はてなキーワード: ラフとは
もうじき又夏がやってくる
お前の舌
お前の眼(め)
お前の昼寝姿が
今はっきりと僕の前によみがえる
お前はたった二回程夏を知っただけだった
僕はもう十八回の夏を知っている
そして今僕は自分のや又自分のでないいろいろの夏を思い出している
淀の夏
オランの夏
そして僕は考える
もうじき又夏がやってくる
しかしそれはお前のいた夏ではない
又別の夏
全く別の夏なのだ
新しい夏がやってくる
そして新しいいろいろのことを僕は知ってゆく
美しいこと みにくいこと 僕を元気づけてくれるようなこと 僕をかなしくするようなこと
そして僕は質問する
いったい何だろう
いったい何故だろう
いったいどうするべきなのだろうと
お前は死んだ
誰にも知れないようにひとりで遠くへ行って
お前の声
お前の感触
お前の気持ちまでもが
今はっきりと僕の前によみがえる
もうじき又夏がやってくる
新しい無限に広い夏がやってくる
そして
僕はやっぱり歩いてゆくだろう
新しい夏をむかえ 秋をむかえ 冬をむかえ
春をむかえ 更に新しい夏を期待して
すべての新しいことを知るために
そして
すべての僕の質問に自ら答えるために
妹の夫エドはイタリア人で、ふたりは数年前には入籍していたのだけど
英語とタイ語と北京語を話し、アジア各国を行ったり来たりしている
エドは気さくで穏やかないい男だ
でも私個人としては、かなり複雑だ
妹の元カレのことが忘れられないのだ
まだ妹が大学生の頃、生まれて初めての彼氏ができたと報告された
私はそういう浮いた話がないまま忙しく社会人をしていたので、当てつけか?と思いながら話を聞いた
そして、その男やめといた方がいいんじゃないの!? って思わず言ってしまった
なんでも、そいつはシンガーソングライターを目指していて
週末に全国を回り路上や飲み屋でライブをしながら普段は居酒屋のバイト店員
顔は悪くないが明らかに痩せすぎで
ギター一本の弾き語りで、演奏はそれなりに思えたけど録音状態が悪くて曲はよく分からなかった
歌唱力も人並み
セルフプロデュースもろくにやってない
もちろんそんな男に妹は任せられない
いつしかこの話は両親の耳にも入り、父も母もこの夢追い人にはかなり難色を示した
当初からの悪印象もあってか両親は
「頼りなさそうで全然ダメ、もっと真面目に生きてる人じゃないと」と言っていた
でも妹は真剣だった
将来は自分がサポートしながらでもその男を応援したいと言って聞かない
なぜそこまで?ときくと、
「わからないけどとにかく他の人にはない物凄い魅力がある」
居酒屋に客として訪れた妹に親切にしてくれたという
当時未成年だったが大学のなにかの付き合いで飲み会に参加していた妹
元カレが察してこっそりノンアルカクテルを運び続けてくれたのだという
これだけ聞いたらまあ、確かに気の利く男だが
会計のとき、お礼を言おうとその店員を呼び止めて初めてちゃんと顔を見ると、まあ顔がいいと
そして全身から漂う独特の雰囲気に、これは運命だと感じたという
そこには彼の名前と連絡先、そして自作の歌詞だかポエムだかが書かれていた
ヤバいやつじゃん
でも妹にとっては初めてのロマンチックな体験で、ハマってしまったのだろう
お姉ちゃんも会えば良さがわかる、と力説され、一緒に食事をすることになった
土曜の夜、池袋駅前で待っていると妹に引き連れられて元カレがやってきた
ひと目見てわかった
妹の言っていることは嘘ではなかった
黒い髪が目が隠れるくらい長く、ダボッとしたラフな服装の上からでもヒョロガリなのがわかる
話す声は小さく、力がない
例えて言うなら、古い木製の美術品のような……きれいだけど、崩壊を続けているような
それでいて気取ったところがなく、食事をしながらの会話もそれなりに弾んだ
笑った顔は案外可愛かった
正直
妹の恋人として出会ったのでなければ、私も恋に落ちていたかもしれないと思った
それ以来、私は妹にあの男と別れろと言うのはやめた
というか、その話題も避けるようになった
妹は大学を出て忙しく働きはじめたが、そうすると途端に、音楽で食っていくという元カレの生き方が頼りなく思えるようになったという
それはほんの数年前までの両親の主張とほぼ同じだった
弾き語り動画の更新は相変わらず続いていたが、ここ数週間は動画が上がっていない
フラレて落ち込んでるのかな、などと思い、なんとなく毎日チャンネルを開いて見ていた
するとある日、以前と変わらぬクオリティの弾き語り動画が公開された
それはあきらかに失恋ソングで、池袋の夜に聞いたのと同じ、か細い、弱々しい歌声だった
映像の中で、反響の大きな部屋にアコースティックギターのキラキラした音と歌声がダンスを踊るみたいに響いていた
名曲だったわけじゃないと思うし、細かな歌詞もよく聞き取れなかった
けれど私は泣いてしまった
涙が溢れて止まらなかった
「ねえあんた、この曲知ってる?」
結婚式のあとの食事会で、私はスマホからその曲を流して聞かせてやった
「え、なんで? 性格悪っ」
そう言って厚化粧の妹がちょっと睨んでくる
そうだよ
結婚おめでとう
どうか幸せになってね
[B! あとで読む] 何故フェミや女性ってそこまで謝りたくないの?
