はてなキーワード: チベット人とは
拉致問題や核開発を口実にコリア文化へのヘイトをぶちまけてきた連中のやってきたことが正しかったという話になるやんけ。
中国が独裁体制でチベット人やウイグル人をいじめてるからといって中華料理屋に嫌がらせしたり中国人声優をキャンセルすることが許されるはずがない。
日本が侵略戦争を始めたのは事実だけど、日系アメリカ人が強制収容されたのはどう考えても間違ってるでしょ。
なんでこんな簡単なことがわからないの? 馬鹿なの? ってずっと思ってる。
何年も前に、ヨーロッパだかアメリカだかで、ロシアへの抗議としてウォトカを捨てるパフォーマンスをやってる連中がいた。金正恩への抗議と称して朝鮮学校に押しかける連中とやってること一緒じゃん、としか思えなかった。あんな人種差別主義者どもは悪だ。侵略戦争の首魁ほどではないかもしれないが、それでも明白な悪だ。
プーチンが、ついにウクライナ内部に樹立された「人民共和国」の独立を承認した。
これは一連のウクライナ戦争において、今までで最も重大な回帰不能点(ポイント・オブ・ノーリターン)だ。クリミア併合よりもその重大性は大きい。
クリミアとドネツク・ルガンスクの何が違うか。それは「戦争前の地位」だ。
戦争前、クリミアはウクライナ内部において「自治共和国」の地位を有していた。ロシアのクリミア併合は、このクリミア自治共和国が「クリミア共和国」としてウクライナからの独立を宣言し、その後ロシアとの併合条約を結んだ、という形式になっている(ロシアは連邦制の国であり、国内にいくつもの共和国がある。タタルスタン共和国やサハ共和国、チェチェン共和国あたりが日本では有名だろうか。したがってクリミアも、併合後は「クリミア共和国」としての地位を享受している)。
ある国家内の自治領域が独立宣言を行うこと自体はよくあることだ。たとえば、ソ連の解体も、ソ連に属していたウクライナ共和国やベラルーシ共和国といった連邦構成共和国がソ連からの離脱を宣言するという形で行われた。ユーゴスラビアの解体に際しては、スロベニア共和国やクロアチア共和国といったユーゴスラビア連邦内の共和国が独立宣言を行い、それを西欧諸国が強引に承認するということもあった。
もちろん、クリミアの地位は共和国よりも一段劣る「自治共和国」であり、ウクライナ憲法は国土の不可分性を謳っていたのだから、クリミアの「独立」が上の先例と並べられるかという疑問は出てくる。しかし、それに先立つ2008年に、自治共和国よりもさらに劣る「自治州」の地位にあったコソボの独立宣言を、コソボはセルビアの領土だと明記されたセルビア憲法に背く形で欧米や日本が承認した以上、「なぜコソボ独立はよくてクリミア独立は駄目なのか?」という反論にもそれなりの説得力があった(ウクライナ憲法は守らねばならないがセルビア憲法は守らなくてもよい、というのはセルビア人への蔑視や差別意識があると言われても仕方ないのではないか?)。
だが、ドネツクとルガンスクについては話が違う。これらの地域は、ウクライナ戦争前にはなんらの根拠も持っていなかった。ウクライナ共和国内のドネツィク県とルハンシク県に過ぎなかった(ウクライナ語のオブラスチは「州」と訳されることが多いが、「県」でも間違いではない)。戦争中に親露派武装組織――つまりロシアの手先――が占領した領土を「自治共和国」だと勝手に宣言したにすぎず、ウクライナは当然それらの地位変更を認めていない。
つまり、満州国だ。あれも、中華民国において確立された自治領域ではなかった。関東軍が占領し、溥儀を傀儡に立てて建国を宣言した。プーチンのしていることは関東軍と同じだ。
