はてなキーワード: 短冊とは
「クリスマスに現金をねだる娘」を見て思い出したけど、子どもって意外と空気を読むところがあるものだ。
幼稚園の頃、七夕が近づくとみんなで短冊に願い事を書くのだが、「ピアノが上手になりたい」のような普通のお願い事以外にも「セーラームーンになりたい」というようなありえない夢を書く子も多かった。(歳がばれる)
一方で、月に一回の誕生パーティーでも誕生月の子供たちが前に出て将来の夢を話すのだが、その場では現実的な夢を話すと言うのが暗黙の了解になっていた。
一度、ある年少さんの子が「仮面ライダーになりたい」と言って、会場が大爆笑に包まれた事がある。
当時の私は、七夕にはみんな似たような事を書いているのに、お誕生日の子を笑いものにしているのを不思議に思っていた。
今考えると、みんな非現実的だとわかっていたからこそ、同じように非現実的な存在の彦星と織姫には叶わない夢を託し、自分のキャリアプランはそれはそれとして考えていたんだろう。かなりシビアだ。
クリスマスのプレゼントも、枕元におけるそこそこの価値のものをお願いするという暗黙の了解があったと思う。
素直に「現金が欲しい」と言えるお子さんはいい環境で育てられたのだろうし、かわいらしい話だけど、現金をもらえるなら現金でと思っている子どもは実は意外と多いんじゃないだろうか。
最近 健康に気を使うようになり、最低でも週1回、できれば3回は魚を食べるようにしている。
だいたいは大ぶり3切れのチリ産サーモン550円を買ってすぐ冷凍し、週の間に焼いて食ったり、刺身用のアジを買ってなめろうにしたりする位なのだが。
それらを買う魚屋で、今週は鱧が入っていた。
鱧。
京都の料亭などで供されることで有名だが、関東では空想上の存在とされる霊魚(ウソ)。
身に小骨が多いので、食べるには細かい包丁をミリ単位で入れる「骨切り」という工程を入れねばならず、その事で更にハードルが高くなるのだが、その鱧はしっかり骨切りもされている。
もちろん食べたことはないんで興味はそそられるが、1尾1300円という破格なお値段。
「いやさすがに・・・」と思ったが、どうしても「鱧、美味しいよねー」と言ってみたい。それに骨切りもされてるし。
「えいや」で買い求めると、店員のオジさんはビニール袋に長い身を無造作に流し込み口を縛って提供した。
手元にスマホがあったのが幸いだ、レシピを検索すると、湯引きして薬味と梅肉のつけ汁で食うと美味いらしい。
八百屋で大葉とミョウガ、潰れてお安い紀州海を買いもとめ、これで準備は完了、幸い家には甘辛口の日本酒、碧龍もある。未知の相手だが勝算は十分だ。
さて、お盆にやっつけておきたい読書、洗濯、運動不足を解決するための全力バーピージャンプ、最近新調したパソコンのセットアップなどを済ませたら、夜になった。
待て。鱧だけでは晩餐が味気ない。
八百屋では一袋100円という別の方向で破格の生椎茸も買い求めていた。
これを切り分けて、バター焼きにする。
バターで炒めた椎茸から森の息吹と旨味が混ざった香ばしい匂いが立ち上った。
信頼できる手堅いプレーヤーが脇を固めた。
さあいよいよ主役の登場だ。
ビニール袋から取り出した鱧はやや魚臭かった。やはり足は早いようだ。
1回で食べきれない長い身を両断し、半分をジップロックに詰めて冷凍する。
つけ汁も用意する。
ここからはあっという間だった。
沸かした湯に鱧を放す。
湯に放たれた身が柔らかな白に色を変え、くるっと丸まれば、骨切りされた鱧は鞠状に花をつける白菊のようだ。
すぐに上げて次は氷水に放つ。
その作業を数回繰り返せば、伝説上でしか知らなかった京料理、「鱧の落とし」が完成した。
晩餐は碧龍、カブの柚子皮甘酢漬け、紫キャベツのピクルス、椎茸のバター焼き、そして鱧の落としである。
まず椎茸。
肉厚で程よく薫る森の香りに、グアニル酸とバターの旨味。約束されていた勝利だ。
碧龍で口を洗いたいところだが、ここで酒を入れてしまえば、アルコールの作用によりなんでも旨く感じてしまう。
それはそれで幸福だが、まずは初めての出逢いは酔った頭の夢見心地ではなく素面で向き合いたい。
鱧よ、お前の真価、透徹なこの目と舌で確かめさせてもらうぞ。
白菊を思わせるそれにミョウガと大葉を乗せ、梅肉に浸して口に運ぶ。
白い身は口の中でわずかな弾力を生じた後、柔らかに解け、蛋白質と繊細な魚の脂が梅肉の酸味と大葉、ミョウガの鮮烈な香味と一体になって消えた。
滋味深い夏の味、これが鱧であるか。
こうなればもう酒と合わせて味わえばよりその滋味も際立つと言うもの。
ええい、美味きゃ全ては良しなんだ、澄ましているお前も本当はそうなんだろう?
