はてなキーワード: 大卒とは
自分はプログラマーで、多くのプログラマーと同じように、コードを書く行為そのものが幸せであり、いつまでもコードを書いていたいと思う。
だが30を越えて、今までいくつかの会社でサラリーマンエンジニアとして働いた経験を総合するに、
少なくともこの国でプログラマーで居続けるためには起業する以外の選択肢は無いのだという結論に至った。
普通にコードを書いて、スキルを磨いて、リリースを成功させていくと、やがて肩書きがついて雑務に振り回される日々が訪れる。
プログラマーにとって何よりも大事なのは連続した集中、それも出来るだけ長い時間だ。
昇進して部下が出来たり、質問される機会が増えたり、評価業務やら、上級職会議やら、採用面接やら、一つ一つは大した事が無くても、
出社時間は気が付けば断片化して切り刻まれ、一日に一時間続けて集中する事すら困難になってしまう。
もはや一日中コードを書き続けるような事は遠い夢になり、腕は鈍り、ますますコードからは遠ざかる。
これまで、本当に多くの人がそうやってコードを書かなくなり、緩やかにピーターの法則に吸い込まれていくのを目にしてきた。
そしていつしか、コードは昔取った杵柄を披露するだけのオモチャになり、やがて家族なんかが出来て、どうでもよくなる。
それはそれでいいだろう。
だが、どこまでいこうが、自分が書きたいのはパワーポイントやエクセルや論文などではない。実際に動いて、問題を解決するコードなのだ。
フリーランスになる事はこの問題を幾分か解決するが、下に述べる他の要因によって最善手ではない。
単なるテキストの塊から、継続的な自動化を行い、マシンの集団を操り、物事の新しい側面を露出させ、市場と金を生み出すことだ。
しかし、サラリーマンエンジニアであろうとする限り2000万円の年収を越す事はほとんど想像出来ない。
プログラマーとして平均の20倍の生産性を叩き出したとしても、報酬には重いフタがのしかかっている。
同じようにレバレッジを利用する投資銀行やらコンサルタントやら、金の流れを直接扱う職能に比べて、ソフトウェア開発者は恐ろしく不当に評価されている。
だが、結局プログラマーはプログラミングを書いていれば幸せなのだから、そのように容易に搾取する事が出来る。
一年後の状況すらまるで読めないこの業界では、学習を止める事がそのまま死に繋がる。
しかし、エンジニアのあるべき姿としてのスペシャリスト信仰のようなものは根強い。
ある技術に特化して一線に身を置く事は極めて重要ではあるが、技術が発展する限り、どのような専門知識も価値は保証されない。
しかし同じ場所に居続ければ、新しい技術を習得したり、全く関連の無い分野に挑戦することはいつしか"若い衆"の役目となってしまう。
挑戦や学習が趣味の領域に追いやられた時点で、エキスパートは本当に脆い存在になる。
そして、30代、40代、50代となって、エキスパートとして食わせてもらう以外の在り方もまた、想像出来ない。
独立がリスクであるように、全てのITエンジニアが置かれたこの状況もまた同じようにリスクであって、どちらにせよ誰も責任を取る事は出来ない。
エンジニアがエンジニアであろうとする限り、やる事は結局のところ他人の問題の解決だ。
相手が解決しようとしている問題を推察して、それに合わせてキャリアやらスキルを設計することになる。
