①ハサウェイ：僕はノア。ハサウェイ・ノアだ。
②シベット：いいか！　最長10分で離脱だ！
③ガウマン：ダバオに七人からの閣僚がおネンネしているってのがアホなんだよ。
④ナレーション：反地球連邦政府組織マフティー
⑤マフティー：我々は、現在の地球連邦政府に反省をうながすために、やむをえず攻撃をした。
⑥ナレーション：マフティーを率いる男、ハサウェイ
⑦ケネス：おれが、奴の首を刎ねてくれる。
⑧ギギ：マフティーのやり方、正しくないよ。
⑨ハサウェイ：じゃあ、教えてくれよ。この仕組みの深さを破壊する方法を。
⑩レーン：レーン隊、降下する飛翔体を迎撃する！
⑪レーン：ガンダムもどきめ。
⑫ハサウェイ：僕は代わるよ。変えてみせるよ。
⑬ナレーション：閃光のハサウェイ

①ハサウェイ：僕はノア。ハサウェイ・ノアだ。
【アニオリ】スペースシャトル「ハウンゼン」に侵入したテロリスト集団の鎮圧を終え、地球に着いた直後のシーン。アニメでは別れ際にケネスがハサウェイに名前をたずね、このように返答するが、原作では二人の会話はあるもののハサウェイが名乗る場面はない。直後の空港の場面で職員らに名前を聞かれて「ハサウェイ・ノアだ……」と答えるセリフはある。原作ではハイジャック時に偽マフティーが乗客リストを見ながら「ハサウェイ・ノア……？　お前か？」「ハサウェイって……あのハサウェイか」と驚いてみせるセリフがあるが、アニメでの偽マフティーはリストを覗き込み「お前……」と驚くだけでハサウェイの名前は呼ばない。そのためアニメ版では、このハサウェイの名乗りが劇中で最初に「ハサウェイ・ノア」という名前が出てくるシーンとなる。おそらく作品タイトルにもなっている主人公の名前を印象的な形で聞かせたかったのだろう。
②シベット：いいか！　最長10分で離脱だ！
【原作にあり】マフティーのMSがダバオに空襲を仕掛けるシーンでのシベット・アンハーンによるセリフ。原作では「いいか！　最長十分で、戦闘空域を離脱しろ！」
③ガウマン：ダバオに七人からの閣僚がおネンネしているってのがアホなんだよ。
【原作にあり】 ②の直前のセリフ。原作では「ま、ダバオに七人からの閣僚が、おネンネしているってのが、アホなんだよな。俺たちマフティーをバカにしているんじゃないの？」。なお、このような「からの」は富野由悠季がまれに使うものだが、おそらくまれすぎてトミノ語として認識されていない。原作のセリフをそのまま活かしたおかげで、妙な引っかかりを持つセリフとなった。
⑤マフティー：我々は、現在の地球連邦政府に反省をうながすために、やむをえず攻撃をした。
【原作にあり】ダバオ空襲後、マフティーが電波ジャックして流した犯行声明演説。このセリフは予告編用にダイエットされており、アニメ本編では「我々は、宇宙移民の意味を忘れた現在の地球連邦政府に反省をうながすために、やむをえず攻撃をした」と言っている。原作では「我々は、宇宙移民をした意味を忘れた現在の地球連邦政府の人びとに反省をうながすために、やむを得ず攻撃をした。（略）」