https://l.pg1x.com/6QYyWc8My81jNpNW8
コイツを見てくれ。コイツをどう思う?いや単に晒し上げなんだけど(笑) これは単なる前置き。でもよく見てやってくれ。
コレで分かるのは「なんでこっち(正義のフェミ様)がクソジャップス共に謝らなきゃいけねぇんだ!」っていう態度である。
謝罪の対象を、刑法や民法の立脚点である「共同体の住人」とは見做してないんだよ、コイツラは。
だから謝らない。
もっともっと程度の低い言葉で言うなら「信頼も信用も無いから謝罪の対象じゃない」ってこと。
だがよ、フェミ様共よ。
信頼と信用がねぇのはアンタラも一緒だぜ?
・最悪の権威主義(上野筆頭に大学教授の肩書で相手に不足している知を担保してないことを揶揄する。同じ社会問題の、程度の低い問題を解決するのに知の高低なんぞ関係ない。むしろ低い人たちが認知できるように包括するのが、本来の知性や知識だろうが、権威主義者共が)
・集団による「その場の制圧」(民主主義の最前線たる議会では多数派ではないため、ここの現場で「動員」を掛けて、自己顕示ガス抜き抗議を連発する。ただのデモ屋共)
・責任の所在を有耶無耶にしての法的アクションを含めたキャンセルカルチャー(言わずもがなレターな。インナーサークルのことを外に持ち出して名誉を毀損されていた、ってのは俺の中では「じゃあ代々木出入りしている職員を籠絡して、やらかしてるのをオープンにしていいよな?」ってのと同じなんだけど?)
他にもでかいのは幾つもあるけどな、草津の件(偽証、自治体/町長への名誉毀損他)、Colaboのインチキ会計(都の問題は都の問題。Colaboの問題はColaboの問題。混ぜんじゃねぇよカス共)、などなど。
要するに「上から目線の共同体の隣人として信用も信頼もおけない、薄気味悪い輩」ってのがアンタラ、フェミの状況なんだよ。
最低限「悪いことは悪いと分かる程度の、信用はある(信頼はできないけど)共同体の隣人」に戻せるように「謝罪したら?」ってお話なんだけど、分かってないよね?