椎茸、カブ、紫キャベツ、日本酒、鱧が入り乱れ、夜だ宴だ酒池肉林だ。
手では書けない漢字でも、コンピューターならタイプして変換して表示することができる。便利な機能だが漢字をたくさん勉強してきた人間からすると面白くないこともある。
七夕の短冊では小学校程度の漢字も満足に書けないやつが、自由研究で提出した印刷物には難しい漢字がずらずらと並んでいたりする。そうするとなんとなく内容も立派に見えてくる。冷静にぎん味すれば調べた内容がら列してあるだけで、考察も意見もないというつまらないものだが、文字の分量が多いのでなんとなく、本当になんとなくなのだが、しっかりやっているなという印象を抱かせる。
外国人についても同じようなことがいえる。知り合いのブラジル生まれのやつは、ことばは割と流ちょうな日本語を話すが、文字が仮名と簡単な漢字しか読めない。だから彼女はノートは仮名(とポルトガル語らしいのだがよくわからない)でとるし、彼女のために室内の掲示物も全てルビが振られている。そんな彼女も、Instagramでは漢字混じりで投稿しているのである(もう投稿後には自分で読めないのではないか?と密かに疑っている)。無論スマホの漢字変換機能を使っているからだ。ともあれ、そうするとが然イケてる感じになるわけだ。
私は割と漢字は得意な方だ。常用漢字は全て読めるし書けると思う。簡体字も結構分かる。漢字が好きで勉強した部分もあるが、それなりに努力というか時間を費やして覚えたわけで、そこへ前述のような漢字変換を使い苦もなく書かれた整った文を見ると、何ともいえずもどかしいような気持ちになる。漢字変換がずるって訳じゃないと思ってはいても、ちょっと悔しいわけだ。
いっそのこと、皆が身の丈にあった漢字変換しかできなくなったらどうだろうかと妄想する。新聞やテレビは、十分知識のある人たちが作っているのでほとんど変化はないだろう。では例えばTwitterやFacebookはどうか。政治談義をしていても立けん民主党になっちゃったり、アイドルの欅坂は本当に欅って読めなくて話がかみ合わなくなったり、阿鼻きょう喚だ。選挙だって大変だ。人名にも結構難しい漢字が出てくる。石破茂なんて、石ばしげるになってしまう。そうしたら、石ばし までが名字なのか?じゃあ下の名前はゲルなのか?みたいな誤解がきっとあちこちで起きてくる。混とんだ。
今度また投票があるようで、街角に候補ポスターが貼られている。そのポスターでは不自然に平仮名まじりで名前が書かれていたりすることから着想し、そんなことを考えてみました。
「アホかww」と笑われつつも、そのまま久々に嫁ちゃんとセックスできた。
何度か拒否られてからレスになったんだけど、男って自信を失うと堂々と誘えなくなるのだと思う。しばらく低姿勢で誘ってしまい、拒否られに拍車をかけた。
反省した俺はこの数カ月、身体を鍛えてきて弛んだ身体を少し引き締め、嫁ちゃんの話をよく聞き、でもアホな回答して笑いとるのを意識的にしてきた。
短冊にセックスしたいって書かなくて良かった。書かなくてもできた。
夫婦だからセックスする、というのもよく考えたらやはりおかしい。相手の気持ちやコンディションは変化する。自分の容姿もコンディションも変わってる。その変容に合わせて、コミュニケーションの一環としてセックスを位置づけるべきなのだと今回わかった。
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 113 | 21815 | 193.1 | 36 |
01 | 56 | 10831 | 193.4 | 29 |
02 | 26 | 4202 | 161.6 | 47.5 |
03 | 20 | 1790 | 89.5 | 53 |
04 | 18 | 2434 | 135.2 | 52 |
05 | 23 | 1633 | 71.0 | 24 |
06 | 25 | 1777 | 71.1 | 49 |
07 | 19 | 2689 | 141.5 | 75 |
08 | 50 | 6094 | 121.9 | 44 |
09 | 60 | 5506 | 91.8 | 39 |
10 | 74 | 8048 | 108.8 | 49.5 |
11 | 74 | 13114 | 177.2 | 40 |
12 | 106 | 10170 | 95.9 | 42.5 |
13 | 115 | 8665 | 75.3 | 42 |
14 | 121 | 14603 | 120.7 | 39 |
15 | 91 | 8369 | 92.0 | 31 |
16 | 109 | 8214 | 75.4 | 36 |
17 | 116 | 15207 | 131.1 | 37 |
18 | 95 | 11516 | 121.2 | 58 |
19 | 101 | 9041 | 89.5 | 37 |
20 | 87 | 9333 | 107.3 | 45 |
21 | 145 | 11289 | 77.9 | 43 |
22 | 151 | 18974 | 125.7 | 46 |
23 | 110 | 11388 | 103.5 | 42 |