クリミア併合までは、「欧米が認めたコソボの独立と同じことをしているだけだ、それの何が悪い?」と、いちおうは国際法に則った言い訳ができた。ドネツィク・ルハンシク両県への軍事介入も、「あれは現地の武装勢力が勝手に騒いでるだけで、ロシア正規軍は何も関与していない」という白々しい建前をいちおうは貫いていた。ここまでは、色々とツッコミどころはあるだろうが、最低限の国際的な建前を意識した行動だった。
それが、ドネツク・ルガンスク両「人民共和国」の独立を認めたことで、ついに越えてはならない一線を越えた。他国の領土に勝手に樹立された政権を承認する。これは明白に国際法を踏みにじる行いだ。なんの言い訳もできない。ロシアは完全に無法国家になった。
もともとかの国に遵法精神など期待する方が無駄だったといえるのかもしれない。しかし少なくともこの半世紀、ロシアは国際法を建前としては尊重しようという姿勢を見せようとはしていた。その姿勢すら見せようとしなくなったというのは、やはり重大な転換点といえるだろう。
そして、世界には、「紛争によって勝手に宣言された自称自治州や自称独立国家」が多く存在する。今回のプーチンの独立承認は、それらにも影響を及ぼさずにはいられない。
真っ先に思いつくのは、沿ドニエストル共和国だ。モルドバ領内のドニエストル川左岸地域が、ソ連解体とモルドバ独立をきっかけに自治を宣言した。その後、独立を宣言し、ロシアが事実上の後ろ盾についてはいるが、あくまで国際的にはまったく認められていない。
あるいは、北キプロス・トルコ共和国の例を挙げてもよい。キプロス共和国内でトルコ系キプロス人の武装勢力が(トルコ軍の協力を得て)占領した土地を勝手に「共和国」と宣言したが、当然トルコ以外にはまったく認められていない(余談だが、国内に非承認国家を抱えた紛争中の国がEUに入れてしまったのは本当に制度のバグだと思う。ギリシャがゴネるから入れざるを得なかったんだよな……なお、国連が提案した南北再統合案を蹴ったのは南側な模様)。
もっと言うと、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦では、セルビア人勢力が占領した土地に勝手に「スルプスカ共和国」を建国した。現在、ボスニアにおいてスルプスカ共和国は連邦を構成する共和国として認められてはいるが、コソボと違ってその独立は承認される見込みがない。戦争前には存在しなかった国だからだ。内戦時にクロアチア共和国領内で樹立されたスルプスカ・クライナ共和国も、最後まで国際的に承認されることはなかった(なお、スルプスカ・クライナ共和国はクロアチア軍の大攻勢によって崩壊し、数百年にわたってクロアチアに居住してきたセルビア人が大量に難民として流出することになった。ザ・民族浄化の典型例である)。
ドネツク・ルガンスク両「人民共和国」の独立が、これらの紛争地域にどのような影響を及ぼすのかは何ともいえない。国際的な監督下に置かれ主権が制限されているボスニアの一部であるスルプスカ共和国や(現在のボスニアは高等弁務官が民主的に選出された政府高官の罷免権などを持っているので実質的にEUの保護国であり主権国家とはいえない。なんで国連入れたの?)、国連による再統合交渉が続けられ、かつ形式的にはEU加盟国の一部である北キプロス・トルコ共和国に与える影響は小さいかもしれない。だが、何も影響がないということはありえないだろう。
そして世界のどこかには、未来のドネツク・ルガンスクがあるはずだ。ロシアの行為は、それらの地域で独立を夢見る人びとにとっての範になる。本当に、越えてはならない一線だった。
