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2020-12-04

新疆ウイグル自治区を「ウイグル」と略すな

繰り返す、新疆ウイグル自治区を「ウイグル」と略すな。

ウイグル」は民族名だ。地名じゃない。「新疆」とか「東トルキスタン」とか「ウイグリスタン」ってのが地名だ。

ウイグルひどいことが起きている」のように「ウイグル」を地名のように扱うのは見ていて恥ずかしいので即刻やめろ。何もわかっていないのが丸わかりだ。「ウイグル人にひどいことが行われている」のように民族名として扱え。

アイヌ」と同じだ。「アイヌ」という民族はいるが「アイヌ」という土地はない。「北海道」や「アィヌモシㇼ」が地名であって、「アイヌ」は地名じゃない。

北海道アイヌ伝統的なサケ漁が禁じられていることを「アイヌ漁を禁止された」と言ったらおかしいだろう? 「アィヌモシㇼで漁を禁止された」か「アイヌ漁を禁止された」と言うべきだ。

チベット」や「モンゴル」は民族名でも地名でもある。「日本」や「朝鮮」と同じだな。「朝鮮弾圧が起きた」でも「朝鮮人が弾圧された」でもOKなように、「チベット弾圧が起きた」でも「チベット人が弾圧された」でもどっちでもよろしい。

話をウイグル人に戻すと、「新疆ウイグル自治区」ってのは「新疆」にある「ウイグル人の自治区」って意味だ。

中国民族区域自治採用しているから、少数民族が集まって住んでるところには「○○(地名)・××族自治州」みたいなのが設置されている。その一番でかいやつ(省と同格)が自治区だ。

からたとえば、内モンゴル自治区の外にモンゴル人が大勢住んでいるところがあれば、そこは「○○・モンゴル自治県」のような行政区域になる。

新疆ウイグル自治区にはウイグル人以外の少数民族もそれなりに住んでいるので、新疆ウイグル自治区の内側にはイリ・カザフ自治州があり、さらにその内側にはホボクサルモンゴル自治県というのがある。これを「カザフ」や「モンゴル」とするのは間違いだ。それはあくまでも「イリにあるカザフ人の自治州」「ホボクサルにあるモンゴル人の自治県」であって、土地名前は「新疆」にある「イリ」や「ホボクサル」だ。

仮にサンフランシスコ日本人が自治権を獲得して、「サンフランシスコ日本自治区」ができたとして、それを「日本」と呼ぶのはどう考えてもおかしいだろう? 「新疆ウイグル自治区」を「ウイグル」と略すのも文法的にはそれと同じことだ(ウイグル人は日系アメリカ人と違って先住民族なので政治的には大違いなのだが、そこはひとまず措いておく)。

世界国名の中には、「○○人の国」という意味国名がいくつもある。英語で考えてみると、東欧スロバキアSlovakiaで、スロバキア人はSlovaksという。Slovakの国だからSlovakiaなのだ。Croatsの国だからCroatiaで、Scotsの国だからScotlandだ。これは、日本朝鮮琉球のように、「○○」という国がまずあって、そこの国民から「○○人」、という名付け方とは真逆になる。

日本語ではそこを考えず「スロバキア人」「クロアチア人」「スコットランド人」としているわけだが、いくつかの民族については、日本語でも厳密に民族名と地名区別している。

わかりやすい例を挙げると、「アラブ」がそれだ。「アラブ人」の土地からアラビア」なのであり、「アラブ諸国で」「アラビアで」とは言うが「アラブで」とは基本的に言わないはずだ(ところで、言語名が「アラビア語」なのはよくよく考えるとおかしいと思う。言語土地じゃなくて民族にくっついてるんだからアラブ語」だろうJK)。

そして、中央アジアでは、このへんきちんと区別されている。カザフタンの基幹民族カザフ人だ。民族名の「カザフ」に「~の土地」を意味する「~スタン」をつけて「カザフタン」だ。同様に、トルクメン人の国だからトルクメニスタン」で、ウズベク人の国だからウズベキスタン」で、歴史的テュルク系民族がいっぱい住んでた土地からトルキスタンなのだ

