はてなキーワード: 花火大会とは
今年の初めから流行し始めた新型の感染症のせいで、今年は花火大会のほとんどが中止になるかもしれません。
未知のウイルスが世界中に蔓延して自由に外出できなくなって、人々がマスクを奪い合う日常というのはまるで現実離れしていて、私は春からずっと誰かが作った映画や本の中に迷い込んでしまったような気分がしています。
今日は少しひんやりしているなと思いながら、傘を持っていない方の手のひらで反対側の二の腕をあたためました。家の中に居て雨の音を聞いていると保護されているような気持ちになるのに、外に出るととたんに心細くなるのはどうしてなのでしょうか。
傘を指してどこかへ急いでいく人々が目の前を横切っていきます。私は待ち合わせ場所が間違っていないか不安になりました。そういえば、本屋さんで待ち合わせをしようと決めただけで、具体的な場所を指定していなかったことに気づきました。待ち合わせといえば当然入り口だろうと思い込んでいたのです。
腕時計の針はここに到着してから15分が経過したことを告げていました。
私は今、街で一番大きな本屋さんの入り口に立っています。この本屋さんにはいくつもフロアがあるので、別の階に探しに行ってもどこかですれ違ってしまうかもしれません。あたりを見回すと、どの人も私の待ち人そっくりに見えて、でもよく見ると決してそうではないのでした。
誰かを待っている時間というのはおそろしくゆっくりと流れます。どこのコーナーに行ってどんな本を見ようかとわくわくしていた気持ち、そして会えるのを楽しみにしていた気持ちが、自分の中で少しずつしぼんでいくのがわかりました。
夏にこうして誰かを待っていると、私は子供の頃の花火大会の日の夕方の、長い長い時間のことを思い出します。
中学校の制服をどうやって手に入れればよいのだろうと考えていた記憶があるので、きっとあれは小学校六年生の頃だったのだと思います。いつだったか、転校してきたクラスメイトのおうちに一度か二度お邪魔させてもらったことがあった気がしますが、それ以外では子供の頃に誰かとの交流を経験することはなかったように記憶しています。当時の私にとってそれは日常でした。
だから、今考えると、花火大会に誘われたということのほうがおかしなことではあったのです。
自分の掌を開いて見つめていると、しばらく忘れていたはずのあの日の出来事が鮮やかに蘇ってきました。
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その日はよく晴れていて、花火大会はまず中止にならないだろうと教室で誰かが話していました。お祭りの屋台で何を買うか、楽しそうに相談する声が聞こえました。私には関係のない話でした。
私は机のしみを数える作業に戻りました。それに集中していたので、教室の窓側で立ち話をしていたクラスメイトのうち一人が私の方にやってきて話しかけてくれたときは本当にびっくりしてその場で飛び上がりそうになったのを覚えています。最初は人違いをしているのではないかと思いました。待ち合わせ時間と場所はまだ決まっていないから、夕方に連絡網を見て電話するねと言われて、私は彼女の気が変わらないうちに思って急いで頷きました。
私は電話線が抜けていないか何度も確かめながら、誰もいない家の中で電話を待ちました。貯金箱を割ってみると、思っていたよりお金は入っていなくて、でも一番安い何かなら買うことができるかもしれないと考えました。
他の女の子たちは浴衣を着てくるのかもしれません。私は、一緒に並んでいて皆がなるべく恥ずかしくならないように、持っている中で一番ましだと思う服に着替えました。
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水色の空がオレンジ色になって、薄紫色に変わって、それから深い群青色に染まりました。電話の前で座り込む私の影が長くなって、それからだんだん見えなくなりました。
目をつぶると、目の前に深いあかがね色をしたびろうどの緞帳が現れました。私は幕が上がっていないステージの内側で片足立ちをして、始まるのを今か今かと緊張しながら待っている踊り子になっています。
まだ幕は上がりません。どんどん足が疲れてくるので、そうしたら反対側の足で片足立ちをします。それをずっと繰り返しながら、踊りのステップを忘れてしまわないよう頭の中でそらんじています。