どこか知らない所で仕事が作られ、それに合わせて自身を適合させていく。
どんなに有名で優秀な人間が集まるところだろうが、その構造は基本的には変わらない。
日本の大卒者は社会に出るまで、一貫して他人に選ばれるために他人が定めた問題の解決をする努力を強いられる。
だが、実際にやってみて本当に実感するのは、自分の夢を追うのは他人の夢を追うよりも一億倍やりがいがあるということだ。
面白い仕事を探して選ばれる事を願うよりは、自分が面白いと思う仕事を作って食えるようになった方が楽しい。
何よりもコードが書けるし、どうせいつかは死ぬわけだし、百万年も経てば全ては元通りになる。
まとめると、プログラムを書きまくり、能力に見合った報酬を求め、新しい分野を学習し続け、面白い仕事にありつきたいという願いを叶えるための手段として、
サラリーマンやフリーランスという生き方は絶望的に効率が悪い選択肢という事だ。
各種手続きやら事務やらのおまけは付くが、それすら問題解決の対象として、新しく学習していける限り楽しむ事は出来る。
なんといっても、プログラミングが好きなプログラマーというのはこの世で最も幸福な職業なので。
反応を見ていて、ちょっと言葉が足りていなかったり誤解を招いている部分があったような気がしたので、少し蛇足します。
どうも起業という言葉には一種のアレルギー反応みたいなものが有るように感じられますが、
僕が知る限り起業というのはある種の書類上の手続きを漠然と指すだけのものであって、
人を雇う事や、金を集めて大々的に事業を起こす事そのものを意味するものではないです。
個人事業主になってスタバでアプリを書いたり、手続き上の法人を作ったりするような話から始まって、要は雇われる以外の道を模索するみたいなことです。
仕事の対価を求める限り、結局解決すべきなのは他人の問題であり、最終的にそこをゴールにしなければいけないのは勿論同じ事です。
ただ、"他人"は雇用主や受注先だけではなく、ユーザーという言葉に置き換える事も出来ます。特に今の時代は。
そうした問題設定の起点を自分自身でデザインして定めるか、誰かに定めてもらったものを選ぶかのどちらかで言えば、
自分で定めた方がチャレンジングで面白いと感じられますし、実際にやってみない限りはその能力を鍛える事は出来ないと思います。
どんな形であれ、平均的には"起業"は失敗する方に賭けた方が勝ちます。
ただ、成功するとか失敗するとか、金持ちになるとか破産するとかは基本的にどうでも良い事であって、
現実を思い知り、おそらくは軽視していた営業や事務の重みに押し潰されつつあっても、
それ自身を効率的に肌で学ぶのはやはりやってみない事には分からなかった事で、そういう経験が得られれば良いものだと思います。
それに別に失敗したところで間抜けが地球上から一匹削除される程度の事で、どの道取るに足らない話です。
そうした事をどうでもいいと思わせる程、プログラミングは楽しいものです。
この話はプログラマーから見た効率の話で、実際に企業にあってもこうした事は問題にならず、幸せにコードを書いている人は一杯居ると思います。
ただ、本当に選択肢が無くなる前に、何らかの行動を自分から起こせ、守る者も少ないうちはそういう道に走った方が妥当と感じたという話です。
それに、そっちの方が面白くないですか?