なお、このへんの危うさを一番わかっているのが中華人民共和国である。かの国は、コソボもクリミアもアブハジアも南オセチアも、一切承認しないという態度を貫いている。チベット人やウイグル人に対してジェノサイドを行い台湾への締め付けを強めているだけに、一方的な独立宣言の恐ろしさをよくわかっているのだろう。もちろん中華人民共和国による少数民族への抑圧は決して宥恕されるべきではないが、しかしコソボの独立は認めながらアブハジアの独立を認めようとはしないどこかのダブスタ国家に比べれば、遥かに道理というものをわきまえた行動ではないだろうか。日本政府は今からでもコソボとアブハジアに対して一貫した態度を取ってほしい。
事実誤認がひでーぞ。
どんな意見も自由だが、よく知らないことならネットに書くな。それはデマを流してるのと同じことだ。
いいか、チベットはまだうやむやになってないし、チベット人もくじけてなくて、同化も全然進んでないぞ。(たぶん新疆「片付いたら」次だ…)
新疆の前にやられたのはチベットでなく内モンゴルだ。こっちは既に自治区の8割が漢人、今年からモンゴル語教育も禁止されてもう風前の灯。
後な、ウイグル人は既にがんがん中共にテロやってきた/やってるんだよ。新疆自治区内はもちろん、北京中南海狙いとかな。
ただ最近はもう抵抗組織も機能してないし、外国の支援もない。個人の復讐に毛が生えたレベルの散発的な奴じゃ監視社会の中国じゃ殆ど成功しねえ。
ただ北京電視台なんかが単なる未遂の逮捕を「またもやウイグル人過激派テロ!これで今年は〇十人が犠牲に!」とかやって一般の中国人のウイグル人蔑視を煽る材料にしてるわけさ。
そもそも一般の中国人的には、それまでの経緯すっとばして「2009年ウイグル騒乱で200人近い漢人が虐殺された(by新華社)」ところから話が始まってて
「やむなく過激派が跋扈する新疆の治安強化に乗り出した」って認識なわけ。
だから例え、万一ウイグル人の小規模なローンウルフテロが中華本土で成功したとしても、「数あるテロ事件の最新の一つ」になるだけでさ。一般の中国人民はいきなり激高したりせんのよ。
無論中共だって、「今年は阻止率下がるなあ」程度で、粛々と弾圧強化に出るだけ。(警備担当者の運命は知らん)
たまたま阻止失敗したからって、今更逆上して、衛星からの監視で分かるような「村焼き払え!」「村人全員連行!」なんてやらんよ。
「ウイグル」は民族名だ。地名じゃない。「新疆」とか「東トルキスタン」とか「ウイグリスタン」ってのが地名だ。
「ウイグルでひどいことが起きている」のように「ウイグル」を地名のように扱うのは見ていて恥ずかしいので即刻やめろ。何もわかっていないのが丸わかりだ。「ウイグル人にひどいことが行われている」のように民族名として扱え。
「アイヌ」と同じだ。「アイヌ」という民族はいるが「アイヌ」という土地はない。「北海道」や「アィヌモシㇼ」が地名であって、「アイヌ」は地名じゃない。
北海道でアイヌの伝統的なサケ漁が禁じられていることを「アイヌで漁を禁止された」と言ったらおかしいだろう? 「アィヌモシㇼで漁を禁止された」か「アイヌが漁を禁止された」と言うべきだ。
「チベット」や「モンゴル」は民族名でも地名でもある。「日本」や「朝鮮」と同じだな。「朝鮮で弾圧が起きた」でも「朝鮮人が弾圧された」でもOKなように、「チベットで弾圧が起きた」でも「チベット人が弾圧された」でもどっちでもよろしい。
話をウイグル人に戻すと、「新疆ウイグル自治区」ってのは「新疆」にある「ウイグル人の自治区」って意味だ。
中国は民族区域自治を採用しているから、少数民族が集まって住んでるところには「○○(地名)・××族自治州」みたいなのが設置されている。その一番でかいやつ(省と同格)が自治区だ。
だからたとえば、内モンゴル自治区の外にモンゴル人が大勢住んでいるところがあれば、そこは「○○・モンゴル族自治県」のような行政区域になる。
