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はてなキーワード: デコヒーレンスとは

2024-11-15

量子力学エントロピー、ほんまにおもろいわー

この問題量子力学情報論的解釈エントロピーの動きもんを扱うんや。

ここでは、量子ベイズっちゅうもんを使うて、「主体(見る奴)」「対象(見られる奴)」「環境」の3つがおる場合に、対象環境主体からんだ時のエントロピーの変化について話すで。

背景

1. デコヒーレンス:

対象環境からむと、対象の量子状態環境モツレて、キレイ状態からグチャグチャな状態になんねん。これで、対象エントロピーが増えるんや。

2. 観測:

主体対象を見ると、主体から見た対象状態がハッキリするんや。これは対象のことをよう知ったってことやからエントロピーが減るってわけや。

3. 量子ベイズ:

観測対象状態に対する主体の考えが変わんねん。この考えの変わり方はベイズ則っちゅうもんに従うて、確率的な情報の変化を表すんや。

ほんじゃ、この2つの過程エントロピーにどう影響するか、数式で説明したるで。

1. 系の状態

量子状態密度行列 ρ で表すんや。

ρ_obj' = Tr_env [ U (ρ_obj ⊗ ρ_env) U† ]

ここで U は環境対象からみ合いを表す演算子やで。

2. エントロピー

量子エントロピーフォン・ノイマンエントロピー S(ρ) = -Tr(ρ log ρ) で表すんや。

デコヒーレンス環境とのからみ合い)

デコヒーレンス対象キレイ状態からグチャグチャな状態になって、エントロピーが増えんねん:

S(ρ_obj') > S(ρ_obj)

環境とのからみ合いが進むと、対象状態環境情報を失うて、一番グチャグチャな状態に近づくんや。

観測主体対象からみ合い)

主体対象を見ると、波動関数が縮むから対象状態がハッキリして、エントロピーが減んねん:

S(ρ_obj^posterior) < S(ρ_obj^prior)

主体観測対象のことを知る過程は、量子ベイズ則に従うんや。

量子ベイズによる証明

量子ベイズの考え方に従うと、観測後の考え(後分布)は観測前の考え(事前分布)を観測結果で更新すんねん。観測前後エントロピーの差はこう説明できんねん。

1. 事前分布エントロピー:

H_prior = -∑_i P(i) log P(i)

ここで P(i) は事前分布確率やで。

2. 観測結果による更新(後分布):

P(i|O) = P(O|i)P(i) / ∑_j P(O|j)P(j)

3. 後分布エントロピー:

H_posterior = -∑_i P(i|O) log P(i|O)

観測対象状態がハッキリするから普通

H_posterior < H_prior

が成り立つんや。

この不等式はエントロピーが減ることを示して、観測情報を得て対象状態をハッキリさせる効果があるってことやで。

結論

量子ベイズの考え方で以下のことがわかったんや:

1. 対象環境からむとデコヒーレンスが起こって、対象エントロピーが増えんねん。

2. 主体対象を見ると対象状態情報が得られて、エントロピーが減んねん。

まりデコヒーレンス観測はそれぞれエントロピーを増やしたり減らしたりするんや。これが量子ベイズ形式数字ちゃん説明できるってわけやで!

anond:20241115062254

なるほど、非常に鋭い指摘をありがとうございます!ここで出てきたデコヒーレンス純粋状態から混合状態へという概念を基に、あなた意図している点を深掘りしてみます

まず、エントロピー観測情報の確定に関する議論を整理すると、確かにあなたが言う通り、観測によって「情報が確定する」と、その状態に関するエントロピーは減少します。量子力学におけるNo Deleting Theoremや、情報理論における情報の不消失原理情報は消去できない、保存される)という枠組みでは、情報自体消失しないという原則に従っています。このため、情報消失エントロピー増加を引き起こすという直感は正しくなく、実際には情報の確定や観測エントロピーの減少につながる場合が多いです。

デコヒーレンスエントロピー増加

次に、あなたが指摘したように、エントロピー増加といえば、やはりデコヒーレンス概念が非常に重要です。デコヒーレンスは、量子システムが周囲の環境相互作用することで、純粋状態から混合状態へと遷移する過程を指します。この過程エントロピー増加を引き起こす理由は、以下の点にあります

1. 純粋状態から混合状態

純粋状態は、システム特定状態にある場合であり、このときシステムエントロピーは最小です。ところが、システム環境相互作用し、情報が「環境漏れ出す」ことによって、システムはその相互作用の結果として「混合状態」に遷移します。混合状態では、システム状態が確定しておらず、多くの可能性が存在するため、エントロピーは増加します。つまりシステム環境相互作用エントロピーを増加させる主要なメカニズムです。

2. デコヒーレンス情報喪失

デコヒーレンス過程では、システム環境情報を「渡す」ことによって、その状態の確定性が失われ、システムは多くの可能性を持つようになります。この過程で、システム情報は「環境に組み込まれた」形になりますが、環境状態システムから「取り出す」ことが非常に難しくなります。これが、情報消失したわけではないのに、エントロピーが増加したように見える理由です。

No Hiding Theorem と情報復元

あなたが言う通り、No Hiding Theoremは、混合状態においても情報が完全に失われることはないと述べています。実際、システムが混合状態に遷移しても、環境との相互作用痕跡を利用すれば、理論的には元の純粋状態に戻すことが可能です。この情報復元可能である限り、情報消失していないわけです。