何かを待っているとき、私はいつもこうして踊り子のことを想像しました。これは私が何度も繰り返して読んだお気に入りの本に入っていたおはなしの一つに由来するイメージです。このイメージを頭に浮かべていれば、不安な気持ちが少し紛れるような気がしたものです。
私はふたたび手触りのよさそうな緞帳を見つめました。何度も何度も交互に片足立ちをして、そのときが来るのをじっと待っています。
もう外はすっかり夜でした。
遠くで花火が上がりました。それからしばらくして、祭囃子の音が小さく聞こえてきました。
私は真っ暗な部屋でしずかにそれらに耳を傾けます。目を閉じて、わたあめのふわふわとした触感や、水の入ったカラフルなヨーヨーのひんやりとした温度や、りんごあめやいちごあめの甘さを想像しました。わたしの貯金箱に入っていたお金では、きっとどれも買うことはできなかったのだから、これでよかったのだと思いました。クラスメイトに気を遣わせるようなことにならなくて本当によかったのだと。
目の前で花火のにおいがするような気がしました。煙がしみるので私は目をしばたたかせました。お金を握っていた手はすっかり汗ばんでいて、手を開くと金属くさいにおいが立ち昇りました。
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誰かが呼ぶ声がしてはっと我に返ると、私はふたたび雑踏の中にいました。隣には恋人が立っていて、私に何か話しかけていました。
私は、花火大会のあの日からずっと今まで待っていたような気がしました。やっぱりちゃんと約束していたんだというほっとした気持ちと、待っている人が約束を守ってくれたうれしさと、待っていた時間の悲しさが胸の中でごちゃごちゃに混ざり合いました。
黙っている私に、待ち合わせまであと三十分もあるのに先に来ていたのでとても驚きましたと彼は言いました。そういわれて昨日の電話の内容を思い出してみると、待ち合わせ時間は十七時だったことに気が付きました。それでかばんのなかにいつも入れている小さなメモ帳を見てみると、十七時にT書店で待ち合わせ、と私の字で書かれていました。メモまで取ったのに待ち合わせを一時間早く間違えていたのです。一人で勘違いをして一人で悲しくなっていたことを恥ずかしく感じました。それにしても、一時間遅く間違えなくて本当に良かったと思いました。
そういえばK市の花火大会は今年も開催されるらしいですよと本屋さんのエスカレーターに乗っている時に恋人が教えてくれて、今年も行こうということになりました。
去年の花火大会は、前日まで一週間も雨が降り続いていました。花火大会当日も結局雨だったのだけどなぜか開催になって、傘をさしながら足元を泥だらけにして一緒に見たことを思い出しました。私にとってその日は花火大会に初めて行く日で、しかも隣には好きな人がいて、これは現実なのだろうかと何度も疑ったものでした。
私たちの距離は今のように近くはなくて、その頃はまだ手を繋いだことがありませんでした。
手が冷えていたのでエスカレーターの手すりがあたたかいなと思っていたら、一段下にいた恋人が隣にきて私の手を握ってくれました。
私は今とても幸せだと思います。こうして一緒に過ごしている間は何も余計なことを考えないでいられるのですが、一人になるといつも罪悪感をおぼえました。恋人に優しくされるたびに子供の頃の私と今の私とのコントラストが強くなっていくように感じられて、何だかとても悪いことをしているような気持ちになるのです。
子供の頃の私はきっとここではないどこか違う世界に行くか、別人に成り代わりたかったのだと思います。大人になった私は今こうして別人に成り代わって、別の世界にやって来たつもりでいました。でも結局のところ過去の自分と現在の自分は分かちがたく連続しているのだということが、今更になって漸くわかってきたような気がしました。
私は恋人の手を握り返しました。本当は横並びに乗ったらいけないとわかっているのですが、ずいぶん待ったのだからこのくらい良いだろうと勝手なことを思いました。
https://anond.hatelabo.jp/20200530164357
そこの学生君!年収750万の子供部屋おじさんなら贅沢で優雅な暮らしをしていると勘違いしていないか?