1日 | 1905 | 216702 | 113.8 | 42 |
DID(6), 予算委員会(8), 織姫(5), 彦星(5), 消えた年金(4), 七夕(15), 宮島(3), クリムト(5), 灸(5), ドル円(4), ネット投票(5), 民主党(25), 政党(31), 自民党(58), 自民(30), 野党(47), 3分(10), 交代(12), 与党(17), 政権(35), 減税(8), 選挙(41), 投票(37), 官僚(13), 消費税(26), 経済(33), 安倍(17), 増やし(15), 投資(17)
■今日は、31歳童貞の初デート /20190707012949(25), ■とにかく自民党に投票したくない /20190707013814(21), ■民主党に政権交代したときの空気を忘れてしまった /20190707123027(13), ■カップ麺の「3分」を開始するタイミングって /20190707021247(13), ■Fateが自分でもなぜか理解できないほど嫌いになってしまった /20190707004115(10), ■もし鳥取と島根が合併することになったら /20190706202951(10), ■両親が10歳以下の時に離婚した人 /20190707001922(9), ■anond:20190706190044 /20190707015850(9), ■NISAやiDecoをやってるやつらはバカ /20190707133405(9), ■忘れないであろう入社後の違和感を絶対に忘れたくない。 /20190706101915(8), ■政権代わったら生活変わんの? /20190707141603(7), ■てか今日七夕なんだけど💢 /20190707141258(7), ■悲しい短冊 /20190707012950(7), ■資産運用って面白いの? /20190705113320(7), ■ギャグ漫画で笑ったことがない /20190707171740(6), ■anond:20190426211521 /20190513102534(6), ■この症状は何という病気なんでしょうか? /20190707215840(6), ■おっぱい星人が理解できない /20190707143311(6), ■ガールズバーで働いてると、この国の男がいかに狂っているのかわかる /20190707171134(6), ■娘に有村架純の人生は用意してあげられない /20190704120716(6), ■ラーメンを滅茶苦茶進めてくる上司 /20190706222746(6)
6422887(3109)
FGOや、グラブル、モンスト、後は無限に出てくる美少女音ゲー。
全部1ヶ月もしないうちにやめているんだけど、なんでやめているかって、PCやPS4のゲームプレイしながらできないからなんだとわかった。
昔、ものすごい艦これにハマっている時期があって、その時期ってBO2だったか3だったかが盛んだったわけだけど、ながらでできたからハマってたんだと思う。
短冊がブルブルするのを眺めるだけとよく言われる艦これだけど、ながらでやることを考えたらベストマッチで、リスポーンタイムとかにマウスをちょろっと艦これの方にもっていって、2~3クリックしたら艦これは3~4分ぐらい放置するのでBOに集中できるという完全にロスタイムを補い合う関係だった。
今まで続いてるゲームは基本的にオート機能があり、ランキングを争うゲームじゃない。
例えば、アズールレーンなんかもそうで、艦これが情報収集しながらイベントを走るゲームになってからはアズールレーンをメインでやってるんだけど、スマホでできるのがとても良い+周回ストレスも低い。(今回のイベントも不評だが、そもそも自分はいつでもオートプレイなのでストレスもなにもない)
APEX LEGENDSと一緒にやってるが、APEX LEGENDSは1プレーが15分程度なのでそこまで相性は良くない、というか完全にAPEX LEGENDSはロスタイムが排除されてるのすごい。
いろいろ考えた時、結局スマホのゲームは自分にとってサブゲームなんだということ。
また、通勤時間が徒歩5分なので暇つぶしするほど長い時間をスマホゲーに当てられず、メインゲームのロス時間を埋めるだけなので選ぶゲームが非常に限られてしまう。
FGOはシナリオが爆発的に面白いという話を聞くが、メインゲームのロス時間にお話を読むような時間はないため結果、面白くない戦闘だけをさせられてやめてしまった。
グラブルは、オートでできるしシナリオもあらすじ機能がついてるからすごく良いんだけど、古戦場が…ね?Twitterでつながっちゃうと周りが死ぬ気で周ってますって言ってるところで「即凸即死のクソASHやめろ」とかいうわけにもいかず居心地が悪くてやめた。
モンストは、結局やることが3時間拘束されてドロップキャラを99体集めるだけなんだとわかってから触っていない。いや、たまにログインして、昔引いたキャラが獣神化してないかな?と見るぐらいにはなった。(ガブリエルの獣神化まだ時間かかりそうですか?)