新疆ウイグル自治区にはウイグル人以外の少数民族もそれなりに住んでいるので、新疆ウイグル自治区の内側にはイリ・カザフ自治州があり、さらにその内側にはホボクサル・モンゴル自治県というのがある。これを「カザフ」や「モンゴル」とするのは間違いだ。それはあくまでも「イリにあるカザフ人の自治州」「ホボクサルにあるモンゴル人の自治県」であって、土地の名前は「新疆」にある「イリ」や「ホボクサル」だ。
仮にサンフランシスコの日本人が自治権を獲得して、「サンフランシスコ日本人自治区」ができたとして、それを「日本」と呼ぶのはどう考えてもおかしいだろう? 「新疆ウイグル自治区」を「ウイグル」と略すのも文法的にはそれと同じことだ(ウイグル人は日系アメリカ人と違って先住民族なので政治的には大違いなのだが、そこはひとまず措いておく)。
世界の国名の中には、「○○人の国」という意味の国名がいくつもある。英語で考えてみると、東欧のスロバキアはSlovakiaで、スロバキア人はSlovaksという。Slovakの国だからSlovakiaなのだ。Croatsの国だからCroatiaで、Scotsの国だからScotlandだ。これは、日本や朝鮮や琉球のように、「○○」という国がまずあって、そこの国民だから「○○人」、という名付け方とは真逆になる。
日本語ではそこを考えず「スロバキア人」「クロアチア人」「スコットランド人」としているわけだが、いくつかの民族については、日本語でも厳密に民族名と地名を区別している。
わかりやすい例を挙げると、「アラブ」がそれだ。「アラブ人」の土地だから「アラビア」なのであり、「アラブ諸国で」「アラビアで」とは言うが「アラブで」とは基本的に言わないはずだ(ところで、言語名が「アラビア語」なのはよくよく考えるとおかしいと思う。言語は土地じゃなくて民族にくっついてるんだから「アラブ語」だろうJK)。
そして、中央アジアでは、このへんきちんと区別されている。カザフスタンの基幹民族はカザフ人だ。民族名の「カザフ」に「~の土地」を意味する「~スタン」をつけて「カザフスタン」だ。同様に、トルクメン人の国だから「トルクメニスタン」で、ウズベク人の国だから「ウズベキスタン」で、歴史的にテュルク系民族がいっぱい住んでた土地だから「トルキスタン」なのだ。
「ウイグル」もこれに当てはまる。「ウイグル」は民族名であって、地名に使うのは間違いだ。「ウイグル人の土地」と言いたければ「ウイグリスタン」、中国語で「新しい土地」と言いたいなら「新疆」、「歴史的にトルキスタンと呼ばれてきた地域の東半分」と呼ぶのなら「東トルキスタン」だ。
ウイグル問題に関心を持つ人が大勢いるのはとても良いことだ。東トルキスタンで起きているジェノサイドは許されるべきではないし、中国政府の所業は大々的に糾弾されるに値する。だが、もうちょっと正確な語法を使ってもらえまいか。少し事情を知っている者からすれば、「ウイグルで弾圧が起きた」のような文章を見ると「書き手はウイグル問題の基礎知識を理解できていないのでは?」と不安になってしまうのだ。せめてそれが民族名であり、地名ではないことくらいは意識しておいてもらいたい。
自治州・自治県レベルだと新疆の外にウイグル人の自治領域はないっぽい。これはウイグル人が新疆に集住してるという事情があるからだと思う。ていうかウイグル人(テュルク系)が集住してるからトルキスタンっていうわけで。
回人の自治州が寧夏の外にもあちこちにあるのは、彼らが散らばって住んでるからだよね。モンゴル人自治州があちこちにあるのと同じ。この2民族は歴史的経緯から居住地が広範囲にわたっている。
