はてなキーワード: クリストフとは
というマンガを書こうと思ったんだけどすっかり時機を逸してしまったので概要をメモしてみる。(一応書いておくと、ラース・フォン・トリアーはダンサーインザダークとかアンチクライストでお馴染みの後味の悪さに定評のある映画監督)
先輩「最近アナルでヌキの女王っていうのが流行っているらしいじゃん、全然観る気がしないけど合コンで女と話が合わないと困るからあらすじ教えてよ」
後輩「いいっすよ。僕の解説をきけば先輩も今日からいっぱしのアナヌキマニアですよ!」
・ここから本題
1.ある国の王家に生まれた二人の姉妹。幼い姉妹は仲良しだったが、実は姉エルサは王の浮気相手の魔女の娘であった(妹アナは本妻(王妃)の娘)。王妃は当然エルサを虐げる。さすがに王の手前エルサを殺すことはできなかったが、エルサは虐待の影響でコミュ障に育つことになる。さらに王妃は浮気相手の魔女を暗殺することに成功するが、魔女の怨念により王と王妃は旅行中に船が沈没し死亡する。
2.それから10数年経ち、女王に即位するエルサの戴冠式が催される。アナは早くに親を亡くしたせいか、生来の性格なのか、立派な尻軽女に育っており、来賓の他国の王子ハンスとパーティーで出会って即ファック。さらにエルサに対し「あんたみたいなコミュ障は結婚とか出産とか無理だから、さっさと退位しなさいよ。あたしとハンスで国を治めるから」と告げる。
3.それにブチ切れたエルサは城を脱走し、魔法で国中を雪で包み込み、山に氷の城を造って立てこもる。急激な気候の変化の為、子供と老人を中心に多数の死者が出る。
4.当然ながらエルサ及び王家に対する国民の怒りは頂点に達し、残されたアナも即刻処刑されそうになるが、ハンスの仲裁のお陰でアナがエルサを捕まえてみんなに引き渡せばアナの命は助けてやろうということになる。ただし軍の指揮権等は王家から剥奪され、単身でアナはエルサを捕まえに行かなければいけない。そしてアナを送り出したハンスはこの機に乗じて国を乗っ取る機満々で、アナはどうせエルサに殺されるだろうと考えていた。
5.アナは道中で知り合った山男クリストフを誘惑し、協力を求める。クリストフは童貞だったのでとりあえずセックスはエルサを捕まえるまでおあずけにして焦らしプレイ。
6.エルサの雪の城までたどり着いたアナとクリストフだったが、エルサに魔法で殺されかけ撤退。その後、アナのいない間に国を乗っ取りつつあるハンスが更に手柄を立てるため兵とともに攻め込み、何十人も犠牲者を出しつつもなんとかエルサをとらえる。
7.自力でエルサを捕まえられなかったアナは、このままではエルサの処刑後に自分も殺されることを悟り(クリストフはこの時点でアナを見捨てて逃亡)、とらわれたエルサを助け、エルサと和解してエルサの魔法で城にいる人間を皆殺しにし、逃げることを思いつく。
8.そのころ、一旦は捕らえられ城の牢屋につながれたものの、エルサは魔法により独力で脱走。しかしハンスの追跡によりエルサは再び捕らえられる。ついでにエルサをレイプするハンス(女は一発やったら殺そうという主義)。そんでいよいよエルサを処刑しよう、というところで間一髪アナが奇襲しハンスを殺害、助かったエルサは魔法で城にいた重臣たちや兵士たちを皆殺しにして姉妹は逃亡…しかし途中で民衆に見つかり、石を持って追われる。エルサは魔法で民衆を大量虐殺するが、王家に国をめちゃくちゃにされた民衆の怒りはすさまじく、最終的に雨霰のような投石によって姉妹は息絶える(とどめは子供を殺された母親の一撃だったという)
9.後日、クリストフはアナに協力していたということでついでに処刑された。童貞のまま死んだ。
10.こうして王政が廃され、民衆による革命が成功したかに思えたが、結局ハンスの母国が敵討ちの名目で軍勢をもって侵略、騒動でガタガタになっていたエルサの国はあっというまに滅ぼされ、国民は奴隷になったとさ。めでたしめでたし。