ウイグル」もこれに当てはまる。「ウイグル」は民族名であって、地名に使うのは間違いだ。「ウイグル人の土地」と言いたければ「ウイグリスタン」、中国語で「新しい土地」と言いたいなら「新疆」、「歴史的トルキスタンと呼ばれてきた地域の東半分」と呼ぶのなら「東トルキスタン」だ。

ウイグル問題に関心を持つ人が大勢いるのはとても良いことだ。東トルキスタンで起きているジェノサイドは許されるべきではないし、中国政府の所業は大々的に糾弾されるに値する。だが、もうちょっと正確な語法を使ってもらえまいか。少し事情を知っている者からすれば、「ウイグル弾圧が起きた」のような文章を見ると「書き手ウイグル問題の基礎知識理解できていないのでは?」と不安になってしまうのだ。せめてそれが民族名であり、地名ではないことくらいは意識しておいてもらいたい。

ブコメにお返事

ウイグル自治州は新疆ウイグル自治区の外にはないのかな。回族自治州はけっこうあちこちにあるけれど。

自治州・自治レベルだと新疆の外にウイグル人の自治領域はないっぽい。これはウイグル人が新疆に集住してるという事情があるからだと思う。ていうかウイグル人(テュルク系)が集住してるからトルキスタンっていうわけで。

回人の自治州が寧夏の外にもあちこちにあるのは、彼らが散らばって住んでるからだよね。モンゴル自治州があちこちにあるのと同じ。この2民族歴史的経緯から居住地が広範囲にわたっている。

チベット自治州は青海省とかチベット自治区の周りに集中してるけど、これは自治区チベット人の居住地に比べて狭すぎるからだよな。あのへん、前近代清朝ガンデンポタン勢力圏が重なり合う地域で、現在中国行政区画はそういう曖昧領域の多くを自治区から外してるから自治区の外にたくさんのチベット地域が取り残された形になってる。

2009-10-19

回族

もともとはイスラム教徒に改宗した漢族コミュニティを作るうちに、少数民族になっていったものらしい。

つまり、遺伝子とか血統とかのレベルでは漢族と変わらない。

じゃあ、回族の中で、イスラム教信仰を辞めた人は漢族になるのか?宗教と関係なく民族としては回族のままなのか?

また、同じ論理キリスト教信仰する漢族基督族にならなきゃおかしいんじゃないの?(蒋介石クリスチャン

2009-07-14

新彊ウィグル自治区路地裏の真実

宮崎正弘トンデモ中国真実路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ)

 

(拙著からウィグルの紀行部分のダイジェストです)

モスクに祈りの音楽が聞こえない

ウィグル自治区で殆どのモスクイスラム寺院)は静謐そのもの、宗教活動は地下へ潜ったと見られる。

新彊ウィグル自治区地理的にみると中国の西北に位置し、その面積は百六十四万六千八百キロメートル。じつに中国総面積の六分の一を占める。日本の総面積の四倍以上だ。

大半が砂漠である。だから中国は平気で核実験場としてきた。そのうえ新彊ウィグル自治区カザフスタンキルギスアフガニスタンパキスタンなどとの国境線だけでも五千七百キロに達する。

国境警備にも力点をおくわけだから長大な防衛戦において兵站の確保は並大抵ではなく、どこからでも駱駝は進入できる。ビンラディン一派に通じるイスラム原理主義過激派ゲリラ武器中国国内に運びこむのもさぞ容易なことだろう。

極めて厳しい自然環境乾燥した気候である。とても住み良い、暮らしやすいという環境ではない。砂漠では水の確保も簡単ではない。広大であっても貧しいこの地域におよそ千六百六十万人が住んでいる。そのうちウィグル族が約九百五十万人、言うまでもなく大半はイスラム教徒で、古くからマホメット信仰している。

漢族回教徒を目の敵としたのには歴史因縁がある。

中世から近世にかけて現在中国北西部を収めていた元は原住民イスラム信仰には介入しなかった。近代になっていまのカザフスタンから新彊ウィグルにかけて「東トルキスタン」が建国されると、復古を主張する地下運動が盛んになり、血の弾圧に屈しないばかりか、ますます闘志をかき立てて原住民漢族に立ち向かうようになった。