チベット人自治州は青海省とかチベット自治区の周りに集中してるけど、これは自治区がチベット人の居住地に比べて狭すぎるからだよな。あのへん、前近代は清朝とガンデンポタンの勢力圏が重なり合う地域で、現在の中国の行政区画はそういう曖昧な領域の多くを自治区から外してるから、自治区の外にたくさんのチベット人地域が取り残された形になってる。
Black Lives Matter運動、違和感がありつつもうまく言語化できなかったんだけど、色々読んでいくうちに違和感の正体がわかった気がした。
たとえばロヒンギャへの支援を訴える運動は、ビルマ政府のロヒンギャ弾圧はひどいよね! ビルマに圧力をかけてロヒンギャ弾圧をやめさせよう! というものであり、世界中でひどい扱いを受けているイスラーム教徒として連帯しよう! みたいな運動ではない。
ウイグル人やチベット人の抑圧を訴える人たちも、中国政府の扱いはひどい、中国政府は弾圧をやめろ、と言っているのであって、全世界的に仏教徒やテュルク系民族は弾圧されてる! ということが言いたいのではない。
本来、Black Lives Matterもそういう運動、つまりアメリカの黒人はアメリカ政府やアメリカの警察に弾圧されている、アメリカ政府ひどいよね、世界のみんな、アメリカに圧力をかけてくれ! という話だったらよく理解できるんだよね。
でも、全世界的に黒人がひどい扱いを受けてる! それぞれの国でBlack Lives Matterを叫ぼう! 日本でもBlack Lives Matterのデモをしよう! って言われると、は? ってなる。
確かに日本にも黒人差別はあるし、オコエ瑠偉とか大坂なおみとかが差別された体験を語ってるから、日本にそんな問題はない! って言うつもりは毛頭ないけど、警察官が特定人種ばかり狙って射殺してくるとか、無抵抗の被疑者の首を押さえつけて窒息死させたとか、若い黒人男性が刑務所にブチ込まれまくってて黒人コミュニティが崩壊してるとか、そんなんはアメリカだけの問題だろ!
10年以上前にFree Tibetが盛り上がってて日本でもデモをやってたけど、あれは中国はチベット人への弾圧をやめろ! 日本からも中国に圧力をかけるのを手伝うぞ! という運動であって、日本のチベット人差別はけしからん! という訴えではなかった。
でもBlack Lives Matterは、少なくとも東京で行われたデモは、アメリカは黒人差別をやめろ! 日本からもアメリカの警察に圧力をかけるぞ! という運動ではなく、日本の黒人差別はけしからん! という運動になっている。
なんかおかしくね?
なんでアメリカ人って自分たちの問題=世界の問題だって思い込んじゃうの?
こういう、自分たちの問題=世界の問題、アメリカの差別事情=世界の差別事情だって思い込むアメリカ人の自己中心性っていうかアメリカ中心主義、見事にアメリカおよび英語圏の持ってる権力に由来するものだし、非英語圏出身のアジア人からすると「け、権力勾配~~~!!!」って感じがすごいするんだよね。
ローカル事情を自分たちの母語で叫んでるだけで全世界に訴えを聞いてもらえる身分の人たち、肌が白いか黒いかを問わず普通に特権階級だと思うんだけど、どうも連中にはその自覚がないらしい。
まずは自分たちの特権を自覚したらいかが? 日頃自分で言ってることなんだからできるでしょ? としか言えない。
それでもってそのローカル事情に基づいて出来上がったローカル基準をまるでグローバルスタンダードみたいな風に装って他国にも押し付けてくるし、押し付けることのできる権力を持ってるわけでしょ。アメリカ人が自国内でブラックフェイスをタブーにしてる分には知ったこっちゃないけど、全然文脈が違う日本にそれを持ち込んで、褐色キャラのコスをするレイヤーさんに文句つけてるのとかもうわけがわからんよ。
