「国境線」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 国境線とは

2024-10-22

もうChatGPTだけでええやん

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2453448

1. 「中国他国戦争することを考えていない」についての誤解

事実誤認: 中国は確実に他国との戦争や衝突に備えている国です。中国軍事戦略には、国防の強化や領土保全だけでなく、台湾問題南シナ海における領有権主張など、他国との潜在的紛争に備えた行動が含まれています。近年では、海軍力や空軍力を急速に強化しており、特に米国との対立インドとの国境紛争台湾問題に関する戦略が注目されています軍事ドクトリンや装備の近代化を見ても、他国との戦争を「考えていない」というのは不正確です。

2. 「侵略される可能性に備えていない」という主張

論理的問題: 文章では、中国他国から侵略に備えていないと述べていますが、これは現実と異なります中国は長い国境線を持つ国であり、特に米国インドなどの大国との緊張が続いています。そのため、軍備は侵略に対する備えを含んでおり、特に核抑止力や大量の陸上兵力を持つことはその証左です。また、近年の海軍空軍近代化や、南シナ海での人工島建設による防衛拠点の強化は、侵略への備えとして評価されるべきです。

3. 「防空識別圏に関する対応」についての誤解

事実誤認: 中国2013年防空識別圏ADIZ)を設定しました。これは尖閣諸島を含む広範囲カバーしており、軍事的なプレゼンスを誇示するためのものです。文中では「中国防空識別圏に対して何の対応も取らなかった」とありますが、これは不正確です。中国は確かに防空識別圏に関して初期の段階で強制的対応を取らなかったものの、その後、米軍自衛隊の動きを監視し、警告を発するなどの活動を行っています。また、防空識別圏国際法上の法的拘束力があるものではなく、各国が自ら設定し、その管理に関しては自主的に行うものであるため、中国防空識別圏に対して必ずしも強制的な行動を取らなかったとしても、それをもって「備えていない」とするのは誤解です。

4. 中国軍事力に関する過小評価

論理的問題: 文中では中国軍が「ショボい」という表現が使われていますが、これは誤解を招く表現です。中国世界第2位の軍事予算を持ち、その軍事力は量・質ともに強化されています特に海軍空軍近代化が進んでおり、アメリカに次ぐ規模の軍事力を誇ります。米中シミュレーションでは、中国が苦戦するケースもありますが、その理由は単に「備えていない」からではなく、アメリカ軍事力が極めて強力であることや、米国同盟国が関与するためです。また、戦争シミュレーションは多くの仮定に基づいており、状況次第では結果が大きく異なることもあります

5. 歴史に基づく感情的議論問題

論理的問題: 「かつて本邦に侵略された過去から非難はするが、自衛隊米軍による攻撃上陸侵攻に備えていない」という主張は、過去出来事を基に中国現代軍事政策を論じるには不適切です。歴史的な侵略経験は確かに重要ですが、それをもって現代軍事戦略全面的評価するのは誤りです。現代中国は、アジアにおける自国の影響力を強化し、米国を含む他国軍事力に対抗するために軍備を拡張し続けています

6. 「中国上陸用装備を充実させる気配がない」について

事実誤認: 中国台湾侵攻を想定した軍備を整えており、上陸作戦を含む戦略計画策定しています上陸作戦には強襲揚陸艦やエアクッション揚陸艇LCAC)などの艦艇必要ですが、中国はここ数年で急速にこれらの装備を増強していますさらに、中国人民解放軍海軍(PLAN)は大規模な海軍力の近代化を進めており、特に南シナ海台湾海峡周辺での作戦能力を高めています。「上陸用装備が充実していない」というのは、現状と矛盾する見解です。

また、中国は「民間船を徴用する」というアイデア採用していますが、これは近代的な軍事戦略の一環で、民間船舶の利用を補完的な輸送手段として計画的に取り入れています。単に「呑気なこと」を言っているわけではなく、現代ハイブリッド戦争や多領域作戦の中で、物流兵員輸送多様化は非常に重要戦術的要素です。

