うんだよ。

庵野高畑さんはそんなに詳しくないんで……。

鈴木:よく知ってるくせに(笑)

庵野:でも、こわい人だとは思いますけどね。

鈴木:でもよく覚えてるんだけど――『ホルス』だとね、村があるんだけど、一人狡猾なおじさんがいるじゃない。その人がいることによって村が成立している。(『風の谷のナウシカ』の)風の谷の方はね、300人くらいいて、ああいう悪い人がひとりもいない。

庵野:ええ、みんないい人なんですよね。

鈴木:一種、理想主義に貫かれてるでしょ? それで映画見るとね、高畑さんは一方で現実映画のなかに入れようとするし、宮さんはその現実は置いといて。ところが映画作り始めると、宮さんは間に合わないと思ったらコンテを変えてでもその映画を完成させようとするっていう現実主義があるのよ。高畑さんは違うんだよね。

庵野:変えないですよね。

鈴木:変えない。それで遅れたときもね、「それは僕には責任ない」と。「それはプロデュースサイドがコンテができたときに把握してるべきだ」って貫くんだよね。映画のなかは非常に現実主義なのに、映画のなかは。やり方は理想主義というか(笑)

庵野:まったくです。

鈴木:でもふたりのそういう差って、なんですかこれは。

庵野:なんですかねえ。

鈴木:で、宮さんなんかは非常に面白いって思ったのは、結局、『ホルス』作ったあと、それこそ『コナン』もそうだけど、『ナウシカ』もそうだけど、『ホルス』をひきずるでしょ?

庵野はい

鈴木高畑さんは違うんだよね。全然違うものを作り始めるんです。

庵野:まあ宮さんのほうが根っこがいい人なんじゃないですか。

鈴木高畑さんに聞いてみたことがあるんですよ。なんでファンタジーやらないのか、って。そうしたらやっぱり『ホルス』で創造できるもの創造し尽くした、と。でも、唯一その世界に持ち込めなかったのが『思想』である、と言ったんだよね。そうするとファンタジーっていうのはそれが出来る人がやらなきゃ意味がない、それが自分の総括だ、って。僕が聞いて、高畑さんいまになると違うって言うかもしれないけど、すごい印象に残って。だから宮さんが『ホルス』をひきずって。なんかっていうと『ホルス』みたいなのに戻るでしょ、宮さん。

庵野:ええ、基本はそこですよね。ずっと『ホルス』のリメイクをしてるようなね、感じがしますよね。

鈴木宮崎……オタクとしてはどう思いますか? なんつって。オタクじゃないか(笑)

庵野別に宮さんオタクじゃないですよ。

鈴木(笑)。でも面白いよね、そういう宮さんも『バッタ君』のアニメーションの部分って非常に着目してるし。

庵野:やっぱり宮さんは基本アニメーターからだと思いますね。僕もアニメーター上がりなので。

鈴木:やっぱそこなんだね。

庵野:今でもやっぱり原画とか動画とかやっちゃいますよ。

鈴木:ああ、自分で。

庵野:ええ。間に合わないときは。

鈴木:宮さんがいま、原画やってるんですよ、自分で。やり始めたんです。本編やってるでしょ、それでその横で美術館用の短編やってるんだけど、「スタッフがいない」って。最初1分でやるって言ってたのが10分になるからいけないんだけど。老骨に鞭打って。でも結構楽しそうに。でももう69なんだよ。アニメーターっていつまで描けるんですか?

庵野:目と手が動けば大丈夫じゃないですか。

鈴木:手が動けば大丈夫? 本人もう動かないって言ってんだけど(笑)

庵野:やっぱり、目と手ですよね。

鈴木:目は大丈夫なの?

庵野老眼きました。

鈴木:ああ老眼が。もう50になったんだっけ?

庵野:まだです。いよいよ。50代なんて来るとは思いませんでした。

鈴木:宮さん喜んでるよ。「庵野っていくつになったの」って言うから「もう50だと思いますよ」っつったらすごい嬉しそうに。

庵野(笑)

鈴木:「そうか!」つって。「歳取れっ」って。「俺の苦しみがわかる」とかなんか言っちゃって(笑)

庵野:僕が50になったら宮さん70じゃないですか。

鈴木:でもみんな……歳を取ってきたんですね……。

内藤:その宮崎さんが「アニメーターをやる奴は見ておくべき」っていうインタビューをしたときに仰ってた言葉を(『バッタ君』の)宣伝の柱にしてたんですけど、やっぱりアニメーターを目指す方って一部じゃないですか。

庵野:すごく少ないと思います

内藤:もちろん、その人達にはできれば来て欲しいとは思ってるんですけど、やっぱりそれ以外の人に、どう魅力というか、アニメーターは目指していないけどちょっと気になるとか、そういう人に来てもらえるのかなっていうのを考えていて。どうしたら人の心に響くようにできるんですかね。

鈴木:あの作品を?