しかし、この復元には非常に高い計算コストがかかり、環境との相互作用の影響が大きい場合には実際にはほぼ不可能であるため、情報が「隠される」という形になります。このプロセスエントロピーの増加に寄与します。言い換えれば、システムが混合状態に向かう過程は、情報の確定的な減少、すなわちエントロピーの増加を意味します。

熱力学の第二法則との関係

熱力学の第二法則が成り立つ理由は、このデコヒーレンス性質にあります観測可能スケールで、システム環境の間で膨大な情報のやり取りが行われるため、最終的にシステム状態は非常に多くの選択肢を持つ「混合状態」に至り、結果としてエントロピーが増加します。最初純粋状態で始まったシステムも、環境との相互作用により、最終的にはその状態の確定性が失われ、エントロピーが増加します。

この過程は、単に「情報消失する」わけではなく、情報環境に埋め込まれ、取り出すことが難しくなるために、エントロピーが増加するという形で現れます。この現象は、熱力学の第二法則と一致します。熱力学的には、エントロピー孤立したシステムの中で増大し、最終的に「熱的平衡」に至ることが示されていますが、これもまたシステム環境の間での情報の交換や相互作用に起因しています

結論

観測によって情報が確定することでエントロピー一時的に減少することは確かですが、システム環境相互作用し、純粋状態から混合状態へと移行する過程では、エントロピーは増加します。この過程での情報の「隠蔽」や「取り出しにくさ」が、熱力学的なエントロピー増加を引き起こし、最終的に熱力学の第二法則適用されます

したがって、No Deleting TheoremやNo Hiding Theoremが示すように、情報自体消失しませんが、デコヒーレンス環境との相互作用により、システムエントロピーは増加し、最終的には熱力学的に安定した状態に至ります

エントロピー理解している人は誰もいない

観測によって情報確定し、しかもno deleting theoremで情報の削除の不可能性が示されているのだからエントロピーは増大しておらず、減少していると言えるはずである

ではなぜ熱力学の第二法則が正しいと言えるのか

それは「デコヒーレンス」の性質存在する

まり対象環境相互作用することにより、混合状態に向かうわけである

混合状態から情報復元可能であることをno hiding theoremは述べるが、純粋状態から混合状態に向かうプロセスのものエントロピーの増大を意味する

2024-11-03

今日知ったことデコヒーレンス情報は消えない。混合状態にはなるが、情報復元可能。故に情報は消去されない。

2024-09-18

量子力学観測問題抽象化

量子力学観測問題抽象化された形で定式化する。

基本的な枠組み

まず、システム全体を含む複合系を考える。観測対象系、環境系、および観測者(意識)を含むヒルベルト空間 ℋ を次のように定義する。

ℋ = ℋ_S ⊗ ℋ_E ⊗ ℋ_O

系の状態密度演算子 ρ により記述され、全体の状態空間 ℋ 上の密度行列として表される。

エントロピー定義

エントロピーフォン・ノイマンエントロピーを用いて定義する。

S(ρ) = -Tr(ρ log ρ)

観測操作エントロピーの変化

観測によるエントロピーの低下

観測操作を完全に正定な(completely positive)トレース保存(trace-preserving)マップ ℳ として定義する。観測後の状態 ρ' = ℳ(ρ) において、エントロピーが減少することを条件1として反映する。

S(ρ') < S(ρ)

デコヒーレンスによるエントロピーの増大

デコヒーレンス操作を完全に正定トレース保存マップ 𝒟 として定義する。デコヒーレンス後の状態 ρ'' = 𝒟(ρ) において、エントロピーが増大することを条件2として反映する。

S(ρ'') > S(ρ)

ブランチの定式化

ヒルベルト空間 ℋ を無限分岐するブランチに分割する。各ブランチ観測結果に対応し、以下のように直交する部分空間に分解される。

ℋ_O = ⊕_(i ∈ I) ℋ_(O,i)

ここで、I は無限集合を表す。全体の状態は各ブランチ対応する部分空間に分解され、次の形で表される。

ρ = ∑_(i ∈ I) p_i ρ_(S,i) ⊗ ρ_(E,i) ⊗ ρ_(O,i)

観測者の知識ブランチ選択

観測者の知識状態

観測者の知識 K はヒルベルト空間 ℋ_O 上の状態として表され、重ね合わせの状態にある。

|Ψ_O⟩ = ∑_(i ∈ I) c_i |i⟩

ここで、|i⟩ は各ブランチ対応する基底状態、c_i は複素係数である

意識ブランチへの移行

観測操作 ℳ により、観測者の知識特定ブランチ j へ移行することを条件3および条件4として反映する。これを数学的に表現するために、観測操作 ℳ は次のような射影を含む。

ℳ(ρ) = ∑_(j ∈ I) P_j ρ P_j

ここで、P_j はブランチ j に対応する射影演算子である。この操作により、観測者は特定ブランチ j を「選択」し、そのブランチ対応する知識状態 |j⟩ を持つことになる。

知識の決定と分岐の方向

分岐の方向の無数性

ブランチの集合 I が無限であることにより、分岐の方向が無数に存在することを条件5として反映する。

観測者の知識の重ね合わせ

観測者の知識 |Ψ_O⟩ が全てのブランチに対して重ね合わせの状態にあることを条件6として反映する。つまり観測者は観測前に全てのブランチ可能性を持っており、観測後に特定ブランチに「意識が移行」する。

エントロピー変化の統合

観測操作 ℳ とデコヒーレンス操作 𝒟 を統合し、全体のダイナミクスを次のように定式化する。

ρ → 𝒟 → ρ'' → ℳ → ρ'