先輩「なるほど、よくわかったぜ! なんかディズニーっぽくない気もするけど、そういや大人が観ても楽しめるとかディズニーの王道から外れた画期的な映画だという評判だから、そんなもんか」
先輩「よーし、じゃあさっそく明日の合コンでかましてみるか!」
ラース・フォン・トリアーっぽいか?というと別にそうでもないかもしれない…。
追記しようと思ったが、微妙に長くなったので新しく書いた。
中には怒っている様な人が居たが、俺としては怒らせるために書いた文章では無いから、その辺は申し訳なく思っている。だから、この文章は出来るだけ整理して客観的に書いていきたいと思う。
まず、「彼女と結婚したくない」のブコメやトラバは読めるもの全部目を通した。
色々突き刺さったものがあったが、特に突き刺さったのが次のものだった。
女性配偶者と結婚するにあたって、処女を追求するのは結婚の目的に適する証明
0.前提
ここでいう健全とは、犯罪者に育まないこと、意志力(『意志力の科学』より)を有効活用できることなどを指す。
この根拠はWikipediaの「離婚」の記事の「離婚が子供に与える影響」という項目に論文がまとまって脚注されていますので、そちらを参照してください。
2.上記の1より、離婚が起こりにくいパートナーを選択した方が結婚の目的にかなう
3.ここで離婚が起こりにくいパートナーは、「処女・非処女」の区分だと、処女になる
それは浮気確率について、処女に比べて、婚前経験人数1-3人は4倍、経験人数4人以上は8.5倍であるという(加藤司 『離婚の心理学』p110)データがあるため。
これは婚前経験人数なので、強姦された人は含まれません。自身を強姦した人と自発的に結婚する人はかなり珍しいので。
4.結論
上記の0-3までで、「女性配偶者と結婚するにあたって、処女を追求するのは結婚の目的に適する」と判断できます。
ソース・『下半身の論理学』(https://www.amazon.co.jp/dp/B00R73R7CM/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1)のレビューより
勝手な言い分や感想とは異なったものだった。書店に行って確認までしたが、論破はできそうにないものだった。
そしてそのまま彼女のところに行って、話し合いをして、別れることになった。
彼女は泣いていた。そして俺も泣いていた。だが、別れることが二人のためであるという側面もある。もちろん、そうでない側面もある。ちょっとした騒ぎにもなって、特定されたくないので期待している人には悪いが、詳細は控えさせてもらおうと思う。
ここで終わらせてもいいのだが、処女を追求することについて、いくつか発見があったので紹介したい。
女性側に排卵隠蔽があるために男性はそれへの適応を迫られた.このため純潔性と婚姻後の性的貞操への選好が生じる.これは文脈に大きく依存し文化間で大きな差がある.
・若さへの好みについて
(改訂版追加項目)若さへの好みについて:男性が繁殖力を求めるのだとすると非常に若い男性は自分より少し年上の女性を好むと予測される.実際のリサーチでは15際の男性は17~18歳の女性を好むという結果が出ている.しかしその年の女性は自分より若い男性には全く興味を示さない.これは「男性の若い女性への好み」を「報酬強化」や「男性が権力とコントロールを求めること」で説明しようとする主張が成り立たないことを示している.
多くの動物と異なりヒトにおいては男性側が配偶相手の身体的な魅力をより追求する.また若さの追求は霊長類の中で独自の特徴だ.これは(長期的な配偶相手においては)選択時以降の生涯にわたる潜在的な繁殖力が重要であるからだ.若さや美しさの追求は西洋文化から来ているのではなくユニバーサルな特徴だ.女性に対する美・魅力の基準は決して恣意的ではない.ただし純潔への選好には文化が大きな影響を与えている.しかし結婚後の貞操を求める心は強くユニバーサルだ.
