はてなキーワード: 雪かきとは
時代が変わったと思うのは、ここ数年で人気が出たおそらく20代くらいのコミケに出てる絵師さんたちは、オタクであることにもエロ表現にも劣等感や差別意識がない。明るくて屈託がない。本当によかったな、宮崎事件はやっと『終わった』んだなと思うと涙出た( ;∀;)わかる人だけわかってくれればいいw— 水戸泉・4月17日ティアラ文庫禁断童話アンソロジー発売 (@mittochi) 2019年12月27日
傷ついたよね、悲しかったよね、いわれのない差別も受けたよね、でももう「戦争は終わった」んだよ、みたいな気持ちー( ;∀;) 10年前の都条例騒動の時ですら石原都知事に「卑しい職業」言われたもんなー 公人に卑しいって公言される職業とか趣味嗜好ちょっとないわ逆に思い出になったわ!! https://t.co/lTJJNMoPzT— 水戸泉・4月17日ティアラ文庫禁断童話アンソロジー発売 (@mittochi) 2019年12月27日
これはオタクに限らず、にわかや表現規制問題に少しでも関わった事がある人間ならば誰しも感じていると思う。
特に現在30以上の人間はマスコミのこの手の報道のせいで偏見も強く、オタクは幾ら叩いても構わない程度の人種と本当に思っていたからね。
当時の宮崎事件以降、ロリコンだのフィギュア萌え族だのマスコミとタッグを組んで、あの人達規制を煽りまくっていたからね。
(ただ実際はその差別をして規制を押し進めてきたキリスト教や国連が後に実在児童に対して性的虐待や売春等と言うトンでも無いニュースが出てくるわけだが(苦笑))
今は朝日新聞がその先兵になっているけど、当時は変態新聞と呼ばれた毎日や読売とかが規制ばかり煽っていて本当に酷かったからね。
それと弾圧と言う意味では宮崎事件からだけど、規制と言う意味合いでは10年前が一番危険且つ、最も規制側が勢いがあって、本当の意味で危うかった時期だったと思う。
あの時は児童ポルノ規制だの都条例だのあらゆる方向で潰しにかかってきたからね。
今のヘイトスピーチ禁止条例みたいに地方条例を奴等は利用して、規制を押し付ける手口もこの当時されていたのは事実としてあるからね。
後、石原元都知事もだけど、個人的には猪瀬元副知事の方がより印象が悪いね。
しかしこれも山田太郎議員が国連の一件で奔走して、票に繋がった事から流れが良くなっていったのは事実だと思うよ。
国連の件なんて山田太郎議員以外動いてくれる議員なんていなかったからね。
もし山田太郎議員が動かなかったら、今はないと思っても良い位当時良い仕事をしたのは事実。
ブキッキオ氏の件なんてまさに彼等がいつも行っていたマッチポンプの結果そのものの行動だし、こう言う国連等の権威を外圧に利用した手法はそれこそこの手のフェミ団体の得意技だったからね。
山田太郎議員がいなければ、本当にここで終わっていた可能性は高かったよ。
更に言えば、当時オタクは票にならないとか散々煽られたり貶されたりしたしね。
しかし思い出してみると当時と言い、今と言い、票田と言う意味に関して言えば、逆にフェミこそサゲマンなんじゃないかとこの件については思ったりもする(苦笑)
自民の時は民主に政権交代される羽目になったし、今じゃリベラルは消費税選挙ですら勝てないしな。
大真面目にそれ以外の票をドン引きさせて、その党に投票させなくなる効果がある事が実証されている様に思うのだけどね。
ただ当時は自民、今は野党の左派政党で暗躍していた片割れの一つであるキリスト系団体のあの方々やフェミ団体の人達は今も宇崎ちゃんだのグラビアだのセックスドールだのでまだ児童ポルノ規制を盾に子供の権利を悪用しようとしているのも事実としてある。
彼等昨今増長して、先鋭化しすぎて、国連で条約違反を指摘されておきながら、ガイドライン変更を強行する等の行為を行っていたりしているからね。
今の方が当時よりも形振り構わずな行動に出ているのも事実としてあるし、この様な先鋭化しだして、暴走している組織や団体は本当に危険なので、警戒はしておいた方が良いのは事実だよ。