今日はそんな誤ったイメージを正し、実際にどれくらいの生活レベルか教えよう。
28歳男、独身、旧帝大のどこか卒業、5大都市圏のどこかに住んでる。社会人4年目で年収750万ほど。
なおマウンティングなどと言われるかもしれないが、そんなつもりは全く無く、
家賃はもちろん無し、マンションの上階、3LDK。自分の部屋(子供部屋)は別に広くもない普通の部屋。だけど月3万は生活費として家に納めてる。(正直もっとあげたいがいらないと言われる)
窓から綺麗な夜景が見れるとかも無い。けど、花火大会は遮るものなくめっちゃ綺麗。シャンデリアももちろん無い。
成城石井は近くにないからあまり行かないが、見つけたらとりあえずチーズケーキ買って帰る。
ワイワイ飲む時は一人あたり5000円くらいだけど、先輩連れていくから基本タダ。
たまに焼き肉などで一人あたり1万円を超えると、
今日はちょっと贅沢したなうまかったなって感想。(流石に先輩には奢らせられない)
その代わり行った店では値段を気にせず飲む。
母が買いに行くので自分は買い物はしない。
「カネ目当ての女性がやってくる」というのは婚活パーティーとかだけの話で、普段は全くそんなことはない。
正直モテない。
さすがに年収750万程度でこれをイメージしている人は少ないと思うが、
女性との飲食代はすべて自分持ち。価格帯は色々で、高級店行くこともあればファミレス行くこともある。
土日は親父の車を借りて出かけてる。
働き始めて今年で4年目だが、貯金は1000万超えた。そろそろ、投資を始めようかな、って思ってるからとりあえずNISA開いた。
一人っ子。なので家は相続されるし、近くに住んでる祖父母の家も、親戚はみんな遠くに住んでるからいずれは相続される予定。
そもそも先天性の持病持ち。
そのため、少しでも肉体労働のある仕事には就けないな、と昔から危機感を持っていて、何より親に心配をかけたくなかったので、頭で稼げるようになろうと学生時代は一所懸命勉学に勤しんで(彼女がいなかったとは言わないが)大学に入学、院にも進学しその後、日本で知らない人のいない大企業に就職した。
去年はその後遺症みたいなのが今になって突然発生し、生死の淵を彷徨い3ヶ月くらい休職した。
正直去年一人暮らしをしようと思ってたけど、その一件で親が大反対。
反対を押し返しても良かったんだけど、親の気持ちもわかるし、自分もずっと大人しかったのに今さら病気がぶり返すものなのか!?とビビってたのでまだ実家に住んでる。
去年はそのせいで精神的にもやばかった。
親を安心させるために良い大学に入り(もちろん親の支援のおかげだが)大企業に就職しいろいろ頑張ってきて、ようやく親を安心させられるくらいにはお金も稼げるようになったと思った途端にこれかよ、って。
でも、全身検査をして一応こういうことはもう起きないと医者も言っていたし、ずっと落ち込んでいたら親や昔からの友人に心配かけると、気合と根性で乗り切って、年が明けたくらいからは完全に開き直りました。
女性との付き合いに結婚という言葉がチラつくようになる歳になってからは、別に遺伝する病気ではないが、合コンとか軽い気持ちで付き合うようなことはできなくなった。
女性も結婚を意識し始めるので自分のような病気持ちは自然と避けられるようになった。
正直、もう結婚は半分諦めている。
ここまで手塩にかけて恵まれた環境で育ててくれた親に申し訳ないが、これはもう相手のあることなので仕方がない。
と、思っていると親から「お前、最近よく聞くLGBTってやつなのか?」って言われるという。笑
まぁこのまま普通の人よりできなかったことの方が多い人生にはなりそうだけど、年収750万なりに楽しんで生きていこうという所存です。
というわけであまりに普通すぎて、やま無しオチ無しになってしまった。
良くも悪くも、子供部屋おじさんで年収750万は普通すぎる生活なのです。
普通というと「もっと貧しい人がたくさんいる、わかってない」と言われそうだが、
学生が抱いているような豪華なイメージとは程遠いということをお伝えしたかったのです。
20代前半の頃、同年代のイスラエル人の友人がいた。みんなで遊びに行ったり世界中の普通の20代と何も変わらない事をしていた。