信頼も信用も、謝罪で歩み寄る側は「アクションを取ってる(革新)側」なんだよ? 「アタシらが気に入らん!」って暴れてるのはアンタラなんだし。
なんで保守、現状派が謝る必要があるの? 変革の価値に重きをおいているのはアンタラなんだから。
俺は昔から言ってるけど「オマエラが全員死んだ頃に、オマエラが崇めていたものが普通になるから時間だけが解決する」ツーてるでしょ? 今のオマエラフェミが満たされることは無いんだよ。時間しか解決しないんだから。
オマエラに足りないのは諦観。時間しか解決しないことを受け入れろ。
オリジナルスのスニーカー。キャンパスとかガゼルとかタバコとか。
あの辺のコート系ははっきり言って全部同じようなもん。シルエットにも大差はないし、一番のトレードマークのストライプも共通してる。素材も同じスエード。
こだわりのない人ならサンバやスーパースター辺りまでも同じに見えるかもしれない。実際遠目に見れば同じようなもん。マンガのキャラにでも履かせても、漫画家の観察眼をもってして同じように描かれる。こだわりをもって描き分けでもしない限り、僅かな差違なんて無慈悲に捨象される。
でもそこの違いにこだわりたい人もいる。それはモノ自体が持つ僅かな差違の他に、文脈とでもいうようなモノの外部にある情報による所もある。
エディマーフィーがラフな格好に合わせてたカントリーが妙にかっこよく思えて、思わず履きたくなるとか。カントリーは割と形に特色があるしアレか。
フォローしてるオシャレな人がキャンパス履いてて、パフォーマンスのやっすい謎モデルとどう違のかもあんまり分からないけど、それでもこれじゃなきゃいけないって気持ちになったり。
全部三本線が入った似たような靴としか認識してないけど、RUN DMCに憧れてスーパースターを買うとか。常田大希が宣伝してたから履きたいとか。
誕生のルーツの違いで何かしらのエンパシーや魅力を感じるとか。名前がかっこいいとか。
色々と情報によって印象は左右されるけど、ただ冷静に立ち帰ってみればやはりモノとして全然違う訳ではない。
こだわりたい人に言わせれば全然違うと言いたくなるかもしれないけど、常識な感覚で言えばかなり似てる。
この間なんか田舎が全部同じに見えるって言ってた人が叩かれてた。歴史や文化を知らないから云々って。
あれも同じ事だと思う。メタ情報に目を向ければ違いはあるけど、見ている景色そのものは似た様なもん。多少は違うけど、全然は違わない。
素直な感想として「同じじゃね」と出力されるのは別におかしな事ではないと思う。それに対して何か気に障ったのか分からないけど全然違うと言い出して憚らない、挙げ句目が曇ってるみたいな事言い出すから怖いよね。
日本のオールスターとCT70が、ABCの廉価版と金文字のスタンスミスがまるで違うと言い張って憚らないファオタと似たようなもんでしょ。
暈すんだけど金を出したらすごく良いどんぐりをあげるよ、どんぐり集めの日記を書くよというクラファンに金を出したんだが予定の期日になってもどんぐりが送ってこないし日記も無いので、どんぐりと日記はどうなってんの?ってお気持ちを返信不要で公式の問い合わせから送ったらその日のうちに「どんぐり集めに夢中になっていて色々できてなくてごめん。今きれいなのが集まって選別しています。日記書くね。来月には送るね。」という返事が来たのだが、
社会人として無難な態度としては「清々しい秋の日和が続いております。どんぐり集めにお忙しくしていらっしゃるのでお時間を作るのも難しいかと思います。きれいなどんぐりとどんぐり集めの日記を楽しみにしているのですが、現在どのような進捗状況でしょうか」くらい丁寧に柔らかく相手の状況を考慮して書いたほうが良かったんだろうなとは思いつつこっちは金出してるんだし「やる」って言ったのをやってないのは相手だよなあと思いつつ柔らかさを削いで事務的な連絡のみ短文で送ったんだけど柔らかい文章にしてたら結局なめられてスルーされてたのかもなーとかなんか色々思うよね。別にオチもなにもないんだけど。返事も貰えたし良いどんぐりが貰えそうなので良いんだけど。
慌てて駆けつけると、ダリーンさんが床に倒れ、変わり果てた姿になっていた。「はいていたズボン」でダリーンさんだと分かったという。
「おなかの子どもと一緒に死んでしまったと思ったが、妻はまだ生きていた」
「アイマン、メッカを私のおなかから出して、育てて」というのが妻の最期の言葉だったと語った。
ダリーンさんの遺体が収容された病院で、医師に「赤ん坊を助けてくれ」「それが妻の最期の願いだ」と懇願した。
医師は帝王切開を行い、赤ちゃんを取り出すことに成功した。生まれたばかりの小さな赤ちゃんは、ラファにある別の病院の小児科に緊急搬送された。
