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2021-02-15

必読書コピペマジレスしてみる・ミステリ

方針目的

1. エドガーアラン・ポオ「モルグ街の殺人

先日も述べたように自分ポー作品が好きではあるのだけれども、ミステリ黎明期は今でいうところの禁じ手を平気で使っているものが多く、純粋ストーリーを楽しもうとするとずっこけることがある。とはいえ論理と推論をたどることによって面白い話を作りだすのを始めたのは彼なので、ミステリが好きなら読んでおきたい。確かに意外な真犯人ではある。

3. コナン・ドイルシャーロック・ホームズの冒険

同じく、今でいえばお粗末な話も時折あるのだけれども、ホームズワトソン関係が好き。中でも「三人ガリデブ」でワトソンピンチに思わず熱くなったホームズは必見。なんでこのシーンが好きなのかというと、聡明すぎてどうしても人を観察対象としてしまホームズが、知的ではあるが彼ほどではないワトソンを心から思いやっているからだ。知的に対等ではない人間を愛することができるかどうかは、鋭敏な知性の持ち主にとっては人生最大の試練だ。女性人気が高いのもうなずける。

4.モーリス・ルブラン「怪盗紳士ルパン

ルパンシリーズのこの巻だけ親が買ってくれたし、何度も読み返していたのだが、なぜか続きを読もうとは思えずに現在に至っている。ミステリというよりは冒険小説に近い気もするが知恵比べ的な面もあり、そこが面白かったのかもしれない。しかしそうすると、これをミステリ100選に入れるかどうかは迷う。ライトノベル定義ライトノベルレーベルから出ているかどうかだとすれば、東京創元社早川書房から出てはいからミステリとしてOKかもしれないが。

6. フョードル・ドストエフスキー罪と罰

自分新世界の神になれると信じて殺人を犯したのに日和ってしまい、純粋ソープ嬢に救われる話。これも謎を解くというよりも心理戦を描いている。心理戦というかやっぱりドストエフスキー名物の神経質な人間独白だ。基本、ドストエフスキー登場人物にはまともなやつなどおらず、この作品例外ではない。主人公の妹をつけ狙うロリコン野郎だとか、娘がソープで稼いだ金で酔いつぶれ、その罪悪感からまた飲むというどうしようもない親父だとか、神になり切れなくてプルプル震えている主人公だとか、そういうキャラが最高なのだ。これではまったらドストエフスキー大長編を制覇しよう。ミステリじゃないのがほとんどだが、心配はいらない。ドストエフスキーの過剰な語りにはまった人間の前ではそのようなことは些事だ。

ちなみに高野史緒カラマーゾフの妹」は二次創作小説として最高なのでみんな読もう。

7. コンラッド「闇の奥」

こういう非人道的植民地を持っていた王様銅像だったら国民から倒されても文句は言えんよな、的なベルギーコンゴモデルの一つとしているのだけれども、これってミステリかね? ひたすら謎の人物を追いかけて、地理的にも深いところへ分け入っていき、目的人物出会うが彼はあっさり死んでしまうというあらすじは、神話的な単純さと力強さがあるが。クルツは何を恐ろしがっていたのかで語り明かしたい本である

9. ヴァン・ダイン僧正殺人事件

自分は育ってきた境遇英米わらべ歌(マザーグースナーサリーライム)は身近に感じるのだが、そうではない読者がどこまでこの趣向を楽しむことができるかどうかはわからない。

この作品特筆すべきことは、探偵犯人と対決するときの命を懸けた大博打だが、今の倫理的な読者はこの方法犯人を裁くことが適切と考えるかどうかはわからない。ミステリにおける倫理後期クイーン問題とかそういうの?)を語るなら読んでおきたい。

11. エラリー・クイーン「Yの悲劇

かに単体で一番面白いのはこの作品だけれども、せっかくだからドルリー・レーン四部作は一気読みしたい。ただ、衝撃の真犯人といわれても、すっかりすれてしまった現代の読者からすればそこまでショックを受けないかも。そういう意味では登場人物の反応も大げさに見えてしまう。