庵野:僕が『バッタ君』を宣伝するんだったら、ビデオで宮さん撮って、それをテレビで流しますね。ワイドショー枠的なものとかで。それぐらいだと思います。だからバッタ君』を流すよりは宮さん流しますね。それでこっちにちっちゃく枠でそれを流して、なんか宮崎駿お墨付き、これ、っていう。そういう風に。

内藤:そこだけ切り取って。

庵野調子のいいとこだけ切り取って、もう編集して。もう、ほぼ捏造でもいいから、そういう風にして流しますね。それで、あとで宮さんには謝ります。ごめんなさいって。

内藤鈴木(笑)

(以下に続く)

http://anond.hatelabo.jp/20121204035509

2012-11-27

http://anond.hatelabo.jp/20121127001726

アニメーター薄給ネタは「平均値」らしいから、やっぱ食えてないのが現状なんじゃない?

I.G.はかなり恵まれてる部類だろうから、入ってくる奴も技術あるだろうし、給料もそこそこちゃんと出してるんじゃないかな。

食えねえ奴は下手糞で、食える奴が1割、って世界かもしれないしね。

2012-11-26

石田敦子アニメがお仕事」読んだ。

面白かった。いち勤め人にとってはいろいろ考えさせられた。

恋愛がらみのごたごたが閉める割合ちょっと大きすぎるかなあとは思ったけど。

やっぱりどこでもいっしょなのな、と思ったのは、スピード大事だっていうところ。

仕事のやり方は教えてあげられるけど、スピードは教えることができない。自分で考えて効率良くできる方法を探すしかない。

とくに、やることがたくさんあるときは、何が大事でどういう優先順位でやればいいのかっていうところを考えて作業するのが大事

とかそういう部分。

あとは、仕事が好きでやるかどうかとかそういう部分かなあ。。。

アニメーターって仕事をのぞいてみたくて読んだけど、想像外の部分で勉強になることが多いマンガだった。

http://anond.hatelabo.jp/20121126142353

残念ながら委員会出資のものが”儲けが無いものお金を出して一部あたれば赤字が回収できる”というビジネスモデルで成り立ってるのが今のアニメーションコンテンツだと思う。

アニメ会社おもちゃ屋にスポンサライズしてもらえるほど発言力も企画力も無い。

ほとんどの会社が製造工場に徹してるのが現状。

からないって、そりゃ自社出資しなきゃ儲からないよ。

映像制作費だけで稼いでる会社の方が大半で、版権なんて持ってない。

そんな力が無い状態だから現場に回るお金だって少ないのに、それを受けざるを得ない。

東映サンライズufotable京アニみたいに自社出資してるならいざ知らず

ほとんどの会社リスクを背負わず搾取されることを望んでるようにすら見える。

それともパチンコ屋に子飼されるサテライトみたいになるべき?

若手のアニメーター給料が低いのはまた別の問題が絡むけども、少なくとも会社は稼ぐことより延命することしか考えてない。

そんな業界じゃ稼ぎようがないよ。

少なくとも、テレビシリーズにおいて動画予算から1割会社が抜いて残るお金なんてたかが知れてるから

そのまま還元しようと思えば出来るんだよ。そんなたかが知れてるお金が欲しいんだ。

少なくともこれは有名だったり発言力のある監督一部の人たちではなく

倒産を数回食らってそれでもなおアニメ業界に食らいつこうともがいてる自分意見だよ。

http://anond.hatelabo.jp/20121126142353

どこの話をしてるのか知らないけど、いまだ若手のアニメーター給料は低いままでしょ。一部の発言力がある一部のアニメ監督とかのケースと、その他一般のアニメ業界を一緒に語っちゃだめだよ。

お金を持ち寄って、って言ってるけど、広告代理店テレビ局出資してるのは、自分たちの身銭じゃなくて、スポンサーが出したお金を一部懐に入れて残りを流してるだけ。それはずっと昔から同じこと。あるいは一部身銭を切っているのかもしれないけど、売上の見返りの大半を持っていく。広告代理店が儲けもないのに出資するわけないじゃん。