ある時みんなでアクション映画を見ていたら、イスラエル人だけが笑うシーンがよくあった。
何が面白いのか尋ねると、武器の持ち方や使い方が間違っていて笑えると言う。
イスラエルでは男女問わず国民全員徴兵制を取っている。実戦にも普通に駆り出されるため皆が武器に詳しい。
あの距離であの武器は有り得ない。片手であの銃は無理などなど日本人の私には全くわからなかったけど、すべての国民が武器の使い方を習わなければいけない状況を想像すると気持ちがヒヤリとした。
また誰かの家で集まっていた時に花火大会の音が聞こえた時があった。イスラエル人たちは一瞬にして顔色を変え身構えた。
とベランダに出るとイスラエル人たちは綺麗な打ち上げ花火にニコニコして、
と言った。
そういえばイスラエルの家庭には1人一個ガスマスクが常備してあると言っていた。
コロナ用にも使えるのかなとふと思った。
スターの無いはてブなんてカニの入ってないカニ玉みたいなもんだよ。
いっそのこと、人気エントリーの「人気のコメント」と「すべてのコメント」のビューでは
スターのIDは取得せずにその数だけ表示するようにしてしまってもいいんじゃないか。
例えば「★5★」表記にしてこれを今の「★リスト」リンクに置き換えても良いし、従来どおり「★★★★★」表記でこれを全体で一つの「★リスト」リンクにしてもいいと思う。
★のユーザーIDをその場で確認できないのはちょっと残念に思うところもあるけれど、そこまでユーザーにとって優先度が高い場所でもないだろうし、まあしょうがないんじゃないかな。
そういえばスターIDのリストってMySQLで処理してんのかな。MySQLにリスト型はなかったはずだから、
ブクマレコードごとにスターのリストを持ってるんじゃなくてスターごとにレコードがある感じかな。MySQLだったら、の話だけど。
SELECTが大半でINSERTが少し、DELETEはほとんどないだろうからロックはあまり発生しなさそうだけど、
スターの表示でわざわざブクマTABLEとスターTABLEのJOIN掛けるのはちょっと割に合わない感じがする。
ブクマTABLEにスター数を管理するカラムくらいあると思うし、なんとかならんのかなぁ。
RedisのLIST型を使ってスター情報を管理するとか、INCR/DECRでスター数を管理してくれてもええんやで。
すでにやってたらすまん。
「やっと日本に帰れるね!」
と女児が嬉しそうに話している。どうやら、日本に帰国する家族らしい。私は二年以上も日本語の会話をしていなかったため、なぜか嬉しくなってその家族に話しかけようとしてしまった。呼吸を落ち着けて、立ち止まり、その家族に近寄ろうとしたところで思った。その家族には日本人など珍しくないのではないか、と。それもそうである、日本行きの便など日本人で満ち溢れているのだ。なにも珍しくはない。なにか理由がわからない微笑みを浮かべたおじさんが近寄ってくるとして、彼らにはなにも愉快なことなど無いのだ。
私はオーストラリアの学会からアブダビとフランクフルト経由でベルギーの小さな街へ帰る道中であり、両親が亡くなって以来もう長いこと日本に帰っていない。日本行きの便か、と思った。
私が日本に帰ったとして、誰と会えるだろう。突然連絡を寄越して「会おう」などと言ったところで誰が都合をつけてくれるだろうか。新しい環境で忙しさにかまけて長いこと(10年以上も!)連絡をつけていなかった友人たちを思った。腹を割って話し合えるというよりも、珍しいもの見たさで私と会ってくれるのが関の山ではないか。
日本とのつながりはもう匿名のSNSを覗き見ることぐらいになっていた。私も匿名でその会話に参加することもあったが、自分の身分は完全に隠していた。日本語のtwitter上ではよく「日本のアカデミアは本当にヒドい」と息巻いている人たちを見かけたが、その外側ではまた別のことが求められるのだ、と思った。
現在住んでいる街にも日本人のコミュニティはあるものの、一度その会合に参加したきり全く関わっていない。なぜ彼らは国外に来てまで序列をつけようとするのだろうか。本当に不毛だと思う。