ブコメで叩かれるであろうことはわかっていたが、「呪いにかかっている」どころか「精神病」や「強迫性障害」まで出てきたことについては、はっきりいって今のはてなは異常だ。男性が処女を求めるのは、正常だ。
by-king誰とは言わんが、普段は価値観の多様性の大切さを説いてるのに、自分と合わない価値観に対しては真っ向から否定したり、精神病扱いして矯正しようとする頭悪い人が居るよな
ChieOsanai ふだん多様性万歳と言ってるはてなーも、男らしくない男は徹底的に叩く。それがはてな村のジャスティス。
ここでいう男らしさは、フェミフィルター(?)を通過できた都合の良い男らしさになるんだと思う。
ちょっと前に増田で話題になった「アナと雪の女王」のクリストフみたいな感じだ。
はてな村の多くの人は、ソーシャル・ジャスティス・ウォーリアー(SJW)なのだと思う。
東たちの言ってる「クリストフの扱いが可哀想」っていうのが今回盛大に馬鹿にされてるけれども、かつて同じことを書いてたブログがそっちは大賛同だったんだよね。
http://semimaruclimb.hatenablog.com/entry/2015/05/13/221216
どうしてこんなに違いが出たのかっていうと、
クリストフを「男」ではなく「被差別民族サーミ人」として申し立てたから。
「甘えるな」「まだヒーローを求めている」「ミソジニー」と罵倒だらけになるのに、
「その通り!」「見事な指摘!」「鋭い洞察!」と大絶賛になる。
アホくさ。
こういったことが起きる。
はてな村が偏っていることは、「はてなユーザーの性格分類統計」(http://fuyu.hatenablog.com/entry/2015/10/17/025450)でも言われていて、16タイプ中上位3タイプ(INTP,INFP,INTJ)で全体の半分の割合を占める。内向型8タイプで全体の81%を占める。日本人の標準MBTIタイプテーブル(日本版MBTIマニュアル P.80)だと、上位3タイプはESFJ,ESTJ,ENFPで全体の内34%を占めて、外向型8タイプで全体の62%を占める。
はてな村の人達は、自分の立ち位置の特殊性は理解した方がいいのだと思う。
そして、はてなを利用する人は、その偏ったブコメを安易に鵜呑みにしないほうがいい。5chの言葉を鵜呑みにしないがいいのと同じ事で、それはあまりにも当たり前のことだけど。
俺が勤めている職場には今年の春から、高校を卒業したばかりの女の子が入社してくる。
耳障りが悪かろうが、政治的に正しくなかろうが、自然主義の誤謬と言われようが、身分違いで失敗しようが、女性が上昇婚をやめられないように、俺も繁殖力(若さ・健康・くびれ・美)のある処女(排卵隠蔽対策)を求めることをやめられないのである。
そして、社会はそうした多くの人で埋め尽くされており、そうした人が投票や政治活動でそうした社会をまた形作っていく。俺はその社会の中で、処女に関することがふと頭に浮かび、扁桃体神経回路の情報処理の結果が視床下部へ伝えられ、自律神経反応を引き起こして心臓の拍動が早くなり、胃腸の動きの変化を体感しながら生きていくのは、結婚生活における日常生活を営むレベルでも困難になると、その経験から判断した。
これを読んでいる人も、色々な言葉を取り入れつつ、最終的には自分の頭で物事を判断してほしいと思う。
上昇婚に関しては
この話の大前提になるのは、「女性は自分より年収の高い男性としか結婚したがらない」という現在の風潮です。これは結婚に対する意識調査で性格・容姿の重要度が男女共通であるのに対して女性のみ経済力や学歴を求めるとする調査1、実際の女性の婚姻の双方で観測されており2、ほぼ揺るがない事実とみていいでしょう。女性は社会的地位が不安定だから自分より年収の高い男性と結婚したがるのだという意見もありますが、そういったものに縛られない医師、テニュア持ちの研究者、士業の女性でも自分より年収の高い男性としか結婚したがらず“パワーカップル”と名付けられた高年収夫婦が統計的に明瞭に観測されるので、その指摘はほぼ無視して良いでしょう。
明示的に「くっつく」ってのは具体的に結婚が示唆されるレベルでって意味で書いた。
作品のテーマ的に姉妹愛のほうがメインだから描かれなかったってのはあるんだが、深読みすればディズニーは視聴者によってアナの恋愛観とクリストフへの好感度がバラけることを読んで幅を持って解釈できる描写にしたのだと思う。それでも「ただの業者」はねーよと思うが。