2012-10-30

http://anond.hatelabo.jp/20121030004434

アニメーターは辛いと思うし可哀想だと思うのだけど、これは単に君の技術の問題なんじゃないのか。

君が思ってる以上に一般人職業アニメーター尊敬してるし勿体無いと思うがな。

http://anond.hatelabo.jp/20121030004434

じゃあ何の為にアニメーターになったんだ。

酷い労働環境であることは百も承知だったんじゃないのか。

辞めた

今日アニメーターを辞めることにした。

正確には会社をバックレた。

責任とかモラルとか、もう、わかってるけど、いい。どうでもいい。叩け。

とにかく今ドアを出て会社に向かいまた1週間を始めたら俺は 

壊 れ る。

「うちの会社ノルマとかはないよ。基本給+枚数をこなせば作業手当として給料は上がる。」

なのに、基本給は実は「最低限の枚数をこなしたという前提」で設定されていたんだ。

作業枚数が、会社の設定した枚数に満たない場合、基本給がマイナスされていく。

募集要項にはこう書いてあったんだ。

基本給+住宅手当+皆勤手当で15万円。アニメ業界初任給としてはかなりの高額だ。

でもそんなうまい話はなかった。 

給料日、俺の手には諭吉が7人しかいなかった。

09:30 会社に行く準備をしていると、じんましんが出てくる。

09:50 家を出る。太陽光を浴びる唯一の時間

10:00 出勤。「おはようございます」の言葉が空しいほど皆無言。

12:00 机で黙々と昼食。食欲がないのでせんべい1枚をかじる。特に会話はない。

14:00 外は太陽が降り注いでいるが会社電気すらついていない。モニターでの色確認などのため。

18:00 夕方を過ぎると微熱が出てくる。時には38度越える。 

20:30 パンを食べる。

22:00 集中力限界だが手を動かさないと仕事が終わらない。

23:30 正直アニメとかどうでもよくなってきて帰る。俺今日誰ともしゃべってねえ。

09:30 じんましん。以下永久ループ

絵を描くのが好き?そうだっけ?

俺が描いてるのは絵じゃなくて線にしか思えない。

10万そこらで10時間も線だけ描いて、俺はいい歳して社会に何を貢献しているの?

50代の作画監督見てたら、あんな大人にはなりたくないとしか思えない。

俺こんなことするために生まれてきたんじゃねえよ。

他人様の現実逃避材料を生み出すために、うどんも食えないほど憔悴するなんて。

最低限の生きる権利を保障されながら金を稼ぎ、納税したい。

社会保険とか年金とかちゃんと払って、いつかは家庭を持って子孫も残して。

当たり前だと思ってたことすべてが、このままじゃ何ひとつ出来ない。

「人並み」の人生を生きるのってこんなに大変だったのかよ。

好きなことを仕事に?笑 やりがいを感じる仕事?笑

まじ馬鹿みてー

2012-10-11

http://anond.hatelabo.jp/20121011110640

だいたいにして今就活しようとしてる奴ってのは言ってしまえばデモシカ教師ならぬデモシカ就活生みたいなもので、

就職って言うのはそういうもんだろ

何言ってんだこのアホは

みんなが「子供の頃からの夢なんです」みたいな就職しかしちゃいかんなら社会崩壊してるわ

子供の頃からの夢どおりにアニメーターになった俺だからこそよくわかる

2012-09-21

http://anond.hatelabo.jp/20120921122856

自ら人権なんていらない、奴隷になりたいと志願してきたやつを望みどおりに扱って何が悪いって話だよな

そんなに人並みの生活がほしいなら別の仕事探せば?

アニメーターで人並みの生活がほしいなら途上国行けば?

ってわけだ。

アニメーター給料が低い

のが何で悪いのかサッパリ解らん。

代理店が半分持ってく、作る金残らん言いよるけど、代理店制作委員会幹事じゃろ。

一番リスク背負ってマネージメントして、スポンサーやら制作会社渡りを付けるんじゃろ。

要するにiPhoneでいうアップルやんね。

で、アニメーターなんてのは、言わば中国の組み立て工場で働いとるライン工じゃろ。

言われたとおりにリスクも負わず描くだけやろ。

で、そんなんでもなりたいつって専門学校出てまでやりたい奴がいっぱい居るんじゃろ。使い捨て出来るんじゃろ。

…解らん。

勝負仕掛けてるのは代理店とやらで半分持ってくのは正当な取り分だろうに。

ノーリスクアニメーターが不遇つって文句いうのが解らん。

どう考えても言える筋合い無いもん。

2012-09-11

http://anond.hatelabo.jp/20120910154344

あるもの好きな人が、そのあるものを守ろうとするのはただただ自然なことだと思う。

低賃金アニメーターに支えられたクールジャパンなどどおだてられていたもの現実は景気相応で青色吐息アニメ産業

え?一体何を守ろうとしてるの?