色んな人やテキストがこの手の話をしますが、自分は実際にやってみて、本当にこれが面白いものだと納得しました。もちろん誰にも勧めはしませんが。
念のため
この記事はあくまでプログラマーが起業に追い込まれるだけの理由について述べただけで、
追い込まれた結果としてどのようなビジネスモデルや、ロードマップ、資金繰りに行き着いたか、誰のためにどのようなリリースをしなければならないのか、という話ではありません。
自分自身はまだそれについて書けるだけの材料も資格も無く、現在進行形で自分の金と体で実験をしているようなところです。
うまく生き延びたら、いつかその続きを書きたいと思います。
父 : 口数少なく内弁慶で社交性低め。昔気質の善人だが短気ですぐ拳骨が飛ぶ。子供の教育にはあまり関心がない。腹違いのDQN兄が2人いる。高卒。
母 : 口うるさいADHD。子供は褒めると付けあがるという信念のもとあら捜しに精を出し、思い付きで叱る。父子家庭でアル中の毒親に育てられた。高卒。
姉 : 生活態度がだらしなく注意されるも改めることができず頻繁に親の怒りを買う。母と折り合いが悪い。父の拳骨がトラウマ。成績は中の上。大卒。
弟 : 姉が常に親から攻撃されているのを観察して良い子を演じるが短慮でうっかりミスが多く頻繁に親の怒りを買う。陰で問題行動多し。成績は上の下。大卒。
こういう家庭で育った姉と弟は、無事に自己評価が低く人間不信で異性に縁もない大人になりましたとさ。
姉は働き始めたらさっさと家を出ていったものの、父親の拳骨のせいで男性恐怖症になりおひとり様まっしぐらのアラフォーになりました。
弟は30手前まで実家暮らしした後、数年間の一人暮らしでいつの間にか嫁を見つけてきた。現在一児の父。
振り返るにこの家族最大の癌は、やはり母親の絶え間なく一貫性もない叱咤と、絶対に子供を褒めないぞ、という共育方針だったように思う。姉は40歳を目前にして未だに母親への嫌悪感と、母とは仲良くするのが良い娘だという価値観の板挟みになっている。具体的に言うと、よせばいいのに一緒に旅行に出ては旅先で大喧嘩するということを繰り返している。
大人になるまで扶養してもらったことへの感謝はあるが、しかし、いくら親の顔色を窺い「いい子」でいようと努力し続けても一向に評価されず、一度の些細なミスで最低評価に転落するという親子関係は空しい。
底辺がどんな暮らししてるか、はてな界隈の人には想像もつかないと思って書いてみたよー。
でも別に今はそれほど苦しいと思ってないのに普通にワープア貧困層にがっつり入ってる事実に
かなりびっくりしてる。大学の同期もかなり多くは非正規で自分より厳しそうだし。
ボーナス なし
手取り だいたい175万
家賃 4.0万(共益費込)
食費 1.5万
水道光熱費 1.0万
被服 0.3万
通信費 1.0万
交際費 1.0万
雑費 2.0万
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時々1万くらい余計に大きな出費がある、残りは全部貯金
業務用スーパーは1玉200gのうどんと1玉150gのそば(と中華そば)とか
納豆3パック50円(くらい)とか冷凍野菜(ほうれん草とか)500gで150円くらい
コンビニとか使う概念がない、例えば並んでるパックの300円の冷麺とか見ると
業務用スーパーの15円の中華そばが頭の中で透けて見えて手を伸ばす気になれない。
そんなかんじ。お菓子の値段は大きく変わらないから買うけどな!100円までな!
生の野菜と果物は商店街が異常に安い、大根でかいの100円とか
えのき3袋(去年まで5袋)で100円とかそんなかんじ。
肉は鶏胸肉100g38円と、月一くらいで豚肉100g88円(時々半額)を買う。
魚屋の魚は安くてもマジで感動するおいしさだから1回は食べてほしい。
でも最近、働く人間(かつ大食いでない人)にとってはガチですき屋とか
で1日1食補って、あとは適当に野菜食べるのがコスパ最強かと思ってきた
女なので、20代までに見た目をちゃんと出来といた方が将来的に間違いなくいいと思い
高校とか化粧したことなかったが大学の時に雑誌とか見て超がんばった。今はその貯蓄を消費している。
髪はケチったら一番見た目に影響出るのでケチらない(=それで一般人並)