それこそ米国だと先鋭化しすぎて、ニンフの絵画やゴーギャンまで狩り始めると言うまさにフェミナチと言う名に相応しい退廃芸術と言っても良い事までし始めているからね。
しかし当時は自民党がしていた規制を今や何を思ったのかしばき隊以降に野党議員や支持者がそれを喚き散らした結果、更に先鋭化して、今ではそのせいで一般人からもリベラル政党やフェミそのものが毛嫌いされているのも皮肉以外何者でもないよね。
何も日本に限らず、ポリコレ棒や子供女性の権利や人権、LGBT等を振り回して規制しすぎて、昨今ではどこもリベラルが嫌われ勝てなくなり、更に当人ら同士で内輪揉めまでし始めたのは皮肉。
日本の反日ツイフェミ、英語で少年ジャンプを叩き、日本の人口低下を祝う。←ぶっ叩かれる
https://togetter.com/li/1423582
これ、今でこそ海外に行ったフェミが珍説立てて、叩かれていると言う笑い話で済んでいるけど、つい最近まで普通にこの手のマッチポンプは脅威だったんだよね。
児童ポルノ禁止法の漫画規制案や都条例とかもこの様なマッチポンプの影響もあったからね。
本当に良く、某NGOとか某キリスト系団体とか普通にこの手のマッチポンプと呼ばれる手法を良く用いていたらね。
この点は当時から、マッチポンプが行われている点は指摘されていたのだけど、実際海外の生の規制を推進するフェミに対するネイティブな方々の批判の声なんてものはなかったから、さもフェミや一部宗教の方々の意見の方が正しいと思われていた訳。
これの大きく話を膨らませたバージョンが国連の話になっていくわけだ。
国連の子供の権利委員会なんて今やメンバーを見てお察しなのはprostasiaにすら指摘される位だしな。
当時は特に自民党や都知事や副都知事がガチガチの規制推進派しかいなかったからね。
某所で見た雪かきの話やこの話をみて思い出したよ。
当時は当のオタクや出版、ゲーム会社すら規制と言う嵐を頭を下げて過ぎ去るのを待てば良いと言う話を彼ら自身がしていたのだからね。
それ位、誰も反対に動いてなかったし、反対に動いた人は敵からも味方からも攻撃されていた事もあったのを覚えているよ。
それこそ反対するNGOなんてなかったし、ノウハウもなかったから、やり方すら間違えてたのも普通にあったんだよ。
それを逆に指摘されると言うのは日常茶飯事だったし、個人的にも迷惑かけたな当時とある意味では反省している所もあるよ。
皮肉も皮肉だけど、この点だけはほんの少しは当時よりマシになったかと思う。
ツイッター等のSNSやインターネットが一般人まで普及した結果かもね。
https://anond.hatelabo.jp/20171113160740
関西圏に偏見を持つ東京人がいるようだが、同じ東京人(四代前から東京在住)としてこれは非常に良くないと思う!!!!!!!!!!!!!!!!!
大阪・京都・神戸など関西の歴史ある大都市は本来は盟友であり、お互いの文化を尊重し、手を取り合うべきである!!!!!!!!!!!!!1
博多・名古屋などの他の地方の大都市も同様である!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1
真の敵は、これらの大都市ではなく、それ以外の地方の田舎者だからだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
近年、田舎者の蛮行が目に余る!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1
田舎者のジジババは、技能実習生問題では、アジアからやってきた勤勉な若者たちを騙し、奴隷労働と言われても仕方ない低賃金で農業に当たらせている!!!!!!!!!!!!!!
同じ日本人に対しても、村に一人しかいない医師をいじめて追い出したり、地方活性のために都会から来た起業家の若者を、事業が順調に乗り出したらその事業を乗っ取って追い出したりしている!!!!