https://anond.hatelabo.jp/20180309162913
具体的には、ハンスのやったことを城を出てからアナが繰り返している。
ただ、ハンスは嘘つきなので合わせてYesで回答していたのを、アナはNoで回答している。
ハンスが寄り添っていく行動では、アナとクリストフは遠ざかる。
ハンスはアナのすることをずっと笑って受け入れてくれるけと、クリストフは当初、アナのことを信じていない。
ハンスがNothing is in my wayを歌うアナを邪魔する | アナがニンジンを探すクリストフを邪魔する、その後スヴェンに歌うクリストフを邪魔する |
ハンスがアナに怪我をしたかと質問する | アナが北の山について質問する |
アナがハンスに王女だと自己紹介する | アナがクリストフの仕事に皮肉を言う |
ハンスが王女だと聞いてかしこまる | クリストフがアナを厩育ちかと尋ねる |
ハンスが馬の所為で粗相をし、気まずい空気になる | アナがスヴェンのニンジンを投げるのに失敗する |
ハンスの前からアナが急いで立ち去る | アナの前からクリストフが追い出され、アナが追うことに |
アナが姉の言葉に寂しさを抑えきれず泣きそうなところ、ハンスが倒れたアナの手を掴む | アナがソリから落ちたクリストフを助けるためオオカミに火藁を投げる、崖から落ちそうになるクリストフにピッケルを投げる |
ハンスは話に夢中のアナに顔に手をぶつけられる | アナはソリに夢中のクリストフに顔にツバをかけられる |
ハンスがアナに肩をぶつけてくる | アナが“知らない人”クリストフから離れる |
ハンスが兄弟が無視をしている話をし、アナが同意する | クリストフがLove Expertの友人について話し、アナが否定する |
アナがcrazyな話をしたがり、ハンスが受け入れる | アナがハンスの話をするが、クリストフが出会った男との婚約を否定する。アナが話そうとするが、クリストフが止める。アナがクリストフを助けようとするが、判断が信用できないと断られる |
アナがハンスにI'm coming with youと言われる | アナがクリストフにI'll let you tag alongという |
アナがハンスのプロポーズを受け入れる(人生に関わること) | アナがオラフに真実を告げるのを止める(オラフの生命に関わること) |
ちなみにハンスは馬もハンスと同じ行動をする。基本他人に合わせることの暗示だね。
ハンスの馬がハンスと全く同じ行動をする | スヴェンがクリストフの歌に対して、「君を除けばその通りさ」と皮肉で返答する |
アナがAwkwardなのは状況であって貴方ではないと発言を取り繕う | クリストフがMay I? We me?May we?と緊張で文法がめちゃめちゃになる |
アナが発言を取り繕う時にWait, what?と言う | クリストフが発言を取り繕う時にWait, what?という |
基本的には、
・ハンスのようになんでもYesで受け入れてくれるのではなく、当初はNoでぶつかり合うくらいの関係性がホンモノ
・アナは1人で生きていくとノーコンなのでいろんなものを壊していくし、ハンスもそれに同調するだけだけど、クリストフはそれを一緒に分け合っていける関係(だから最後にポールにぶつけられる)
なんかトラバ見ると、そもそもアナとクリストフが付き合ったのか付き合ってないのか、そこの事実(フィクションだけど)認識からしてバラバラだな
そこが合わなきゃその先の解釈の話なんてそりゃ無理だわ
で、どっちなの?
多分、そうなんだと思う。
「男が勝ち取った女」以外は「彼女」と見れないんだろう。アナは誠実で自分に出来ることをやってくれたクリストフを信頼して好意を持ってるし、「何か成し遂げなきゃ人に好かれないなんてことはない」って描いてるんだけど、「何も成し遂げてないんだから好かれるわけない」って色眼鏡が外せてないから、クリストフとアナが付き合ってないように見えてる。
「男らしさで勝ち取った王としての力」以外に「男が女に好かれる理由」が認められないのが、「クリストフは業者扱いでアナから好かれてない」人の固定概念。
クリストフとアナは付き合ってるよ、後日談でイチャイチャキスしてたじゃん。
エルサも幼い頃は思うままに扱えていた力だったけど事故によるトラウマと抑圧で押さえ込み引きこもっていたのが、最後は力を思うままに使えるようになり妹や国民と幸せに暮らすありのままの自分が望んだ自分になっている。