個人的には「Zの悲劇」以来(テコ入れのために?)登場したペイシェンスという活動的ヒロイン女性史の観点から興味深い。当時としてはすごく斬新なヒロインだったんじゃなかろうか。恋人と一緒にパンツを買いに行くし。

13. アガサ・クリスティそして誰もいなくなった

クリスティはどれを選ぶか迷う。ただ、わらべ歌物の中ではなじみが少なくても楽しみやすいんじゃなかろうか。一人ずつ減っていくという趣向は非常にわかやすい。謎を解く手記が多少不自然といえなくもないが気軽に読める。

ちなみに舞台版ではハッピーエンドに改作されているのもあるとのこと。

25. ロアルド・ダールあなたに似た人」

チャーリーチョコレート工場」など児童文学の作者としても知られる。児童文学ではスパイス代わりだった毒がメインディッシュになっている。

ところで、読者諸氏は年末に「岸部露伴は動かない」をご覧になっただろうか。ドラマ化されていないが、シリーズの中に命を懸けて賭けをする場面がある。あるいは、「ジョジョの奇妙な冒険」第五部でライターを消してはならないという賭けが出てくる。その元ネタとなったと思しき「南から来た男」が収録されているので、ジョジョファンは一読をお勧めする。オマージュ翻案とはこういうのを言うのか、って気持ちになる。なお、ダールは「奇妙な味」の作家としても知られている。

27. レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」

筆者はフィリップ・マーロウの良さがわからない。必要のない危険にわざわざ飛び込んでいき、暴力的人間挑発する。ただし、この作品日本の文化に与えた影響は大きい。

ハードボイルド小説以外から例を挙げよう。一つは村上春樹のいわゆる鼠四部作だ。「羊をめぐる冒険」での鼠の足跡を訪ねてのクエストチャンドラーの強い影響を受けている。あるいは「ダンス・ダンス・ダンス」の警官による拷問親友犯罪が明らかになるシーンの元ネタも見つけることができる。一度村上春樹登場人物系譜はどこかでまとめておきたいと思っている(村上春樹ヒロインをまとめていた増田自分は別人)。

もう一つは「スペースコブラ」の「坊主… 口のききかたにゃ気をつけな… オレは気が短けえんだ!」「腹を立てるとなにをするんだ? うさぎワルツでも踊るのか」の元ネタがあること。「……俺は頭が切れやすくってね」「頭が変になったら何をするんだい? 地リスとタンゴを踊るのか?」。どこがかっこいいのかは残念ながら筆者にはわからなかった。

37. ウンベルト・エーコ薔薇の名前」★★★

エーコについては書きたいことがたくさんある。キリスト教と笑いについて問いを投げかけたこと、中世舞台にしているようで当時のイタリアについての無数の言及があること、それから次の名言。「純粋というものはいつでもわたしに恐怖を覚えさせる」「純粋さのなかでも何が、とりわけ、あなたに恐怖を抱かせるのですか?」「性急な点だ」

しかし、この作品で一番深刻なのはキリスト教文学であるにもかかわらず、主人公見習い修道士以外の誰もが、誰のことも愛していないことだ。キリスト教とは愛の教えであるはずだ。弱いものに施したことは、神に捧げたことになるはずで、福音書にもそう書いてある。しかし、修道士たちは貧民を見捨てて権力争いに明け暮れ、異端審問官たちは民衆拷問し、主人公を導くはずの師匠人間を愛していない。彼が愛しているのは知識だけだ。

主人公は、言葉の通じない村娘とふとしたきっかけでたった一回の性交を行い、彼女に深く恋し、それでも魔女として告発された彼女を救えない。彼が村娘の美しさを描写する言葉がすべて、聖書からのつぎはぎなのが痛々しい。