そんなつまんないスポーツ新聞の記事より、アニメを守ろうとするならもっとなにか大事なことがあるんじゃないの?

ああ、アニメが好きなんじゃなくて、アニメを見てる自分が好きなのか。それは守らないとね。

2012-09-09

http://anond.hatelabo.jp/20120909044416

アニメーター給料低いのは人員が供給過多&アジア系ライバルが多すぎるから

契約書問題はただの法律軽視

そういうパワハラ下請法違反

資本主義的問題と法治国家的問題ごっちゃにしてどうする

http://anond.hatelabo.jp/20120909041301

面倒なことを引きずる時間と体力があるなら早く次の絵を描きたい

 

例のような人を助けるために

「払ってくれない時どうしたらいいか」みたいなサイト

だれか法律に詳しい人が率先して作ってくれるといいかもね

 

ネットで騒いでお金もぎ取れるわけじゃないじゃん

だいたいアニメーターとかもうずーーーーっと何十年も「賃金低い」って言い続けてるけど

別に改善されてないし、遠くからワーワー言ってもなんの意味もないよ

声をあげて、で、何になんの?何のために?スト?笑

2012-08-21

京アニオワコンになった最大の原因

原作でもプッシュされないようなキャラクターを全員メインキャラ化したり(尺時間稼ぎ)、

某クソPのせいでキャラソンドラマCD化、担当声優実写ドラマとやりたい放題したり、

脚本力の低さが今まで作画力カバーしてたことが日常で露呈してしまったのが主要原因だろう。

最大の原因はヤマカン京アニの優秀なアニメーター達を引き連れて独立したことだ。

その3年後にアニメ化した涼宮ハルヒ2期が京アニ凋落を示している。

2012-08-10

アニメータースタッフ本についてもやもや

アイマスまどかを始めとするアニメータースタッフ本について

こういう原作ファンにとってほぼ公式として受け取られかねないような本はもっとこっそりひっそりやるか、

何千部単位で刷るような規模でやるならちゃんと権利関係クリアにして企業で申し込むなり

商業ベースに乗せるなりするべきなんじゃないかなあ。

特にまどかみたいにオリジナルアニメ場合会社的にもクリアにしやすいんだから

企業としてスペース取って会場限定同人誌として売るべきだったんじゃないかと…、

版権アニメスタッフ本の話を目にする度思うんだけど

自分権利がない、仕事で関わった作品の仕事内容を

許可とらずに公開したり売る事自体も、どうかと思ってしまう。

仕事で関わっていない作品の同人誌なら個人のファン活動ですよーって建前も使えるが

スタッフ本は難しいんではないかな…

はてブコメントにもあったけど、小説家漫画家自分権利持ってる自分の作品の資料集を出すのとは全然違うし。

勝手にやってる二次創作が溢れかえってるコミケで何いってんだと思う人も居るかもしれないけど、

それとはまた違う違和感が拭えない

有名原作コミカライズをやってる作家編集部や版元に無断で線画集設定資料集出してたらありえないと感じるけど

アニメスタッフ本てそれのさらに規模が大きい版のような…そんな感じ

作品ごとにスタッフが集まって出すスタッフ本って

アニメーター個々人がいろんな作品の原画自分原画集として細々売ってたのともまた違う感じがする

まりにも公式らしさが強すぎるし、個人の活動ですというには

公式スタッフが集まりすぎてるし規模が大きくなりすぎてきてるんではないかなあ

現場アニメーターさんに還元してあげたい気持ちはすごくあるんだけど

こうやって作品名をガッツリ使ったスタッフ本でやるのはどうも違う気がしてしま

考えがまとまらないけどどこかに書いておきたかった…

スタッフ本に感じる違和感をうまく説明してくれてる人いないかなあ

ずっともやもやしてる

2012-08-08

http://anond.hatelabo.jp/20120808162507

スターアニメーターとして充分やってきてる人はあえてソシャゲ業界なんて首をつっこみたがらないのでは?

http://anond.hatelabo.jp/20120808155225

お答えありがとうございます

無闇にもっと描き込めって言うんでもないんだけど、

具体的に言うと『シンデレラガールズ』のイラストって

杏仁豆腐を頂点に、その影武者イラストレーター群で出来てるじゃないですか。

杏仁豆腐ってそこまで豪華なイラストレーターかなって。


例えばアニメ版メインアニメーターである

錦織敦史に数枚のレアカード描かせるとか

同じくすげー上手いアイマス絵を描くアニメーター

吉成鋼に描かせるとか

そういうのはプロから見てナシですか?