とても同じ人間とは思えないほどの蛮行ぷりである!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
地方の田舎者は同じ人間ではない!!!!!!!!!!!!!!!!知能の薄い猿である!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1
山奥の、野生の猿が生息するような場所の近くに住んでいるから、猿の血がいつの間にか交わり、奴らの知能を低下させているのだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
奴らは、我々都会人から搾取し、日本全体の足を引っ張ろうとしている!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
奴らは地元の意欲のある若者に雪かきなどの重労働を押し付け、その上、若者たちが新しいことを始めようとすると自らの既得権益を守るためにいびりたおし、嫌気がさした若者が都会へと脱出し、自分達だけでは自治ができなくなると国へと金を要求しようとする!!!!!!!!!!!!!!!1
それで、ふるさと納税などの悪しき馬鹿げた低脳制度によって、都会から金を巻き上げようと画策しているのである!!!!!!!!!!!!!!!!1
見たか!!!ふるさと納税の返礼を巡る、さもしい浅ましい薄汚いあのやり口を!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
奴らは進取の精神を持った若者をいびり、その結果の自業自得として限界集落が生まれ、そこで奴らは何をしているのかと言えば、己の振る舞いを正すわけではなく、昼間から酒を煽り、パチンコをしているのである。
その金は全て、我々都会の人間が、学校を建て、保育園を建て、未来に投資するはずの金だったのだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今すぐ田舎者から我々都会人への搾取をやめさせなければ、日本は滅びる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
我々は田舎者に搾取されているのだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
だからこそ、東京・大阪などの大都市は、いがみ合うのではなく、共に手を取り合うべきである!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
共に手を取り合い、まずはふるさと納税の廃止を!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ゆくゆくは、田舎のインフラ維持のための費用を全廃し、人のロクに住んでない所のためにムダ金を使うことの一切をやめさせ、日本再建のための正しい税金の使い方を模索するべきである!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
日本人の1200人に1人応募したら10万人だ、オリンピックのことを知らない日本人は少ないだろうし宣伝効果を考えればそりゃそうなる
もしこれが普通の一個のサービスとか、店とかだったら「外野がごちゃごちゃ言うな」で済むしほとんどの炎上は外野がうるさいだけなんだけど
国が関わるような公共性の高いものは外野になりきれないからゴチャゴチャ言うしかない
これは仕方ないこと
散々語られたけど、今回のボランティア騒動は個人的に3点問題だと思ってた。
→1.どうせやりたい人はいっぱいいるから、とやりがい搾取していること
→ブラック企業が問題になってる現代でこれは、国の姿勢として問題だと思う。最低賃金が何であるのかって話。労働には対価がないと労働力のダンピングになる。そういうやり方を是とするのは反対。
→でもこれは記念品配布っていう建前を付けたから俺は良いと思う。今大事なのは建前。
→2.予算が足りていないこと
今回勉強になったのは、発端が国というよりオリンピックそのものだったこと
金かかりすぎ
以前は賛成だったけど、今はどうかな・・・
似たようなボランティアの話題では、例えば雪かきボランティアとかが近いと思う
いつもやってる「欧米に比べて日本死ね」の国内バージョンだよな
女さんの根性がよく見えてくるわ
#東北の男尊女卑
自分の住んでる山奥集落の一番の問題は、嫁が来ない。
この「嫁」を現代語訳すると、