音ゲーは時間的に無理。オートプレイつけて。それかミリシタやナナシスみたいな音ゲー以外のスタミナ消費コンテンツ付けて。でもどっちも続かなかったんだけども。
https://www.mhlw.go.jp/form/pub/mhlw01/roudoukijun_getmail
自分の氏名や連絡先を書かなくても良い。
・ 匿名だが、情報提供内容(メールの内容)を明らかにしてよい
・ 匿名だが、情報提供があったこと(メールがあったこと)のみ明らかにしてよい
を選択できるので、通報があったこと自体を隠す事もできるし、詳細を伏せ通報したことだけ伝えることもできる。
詳しく書けば書くほど効果は期待できるが、七夕の短冊に願い事を書く感覚で、安全圏から軽く通報するのも良い。
そうすれば、何かが変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。
---
追記:
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000078427.pdf
のたくった、サイズもバラバラな字で「ペンキやさんになりたい」と書いてあった
なんでペンキ屋なのかは覚えていない
ただ、それが当時本気でなりたかったものだということは何となく思い出せた
場当たり的にそこそこ響きの良いものばかり言い続けて、それなりに各々の夢にも興味を持っていた
だけど命を賭しても叶えたいと思ったものはその中にはなくて、全部なあなあの集まりで
辿っていくと幼稚園の「ペンキ屋」が後にも先にも唯一の、本心からの夢だったのだと思う
その会社に塗料部門があるのは、何の因果か知らないけれど。捻じれに捻じった形であるが、一応当時の夢を達成しつつある。
ちっぽけなあの頃の自分がずっと引っ張って、自分でも気が付かないうちに背中を押してくれて来たんだろう。
そう思って、頑張っていこうと思う。
だから今の視点だと短冊がプルプルするの見て祈るだけの、もはやゲームですらない運ゲー的な何かであることは仕方ない?
ログインボーナスないのも、おまけにUIが使いにくいのも仕方ないと?
そんなわけあるか。
だって弾着観測に艦載機熟練度に支援艦隊に基地航空隊に改修工廠と、無駄に長時間ゲームに張り付かせる仕様追加だけは精力的に励んできたのをお忘れか?