新彊ウィグル自治区の党書記・王楽泉(山東人)はすでに十年以上(駐 執筆時点。いま現在は17年)に亘って、この地域の党書記として君臨している。

あたかも欽差大臣のごとく居丈高に振る舞っているが、九八年九月二日の記者会見で!)宗教管理をさらに強める!)共産党員はイスラム寺院に行ってはならない!)女性が顔を隠すのを禁止する!)ウィグル青年が長期不在となれば「過激分子」とみなし「宗教の自由」を剥奪する、などと時代錯誤の対策を語った。

 

ウルムチへ入った。ウルムチ市内には西安チチハルの清真寺のように迷路の奥の路地裏の、さらに裏にこじんまりと立つ小規模なモスクもあれば、福建省泉州のように街の真ん中に公園化した瀟洒なモスク漢字で「清真寺」を一般的に充てるが、泉州だけは「清浄寺」という)もある。道路沿いに多くの信者が住んでいるが、各地で表向きの信仰生活がみられない。公安の警戒を懼れ、モスク信者がちかつかないのだ。

冷戦終了直後に旧ソ連領のカザフスタンウズベキスタンタジキスタンを歩いた経験があるが、随所で早朝から大きなスピーカーで「アッラーアクバール」とコーランが流れているのを聴いた。

ホテルでこの聖なる音に目覚め、やおら窓を開けると、♪アラーは偉大なり♪

イスラム圏のまっただ中にいるという旅情がわき上がってきた。バグダットでもイスタンブールでも、エルサレムアラブ街でもサマルカンドやタシュケントでも同じ情景があり、必ずそこに宗教音楽が付帯した。

しかし中国は違っていた。宗教音楽はおろか公然とした祈りさえないではないか。

▲ウルムチは「砂漠チャイナタウン

一方でアルカィーダ秘密基地に「東トルキスタン独立」を掲げたイスラム原理主義過激派が訓練を受けていた。

寧夏回族自治省のみならず新彊ウィグル自治区トルコ系住民のなかにイスラム原理主義が拡大している事態の到来は、五輪をひかえた北京中央にとっては鮮明なる脅威という認識である。

北京は「9・11事件」の事後処理に便乗し、ウィグル独立運動を「テロリスト」とそそくさと規定した。そのうえで米国に圧力をかけ、容赦ない弾圧を新彊ウィグル自治区で強化した。911テロ以降も一万人もの「テロリスト容疑者」を拘束、一部を拷問にかけた。

イスラムの動きに鈍感で敵対心を潜在意識に潜ませる欧米諸国は、ウィグルに関してはチベットに寄せる同情心と較べるとやや薄い。まして米国は02年八月にアーミテージ国務副長官を訪中させた際に「ウィグル独立運動」を中国が要求するまま「テロリスト」に認定し直した。イラク包囲網を実行し国連で武力容認決議を急ぐあまり米国拙速にも北京と妥協したのだ。

 (中略)

村全体がウィグル人だったりする農村では、当たり前のようにモスクに集う人々の姿がある。また西安のような大都会でも、中心部のイスラム寺院「清真寺」には人々の礼拝が絶えない。モスク近くでコーランテープCDを買おうと尋ねてみるが、一枚もない。一軒だけコーランの経文を売る店がトルファンにあったが。。。

あまりの弾圧ぶりに、宗教活動は地下に潜ったのだ。年齢によって差はあるが、人々の服装を見ても若者の一部はイスラム帽もかぶらず、ピアス茶髪ショートパンツが珍しくない。ウルムチにさえディスコカラオケがあって暴走族がいる。カザフ・カラーという独特の模様の民族衣装はかろうじて残るが、TVと新聞北京に握られている以上、イスラムの主張は宥和的、微温的にならざるを得ないようだ。

ウィグル族の首都であるにもかかわらず、ウルムチには圧倒的に漢族が多い。動物園にはパンダ市民公園遊園地漢族家族連れが目立った。いまやウルムチは「ウィグルチャイナタウン」ではないか。