勿論、知的な遊び心にもあふれている。主人公の不可解な夢の持つ意味を解き明かした師匠は「もしも人間が夢から知識を得る時代が来たら世も末だ」という趣旨台詞を漏らすが、これはフロイトへの当てこすりである。同じく、深刻な場面で、とあるドイツ神秘主義者が「梯子をのぼったらその梯子不要なので捨ててしまわなければならない」と述べたことが言及されるが、ウィトゲンシュタイン言及したジョークである中世にこんなセリフが出てくるはずがない。

難解かもしれないが何度でも楽しめる。なんだったらあらすじを知るために映画を先に見てもいい。ちなみに、この映画セックスシーン、村娘が修道士を押し倒すのだけれども、多感な時期にこんなものを見たせいで女性男性を襲うアダルトビデオが好きになってしまった。そういう意味でも自分にとっては影響が深い作品

40 ウィリアム・ゴールディング蝿の王

人間嫌いだった筆者が最高に楽しんだ本。文明が野蛮に回帰していくというモチーフが好きなのだ。何を持って野蛮とするかは諸説あるが。大体、中高生の頃は自分差し置いて人間なんて汚いという絶望感に浸りがちで、そういう需要をしっかりと満たしてくれた。舞台と同じ男子校出身だしね。

48.アゴタ・クリストフ悪童日記

三部作の一冊目。実はこれ以外読んでいない。読んだ当時は、双子たちのマッチョ志向というか、とかく異様に力を手に入れようとするところだとか、著者がフランス語で書いたにもかかわらずフランス語憎悪しているところとかが、何とも言えず不快だった。

今読み返したら、双子たちが過剰に現実適用しようとする痛々しさや、亡命文学の苦しみに対してもっと共感できる気がする。個人的には頭が良すぎて皮肉な態度を取り続けるクンデラのほうが好きだけどね。「存在の耐えられない軽さ」よりは「不滅」派。

53. 黒岩涙香巌窟王

翻案前の「モンテ・クリスト伯」について書く。

子供の頃より腕力がなくてやり返せず、口も回らずにいつも言い負かされ、片想いしていた女の子いじめっ子が仲良くなるのを横で見ていた自分にとって、自由財産恋人を奪われたことへの復讐主題としたこ作品にはまることは必然であったと思う。とにかく面白い特にモンテ・クリスト伯が徐々に復讐心を失っていく過程が、非常に良い。

大人になって完訳版を読むと、ナポレオン時代の国際情勢を背景がわかってさら面白かった。

55. 江戸川乱歩「孤島の鬼」

犯人当てや宝探しなど派手な展開がてんこ盛りだし、犯人動機の一部は自分醜悪に生まれたことに端を発しているから、貧困とか弱者とか非モテとかそういう問題に敏感な増田にとっても議論の題材にできそう。

57. 夢野久作ドグラ・マグラ

読んだからと言って別に正気が失われないけれども、チャカポコチャカポコのくだりで挫折する読者が多いと聞く。大体あの辺りはあまり深刻にとらえず、リズムに乗って楽しく読めばいい。スチャラカチャカポコ

話のテーマは、基本的には原罪的なものだろう。自分が人を殺しているかもしれないという恐れ、親の罪を受け継いでいるかもしれないという恐れ、それから生きることへの恐れだろうか。

60. 小栗虫太郎黒死館殺人事件

難解な雰囲気は好物だが、かなり自己満足的でもある。ヴァン・ダインの二十則破りまくりだし。言葉連想テスト犯人を指摘し、余計な情景描写や、脇道に逸れた文学的な饒舌にあふれ、探偵があっさり暗号を解読して、事件の謎を解く。作者の知識開陳を素直に楽しみましょう。ただ、これ読むんだったら澁澤龍彦の本を何冊か買ったほうがお得であると思うし、膨大な知識が注ぎ込まれているがリーダビティの高い点でもエーコに軍配が上がる。

62. 横溝正史獄門島

差別用語が出てくることで有名で、先ほど出てきたわらべ歌による見立て殺人の影響を受けている。

血のつながりによる犯行動機や、実行の決め手となる偶然の出来事、その皮肉な結末が個人的に好き。自分は謎を解くことよりも、犯人たちの心理状態特にその絶望のほうに興味を持つからだろう。