しかも長時間張り付いてまで色々やり込んでも、肝心の戦闘のストレスが減らないどころか、やり込んでも運次第であることは全く変わらないので、かけた時間コストに対する無力感でむしろストレスが増大する。
更に改修工廠のネジはやたら渋くて、毎日・毎週の任務を隈なく達成できなければ課金しろと言わんばかり。
これで改修工廠がオマケ要素なら時間ある人か金持ち向けとみなしてスルー可能なのに、大量のネジと資材を消費する改修でしか入手できず、しかも重要度高い装備があるとか、そこまでしてカネや時間を艦これに注ぎ込ませたいのかよって感じ。
そしてイベントの、理不尽としか言いようのない海域難易度が、上述のやり込みをしたうえでひたすらお祈りするプレイヤー以外を締め出す篩として、今も昔も絶好調で機能している。
それを誤魔化すかのように、公式ツイッターはしたり顔で史実のエピソードを語るが、はっきり言って史実史実うるせーんだよとしか思えないわけで。
結果論かもしれないが、結局艦これは開発リソースの使い方を完全に間違えたタイトルってことになるのかな。
油脂の風味のある味噌汁ってなんであんなに美味しいのかよ油も脂も罪深い
自分の好きなのは牛蒡ささがきにしてたっぷり入れて芋はさつま芋の銀杏切り、
大根も人参もおんなじに切ってたくさん入れて油揚げも風味出しに短冊切りで
あと黒蒟蒻もちょっと大きめに切って絶対入れたい 生姜も絶対 玉ねぎは甘みのためにたっぷり
これらは全部最初に炒めて油を通したい 豚肉はほんとはバラがいいのかもだけど、
歯ごたえがあるのが好きだからモモか本ロースか肩ロースがいいな
でもたいてい安いから切り落としになっちゃう これもやっぱり炒めて入れる
お味噌入れて、仕上げにめんつゆをほんの少しと火をとめてほんのちょっとのごま油
はーーーーーーーーー豚汁よ豚汁なんでそんなに美味いのか これだけで野菜いっぱいおかずになって大満足
でも豚汁って実は難しい 自分は芋は絶対さつま芋(甘みを出したい)がいいんだけど
豚肉の部位生姜の有無ごま油の是非についてもそれぞれ一家言があり、ちょっとした闘争の元である
とはいえそのとき作った人の豚汁に粛々と感謝を持っておいしく食べる
誰が作ってもどんなふうに作っても概ね美味しくなるってすごいよね 豚汁は懐深くもある
そもそも「ぶたじる」と読むのか「とんじる」と読むのかでも地域差あるらしいし(自分は後者)
私の地元にはオリヒメサマという風習がある。年頃の娘がその年のオリヒメサマに選ばれ、6月1日に墨染山の頂上でおでこにデカデカとハンコを押す。「オリヒメサマ、この娘の体をお使いください」という目印らしいが、最近は子供や大人、観光客にも押すようになった。
オリヒメサマに選ばれた娘は、年末までオリヒメサマとして振る舞う。七夕に短冊を焚き上げて願いを本物のオリヒメサマに届けたり、8月半ばのオリヒメ祭りで彦星役と舞を踊って酒を飲み交わしたり、糸紡ぎの儀、機織の儀、衣染めの儀、灯籠流し、えびす講、松の文字下ろし、はては最近はカラオケイベントや盆踊りにまでも引っ張りだこだ。
オリヒメサマにいい加減帰ってもらうために、皆してオリヒメサマの悪口を言いながら山を登る。山を登った先では仏僧とオリヒメサマが参列者の頭に御神酒を注ぐ。年暮れだから当然凍えるように寒い。
かくしてオリヒメサマは天の彼方へと帰って行き、娘は解放される。
が、たまにオリヒメサマが帰らないことがある。
1月1日を過ぎてもオリヒメサマとしての言動が抜けなかったり、何やら奇妙なことを口走るようになって、その後半年で半分廃人のようになってしまうことが十数年に一度の頻度であったらしい。
昭和中頃までは「もらわれた」「よばわった」、あるいは「いらっしゃる」、「いごいた」など、我々はそのような娘を好き勝手に呼び、半分憐れみ、半分尊び、注目しながらも、目を背けつつ、みんなで世話をした。21世紀になって思うに、宗教的なものというよりは、年端も行かぬ若娘がまったくの別人格を無理やり与えられてチヤホヤされ、崇められ、その他全ての町人の上に立つという経験自体が精神に良くないのかもしれない。が、私は医者でも学者でもないので詳しい事はわからない。
昭和後半になって、これらの行事はどこからともなく現れた「正式名称」で呼ばれるようになり、「正しく」紹介されるようになり、行事はやんわりと修正された。もっとソフトでポップな雰囲気が欲しかったのかもしれないし、観光資源化のために必要だったのかもしれないし、何か良くないことをしているから変えなければならないという自覚が旦那衆にもあったのかもしれない。
若い衆は何も知らずに、単にイベントとしてこれら行事を楽しんでいることだろう。しかし、年寄りはあのころのディープな記憶を持っている。
最近はオリヒメサマ選びはただの美人コンテストなのかもしれない。ただのまちおこしなのかもしれない。
でも、あの頃の記憶は忘れられない。オリヒメサマを持っていることによる神秘的な高揚感。他町民への優越意識。そして、どこかいけないことをしているような共犯意識。
今の行事には、あの頃の妖しい魅力と強力な毒はない。腑抜けた、という表現がぴったりくる。でも、きっとこれでいいんだろう。我々が皆死にゆけば、この町は普通の町になる。