共働きでお金稼いで
家事育児は全部1人でやって
農作業もしっかり手伝い
義両親の介護も伴い
夫がパチンコ女遊びしても文句を言わず
人生全て捧げる奴隷が来ないと言っているのです。
来るわけねぇ— ja (@popoiyapingo) 2018年8月21日
#東北の男尊女卑
雪かきボランティアした若い子の体験談「雪かきのとき、大変だから男も女もねえと力仕事は男女同じです。しかし、そのあと休憩になると、男はテレビ見て飲んでいるだけ、女はずっと台所仕事。女はいつ休むんですか?大変なときは男女関係ないんですよね?」— このざまんぐ (@konozama347890) 2018年8月22日
十二月二十四日。昼頃からちらほらと雪が舞いはじめ、夕方深沢君があろえを引き取りに家に訪れるころには本格的な雪模様となっていた。
彼は恋人を連れていた。私やあろえも何度か会ったことがある元気のいい女の子で、あろえを見ると、かわいい、かわいい、と喜び、あろえはすかさず同じ言葉を返す。
まだパーティには少し早かったので、家にあがって貰ってお茶を出した。深沢君の恋人はあろえのために今日来てゆく服を選ばせて欲しいと言い、あろえと一緒に二階に上がって行った。
すぐに、二人の話す楽しげな声が聞こえてくる。
「勘がいいんですよ。それにしても、凄いですね。ツリーも立派ですし」
あろえがすっかり工作に魅せられてしまって、この一週間、頼みもしないのに毎日輪飾りばかり際限なく作っては笑顔で私のところへ持って来るので、飾り付けないわけにはいかなかったのだ。
「習慣になっちゃったんですね。クリスマスの後も、きっと作りたがりますよ」
「そういえば、今年は学生最後のクリスマスイブなのに、プライベートに使わないでいいんですか?」
「最後だからこそ、学校のみんなと過ごしたいなと思ったんですよ」
少し寂しそうに言う深沢君は、年が変わり春になれば大学を卒業してしまう。そしてその後は実家に帰って中学校の先生になることが決まっていた。評判の良いボランティアである彼は、きっと良い先生になるだろう。
「ちょっと早いけれど、お疲れ様でした。深沢君のおかげであろえは色んなことが出来るようになりました」
「いや、僕なんか全然大したことしてませんよ。本人や周りの人がみんな頑張ったからです。いつも力不足を感じてますよ」
深沢君は照れくさそうに頭を掻いた。
私が言うと、深沢君は困ったように笑った。
やがて着替えを終えたあろえが階段を下りてくる。選んでもらった服は組み合わせのセンスが私なんかよりもずっと良くて、同じ服なのに普段よりずっと可愛いく見える。
そしてあろえたちが行ってしまうと、家の中が急に静かになってしまった。考えてみたら家に居るときはいつもどこかにあろえがいた。一人ぼっちになんて一体いつ以来になるのか、はっきりと思い出せない。
シャワーを浴びて、体を洗う。丹念に洗う。そんな自分がちょっと恥ずかしい気もするが、それは考えすぎというもので、こんなの何も特別な意味などない大人の女性として当たり前の身だしなみだ。そうに決まっている。下着だって、一番良さそうなやつを選んでやるのだ。やるのだ。
それからメイクをして、髪の毛をセットして、着てゆく服をもう一度選び直していたら、いつの間にか時間がなくなっていた。だいぶ余裕を見ていたはずなのに。月島君が車で迎えに来る予定になっている。私は慌てて服を決め、コートまで着込み準備を済ます。そして椅子に腰掛けると変に緊張してしまって今度は一秒がやたら長い。時計のカチカチする音が、普段よりずっとスローテンポに聞こえる。表の道路を車が通るたびに、彼じゃないかと思って立ち上がりそうになる。
やがて訪れた彼の車に乗る。見知った街なのに、どこをどう走ったのかさっぱり覚えていない。駅の近くにあるその小さなイタリアンレストランの前で車から降りたとき、はじめて、自分たちがどこへ向かっていたのかを理解した。
月島君の大きな背中を身ながら店内に入ると静かで品の良い音楽が聞こえてくる。席に座ってまもなくシャンパンが運ばれグラスに注がれる。細長いグラスのピンク色の液体の中を底から水面に向かって気泡が泳いでいる。私たちは小さくお互いのグラスの縁を合わせて、一口含む。
美味しくて、ラベルを確認したらどこかで聞いたような銘柄だった。高いのだろうか? そう思うとやたらと緊張してしまって、あとは何を食べているのかさっぱり解らなくなってしまった。
食事がほぼ終わって二本目のシャンパンをゆっくり飲みながら、高校時代の話をしていた。月島君が野球部で汗くさい放課後を過ごしていたとき、私は美術部でテレピン臭くなっていた。