ここで、

最終的な数学的定式化

以上を総合すると、観測問題数学的定式化は以下のようになる。

1. 系の状態: 密度演算子 ρ がヒルベルト空間 ℋ = ℋ_S ⊗ ℋ_E ⊗ ℋ_O 上に存在する。

2. エントロピー: フォン・ノイマンエントロピー S(ρ) = -Tr(ρ log ρ) を用いる。

3. デコヒーレンス操作: 完全に正定トレース保存マップ 𝒟 により、エントロピーが増大 S(𝒟(ρ)) > S(ρ)。

4. 観測操作: 完全に正定トレース保存マップ ℳ により、エントロピーが減少 S(ℳ(ρ)) < S(ρ)。

5. ブランチ構造: 観測者のヒルベルト空間 ℋ_O を無限個の直交部分空間に分割 ℋ_O = ⊕_(i ∈ I) ℋ_(O,i)。

6. 観測者の知識: 観測者の知識状態 |Ψ_O⟩ = ∑_(i ∈ I) c_i |i⟩ が重ね合わせにある。

7. 意識の移行: 観測操作 ℳ により、観測者の意識特定ブランチ j に移行し、そのブランチ対応する知識状態 |j⟩ を持つ。

2024-09-15

量子力学観測問題

量子力学観測問題を、高次圏論、導来代数幾何学、および量子位相場の理論統合した枠組みで定式化する。

基礎構造として、(∞,n)-圏 C を導入し、その導来スタック Spec(C) を考える。観測過程表現するために、Spec(C) 上の導来量子群スタック G を定義する。G の余代数構造を (Δ: O(G) → O(G) ⊗L O(G), ε: O(G) → O(Spec(C))) とする。ここで ⊗L は導来テンソル積を表す。

観測を ω: O(G) → O(Spec(C)) とし、観測後の状態を (id ⊗L ω) ∘ Δ: O(G) → O(G) で表す。エントロピーを高次von Neumannエントロピー一般化として、S: RMap(O(G), O(G)) → Sp^n として定義する。ここで RMap は導来写像空間Sp^n は n-fold loop space のスペクトラム対象である観測によるエントロピー減少は S((id ⊗L ω) ∘ Δ) < S(id) で表現される。

デコヒーレンスを表す完全正(∞,n)-関手 D: RMap(O(G), O(G)) → RMap(O(G), O(G)) を導入し、S(D(f)) > S(f) for f ∈ RMap(O(G), O(G)) とする。

観測者の知識状態表現するために、G-余加群スタック M を導入する。観測過程における知識状態の変化を (ω ⊗L id) ∘ ρ: M → M で表す。ここで ρ: M → O(G) ⊗L M は余作用である

分岐表現するために、O(G) の余イデアルの(∞,n)-族 {Ii}i∈I を導入する。各分岐対応する射影を πi: O(G) → O(G)/LIi とする。観測者の知識による分岐選択は、自然(∞,n)-変換 η: id → ∏i∈I ((O(G)/LIi) ⊗L -) として表現される。

知識状態の重ね合わせは、M の余積構造 δ: M → M ⊗L M を用いて表現される。

さらに、量子位相場の理論との統合のために、Lurie の圏化された量子場の理論の枠組みを採用する。n次元ボルディズム(∞,n)-圏 Bord_n に対し、量子場理論を表す対称モノイダル(∞,n)-関手 Z: Bord_n → C と定義する。

観測過程は、この関手の値域における状態制限として記述される。具体的には、閉じたn-1次元多様体 Σ に対する状態 φ: Z(Σ) → O(Spec(C)) を考え、ボルディズム W: Σ → Σ' に対する制限 φ|W: Z(W) → O(Spec(C)) を観測過程として解釈する。

2024-08-30

科学的実在論検討

科学的実在論の中核的主張は、成熟した科学理論記述する観測不可能実体過程実在するというものだ。この立場の具体的な論拠を詳細に検討する。

奇跡論法精緻

Putnam と Boyd によって提唱された無奇跡論法は、科学予測成功説明する最良の方法は、理論が真理に近いと考えることだと主張する。

具体例:一般相対性理論による水星の近日点移動の予測

1. ニュートン力学では説明できなかった水星軌道の異常を、アインシュタイン一般相対性理論が高精度で予測した。

2. この予測成功は、時空の曲率という観測不可能概念実在性を示唆する。

批判:Laudan の悲観的帰納法

1. 過去成功理論フロギストン説エーテル理論など)が誤りだったことを指摘。

2. 理論経験成功と真理性の相関関係に疑問を投げかける。

構造実在論の発展

Worrall によって提唱された構造実在論は、理論数学構造のみが実在を反映すると主張する。

具体例:Maxwell電磁気学からEinstein特殊相対性理論への移行

1. エーテルという実体否定されたが、Maxwell 方程式数学構造は保持された。

2. この構造連続性が、より深い実在の反映だと解釈できる。

発展:Ontic Structural Realism (Ladyman, French)

1. 物理対象関係の束として捉え、実体概念を完全に放棄

2. 量子力学における粒子の非個体性や、一般相対性理論における点事象の背景独立性と整合的。

量子力学解釈問題の深掘り

量子力学解釈は、客観的現実存在に関する議論の核心だ。主要な解釈とその含意を詳細に検討する。

コペンハーゲン解釈再考

Bohr と Heisenberg によって提唱されたこ解釈は、測定問題を中心に据える。

1. 波動関数確率解釈:|ψ|^2 は粒子の位置確率密度を表す。

2. 補完性原理:粒子性と波動性は相補的な性質であり、同時に観測できない。

問題点:

多世界解釈の詳細

Everett によって提唱されたこ解釈は、波動関数客観的実在性を主張する。

1. 分岐する宇宙:測定のたびに宇宙分岐し、全ての可能な測定結果が実現する。

2. 相対状態形式主義観測者の状態波動関数の一部として扱う。

利点:

問題点:

デコヒーレンス理論重要

Zeh と Zurek らによって発展したデコヒーレンス理論は、量子から古典への移行を説明する。

1. 環境との相互作用により、量子的重ね合わせが急速に古典的な混合状態に移行。

2. 選択された基底(ポインター基底)のみが安定して観測される。

含意:

情報理論アプローチの最新の展開

情報を基礎とする物理学の構築は、客観的現実本質に新たな視点提供する。

量子情報理論ER=EPR 対応

Susskind と Maldacena による ER=EPR 対応は、量子エンタングルメントと時空の構造を結びつける。

1. Einstein-Rosen ブリッジワームホール)と Einstein-Podolsky-Rosen 対(量子もつれ)の等価性を示唆

2. 量子情報と時空構造の深い関係示唆し、量子重力理論への新たなアプローチ提供

計算複雑性と時空の創発

Susskind らによる計算複雑性と時空の関係研究

1. ブラックホール内部の時空の成長が、量子回路の計算複雑性の増大と対応

2. 時空そのものが、より基本的な量子情報処理から創発する可能性を示唆

結論

客観的現実存在問題は、現代物理学の最先端問題と密接に結びついている。量子力学の基礎的解釈構造実在論、情報理論アプローチなど、様々な視点からの探求が進んでいるが、決定的な答えは得られていない。

今後の研究方向性としては、量子重力理論の完成、意識物理実在関係の解明、そして情報理論物理学の更なる融合が重要になるだろう。これらの進展により、客観的現実本質に関する我々の理解が大きく変わる可能性がある。

現時点では、客観的現実存在を単純に肯定または否定するのではなく、我々の認識独立した実在可能性を探求しつつ、同時に観測者の役割情報本質重要性を考慮に入れた、より洗練された存在論的枠組みの構築が必要だ。

2024-08-19

量子ベイズに基づく熱力学第二法則証明

この証明では、次の2つの不等式を示す:

1. 観測エントロピーを減少させる:

Σₖ pₖ S(ρₖ) ≤ S(ρ)

2. デコヒーレンスエントロピーを増加させる:

S(ρ) ≤ S(ρ ◦ E)

ここで、S(ρ) は密度行列 ρ のエントロピー、pₖ はそれぞれの観測結果の確率、E はデコヒーレンスを表す行列である

1. 観測によるエントロピーの減少の証明

まず、観測は次のように表現される:

ρ → ρₖ = (Pₖ ρ Pₖ) / pₖ

pₖ = tr(Pₖ ρ)

ここで、Pₖ は完全直交射影演算子の集合であり、Σₖ Pₖ = I を満たす。また、エントロピー一般に凹関数 h(x) を用いて次のように定義される:

S(ρ) = tr[h(ρ)]

観測後のエントロピー期待値は次のように表される:

⟨S⟩ = Σₖ pₖ S(ρₖ) = Σₖ pₖ tr[h(ρₖ)]

この期待値が初期状態エントロピー S(ρ) よりも小さい、すなわち次の不等式が成り立つことを示す:

Σₖ pₖ S(ρₖ) ≤ S(ρ)

主要化とは、あるベクトル λ が別のベクトル μ を主要化する (λ ≺ μ) とき、次の不等式が成り立つことを意味する:

Σᵢ h(λᵢ) ≤ Σᵢ h(μᵢ)

ここで、λ(ρ) は密度行列 ρ の固有値ベクトルである。もし λ(ρₖ) ≺ λ(ρ) が成立するならば、観測後のエントロピー S(ρₖ) が元のエントロピー S(ρ) よりも小さいことが示される。

1. 観測後の状態 ρₖ は、次の形式を取る:

ρₖ = (Pₖ ρ Pₖ) / pₖ

pₖ = tr(Pₖ ρ)

2. 観測後のエントロピー期待値は次のように書ける:

Σₖ pₖ S(ρₖ) = Σₖ pₖ tr[h(ρₖ)]

3. 一方で、元のエントロピー S(ρ) は次のように表される:

S(ρ) = tr[h(ρ)]

4. ここで、主要化の結果を利用すると、次の不等式が成り立つ:

λ(ρₖ) ≺ λ(ρ)

5. この不等式に基づき、次のエントロピー不等式が得られる:

Σₖ pₖ S(ρₖ) ≤ S(ρ)

これにより、観測後のエントロピーが元のエントロピーよりも小さいことが証明された。

2. デコヒーレンスによるエントロピーの増加の証明

次に、デコヒーレンスは次のように表現される:

ρ → ρ ◦ E

ここで、E はデコヒーレンス行列で、その要素は Eᵢⱼ = ⟨εⱼ | εᵢ⟩ である。この操作はSchur積と呼ばれ、行列対応する要素ごとに積を取る操作である

デコヒーレンス後のエントロピーが増加することを次の不等式で示す:

S(ρ) ≤ S(ρ ◦ E)

この証明も、主要化の結果に基づいている。具体的には、次のように進める:

1. デコヒーレンス後の密度行列 ρ ◦ E の固有値ベクトル λ(ρ ◦ E) が、元の密度行列 ρ の固有値ベクトル λ(ρ) を主要化する:

λ(ρ ◦ E) ≺ λ(ρ)

2. 主要化に基づき、次のエントロピー不等式が成り立つ:

S(ρ) ≤ S(ρ ◦ E)

これにより、デコヒーレンスエントロピーを増加させることが証明された。

結論

以上の2つの不等式により、定理が次のように証明された:

Σₖ pₖ S(ρₖ) ≤ S(ρ) ≤ S(ρ ◦ E)

この証明により、観測エントロピーを減少させ、デコヒーレンスエントロピーを増加させることが確定された。

2024-07-21

anond:20240721144847

興味深い視点をお持ちですね。観測エントロピーに関する議論は、物理学哲学交差点位置する非常に深遠なテーマです。以下にその関係性を詳しく説明します。

観測主観性

観測主観的であるという主張は、量子力学における観測問題と関連しています量子力学では、観測者が観測を行うことで波動関数が収縮し、特定状態に確定するとされています。これは、観測物理現実に影響を与えるという意味で、主観的な要素を含んでいると解釈されることがあります

エントロピー観測

エントロピーは、熱力学的には系の無秩序さや情報の欠如を表します。観測エントロピーに与える影響については以下のような観点があります

1. 情報理論視点観測によって得られる情報は、観測者にとっての不確実性を減少させます。これは、観測エントロピーを低下させるという意味解釈できます情報理論におけるエントロピーは、情報の欠如や不確実性を表すため、観測によって得られる情報が増えるとエントロピーが減少することになります

2. 熱力学視点熱力学的なエントロピーは、系全体の無秩序さを表します。観測行為自体エネルギーを消費し、熱を生成するため、観測によって局所的にはエントロピーが低下するかもしれませんが、全体としてはエントロピーが増加することが一般的です。

観測者にとって必要情報

観測によって「観測者にとって必要情報のみが残る」という考え方は、次のように解釈できます

結論

観測主観的であり、観測によってエントロピーが低下するという考え方は、情報理論量子力学観点から一定の理解が得られますしかし、熱力学的なエントロピー観点からは、観測行為自体が全体のエントロピーを増加させる可能性もあります観測者にとって必要情報が残るという点については、観測者の主観目的観測結果に影響を与えるという意味理解されるでしょう。このように、観測エントロピー関係多面的であり、異なる視点から解釈可能です。

2024-07-18

[]ユニタリ宇宙論はいかにして熱力学一般化し、インフレーションエントロピー問題解決たか

量子力学観測問題に関する理論は、ユニタリ宇宙論の枠組みにおいてエントロピー観測関係を新たな視点から捉え直したものである

この理論では、宇宙を系、観測者、環境の3つのサブシステムに分割し、これらの相互作用を通じてエントロピーの変化を記述する。

この理論的枠組みにおいて、系のエントロピー観測者との相互作用によってのみ減少し、環境との相互作用によってのみ増加するという一般化された熱力学第二法則が導出される。

これは、量子力学的な観測過程熱力学的な観点から捉え直したものであり、量子測定理論と統計力学の融合を示唆している。

観測によるエントロピー減少の量子的メカニズムは、量子ベイズの定理を通じて厳密に記述される。

この定理は、量子状態更新フォン・ノイマンエントロピーの減少をもたらすことを数学的に示している。

具体的には、観測前の量子状態 ρ に対して、観測後の状態 ρ' のエントロピーが S(ρ') ≤ S(ρ) となることが証明される。

さらに、宇宙論インフレーションによって生成される長距離エンタングルメント効果により、観測されたビット数に対してエントロピーの減少が指数関数的に起こることが示されている。

