はてなキーワード: チェスとは
AI(人工知能)とは、人間の知的な活動をコンピューターや機械で模倣する技術です。AIは様々な分野で利用されており、ゲームの敵キャラクターもその一例です。ゲーム内の敵キャラがAIで動いていると言うこともありますが、その技術レベルには幅があります。
1. 弱いAI(Narrow AI): 特定のタスクに特化した知能を持ち、そのタスクにおいては高い性能を発揮しますが、他のタスクでは性能が低いものです。例えば、チェスや将棋のAI、音声認識システムなどが含まれます。多くのゲーム内の敵キャラクターも、限定された状況での行動パターンを持つ弱いAIといえます。
2. 強いAI(General AI): 人間のように幅広い知識や理解力、推論力を持ち、様々なタスクに適応できるAIです。現在の技術では、まだ実現していません。
3. 超AI(Superintelligent AI): 人間をはるかに超える知能を持ち、ほぼ全てのタスクで圧倒的な性能を発揮するAIです。これも現在の技術では実現していません。
ゲーム内の敵キャラクターは、通常、特定の行動パターンや戦術に基づいて動くため、弱いAIに分類されます。しかし、敵キャラクターが学習や適応能力を持ち、プレイヤーの行動に対応して戦術を変えるようなものであれば、より高度なAIと言えるでしょう。
俺はいわゆるGAFAMのどこかのソフトウェアエンジニアだが、少なくともお仕事としては
もうプログラミングという概念はなくなると予想する。それも数年のうちに。
そのうちもはや人間では解釈できないプログラムをAIが作成し始めて、それでシステムが組まれるのが普通になる。
今の将棋やチェスと同じように、ごく一部の人間が楽しみのためだけにやるのがプログラミングというものになる。
非常に危機感を感じているが、もはやこの動きは止められないと思う。
ミリオタと暇空茜の罵倒合戦が続いているが、それを見ながらふと一つの疑問が湧いた。ミリオタ側ネームドが暇空氏を罵倒するときに”戦争と戦略の天才”の部分を取り上げる時があるが、なぜミリオタは彼がそう自称する根拠の方を叩かずに自分たちの論理で彼の自称を叩いているのだろう。
相手の鼻っ柱を折りたいのであれば、相手のテリトリーの中にある相手のプライドを叩く必要がある。この場合、彼の自称である戦争と戦略の天才を叩きたいのであれば、彼がそう名乗っている理由、つまり根拠の部分を明確に否定すべきなのである。なぜ彼らはそれをしないのだろうか。
まず筆者の考えを明確にしようと思うが、私も彼の自称は些か過大評価だと思っている。というのも確かに、彼の分析能力と妨害能力は高い。それは認めるべきである。また、分析と妨害の出来る奴の戦略というのは大抵の場合は有効なので彼の戦略能力も相応に高いであろうというのは想像がつく。しかし、それで戦争と戦略の天才を名乗るのはやはり過大評価ではないかなと思う。
過大評価と思う理由だが、暇空氏は自身を天才と自称する根拠の中で、オンラインゲームでの戦績とその後、作成に携わったゲームの話題を上げている。だが、それらのオンラインゲームはいずれもアクティブユーザー数に関してはたかが知れているし、ユーザー数が限られるということは内部戦略の研究もそれだけ限られるということである。悪い言い方をすれば、そのような狭い世界の中でトップを取れたとしても、上には上がいるというのは想像に難くない。
例えば彼が推定ユーザー数が数億人規模であるチェスの世界でグランドマスターに上り詰め、チェス界を揺るがすような新しい戦術も生み出したと言うならば紛れもない天才と名乗っていいと思う。あるいは現実の軍の中で相応の地位に上り詰めていても才能を誇っていいと思う。だが、実際に彼がトップを取っているのは億どころか数千万も怪しいようなオンラインゲームの世界である。たしかに人に誇れる程度の戦績とは思うが、名だたる本物の天才達に並び立つような名乗りが出来るほどの実力とは思えない。