繰り返しになるけど、日本にも黒人差別はあるし、それは是正されるべきですよ。でもそれはアメリカにある差別とは違うものだし(日本の方がマシと言いたいんじゃなくて、歴史的背景も社会の人種間関係も違うんだから当然問題点も処方箋も違ってくるでしょという話)、アメリカ大使館に向けてならともかく日本社会に向けてBlack Lives MatterとかI Can't Breatheとか言われても日本の警察に捕まった外国人はちゃんと息しとるわお前らの国の警察とは違うんじゃという話になるわけで(日本の警察の人質司法や外国人差別を無視していいとは言ってない)。
というか日本では白人も「ガイジン」として差別されてて、黒人とのハーフだけじゃなく白人とのハーフだっていじめやからかいの対象になるんだから、日本の黒人は日本の白人と連帯して非日系のエスニック・グループとして日本人による差別と闘った方がいいんじゃねーのと思うんだけど、まあ彼らは“全世界的な白人至上主義”(これ指を頭の横でクイクイしながら言うフレーズね)と闘う方が重要らしいから、白人と「同じマイノリティ」として連帯する気はなさそう。あのね、知らなかったかもしれないけどこの日本では白人もマイノリティなんだわ。お前らの国のローカルな人種間関係を無邪気にヨソの国に適用するのやめてくんない? というか、グローバルな白人支配を問題にするなら、まずその英語帝国主義をやめてくれない? っていう話。
東京のローカルニュースでもそれに価値があるなら全国放送で流せばいいと思うし(たとえば、香港やパレスチナや西パプアの弾圧もローカルニュースだけど、国際的に注目されるべき人権問題だよね)、災害とかで都民が苦しんでいるなら「都民がんばれ!」みたいなムーブメントが起きてもいいと思うんだけど、都知事や都庁だけがめっちゃ腐敗してるという話なのに、「都庁けしからん」ではなく「日本の政治腐敗は深刻で」みたいな話にされたり、東京だけが被災した災害で「がんばろう日本」ってスローガンが掲げられたら他地方の人はカチンと来るよね、という話。
俺は男だけどそういう世界は見てみたい(自分は空気になったうえで)
ただ
そうなると今度は女女間差別とかが起こるんだよ、たぶん
(男だけの単性社会が実現しても男男間差別が絶対に起こる!!!!)
たとえば、性格が乱暴とか清潔でないとか「男っぽい」女性が差別の対象になるとか
ユダヤ人だけは可哀相な目にあったけど
多数派のふつうのゲルマン民族には夢のような理想郷だったかというと
そんなことはなく
「お前、祖父の代までさかのぼったら純粋のゲルマン人じゃねーだろ」
「お前こそ、曾祖父の代までさかのぼったら純粋のゲルマン人じゃねーだろ」
「お前こそ、曾々祖父の代までさかのぼったら純粋のゲルマン人じゃねーだろ」
「お前こそ、曾々々祖父の代までさかのぼったら純粋のゲルマン人じゃねーだろ」
と、際限なくゲルマン人同士で純粋を競い合ってマウント取り合う差別社会になったらしい
わざわざ定規で額の面積とか顎の長さとか測って
頭蓋骨の形が純粋のゲルマン人らしいかどうか調べ合ったとかいう
だから
世の中が女だけになっても
世の中がユダヤ人だけになっても
世の中がチベット人だけになっても
世の中がツチ族だけになっても
やっぱりその中でヒエラルキーはできるし、醜い権力闘争は起きると思うのね
でも、だから人間は汚いというニヒリズムを気取りたいわけじゃない
「男/女」とか「金持ち勝ち組/貧乏」とか「若者/老人」とか「漢民族/ウイグル人」とか「日本人/在日」とか「白人/黒人」とか「セルビア人/クロアチア人」とか
さまざまな強弱力関係が入り乱れて、絶対弱者も絶対強者もはっきりしない状態ぐらいが"比較的マシ"(最善ではない!)のではないかなあ、と思う