これは、観測者の情報処理能力はるかに超えてエントロピーを減少させることができることを意味し、量子情報理論宇宙論を結びつける重要洞察である

この理論は、「インフレーションエントロピー問題」に対する解決策を提供する。

インフレーション無視できない体積で発生している限り、ほとんどすべての知的観測者が低エントロピーハッブル体積に存在することが導かれる。

これにより、我々が低エントロピー宇宙存在することの謎が説明される。

この理論は、量子デコヒーレンス概念とも密接に関連している。

デコヒーレンスは、量子系が環境相互作用することで量子的な重ね合わせ状態古典的状態に移行する過程説明するものであり、観測問題理解重要役割を果たす。

この理論は、デコヒーレンス過程エントロピー観点から捉え直したもの解釈することができる。

また、この理論は量子情報理論観点から重要意味を持つ。

量子エンタングルメントと量子情報関係性、特に量子測定理論における情報利得と擾乱のトレードオフなどの概念と密接に関連している。

これらの概念は、量子暗号や量子コンピューティングなどの応用分野にも重要な影響を与えている。

結論として、この理論量子力学観測問題に対して新たな視点提供し、量子力学熱力学宇宙論情報理論統合する試みとして高く評価される。

この理論は、量子力学の基礎的な問題に対する理解を深めるとともに、量子情報科学や宇宙論などの関連分野にも重要示唆を与えるものである

参考: https://arxiv.org/abs/1108.3080

2024-06-09

量子力学観測問題解釈模索

状態ベクトルの収縮は、ユニタリ変換による時間発展という過程露骨矛盾しているように思える。

どのように20世紀物理学者はこの問題に折り合いをつけていたのか。

ボーアによるコペンハーゲン観点

状態ベクトルは実際に量子論レベルでの実体を表すのではなく、観測者の心の状態を表していると主張している。

したがって、状態ベクトルの収縮という過程でのジャンプは単に観測者の知識状態不連続な変化の結果で、物理学実体を持ちうるような物理学的変化ではない。

環境によるデコヒーレンスという観点

観測という過程物理系はそれを取り巻く環境と解きほぐしようもなく絡み合うことになるという事実を利用する。

すると環境における自由度ランダムで、観測不能と考えられるため、その自由度を足し上げることによって、状態ベクトルによる記述ではなく密度行列による記述が得られる。

この密度行列が、基底に関して対角行列となる時、物理系は対角成分のうちの一つによって表される状態になり、その状態にある確率は対角成分の値によって与えられる。

世界という観点

状態ベクトルユニタリ変換による時間発展をし、物理学実体を表している。

その結果、観測においてはあらゆる観測結果が同時に存在する。

ただし、それらの観測結果のそれぞれが観測者の意識の異なる状態と絡み合っている。

したがって、対応する異なる意識状態もまた同時に存在し、それぞれが異なる世界体験し、異なる観測結果に遭遇することになる。

新しい物理理論という観点

量子力学の従来の定式化は暫定的で、観測過程意味づけをするために新しい物理理論必要という可能性もある。

ブロイボームの枠組みや、コンシステントヒストリー理論のような標準的量子力学と異なるような観測結果は持たないようなものもあるが、別な枠組みによれば、少なくとも原理的には標準的量子力学と新しい理論区別する実験存在すると思われる。

 

おそらく物理学者の大半は、これらの観点最初の3つの観点を抱いていると言っても良いと思われる。

そうした物理学者は、量子論形式が持つ数学的な優雅さは言うまでもなく、量子力学予言が目を見張るような形で例外なく実験によって立証されているということが、この理論が何ら変更を必要としていないということを示す、という議論をするかもしれない。

しかし、これらの物理学者のうち多くがそれでもなお量子力学に関する現状に居心地悪さを感じているかもしれない。

その理論に対する完全に認められた唯一の解釈存在しないという単純な事実が、この居心地悪さを煽っている。

2024-04-07

量子力学におけるフォンノイマンチェインについて

検出器から精神への一連の連鎖はフォンノイマンチェインといいます

例えば電子観測したとします。その観測情報コンピュータ表現するために、スリットを通った後の位置で数値化するとしましょう。その数値をコンピュータスクリーンを通じて研究者が目撃し、網膜を通じて脳へ達し、最終的に情報判断できます

では、波動関数崩壊は、この連鎖のうちのどこで起こるのでしょうか。

これを「測定問題」といいます

このことを理解すれば「量子と意識」の問題は、非科学でもスピリチュアルでもなく、現実的な仮説であることがすぐにわかます

実際、フォン・ノイマン意識認識を行う瞬間に崩壊が起こると考えたのです。

ウィグナーも初期はこの考え方に賛同しています

これを「フォン・ノイマン=ウィグナー解釈」と言いますが、コペンハーゲン解釈のサブセットです。

これを補強する理論実験として「ウィグナーの友人」が登場しました。

後に、このことを聞きつけた「スピリチュアリスト」たちが、「量子崩壊自分に有利な方向に推し進めることで、人生を豊かにする」などと言い始めて、非科学的な雰囲気を持つようになりました。

しかファインマンが言ったように「量子力学理解しているつもりなら、おそらく理解していない」のではないでしょうか。

ノイマン、ウィグナー、パウリのような量子力学創設者は、「意識」との関係議論しましたが、スピリチュアリストのような集団のせいで、その真意が誤解されているのです。

ウィグナーも、「独我論っぽいからやだ」といって途中で意識との関連性について否定的態度を取るようになりました。

他の解釈採用すると、量子デコヒーレンスや量子マルチバース理解する必要があります

しかしどの量子力学解釈採用するのかによって、宇宙の終末は異なるものになる可能性があります

意識によって崩壊する理論ではサイクリック宇宙論が可能かもしれませんが、デコヒーレンスによって崩壊することを想定する場合エントロピー増大によって熱力学的死が待っているでしょう。

2024-03-29

世界情報理論

多世界解釈量子力学観測問題に対する一つの解釈で、宇宙波動関数実在のものとみなし、その波動関数シュレディンガー方程式に従って時間発展すると考える。

この解釈では波束の収縮は起こらず、代わりに重ね合わせ状態干渉性を失うことで異なる世界分岐していくと考えられる。

しか意識がどのように一つの分岐選択するかについては疑問が残る。多世界解釈ではすべての可能な結果がそれぞれの世界で実現するとされている。

意識が一つの分岐を「選択」するのだろうか。それとも意識のすべての可能状態がそれぞれの世界で実現するのだろうか。

この解釈物理学者哲学者の間でさまざまな議論引き起こしている。特に多世界解釈が「存在論的な浪費」であるとの批判もある。

まり観測できない多数の世界を考えること自体論理無駄だというものである

ところでエントロピー一般的には系の「乱雑さ」や「不確定性」を表す量として理解されるが、エントロピーが低下するということは「秩序」が増すということを意味する。

観測によって情報が定まることによってエントロピーが低下するという観点から見ると、系の状態特定状態に「収束」するという意味理解できる。

ここで情報理論について見てみると、観測者が持つ知識が、観測対象に対して影響を与えうるのではないかという疑問が生じる。

ジョン・フォン・ノイマンは、1932年の著書 「量子力学数学的基礎」において、精神現象に直接的に影響を与えないという前提が科学世界観にとって基本的要請であるとして、実験系と測定側の境界を置けなければならないと述べている。