もし彼がこの文章を見た場合、やる気と時間さえあればチェスだろうがなんだろうがトップと渡り合えると言うかもしれないが、それは他の天才達も同じことである。例えば、羽生善治氏がやる気と時間を持って彼のやっていたゲームに取り組んでいた場合、羽生が圧倒的実力でトップに上り詰め、彼は負け続けている可能性だってあるわけだ。もちろん、これらの話は所詮たらればの話なので実際のところは分からないし、する意味もない話であるが。
以上の理由が、私が暇空氏の自己評価は過大評価だと思う理由である。とはいえ、実態に関わらず自己評価の仕方というのは本人の自由なので、彼が戦争と戦略の天才を名乗るのは自由である。私含めて周囲にそれを辞めさせる権利はない。ただ、仮に私が彼の自称を辞めさせずとも否定するのであれば、上記の理由をもう少し詰めた上で彼に叩きつけるだろう。相手が自信に思っている部分を否定しない限り、折れるタイプではないからである。
問題は、なぜミリオタ側はこの程度の否定すら出てこないのかということである。上記の文章は病床の筆者が30分程度で考えて30分程度で書き上げたものである。いくら趣味を否定されて頭に血が登っている奴が多いといえ、なぜ病床の筆者から出る程度の否定が出てこないのか。相手に下手な煽りは通じない以上、戦うなら相手のテリトリーで相手のプライドを殴るしかないのに、何故それができないのか。本当にミリタリーや軍略のオタクなのだろうか? 敵の行動と思考の分析は勝つための第一歩やぞ?
彼の煽りに顔真っ赤で反論したい気持ちもわかるが。逆にそういう時ほど冷静に戦ってほしい。冷静に戦えば、手強いが決してダメージを与えられない相手ではないだろうに。(逆に相手から冷静さを奪うあの煽りは彼の見事な戦術の一つである。私は嫌いな戦術なのであまり見たくはないが)
チェスの何とかさんが強い、サッカーのホニャララくんが強い、彼は短距離走が、強い。
〜が強いって表現は、それが記録であっても誰かと競わないと成り立たない表現だと思うんだよな。
サーカスで空中ブランコしたらすごいけど、別に強くないもんな。
バレリーナもなんか綺麗だけど強くはないだろ。喧嘩したら強そうだけどそういう話じゃなくてな。
プロレスって見てたら息を合わせる瞬間が結構ハッキリわかるし、どんな攻撃でも覚悟させる時間を取る。
それ自体悪くはないが、これは競ってないだろ。
それはそうなんだろうけど、あれは数人で不規則にある程度はアドリブで痛そうに踊ってるだけで、強いってのは物凄く違和感あるわ。
人間讃歌は苦難を乗り越える時に輝くし、手っ取り早く見せるなら苦痛を与えて耐えるのが良い。
文章力は低いのでご了承ください。
ハチワンダイバーを読んで興奮し、ハム将棋を棒銀でボコして悦に浸ったりしていた。
しかしながら、オンラインの対人戦(24やウォーズ)に潜ると自分より圧倒的に強い人しかおらず、何もわからないままボコられ、楽しさを感じる前にやめてしまった。
その後、天鳳というオンライン麻雀にドはまりしたり、格闘ゲームやLoLの観戦勢をやっていた。
天鳳で七⇔八段を何度か繰り返した後、自分のなかで「麻雀はもういいかな」という気持ちが生えてきた。
麻雀は楽しいが、どれだけ選択を考え抜いても運に振り回されるゲームなので、頑張れば頑張るほどつらい気持ちになってしまった。
ある日、Netflixで「クイーンズ・ギャンビット」という作品が流行り、チェスに興味を持った。
チェスも昔ほんの少しだけやったことがあり、ギコチェスにボコられたりする程度の知識はあった。
YouTubeで「チェス ルール」「チェス 初心者」等で検索してみると、日本チェス連盟の動画が出てきて、そこから色々動画を見漁ってるうちにチェスに引き込まれた。