私は私でドイツ人の妻と楽しくやっているが、ふとした時に日本のコンビニや温泉や花火大会を思い出してしまう。同じような境遇の日本人は一体どうやり過ごしているのだろうか。
今までの人生で数え切れないくらいキスしてきたけど、上手いキスというのがわからない。
その上手いキスをしたことが無い悲しい人生なのかもしれない・・・。
逆に下手なキスならあった。彼氏と初めてキスする時、彼氏が上から覆いかぶさってきて「苦しい!」としか思えなかった。ついでに舌もつっこんできたので、よけい苦しかった。
良いキスというものもある。上手いんじゃなくて良い。今キスして欲しいな~と思って彼氏を見てたら察してくれたようでしてくれたやつ。超嬉しいし、良くわかったね!とびっくりした。後は花火大会の帰りとかシチュエーションが良かったやつとか、軽くふざけるみたいにしたのとか、キスの上手さというよりはより楽しめたやつだと思う。
11月最初の週末は、ラグビーW杯2019日本大会、最後の週末だ。
ラグビー伝統国以外での、そしてアジア初開催となったこのトーナメントも残すところは2試合を残すのみ。
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大会を振り返った時、3位のチームを覚えている人は少ないだろう。
地上波放送もなかったし、3位決定戦自体の存在意義に疑義を唱える関係者もいると聞く。
しかし、今回、不可抗力で中止になった試合こそあるものの、W杯の開催地に最後まで残って、参戦したときに行う可能性のある7試合全てを戦えるのはここまで残った4チームにのみ許された権利だし、この大舞台で戦う経験を積む新星、そして代表戦の舞台から去るベテランたちにとってこの一戦は大きな意味を持っている。
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ニュージーランドのWTBリーコ・イオアネや、ウェールズのSHトモス・ウィリアムズ、CTBオーウェン・ワトキンはこの3位決定戦で次の4年に向けた新たな一歩を踏み出し、No8キアラン・リード、FBベン・スミス、CTBライアン・クロッティ、FLマット・トッド、そしておそらくはこのステージで残された時の少ないLOアラン・ウィン・ジョーンズといった伝説たちが、代表として有終の美を飾るための戦いに臨む。
また、スティーブ・ハンセン、ウォーレン・ガットランド両HCも退任が決まっており、これらはこの試合が1つのサイクルの終焉と新たなサイクルの始動を繋ぐものであることも意味している。
強豪国として名をはせる両国は今夜、どのような「終わりと始まり」を見せてくれるだろうか。
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若手に経験を積ませたりベテランの花道を作ってやりたいとは思っても、負ける気など全くないウェールズ。
伝統の固いディフェンスと激しいタックルは若手にも浸透しているであろうが、相対するのは攻めてくるのを待っていて勝てる相手ではない。
ウェールズは攻撃的守備を遂行しつつ、ペナルティーキックやセットプレーなどの一瞬の勝機を何度ものにできるかが問われる一戦となる。
対してスタメンを大幅に入れ替えても世界的なビッグネームばかりという層の厚さを誇るオールブラックスは、完全に封じられれた準決勝の苦い思い出を払拭し、自信を取り戻さないといけない。
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国家斉唱を前にこの試合で黒衣を脱ぐキアラン・リードの頬に笑顔が漏れる。
スタジアムが純粋にラグビーを楽しむ祝祭的なムードに包まれる中、両国の代表と観客が声を合わせて歌う国歌。
特別な試合、原則マオリの血を引くものが務めるとされるハカのリードはキアラン・リードだった。
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いよいよキックオフ、増田の予想に反してウェールズは試合開始から果敢にランで展開しつつ攻めるが、これを止めたオールブラックスがペナルティを獲得、外れたゴールキックの攻防からボールをつなぎ、なんとPRのジョー・ムーディーが激走してトライ!