カットで4000円くらいの美容室に3~4カ月に1回パーマ込で1万くらい行ってる
今の美容室は、腕は確かすぎで、人がよすぎて行くのがもうつらくなくなった。
化粧と一緒でこれも早めに勉強しとこうと思い(異常にださかった)恥ずかしくも努力した。
今は一周回って大丈夫な人になってると思う。
今来てる服は39マート(390円均一)とか古着屋(安い)とかもらいものとか、流行?何それおい(ry
2か月に1回くらいユニクロでベーシックなもの買ったり、でもださいって
思ってないよ!雑誌は読んでる‥今度自分コーディネート書きたい、上から
下まで靴入れても3000円とかで結構ちゃんとできてるのとかある。
靴は1万くらいの1足と、無印で4000円の1足と、西友で1000円の1足
が主力。
ネット、はてなダイスキー!お金かからない、あとアニメ見たり、絵描いたり、自転車のったり、月一くらいのカラオケ楽しみ
通信費→教えてもらった方法だが、家のPC全部とスマホを1台のwi-fiで
つないでる。携帯の通信をオフにしてwi-fiつないでるのでパケット代は月315円、
※事故物件ではない
長くてごめんなさい、読んでくれてありがとう。
増田さん、下痢腹さん←これ見て書こう書こうと思っててやっと書けてよかった。
追記
http://anond.hatelabo.jp/20140513234120
年収なら200万いくかいかないかくらいあったよ!指摘ありがとうね、修正してみたよ
http://anond.hatelabo.jp/20140513234515 長いのに読んでくれてありがとう、彼氏いるよ!(ドヤァ
さらに追記
両親は公務員だったので普通に高所得者だったんだ、という認識。
最近「年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学」
という本を読んだのだが内容にとても合点がいったので書いてみた
要はこの本の言わんとしている事は
成長する都市の高卒者の給料は衰退する都市の大卒者の給料よりも高いということ
自分は地方出身者なのだが東京に来て一番びっくりしたのは職業の選択の幅が広い事
食べていけるのか信じられないような職業でも結構いい収入だったりする
紋切り調に年収が違うといったことが少ないということだ。
大卒で一流とされているような企業に勤めている雇われ人なんかより全然収入が良かったりするし
意外とそう言った人たちが多いことに驚かされた
正にアメリカで起こったことが今の日本でも起きているんだなと実感するとともに
この実感はそれを体験しないと理解できないんだろうなと思った。
私の元彼かな?と思った、スペック再確認したら専卒だったから違ったけどw
元彼は大卒(地方私大。それなりに名の通ったところ)だったけど、増田の彼と一緒で物凄く一般常識がなかった。でも増田の彼と一緒で「自分はどうも常識を知らないらしい」ということを認識していなかった。学歴は関係ないんだなあとそのとき思った。
元彼の地元の友達に会ったとき、色んな謎が解けた。元彼と同レベルの人ばっかりなんだ。ちゃんと常識的な人も中にはいたけど、その人は元彼の常識なさを知った上でそれを受け入れていたし、そのほかの元彼と同レベルな友人達は同レベルだからその常識のなさに対してなんの疑問も持っていなかった。それまで誰にも指摘されてこなかったのだから、自分に常識がないなんて思ったことすらないんだと思う。
最後に増田が書いていたように「別れたくない」というのなら、私の元彼の「常識があったほうの」友人のようにすべてを受け入れて、更に増田が「これはこうすると便利だよー」とか「こういうのがあるみたいだよー」と地味に教えていくしかないと思う。
増田の元彼の「レッツゴー」と「レリゴー」とを勘違いしていたときの反応を見ると、指摘の仕方によってはちゃんと受け入れられるほうの人なんだと思う。「そんなのは常識」と断じてしまうのは簡単だけど、そういう言い方は彼を確実に傷つけるし、増田との関係性も悪くなると思う。だから、彼の嫌がらない言い方を模索しながら増田がやんわりじわじわ教えていくのが得策かなと思うよ。
私の経験上、こういう人は適切な言い方で教えられると「そうなんだー」と新鮮な驚きをもって素直に吸収していくから、教えることに抵抗がなくなれば楽しく生活できると思う。
