Q.敵NPCが人質の首にナイフをつきつけて脅迫したものの、プレーヤーは大人しくしなかったのでゲームマスターはNPCが首筋を刺して人質が死亡したと処理した。しかしルール上はナイフのデータでは即死しないとプレーヤーが抗議する。どうしたらよいだろうか。
http://hiki.trpg.net/wiki/?%BC%F3%A5%CA%A5%A4%A5%D5%CC%E4%C2%EA
テーブルトークRPG(TRPG)において、イベント的な意図とゲーム的な処理が噛み合わない問題。あるいは、ゲームマスターとプレイヤーの解釈が噛み合わない問題。
TRPGではイベント内も含めた全ての行動を共通のルールで処理する。そうすることでイベント中であってもプレイヤーのステータス、機転、判断が絡み、思いもよらぬシナリオが生み出されるのが醍醐味だからだ。
ゲームマスター(GM)のこのイベントでの意図は人質の命とNPCの要求の二者択一をプレーヤーに選ばせるものだが、プレーヤーは何としても自らの機転で最良の結末を選びたいものだ。(そして得てしてGMもそれを受け入れる傾向にある。)
そこで考える。「よく考えたらナイフの攻撃値と人質のHPを比べると一撃では即死しないじゃないか。なら一回刺してる間に奪還すればいい」。しかしGMは言う。「首に刺したら死ぬに決まってるだろ常識的に考えて」。
TRPGにおいてイベントとはどうあるべきか、ゲーム的な処理はどこまで適用されうるか、そしてGMとプレイヤーの理想的な関係はどうあるべきかといった様々な論争を巻き起こした奥深い問題。
「あゆルートにおいて奇跡の力が発動してない栞はどうなるの?」
https://lonestarsaloon.hatenadiary.org/entry/20090410/1239302357
エロゲあるいはギャルゲにおいて、選ばれていないヒロインの問題。あるいは、誰かを選ぶと他の誰かが不幸になる問題。
泣きゲと呼ばれる類では特に顕著だが、エロゲもしくはギャルゲのヒロインたちというのは、物語上何かしらの不幸や屈折を抱えていることが多い。
主人公がそのルートに入ることによって問題は顕在化し、主人公の手によって解決するのだが、では選ばれていない他のヒロインの不幸はどうなるのか。
Kanonに限らずこういった論は意識されてはいたのだが、その構造が特に露骨に見えやすかったのがKanonだった。Kanonの世界においては、1度きりしか使えない「奇跡」によってしか救えないヒロインが複数人いる。
しかも、その選択権は主人公にある。一周目は誰のことも知らないからよかった。二周目以降、あの子の不幸がちらついて他の子が選べない。
エロゲや周回ゲーム全般、ひいては物語そのものに対する様々な解釈を生み、遡及的過去生成なんていう超絶アクロバティックまで提唱された根深い問題。
勝ち目が無くなったプレイヤーが、勝ち目が残っているプレイヤーの最終的な勝敗に、ゲームの最終目標とは無関係に、恣意的に関わってしまう
多人数対戦のボドゲや卓ゲ、TCGなどで、絶対に勝てないプレイヤーの問題。あるいは、最適解のない手番の問題。
既に絶対に勝つことができなくなったにも関わらずゲーム進行上手番が来てしまうことがある。Aを選ぶかBを選ぶか。どちらかを選ぶと、それに直結してこのゲームの勝者が決まってしまう。
どちらも自分の勝利に近づかない=理論上の最適解がありえない。それなら気分で選ぶか、ランダムに選ぶか、いっそ勝たせたい方を勝たせようかな。
それが、そのゲームをしゃぶりつくしたい理論派プレイヤーには我慢できない。お前の理論値はこうだ、たとえ勝てないとしても最大得点を取れる手はAなのだ。俺は全プレイヤーが理論値を目指すことを前提に戦略を組んできたんだぞ。
という感じで、さて誰が悪いんでしょうねと議論が始まった。
そもそも誰かが詰んでしまう仕組みになってるゲームが悪い、いや詰んでもいいけど第二の行動目標が必要なのだ、いやそもそもこれは問題でもなんでもない、究極理論値を目指さないプレイヤーがいたっていい。
やがてゲームそのものの理論や意義までもを考える人まで出てきてしまった闇深い問題。
推理小説における作中探偵の限界についての問題。あるいは、探偵が物語にとっての何であるかという問題。
推理小説がパズルであるなら、読者は問題から答えを導くことができる。しかし、探偵にとってはそうではない。作中にいる探偵には作者の出した「問題」が見えない。
つまり、前提条件がどこからどこまでで、今この瞬間には推理ができるのか?できないのか?それがわからない。
特に犯人が探偵の存在を知っていて、偽の手がかりなんかをばら撒き始めた日には、より顕著になる。何せ偽の手がかりが偽だと気付くための手がかりが必要だ。でもそれが偽でない保証は?
ちなみに、読者にとっては「これが推理小説であるという事実そのもの」&「ここから解決編が始まるよ!という作者の親切なほのめかし」によって、そこまでのヒントで必ず論理的に謎が解けることが保証されている。
ここから突き詰めて、じゃあそれでも解けてしまう探偵って何なんだ、超人なのか神なのか、単なる物語上要請されている機械仕掛けの役割にすぎないのか、いやいや探偵も人間だろう、推理小説も小説だろう、というような論争がなぜか日本でだけ始まった。
なんだかんだでその後の小説のテーマになったり斬新なトリックの基礎となったり、魅力的な探偵を生み出したりと後世に確実に影響を及ぼした、興味深い問題。
(第二問題である「作中で探偵が神であるかの様に振るまい、登場人物の運命を決定することについての是非」も面白い)
(本当はトロッコ問題とか心身問題とか異世界シャワー問題とかも語りたかったけど、アルバムとしてのコンセプトに合わない気がするからこの辺にしておく)
キングメーカー問題はアタック25で見るやつ
3人(3チーム)以上で対戦するゲームだとだいたいなんでも起きるyo カタンなんかは1位が誰なのかって判断も個人差あるからそれで揉めがち
アタック25は1位がなくなってもだいたい獲得枚数=賞金の最大化で動いてる気がするなあ
え、獲得枚数で賞金が出るの? 最後に獲得したパネルのぶんだけVTRが見えるやつだけだと思ってたわ
最後の審判問題 1997年に発表された縫田光司作の詰将棋「最後の審判」によって提起された問題。 将棋のルールには、「同一手順の無限ループは、片方の連続王手の場合は4回目のループ...
この問題は知ってたけど 作った人が数学者で東大の准教授だとは知らなかった、なんというかさすがだなあ
ウェイソン選択課題 ( 4枚カード問題 ) 人の論理的な思考プロセスが、論理だけによって構成されているわけではないことを示す課題。 以下の2つのような課題のことである。 4枚のカ...
面白い
首ナイフ問題とか それこそwizardryみたいにくび を はねられ たり はたまたTRPGの自由さを尊重してなんか元からNPCさんの首に粗塩を塗るだとかで切り傷が付かないようにするとか、 ...
「首ナイフ」は「首にナイフ突き付けてる状態からのダメージ量」と「武器と武器を向け合ってるときの被ダメージ可能性に基づく期待値」が同じなわけねえだろjkで済む話だと思う。前...