つづく12分にもラインアウトからのセットプレーでクロスパスを受けたFBボーデン・バレッドがディフェンスをすり抜けてトライ。
14-0。
オープンな展開から2トライを奪ったオールブラックスが序盤をリードする。
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対するウェールズも深く攻め込んでからのセットプレーを取り切ってトライ、その後もペナルティーゴールを獲得し14-10とやり返していく。
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しかし、ボールをもってもキックを使わず走るウェールズが挑んだ攻めあいはオールブラックスの土俵で、32分にはセットプレーからターンオーバが連続する混乱をベン・スミスが走り抜けてトライ。
銅鑼のなった40分すぎにまたもベン・スミスがインゴール右隅に飛び込み、28-10として前半を終了した。
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スタンドに観戦にやってきていた上皇夫妻に送られる拍手と歓声。
トーナメントを勝ち上がってきたキック主体の戦術を使わずランでのオープンな展開で攻めたウェールズだが、オールブラックスの得意な混乱からの打ち合いを誘発してしまう。
ウェールズは今日が代表最後となるベン・スミスの2トライなどで大幅リードを許して前半を折り返した。
後半は締めていくのか、覚悟を決めて引き続き果敢に攻めるのか。
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後半開始早々、オールブラックスはまたもベン・スミスがディフェンスをすりぬけてチャンスメイクし、ソニー・ビル・ウィリアムス一流のオフロードでつなぎ、ライアン・クロッティが飛びこみトライ。
今大会を若い力で駆け上がってきたオールブラックスは、3位決定戦でみせたベテラン3人のアンサンブルで35-10。
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ウェールズは残された大舞台最後の時間を観客とともに全力で楽しむように、後半もキックを使わずランで攻める。
オーソドックスな展開攻撃だけではなかなかビックゲインができなかったが、辛抱強くボールを繋ぎつづけ、インゴールライン間際の攻防からジョッシュ・アダムズが頭を突っ込んだ!
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ゲームは選手の交代が相つぐ時間となり、大歓声で送られるウェールズのアラン・ウィン・ジョーンズやオールブラックスのソニー・ビル・ウィリアムズ。
最もセクシーなアスリートと世の女性にもてはやされながら、前大会で得た金メダルを興奮してフィールドに降り駆け寄ってきたファンの子供にあげてしまうなど、セクシーの期末試験があったら記述問題に採用したい振る舞いがノータイムで出せる伊達男ソニー・ビルは、13人制でカナダからのオファーがるという。
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腕を痛めたウェールズSOリース・パッチェルの交代で怪我の穴埋めにとことん縁のあるダン・ビガーがフィールドに降り立ち、同じく交代で入ったSHガレス・デービスがややキックを増やしたことで後半の展開は均衡したが、やはりオープンなゲームであることは終盤になっても変わらない。
観客にラグビーの楽しさを示すように攻め合いになったゲームは、75分にウェールズ陣深い位置からのスクラムからオールブラックスSOモウンガが、その均衡を破るトライで40-17として、このスコアのままゲームは終了した。
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おそらくは互いに最後のW杯となるアラン・ウィン・ジョーンズ、キアラン・リード両キャプテンが晴れ晴れとした表情でインタビューに答える。
準決勝の苦い敗戦を払拭し、最後の試合を飾ったスティーブ・ハンセンHCは大歓声に送られ、花火大会の打ち上げ本数で上回られたウォーレン・ガットランドHCは少しだけ悔しそうな表情で、しかし歳月を噛みしめるようにウェールズを鍛え上げた日々への思いを語った。