彼は専門学校卒で、ややイケメン。これはこれでバランスが取れている。
まともな学歴と知性があって、ややイケメンであるなら、増田レベルの喪女を選ぶはずがないからだ。
そういう男なら、若くてかわいくて知性もある女性を選ぶに決まっている。
増田が選ぶなら、自分にふさわしいレベルの相手を選ぶしかない。
で、この二者択一で、増田は外見に引かれて、前者を取ったわけだ。そのあと、文句を言っている。
はっきり言って、この増田は結婚の適性がない。一生一人でスシローで独酌しているしかない。
さっさと別れろ。そして一生、一人で暮らせ。それ以外に、選択肢はない。
一般に、はてな民というのは、他人との協調性がないくせに、やたらと外見ばかりに引かれる。
そのあとで内容空虚な点に気づいて、後悔する。
一方、普通の人は、外見よりも中身を重視して、結婚する。これなら幸福になれる。
だけど、はてな民には無理だね。一生一人でいろ。
増田のような人々が結婚できる相手は、2次元の世界にしかいない。
一般人と交際しようと思うな。勝手に引きこもっていろ。世間に出ると、世間にとって迷惑だ。
どうしても世間のまともな人々と交際したいのであれば、外見ばかりに引かれるという腐った腐女精神をたたき直せ。
2ch、とくにけんもーや狼あたりは
「オレ工業高卒だけど一流企業社員で高給取り」「オレ4大卒だけど就職浪人orブラックに入っちゃって今はニート・フリーターorz」
「オレ(オレの友達)162㎝だけどイケメンだからモテモテ・美人の奥さんいる」「俺高身長だけど40歳童貞独身orz」
「オレ独身だけど優雅な独身貴族」「オレ妻子持ちだけど嫁が家事しないし散財するし毎日地獄」「私独身女だけど毎日辛くて死にたい」
こんな書き込みばかりで、逆パターンの書き込み(「俺チビで高卒だけどモテないし童貞だし派遣で交代勤で貧乏でつらいよ―」みたいな)はほぼ皆無。
しかし、現実の各種統計は、非正規率もフリーター率も早期退職率も刑務所受刑者率も
FBなどSNSにいる連中や、各メディアで見る有名人を見ても、
■大卒の人がやってしまった些細なミスを大卒のくせにと長い間忘れずネチネチと言い続ける
■自分は逞しく生きたというとこをいつまでも定期的にアピールする
http://anond.hatelabo.jp/20130901220935
のポストを見て書く気になった。
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うちは両親が高卒で、親戚には中卒も多い。
貧しいくせに父方も母方も兄弟が多く、受け継ぐ畑がなかったとかで、
県内どころか隣接県にまで跨って親戚一同散り散りになっている。
みんな鳶職、土方、ライン工、その他低学歴っぽい職業の見本市。
同じ仕事でも大都市に出ればもうちょっと収入良いと思うんだけど、そういう発想はないらしい。
通ってた小学校では援助交際で子供を作った女子もぽつぽついたし、
親にネグレクトされててパン泥棒で糊口をしのいでる同級生もいた。
酒やタバコが悪いことだという発想なんてそもそもなく、
不良グループっていうのは女子を輪姦して新聞沙汰になったとかそういうレベルの話。
授業なんて半分以上成立してなかった。
僕はそんな場所に馴染めず孤立し、図書館で本ばかり読んでいた。
ネットもなかったし。
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歳の離れた従兄を東京の大学にやって、有名な電機メーカーに内定した。
みんな名の通った大学に進学していった。
僕は好きだった文学を楽しむためとある国立大の文学部に入った。
親も満足気だった。
親たちはみんな低収入だったけど、おかげで国公立なら学費免除も寮住まい余裕だった。
物価は高いけど、実家から野菜の仕送り+バイトで人並みの生活は送れてた。
だいたい都市のバイト代は高くて、頑張ったら親父の月収を抜きそうだった。
バイトとサークルの掛け持ちをしながらだったけど、そんな苦労をしたと思ったことはない。
幼稚舎から有名私立に通ってて月何十万も仕送りされてるのに「親から自立した」と豪語するボンボン、
親が教師で勉強一筋で鍛えられたという秀才君、17歳で酒を飲んだと悪ぶってる自称不良。
