2012-12-04

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鈴木敏夫ジブリ汗まみれ 2010年1月12日 庵野秀明ゲスト回その2 続き)

 

鈴木仮想敵って何なんだろう。

内藤目標ですか。

鈴木:何なんですか。

庵野:まあ、目標みたいなもんですかね。設定のひとつですよね、目標設定の。到達点じゃないんですよ、それがゴールではないんですよ。

鈴木:ゴールではないんだ。

 

鈴木:宮さんも仮想敵になったことあんの?

庵野:うーん、まあ、あります

鈴木:あ、そうなんだ。

庵野:人としては較べようがないんで、やっぱり作ってる作品になると思うんですけど。超える超えないっていうのは。そういうのは、何をもって超えるかとかそういうのはありますけど、まあ、なんだろう……意識ゼロじゃないですね。

鈴木:宮さんを仮想敵にしたのは、作品で言うと何やってたときなの?

庵野仮想敵にしたときは、『もののけ』ですね。

鈴木:ほお。

庵野:ちょうど師弟対決とか世間で言われてたとき。『エヴァ』の前の映画(『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』)やってたときに『もののけ』がやってたんで。

鈴木:なるほど。

庵野:あのとき殆ど同時だったんで。興行では勝てる気はなかったですけど、中身では勝ちたいと思ってましたね。

鈴木:どうだったの。

庵野:……。

鈴木:まあ、そんなに簡単には言わないだろうけど。

庵野:まあ、言わんとこうと……。

鈴木(笑)

庵野:……怒られそうだから

 

ナレーション

 

鈴木:誰かが頑張ってるから僕も頑張る、それは誰なの。

庵野:それはもう過去自分だったりするわけです。いまの『ヱヴァンゲリヲン』がそうですね。前の『エヴァンゲリオン』よりいいものを……いいものっていうか、いまの自分が入っている分。12年分を出して、別のものにしようと。「誰か」って最終的にスタッフなっちゃうんですけどね。スタッフが頑張ってるから自分も頑張らないとになりますね。

鈴木:後身の育成ってどう思ってるんですか。

庵野:うーん。考えなきゃなと思ってますけどね。

鈴木:今度のね、米林(宏昌)ってのが面白いよ。いまのこの『(借りぐらしの)アリエッティ』やってるんだけど。シナリオは宮さん中心にやってるんだけど、コンテは全部自分でやってるから。だからいわゆる芝居は彼が、演出は。それでそのコンテ、宮さん見てないから。

庵野(笑)

鈴木:だいたい上手な人って、ふつう教えるのって苦手だよね。宮さんだって必ずしも上手じゃないもの

庵野:そうですね。宮さん、何もないところで人に教えるのは難しいんじゃないですか。

鈴木:実際の作品作りながらだったら、ね、色々出来ると思いますけど。

庵野:そっちのほうがいいと思います。『エヴァンゲリオン』、テレビが終わって僕はボロボロで一回ガーッと落ちて、そこから跳ね上げてくれたのも宮さんのお陰で。

鈴木:だからある意味では励ましてくれたりもするわけだね。

庵野:だったと思います、いま思えば。本当に引き篭もって、本当にあのときはこのまま生きててもしょうがないな、みたいなこと考えてたときに、電話一本くれて。「とにかく休め」と。半年ぐらい休んでも大丈夫から自分がそうだから(笑)。そういえば宮さん、3年くらい休んでたなあ、とか。あれでちょっと立ち直りましたね。やっぱりアニメが好きだったんですね。やっぱりアニメを作りたいなっていう風に戻ったんじゃないかと思いますね。

鈴木:宮さんのとこぜひ来て下さい。宮さん元気になるからだって庵野のこと好きだったものね、宮さん。いまでも本当によく話すよ。どうしてるって話を。

庵野:また遊びに行きます。大変そうですね。

おわり

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