今大会で堂々オールブラックスの司令塔を務めた新星モウンガは試合前に「先輩たちのために今日は戦う」と語ったという。
ウェールズの選手たちも同じ気持ちではなかったのだろうか、去る者の思いは若い戦士たちに受け継がれていく。
4年後には彼らが先頭に立ってチームを引っ張っていくのだろう。
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決戦の1試合を残して大会を去った彼らだが、大会後にはキアラン・リード、ライアン・クロッティ、マッド・トッド、ブロディ・レタリック、サム・ホワイトロック、リーアム・スクワイアなど、多くの選手が日本にやってくる。
あと、W杯が始まってからというもの、どうにも悪役キャラのようなセリフを吐きまくるエディーがまた口を滑らせたおかげで、スティーブ・ハンセンが次に指揮を執るのがトヨタヴェルブリッツであることも明らかになった。
日本代表の躍進をその屈強な身体で支えた姫野を擁し、元オールブラックスのキャプテンとHCがやってくるトヨタは台風の目になるだろう。
W杯を沸かせた彼らのプレーや采配を間近で見ることのできる、トップリーグのスタンドにも是非足を運んでほしい。
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そして、日付が変わって11月2日、2019年大会を制するチームがついに決定する。
追憶と希望をのせたトライの花火と歓声が夜空を彩った今夜だったが、次の夜はもっとシリアスなものが飛び交うだろう。
44日間の激闘を見守ってきたウェブ・エリス・カップは、白と緑、どちらのユニフォームの上で輝くのか。
でも昨日、旦那が飲みに行って無断外泊したこともあって、その罪悪感から一緒に花火を見てくれることになった。
とは言っても家の近所から見えるから、現地じゃなくて散歩がてら遠くから見る感じ。
いざ見に行こうとすると半袖で出てきた旦那がいきなり「寒い」と言い始めた。
「何か羽織るもの持ってこようか?」と聞いても「いい」と言い、歩いてる間ずっと寒い寒い言ってる。
道中も花火が見えるのでゆっくり歩きたかったが、旦那は早歩き。
「歩くの早いよ。私妊娠してるんだし、ゆっくり歩こうよ」と言っても「でも寒いもん」と言ってそのまま。
花火あんまり見れなかったし、お腹が大きくなって歩くスピードが落ちてたから普通に辛かった。
よく花火が見える位置で立ち止まって見始めたら、今度は打ち上げの間隔が開く度に「もう終わったんじゃない?」と早く帰りたいアピール。
何回も何回も「今ので最後だよ」って言われ続け、あまりにも辛くなって途中で帰ってきてしまった。
何でそんなに相手に合わせるのが嫌なんだろう。
昨日秋の花火大会に行ってきた。特に一緒に行く人なんかいないのだが、写真を撮るのが趣味なので、お金を払って先生付きの撮影会に参加した。これだと団体で三脚を立ててカメラを構えているので孤独感を感じなくて済む。
けっこういいお値段の撮影会だったんだが、打ち上げ場所の目の前で、天上で炸裂した花火の屑が落ちてくるぐらいの素晴らしい場所だった。どうも四人掛けで25,000円という有料席だったらしい。道理で参加費が高いわけだ。
それはさておき、現地の最寄り駅に着いたとき、やたらと混雑しているのと、楽しげなカップルや友だち連れが多いのを見て疲れた。花火を撮るのも楽しいことは楽しいのだが、私が若い頃夢みていたのはそうやって浴衣とかでお洒落をして彼氏とか友だちとかと楽しく花火を見に行くことだったはずだ。
イルミネーションとかも同様で、三脚とカメラを持って撮影会とかに行けば、美しいイルミネーションの画像をカメラにおさめることはできるけど、私が憧れていたのは可愛くお洒落してイルミネーションを楽しみ、ごつい撮影機材など持たずに彼氏や友だちとスマホなどで記念写真を撮るみたいな図だった。
いいオバさんになってしまった今となってはこうやってカメラを介して花火やイルミネーションを楽しむしか道がないのだが、これで本当に良いのかと思う。
もっとも花火大会って、終わったあとの疲労感が半端なくて、撮影会が終わると誰とも口を聞きたくないぐらいの状態で混雑した電車に乗るので、無理に誰かと行くのが良いとは限らない。
花火大会の帰り道も元気よくおしゃべりし、「ちょっと飲んでから帰ろう」みたいな人を見るとすごい体力だなと感心する。何だか行く道を間違えてしまった気がするけど、もう時計は巻き戻せない。