78. 竹本健治匣の中の失楽

メタフィクション個人的には愛好しているのだけれども、話が入り込みすぎていて結局どういう話であったか覚えていない。巻末の書き下ろしのおまけで、探偵少年パンツの模様を聞くシーンがあったことだけを覚えている。

とはいえ、癖のある登場人物から大学文学ミステリサークル雰囲気を思い出して感傷に浸るのにはおすすめか。大体、小説を好きこのんで読む人間は大抵どこかこじらせているものだし、読みたいリスト他人お勧めする本リストを作り出したらもういけない。そしてそんな奴らが僕は大好きだ。

以上。

2020-10-01

後期クイーン問題と「第二の問題問題

推理小説に関して、「後期クイーン問題」とかい問題がある。

ざっくり言ったら、推理小説が「完璧論理的推理」をひたすら求めていくと、結局そんなものありえなくなるんじゃない? って話だ。

起点になるのはエラリー・クイーンって作家の、初期の何作かに限定したすごく狭い話だった。

でも話の発端を作った法月綸太郎笠井潔って二人の作家煽りまくったせいで、推理小説の前提が崩壊するのでは? 根本的な問題なのでは? って話にもなった。

でも推理小説は一応続いてる。結果的には、「後期クイーン問題」は(法月・笠井をうまく無視しながら)推理小説可能性を広げる原動力の一つになった。

きちんと知りたい場合は、諸岡卓真『現代本格ミステリ研究』が視野の広さも議論説得力ベスト。この問題について真面目に考えたかったら必読。

一方、きちんとしてない言及の一つに、「第一問題」と「第二の問題」っていう問題の分類がある。

第一問題」はさっき言ったような、完璧推理って無理なんじゃない? って話。「第二の問題」は、(完璧推理なんかないんだからそもそもただの人間探偵に謎解きとかする資格あるのって話……らしい。

でもこれ、法月・笠井の二人は前者の話しかしてない。第一と第二なんて分類もしてない。誰が言い始めたか出所がよくわからない。

自分が知る限り、「第一」「第二」の一番古い言及Wikipedia日本語版の「後期クイーン問題」だ。

これを書いてる時点の最新のバージョンを貼っておく(https://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=77682984)。

2009年10月27日に「Corwin」というアカウントが「後期クイーン問題」の項目を作成した(https://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=28693991)。

この時点ですでに、後期クイーン問題が「二つの問題総称」であり、「第一問題」と「第二の問題」があるというふうに書かれている。

(ちなみに諸岡卓真の本は2007年度の博士論文2010年3月に本にしたものからWikipediaには触れていない)

でもよく見ると、「第一問題」は今でいう第二の問題倫理的な話)、「第二の問題」が今でいう第一問題解決不可能性)だ。

これが入れ替わったのは11月4日https://ja.wikipedia.org/w/index.php?diff=28825317)。

から第一」と「第二」の順番(もしくは「第一」と「第二」)に根拠はなくて、Corwinが適当に付けてただけとも考えられる。

もちろん、そうでない可能性もある。11月2日にはCorwinが項目名を、俗によく使われる「後期クイーン問題から専門的な「後期クイーン問題」に変えている(https://ja.wikipedia.org/w/index.php?diff=28790012)。これと同様に、根拠になる文献を改めて読んで、「第一」と「第二」を入れ替えたとも考えられるわけだ。

そうは言っても、個人的心証では「第一」「第二」っていうのは書いた人の勝手な考えだろうと思ってる。

ちなみに「Corwin」は日本語版Wikpedia黎明期2003年から編集に参加して、推理小説SFを中心に現在活動しているベテラン

めちゃくちゃなことを書いて怒られたような経歴はないみたい(「後期クイーン問題」も、「第一」「第二」以外はそんなに変なことは書いてない)だが、立ち上げた項目には内容が薄いのとか、出典が少ないのとかが多い。