地元にいた「本物の不良」みたいな人も一人いた。
どいつもこいつもが馬鹿に見えた。
漢字を知らない、ことわざを知らない、日本の観光名所を知らない、ヨーロッパの国の位置を知らない。
なんで昭和初期の文豪の一人も読まずにこいつらは大学に来てるんだ。
なんだ、高い金払って塾でお勉強してきた連中ってのはこの程度なのか。
僕の中でどんどん歪んだ自尊心が形成されていった。
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ちょうどその頃、日本経済はリーマンショックの後遺症を抱えていた。
そして言われた。「君が学んできた文学とやらは我が社で何の役に立ちますか」
青天の霹靂だった。
成績も優秀だったし、表彰もされた。
「君が受けてるところは総合職じゃなくて、工場のラインじゃないか?」
それすら受からなかった。
工学部なら大学院まで行くのが「普通」なんだけど、もう勉強するのは嫌らしい。
秀才君は大学院からアメリカに留学した。数百万円の留学費は親がポンと出したらしい。
自称不良は大学院に進学した。後から聞いた話ではこれまた有名なメーカーの研究部門に入ったそうだ。
本物の不良は保険の営業に決まった。体当たり営業出来るタフさが受けたらしい。
「秀」の字が並ぶ成績表を見ながら僕は頭を抱えた。
年が明け、僕は卒論を提出するか悩んでいた。
新卒でないと就活は厳しい。しかし留年すると学費免除は厳しい。
卒論は我ながら酷い出来だった。もっと資料を読んでいれば、もっと深く有意義な考察が出来たはずだった。
しかし就活に忙殺され、一時は精神科にも通っていた僕に、そんな時間も体力もなかった。
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大都市にある、名前だけはどこかで聞いたことのあるような企業の事務所だ。
そこで見たのはよく見知った光景だった。
管理といえば聞こえは良いが、要するにサポート、補助、下働きだ。
大卒も高卒も関係なく採用されているポジションで、実際同期の過半数は高卒。
職場で交わされるのは、地元の祭で親父たちが交わしていた、パチンコと競馬と風俗の話。
僕は一度壁を超えて、そしてここに帰ってきた。
僕は壁のこちら側で生まれ、あちら側に行き、そして帰ってきたんだ。
いったいあの四年間は何だったのだろう。
夢だったのか、幻だったのか。
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地元の連中の中には地元で教師になり、警察官になった人間だっていた。
彼らは僕より学歴が低いけど、僕よりよっぽど良い地位と収入を得ている。
着の身着のまま上京して劇団に入って、苦労しながら生活してる奴のちらしももらった。
もう僕には彼らも壁の向こうの住人のように見える。
僕は、僕の親たちは、壁が学歴の間にあると思っていた。
大都市には夢があると思っていた。
夢はあった。でも掴み方を知らなかった。
28日に会見した京都大学iPS細胞研究所によりますと、山中教授が14年前の平成12年に発表した万能細胞の1つ、ES細胞に関する論文で、画像の一部が切り貼りされたのではないかなどの指摘をインターネットで受けていたということです。
(略)
一方で、画像の元となる実験データについては、当時の共同研究者の実験ノートが保存されていないことなどから示すことができず、遺憾だとしました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140428/k10014091181000.html
いやいやいや、STAP細胞の1~2年前のデータはともかく、14年前の論文の1次データ(の一部)をもっていないのはそんな、謝らなきゃいけないこと?
それ言ったら、
小学校に受けた授業のノートを提示できない大学生は小学校を不正に卒業した疑いをもたれるってことだし、
大学で受けた講義のノートを提示できない30代の大卒社会人は大学を不正に卒業した疑いをもたれるってことだし、
離乳食を買ったレシートを提示できない、中高生を持つ親は食事を与えなかった幼児虐待の疑いをもたれるってことだし、
・・・ああ、もうきりがない。