⑦ケネス：おれが、奴の首を刎ねてくれる。
【原作にあり】ダバオ空襲の翌朝、基地に身を寄せたハサウェイとの朝食の席でのケネスのセリフ。
⑧ギギ：マフティーのやり方、正しくないよ。
【原作にあり】ホテルに着いた直後のハサウェイとの会話の中でのギギのセリフ。原作では「……そんなあなた見ていると、いいたくなっちゃう」「なにを？」「マフティーのやり方、正しくないよ」というやりとりだが、アニメ版ではより唐突に出てくる。
⑨ハサウェイ：じゃあ、教えてくれよ。この仕組みの深さを破壊する方法を。
【原作から改変】アニメ版ではダバオ空襲の少し前、仮眠につくハサウェイがホテルの宿泊カードを見つめながらつぶやく独り言として登場。原作ではダバオ市街でミヘッシャらとの接触を終えた後、タクシー乗車中に現れる地の文。「しかし、調査局のタサダイ・ホテルの宿泊カードの使い方にもみられるように、連邦政府が組み立てた世の中の組織の深さには、慄然とするのである。そうなれば、この仕組みの深さを破壊するためには、その組織の中枢を慄然とさせなければならない。でなければ、地球連邦の改革はないという論法におちいるのも当然と思えるのだった。」　なお、直後の「人類全部が地球にすむことはできないんだ」もここの地の文から拾ったもの。
⑩レーン：レーン隊、降下する飛翔体を迎撃する！
【アニオリ】中にクスィーガンダムの入ったカーゴ・ピサを目にしたレーンのセリフ。このシーン自体が原作にはない。
⑪レーン：ガンダムもどきめ。
【アニオリ】クスィーガンダム対ペーネロペーの戦闘シーンで人質引き渡しをした直後のレーンのセリフ「待ってやったのは情けではない。ガンダムもどきめ」の一部が予告編で使用されている。これは原作にある「待ってやったのは、情けではない！　民間団体には、コピーしか作れないことを思い知らせてやる。（略）」というセリフを改変したもの。アニメ版では原作よりもペーネロペーが持つ“ガンダム性”が拡大、強調されているようなので、その影響で生まれたセリフと考えられる。ペーネロペーは原作では“ガンダム”として言及されていないが、2001年発売のカレンダー「ANAHEIM ELECTRONICS GUNDAM HISTORY 2002 CALENDAR」に掲載された機体解説文のなかでペーネローのコアユニットの名前は「オデュッセウスガンダム」と発表された。
⑫ハサウェイ：僕は代わるよ。変えてみせるよ。
【アニオリ】クスィーガンダムに搭乗するハサウェイによるクェス・パラヤに語りかけるようなモノローグ。クスィーガンダム受領にかんする一連のシークエンスは、クライマックスであるその後の戦闘シーンとの緩急の差をつけるためか、アニメ版ではより緊張感をもって入念に描かれている。