一応、「第二の問題」がいつの間にか湧いてきたのは相応の理由があると思う。

後期のエラリー・クイーンが書いた『十日間の不思議』『九尾の狐』とかの作品で、名探偵推理のものというより自分存在について悩む。それはもう悩む。

そして、この時期の作品は初期に比べて「完璧論理的推理」という点ではゆるいというのが一般的評価になっている。

からこの作品群では、笠井潔たちが考えたような、「完璧論理的推理」を求めると究極的には無理が出てくる、っていう問題よりも、

推理に失敗して、倫理的立場に悩む名探偵のほうが読者の印象に残るはずだ。

発端になった法月の作品だってそうだ。「初期クイーン論」が出たのは1995年だけど、1990年の『頼子のために』と1992年の『ふたたび赤い悪夢』では、精神的に追いつめられる名探偵の姿を描いている。

から、法月の文章の以前から作家や読者からすれば「完璧推理不可能性」よりも「自分立場に悩む名探偵」というのが後期クイーンテーマ、っていうふうに理解されていて、「初期クイーン論」以降も、現在も、塗り替わりきらずに続いてる、っていうのが実情なんだと思う。

からつの間にか「後期クイーン問題」っていうタームにもふわっとそっちの意味がくっついていった結果、「第一」「第二」っていう区分誕生したんじゃないだろうか。

2020-05-25

面白い!「○○問題」まとめ

首ナイフ問題

Q.敵NPC人質首にナイフをつきつけて脅迫したものの、プレーヤー大人しくしなかったのでゲームマスターNPCが首筋を刺して人質が死亡したと処理した。しかルール上はナイフデータでは即死しないとプレーヤーが抗議する。どうしたらよいだろうか。

http://hiki.trpg.net/wiki/?%BC%F3%A5%CA%A5%A4%A5%D5%CC%E4%C2%EA

テーブルトークRPGTRPG)において、イベント的な意図ゲーム的な処理が噛み合わない問題。あるいは、ゲームマスタープレイヤー解釈が噛み合わない問題

TRPGではイベント内も含めた全ての行動を共通ルールで処理する。そうすることでイベント中であってもプレイヤーステータス、機転、判断が絡み、思いもよらぬシナリオが生み出されるのが醍醐味からだ。

しかしそれが悪い方に出たのが首ナイフ問題である

ゲームマスターGM)のこのイベントでの意図人質の命とNPC要求二者択一プレーヤーに選ばせるものだが、プレーヤーは何としても自らの機転で最良の結末を選びたいものだ。(そして得てしてGMもそれを受け入れる傾向にある。)

そこで考える。「よく考えたらナイフ攻撃値と人質HPを比べると一撃では即死しないじゃないか。なら一回刺してる間に奪還すればいい」。しかGMは言う。「首に刺したら死ぬに決まってるだろ常識的に考えて」。

TRPGにおいてイベントとはどうあるべきか、ゲーム的な処理はどこまで適用されうるか、そしてGMプレイヤー理想的関係はどうあるべきかといった様々な論争を巻き起こした奥深い問題

(Gスラ問題ペイン問題、シー問題なんかも面白い

Kanon問題

あゆルートにおいて奇跡の力が発動してない栞はどうなるの?」

https://lonestarsaloon.hatenadiary.org/entry/20090410/1239302357

エロゲあるいはギャルゲにおいて、選ばれていないヒロイン問題。あるいは、誰かを選ぶと他の誰かが不幸になる問題

泣きゲと呼ばれる類では特に顕著だが、エロゲもしくはギャルゲヒロインたちというのは、物語上何かしらの不幸や屈折を抱えていることが多い。

主人公がそのルートに入ることによって問題顕在化し、主人公の手によって解決するのだが、では選ばれていない他のヒロインの不幸はどうなるのか。

Kanonに限らずこういった論は意識されてはいたのだが、その構造特に露骨に見えやすかったのがKanonだった。Kanon世界においては、1度きりしか使えない「奇跡」によってしか救えないヒロイン複数人いる。