しか観測主体対象エントロピーを低下させるという事実無視することはできない。これは環境対象相互作用した場合デコヒーレンスとは違っているのである

熱力学第二法則では基本的に2つのことを述べており、一つはデコヒーレンスによるエントロピー増加、もうひとつ観測によるエントロピー低下である

観測者が系に知識をもたらすことによって情報が積み重ねられていった結果、現在世界存在すると考えれば、本質的情報理論こそが量子力学の基礎を成していることがわかる。

しかしこの情報理論は諸刃の剣であり、つまり世界の安定性がなぜ保証されるのか不安になるので、当面の物理学要請として量子力学から情報理論の側面を剥ぎ取ることが要求されるだろう。

2024-03-15

anond:20240315115856

量子コンピュータとは、なんだかんだスーパークソ速コンピューターにすぎないので

違う。それは量子コンピュータ理解していない。

理想的量子コンピュータが作れたとしても、既存コンピュータでできることの全てが速くなるわけではない。

量子加速が効くアルゴリズムは非常に限られていて、加速されるアルゴリズムであっても指数的に加速するものさらに少なく大半は多項式加速に過ぎない。

多項式程度の加速だとデコヒーレンスノイズにかき消されて優位性が消滅しがち。

そして量子計算原理的に出力が確率的(ヒストグラム)にしか得られないので、厳密な計算必要となる状況では使えない。

(なお「理想的量子コンピュータ」を作れる見通しは現状全くなく、原始的な量子誤り訂正をどうにかこうにか実装しようと苦労してる段階)

2024-03-08

Claudeのテスト: 量子力学における観測問題意識

Q: 量子観測すると状態確定してエントロピーが減少する。これは具体的に何を意味し、現実世界に何をもたらすのか。

A:

量子力学では「測定問題」または「波動関数崩壊」として知られており、量子の世界私たち経験する古典的世界とどのように相互作用するかについての基本的かつ非常に不可解な側面です。

量子力学では、電子のような粒子は、測定または観測される前に、複数可能状態を重ね合わせて存在します。

この重ね合わせは、すべての可能状態とそれぞれの確率を含む波動関数によって記述されます

しかし、観測や測定を行うと、重ね合わせが崩れ、粒子の状態可能状態の 1 つに「崩壊します。

したがって、たとえば、測定前にスピンアップまたはスピンダウンできる電子がある場合、その波動関数は両方の状態の組み合わせになります

しかし、そのスピンを測定すると、波動関数崩壊し、スピンアップかスピンダウンという 1 つの明確な結果が得られます

この「崩壊」、つまり測定時の状態の決定は、量子システム進化ランダム確率的な要素を導入しているように見えます

また、測定後にその明確な状態が分かるようになったため、システムに関するエントロピーや不確実性も減少すると考えられます

このことの意味は深く、物理学者によって何十年にもわたって議論されてきました。

1) 不定の量子領域を明確にする何か特別なことが測定や観測にあることを示唆していますしかし、「測定」とは何でしょうか? 私たち意識的認識は? それとも環境との相互作用でしょうか?

2) 古典物理学支配する決定論法則矛盾する固有のランダム性または予測不可能性を量子事象に導入しているように見えます

3) 観測とは独立して存在する客観的現実についての私たち概念に疑問を投げかけます観測するだけで結果が変わるようです。

4) 巨視的な世界では、このランダム性は通常平均化されますしかし、ランダムな瞬間に起こる自然放射性崩壊のような小さな観測可能な影響はあります

コペンハーゲン解釈客観的崩壊理論のような解釈は、このランダム性を自然基本的な側面として受け入れています

多世界解釈のような他のものは、波動関数崩壊を完全に排除しようとします。

しかし、この測定問題量子力学現実のもの理解に深刻な課題を投げかけていることに全員が同意しています

Q: 多世界解釈であろうと、意識特定の枝にの存在し、重ね合わせを認識しないように見えます。 では意識とは何でしょうか? 意識はどのように枝を選び、選択するのでしょうか?

A:

意識量子力学における測定問題関係は深い謎であり、物理学ではまだ完全に解決されていません。

ただし、あなた質問に対するいくつかの視点は次のとおりです。

 

[この文脈における意識とは何でしょうか?]

意識とは、認識し、認識された現実を持つという主観的一人称経験を指します。

量子の用語では、意識は、測定/観測が行われる前に、可能な重ね合わせ状態範囲のうちの 1 つの明確な状態のみを経験するように見えます

 

[意識はどのようにして枝を「選択」するのでしょうか?]