(なんか自分で書いててもう

 やや客層外した案のような気もしてきた…)

2012-07-25

アニメーター板垣伸ってお前らがいう程クソなのか?

迷い猫は作品自体知らないか分からんけども。原作レイプといってアニメのものの可能性を追求しない弱腰アニメーターこそにそもそも問題がある。

バスカッシュ!の評価でクソみたいになってるのはあくまで中盤以降。初めからアニメオリジナルみたいにした板垣の手腕が発揮された前半は間違いなく良かった。

BLACK CAT原作がクソ。ジャンプ読者なら原作がクソなのは誰でも知ってる事実アニメオリジナル面白くできたのは板垣本領

ベン・トーの評価で酷いとしてるのはあくまで原作信者からのものだけ。新規からはかなり受け入れられた。これは板垣の功績。

なのにどうしてクソ監督とか言われてるか分からない。

2012-07-13

アニメ制作進行への偏見を植えつけた原因って

http://togetter.com/li/337389

ここで、アニメ業界人達が駄目な制作進行を笑いのネタにして、はてブの皆さんがそのブラック業界っぷりや去っていくものを笑い者にする構図にドン引きしています

ふと思った、制作進行という仕事にこういうブラックイメージを決定付けた元祖ってこれじゃないかと。


故・今敏監督の「パーフェクトブルー戦記」

http://www1.parkcity.ne.jp/s-kon/record.html


これが書かれたのは、まだまだインターネット黎明期の97年頃。

大地丙太郎監督の「アニメーション制作進行くろみちゃん」とかが作られるのはこれから数年後の事だ。

監督自身も「妄想代理人」の第10話で制作進行が主人公の回を作ったのはさらに数年後だ。

それまで、アニメ業界全体を捉えて過酷だ、悲惨だ、みたいな記述アニメ誌などでも何度も書かれてきたと思うが、だいたいがアニメーター演出家など主体の内容で、制作進行というポジションにここまでスポットを悪い意味で当てたものは無かったんじゃないかな(あったら教えて)。


出来の悪い制作進行に歪なあだ名を付けて、その出来の悪さをとことんあげつらって笑いを取る内容は、現在の我々が見たらどのように映るか。

(もちろん今監督にそこまで書かせるほど辛い現場だったんだろう、というのもあるが)



未読の人は是非一読あれ。

特に「その13」「その17」「その22」辺りがすごいよ。

ほぼ事実

http://anond.hatelabo.jp/20120712005200

以前アニメ制作会社に関わったことあるけど、ここに書かれていることは事実だわ。

当然トップクリエイター一部の人はちゃんとしてて、尊敬も出来る人もいるんだけど

それにぶら下がってる大多数の連中が酷すぎる。

経営陣もガキの集まり企業経営かいレベルではない。

人間として欠けていて関わってると神経磨り減る。

我慢できるとかの問題じゃない、この異常な業界にいて「おかしい」と思わない

神経の持ち主だけがアニメ業界ではやっていけるのは事実

制作進行って仕事アニメ業界では底辺の仕事であり、同時に上にあがるための仕事でもある。

この下積み時代に、色々な原画家など制作者との繋がりを作って、将来的にはデスクとか

制作立場が上のポジション出世していくのがアニメ制作進行のキャリア形成になる。

ただ、本当におかしな連中ばかりだから、そういう連中を捌いていける図太い神経が無いと

この人のように3年くらいで退職してしまう。早いヤツなら1年も持たない。

>身に付いたのは車の運転技術くらい。資格も何もない現状。

この辺見る限り、この人はアニメ制作進行には向いてなかったと思われる。

アニメ制作進行は、資格仕事をする仕事じゃない。

まさにこの人が嫌っているコミュニケーション能力に欠けた

しか描けない連中を束ねて代理でコミュニケーションをとってやり、

仕事を円滑に回して作品を作る事に集中できる人間しか出世出来ない。

アニメ制作進行の仕事が出来るヤツはどこの業界でも重宝されると思う。

図太い神経と、細かな気配り、イレギュラーな事態になっても逃げないで場を補填する能力

仕事をまわす能力に長けた連中が出世する。

話が脱線するが、「動画」という工程海外委託するようになって久しい。

そのせいで、新人アニメーターの下積みである動画工程国内経験出来なくなっている。

そのせいで、技術を磨く機会、稼ぐ機会を失っているので、技術者としてアニメーター空洞化が進んでいる。

今、全盛期の30代が年をとった頃には、満足に日本国製のアニメを作ることはもう出来ないかもしれない。

金回りも仕事周りも良くない業界になってしまった。

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