7. 「2040年まで装備が充足しない」について

事実誤認: 装備の充足に関して「2040年までかかる」という主張は過度に楽観的・悲観的な予測に基づいています中国現在も大規模な軍拡を行っており、特に海軍空軍においては着実に能力を向上させています。既に計画されている装備の多くは、今後数年以内に配備が進むと考えられます2040年という時間枠は根拠不明であり、過剰な遅れを想定する根拠も明確ではありません。

8. 「中国核弾頭ミサイルに載せていない」について

事実誤認: 中国の核戦力に関する情報は、機密性が高く、正確な公開情報は限られています。ただし、中国は「核兵器報復のためにの使用する」という「最小限の抑止力(minimum deterrence)」政策を掲げており、その一環として核弾頭と運搬手段ミサイル)の分離を行っているとされていますしかし、これは抑止力放棄するという意味ではありません。むしろ抑止力を維持しながらも、偶発的な核使用を避けるための慎重な管理手法です。

中国戦略は、核兵器の即応配備を避けることで、緊張が高まった時の危険を最小限に抑える一方、必要場合には迅速に対応できる能力を持つというものです。この戦略は他の核保有国とは異なるが、独自合理性を持っています。「抑止力放棄している」という主張は中国核戦略を誤解しています

9. IAEA核兵器使用規定に関する誤解

事実誤認: IAEA国際原子力機関)は、核エネルギー平和利用監視する機関であり、核兵器使用に関する規定は定めていません。核兵器使用に関する国際規範としては、核兵器不拡散条約(NPT)があり、その中で核兵器使用に関する制約が議論されています中国は「先制不使用(No First Use)」の政策採用しており、これは「核兵器を先に使用しない」という宣言です。この政策のもと、中国他国から攻撃を受けた場合にの核兵器使用することを明確にしています。この政策が「不備」と捉えられるかどうかは、戦略的な見解の違いによります

10. 「中国経済の持続性」についての懸念

論理的問題: 文中で「正直それまで中国経済持ってるの?」という懸念が表明されていますが、これは現在中国経済状況に基づく明確な根拠が不足しています中国経済現在、成長の鈍化や不動産バブルリスクなど、いくつかの課題に直面していますが、軍事予算の増加や軍備の近代化がすぐに停止する兆候は見られません。経済的な持続性の議論は、軍事力の評価とは別に慎重に議論されるべきです。

全体的に見ると、この文章中国軍事力を過小評価し、誤解を招く論点がいくつか含まれています

事実論理に基づいた議論が不足しており、感情的主観的見解に基づいている部分が多いため、より客観的視点から評価する必要があります

2024-10-12

anond:20241012083454

んー俺はロシアイスラエルも嫌いだけど、日本もいつか武力国境線を変えられるようにしときたいとは思ってるんだよね

2024-06-13

世界史での遊牧民族重要

NHKの「3ヶ月で学ぶ世界史」という番組がいい。アジア視点紀元前古代から近代までの世界史の流れが解説される。

もちろん時間に限りがあるので、細かい部分は省略されて、王朝単位で大まかに説明されてしまうのだが、それでも高校世界史しか知らない自分みたいな人間には西欧視点でない歴史解説面白すぎる。

昔の王朝支配地域地図でやたら広範囲に色が塗られているが、別にその隅々まで厳しく占領して中央管理していたわけではなく、多くは現地の支配層を恭順させた上で任せる緩い支配だった。

一番勉強になったのは、ユーラシア大陸を股にかけた遊牧民重要性。この遊牧民アラブ商人になったり傭兵になったりしながら大昔から日本からヨーロッパまで世界を繋いでいた。遊牧民世界経済に欠かせない存在だった。

これが西側視点になると、定住しない遊牧民は非文明悪者集団として伝えられるだけになる。そのイメージ現代では差別感情となり、物語ではジープに乗ってヒャッハー叫びながら奪いに来る世紀末無法者集団にまでつながる。