あの頃月島君が付き合っていた女の子の話を仕向けると、彼は仕返しに私と仲の良かった男の子について尋ねて来た。随分大昔のような気がする。世の中の何もかもをわかったようなつもりで、そのくせ何もわかっていなかった青臭い時代の話だ。
「あのころも随分大人だっていう印象があったけど、八坂さんはいまでも大人な感じがするね」
「それは老けてるってこと?」
いい年して、こんなデートなんかでのぼせ上がって、何を食べているのかもわからなくなってしまう私が、大人の筈はない。せっかくこんなに高い料理を頂いたのに。
もし私がそんなふうに見えているのなら、それはただ大人のふりが上手いというだけのことだろう。いつも幼くてわがままな自分にてこずっている。そんな話をしたら、
「今日はのぼせてくれてるんだ」
「化粧室行ってくる!」
恥ずかしさにいたたまれなくなってハンドバッグを掴むと、慌てて席を立った。鏡に向かうと、私の顔は月島君よりもずっと赤くなっている。蛇口をひねり流れる水で手を冷やし、深呼吸をして気分を落ち着ける。お酒なんか飲んだのは今年のお正月以来だから、殆ど一年ぶりだ。ふわふわして楽しい気分だ。これはお酒のせいだけなのだろうか。
「でも、もうお腹一杯だわ」
「そうだね。包んで貰おう」
「雪が、だいぶ強くなって来たね。この分だと明日は除雪車が要るな」
彼の視線につられて窓の外を見ると、羽毛の様な雪がゆっくりと舞い落ちていた。雪かきとなったら、スコップを新しく買わなければならない。去年のは、あろえがおもちゃにしてどこかになくしてしまった。今年はよく教えておかなければ、また同じことを繰り返すだろう。
「妹さんは……」
彼が、ふと呟いた。
「え?」
顔を向けると、月島君はまっすぐに私の顔を見つめている。
「妹さんは、今日は何時までに迎えに行けばいいの?」
ボランティアの人が明日まで面倒見てくれる、と答えかけて、彼の真剣な表情の意味に気が付いた。もし、私が今日は迎えに行かなくてもいい、と言ったなら、それが自分のどんな意思を示すことになるか、解ってしまった。
私の表情がこわばったのを見て、月島君は表情をゆるめ、グラスを手に取る。私に考える時間をくれたのだ。ほっとする。
しかし、どうしよう、どうしよう、そればっかりが頭のなかでぐるぐる回って上手に考えられない。
「あ、預かってくれてる人に訊いてみるね」
無理矢理愛想笑いを作ると、携帯電話を手に取った。心臓の鼓動が早くなり、顔に血が集まってくるのがわかる。緊張しすぎだ。まったく予想しなかったわけじゃないんだ、別に拒む理由もないんだ。私は今さら何をうろたえているの?
「八坂さんですか?」
彼の口調はいつになく硬かった。
「そうですけれど、あろえは何もしていませんか?」
何か変だ。
「もし何かあったのなら、教えてください」
「本当ですよ。ただ、突然の電話だったからびっくりしちゃって……」
とてもそうとは思えなかった。確かに彼の口調はもう普段通りに戻っている。だけれど違和感は拭い得ない。だいたい、楽しく過ごしているにしては彼の声の後ろが妙に静かだ。どこにいるのだろう?
月島君と視線が合う。思わず真剣な表情になってしまった自分を申し訳なく思い、目をそらしてから会話を続ける。
「何かあったんですね。それで、私に言えないってことは、あろえに何かあったんではなくて、あろえが何かしたんですね?」
「まいったな、本当にそんなんじゃ……」
「いま、どこにいるか教えてください」
「一緒にいます」
「ごめんなさい」
「気にしないで」
彼は首を振ると、すっと立ち上がる。
「妹さんに何かあったんだね。行こう。俺もついて行くよ」
「そうか」
「きょうはごめんなさい。誘ってくれて嬉しかった」
「うん」
彼の微笑からあからさまに失望が読み取れて、胸が苦しかった。新しいコートとブーツが、やたらと硬く感じる。
そんなことが出来るわけない。私はもう病院に向かっていることを告げる。そう遠い距離ではないから、すぐに到着した。
一カ所だけ明かりの灯っている救急用玄関に回ると、入り口のところに深沢君が立っていた。普段着のままで上着を身につけず、ズボンのポケットに手を突っ込んで肩をすくめながら、寒そうに白い息を吐いている。声をかけると、
震える唇で言った。
彼は救急車に乗ってここへ来た。怪我人は、彼の恋人だった。コンクリートの上で転倒して、腰を打った。骨には異常がなかったけれど、いますぐに起きあがるというわけにもいかないらしい。痛み止めを飲んで、ついさっき寝付いたそうだ。
「階段に雪が積もっていて、足を滑らせたんです」