しかも、その選択権は主人公にある。一周目は誰のことも知らないからよかった。二周目以降、あの子の不幸がちらついて他の子が選べない。

エロゲや周回ゲーム全般、ひいては物語のものに対する様々な解釈を生み、遡及過去生成なんていう超絶アクロバティックまで提唱された根深問題

キングメーカー問題

勝ち目が無くなったプレイヤーが、勝ち目が残っているプレイヤーの最終的な勝敗に、ゲームの最終目標とは無関係に、恣意的に関わってしま

http://platonforminorgames.blog.fc2.com/blog-entry-44.html

多人数対戦のボドゲや卓ゲ、TCGなどで、絶対に勝てないプレイヤー問題。あるいは、最適解のない手番の問題

既に絶対に勝つことができなくなったにも関わらずゲーム進行上手番が来てしまうことがある。Aを選ぶかBを選ぶか。どちらかを選ぶと、それに直結してこのゲームの勝者が決まってしまう。

どちらも自分勝利に近づかない=理論上の最適解がありえない。それなら気分で選ぶか、ランダムに選ぶか、いっそ勝たせたい方を勝たせようかな。

それが、そのゲームをしゃぶりつくしたい理論プレイヤーには我慢できない。お前の理論値はこうだ、たとえ勝てないとしても最大得点を取れる手はAなのだ。俺は全プレイヤー理論値を目指すことを前提に戦略を組んできたんだぞ。

という感じで、さて誰が悪いんでしょうねと議論が始まった。

そもそも誰かが詰んでしまう仕組みになってるゲームが悪い、いや詰んでもいいけど第二の行動目標必要なのだ、いやそもそもこれは問題でもなんでもない、究極理論値を目指さなプレイヤーがいたっていい。

やがてゲームのもの理論や意義までもを考える人まで出てきてしまった闇深い問題

後期クイーン問題

作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できない

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E6%9C%9F%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%B3%E7%9A%84%E5%95%8F%E9%A1%8C

推理小説における作中探偵限界についての問題。あるいは、探偵物語にとっての何であるかという問題

推理小説パズルであるなら、読者は問題から答えを導くことができる。しかし、探偵にとってはそうではない。作中にいる探偵には作者の出した「問題」が見えない。

まり、前提条件がどこからどこまでで、今この瞬間には推理ができるのか?できないのか?それがわからない。

特に犯人探偵存在を知っていて、偽の手がかりなんかをばら撒き始めた日には、より顕著になる。何せ偽の手がかりが偽だと気付くための手がかりが必要だ。でもそれが偽でない保証は?

ちなみに、読者にとっては「これが推理小説であるという事実のもの」&「ここから解決編が始まるよ!という作者の親切なほのめかし」によって、そこまでのヒントで必ず論理的に謎が解けることが保証されている。

ここから突き詰めて、じゃあそれでも解けてしま探偵って何なんだ、超人なのか神なのか、単なる物語要請されている機械仕掛け役割にすぎないのか、いやいや探偵人間だろう、推理小説小説だろう、というような論争がなぜか日本でだけ始まった。

なんだかんだでその後の小説テーマになったり斬新なトリックの基礎となったり、魅力的な探偵を生み出したりと後世に確実に影響を及ぼした、興味深い問題

(第二問題である「作中で探偵が神であるかの様に振るまい、登場人物運命を決定することについての是非」も面白い

(本当はトロッコ問題とか心身問題とか異世界シャワー問題とかも語りたかったけど、アルバムとしてのコンセプトに合わない気がするからこの辺にしておく)

2020-03-09

https://anond.hatelabo.jp/20200309000539

後期クイーン問題に詳しそうなので聞きたいんだけど、そもそもクイーンにおける「犯人側が意図的リアルタイム探偵側にトラップを仕掛けてくる」っての、ギリシャ棺みたいな前期から始まってるし、そういうのが全面に出たのって十日間の不思議とか九尾の猫とか中期ぐらいじゃない?