増田は低知能のゴミだからわかんねーだろうけどクリストフの描写はそもそもモデルになっている北欧の少数民族に対し差別的だという指摘が当事者によってされている
お前のような自分の所持する属性だけに関するポリティカル・コレクトネスを一見主張しながらそこに存在する別の差別性をなんとも思っていない時点で増田の話は聴く価値がない
それとは別の話としてクリストフの自己実現が独裁者一族のお家騒動に絡んで出来たコネで非民主的独裁政権と癒着できたことで大金を得ていいクルマ(極めてアメ公的な成功モデルだ)に乗るというアレで男性的マチズモからは一歩も抜け出してなどいない
何がヒーローじゃないありのままの自分だお前の目玉はどこについているそもそも原曲のニュアンスじゃありのままの自分だのといった綺麗事じゃなく全部知ったことかボケ押し付けられた責任なんざ全部放り出してやるぐらいの意味だぞアホなのか
サポート役だとヒロインとくっつけないっていうのは勘違いなんだよ。
CCさくらの小狼くんとかセーラームーンのタキシード仮面なんて実質サポート役だろ。どちらも女性作家なんだが女性は自分を立ててくれる男性が好ましいと思っている。
クリストフがアナと明示的にくっつけなかったのはイケメン度がちょっと足りなかったからだろうな。これからチャンスはあると思いたいが。
結局女性にとってはヒーロー<イケメン。一人の女が目的ならヒーローになるよりカッコよくサポートしたほうが手段としては正解。不特定多数にモテたいならヒーローだが普通の人間がなるのは困難。
単純にこれは、男性女性の問題でなく作品の解釈の取違いというだけでないだろうかというのが私の主張である。
いやアナ雪見てないんだけどさ。
というかヤバミ漂う3人を「男」としてとらえた記事を書いておきながら、女性専用車両等のジェンダー問題において述べられる男性性が「男」のすべてを述べているわけでない、というのはちょっとどうなのか。つーか、規範化だとかそういうの、ちょっと男性に適用されないのかなとか思っちゃう。被害性がそうであるように加害性も規範化されうるものだと思うけど。
ちなみに、男性には加害性が含まれるという前提で書かれた記事やブコメは存在する。ググれば出てくるでしょ?実は嫌われ者のはてこがそれに反駁する記事を書いていたりするのを私は知っているんだ、ググったから。
さてまあ、記事中の重箱の隅をつつくのはマナー違反として、そこにさらに他人の解釈にケチをつけるという逸脱を重ねるのもあれだが、私なりのアナ雪の解釈を述べたいと思う。いや、見ていないんだけど。
アナ雪の特徴として、前半で提示された聞こえのいいことが、どんどんと覆され、結局、前提とされていたコアな部分。つまり、例えば女性が女性を肯定し、女性性を肯定する関係性についてや、好きなものに従事するということが肯定されるという仕組みを持っている。
例えば、えーっとハンスだっけ?あれは悪者なんでしょ、あいつが。それで、アナだよね?茶髪のほう。あれと共通点を歌う曲があるわけだけど、あれは、恋愛工学者だったりナンパ野郎だったりが使う手法だよね。聞こえはいいんだ。歌詞を考えると、うわー胡散臭いってなるけど、それを補う程度に曲が明るくていいんだ。そして同時に、でも、やっぱり胡散臭いよねってわかるような塩梅になっている。
この曲は構成上、ありのままの奴よりも先に流れるんだと思うんだけど、なぜかっていうと、ありのままのの曲も同じように『聞こえがいい曲』だからだ。
ありのままのをうたったエルザは、その時点において問題役を引き受けている。それは、エルザが最初に引きこもっていたときと同じ。問題役というのが自分の本質ならば、ありのままでいようというのがあの歌の内容であり、これは作品世界で常に否定され続ける考え方である。
しかしながら、なぜかこの映画は、その“ありのまま”という部分だけが評価され続けていて、それってつまり、ディズニーが用意した聞こえの良い胡散臭い歌に対して共鳴し、その先について考えないという態度に思えてくるのだが、これに文句を言い続けてもしかたがない。
そして、くだんの問題である。この映画は何を悪とし、何を問題とし、何を解決法とするか。
よくある、というか件の3人と元増田はそうと解釈しているのだが、悪はハンスのような態度であり、問題はエルザを閉じ込める機構であり、解決法はそのドアを開けることである、というものである。これは間違っている。