西欧技術発展するにつれ、ユーラシア大陸の人やモノをつなげる遊牧民役割が終了する。というか邪魔になる。

航路の発展で中抜きする遊牧民抜きでアジア各地と取引できるようになる。西欧人にとって遊牧民農地資源開発できる土地無駄遣いしている馬鹿だ。

西欧列強になりせっかく引いた国境線を好き勝手に線をまたぐ遊牧民は目障りになる。

イスラエル建国ドキュメンタリーで当時のパレスチナ人指導者の息子はこう回顧した。「わたしの父はパレスチナ独立ではなくアラブ国家建国を目指していた。より大きな民族国家を作ろうとして建国宣言イスラエルに遅れをとってしまった」。

そりゃそうだ。広範囲関係性を持って生活文化を作ってた中で突然に直線の国境線が引かれて勝手にここからここまでパレスチナとされるほうが本来おかしかった。しかイスラエルユダヤ人相手にそうした歴史そもそも論を話している場合ではなかった。

国境のない時代ユーラシア大陸を歩き回って人類文明発展を支えたアジア民族たち。世界の多様な視点理解する重要性を感じた。

2024-04-28

境界知能よりも気風や土地柄の境い目のほうが気になる

なんで国境線のある大陸でもないのに桃山の人らは他所と比べてあんなに血の気が多いのか

(マジあたおか)

2024-04-21

anond:20240421161702

まるでアフリカ大陸における部族単位無視国境線みたいな話だなあ。→紛争の原因。オタク間の馬の合わなさに通じる

2024-02-16

西洋式社会正義って要するに「タバコやめた奴の嫌煙」だろ

人権にしても何にしてもそうでさ

自分らが一番黒人酷使ユダヤ人迫害ゲイを殺しまくり、一抜けしたと思ったら今度はいきなり正義

植民地で一番やりたい放題しておいて、経営が成り立たなくなった途端ズタズタの国境線残して引き上げて、後は知らん顔

そんな偉そうによそ様へ迫るより前にさ、まず自分らの行状をもっと真剣反省せーよって言いたくもなるだろ

そこ向き合いたくないからああやって必死他人マウントしてるの、まさにタバコ吸っててやめた奴がやたら嫌煙振りかざすのと同じ発想じゃん

副流煙もニオイもポイ捨ても、自分スパスパやってた時には一切気にも留めやしなかったくせにな

アジア人の分際でそんな連中に追従してんのチョロすぎねえか

2023-12-05

anond:20231205112356

結局史学的にも近代以前の人間社会に対しても近代基準国家だったかどうか判定してるってことなのか?

あと明確な領域がないというが北海道樺太千島東北北部あたりに住んでいた、というのは明確性を欠いているのか?

そりゃ国境線策定されてるのに比べればメートル単位集団居住地域の外縁の変動があっただろうか、そのレベルできっちりしてなきゃだめなの?

2023-11-05

anond:20231105174402

仰る通りでありますな。

さらに言えば、例え国家による国民保護不可能になってしまったとして国家解体国家に代わる枠組みに反発する人たちが多数いると思われます

国家国境線によって区切られた枠内の個人国民として統合する過程教育メディアを通じて国家内面化を行いました。福島県民が山口県民を許さないと口では言いながらも心の底では山口県民を「外の人間」と思わず自国民認識しているのはこのためです。