https://www.youtube.com/watch?v=G5dyh24BTr4
今はChess.comという最王手のオンラインチェスサイトでプレイしている。
ソースは不明だが、Googleで検索すると約5億人くらいらしい。
故に、カジュアルなプレイヤーも数多くおり、初心者がオンライン対戦に潜ってもちゃんと初心者とマッチする。
自分はR900程なのだが、いつプレイしても大体800~1000くらいの人と対戦できて、大体ものすごい接戦になる。
これは将棋にはない良い点だと思う。
1.「取った駒を使えない」
終盤になるにつれて、盤上の駒がどんどん少なくなっていくので、将棋よりもわかり易さがある。(簡単ということではない)
2.「囲い」というものがない
キャスリングというルールによって、一手で王様の守りが完成するので、覚えることが少なくてよい。
3.駒の足が早い
将棋の歩にあたるポーンは、初期位置に居る場合に限り前方に2マスまで進める。手っ取り早くていい。
ルークが2つ(飛車)・ビショップが2つ(角)・クイーン(飛車+角)・ナイト(8方向に動ける桂馬)と、ダイナミックな駒が多く、すぐ戦いになる。
・Chess.comのデイリータクティクス(次の一手みたいなやつ)を消化
・日本チェス連盟のOpenRecチャンネルの配信を見る(月額500円だが質・量ともに大満足、初心者初級者向けのコンテンツも充実している)
・チェスに関する本を読む
・Redditのr/Chessを読む
装備可能Lv | 武器名 | 武器基本性能 | 武器オートアタック | 攻撃間隔 | DEX | VIT | クリティカル | 意志力 | スキルスピード |
Lv56 | ハロードチェスナットロングボウ[良品] | 66 | 72.16 | 3.28 | +56 | +59 | +41 | +58 | |
Lv58 | パーチロングボウ[良品] | 67 | 58.96 | 2.84 | +68 | +60 | +67 | +47 |
Q. Lv56武器からLv58武器に切り替えたときどのくらい殲滅性能が上がるか。というかパーチロングボウに買い替えたほうがよいか
せめてステータスが全部ちょっとずつ上がるんなら比較も納得もしやすいんだけど!
※注1:ステータスからダメージを計算する式(ユーザー推測)は存在するので、クリティカルが67増えてスキルスピードが58減ってDEXと意志力が12と6だけ増えた状態で手持ちのスキルを理想的に回した場合、時間あたりのダメージ総量がどのくらい増減するかの把握は可能
※注2:レベル58で気にするような内容ではないのは間違いない。運営を信じて(つまり、特定のステータスが下がることがあっても最終的な総ダメージはきちんと増えていくように並べてあると信じて)装備レベル(実際にはアイテムレベル)が高いほうで更新してOK。つまりゲームの愚痴または惚気である
Q: 政治では「誰が何に値するか」についての議論が盛んである。あなたなら、どうやって「誰が何に値するか」を定義するだろうか。
能力主義が本当に悪いのかとふと思った。
大衆の権利についてのゲームを「人狼ゲーム」に喩えるなら、能力主義は「チェス」だと私は考えている。
能力を正当に評価する方法が存在し、かつそのジャンルが多様であるほど良い。
では「受験勉強を必死にやり、学歴を得て、その学歴を用いて就職する」という一見能力主義に思えるプロセスがなぜポピュリズムなのか。
よく考えてみると、大衆が望むようなタイプの能力で一律的に評価をしていることに関係する。
「(遺伝的意味でも)暗記が得意」「努力を評価する」「外れた人間を叩く」こういう性質を持つ大衆について聞き覚えは?