また、ハンスのような人物が否定されるのを今更議論するのもどうなのよ、と思ってしまう。それって美女と野獣で語られたことじゃない?というかディズニーには定期的にそういった悪役が登場する。つまりマッチョイムズ全開の男で悪役で、しかし、根っからの悪役とは言えない奴のこと。それは男女に依存しない。実のところ、そうやって物語を重層的にするのは、一般的な脚本の手法であるのだが、この映画はどうも“ディズニー映画の中でも特にフェミニズム”を意識した映画なので、彼は悪役である、という、まあそうだろうな、というところばかりに着目される。
そうなると、この映画の問題点とされている部分が浮かび上がってくる。それはつまり、否定されたハンスに対してクリストフは肯定されていないんじゃないか。これが、くだんの3人の胡散臭いゴミが語った内容と思われる。読んでないけど。で、元増田もそういった役割は終わりと書いている。前半しか読んでないけど。
ここにすれ違いがある。そもそも、この映画はフェミニズム的な要素があるものの、それは経済的な事情により付随したものであり、この映画が語ったのは別の問題なのではないだろうか。
加害性といわれるような力を持つ存在が、その力の使い方が下手だったりわからなかったり、あるいは、そういう加害性こそが素晴らしいという世界に育った人間の力の使い方についてこそが問題というのが私の解釈だ。ハンスもエルザも悪役や、問題にとらわれた存在でなく、彼らの力の使い道が問題なのだ。問題の持ち主が、悪役、というわけでないのに死ぬ映画は、割とよくある。純粋悪であることがすがすがしいといわれるほどありふれたテーマだ。にも拘わらず、この映画については特別にハンスのような態度が悪であると曲解される。それは結局のところ男性性は悪である。性に奔放であったり、あるいは、性を利用して利益を得ようとすることは悪であるという聞こえの良い言葉に騙されているからにすぎない。この映画でハンスが死んだのは紛れもない、私たちは女性をエンカレッジするという意思表明でしかなく。実際の映画の内容としては、女性と男性、問題と解決、というマトリクスに適用された結果なのだ。ちなみにハンスが死んでなかった場合は劇中にて改心して去ったか、あるいは改心することなく物語を終えるの2パターン考えることができるが、結局のところ死んだも同じなので議論しない。
さて、問題なのはクリストフである。この映画の最大の欠点であり、もっともセクシーなキャラクターである。ちょっと想像してほしい。例えば、あなたの知り合いが、仮に自分に興味のないことだとしても、目を輝かせて熱く語ったら、それはキュンとするだろう。私はする。しかしながら、彼は劇中で、どうも評価されないようである。それは元増田や、例のno.1、no.2に続く子供言葉として使われていくであろうno.3の三人組の共通の解釈だ。これはとても、大きく間違っているし、製作者もそれくらい誤解されることを意識しとけよな、という感じ。彼は、そのままでいいという態度が終盤で評価されているわけでない。彼は作中で延々と評価され続けている。ただ勇気ある行動の称賛として―おそらく、彼の価値観のなかでうれしい出来事が起こるのだろうが―彼にうれしいことが起こるのだ。
この延々と評価され続けることこそが、何が正しいのかを不明慮にさせるという点で、あってはならないことなのだが、アナ雪では、女性をエンカレッジするために、男性がないがしろにされてしまったのだ。その点では、解釈は違えども、あのくそ雑魚3人に同意する。
つまり、女性と女性の問題解決は成立したにもかかわらず、男性と男性の問題解決は提示こそされたものの成立しなかった。こんなもん当然誤解を生むだろうに、ディズニーは気づけなかった。愚かさ若しくは経済的な理由でだ。
クリストフはとても魅力的なキャラクターで、彼にその気があればお付き合いしたいくらいだ。抱き心地もよさそうだし、なによりあったかそうだ。彼の目は車について語る硬派なヤンキー張りにキラキラしていて魅力的だ。いやーときめいちゃうよね。
だけれども、そういった輝きを作中で表現できていただろうか。おそらくできていない。彼はこの物語で元増田にさえ“脇役”としか見られていない。それは、彼がハンスを救えなかったということにつきるのではないだろうか。
この物語では、問題点こそあるものの悪そのものは存在しない。救えるという物語であるのに、彼はハンスを救えなかった。この物語の文脈上、彼は悪役か脇役にしかなれないのだ。彼の輝きは、彼を悪役でなく脇役として持ち上げる程度にしか役立たず、決して主役に持ち上げることはなかった。決定的な欠陥である。