なんで後期って名前になってるん?代筆時代はなかったことになったの?

2019-11-21

anond:20191121214419

その「割とよくある話の構成」ってのも問題

「この展開自体がこの漫画世界の作者による路線変更なのでは」とかそういう後期クイーン問題みたいな可能性も出てきちゃうので、自我ってなんだよってなる

個人的には「登場人物たちはこの世界漫画だと理解しているがそれでも尚、漫画内の役割に準じている」って設定が引っかかる

2019-05-12

[]5月12日

○朝食:にゅうめん

○昼食:レバニラ炒め定食ご飯たまごスープ餃子漬物レバニラ炒め)

○夕食:天津中華飯

調子

むきゅー。

今日は、久々に頓服薬を飲まなくても大丈夫な程度の辛さだった。

とは言っても、微熱は続いているし、喉の痛みもかなりある

けど、耐え切れない頓服飲む! とまではならなかったので、かなり治ってきているのかもしれない。

それがあまりにも嬉しくて、たらふく飯を食べた。

ご飯をたくさん食べると元気が湧くし、生きることに前向きになれる……

明日から一週間はじまります、とりあえず水曜日は通院の予定でおやすみするけど、ぼちぼちお仕事も頑張れるよう、むっきゅりするぞいや!

それで、今日は久々にご本を読む日にしてみた。

○早朝始発の殺風景青崎有吾)

ワンシチュエーションもの短編連作短編集の間みたいな作品

捨て猫兄弟喧嘩がかなり特徴的で印象深かった。

謎解きのギリギリまで「そもそもこれは何を問うているミステリなのか?」がさっぱりわからないのだけど、

謎解きが始まった瞬間にその辺りがビシッとハマりだす、ある意味ワットダニットもの一種なのかしら。

ネタを割ってしまえばxxxダニットなのだけど、謎を提示する段でそもそもこれがxxxダニットものだと気付かせない構成ってのは、面白かった。(前例的には倒叙と気付かせない倒叙というか信頼できない語り手の方向でありそうな気がするけども)

全体的に良い意味褒め言葉として「ミステリのお手本」のような、教科書的な楽しみができて、作者の地力の高さを強く感じた。

僕は、飛び道具よりも地に足をつけた格闘戦の方が好きなので、こういう作風は大歓迎。

この作者のノンシリーズものを読んだのは初めてだけど、確実にミステリ作家として今後も信頼できそうな出来なので、追いかけていこうと思う。

探偵AIリアルディープランニング(早坂吝)

AI探偵男子高校生コンビを組んで謎を解く短編連作

AI探偵ということで、フレーム問題シンボルグラウンディング問題不気味の谷中国語の部屋など、ミステリでは後期クイーン問題を通じて馴染み深いものもある哲学的数学的)な課題と絡めての謎解きが繰り広げられる。

この辺、前例を重んじる姿勢がかなり好み。

特に面白かったのは第3話の不気味の谷

僕は割と、というかかなり名探偵に対して甘い読者なので、かなり読み進めるまで、違和感に気づけなかった。

(だから僕、名探偵自身トリックに絡む系の謎滅多に先読みできないんだよねえ。作者に麻耶雄嵩って書いといてくれれば、心構えの一つもするんだけどさあ)

なので思わず、すぐに読み返して逆転感を堪能できて楽しかった。

全体を通じて、ミステリパロディ要素も強く、AI技術的な部分も程よくわかりやすく噛み砕いてくれてるため、正誤はわかりもしないけど、この本を読むにあたっては苦労なく楽しめた。

SFそもそも話の主題がどこにあるのか? から読み解く必要があるから技術的な部分をどこまで読みとかなければいかないのか? がとても難しく、読み手が止まることが多いのだけど。