街の看板漢字アラビア文字が併記されている。ところが目立つのはカラオケ、瀟洒なビジネスビル大通りに溢れるのはトヨタ日産ホンダの車である。

服装もあか抜けしたデザインが主流で、ウィグルカラー民族衣装を着た人は少数派になりつつある。自転車が道に溢れ、商店の物売りたちの活気ある呼び声。バザールの喧騒。中国全土のどの都会にも見られる風景で、設計思想は似通っている。

最近のおびただしい漢族の入植は、この地にも工業化をもたらし、経済的な発展を遂げた。生活が少しでも豊かになれば物質的な欲望が果てもなく拡大するのは致し方のないものであろう。

都会のウィグル人の若者は懸命に北京語を学んでいる。言葉ができないと官として出世は望めず、給料も上がらないからだ。

中国沿岸部の人たちは競って英語日本語を習得し、外資系企業に勤め、うまくすれば外国人の伴侶を見つけて外国籍をとりたいと考えているようにムスリムのあいだにも漢族と同化し暮らしを豊かにしたいと考える若い世代が増えている。むろん村の古老たちはこうした現象を苦々しく見ている。

~~~~~~~~~(中略)~~~~~~~~~~~~

仏教遺跡はすべて破壊された

「交河古城」は岩の大地を上から発掘して造った、世界でも珍しい彫刻都市である。

南北一キロ、東西が三百五十メートルの大地の真ん中を道路が貫いている。寺院仏塔、住居跡が掘り起こされていて壮観であるが、どんな理由があってこんな苦労をして大地の中に都市を閉じこめようとしたのか。異民族の進入を防ぐための秘密都市だったのだろうか。

交河古城はそうした思惑の通りには行かず、漢族に滅ぼされ、城は徹底的に破壊され、新たに建てられた高昌城にとってかわられた。その高昌城とて後年には唐の大軍隊が侵略してきて滅ぼされた。数千年の間、仏教イスラムの苛烈な戦いが繰り返された新彊ウィグル各地の仏教遺跡には、一つとして満足な仏画仏像がない。偶像崇拝を禁ずるイスラム教徒の手によってことごとく破壊されたからである。

嘗てタリバン支配下のアフガニスタンではヘラートに近いバーミャン石仏イスラム原理主義過激派らはミサイル破壊した。「世界遺産」であれ、なんであれ狂信的教徒は他宗派を認めない。それは共産主義も同様である。

南に天山山脈を挟むクチャ、カシュガルともなるとイスラム教俄然、強い色彩を帯びる。カシュガルのエティカルモスク中国イスラム教徒メッカだ。ここに巡礼を果たしたイスラム教徒は仲間の尊崇を集めるという。 

現代の宗教の一つである共産主義は他の宗教指導者逮捕し、拷問にかけ、北京に刃向かうと見れば次々と処刑した。モスクを物置にされたイスラム教徒怨念はなまなかなものではなかろう。

血の弾圧を受けた新彊ウィグルの民は、チベットと同様にイスラム教への信仰をひたすら内面に押し込めた。その分、人々は心の中に蓄積された漢民族に対するルサンチマンを歪んだ形で膨らませだ。歴史的に蓄積されたこの反漢感情のエネルギーに火がつけば予想外の炎となって燃え広がるのは明らかである。

イスラム歴史と文化は漢民族に蹂躙され、独自の文明形骸化した。イスラム教は地下に息を潜めている。したがってもしイランホメイニ師のごとく強靱な精神指導者が現れたなら、かつてシャーを打倒したイラン革命のように漢族に対する一斉蜂起が起こるだろう。

 

拙著トンデモ中国 真実路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ)からウィグル箇所をダイジェストしました。同書は全33省を寄稿した、おそらく日本で唯一の本です。アマゾン ↓)

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2008-04-13

聖火走者はチベットの旗以外も掲げれば面白い

サンフランシスコでは聖火走者がチベット旗を掲げようとして排除されてしまったそうだけど、

の他に

そして

と旗を出していけば面白かったかも。最終的に残るのはどの旗か。それは何を表しているのか。

誰か日本でやってくれないかなあ。

2008-03-17

http://anond.hatelabo.jp/20080317132343

しかし、回族は実は「民族」じゃなく、イスラム教信仰する漢族だという説もあるらしい。

でも現在の漢族がイスラム教信仰しても回族にはなれない。

 
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