例え国家の存続理由がなくなったとしても個人アイデンティティ構成し同一化された国家をすぐに放棄することはできないのです。

2023-10-14

他人の皿から食べる」のは我慢できても「余計な一言」は我慢できない人多いよね

やってること一緒だよ。

相手のことを考えたらやらない方がいいと分かってるのに、自分欲望を抑えられないから実行に移したんだよ。

モラル倫理相手感情、そういうのを全部秤に載せた上で「俺が一言申し上げたい」を優先しただけでしょ。

個人としてのプライドとか、相手の痛みに対しての想像力とか、そういうのが欠如してる人だらけでしょ。

疲れてきたら皆そうなる。

疲れてないときでもそうなりやすい人がいる。

それだけだよ。

皆が皆、同じ延長線上の上で「人を傷つけること」と「自分が得をしたいこと」のバランス感覚を見失いがちなんだ。

まあ単に「他人いくら傷つけてもどうでもいいと思ってる」って人もいるけどね。

そういう人たちがやっちまってから気にするのは「自分の評判が下がったことで今後の交渉が不利になった」という自分不利益だけ。

大抵の食い尽くし系は元々そういう人間だよ。

もう人間性は諦めて「お前の交渉力が下がるから安易他人領土侵略するな。見えない国境線が見えるようになれ」で説得した方が早いんだよ。

獣と一緒なの。

25歳までに人間になれなかったらね、人間のフリをすることは出来ても本当に人間になんてなれないんだよ。

2023-10-13

100年前の武力による現状変更キャンセルできるならいろんな国境線がだいぶ変わるなあ

2023-10-11

anond:20231011172050

パレスチナ問題についての日本立場はこれで、アメリカを除く主要国と一致している。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/middleeast/tachiba.html

第三次中東戦争占領地を返還した国境線での二国家解決イスラエルですらいったんは認めた(オスロ合意)んだから歴史的経緯云々は第三国である日本問題視する必要性がないと思う。両者ともにこの線を越える行動(今回のハマスガザ地区を越えた攻撃はこれだし、日頃のイスラエルヨルダン川西岸への入植等)が悪。

anond:20231011172050

国境線で酒のんで話し合うという手があるんじゃないか

2023-10-08

anond:20210221221616

ロックの癖に「名盤を聞いておきたい」だって

ダッセェ

ロックの心は喪われたね

クラシックのそういう態度がファックだからまれたのがロックだろうが

既存名盤に敬意は払っても「聞いておかなきゃ」なんて気持ちで向き合わねえのがロックだろ

名盤は聞くと気持ちいいし勉強になるから聞くのであって「聞いておきたい」から聞くんじゃねえんだよなあ

薄皮一枚の違いだと思うか?

でもその差がロックロック以前の間の国境線の上にあるとしたら?

そこを踏み越えちまったらロックじゃなねえわけよ。

そこを踏まねえために意地を見せてこそのロックだろ?