『機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ』予告2

https://www.youtube.com/watch?v=MJSgeewMd_E

①ケネス：彼は、危険人物だ。地球連邦政府の秩序を乱すものだ。
②ナレーション：あのとき、彼は誓った
③ハサウェイ：そうだね、クェス。僕は代わるよ。変えてみせるよ。
④ナレーション：世界を変える。そして人類の希望になると
⑤ハサウェイ：来るな……!?
⑥ガウマン：やってみせろよ、マフティー！
⑦ハサウェイ：なんとでもなるはずだ！
⑧レーン：ガンダムだと!?
⑨レーン：逃がすか！
⑩ギギ：やっちゃいなよ、そんなニセモノなんか！
⑪ケネス：マフティー・ナビーユ・エリン。
⑫ハサウェイ：敵をかかえこんでいるんだ。いろいろとなっ！
⑬ケネス：やっかいなものだな、生きるというのは。
⑭ハサウェイ：これからが地獄だぞ。
⑮ナレーション：閃光のハサウェイ
⑯アムロ：身構えている時には、死神は来ないものだ、ハサウェイ。

①ケネス：彼は、危険人物だ。地球連邦政府の秩序を乱すものだ。
【原作にあり】スペースシャトル「ハウンゼン」でのギギとの会話のなかで、マフティー・ナビーユ・エリンについてどう考えているかを尋ねられた際のケネスのセリフ。原作では「……マフティーについては……彼は、危険人物だ。地球連邦政府の秩序を乱す者だ」
③ハサウェイ：そうだね、クェス。僕は代わるよ。変えてみせるよ。
予告1の⑫と同じ。
⑤ハサウェイ：来るな……!?
【原作にあり】終盤のクスィーガンダム対ペーネロペーの戦闘シーンでのハサウェイのセリフ。急降下して海面に近づき、レーンのペーネロペーを誘い込む場面。
⑥ガウマン：やってみせろよ、マフティー！
【原作から改変】 ⑤の大勝負に打って出る直前のハサウェイのセリフ「一気に決めたい。できるかどうか……」に対するガウマンの返答。原作では「やって見ればいい」という素っ気ないものだった。改変のおかげでミーム化したといえる。
⑦ハサウェイ：なんとでもなるはずだ！
【原作にあり】待ち伏せたレーン隊の襲撃を受けて半壊したカーゴ・ピサからクスィーガンダムを離脱させるシーンでのハサウェイのセリフ。
⑧レーン：ガンダムだと!?
【アニオリ】 ⑦の直後にあるレーンのセリフ。ガウマンの「マフティーだってガンダムを手に入れられるってことだ」に対してレーンは「ガンダムだと!?」「ミノフスキー・フライトか」と返す。原作では同じ2人が「マフティーだって、新型を手に入れることができるってことだ」「ミノフスキー・クラフト機か!?」というやりとりをする。前述のようにアニメ版ではペーネロペーのガンダム性が強いため、それに引っ張られるようにしてガウマンとレーンのセリフが変更されたのだろう。
⑨レーン：逃がすか！
【原作から改変】 ⑥のすぐ後のレーンのセリフ。原作の同じ箇所にあった「逃すか、という確信と、さらなる加速に動揺しながらも、レーンは、ビーム・ライフルを連射した。とどめという確信があった。」という地の文の一部を、レーンのセリフとしたものだろう。
⑩ギギ：やっちゃいなよ、そんなニセモノなんか！
【原作から改変】ハウンゼン機内でテロリストに銃口を突きつけられたハサウェイに対してギギが叫ぶセリフ。原作では「マフティーだなんて、ウソをいう連中なんか、やっちゃったら!?」。アニメ版ではクェスの声を加工して使うなど演出が凝っており、かなり印象的な場面となっているが、原作でのこのあたりは思いのほかあっさりとした描写。
⑪ケネス：マフティー・ナビーユ・エリン。
【アニオリ】予告1の⑫と⑩の間にある司令室でのケネスによる内面の吐露。
⑫ハサウェイ：敵をかかえこんでいるんだ。いろいろとなっ！
【原作にあり】ギギとともに空襲から逃れる場面でハサウェイがエメラルダに返したセリフ。
⑬ケネス：やっかいなものだな、生きるというのは。
【原作から改変】最後のほうにあるギギとの会話の中でのケネスのセリフ。原作でのケネスのセリフ「そりゃわかる。人には、たえず義務というものがあって、やっかいなものだ」「生きるための……とでもつけくわえた方が、気持ちがいいかな？」を再構成したもの。
⑭ハサウェイ：これからが地獄だぞ。
【原作にあり】レーンのペーネロペーに人質として捕らわれていたガウマンをクスィーガンダムのコクピット内におさめた直後、ハサウェイからガウマンへのセリフ。原作では「……これからが地獄だぞ。」
⑯アムロ：身構えている時には、死神は来ないものだ、ハサウェイ。
【原作から改変】 ⑦の少し前のシーン。死を予感したハサウェイが、かつてアムロ・レイからかけられたのであろう言葉を思い返す（追記：と思い込んでいたけれどこれニュータイプ特有の心霊現象かも）。原作では以下のように地の文となっている箇所だが、アニメ版はアムロのセリフに変更されている。アムロが喋っているだけで謎の説得力が生まれる。本筋に絡んでくるものではないが、この映画最大の改変のひとつ。
「意識があるうちは、死んでいないのはわかっている。しかし、カーゴ・ハッチが破壊された直後、自分の機体がどういう状況のなかに放り出されるかは、わからない。その瞬間に、死んでいるかもしれないのだ。そんなばかばかしいことだけは、したくはないと思いながらも、ハサウェイは、人の死は、往々にしてそういうものなのだということも知っていた。身構えている時には、死神は来ない。それも戦場の摂理なのだ。」

えっ、そんな『閃光のハサウェイ』が早くも見放題配信に!?（ダイマ）

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