ミステリは今回何を推理すればいいか、は割と早い段階で明示されるから、そこに向けて技術的な話も理解しておけばいいので、スムーズに読めて楽しめた。

続編も出せそうな終わり方なので続きもきになる。

本格ミステリベスト10の近況報告によると書く予定はあるみたいなので、楽しみにしておこう。

グラブル

ゼノウォフの武器は二つとも作った。

水の方は毎日コツコツやってくか……

水はあまりモチベがわかないんだけどなあ。

2019-01-28

anond:20190128201440

そういうメタ視点をさっさと取り込んで後期クイーン問題がどうのこうの言ってるのがミステリ界隈だよ。

2018-09-02

[]9月2日

○朝食:なし

○昼食:ラーメンキムチ

○夕食:ちらし寿司ほうれん草サラダ納豆、卵

○間食:ヨーグルトポテチおにぎりせんべい

調子

なんかしんどかった。

夕方ぐらいから、調子が上がってきたのだけど、もう休日は終わり。

ブルックリンナインナインを見てたのだけど、2シーズン目の18話がとてつもなく面白くて、感動して、涙が出てきた。

僕はああいう、血の繋がりじゃない家族の話に弱い。

いや、これがそういう話なのかどうか、よくわからないんだけど、とにかくいい話だった。

ゲームあんまりやる気がなかったので、今日は休憩。

こう言う日があってもいいよね、いや割とよくあるけど。

それと、ニコニコ動画アイマス動画を見てた。

いろいろ見たけど、特に良かったのが杏ちゃんと都ちゃん活躍する、ねりさえさんのミステリもの。(タグにPがついてないけど、つけて呼んだ方がよいのかしら)

僕は、ミステリは衝撃の展開とかドンデン返しとかではなくて、議論の誠実さにあると思っている。

ただし、この議論の誠実さの誠実さ度合いを検証して評価するとかそういうことを言っているわけじゃない。

あくまでそれらしい文量と、作中人物がそれぞれがそれらしく納得する描写があれば、検証した際に誤謬があることや、議論の抜けがあることなんかは、評価を下げる理由にはならないと思っている。

結局のところ「それらしさ」が大事なのであって、そのクオリティ第三者として正しく評価する気はないって態度なのです。

なぜなら、作中人物とじかに会話ができるわけではない以上、すべての議論をくまなく抑え、

かつすべての登場人物破綻のない行動をしないというのは、絶対不可能だと思うから

いや別に後期クイーン問題とかそういう大それた話じゃなくて、現実問題第三者が外からかつ後から何かの文章を読んで真実を見つけるなんて、どう考えても不可能でしょ。(なんか今話題になってるネット事件皮肉ってるような文章になったけど、そんなことないよ)

と言う意味で、ねりさえさんの日常の謎シリーズは、とても「それらしく」て超面白かった。

キャラオリジナルにしてミステリーズに乗ってても違和感がない。

なにより、自分いちばん好きなアイドルマスターキャラクタが割といい立ち位置で出ているのが良いね

いや冗談です、中身も素晴らしいです。

2017-06-22

俺が選ぶ!つい使いたくなるかっこいい文芸用語ベスト3

3位 貴種流離譚


2位 信頼できない語り手


1位 デウス・エクス・マキナ機械仕掛けの神)


選外


はいつでもこれらの用語をくりだすチャンスを窺っています!!!

気を付けろ!!!!!!

2010-09-15

http://anond.hatelabo.jp/20100915033158

ミステリー脳かも。

後期クイーン問題

探偵による謎の解決が真であることを、読者は知ることができるが、登場人物は知ることができない。

ブクマで感心しているブックマーカーは、フィクションの読者の立場で捉えている。

ネタだと思っているわけじゃないけど、現実だとしてもコンテンツとして消費しているってやつ。

探偵オタキングの鮮やかな謎解きが唯一無二の正解だと受け止めるから褒める。

元増田ノンフィクションとして捉えている。

同じ世界に生きる者としての立場で心情的にコミットしている。

だから探偵オタキングの鮮やかな謎解きが不正解である可能性を認識して、褒めない。

 
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