いや、これも違うな。

そこに意地を見せようとか意識しちまったらそれもまたロックじゃねえ。

そもそも名盤って聞かなきゃいけないのか?」を考え出す時点で負けてんだ。

考えてる時点でもうロックとそれ以前の国境線に足はかかってんだ。

一歩じゃなくて二歩下がらねえと駄目なラインだぜ。

2023-10-02

anond:20231001225541

元増田ヴィジョンに従うと、台湾問題南シナ海尖閣等の領有権問題インドとの国境線未確定問題、等をプー中共解決するモチベーションは低いことがわかる。

本来政権打倒や内部分裂につながる国内不満分子の注意を、自国外に向けることができるからだ。

また、もし台湾侵攻が現実化し、ウクライナ問題のように戦闘が長期化すれば、プー中共が恐れている質の低い人民違和感なく削減するチャンスが得られもする。

2023-08-16

アフリカって1回国境線廃止しなきゃダメだよな

お前らって教養がないから知らないだろうけど

アフリカ過去帝国主義時代に都合良く引かれた国境線によって成り立ってるんだよ

から複数民族が同じ国に同居してて、民主主義やっても、特定民族長が支配するとその他の民族不利益を被る構図になってる

日本だって大昔に欧米の都合で国境線引かれてたら、出身地同士で血みどろの争いが繰り返されることになってたんだよ

けど何で日本がそうじゃないかって言うと、その大昔に天下統一がなされて、日本地域ごとの統治をぶっ壊されてたからなんだよ

からアフリカ地域ごと民族ごとの統治をぶっ壊す為に1回ガチンコ大陸天下統一の戦をやらんとダメなんだよ

これは、平和のために必要過程なの

教養のない奴らはこれが分かってないんだよな

2023-08-11

わりと最近の話なのにぜんぜん知らなかった

https://ja.wikipedia.org/wiki/ウイスキー戦争

ウイスキー戦争ウイスキーせんそう、英語: Whisky War, フランス語: Guerre du whisky)は、ネアズ海峡位置するハンス島の領有権を巡り、

カナダデンマークによって争われた領土紛争俗称である[注 1][注 2]。

この領土紛争は、1973年12月17日両国間の海洋境界線画定してから2022年6月14日にハンス島を分割領有することで合意するまで続いた[2]。

1984年カナダ軍がハンス島に上陸し、カナダ国旗を掲げるとともにカナディアンウイスキーボトルを置いて挑発したため[3][4]、

デンマーク政府シュナップスボトルを残してこれに応戦した[5][6][注 3]。

これ以降、両国の軍や政治家が入れ替わりに上陸しては、相手国への置き土産として酒類を残していくことが慣例となったため[2][7]、

この領土紛争ユーモアをこめて「ウイスキー戦争」「蒸留酒戦争」[注 4]と表現されるようになった[8]。

「最も消極的積極的領土紛争」[注 5]「最も友好的な戦争」[注 6]と表現されることもある[9]。

2022年6月11日両国政府ヌナブト準州政府グリーンランド自治政府はハンス島を岩場に自然発生している裂け目に沿って分割領有することで合意した[33][34]。

6月14日オタワ合意文書の調印式が行われ、カナダメラニー・ジョリー外相デンマークのイェッペ・コフォズ外相カナディアンウイスキーシュナップスボトルを交換し、

世界で最も平和的な争いだった」とこの領土紛争を振り返った[33]。

48年の長きにわたって続いたこ領土紛争が突然終結に至った背景には、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、

領土紛争平和的に解決できるというメッセージ世界に向けて発信する狙いがあった[2]。

合意文書の調印式でジョリー外相は「国境線を書き直すのに銃は必要ない」「ロシアは法を守らなければならない」と述べ[2][33][39]、

コフォズ外相も「人が引いた境界線はそれほど重要ではないのかもしれません」「それより重要なのは人と人の協力関係です」

外交法の支配は実際に機能します。今回の合意きっかけに、ほかの人々が同じ道を歩めばよいのですが」と述べた[11]。

2023-06-20

ロシアって今ウクライナ以外の武装蜂起を抑えられるの?

ウクライナロシア特殊部隊がほぼ全滅とか、クソ素人動員しないといけないとかだいぶ軍事力落ちてそうだけど、

この状況で反プーチン派のロシア人が反乱始めたり、他国が侵攻を始めたりしたらその武装蜂起を抑えられるの?

ロシアなんていろんな国と国境線があるし、歴史的に仲悪いところも多そうだけど大丈夫なん?

核の力言うても自国に核ぶち込むなんてできんでしょ?

2023-03-02

anond:20230302141632

中国ロシアが悪い。

主要国で軍事力国境線を変更しようとする国はこの二カ国だけ。

この二カ国が解体されたら軍事費なんて無駄ってなって負担が減るはず。

2023-02-19

ロシアウクライナ戦争の開戦一年を前に

まもなく開戦から一年を迎える。

冷戦終結させ核戦争の恐怖から逃れた人類が祝砲とともに迎えた21世紀が、よもや侵略戦争とそれに伴う核戦争懸念に飲み込まれるとは誰が予想したであろうか。ここに至る経緯は長く複雑であって一冊の書物にさえ収まりきらないものではあるが、それが世に出るころには世間の関心は賞味期限切れを起こしていると思われるので、ここにその一部を記そうと思う。


そもそもウラジーミル・プーチンウクライナ併合をもくろむようになったのはいつのことだろうか。すなわち、民族的ロシア人保護というロシア社会における要求に甘んじず、かつてのロシア帝国的な全スラブ民族庇護者というアイデンティティ確立し、ウクライナロシア範疇とするべく模索を始めたのはいつのことだろうか。これは遅くとも2019年にはその転換は生まれていると考えられる。冷戦の勝者であったはずのアメリカトランプ政権の下で国際的威信を低下させ、アラブの春以降に生まれた膨大な中東難民ヨーロッパ社会疲弊させた。東に目を向ければ2008年の中露国問題解決をもって後顧の憂いを絶ち、和平条約こそ結べないものクリミア危機をもってしてもなお対露宥和政策を維持する日本を見る限り不安要因とはなりえない状況であった。そして、ウクライナにおいてさえ、2019年大統領選挙では対露強硬派ポロシェンコが敗退し、政治的には素人コメディアン出身ウクライナ語さえ満足に話せないゼレンスキーが対露宥和政策を掲げて当選するに至ったのである。むしろこの時にこそ、プーチンミンスク合意を超えたウクライナ併合という天啓を得たとしてもおかしくはない。彼の帝国に、およそ実現不可能侵略戦争妄執を諫める官衙が無かったことが、世界悲劇であった。