このような大衆が、受験戦争に躍起になるのは必然ではないのか。なぜならそれが彼らが信じる大衆の権利だからだ。
要するに大衆側が「俺達は努力をして学歴を得たんだ。それが尊重されるべきだ」と言っているのである。
私はチェスが好きな人間なので、そういうくだらんポピュリズムはクソだと思う。
個人の能力を様々なジャンルにおいて多様な方法で可視化し「僕が思う最強の能力評価指標」などという独善に支配されない能力主義の指標が要るのではないか。
しかもその多様なジャンルというものが、個人の経済状況に影響されない、公平なものであるのが好ましい。
喩えで言うなら、オンラインチェスや競技プログラミングは(不正を検出できれば)能力主義の指標としては比較的優れていると言えるだろう。
このような能力主義が「多様な」ジャンルで評価されるのが、本当の能力主義だと私は思っている。
ポピュリズムとはつまり、カルト宗教(創価学会, 統一教会, Google)が政治と癒着して無能を洗脳して権力を得る世界のことである。
正当な評価方法が確立されれば、多くの人が何かしらの得意分野を持つことができる。
はてブとかではあまり話題にならないっぽいんだけど、台湾向け輸出イチゴが向こうの残留農薬検査に引っかかってニュースになった。基準値と生産事情との両方をカバーする説明が今回に限らず見当たらないのでどこかに説明を書いとこうと思った。
増田はイチゴを輸出したいと地元農家に言われて技術面を中心にいろいろ検討したことがある普及指導員。
長くなったので要約すると
・南の国ではイチゴはマイナーな食べ物であり、安全性評価が進んでいないため極めて安全側に寄った残留基準が設定されていることが多い。
・イチゴはほとんどの場合、輸出専用の生産ではなく国内基準準拠の生産をしているため、基準の違いに引っかかりやすい。しかし国内向けよりも雑な対応をしているのも事実。
・1月後半〜2月は高品質なのに国内相場が割安なことが輸出の動機となっている、つまり今のイチゴは買い。
台湾で日本産イチゴの農薬残留超過が出た。それだけではなく、あまりに頻度が高いので台湾当局はついに日本産イチゴの全ロット検査を決定した。
記事にあるように、もともと超過が頻繁なため抜き取り検査の割合が引き上げられていたにもかかわらず繰り返したためだ。
1/3付のニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ce6f0d52c02403ab2ebf420b6fa87145d5ed4632
https://japan.focustaiwan.tw/society/202301030007
先週書いたものを寝かせていたら1/17にも出ていた。またフロニカミド。
https://japan.focustaiwan.tw/society/202301170005
農薬の残留基準値は国が品目(農産物の種類、タマネギ・ニンジン・ジャガイモみたいな区別で、メークインや男爵みたいな「品種」ではない)ごと、農薬成分ごとに決めていて、残留基準値が定まっていない農薬は一律で検出されてはいけない。
基準値は国ごとに違う。日本の場合は760の品目に対して様々な農薬の残留基準値が決まっている。日本における米のように食文化的に重要かつ国内の栽培で農薬を使いたい品目は、効率的な栽培をしつつ生産物を毎日大量に食べても安全になるラインがよく検討されている。一方外国から来たまるっきり未知の野菜や果物は、リスク評価に基づいて基準値が検討されるまではどの農薬も検出されてはいけない。近年輸入するようになって安全評価が進んでいない品目は、かなり安全に寄った基準になる。
東南アジアにおけるイチゴは食文化もあまりないマイナー品目扱いなので、ほとんどの農薬成分に関して評価されていない=検出されてはいけない設定になっているか、とても安全に寄った数字になっている。また、重要な品目ほどその国での安定栽培に必要な農薬をきちんと精査して基準設定するが、暖かい国ではほとんど栽培していないので、栽培に必要な農薬について使いつつ安全な基準を考える動きにもあまりならない。
イチゴは輸出品目として有望視されており、農水省は諸外国の残留基準値を調べて公表している。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/attach/pdf/zannou_kisei-185.pdf