はじめはそうとしか言わなかったのを問い詰めると、やはり、あろえが原因だった。階段を上りかけた彼女の服を、あろえが急に引っ張ってバランスを崩させたのだ。そして結果として階段から転落した。
「僕たちが不注意だったんです。あろえちゃんが人を呼ぶとき服や腕をつかんだりすることがあるのは、ちゃんと知っていたはずなのに」
湯気のたつ紙コップで両手を温めながら、彼はそう言った。
行為自体は子供もよくやることだが、あろえの体格は子供のものではない。身長は深沢君の恋人と同じか、ことによるとあろえのほうが少し高いかもしれない。そんな人間に階段の途中でいきなり引っ張られたら、注意していたとしても、転倒は不可抗力だったはずだ。
私はぞっとして背筋が冷たくなる。もし一歩間違えていたら、もっと酷い結果を導いてことは容易に想像出来た。
「申し訳ありません」
「いや、頭なんか下げないでください。こっちこそ、せっかくのクリスマスだったのに、こんなことになってしまって」
「そんな」
「僕がついていたのに。あろえちゃんは、ただいつも通りにしていただけなんですよ。それなのに。やっぱり僕は、向いていないんでしょうね。今日は僕はここで夜を明かしますよ。八坂さんは帰った方が良いですよ。ちゃんとした時間にあろえちゃんを寝かさないと」
彼は元気づけようと笑ってくれたが、普段ほどの力がない。そしてコップの中身をすすった。
自信を失い落ち込む彼を初めて見て、覆い隠せない彼のショックを知った。私は何も声をかけるべきだと思ったけれど、いまの私の役割から何を言ったらいいか解らなかった。
あろえは病院の長椅子に腰掛けて絵本を読んでいた。傍らには若い看護師が座ってそれを見守っている。
「姉です」
「あなたがお姉さん? この子、さっきまで落ち着かなかったんだけれど、この絵本が気に入ってくれたみたいで、ずっと真剣に見てるの」
「そうですか、面倒みていただいてすみません」
「自閉症なんですってね。こんなに大きい子、家にいる間ずっと面倒見てるのは大変でしょう。パニックが起きたときとか、大丈夫なの?」
「親御さんも家にいないんですってね。大変ねえ」
「………」
「出来れば、ちゃんと話し合って一緒に面倒みたほうがいいですよ。やっぱり、身内の人が一致団結しないと。でも、そうは言っても簡単にはいかないのよね。大変ねえ。綺麗な格好して、あなた、今日どこか出かけていたんでしょう?」
同情されて私は、より一層みじめな気分になった。あろえは、すぐ傍で自分のことについて話されているのにも気が付かず、絵本を見つめている。自分が何をしたか、ちっとも理解していないのだろう。
「あろえ、もうやめなさい」
あろえは、顔をあげた。
「帰ります。もうやめなさい」
「ダメです」
「やめなさい」
強く言っても、あろえは返事をしない。
「聞こえないの?」
「きこえないの」
「よっぽど気に入っちゃったんですね。もう少しだけここに居ますか?」
いつのまにか深沢君が近くに来ていた。私たちは、いまこの状況の彼にまで、気を遣わせてしまっている。恥ずかしくなった。
「いいんです。ほら、やめなさい」
「ダメです」
その返事にもう耐えられなくなって、私は絵本をあろえの膝の上から取り上げた。奪い返そうと伸ばしたあろえの手を掴む。
あろえは私の口調からようやく異変を察したのか、不安な表情を浮かべ、
口の中でぼそぼそと呟いた。私は取り上げた絵本を看護師さんに渡す。
「八坂さん……」
私は頭を下げてから、まだ絵本に未練を残し見つめているあろえの手を強く引いた。
https://www.saibunkan.co.jp/lechocolat/soft/ka_swan/images/preswan.htm
豪雪の日、雪かきは全て私で、むこうは早く上がっても実家でぬくぬくして、除雪が終わる頃に帰ってきた。
誕生日にはおめでとうの一言もなかった。押し付けられた使い終わったカイロが、プレゼントだと後で知った。
私はリクエストされた生チョコを作った。ホワイトデーのお返しはなかった。
私が車で田んぼに落ちても、トラックにぶつかっても、バスに乗ってはいけないし車を運転するのはえらいらしい。
母親と妹に聞いたからという理由で病院と先生を決められ、仕事を休んで大病院で長時間待ち、忙しい先生の簡潔で短い数分の診察を受けた。これをあと5回は続けなくてはならない。
心配だからという理由で、友達と1年以上前から計画している旅行を一ヶ月前に行くなと言い出した。母親と妹が行くなと言っているらしい。断ったら晩御飯を食べずに放置した。手作りの弁当も食べずに置いていった。