ただし、それはクリストフを悪役に貶めようとしたわけではない、ということを最後に語りたい。例えば、パトレイバーの重さんや、ノアはオタクでそれぞれ男女であるが魅力的なキャラクターに仕上がっているし、重さんを脇役と思いこそすれ、クリストフと同じような悪役にならずに済んだ脇役と解釈するものはいないだろう。それはパトレイバーがお仕事物で、お仕事に熱中するものを肯定する前提があるからだ。なんにしてもオタクは素晴らしい。熱中は熱とともに光を発する。だから、クリストフはそう描かれ続けたことによって、制作者は“肯定した”と思い込んだし、実際、否定されているわけではないので、客観的に見ればそう解釈することは可能なのだ。
とはいえ、男目線からみれば、当然、男らしい提示された男は死に、男らしさのない自分もその陰となる男らしい自分を救えないという絶望的な内容で、アナ雪は男女に切り分けると当然残酷な物語になる。
ちなみにスコットピルグリムの漫画ではこれをかなり直接的な内容で描いていてとてもよい。
さて、まとめるとディズニーの失敗は3点で、
1.男女それぞれに、問題役と解決薬を用意した(安直な解決法による分断をしてしまった)
3.男女それぞれの問題役、解決役の最後をゆがませてしまった。
というあたりだろう。もろちん、ちゃんと観てみれば問題点をより精査できるのであろうが、観ると胃袋がもたれそうなのでこれが限界である。
ともかく、女性が女性を救うだとか、男性が男性を救う、というのは、ある程度の不都合を棚に上げ団結しやすいから、でそれ以上の意味はない。当然、女性が女性らしさを捨てるだとか、男性が男性をすてるだとかも同じようで、都合がいいだけなのだ。どうも元増田はTEDのあれのリンクをはっているが、あれだって、利益があるという、不都合を棚に上げた、聞こえの良い話だ。仕事を休みたいときに休んだり、ちょっと将来に心配な貯金額で仕事をやめ畑にいそしむものを落伍者というように、われわれは、本来の望み通りに動いているものを評価することができない。むしろ否定したりする。男性被害者のことを考えず痴漢をしない男性をも犯罪者として疑う機構の女性専用車両だってそうだ。痴漢でなくとも、例えば、優先席に座らない健常者をどう思うだろうか。普通?当たり前?当然?別に評価する必要はない?
我々はわかりやすさに支配されている。優先席に座らず立つ人間より、優先席に座っていたが譲る人間を評価する。そうであるより、そうなるほうを評価しがちだ。
ただし、私としてはそういった都合の良い傾向を否定したい、というわけではない。
クリストフが「ありのままのおれ」であって欲しいという内容にしか読めないな。
俺はクリストフにはなりたくないし、あれが「ありのまま」の自分だとも全く思わん。
少なくとも、アナやエルサみたいな迷惑王族の取り巻きになろうなんてことは絶対考えない。
支配者階級にいい顔してショボい褒美をもらってヤッターなんて言ってる人生を、何が悲しくて「ありのまま」として受け入れねばならんのだ。
俺の「ありのまま」なら、アナやエルサの近くからすぐにでも逃げ出す。
アナ雪で問題なのはクリストフの扱いではなく、ハンス王子の扱いだと思う。
増田の言うように、クリストフは従来のヒーロー像とは異なり、「ありのままのおれ」という新しい男性像を提示している。
こうした男性像が普及すれば、確かに現在の男社会でうまくやれない人々を楽にすることができるだろう。
では、ハンス王子はどうだろうか。
このヒーロー像はまさに、男社会においてうまくやれている人々に当てはまるものだ。
物語上、ハンスが罪人となったのはアナとエルサを殺そうとしたためだが、本当の理由は彼が「否定されるべきヒーロー像」だからである。
またこの増田も、「現在の『ヒーロー像』『プリンセス像』は一度打ちこわし、火にくべるべき」と主張している。
リベラルな考えでは、もはや男らしい、女らしいことは罪なのである。
しかし、本当にそれで正しいのだろうか。
このままリベラルな考えが広まっていけば、男らしい男性、女らしい女性は批判され、否定されることだろう。
それは、現在の社会的弱者が受けている「抑圧」と何が違うのだろうか。
真にリベラルに考えれば、クリストフもハンス王子も、それぞれ幸せになるべきだった。
男らしい男性もそうでない男性も、どちらも自らを受け入れ、そして他者を受け入れる世界こそ、生きやすい世界なのではないか。
って書いてる途中で気づいたんだけど、ハンスって王になりたいけどなれそうもないって設定だったよね。
やっぱディズニーって神だわ