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/zannou_kisei.html
この通り、日本より厳しい国は多い。
輸出相手国の残留農薬基準値に対応した 生果実(いちご)の病害虫防除マニュアル (平成27年のため農薬の情報は古い)にその動きが書いてある。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/pdf/ichigo_shousai.pdf
台湾では生果実(いちご)の生産はあるが、主要作物ではないことから、日本からの残留農薬基準値に対する要望を受け入れられる余地がある。2015年2月12日には台湾の生果実(いちご)で違反事例が最も多かったシフルメトフェンの基準値が国内基準と同じ2ppmに変更された。 輸出用の出荷量が国内消費に比べて圧倒的に少ない生果実(いちご)では、輸出向け専用に生果実(いちご)を生産することは困難であることから、台湾等に対して引き続き残留農薬基準値の変更を求めていくことが重要と考えられる。
今回の農薬はフロニカミド(商品名ウララDF、多分アブラムシとコナジラミ対策)とシアントラニリプロール(商品名ベネビアOD、多分アザミウマ対策)で、どちらも台湾の残留基準値そのものが日本よりかなり低い。
フロニカミドは台湾向けイチゴでよく引っかかる成分だ。天敵カブリダニを導入している状況で利用できる。似たようなシチュエーションで使う剤としてピメトロジン(商品名チェス)があり、これも台湾向け輸出で残留超過が多い剤だったが、基準値が引き上げられた。しかし国内ではチェスからウララにシフトする傾向がある。栽培地の状況と輸入国の基準が噛み合っていない。
ベネビアも上市からまだ10年経っていない剤で、それ以前のジアミド系統(プレバソンなど)については台湾側はそれなりに基準値引き上げをしてくれているが、ベネビアの基準値は改訂されていない。
手間のかかる検討を経て妥当な残留基準値が設定される過程を後押しするのは農薬を使いたい生産者(と売りたい農薬メーカー)の希望なので、生産が活発でない国ではどうしても使用農薬の変遷に遅れる。
今回は基準値の違いが主な原因だろうが、台湾に関しては検査手法の違いもある。
台湾はイチゴの農薬に関してさまざまな安全性評価を進めてくれており、基準値はだんだん改定されている。しかし、台湾の残留検査は流通状態で検査するとして対象にヘタを含める。日本は可食部つまりヘタを除いた部分で検査する。台湾に関しては基準値が同じでもこの差で引っかかることがある。
イチゴの花の中心部、丸い黄色いところ(花托)が膨らんで実になる。農薬は面積あたり一定量が付着するので、花のうちに散布された農薬は実が大きくなってから散布された農薬よりずっと少ない量が付いている(肥大希釈)。
実が赤くなるころには表面にただの水でもついてほしくないので、収穫の直前にはあまり農薬散布をしない。なので大きくなったイチゴの実本体にかかっている農薬の量は、同じ表面積の葉よりずっと少ない。
しかし花の時点でガク(=ヘタ)は既に出来上がっていて、肥大希釈が効かない。しかも輸出するような立派な実になる花はガクも立派だ。台湾向け出荷ではどうしてもこれがネックになる。
これら基準の違いはとっくにわかっていることで、やや難しいが対応可能だ。なのに基準超過を繰り返し、ついに全ロット調査まで基準を厳しくされてしまったことは、手間のかかる残留基準値見直しをやって買おうとしてくれている台湾消費者への不義理だと私は思う。
国内向けにはきちんと対策していても、輸出では基準超過を出し続け評判を落として来たのが日本産イチゴ輸出体制だ。今回国内向けにも使用している産地ロゴがしっかり写った荷姿の写真がヤフーニュースにまで載ったことはそれなりに衝撃だと思う。輸出での不手際が最も恐れている国内評価の下落に繋がる。
輸出で残留基準値を超過しても、いまのところ「その商品が廃棄になる」くらいしか直接的なペナルティがない。国内では出荷回数に対して検査回数が圧倒的に少ないので、流通済みのものに遡って影響する。後は消費者や取引先が離れるという社会的制裁がペナルティだ。
実際に数年前に自分が対応した件でも「その国の基準値を下回ることを誰が保証するのか(あるいはしないのか)」について曖昧だった。