ロシア軍の当初の作戦は様々な面で事前の調査検討が不十分なものであった。もとより実現可能性も実効性もない目標を大真面目に検討しろと言う方が無理であろう。とはいえ杜撰侵略作戦はいかにして作られたのだろうか。これにはおよそ二つの側面がある。一つは、計画立案の手間を惜しんで集団安全保障条約(CSTO)加盟国内で政変が起きた際の介入計画を下敷きにしている面。もう一つは、プーチン個人が気に入るであろう要素を加えることで、彼個人が満足するように作られている面である。このため、作戦計画はもとより無理のある要求に非現実的企画で回答するという悪循環産物と化しており、2022年2月の史上稀に見る大失敗に至るのは当然のことであった。

プーチンはこれまでに2回、親露派内閣の救援に失敗している。ブルドーザー革命で当時ユーゴスラヴィア大統領であったミロシェビッチ保護できず、またマイダ革命でもヤヌコヴィッチ内閣を支え切れなかった。これを踏まえ、CSTO加盟国内で政変が起きた際の対応計画は、かなり真面目に練られていた。そのうちの一つが開戦劈頭のアントノフ空港攻略作戦の原型になっている。原型となった計画では、クーデターなどによって親露派政府が打倒されそうになった場合ロシア空挺軍部隊首都近郊の空港制圧して先行する特殊部隊とともに政府首脳部を保護し、これを空挺堡として首都や周辺の主要都市軍事拠点順次制圧していくという展開を想定している。

実際、ウクライナ侵攻の直前に起きたカザフスタン政変ではトカエフ要請を受けてロシア空挺軍によるアルマトイ国際空港を中心とした展開が行われており、一方の権力を奪われたナザルバエフ隣国キルギス脱出し、カント空軍基地プーチン政権奪還を支援してくれるものと待ちわびていた。権力闘争の結果は周知のとおりだが、仮にトカエフがより反露的な人物であれば結果は違っていたかもしれない。

ウクライナ侵攻計画においても、親露派大統領に対するNATO とりわけアメリカ主導のクーデターが発生した際の対応計画を元に、少数の特殊部隊と大規模な空挺軍を利用したアントノフ空港制圧とこれを拠点としたキエフ制圧計画立案されていた。この作戦の致命的な欠陥として、クーデターであれば存在していたはずのウクライナ国内の親露派有力者、とりわけウクライナ部隊ウクライナ保安庁内の協力者からの援護が十分に期待できない点が挙げられる。計画上は確かに彼らが侵攻開始と同時に蜂起する想定になっていたのだが、ウクライナ国内の親露派の多くはロシア軍の本格侵攻を信じてはおらず、投下された膨大な準備資金個人的な利益に帰してしまった。さらに、開戦直前に至るまでアメリカによる情報公開攻勢が行われたため、ウクライナ国内の親露派との連絡調整を職掌に収めていたロシアFSB第五局は情報漏洩を恐れて正確な開戦日時を伝達せず、結果的2月24日は(開戦日は教えてもらえると思い込んでいた)親露派に対する奇襲となってしまった。この、事前連絡のない開戦とロシアによる一方的な協力への期待は、数字としては出ていないが、民族的ロシア人あるいは経済的恩恵といったものを背景とした親露派の翻意を大いに促し、以後のロシア軍を大いに苦しめることとなる。