それはそれでご愁傷様ということで、バイデン大統領としては、米民主党としては、その心はイスラエルの犠牲者たちとともにある。
イスラエルによる6000発以上の爆撃の雨が注ぐガザにいる日本人について、少なくともテレビを見てる限り全然伝えられていないなと感じていた。
そんな時、今日の新聞に共同通信がガザ在住の国連職員の日本人女性にオンラインインタビューした記事が掲載された。
(これは有料記事だが、他の地方紙サイトにも掲載されてるかも。)
「逃げ場なく 生き地獄」/「水も食料も薬もない」/ガザ在住/国連日本人職員、惨状語る - 琉球新報デジタル
https://ryukyushimpo.jp/news/international/entry-2379679.html
なんとこの女性、今妊娠19週中であるとのこと。建物が全部破壊されるほどの爆撃の際中は地下壕に避難していて、現在はエジプト検問所がある南部ラファの避難所にいるという。エジプトが検問を開けることに同意したので外国人のこの女性はその時に出てこれるのだろう。
晒しみたいになって悪いんだが、「島耕作描いてる人間はレコードの持ち方を知らない」って言うのがバズってるワケよ。
https://twitter.com/belmie2001/status/1709766808201527649
「正しい持ち方」っていうのは、レコードの端をもって盤面を指で触らない。指紋が付いて溝に脂が入ったり後でカビたりするから。
だけど、レコードっていうのは実はずっと現役メディアなんよ。何処でか?というとクラブDJで。
それでDJっていうのはそういう持ち方しない。普通に島耕作みたいな持ち方で扱う。
例えばこれは自宅でDJプレイしてようつべ配信している素人愛好家なんだが、島耕作持ちしてる。
https://youtu.be/afjS-Km6juU?si=1ldtDQ1E2mQpzdPs
他にもDJ配信してる人は多数居るが、皆マニア持ちじゃなくて耕作持ちしてる。
そういえば、シスコとかのレコード店でも商品なのに耕作持ちしてたな。
今レコード需要の主流って、しっとりとした音を楽しむオーディオマニアよりも、こういう感じでクラブ音楽流したりDJっぽいことしたりっていうのが主流なんで、持ち方は耕作持ちが主流って事になる。
島耕作は年齢的にディスコソウル~Hi-NRG(ハイエナジー)DJだったのかも知れないな。
あともう一つ、オーディオマニアが「テクニクスのダイレクトドライブが(マテ)」みたいな感じでテクニクスのダイレクトドライブが過去のものと思ってネタにしてるのもたまに見る。
いやいやいや、テクニクスのダイレクトドライブって現役なんよ。
ダイレクトドライブっていうのは、レコードの回転軸にそのままモーターが付いてる形式で、ハードディスクのスピンドルとか、今では当たり前の技術だ。
レコードというのは回転ムラがあると音がぐわんぐわんと揺れて(ワウ・フラッター)滑稽な感じになってしまう。
だからモーターを高速回転させて回転ムラを平準化して、ベルトで繋がれた重たいターンテーブルを回すっていうデザインにする事が多い。ターンテーブルが重いのはフライホイールマスにして回転ムラを無くすっていう手段だ。重いものは急に動かせないし急に止めれない。だから速度を一定にしやすい。
でもこれだと一度回転を止めると回転速度が元に戻るのにタイムラグがある。
テクニクスは松下ナショナルの高級オーディオブランドだが、1972年に冒険的な製品を開発した。それがSL-1200というターンテーブルで、回転軸に直接モーターが付いている。
そのままだと回転ムラが酷くなるが、松下はこれを電子技術で解決した。写真を見れば判るが、https://ja.wikipedia.org/wiki/Technics_SL-1200
ターンテーブルの横に赤い光が出ている箇所がある。これは、ターンテーブルの横に模様が描かれており、それを赤外線フォトトランジスタで読み取っているのである。今のマウスに使われているフォトエンコーダとかロータリーエンコーダの走りだ。
これで常に回転数をフィードバック制御している。この制御は今の光学ディスクやNC工作機械などのブラシレスDCモータと同じだ。今のは電線が4本出てる(電源+、アース、回転数読取、制御)が、SL-1200ではターンテーブル横のフォトトランジスタからのフィードバックになっている。
ただ、セイコーがクオーツ回路の特許を公開する前だったので初期型だけ水晶発振子が載っていない。故に少しづつ回転数ズレが起きるのでピッチコントローラのスライダを付けた。