日本の基準を守るためには、農薬登録制度、地域の防除暦、すぐ参照できる使用記録、出荷組合による自主検査と何重もの仕組みがあるが、輸出先の基準について日本基準並みの保証はできない。しかし先に挙げたような農水省の技術情報から農薬の使い方を検討し、輸出向けの残留検査をするなどはできる。
輸出はJAなど出荷組合が直接海外の需要者と取引する場合もあるが、卸売業者を経由する場合がほとんどだ。卸売業者が買って海外需要者に販売する形式になる。もし基準値超過があれば、取引の現場では卸売業者の評判が下がっていくのだろう。しかし今回ネットニュースにパッケージが掲載されてしまったように、社会的制裁部分を被るのは生産者だ。
そもそも制裁がなくとも消費者への誠実さがあるべきだ。卸売業者は、台湾に売るなら台湾の人が求める基準に合致するものを責任を持って仕入れるべきだし、生産者も台湾行きだとわかっているならきちんと基準をクリアするような栽培をするべきだ。どちらも国内向けなら絶対に基準値超過を避ける動きをするだろう。なのに台湾向けとなるとやってしまうのは、台湾消費者の軽視ではないか。
イチゴの輸出に関して、絶対に輸出で商売していきたい、と思っている産地はほとんどない。
イチゴは花がいくつもついた枝(果房)を1本出し、花が実になって収穫でき、その間にまた次の果房が出てくるというふうに収穫の小さなピークを繰り返す。10~11月ごろに1番果(最初の果房)の出荷が始まりクリスマス〜年末の高値シーズンがある。その後早ければ1月に2番果の出荷が始まる。(市場では定植のずれや1.5番があるので販売は連続する。)
2番果の最初の実は大きいし、大抵の産地で味がいい時期だが、国内は行事もなく相場はいまいちだ。この時期の実を外国で高く売りたい、気温が低くて痛みにくいし、春節商戦に間に合えばなおよし、という事情がイチゴ輸出を後押ししている。
そんな調子なので完全に輸出に的を絞った栽培などはごく少なく、基本的に日本向けの残留基準値に対応した栽培から、それぞれのレベルで「気をつけている」のが日本産輸出イチゴだ。2番果のみ台湾向けならまだ防除体系(何の病害虫に対して、いつ頃どのような農薬を使えばよいか)の組み立てができるが、1番果の輸出や2番果でもより厳しい香港などに出すとなるとほとんど有機栽培のような防除になる。きちんと「輸出用の畑では収穫予定の◯日前を過ぎたらこの農薬は使わない」など決めているところもあるが、そうではない産地が多いので頻繁に残留基準値超過が発生してしまう。日本産の農産物は安全であり、日本の基準を守っていれば十分という誤った感覚はよく指摘されるところだ。
完全な余談だが、前述したように輸出したいくらい割安なので、今の時期のイチゴは買いだ。
ネットで見かける1番果がいちばん美味しいというのは近年の秋の高温からすると無理があると思う。1番でも2番でも果房の最初の方が大きくて味がよく、後の方になると小さくて美味しくないのだが、1番の頂果が肥大する頃は気温が高く消耗しがちだ。
冬の天気が悪い地域では日照不足で味が落ちる傾向は確かにあるが、冬に天気がいい地域なら今が最高だろう。選ぶなら単純に大きい方が美味い。同じ大きさならヘタが立派なのがいい。酸味は品種差によるところが大きいが、好み次第なところもある。
農薬についてはきちんと安全性が検討された結果の基準値が設定されていてそれで十分だ。さらにイチゴしか食べないとか基準値が想定する以上の摂取量を予定している人のためにお伝えすると、自分が見てきた農薬散布が少ない冬の自主検査結果では使用した農薬でも検出限界以下まで下がっているものが多い。(これを過信して輸出して事故を起こすわけだが。)
また、イチゴの場合は葉裏にくっついて汁を吸う害虫ダニの天敵であるカブリダニの利用が基本技術になっているため、畑に天敵ダニが投入される秋以降はそいつらが死なない程度の毒性の農薬しか使えない。今回引っかかったウララDFとベネビアODは、天敵ダニを生かしつつ天敵ダニが食べない種類の害虫を退治するための殺虫剤だ。というわけでイチゴをカロリー源に生きてもそう問題は発生しないだろう。
そんなわけで、私は1月に入ってからイチゴを大量に食べている。こちらでも栽培が増えた「恋みのり」は着色しにくい品種特性があり、色が理由で割安になっているものが多く手に入る。酸味やイチゴらしい香りが弱いという欠点はあるが、空洞果がほぼ発生せず重量があり、色がいまいちでも甘みが強いので腹いっぱい食べたい人におすすめだ。もちろん他品種も今がいい時期だ。ぜひ今買ってほしい。