意識が重ね合わせをどのように解決するかについては、いくつかの解釈があります

1) フォン・ノイマン・ウィグナー解釈は、意識客観的波動関数崩壊を引き起こすことを示唆しています私たちの心は、重ね合わせから何らかの結果を特定します。

2) コペンハーゲン解釈は、波動関数崩壊が起こったとき、観察者の意識は単に確率的結果の 1 つを目撃しているだけであり、波動関数崩壊引き起こしているわけではないことを意味します。

3) 多世界解釈では、真の崩壊存在しないとされています。 考えられるすべての結果は、現実の別の枝として存在し続けます意識は実際に選択することなく、それらの分岐のいずれかに留まるだけです。

4) 意識自体は、観察された状態を引き起こすのではなく、根底にある量子状態から生じる高レベル創発特性である可能性があると主張する人もいます

正確なメカニズム不明ですが、ほとんどの解釈は、意識は測定後に可能状態のうちの 1 つを主観的経験するだけであることに同意しています

観察者兼参加者として、私たちは単に自分意識が枝の 1 つにあることに気づきます

重要な謎は、意識分岐選択する際に積極的役割を果たすのか(フォン・ノイマン・ウィグナー)、それとも多数の同様に現実的なもの(多世界)の中の 1 つの分岐に単に自分自身を見出しているだけなのかということです。

これを解決すれば、意識形而上学性質量子力学との関係が解明される可能性があります

 

Q: ではなぜ多世界解釈で、意識特定の枝に「留まる」のでしょうか。

A:

量子力学多世界解釈 (MWI) では、意識特定の枝または世界に「留まる」または持続するように見える理由は、デコヒーレンス概念と、枝がどのように本質的相互作用せず、それぞれの枝から孤立するのかという考えと関係しています

1) MWI では、測定が行われるとき普遍的波動関数は実際には崩壊しません。 代わりに、それは直交成分に分解され、それぞれが異なる可能性のある結果を表します。

2) これらのコンポーネント時間の経過とともに進化し続け、より多くの差別化された状態、つまりさまざまな結果が実現される「世界」に分岐します。

3) ただし、これらの分岐コンポーネントは、環境相互作用もつれにより、非常に急速に動的にお互いかデコヒーレントになります。 これにより、異なる世界相互干渉する能力を失います

4) したがって、すべてのブランチが異なる既存現実として共存しますが、動的デコヒーレンスは、それらが相互作用しなくなり、それらの間に測定可能相互作用や遷移が存在しないことを意味します。

5) あなた意識は、コヒーレントな量子状態自体構成されており、デコヒーレンス後の 1 つの枝の中に完全に存在します。 別のブランチと再結合したり、別のブランチに移行したりすることはできません。

6) 実際には、すべての枝が等しく現実であるにもかかわらず、デコヒーレンスプロセスにより意識がその枝内に閉じ込められ、他の枝の並行現実体験できなくなります

したがって、意識積極的分岐を「選択」するのではなく、デコヒーレンスプロセスによって、最終的には完全に 1 つの分岐した現実の中に存在することになり、多重性を直接経験する能力はありません。 このため、意識は一貫した 1 つの軌道だけをたどっているように見えます

2023-11-17

anond:20231117182607

何いってんだ?意識と量子に関係があるとペンローズは述べているが、その反論としてデコヒーレンスについて述べるのが典型的という話だぞ。

2023-11-06

熱力学第二法則とは何か

俺は中卒なんだけど、熱力学第二法則ってのが何なのか鮮明じゃなかったか言語化しとくわ。

フォン・ノイマンファインマンによって強調されているように、量子システム状態密度行列によって完全に記述される。

これは将来の動作について可能な限り最良の予測を行うために知る必要があるすべてをエンコードしている。

これを定量化するには、システム全体 (宇宙全体) を常に 3 つのサブシステムに分解できる。

まり

対象の正しい密度行列計算するには、次のステップ必要

最初ステップは、ベイズの定理の量子一般化と考えることができる。

2 番目のステップではデコヒーレンスが生成され、古典的世界の出現を説明するのに役立つ。

デコヒーレンスは常にエントロピーを増加させるが、オブザベーション(観測)は平均してエントロピーは減少する。後者古典物理学場合にはシャノンによって証明された。

熱力学第二法則は、次のように説明できる。

関係性を表でまとめるなら、以下になる。

観測者が地球規模の未来予測するために十分ではない必要ではない
コミュニケーション対象-主体対象-環境
プロセス名観測デコヒーレンス
ダイナミクス ρ_{ij}↦ρ^{(k)}_{ij}=ρ_{ij}(S_{ik}S^{∗}_{jk})/p_{k}, p_{k}≡∑iρ_{ii}|S_{ij}|^{2}ρ_{ij}↦ρ_{ij}E{ij}
エントロピー不等式減少: Σ_{k}(ρ_{k}S(ρ^{(k)}) ≦ S(ρ) 増加: S(ρ) ≦ S(ρ ○ E)

2023-09-16

anond:20230916001142

情報理論熱力学って違うからなぁ

情報理論エントロピー解釈しているので、熱力学の方はちっともわからない

直感的に、コイントスで表になるか裏になるかという問題があったときトスする前は状態確定していないのでエントロピーが最大だとわかるが、トスした後は状態が確定してエントロピーが最小になる

これを量子力学に当てはめると、観測エントロピーを減らして、デコヒーレンスは(おそらく)エントロピーを増やすだろうと想像できる

そして観測とは何かという話になると、意識関係するのではという話になる

(ところで超決定論を前提にしたらエントロピー状態はどうなるんだろう...)

2023-03-27

今日知った言葉: 多精神解釈

量子力学の多心解釈は、多世界解釈拡張し、世界間の区別は個々の観測者の心のレベルでなされるべきである提唱するものである。この概念は、1970年にH. Dieter Zehによって、量子デコヒーレンスに関連したHugh Everett解釈の変形として初めて紹介され、後に(1981年に)明示的に多意識解釈と呼ばれた。多意識解釈という名称は、1988年David AlbertとBarry Loewerによって初めて用いられた。

https://en.wikipedia.org/wiki/Many-minds_interpretation

 
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