また、本来であれば、制空権の確保と空挺堡の構築、地上部隊の侵攻は十分に連携の取れたものでなければならない。しかし、ロシア政府内では侵攻作戦プーチンの「お戯れ」であるとみなされていたため、作戦計画の内プーチンが喜びそうな内容、具体的には前述のアントノフ空港への奇襲といった派手な作戦ウクライナ全土制圧後のロシアへの併合宣言といったハイライトのみが詳細に検討され、それ以外の点については何ら考えられてこなかった。例えば、アントノフ空港制圧した空挺軍部隊と合流するためにベラルーシから地上侵攻を行う必要があるが、チェルノブイリ原発周辺の森林地帯を通過する際の計画東部軍管区のある若手士官図上演習課題として丸投げされ、提出された素案を元に別の将校が大規模演習の名目で具体的な計画に起こしていたことがわかっている。想定された場所以外では戦闘妨害が起こらず、また演習名目であったために部隊の移動は迅速に進むという前提で計画が確定してしまたことが、キエフの戦いにおいて裏目に出てしまった。同様にロシア空軍も、地上軍との連携が乏しく長期の作戦計画立案されていないなど、全面戦争を想定したものとは到底言いがたい状況であったのには、このような背景があったのだと見られている。

戦前年にもロシア軍はクリミア半島などにおいて大規模な動員訓練を行っていたが、プーチンが本気であると知らない者には、これら人員物資の集積はあくまウクライナおよびNATO に対する威嚇として理解されていた。事情を知る者は当初計画があまりに楽観的であることに懸念を示していたものの、FSB第5局の人員の多くは親露派ウクライナ人の協力が当然あるとして疑わなかったし、またある者はプーチンが本気でウクライナ侵攻を計画していると認識していなかった。何より、プーチン本人が自分に気に入られるべく作られた即興作戦計画を「狙い通りに」気に入ってしまった。平たく言うと、ロシア軍としては侵攻計画の前提となる環境整備は対外諜報活動を所管するFSB が行うことが大前提であり、しかFSBはその軍事侵攻に十全な準備をできていなかったのである本来なされるべき長期的な見通しの欠如は、未だにロシア軍を苦しめている。


もう一方のウクライナ側の防衛計画についてはどのようなものだったろうか。戦前ウクライナ政府および軍が想定していたロシア軍の侵攻計画は以下のようなものであった。まず、ドネツクルガンスク人民共和国(D/LNR)との停戦ラインにおいて大規模な衝突を起こす。これを受けてロシア政府ウクライナ政府に即時の停戦撤退要求する。ウクライナ政府拒否した場合ウクライナ軍による民族浄化作戦からロシア住民保護」を名目ロシア軍による大規模な空爆を行う。空爆によってウクライナ政府降伏しない場合地上軍による侵攻を行い、かつてノヴォロシアと呼ばれていた民族的ロシア人の多い地域制圧する。これらの地域はD/LNR と同様にウクライナ国内の(EUNATOへの加盟を拒否できる)自治州として温存し、長期的にはこれらを通じてウクライナを間接的に支配する。このプロットは明らかにコソボ紛争における欧米の介入の経過をなぞったものだが、ウクライナ軍はプーチン個人的な欲求からNATOに対する当てつけとしてこのような展開を望むと考えていた。ロシアが率先してウクライナに侵攻するのではなくD/LNR が優位な戦況を作り支配地域を広げる体裁をとることが国際的批判回避する方策であるため、国際社会による仲裁拒否民族浄化を続けるウクライナへの懲罰的攻撃という方便を生み出すよう布石を打っていくのである。前提として、ウクライナ国内クーデターのような政変が無く、ロシアからエスカレートを仕掛ける場合を想定すると、このような順で進むと想定するのは合理的である