普通に作ればいいのに、最近技術満載で作った異形のような野心作だったわけだ。
・回転が落ちても直ぐに戻る(ずっと回転数見てフィードバック制御されてるから)
・ターンテーブルを逆回転させるなどラフな扱いしても壊れない(ベルトが外れたりしない)
松下のエンジニアがアメリカ行くとDJがみんなこれを使ってるのを目にする。DJに意見聴取すると「いやこれ最高に使いやすいんで何もいじらないでくれよ」と。
そんな中で生まれたのがある意味無茶苦茶で斬新だった、ハービーハンコックの『Rock It』だ。
https://www.youtube.com/watch?v=jWeBJsg6FHA
使ってるのがSL-1200かは不明だが、これなんかダイレクトドライブが無いと出来ないような演奏である。
ハービーハンコックはジャズ&フージョンの人だったのが、突然気が触れたように過激な事をし出したんだが、この後はまたしっとりした曲に戻ったので、ダイレクトドライブによる熱病みたいな曲である。
こうして高級オーディオを作ったはずが、意に反してDJスタンダードとなってしまった。
その間にCDが普及してレコード市場は消えて行くが、DJの世界ではCDでの演奏は自由度が低く、CDJ等の製品はあったがあまり普及しなかった。ずっとレコード主流だったのである。
これに呼応してベスタクス社がDJ用ターンテーブル市場に参入したりもしたが、これも日本メーカーである。
だが既にテクニクスSL-1200はスタンダードブランドとなっていて、クラブDJの真似事したい層の憧れはやはりSL-1200、という訳で、高級オーディオが衰退して行く中で、テクニクス製品は殆ど終売になっているのにターンテーブルだけが延々と世界に向けて出荷されていた。
因みに1998年頃までテクノとかハウスとかトランスなどの電子ダンス音楽はCDでは販売されず、専らレコードで売られていた。電子音楽がアナログメディアだけというのは今では変に見えるが、家で聞く音楽じゃないしクラブではレコードしか扱わないしで、最初からレコードだけで発売されていた。
つまり、クラブ音楽とかクラブ文化を支えていたのは日本メーカーの音響機器、特にダイレクトドライブのターンテーブルであったのだ。「日本スゴイ」の人らは視野が狭いし技術にも疎いので知らない現実である。
地球の何処でも松下電器とベスタクスが溝を刻み音楽を鳴らし続けていた。
はてなのココロ社氏が昔書いているが、https://kokorosha.hatenablog.com/entry/20071121/p1 ずっとクラブを支えていたレコードの時代は2010年頃には終わってしまう。
それにはネット配信の伸張が大きかった。元々クラブ音楽は大変市場が小さい。またネット配信は中間コストが媒体マージンだけなのでインディーズに特に向く。そこでクラブ音楽もネットが中心になっていった。
更に使いにくいCDJじゃなくてファイルをそのまま突っ込んで演奏できるデジタルDJ商品の使い勝手が良く、レコード市場が急速にシュリンク、SL-1200も終売、これだけで持っていたに等しいテクニクスブランドも消えてしまった。ベスタックスの方は2013年に倒産しており、レコードの時代は終わった。
…と思うじゃない?
だが2014年頃になるとネット配信に押されてCD市場の方も急速に収斂してしまう。
一方で、クラブ音楽はやっぱレコードの方がカッコいいよなぁという人が増えて行く。
またYoutubeのライブなどでCDプレイを披露する人も増え、デジタルDJよりも難しいが見た目がカッコいいレコードDJへの憧れも高くなっていった。
それでSL-1200の中古の価格は高騰、美品なら100万円を超えるような事になっていった。程度普通の中古でも60万程度した。
そんな中で松下のテクニクスチームが再結成、SL-1200が2016年にまさかの復活を遂げたのである。
今は丁度生産の谷間のようで価格が安定しないが、新品で約12万円程度となっている。
またこのレコードブームに呼応してパイオニアからも5万円程度の入門用ターンテーブルも販売され、活気がある市場となっている。
このブームを支えているのはまた日本の音響メーカーという訳だ。
因みにレコードはLP(アルバム)で4000円くらいとなっている。普通のCDアルバムが3000円なのにぼったくり価格である。
以前のレコードと違うのは、90年代のレコードは12インチシングルばかりでLPは無かったが、今のはLPが中心という事である。
そういう事で、オーディオマニア達の見えないところでずっとテクニクスのダイレクトドライブは現役だったし今も現役なのだ。
レコードは古いんじゃなくてずっと新しくて、今もまた新しいままなんである。