問題はこれがどの程度のスピードで進むかであるが、ウクライナ軍の想定ではコソボ空爆と同様に開戦から地上侵攻まで最大3か月程度の時間的猶予があると考えていたようである。今を思えばのんびりした想定であるが、ロシア陸軍各部隊は徴集兵を少なからず含んでおり、これらは法律上ウクライナ派兵できないため、全面的戦争を始めるには予備役招集と訓練が必要であると見られていた。したがって部隊の充足率を高めるのに必要時間がある程度は期待できたのである。このタイムラグの間は空爆ドネツクルガンスク両州が主な戦場となる。そこで、ウクライナ軍としては東部陸軍の主力を集中させてD/LNRとの停戦ラインを堅持することで大きな損害を与え、ロシア本体が参戦するまでに東部戦線を安定化、あわよくば地上侵攻を思いとどまらせるという方針が定まっていた。また、この時、クリミア半島やベルゴロド州からロシア軍が侵攻してくることが考えられたが、ここは動員した予備役領土防衛隊国境線を維持することとされた。長期的な見通しはさておき、ウクライナ軍にとって主眼はあくま東部戦線であり、停戦ラインから20km の範囲で多数の陣地構築を行っている。隣接するヘルソンザポリージャハリコフの各州での陣地構築は開戦後住民避難と並行して行う予定であったと考えられる。

もし、開戦に先立ちウクライナ軍が上述の想定の元東部戦線への戦力の集中を行っていた場合、図らずもがら空きのキエフロシア空挺軍殺到していたことになる。では、ウクライナ軍はどこで引き返したのか。最も有力な説は2月21日のロシアによるD/LNRの独立承認の直後であろうというものである。前述のような経過をたどるには、D/LNR がウクライナの一部という立場のままロシアミンスク合意の履行を強制する状況になければならない。両地域独立承認してしまった場合、D/LNR や民族的ロシア人が優位な支配地域を中心とした間接的なウクライナ支配という筋書きと整合しなくなる。また、東部戦線におけるD/LNR の攻勢が想定よりもだいぶ弱く、ロシア軍が両地域へ展開している部隊数も想定をかなり下回っていることからウクライナ軍では当初想定とは異なる侵攻計画がある可能性を認めざるを得なくなった。この時、米国から情報によればロシア軍の侵攻計画長大国境線での一斉攻撃であった。残念ながら、ロシア軍が主体的に全面侵攻を仕掛けるという情報ウクライナ軍は信じることができず、さりとて東部戦線へ部隊を急派する必要もない状況を踏まえ、ウクライナ軍は部隊移動を取りやめ、部隊位置を秘匿したうえで数日待機、すなわち様子見することとした模様である結果的に、キエフ周辺には開戦直後のホストメリ空港一時的にせよ防衛するのに十分な戦力が残っており、第一機甲旅団チェルニゴフ州でドニエプル川左岸防衛することができた。一方で、南部においては部隊移動が混乱をきたしてしまい、クリミア半島との境界に当たるペレコープ地峡からメリトポリ付近に至る広い範囲守備部隊のいない状況となってしまった。もしこの地域担任する部隊が移動前であったならば、事前準備の不徹底なロシア軍の南部からの攻勢すら頓挫していた可能性がある。

開戦初期の戦況はこのような状況から作られたが、その後の展開は周知のとおりである

2022-12-25

anond:20221225123645

ロシアが飲める条件じゃないか安心していいよ

最低でも今年2月国境線に戻す案を出すし

2022-11-26

anond:20221125215047

一理あると思うけど、だったら国ごとの対戦を避けて、国境線とは別の分け方でチーム選抜をさせるべきだと思う。

国威発揚には利用できて、人権啓発には利用できないというのが問題なんんじゃね。

2022-11-16

anond:20221116000503

国境線あやふやにしようとする

それはお前の妄想ですよね

しろ言語民族文化的同一性国家領土主権の話を混同しようとするお前こそがロシアプロパガンダを唱えているよね

ロシアと同じ考え方だよね

ロシア民族が住んでいるから、ロシア領土

ウクライナ民族が住んでいるから、ウクライナ領土

 

国境線民族問題じゃねえよwwwwwwwwww

民族なんてそれこそここから民族でここから民族なんて線は引けねえよwwwwwww

バイエルンドイツ領土だけどバイエルン人は民族的には同じドイツザクセン人よりオーストリア人の方がずっとちけえよwwwwwwwwww

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